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2010年4月 6日 (火)

娼婦と淑女と蛾と蝶と悪女と令嬢と牝犬と死者と私(安達祐実)

さて、ものすごく面白い大河ドラマは・・・。

21.4%から↘17.7%↗18.8%↘18.5%と、昨年の超駄作を下回る推移を示している。

これがお茶の間の恐ろしいところである。

一方、そこそこ面白い連続テレビ小説は・・・。

14.8%↗15.5%↘14.8%↗15.6%↘15.4%↗15.8%で一週目の平均が15.3%でまずまずである。

これがお茶の間のあなどれないところなのである。

まあ、テレビドラマなんて見ているのは暇人という考え方もあるが・・・見るからにはそれなりに楽しい時間を過ごしたいと思う。

大河ドラマも連続テレビ小説も・・・ある種の特殊な世界だが・・・そういう点ではお昼の帯ドラマもそう言えるだろう。

前回は推理ものというさらに変化球だった枠に怒涛のメロドラマが帰ってきた。

願わくば盛大にドロドロしてもらいたい。

で、『娼婦と淑女・第1~2回』(フジテレビ100405PM0130~)脚本・野依美幸、演出・島崎敏樹を見た。「ガラスの仮面」「貞操問答」の脚本家で「緋の十字架」「エゴイスト~egoist~」の演出家である。舞台は戦前の子爵家の相続劇から始まる・・・もうドロドロしはじめています。その清楚で病弱な子爵令嬢が清瀬凛子(安達)なのである。そしていかなる運命の悪戯か・・・飲んだくれの大工の娘・山田紅子(安達・二役)は凛子と瓜二つなのだった。

安達祐実の一人二役・・・。しかも令嬢と貧乏人である。もちろん貧乏人ヴァージョンの方は「同情するなら金をくれ」と叫びます。

紅子の家庭は父が身体障害者で、母は気弱で無能、妹の藍子(寺本純菜)は病弱という典型的な昭和の貧乏家庭。家賃滞納で多重債務者。母の口癖は「もう死ぬしかないんだよ・・・」なのである。

紅子は親に似ずにヴァイタリティーに溢れていますが・・・どん底の境遇から抜け出せずに歯がゆい思いをしているという趣向。

「死ぬなら一人で死にやがれ・・・道連れなんか御免だよ」と紅子は叫ぶのです。

そして、清瀬家の別荘に泥棒に入った紅子は凛子と運命的な出会いをするのである。

ここで、凛子が意地悪な性格ならそっくりさん物語は続くのだが・・・凛子は育ちもよく心根の優しい少女。二人はたちまち意気投合である。つまり・・・凛子には死亡フラグがたったということだ。

清瀬家の正統な後継者である凛子だったが、爵位を相続するためには結婚する必要があり、複雑な事情を抱えている。

清瀬家の実権を握るのは凛子の祖母・ミツ(赤座美代子)である。

口癖は「早く結婚して男子を生んでくれ」なのである。

ミツの一人娘で凛子の母でもある杏子(越智静香)に書生あがりの婿養子・孝太郎(岸博之)をあてがったが清瀬家の血を引く子は凛子だけ。その上、孝太郎は婿養子の分際で使用人の千鶴(魏涼子)に手を出し、妾腹の太一(久保山知洋)を認知する始末なのである。

もしも、凛子に万一のことがあれば・・・家督は血縁のない太一に継がせることになる。

ミツにとっては我慢ならない展開なのだ。

もちろん・・・太一は裏では凛子の薬に毒を混入し、殺害しようと狙っているのである。

ミツは凛子の花婿候補として久我山家から真彦(鳥羽潤)を家に迎えるが、真彦は凛子と兄妹のように育ったため・・・なかなか、凛子に手が出せない男になっている。

凛子の母親は真彦の大人しさに物足りなさを感じ、有能な執事・藤堂(石川伸一郎)を花婿候補としようと画策する。

凛子は真彦を女として愛し、体を奉げようとするが・・・なぜかその気にならない真彦。

ああ・・・じれったいのである。

そんな・・・真彦に凛子の女学校時代の女友達は密かに想いを寄せている。

この羽賀麗華を演じるのが・・・木下あゆ美である。

言わずとしれた怨み屋なのである。登場場面は未だ少ないが・・・ものすごいオーラを放っています。

そして・・・凛子と真彦の清純な愛の姿にいつしか紅子は憧憬の心を抱いていくのである。

だが・・・ミツが凛子の花婿候補を決定すると宣言したことにより、あせりを感じた太一は一挙に毒を増量する。

忘れ物をしたために遅れて別荘に向かう真彦。

切羽詰り、金を借りようと別荘にやってきた紅子。

二人が発見したのは瀕死の凛子だった。

真彦は薬で金魚が死ぬのを確認・・・凛子が太一に毒殺されたことを見抜く。

「私を忘れないで・・・」と遺言を残し息絶える凛子。

呆然とする真彦に紅子は告げる。

「私が蝶のような凛子になってやる・・・私は光のある世界を求める蛾だけれど」

真彦は紅子をただ見つめるのである。

・・・はい、つかみはOKです。

ドロドロ入りました~。

関連するキッドのブログ『怨み屋本舗

               『慶次郎縁側日記

                『インディゴの夜

水曜日に見る予定のテレビ『ERⅩⅢ』(NHK総合)『臨場』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

大河ドラマの視聴率は本当に??って思いますわ。
去年のあのどうしようもないののほうが
面白いのかぁ?って思うけど、
去年のを見てて今年は見るのをやめたっていうことも
あるのかなぁ?とか思ったりもします。

投稿: みのむし | 2010年4月 7日 (水) 15時53分

*simple*life*みのむし様、いらっしゃいませ*simple*life*

キッドは一時期、視聴率のことだけ考えて
毎日を過ごしていましたから
その複雑怪奇な実態は
ある程度、予測がつきます。

凄く面白いのはだめで
ちょっとつまらないのはいいとか。
ほんのちょっと面白いのはよくて
ものすごくつまらないのはだめとか。

作り手はどんなものでも
それなりにおもしろさを感じてしまうものなので
この加減が難しい。

今はお茶の間の一部として
冷静な意見を書いていますが
現場にいたら
熱くなって見えなくなるものも多いのでございます。

まあ・・・大抵の作り手が
最後にたどり着く結論は
お茶の間ってバカだよなぁ・・・
ということのようでございます。

投稿: キッド | 2010年4月 7日 (水) 16時18分

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