アリバイよりもサプライズ(柴本幸)さすがは諏訪御料人じゃ(阿部寛)
上杉謙信(阿部寛)は遠くを見つめるのだった・・・ちがうわっ。
あいかわらず・・・ぎっしりとつめこまれたクリスマスのお菓子の詰め合わせの紙の靴の如きキャスティングである。
配役で犯人がわかる2時間ドラマとは別次元でじっくり見るとものすごく面白いかもしれない。
しかし・・・ゴールデン・ウイークは野暮用があるのでじっくりする時間がないのだ。
ある意味、切迫しています。
で、『新参者・第3話』(100502PM9~)原作・東野圭吾、脚本・牧野圭佑(他)、韓哲を見た。日本橋署(架空)の加賀刑事がピックアップする容疑者は創業80年瀬戸物屋「柳沢商店」の嫁、マキティーこと柳沢麻紀(柴本)である。ちなみに1930年は昭和五年であるので「戦前から続いている老舗」ということになる。老舗としては初心者だ。姑の鈴江(倍賞美津子)が60代なのでおそらく三代目の妻、夫の尚哉(大倉孝二)が四代目主人というところだろう。マキティーは第1回から連続して登場しているわけだが・・・「一人暮らしの女殺害事件」の被害者・峯子(原田美枝子)が最後にメールを送った相手として容疑者リストに浮上したのである。
加賀は現場に残された「新品のキッチン鋏」と「メールに残された金額」を結びつけ、刃物店「うぶけや」主人(前川清)に購入者を尋ねる。
「ああああ・・・購入者は例の被害者だった~」と歌い上げるのである。
そしてどうやら・・・被害者はマキティーのためにキッチン鋏を購入したらしい。
このドラマの最大に微妙なところは・・・「キッチン鋏」のことをマキティーに確認しようとする松宮刑事(溝端淳平)を加賀刑事が制止することである。もちろん、それは加賀が事件を楽しみつつ、他人の家庭の事情に首をつっこみたいからなのだが・・・それは刑事としてどうだろう・・・とつい思ってしまうのだ。
老舗の店にキティー婚式で嫁いだ小悪魔アゲハな水商売あがりの嫁マキティーは・・・「大切なかわいいキティちゃんのタオルを雑巾にされた怨み」で嫁姑戦争に突入、「あやまってくれるまで口をきかない」と決めて三ヶ月なのである。
ぶっちゃけ~、そろそろ・・・お姑さんと仲直りしたくて~、マキティーはいろいろと考えている。
そして、姑も嫁の機嫌を治そうと作戦を練っている段階である。
何も知らずにおろおろしているのは息子で夫の直哉だけなのである。
そして、マキティーは「伊勢旅行に行きあわびを食べる姑のために内緒で食用鋏」を買い、そのことで口が重くなり、姑は「伊勢旅行で嫁のために500円の伊勢海老キティーちゃん(ご当地限定)」を予約していたのだった。
嫁は姑を慕いつつ・・・姑は嫁を案じつつ~ペンペンなのである。
その秘密をすべて握り、加賀は今回も奈々(沢木ルカ)の店のたい焼きを食べられなかったことの憂さを晴らすのだった。
まあ・・・何と言っても今回は柴本幸が役にはまりすぎだったということに尽きる。「日本橋名探偵アゲハなマキティー」とかを軽く見たいほどだ。
さて・・・本筋はさておき・・・ゆっくりと明らかになる・・・最初の事件の人間関係。
一度容疑が晴れたものを含め・・・関係者はみな怪しい感じである。
①被害者の元・夫・清瀬直弘(三浦友和)・・・三浦友和だから。
②被害者の息子・弘毅(向井理)・・・たった一度の母の失言で「ボクはいらない子だったの」と拗ねている。
③弘毅と同居しているかじり癖のある亜美(黒木メイサ)・・・なぜか被害者に似ているらしい。
④税理士の岸田(笹野高史)・・・清瀬家と被害者を繋いでいる接点。
⑤直弘の秘書・祐理(マイコ)・・・鼻が高い。
⑥被害者の友人・多美子(草刈民代)・・・裏切ったらしい。
⑦洋菓子店の美雪(紺野まひる)・・・何食わぬ顔をしている。
⑧上杉刑事(泉谷しげる)・・・加賀に対して「親の死に目に会えない」をふる。
⑨加賀刑事・・・事件の核心から逃げている。
⑩小嶋刑事(木村祐一)・・・関西弁の警視庁の刑事なんて絶対に認めない。絶対にだ。
まあ・・・枚挙に暇がないのでもういいか・・・。
関連するキッドのブログ『第2話のレビュー』
水曜日に見る予定のテレビ『ERⅩⅢ』(NHK総合)『Mother』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
過去に加賀刑事と何かあった黒木メイサが、被害者と離婚した父親とも音信不通で被害者とも何かあったような向井理と同棲している。
その向井理と父親を思惑ありげに追う泉谷刑事は、加賀の過去や因縁をキム兄刑事より余程知っている素振り。
この部分は、ドラマ・オリジナルなので、推理・サスペンスとは最後まで遠い位置にある原作の終盤を、あのBGMやカメラアングル同様に、無用にサスペンス・テイストにしていくのでしょうかね。
月8の人情ドラマ出汁に、元月9の2時間サスペンスのスパイスを利かせた、やたらと具沢山な新参者ラーメン。出色の演技が紛れているので、見切れずに最後まで見てしまいそうです。
投稿: ひろすけ | 2010年5月 6日 (木) 20時32分
とにかく、交通整理だけでも
大変そうなキャスティング。
加賀のキャラクターもどことなく
不安定で・・・「役」を掴んでいる感じがしない。
所轄の刑事と
警視庁の刑事の漠然とした違いなんかも
お茶の間におまかせモード。
もちろん、本格としては一応、
成立している風な作りになっているのですが
なんとなく、結論をひきのばすなど
アラもちらほら。
実に評価しにくいドラマでございます。
何度もいいますが
真面目にミステリを作る気なら
キム兄のキャスティングは無駄。
加賀という刑事を作りたいなら
シリーズの最初からやればいいのに・・・。
と思います。
思わせぶりなところが鼻につきますね。
本筋の追い方は警視庁が別班で動き、
毎回、容疑者をシロにしていく
加賀とのメリハリを作るだけでも
もう少し見やすくなるのになぁ・・・。
「結局またシロですか・・・」
「それが・・・まあ、冤罪を作り出さないってことさ」
というデコボココンビのお決まりくらい
作ってもいい感じ。
まあ・・・きっと
山本周五郎が
やりたいんだな・・・
とキッドは大目に見ています。
まあ、すごく面白い・・・という感じは
しないけど
そこそこ考えましたね・・・
と目を細めるしかない仕上がりです。
もうちょっとそつがないといいのになあ・・・。
投稿: キッド | 2010年5月 7日 (金) 17時17分