閉じた押入れと黒のゴミ袋と失神の暗闇とMother(尾野真千子)
「鎮静剤」という歌がある。私生児として生れたフランスの芸術家マリー・ローランサン(1883-1956)の書いた詩を詩人の堀口大學(1892-1981)が訳し、フォーク・シンガーの高田渡(1049-2005)が歌ったのである。「系図」というアルバムに収録されている。
いや、別に「鎮静剤」を高田渡が歌わなくてもいいのだが、詩の持つひとつの側面は高田渡の歌によって強調されていると思う。
原題は「LE CALMANT」で、これに類した名前の市販の鎮痛剤は今もある。「煩わしい痛み」があってそれを和らげたいという願いは人類にある程度、共通するだろう。それを「呪い」と感じるかどうかは意見が分かれる。
「痛い」と言えば痛みは減じると言われる。それは同時に「痛くない人々」に呪いをもたらす。
「痛みを分かち合う」とは呪いを甘んじて受けることである。そういう行為を否定するか肯定するかも人それぞれである。
高田渡の鎮静剤は男性ボーカルであることがすでに呪いの歌なのである。
退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です
悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です
捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です
呪いの歌はおそらくエンドレスで続くだろう・・・忘れられた女より もっと哀れなのは 退屈な女です・・・と。
女であることの痛みは多くの場合、母である痛みを伴う。時には死んだ娘よりももっと哀れなのは忘れられた母親かもしれないし、捨てられた娘よりもっと哀れなのはよるべない母親かもしれない。
とにかく・・・マリー・ローランサンも堀口大學も高田渡もすでにこの世にはいないのだ。ただ・・・呪いの歌声が心に残るばかりなのである。
水曜日のダンスは・・・。
「臨場」・・・17.9%↗18.6%↘16.7%↗16.9%・・・・・・↗18.6%↘17.0%↗18.6%↘17.2%
「Mother」・・・・・・11.8%↗12.0%↗12.8%↘10.0%↗11.9%↗13.9%↘12.4%↗14.0%
鳩山首相辞任を伝える「報道ステーション」18.3%のザッピング効果があったかもしれないが、傑作の底力を感じさせる視聴率になっている。
で、『Mother・第8回』(日本テレビ100602PM10~)脚本・坂元裕二、演出・長沼誠を見た。生みの親のうっかりさんこと望月葉菜(田中裕子)と暮らし始めた鈴原奈緒(松雪泰子)と為さぬ子である鈴原継美=道木怜南(戸田愛菜)・・・つかの間の安息を感じる三人の前に自らの虐待行為の果てに我子・怜南に捨てられた道木仁美(尾野真千子)がやってくる。葉菜を突き飛ばし、奈緒を振り払い、怜南の元へ向かう仁美。
「怜南・・・ママだよ・・・迎えにきてあげたよ」
呼びかける仁美・・・しかし、怜南=継美はふすまが開かぬように家具を置き、さらに押入れに隠れる。
「どうして・・・出てきてくれないの・・・ママとギュッとしよう・・・ギュー・・・ギュー」
仁美の心は不安を感じながら過去の日々に心を彷徨わせる。
2010年 仁美29才 怜南7才
2009年 仁美28才 怜南6才
2008年 仁美27才 怜南5才
2007年 仁美26才 怜南4才
2006年 仁美25才 怜南3才
2005年 仁美24才 怜南2才
2004年 仁美23才 怜南1才
2003年 仁美22才 怜南0才
2002年・・・道木仁美は恋をした。相手は不実な男であった。ひょっとしたら不倫だったのかもしれない。しかし、仁美が身ごもり・・・怜南を生んだときまで父親は仁美に寄り添っていた。部屋に海の写真を飾る怜南の父親。
テレビでは「実子虐待」のニュースが流れている。
男「・・・体重が5キロしかないなんて・・・生れたばかりの怜南とほとんど同じじゃないか」
仁美「自分の子供を虐待するなんて・・・信じられない・・・そんな親、人間じゃないのよ」
仁美は恐ろしいものからわが子を守るように怜南を抱きしめた。
私はあなたにごちそうを作るでしょう
ハンバーグ
カレーライス
海老フライ
そしてクリームソーダ
男「おいおい、クリームソーダは食べ物じゃないだろう」
仁美「だって、アイスクリームは食べ物でしょう?」
そして、時は夢のように流れた。希望は少しずつ削がれていった。男は仁美の元を去った。あるいは本来の家庭に戻っていったのかもしれない。仁美と怜南は取り残された。仁美は男の遺影を飾り、男が天国に旅立ったという神話を怜南に語る。
それでも仁美は希望を失わなかった。室蘭という町で母と子は健気に暮らしていた。仁美は男と肩を並べて工場で働いていた。生傷の耐えない作業。仁美をよく知る近所の老婆がその心の支えになっていた。身寄りのない仁美には他によるべはなかった。仁美が仕事をしている間、怜南の面倒は親切な老婆が見てくれた。
仁美はまだ若い・・・地元の遊び仲間たちはまだ未婚のものも多く、仁美に誘いをかけてくる。
しかし、仁美は怜南のために働くことを優先する。父親のいないことでの不憫を怜南に感じさせないために。しかし、そう思えば思うほど・・・どこかで不満が疼くのである。
なぜ・・・私ばっかり・・・そうしなければならないの。
時は流れていく。仁美にかかる重圧は高まる。老婆は体をこわし、千葉県にいる親戚の元へと引っ越すことになった。たちまち、保育の問題がのしかかる。受け入れ可能な保育園が見つからない。仕事と育児の両立は仁美の心を霍乱する。
保育園が決まれば新しい人間関係が始まる。助け合うべき母親たちは仁美にとっては助けにはならない。ギリギリの生活を送る仁美を助けてもなんのメリットもないからだ。
恵まれた母親たちの何気ない一言が仁美の心にガラスのように突き刺さる。
父親がいないって大変よね
しつけ一つにしても問題よね
子供は言ってもわからないことがあるから
でこぴんくらいはしないとね
お呼ばれの席で心づくしのボーナツを隠す仁美。
うらやましく、ねたましく、はずかしく・・・屈辱に心は焦がされる。
そういう暮らしの中でも怜南は活発な少女になっていた。
無邪気にはしゃぐ怜南を静かにさせるために仁美は初めてのでこぴんをした。怜南が感じる痛みを思うと仁美は胸が苦しくなる。その苦しさが仁美をまた一歩、断崖へと追い詰める。
仁美は鬱屈する。出口のない鬱屈は沈殿し、発酵し、気泡となって仁美の心を窮屈にする。
怜南は母親につきまとう。怜南は急に体調を崩す。怜南は頭のいい子で皆が誉めそやす。私がこの子を優しいいい子に育てたのです。貝殻から潮騒が聞こえることを教えたのは私です。私が好きなものをこの子も好きなのです。クリームソーダは食べ物です。
そういうことを誰もわかってくれない。
洗い物をする仁美を・・・「がんばれママ」と応援する怜南。その声が騒がしい音にしか聴こえなくなったとき、仁美は自分が崖っぷちに佇んでいることを知る。
静かにしていて
少しの間
黙っていて
少しの間
ママにも休みたいときがある
仁美は怜南を突き飛ばした。怜南の驚愕が仁美をさらに苦しめる。
砂浜で怜南を遊ばせる仁美は突然、どこかへ逃げたくなった。一人でどこかへ。怜南を捨て去って心が安らげる場所へ。しかし、爆発する感情は冷静な行動を疎外する。怜南はたやすく仁美に追いすがる。
愛しさと憎しみの区別が仁美から消えかかる。
仁美はやみくもに手を伸ばし、最悪の男の手を握る。
男の欲望を仁美は愛と錯覚する。そのための心の準備は万全だった。その頃、怜南は短い幼児期を脱して母を思いやる賢い子供になりつつあった。しかし、すべては時期外れなのである。
仁美はこの世の荒海で溺死しないために男に溺れた。
男は仁美が望んだ海へ仁美を連れて行く。幼い怜南を一人残して。
明るく過ごしやすいリゾートホテルで欲望を満たした恋人の浦上真人(綾野剛)をベッドに残し、仁美は暗い部屋で一人留守番をする怜南に電話をかける。
元気でいるかしら
海は楽しいよ
シュノーケルで海にもぐったり
青いお魚さんを見たり
ママは幸せだよ
ママが幸せだと
怜南も幸せだよね
また電話するね
おやすみ
怜南は暗い部屋で買い置きのスナック菓子を食べる。
仁美は何かが間違っている気がしたが自分をなだめる。
自分だけが損をすることは不公平だ。それに自分が不幸になってしまったら怜南を幸福にはできないだろう。自分が幸福になることは怜南のために必要なこと・・・。
仁美は怜南にペットを買い与えた。ハムスターのすずはひまわりの種を食べる。そして仁美は怜南に500円を渡す。
真人はたちまち仁美に飽きた。目の前の怜南はいかにも欲望をそそる玩具として真人の目に映る。仁美のモノである怜南。真人のモノである仁美。当然、怜南は真人のモノだ。自分のモノを自分が自由にすること。それは真人の淫靡な欲望に火をつける。
まずはじっくり観察してみよう。服を脱がせすみずみまで見てみよう。それは禁じられた遊びかもしれないが、禁じられれば禁じられるほど喜びは高まるというものだから。
仁美はコンビニエンス・ストアで働くようになっていた。帰宅した仁美を無視して素知らぬ顔でゲームに熱中する真人。怜南の姿を求める仁美は押入れに潜む下着姿の娘を発見する。仁美の心は泡立つがもはや半ば壊れているソレは正しい結論を導きださない。
仁美「なんで・・・怜南は押入れに隠れているの」
真人「何か・・・問題があるのか」
仁美「いいえ・・・」
仁美は娘に水色のマフラーを買い与えた。
真人は怜南に熱中した。仁美との月並みな行為よりも自由に弄ぶことのできる怜南との行為の方が深い愉悦を感じさせる。
真人が「指を折ってみようと思えば折れる」玩具は刺激的なのだ。
つき指をした怜南を医師に見せる仁美は負傷の状況を聞かれ口ごもる。
母親の困惑を感じた娘は嘘をつく。
「すべり台で・・・」
納得した医師を目で追いながら仁美は怜南を叱る。
「気をつけないと駄目よ」
驚愕に見開かれる怜南の瞳を仁美はスルーする。
やせ衰えていく怜南。生傷の耐えない怜南を学校や近所の人々は噂の対象にする。
その忠告ももはや仁美にとっては苛立たしい棘に過ぎない。
「最近、変な男の人が入り浸っているわね」
「関係ないでしょう」
今さら・・・何をと仁美は思う。苦しい時には知らん顔で・・・弱みをみせればよってたかってつるしあげる。
私ばかりを何故責めるの。
仁美は怜南の首の周囲に赤痣を発見する。
「これ・・・どうしたの・・・」
「・・・」
「なんでもないよ。ちょっと首をしめて失神させただけ。落ちちゃったけどすぐに目がさめたから」
「ウラガミさん」の言葉に怜南は微笑んだ。仁美は口を噤んだ。
夜。仁美はトイレに起きた怜南を見た。怜南は用心深く仁美を見た。そこにはかっての母親の気遣いの残骸が見てとれた。その表情にすがるように怜南はこらえていた涙を流す。
「・・・助けて・・・助けて・・・ママ」
仁美は衝動的に怜南を抱き上げて走り出していた。
夜の街を仁美は走る。
その行く手にはそう遠くない天国があった。
そこでは怜南の父親が妻子とともに和やかに人生を楽しんでいる。
その幸せそうな姿に仁美は絶望を感じた。
あるいはそれは仁美が思い描く幻想の家庭だったのかもしれない。
現実とは違うもうひとつの理想の世界。
なぜ・・・私ばかりが・・・こんなに辛い気持ちを抱えて・・・ここにいるのだろう。
仁美は本当の天国への道を探し始める。車が流れる道路の上に立つ陸橋にその入り口はあるように思える。
怜南と一緒に天国に行こう・・・怜南を抱きしめて身を乗り出した仁美に怜南がしがみつく。
死への恐怖が・・・わが子の重みが・・・仁美の前で天国への扉を閉ざす。
あーっ
あーっ
ああーっ。
地獄にうずくまり仁美は泣く。憐れな母と娘に冷たい雪が舞いおりる。
仁美は地獄の光景に慣れ、心は苦痛に麻痺した。
陰湿な虐待を繰り返す愛人と育児を半ば放棄した母親と五歳で体の成長が止まり、心ばかりが大人びる被害者児童の荒涼としたお茶の間のテレビからは児童虐待のニュースが流れている。
「自分の子供を虐待するなんて信じられない」
「人間のすることじゃないよわね」
幸福な人々の言葉がひどく奇妙に聴こえる仁美だった。おかしくて嗤わずにはいられない。
あははは
あははは
いひひひ
いひひひ
うふふふ
うふふふ
夜更け・・・怜南は郵便ポストに手を伸ばす。
赤ちゃんポストの・・・自分を招き入れる挿入口を想像しながら・・・。
「怜南・・・どうして出てきてくれないの・・・じゃあ、ママこれから・・・ボーナッツを作るよ」
ボーナッツは棒状のドーナツのような揚げ物お菓子である。仁美が怜南のために作った古き良き思い出のレパートリーだった。
葉菜が声をかけようとするのを奈緒が制した。
葉菜は娘の娘を守りたかった。奈緒は生みの母とわが子の絆を見定めようとしていた。
その時、扉が開き、継美=怜南が現れた。
「怜南」と仁美は娘を抱きしめる。その背中にそっと手を乗せる娘。
娘「あのね・・・怜南はもういないんだよ」
母「何を言ってるの・・・」
娘「怜南は・・・天国に行ったの」
母「・・・」
娘「私は鈴原継美・・・お母さんと一緒にここで暮らしているの」
母「そんなこと言って・・・ママが嫌いになったの・・・?」
継美「好きでも嫌いでもないよ・・・もうママじゃないからね」
仁美は打ちのめされた。そしてその場から逃げ出した。
娘の言う言葉は正しい。正しいけれど間違っている。
私ばかりをなぜ責めるのか。
一人ぼっちの仁美はどこにもない救いを求めた。
取り残された継美を奈緒は抱きしめた。
継美は笑おうとしていた。
「いいの・・・笑わなくていいの・・・泣いて・・・泣いていいのよ」
うー
うーうー
うーうーうー
継美は奈緒にしがみついた。
そして吠えるように泣いた。母親の胸で泣く赤子のように泣いた。そんな母と子を葉菜は抱きしめた。愛しさが溢れて止らなかった。娘の奈緒の頭を撫でた。娘の娘の継美の頭を撫でた。葉菜は二人に頬ずりをした。葉菜のその優しい老いた手に奈緒の手がそっと重ねられた。
それから奈緒は仁美を追った。
仁美は一人で公園のブランコに揺られている。娘に捨てられた母親は心の逃げ場を探していた。
「あの子に未来なんてないでしょう。あなたのやってることだって結局、虐待じゃない・・・私が警察に通報出来ないと思って・・・人の弱みにつけこんで・・・いい人ぶってるだけでしょう」
「私は・・・罰を受けるつもりです・・・いつか、あの子の居場所が見つかれば裁きを受けるつもりでいます・・・そういう覚悟です・・・でもあなたには聞きたいことがあります」
「何も知らないくせに・・・」
「あなたとあの子に流れていた七年の歳月について・・・私は何も知りません。何が正しいことで何が間違っていることだと判断することもできません。人間はみんな川の中で溺れまいともがきながら生きているようなものだから。母親と子供はちょうど温かい水と冷たい水の交じり合った場所に棲息しているようなものでしょう。時には子供の温もりが愛おしく時には子供の熱が疎ましい。だからといって子供を本当に捨てたいと思う親なんていない。でも時には安全な場所から高みの見物をしている人たちが母親を溺れるように仕向けていく」
「そうよ・・・私は他人に責められるようなことはしていない・・・それなのに私ばかりが悪いように人は言うのよ」
「でも・・・私にはあなたという人がわからない・・・思い出してください・・・あの子は室蘭の冬の夜にゴミ袋に入れて捨てられていたのです。それをしたのはあなたでしょう」
仁美は誰にも知られてはならないことが知られていることに恐怖した。
思い出したくない・・・忘れたい・・・自分が人間ではなくなったひと時の出来事。
その信じられない残酷な行為をしたのは・・・他でもない自分なのである。
「あのままだったら・・・どうなっていたか・・・あなたは分からなかったのですか」
「・・・」
「親がなくても子供は育つなんていいますが・・・嘘ですよ。親が見守っていなければ子供は簡単に死ぬんです」
「もう・・・いいよ」
「怜南ちゃんを・・・連れて帰らないんですか。このまま置いて帰るんですか?」
「何よ・・・あの子がもう邪魔になったの?」
「いいえ・・・私は私を育ててくれた母のように継美を愛しています。だけどあの子はあなたから生れた子供です。あなたに育てられた優しい女の子です。私を生んでくれた母のように本当のお母さんのぬくもりの中で育つことがあの子の幸せになるなら・・・私はあの子をお返しします」
「もう・・・遅いわ」
「私があの子に話してみます・・・時間がかかるかもしれないけれど・・・あなたとあの子がいつか本当の母と娘に戻れるなら・・・私は道木怜南ちゃんの幸せを願うから・・・」
「無理よ・・・私はあの子に・・・好きでも嫌いでもない・・・もうママじゃないって言われたの・・・そんなの・・・死んだと同じよ」
仁美の心は乱れた。自分の愚かな過ち。怜南への未練。壊れた愛。自分が滅茶苦茶にした愛。仁美は逃げ出した。この恐ろしい裁きの場から。
その後姿に奈緒は宣言した。
「私・・・あの子の母になります」
仁美は無言で立ち去った。
誰も知らない仁美と怜南の幸せな時代を取材したハイエナのような雑誌記者・駿輔(山本耕史)は複雑な気持ちで帰宅した。そこには心を失った仁美が待っていた。
「お金を貸して・・・室蘭に帰る」
「子供をつれて千葉に行くんじゃなかったの?」
「もう・・・いいのよ・・・沖縄ってもう泳げるかな」
ハイエナはさらに人として壊れた気配の漂う仁美を呆然と見送った。仁美は自分で割った愛の破片を握りしめて心が血まみれになっているのだ。失血死寸前なのである。
鈴原家では三女の果歩(倉科カナ)が母親の藤子(高畑淳子)に状況を報告する。
「継美ちゃんの生みの親・・・室蘭に帰ったって・・・ねえ・・・これでお姉ちゃん、家に帰ってこられるんじゃない?」
「奈緒は何処にいるの?」
「なんか・・・散髪屋さんのところにいるって・・・」
「・・・そう・・・奈緒はね・・・出て行ったんじゃないの・・・帰っていったのよ」
「?」
次女の芽衣(酒井若菜)は婚約者の母親から冷たい応対を受けていた。障害が残るかもしれない子供を妊娠した芽衣は堕胎を回避したことで婚約者の機嫌を損ねた模様である。芽衣は不安に満ちた表情で母子手帳を見つめる。
葉菜は主治医の袖川(市川実和子)から一般的な回答を受け取っていた。
「あのね・・・偽の診断書で保険に加入するのは犯罪なんですよ」
「はい」
「一体・・・何を考えているんです」
「・・・届けたいものと・・・持ち去りたいものがあるんです・・・」
袖川は戸惑いの表情を浮かべる。
奈緒は継美の髪を梳かしていた。
あなたはこれからいろいろなものを手に入れるの
三年生になって四年生になって
五年生になって六年生になって
中学生になって高校生になって
誰かを好きになって結婚して
お母さんになって
その時、きっとお母さんとお別れするのね
別れたくないけど
きっとその日がくる
でも大丈夫
それはずっと先のことだから
明日の明日の明日の明日の明日の明日の・・・ずっと明日
その日が来るまでお母さんは絶対継美を離さない
お母さんとあなたは一緒に生きていくのだから
母と娘は希望に燃える。
その頃、室蘭に戻った仁美の元へ刑事が訪問していた。
「いろいろと聞きたいことがあってね・・・近所でいろいろ噂もあるし・・・何もなかったらないではっきり言えばいいんだよ・・・亡くなった娘さんのことでね」
仁美は牙をむき出して叫んだ。
「怜南は死んでなんかいないの・・・怜南は生きているの・・・あの子は誘拐されたのよ」
仁美はまた一つ地獄へと続く階段を下りるのだった。
関連するキッドのブログ『第7話のレビュー』
金曜日に見る予定のテレビ『森カンナの警視庁失踪人捜査課』『子役オールスターズとハガネの女』(テレビ朝日)『岩佐真悠子のトラブルマン』『里久鳴祐果の大魔神カノン』(テレビ東京)『仲里依紗のヤンキー君とメガネちゃん』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
じいやさま、こんにちは~。
あの心中未遂前に見た家庭の男が
怜南の父親だったのですか?
同じ顔だったなんて注意が足りなかったですわ~。
てか何度も仏壇の写真を映していたのに
気づけよアタシってところですね。
誰でもすぐ横にある穴に簡単に落ちるものよって
丁寧に説明してもらったような今週話。
手を差し伸べることのなんと難しいことでしょうね。
葉菜が届けたいものは現実の糧だとしたら
持ち去りたいものは奈緒の罪?
母の執念が実ってほしいのですけど
じいやさまだったらどうやって差し上げますか?
じいやさまぁ、
今夜は人形町の甘い卵焼きが食べたいわ。
大根おろしてね~。
ハイ、じいやにもア~ンして~♪
投稿: エリ | 2010年6月 3日 (木) 18時54分
こんにちは。
仁美への言及がほどよく冷静で中立でほっとします。
感情的にただ、許せない言う人が結構いるので…
やっぱり仁美は愛人で自分はそれを知らなかったと思いましたか。ドラマの中では明らかにされないですかねー。
今回こそ、愛菜ちゃんの演技には瞠目でした。母親に絡む、甘える、はしゃぐ、怯える、追従する、唖然とする、慟哭する…その全てが…もうどういうことですかって感じです!
神が降りてます!神の子ですか!?
リアル北島マヤですか!?
しかし仁美が愛人なら玲奈父が全ての諸悪の根源なのにきれいにスルーでいいんですかね。
日本には「そんな男を選んだ女が悪い」という責任転嫁の責めかたがある…
母親にばかり十字架背負わすから少子化なんでは?
脚本家さんはどう思っているのでしょう。
投稿: リンゴあめ | 2010年6月 3日 (木) 19時34分
✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
いえいえ、じいめはそう妄想しただけで
どちらにもとれる表現になっていたと思います。
ただし、母親と父親と娘の
幸福そうな描写から
父親の「死」の描写なく遺影に
繋げているのはあえてそういう意図があるような
気がしますし、
公式ページの人物紹介で
仁美は離婚歴がある設定に
なっているので
死んだというのは「嘘」だと思えるのですね。
それから追い詰められた仁美が
遺影を見つめる姿には
手を伸ばせば助けてもらえるかもしれない
という淡い希望を感じさせますし。
本当に天国にいるとなると
恨めしく思うしかないわけで。
その後に登場する
夫によく似た男性とその家族。
状況から考えると
助けを求めて一直線に走ったけれど
相手との断絶か・・・
あるいは意地が邪魔をして・・・
思いとどまった風情がございましたな。
そして・・・もう
死ぬしかないと思いつめる・・・
仁美のよるべない女ぶりが哀れでございました。
あんなことをするのは
人間ではないと断言した人間が
あんなことをしでかすのが
この世の慣わしですからな。
そういう可能性に怯える人間の方が
人間らしいと悪魔は囁きますし。
そういう条理を描くのは
ドラマの存在意義でもございましょう。
そうですねえ・・・
葉菜は戸籍を届けて
奈緒に継美ちゃんという娘を授け
そして奈緒の犯した罪を
自分が背負っていきたい・・・
そういう気持ちで
胸がいっぱいなんでしょうな。
せつない母の心でございますね。
ううーっなマンボな女医は
結局、情にほだされ
共犯者になってしまうかもですな。
なにしろ、ううーってなっちゃうんで。
じいやの場合は
戸籍など右から左へ・・・コホン
お嬢様、お耳の汚れになるようなことは
お聞きになってはいけませんぞーっ。
甘い卵焼きでございますな。
大根おろしをただ今
すりすりいたしますぞーっ。
タマゴはただ今、生みたてのタマゴを
鑑定中です。
お嬢様は常に最高級のものを召し上がる
星の下にお生まれになったので
ございますからーっ。
和食の板前部隊・・・卵焼き開始ーっ。
投稿: キッド | 2010年6月 3日 (木) 21時12分
◉☮◉Mother~リンゴあめ様、いらっしゃいませ~Mother◉☮◉
この脚本家は結構
悪が裁かれない結末を書いてきます。
あるいは誰も悪くないのに
救いのない結末も得意なのでございます。
その後味の悪さは最高ですからな。
ご注意ください。
そういう意味で
子供をコンビニ弁当で叩いてゴミ袋に入れて
捨てた実の母親が
どうしてそんな人間になったのかを
淡々と丁寧に描く・・・。
ある程度の人間なら
誰もがそうなる可能性があることを
尾野真千子が見事に表現しておりました。
もちろん・・・どんなことがあっても
そんなことをしないと言い張る
ある意味、発達障害の人々は
これでも納得しないかもしれませんが・・・
キッドとしては充分納得の行く展開
そして演技でございました。
仁美と継美の父親に関しては
①二重生活者
②離婚後、再婚
③本当に死んでいてよく似た人登場
のどれともとれる演出になっていましたね。
結局・・・そこはあまり問題ではないのでしょう。
そういうことになれば
仁美の両親のことも気になりますし
両親の両親のことも
両親の両親の両親のことも気になって
きりがありませんからな。
愛菜ちゃんの演技が凄まじいので
その幼少期を演ずる子役たちが
ちょっとかわいそうでしたな。
もう少し、チェンジまでは
存在をぼかした演出に徹するべきだったかもしれません。
後姿とか遠目とか足元とか・・・。
逆に赤ちゃん時代はよく探したというほど
怜南っぽい乳児でしたけど。
そのくらい「おそろいしい子」でございます。
明らかに物語を解釈して演技してますからーっ。
愛人か元夫かはともかく
真人にしろ、ハイエナにしろ、芽衣の婚約者にしろ
男は問題外の生物というのが前提の物語なのでしょう。
作者が男性なので
そのしょうもなさを正直に告白している
スタイルと言えます。
逆に男がしっかりしていたら
葉菜も藤子も仁美も奈緒も継美も
まったく苦労してないわけですしーっ。
男が員数外だからこそドラマとして
成立しているのでございます。
基本的に無能者のあるところに
ドラマは成立するのです。
誰かががんばらないと
どうにもならないわけですから。
極道の娘が立派な教育者になったり
貧乏人の娘が富豪の花嫁になったり
すべて同じ構造です。
つまり普通の教育者や
普通の令嬢が無能なのですな。
そうですねえ・・・。
母親が子育てを大変と感じてしまうほど
面白いことが世の中に溢れていることが
問題だ・・・とキッドは考えたりもします。
「Mother」が面白すぎて
うっかり子供のことを忘れたりとか・・・。
そうなれば脚本家はしてやったりですし。
人間は基本的に憐れなものなのですなーっ。
投稿: キッド | 2010年6月 3日 (木) 21時35分
このドラマを見てると
赤ちゃんを生んだ時、生母は皆、誰しも聖母であると
言っているような感じがします。
そんな母に忍び寄る誘惑・孤独
そして子供が言う事を聞いてくれない
思うようにならない苛立ち
そういったものが少しずつ
母の心を犯し、狂わせ
その余波が子供にまで及んでいく。
この問題は決してこの女性だけが特別なのではない。
この社会のあり方にもまた問題があるのですと
訴えかけているような作りが
実はあなた達もまた加害者なのかもしれないと
言っているような感じもしてなかなか毒っ気が効いてます。
でもって
継美のために犯罪を犯す奈緒の行動も
そんな娘を守ろうと必死になる葉菜の行動も
恋人の意見を振り切って子供を生む決意をした芽衣の行動も
我が子を守るために奈緒との養子を解消しようとした籐子の行動も
そして、己の事を棚に上げて奈緒が娘を誘拐したとのたまう仁美の行動も
全ては我が子への愛故に母としての性が狂わしていくようで。
ただ、それでも一番悪いのは男性だって
言われてるような気がしなくもないんですが(; ̄∀ ̄)ゞ
投稿: ikasama4 | 2010年6月 3日 (木) 22時17分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
まあ・・・いつだって人は覚悟を問われるものなのですな。
仁美の家庭に嘴を入れる近所の有閑夫人は
本当は善意なのかもしれない。
しかし、仁美を殴ってまで
覚醒を促す覚悟はおそらくない。
虐待された児童の命を守ろうと覚悟した奈緒。
そのためには犯罪者として
罰を受ける決意がある。
しかし、それもまた
死んだように生きてきた
捨て子ゆえに可能な捨て鉢の気持ちと
言えないこともない。
しかし、その結果、
奈緒は幼い他人の子供に過ぎない継美を愛することを覚え
育ててくれた養母の深い慈愛を知り
さらには怨み続けた生母の愛さえも受け入れる。
実はすでに奈緒は
失われた三十年の人生取り戻し
幸福になっているという状況です。
お茶の間はその幸せが壊れないように願う段階。
その幸せには駿輔もわずかに助力していますが
あくまで傍観者として・・・。
つまり、奈緒は男の手を借りずに
幸せになっているのですねえ。
あえて言えば
種馬としての仁美の夫が幽かに関与している程度。
その物語を男性作家が描いているところが
なかなかに自虐的で好ましいのですな。
これが女流ですと
ちょっと嫌味でございますから。
母は海にたとえられることもありますが
そういう意味では
仁美は母性に溺れているとも言える。
どこにでもいる
特別じゃない母親Aなのでございます。
この物語はその点については
驚くほどに客観的。
なにしろ・・・どんな男も出産は困難だし
まして聖母にはなれないのですからな。
男が一生懸命に
母親というものについて考えている
その姿はちょっといじましいものがございますね。
同性として。
投稿: キッド | 2010年6月 4日 (金) 00時11分
>相手は不実な男であった。ひょっとしたら不倫だったのかもしれない。
いや~、さすがです。そこから見える読みも深いですね。
私はある日突然居なくなったしまった夫を仏壇で見せられ、
すっかり亡くなったもんだと信じ込んでました。
あのレストランから出て来たソックリさんも幻だと思えちゃって。
前回の、「赤い袖と青い袖」にはヤラレてしまい、
思わず記事に書いてしまいました。
事後承諾許してねん。
キッドさんが、駿輔をハイエナ扱いするので
余計に頑張って欲しいと願ってしまうよ(笑)
やはり芽衣は堕胎してなかったんですね。
ここにも「母」ありかぁ。。。
色々と仕掛けて来るので飽きませんわぁ。
投稿: mana | 2010年6月 4日 (金) 17時24分
|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||
公式を見ると
仁美の人物紹介で
離婚したと説明されているので
「男」は離婚後に再婚したようですが
「男」の家庭の子供が結構大きいので
やはり「不実な男」のような気がします。
「赤い袖の女」のために「青い袖の女」は
継美を返そうとしたのに
「赤い袖の女」は逆恨みですな。
ずるいずるいずるい・・・
とすべてを他人のせいにする性格は
負のスパイラルを生みやすいのが
セオリーですからな。
まさに恩を仇で返す展開ですが
そうでないと悪魔は商売あがったりですからーっ。
基本的にキッドの妄想に基づく記事なので
ご自由にご利用ください。
ただし、ご利用は計画的に・・・って消費者金融かっ。
ハイエナははたして人間として
男をあげることができるのか楽しみです。
芽衣も苦しい決断ですな。
はたして・・・主役回があるのか・・・。
うーん・・・それは無理かな。
とにかく虐待児童を独身教師が誘拐。
これだけでここまで話を広げるとは・・・
実に天晴れなドラマであることは
間違いないようでございます。
投稿: キッド | 2010年6月 5日 (土) 01時11分
捨てられた子供よりも死んだ女よりも
忘れられた女は哀れ。。。な気がします。
仁美が言っているように
「死んだも同じ」ですよね。
死んだのは怜南ではなくて仁美自身の方なのですが。。。
果たして仁美がそれに気付いているかどうかは解りません。
それほど哀れな女だと思いました。
尾野さんの演技は素晴らしいです。
ところで~。。。
父親はどうでも良いと言う設定で描かれたドラマですが、
あのシーンはイマイチすっきりせず、色々なブログを
回りましたが、皆さんが違う事を書かれているので^^;
私自身は、追いつめられた仁美が怜南の父そっくりの
幻を見る設定で記事を書いていましたが、上に書かれた
じいやさまのコメントレスでスッキリ解決いたしました~♪
公式は一応、見に行ったんですけどね、仁美が
バツイチ設定だったとは~。
気付かなかった。。。
ありがとうございます~♪スッキリ(*^^*)
投稿: くう | 2010年6月 5日 (土) 02時13分
❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀
怨みと呪いは似ているようですが
違う点は言葉として表現されたかどうか・・・なのですな。
痛いという気持ちが怨み。
その怨みを「痛い」と伝えるのが呪いです。
仁美は心の痛みをついに口に出せないまま
ついにはわが子を怨むことになる。
つまり、呪う術を持たない仁美は
忘れられるどころか
最初からいない女として自分を感じる。
痛みを感じているのに
誰もそれを判ってくれない・・・。
負の連鎖を論じるまでもなく
仁美の生い立ちには
幼くして孤独が・・・臭い立つようです。
それについては一切語られないままに
「わかってもらうこと」を
最初から選択肢に入れられない
憐れな女を尾野真千子が
見事に表現していました。
たとえ、充分な食事を与えなくても
たとえ、愛人の玩具になろうとも
たとえ、満身創痍でも
わが子だけは判ってくれる。
なぜなら私とあの子は一心同体だから。
そんな仁美につきつけられた
怜南の独立宣言。
「ブルータス・・・お前もか」
これを自業自得と見るか
神の残酷な側面と見るか
人それぞれでございましょう。
悪魔は無論、後者を支持なのですけれど。
怜南の父親のポジションについては
極力曖昧な方向であえて処理してあると思います。
まあ、仁美の夫も葉菜の夫も藤子の夫も
蚊帳の外に置かれるのがこの詩的世界のルール。
公式も重箱の隅をつつかないと判らないくらい
こっそりと提示ですしね。
まあ、じいめは職業柄、
つい塵芥を見逃せない目ざとい性分なのでございます。
お嬢様方が米粒でも踏んで
足が痛くなったら大変ですからなーっ。
くう様の疑問解消にお役にたつことが
できまして望外の名誉でございました~。
ストレス解消のためのドラマで
ストレス感じたらいけませんからな~。
投稿: キッド | 2010年6月 5日 (土) 13時07分
はじめまして!!!
いつもこのブログを拝見し、じっくり復習したり、自分の解釈を重ね合わせて、ドラマを味わわせていただいておる、仁美の住む「室蘭市」近郊に住む者でございます。
「仁美の元夫」に関して色んな解釈が出てるようで、私も気になっているんですが、
最近、録画したドラマを見る際に、聞きとりにかったセリフを後で巻き戻し、「字幕放送」をオンにして、文字で確認しながら見ています。(特に『龍馬伝』の叫ぶセリフは聞き取りにくい場合がありますので。。。)
で、このドラマに関しても、「字幕」で確認しますと、
仁美の夫が最初に登場する「海の写真」の傾きを仁美に確認するシーンで、
「(木田)」
という名前でセリフが語られるようになっており、
そして、最後の仁美と怜南の心中未遂直前にレストランで元夫似?の男を目撃するるシーンでも、
「(木田)」
という名前でセリフが語られております。
・・・ということは、やはり、同一人物ってことになるのかなぁ・・と勝手に推測し、スッキリしておりました。
あと、仁美がレストランで怜南に亡きパパの思い出を語り、他の客から咳払いをされるシーンでは、
「パパやさしいんだよ。お外の階段を降りるときも、アブナイよって手をつないでくれたの・・」
と語りますが、
心中前レストラン前で目撃されるシーンでは、その元夫らしき男が、妻の手をつなぎながら子供に向かってやさしく
「階段気をつけて」
と言っております。
うぅぅ・・・ハッキリさせたい!!
(ストーリーとして男の詳細はさほどハッキリさせなくていいのかとも思いますけど)
・・・以上、少し気づいた点を書いてみました。
このドラマは、見終わっても、録画したものを消せません。何度も何度も繰り返しみては、またその意味を考えたり、泣いたり、アタマの中でグルグルしています。
先日の放送日(2日)の夕方、仕事帰りに、仁美の家(ロケに使われた民家)の前を通過しながら帰宅しました。
その夜のこの回の放送を見ながら、
またドラマと現実を混同しそうな感じの私なのでした。
でも、北海道ロケは3月で終了してますから、わざわざ「その後」をこっちまで撮影には来ませんよね。
8話で仁美が自転車で走る街並みは、「室蘭」ではありませんでしたから・・・
それにしても、最終回までホントに楽しみです。
初コメで長文失礼しました!!
投稿: エンルムマリーナ | 2010年6月 6日 (日) 00時02分
地デジの字幕を出してドラマを観ています。
仁美の「夫」は登場したとき「木田」という役名が表示されていて、歩道橋シーンの前でも「木田」と表示されました。まぁそのため「天国へ行った」は方便だったかと解釈をすることができました。
字幕は「設定」が分かりすぎてしまっていかん…のかも。謎の人物が登場しているのに役名が表示されてしまってネタバレになる場合もあるし、特にお笑いで字幕を切り忘れると、芸人の口から出てくるはずのものが先に文字になっていて笑えなかったり。
それはともかく、今週の話を三回観てみて、公園のシーンで「好きじゃない って言われたの!」のあたりで、奈緒が「憎んでいる」と言ったときの葉菜はどう思ったのかをまた追体験してまい落涙です。そして巻き戻して二人の会話をもう一度観てみると、すべて奈緒と二人の母の関係をなぞっているではないですか…。嗚呼。
そしてそのときの松雪の形相と、理容すみれで継美の髪を梳かす笑顔とはまるで別人。大魔神のような変わりようでこのひともまた凄いな思ったのでした。
予告に映っている封筒が「戸籍」なんでしょうか。あと三回? 三回もある。三回しかない。
投稿: 幻灯機 | 2010年6月 6日 (日) 08時23分
❄イルカトクジラトオンセンモ♨エンルムマリーナ様、いらっしゃいませ♨ムロラントMother❄
ハーバーライトが朝日に変るのですな。
ロケ地地元の方のご愛読ありがとうございます。
より身近に感じられて
よろしゅうございますね。
「Mother」の世界では男性の存在は
常に背景化するわけですが
継美の父親の正体となると
どうしても誰もが気になるところなんですな。
どう考えても依存体質に見える仁美が
けして依存しようとしない
怜南の天国の父・・・木田(字幕)・・・。
「お前は何やってんだ・・・」
ということですよね。
ひょっとしたら・・・仲のいい同級生とかって
設定もありですよね。
そんな奴を遺影にするのかよっ。
本当は父親のわからない子だったり
あるいは離婚しているのは本当だが
遺影の人とは別人だったり
もう仁美の過去については
謎だらけです。
そのあげくに
まあ・・・父親が誰かは
置いておくか・・・と思ったキッドでございます。
ふふふ、地デジ時代突入で
いろいろと「じっくり派」には
詳細が提示されて楽しいのでございますな。
デジタル情報だと拡大機能とかで
アナログでは読めない文字まで読めたりしますしなーっ。
出演者の皆様のお肌の手入れも大変ですな。
まあ、そのうちCGで完璧に補正される時代がくるでしょうけど。
字幕もそれなりに気を使わないと・・・
ネタバレだったりしますしね~。
アナログでも視覚障害者用音声は
結構、ネタバレだったりしますがなーっ。
まあ、技術が進歩すると
それに対応する現場も大変なのですな。
耳が遠くなると字幕は重宝しますが
目もショボショボしますしな。
年ばかりはどうしようもありませんぞ。
・・・ぼやいてどうするっ。
もしも木田が怜南の父親だとしたら
あんなにやさしそうな男が
なぜ怜南と仁美には
不実だったのか・・・
とても気になるところ・・・。
仁美にはさらに隠された何かが
あるかもしれませんな。
仁美も捨て子だったりとか~。
あるいは妻子ある男と不倫して
親に離縁されたりとか~。
気になりますねえ。
妄想し放題でございます。
なにしろ木田仁美であったことが
あるのかどうか・・・
ドラマ内では明示されませんし。
二人にはどんな性格の不一致があったのか・・・
まさか
「クリームソーダは食べ物か飲み物か」論争で離婚。
なわけないしですなーっ。
とにかく・・・「やさしい人が去って」
「別の人にやさしくしている」
「なんで私ばっかり」
と仁美のひがみ根性炎上は確定です。
ふふふ、すぐそばで
現実とは違うフィクションが展開していた・・・
これこそ現実がフィクションに過ぎないことの暗示です。
キッドの書斎の窓から今も
建設途上の東京スカイツリーが
聳え立っているのが見えますが
それを見る度に
凄く非現実的な気持ちになりますからな。
ドラマの中の美化されたり
醜化されたもうひとつの室蘭。
それはひとつの醍醐味なのですな。
フィクションはいつだって理想化された現実なのですから。
その極地の一つが「Mother」の世界。
これがあることは実に幸せなことでございます。
また遊びにきてくださいね。
投稿: キッド | 2010年6月 6日 (日) 19時35分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
ご新規さん、常連さんそろって
木田(字幕)のご報告
ありがとうこざいます。
キッドはちょっと笑いましたぞ。
怜南の父親が天国にいるのが
仁美の「心」の問題であること・・・。
それが仁美の特殊性だとすると
ちょっと本題がズレてしまうと
感じるところでもございますね。
そこは曖昧に作っているのに
字幕が・・・空気を読まないというのは
よくあることですな。
ここは新システムによくある
スタッフの把握力の問題なのでございます。
特にプロデューサーは
情報管理がより複雑になって
画竜点睛を欠くという事態を
ひきおこします。
まあ・・・すべての事象は
長所と短所を兼備しているものですからな。
とにかくキッドとしては
「地デジがくるよ・・・
アナログ放送を殺しにくるよ」
と薬師丸ひろ子にそっと囁いてもらいたい
今日この頃です。
仁美のひねくれきった心に
苦言を呈することのできる
奈緒の資格。
これはお茶の間は納得の展開ですな。
捨てられて拾われた奈緒。
育ての母に感謝し、生みの母を許した奈緒。
彼女だけに言える・・・
「なぜ捨てたのです・・・」
もちろん・・・事情を知らない仁美には
届かないわけですが・・・
たとえ事情を知っても
仁美の場合は
「あなたはあなた・・・わたしはわたし」
と言うかもしれませんがねえ。
奈緒は
「わたしはあなた・・・あなたはわたし」と
説得できるかどうかがポイントなのですな。
仁美は自分以外は全部敵。
もちろん「マーくん」さえ
そうなのですな。
そして怜南には
どんなひどい仕打ちをしても我慢できる。
なにしろ怜南は自分自身だから。
この間違いを正すのは・・・なかなか困難なことです。
大魔神と観音菩薩の顔を持つ女・奈緒が
はたして・・・仁美の心を
解きほぐすことができるのか・・・
展開としては
不幸な捨て子VS幸福な捨て子の
対決となっていきそう・・・。
その終着駅まであとわずか・・・
「Mother」の旅も
終わりが近付いてきましたな。
振り返れば
思えば遠くに来たもんだ・・・
というくらいここまではいい旅路。
最後までいい旅であるとよろしいですなーっ。
投稿: キッド | 2010年6月 6日 (日) 19時58分