ただより高いものはない(川島海荷)キャプテン(国仲涼子)脱税するぜい(麻生久美子)
なんとなく、ドラマの神様がいてともかくかぶることを仕掛けているような気がする。
それとももはやドラマはマシンが作っているのだろうか。
土曜日のドラマは「タンブリング」(TBSテレビ)から「怪物くん」(日本テレビ)か「チェイス~国税査察官」(NHK総合)かという流れ。もちろん、録画して三本立ても可能だが、今回はNHKの野球中継が放送時間を延長し、オンエアでの三本立てが可能だった。
タンブリングは高校生のアルバイトの話である。そのアルバイトは組織暴力団の下っ端が組に内緒で行う単車の窃盗のお手伝いでもちろん犯罪である。友人の忠告で足を洗おうとする高校生だが、すでに共犯者である以上、友情で解決する問題ではない。次に怪物くんは「人間界においてお金とは何か」を怪物くんが学ぶ展開。怪物ランドでは経済活動がないというのは信じられない話だが・・・まあ、寓話として目をつぶってもいい範囲だった。そしてチェイスは基本的にマルサと脱税の話である。とりわけ中国人がどれほど貧乏かという話である。日本と中国はついに双璧の経済力を持つにいたったわけだが、人口は10倍である。たとえて言えば、日本人と同じような生活をしている1億人がいれば残りの9億人が全員ホームレスという国家を想像すればいいのである。まあ、想像もつかないと思うが。
このように土曜日のドラマはすべて金にまみれていたのである。
なんていうか・・・偶然って恐ろしいよね。
で、『タンブリング・第2回』(TBSテレビ100424PM0756~)脚本・江頭美智留(他)、演出・倉貫健二郎を見た。高校新体操部を舞台とする青春ドラマである。この枠は『ROOKIES』で一発当てたので柳の下の泥鰌を狙いに来たのである。高校野球と新体操なら「タッチ」であるが、新体操に男子も女子もぶち込んだので「ウォーターボーイズ」の気配もする。しかし、基本的には不良高校生が新体操で更生する展開なので由緒正しい学園青春ドラマの香りがする。
もちろん、主軸は男子高校生たちである。『ROOKIES』の熱血教師の変わりに女子新体操部顧問のクールなコーチ江崎(国仲涼子)が配置されている。男子新体操部に冷たく接するが要所で優しくリードするのである。どうせなら江崎が主人公の方がドラマとしてはしまるくらいである。まあ、主人公の不良男子・航(山本裕典)が22才、真面目なキャプテン・竹中(瀬戸康史)が21才、航のマブダチ・月森(三浦翔平)が21才、一匹狼の二枚目・木山(大東俊介)が24才、新体操エリートの火野(西島隆弘)が23才・・・となんちゃって高校生軍団なので国仲涼子(30)もコーチでなくて選手でもいいくらいである。なんなら大塚寧々(41)も母親役でなくて選手で・・・さすがにそれは無理ですかーっ。
ケンカ上等のヤンキーだった航が新体操のタンブリングで「クラクラする楽しみ」を覚える・・・というのではなくて女子部の茉莉(岡本あずさ)にクラクラして入部なのである。その割にはどんどん新体操にはまっていくのはお約束の展開である。
団体戦に出場する最低六人が確保できなかった男子新体操部なのだが、航が不良仲間を引き込んで大幅増員なのである。
やや、線の細いキャプテン竹中は航の暴力沙汰に悩みながらも・・・その人間的魅力に逆に惹かれていくという展開はもちろん・・・別の意味も含んでいる。
とにかく、二回目にして早くもリンチに耐えて足抜けパターンである。悪の不良仲間はまだまだしつこくつきまとう気配を残していて、今回の視聴率次第では美少年たちが血だらけになることを愛する一部愛好家を喜ばすことになるかもしれない。
要するにバランスだな。とりあえず友達とつながっていなければ生きていられない世代の友情と、スポーツの持つ面白さ、おちこぼれたちの嫉妬が生み出す暗黒面の誘惑、そして恋・・・どこに重点を置くつもりなのか・・・である。
まあ、柳の下の泥鰌を狙うならその点を見失わないことだ。
女子新体操部には朝倉葵(岡本玲)も配置されているのでもっとレオタードを強調するべきだとキッドは考えます・・・そこか・・・。
そして・・・弱小男子新体操部でも女子マネージャーを抜擢しないと・・・そこなのか・・・。
「ROOKIES」では試合も重要な要素だったのでどんどん交流戦をするべきだしね。
野球と新体操では裾野が違うので・・・よほど作戦を考えないと二匹目の泥鰌はいないかもだしねーっ。
関連するキッドのブログ『ROOKIES』
で、『チェイス~国税査察官~・第2回』(NHK総合100424PM1005~)脚本・坂元裕二、演出・大橋守を見た。今回、視聴率がよければ編成は土10ドラマ枠を考えた方がいいと思う。土8TBSテレビ、土9日本テレビ、土10NHK総合で棲み分けた方がいいだろう。どうせ渋い感じのドラマしか作らないのだし。
で、ドラマは看護婦を死においやったドクターの話ではなくて、仕事中毒で妻(木村多江)に先立たれた国税査察官・春馬(江口洋介)が年頃の娘・鈴子(水野絵梨奈)のご機嫌をとる話である・・・ちがうぞ。
天才脱税師・村雲(ARATA)があの手この手で脱税するのをマルサの男・春馬が摘発しようとする話らしい。今回の作戦は「イミテーションつけて申告海外渡航後本物つけて帰ってくれば地下銀行効果」である。
脱税グループの中に歌織(麻生久美子)が金を愛する悪女として参加している。もちろんやってやれないことはないが潜入捜査している三日月くんにしか見えない。
今回は怪しい中国人・リャオ(石黒英雄)が生い立ちを熱く語って歌織を嬲るのである。
「あなたはゴミ箱の残飯を食べたことがありますか・・・私は兄弟たくさんいた・・・私は一番頭が良くて期待されてました・・・ある日、食べ物がなくなって姉さん売られた・・・姉さんはごちそうになったのです・・・ある日私が病気になって妹売られた・・・妹は私の薬になったのです。私は頭が良かったので売られずにすんだのです・・・だからどんどんお金稼がねばなりません・・・ひひひ」
まあ、この作家がそういうあたりの愛好家であることはよく分るわけである。
好きこそものの上手なれである。
関連するキッドのブログ『Mother』
で、『怪物くん・第2回』(日本テレビ100424PM9~)原作・藤子不二雄Ⓐ、脚本・西田征史、演出・中島悟を見た。原作との最大の違いは怪物くん(大野智)がヒロシ(濱田龍臣)を恐怖のどん底に叩き落さないところである。まあ・・・原作でもそれほどこわくはないわけだが。怪物くんが何かしでかすたびにヒロシは気絶するべきなのである。しかし、まあ、最近は由緒正しいアニメ「怪物王女」があったので正統派でなくてもいいのである。これはよくある人気キャラクターを使ったごっこ芝居の延長で考えた方がいいわけだ。つまり「怪物くん」ごっこなのである。
そういう意味では大野智の怪物くんはなかなかいい味出しています。
なんとなく顔色が悪いところもそこはかとなくホラー風味だし。
そして・・・何よりも異世界からやってきた「神の子」と人間文化のふれあいというモードは様々なモラルについて主張する仕組みとしては王道なのである。
この「世界」の本質をそれとなく物語るストーリー展開はお子様向けとしては素晴らしい出来ばえだと考える。
また、怪物くんが・・・ドラキュラ(八嶋智人)、オオカミ男(上島龍兵)、フランケン(チェ・ホンマン)と一体となって動いていく展開もなかなかに味があるのである。
いわば理想の仲間融合体なのである。
執事であるドラキュラ、料理人であるオオカミ男、下男であるフランケンなどという役割分担はなく・・・貧乏でヒマなのでなんとなくつるんでいる売れない芸人集団みたいでなんとなく脚本家の青春時代の影が差しているという妄想も可能である。
そしてその中で怪物くんは「お金ってなんだ?」という素朴な疑問に囚われる、途中で「おだちん」について質問しないのはまだまだだが・・・とにかく・・・「はたらく、もらう、はらう、たべる・・・美味しい(嬉しい)」というお金の本質を怪物くんは学ぶのである。
一方で「怪物族という名の神の一族」に敗れたデーモン(悪魔)族がこの世の悪の権化であるという定説に基づき、オリジナル・キャラクターのデモリーナ(稲森いずみ)とアックマー(津田寛治)が悪の限りを尽くすのである。
その生贄が原作より低年齢化設定になっているウタコ(川島)なのである。
ライフ(寿命)を吸い取られ老婆と化していくウタコ。高校生なのに弟を養育するウタコ。カレーライスを作るウタコ・・・かわいいよウタコなのである。フランケンがぞっこんなのもよくわかるのである。
ドラマの最大の見せ場はフランケンにお姫様抱っこされた見えそうで見えないウタコのスカートの中身だ・・・そこかいっ。
まあ・・・世界経済を大混乱に陥れた米国の大手金融会社が結局大儲けしているこの世界で・・・庶民はとにかく・・・額に汗して働いて稼ぎその日のごはんが食べられればそれでよし。「もっとお金持ちの家に生れたかった」は禁句だということが伝わればお茶の間向けドラマとしては大成功だと思う。
さて・・・今のところ・・・怪子ちゃんが出るかどうか謎だが・・・個人的には上戸彩が演じるべきだと思う。怪物くんが大野智の場合・・・上戸彩は怪子ちゃんを演じるために生まれてきたといっても過言はないのである。それだけは断言しておきたい。とにかく怪子ちゃんにマキマキされる怪物くんはもうそのキャストで妄想済みです。
関連するキッドのブログ『魔王』
月曜日に見る予定のテレビ『おくりびと』(TBSテレビ)『栗山千明のデカ007』(日本テレビ)
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
じいやさま、ようやくクスリが効き始めましたわ~。
これからはもう痛くないし熱もないってことを
期待してます。
やっぱり平成財閥病院の見たてが一番だわっ!
18億のイミテーションってどんだけ~と思うんですけど
見破れない税関もダメじゃん。
それに帰りに本物じゃんじゃん持った団体ってのもバカ丸出しっぽいですよねぇ。
ま、一人のとらわれで済んだだけでもいい方じゃないですか。
しかし6000億の遺産を今から悩むというのもねえ~。
もしもお父さんが何らかの遺言を残してたらどうするんでしょうね。
ま、法定分があるから悩みは同じなのか・・。
平成財閥の時はどうなるの?
じいやがよしなにしてくれてるのよね~?
ともかくちょっと熱っぽいからピーチジュースを持ってきてね。
あと玉子酒に日本酒たっぷり入れてね~。
投稿: エリ | 2010年4月26日 (月) 13時26分
お熱がおさがりになったようで
じいやホッとしましたぞ~。
しかし、ご無理は禁物でございます。
ダーロイド軍団、およびSEN-PAISの集団集中お見舞いで
看護看護看護でございまする。
絶対安静面会謝絶でございますーっ。
密輸の手口は様々ですからな。
金に糸目をつけないなら金(gold)が一番です。
自家用ジェット機で空港に乗りつけます。
空港の機内清掃のバスが一味で、
そっくりだけど純金製のバスを
自家用ジェットに搭載しておき
すりかえます。
後は堂々と従業員用税関を通るだけでございまする。
貴金属すりかえ詐欺は古典ですな。
これだけ高額なら税関は見逃しません。
平成財閥の財産は基本的に
カリブ海にある平成財閥共和国に
属しておりまして
この国では相続税は無税です。
各国の企業にかかる税金は
それぞれの国に特別会計として
平成財閥特別還付金として返金される仕組みでございます。
まあ・・・基本的にすべてのお金は
平成財閥のもの・・・というのが
財閥の基本理念でございます~。
今回は特別にウルトラ・スーパー・デラックス玉子酒を
ご用意しました。
処方箋があれば
アルコールもお薬でございますから~。
投稿: キッド | 2010年4月26日 (月) 15時46分