のび・・・バンビのくせに生意気です(櫻井翔)雨音にはショパンをカバチには特上カバチを(堀北真希)
今回も「雨音はショパンの調べ」に始まり、「愛の水中花」で「スカイハイ」から「ヒゲのテーマ(Do Me)」にて終るという・・・1970年代から1980年代(昭和50年代)のナツメロ大会BGMである。
なんなんだ・・・。
ま、とにかくノリノリなことは分ります。
若い子にはわからんだろうけどね・・・。
で、『特上カバチ!!・第7話』(TBSテレビ100228PM9~)原作・田島隆(他)、脚本・西荻弓絵、演出・今井夏木を見た。演出家・・・幼い頃の思い出か・・・。あの頃も貧しい人は貧しく、豊かな人は豊かで・・・貧しいものを食い物にするビジネスはそれなりに儲けていたよな。時代が変わっても人間のやることは変わらないのである。
消費者金融という貧困ビジネスがやりすぎて・・・社会問題となり、規制法案が成立したように、悪徳不動産ビジネスを規制する法律が今国会に提出され、来年春の施行を目指しているのである。いわゆる一つのイタチごっこである。
どう考えても家賃を滞納されて困る大家が涙目なのであるが・・・「土地が誰かのものであることがおかしい」という小学生やアメリカ原住民の気持ちも人々の心に眠っている。
しかし・・・今回、登場するのはそういうまともな大家と店子の話ではなくて・・・家賃が払えるかどうかも分らない不安定に経済状況に置かれた貧しい人々とそういう人間のなけなしの金を狙う仁義なきビジネスマン。そして、それを妨害する正義のボランティアとのいざこざである。
まともな人間は一人も出てこないのでご注意ください。
のび・・・バン・・・田村(櫻井翔)の昔の職場の先輩、山田(三宅弘城)が泣きついてきた。
「家賃を一日、滞納したら部屋の鍵を換えられ入室できなくなってしまった」と言うのである。
それはやりすぎだと・・・田村が例によってボランティアでかけあいに乗り出すと・・・借地借家法を逃れるために契約書に「貸しているのは鍵・・・部屋は鍵に付属したサービス」と示されているという悪徳不動産屋・瀬古井(田中哲司)が登場する。
すべては最初から貧乏人のない袖をふらせる魂胆なのである。
瀬古井の名前を聞いて、行政書士の住吉美寿々(堀北真希)は仇敵を思い出す。昔、悪徳金融業で貧困ビジネスを展開した男がいた・・・。
かって美寿々がギャフンという目にあわせたその男は業種を変えて同じことをしている。
サラ金が不動産屋になり、取立て屋が追い出し屋になっただけで手法は同じ悪徳な手口である。その正体はもちろん仁義なきビジネスマンなのだ。
瀬古井に宣戦布告をした美寿々は「目には目を、せこい手にはせこい手よ」と仁義なきビジネスマンも驚愕の手段に訴えるのだった。
合鍵業者に「鍵をなくしました」と嘘をつき、新しい鍵に交換した上で山田を部屋に居座らさせ・・・第三者の品物を瀬古井側に破損させ、その様子をビデオ撮影し、損害賠償請求を起こすと瀬古井を脅すのだった。
もう・・・どちらが仁義なきビジネスマンなのか判別不能です。
しかし、そんな脅しには屈しない、本物の仁義なきビシネスマンの親分である瀬古井は再び、部屋の鍵を変更し、山田の実家や職場にまで脅しをかけ、山田の家財道具を処分するという強硬手段を展開する。
「訴訟でもなんでもどうぞ・・・弁護士を雇う金があるんならね・・・」
と貧乏人の足元を見透かしたふてぶてしさである。
「もしも・・・自分が弁護士なら・・・ただで引き受けるのに・・・」
というどれだけヒマなんだ状態のいつもの田村と美寿々である。なにしろ・・・田村にいたっては行政書士でもないのである。
弁護士法で定められた「弁護士以外の者が示談交渉などの法律事務を行うことはこれを禁ずる」という法律の壁が田村たちの救いの手を山田にのばすことを許さないのである。
不況のために会社が傾き、減給され、妻と子に愛想をつかされた悲惨な男・山田の心の拠り所だった愛児の描いた絵も廃棄物の処理場で雨に汚れるのだった。
追い詰められた田村だったが・・・瀬古井の家賃の取立て行為が・・・弁護士法違反になることに気がつくのである。
家賃を滞納した契約者に対する交渉は弁護士活動にあたるのだった。
その盲点・・・盲点なのか・・・をついた田村は瀬古井を「刑事告発」すると恫喝し、「慰謝料100万円」を脅し取るのであった。もう恐喝罪が成立しそうな勢いである。
「でも・・・僕が欲しいのは・・・金じゃなくて・・・家族のぬくもりなんだよね・・・」と言い出すわがままな山田だった。
しかし・・・気が遠くなるようなお人好しである田村は「でも・・・このお金でおいしいものをご馳走したり・・・ゲームとか買ってあげれば・・・失われた家族の愛を取り戻せるかもしれないじゃないですか・・・愛で金は買えないけど、金で愛は買えるんです」と山田に語りかける。
「そうだったのか」・・・社会の真実に気がつく山田だった。
そして、100万円を有効に使った山田は家族を取り戻すことに成功したのだった。
法律家としては田村を心底馬鹿にしている美寿々だったが、人間として田村の存在価値を認める気持ちが動くのだった。
「あんたみたいな・・・バカに出会えたら・・・私の家族もバラバラにならずにすんだのかも・・・それはそうとあんたの家族ってどんな家族・・・?」
「・・・・・・」それには答えない田村だった。
悲惨な家族によってクールになるものもいれば悲惨な家族によってホットになるものもいる。
人間って不思議なのである。きっとたぶんそれも愛なのである。
そして瀬古井は仁義なき美寿々の告発で摘発されたのだった。
ま・・・本当の仁義なきビジネスマンはそんなことで泣き寝入りしませんが。
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火曜日に見る予定のテレビ『泣かないと決めた日』『まっすぐな男』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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