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2010年6月16日 (水)

絶対零度の師弟愛とバナナみたいな寝袋(上戸彩)VS黒札からの生還だったんですーっ(加藤あい)

久しぶりにVSタイトルである。

それくらい、今回は対決ムードがあった。

・・・いや・・・ワールド・カップに侵食されているだけなのでは・・・。

いや・・・違う。

ヒロインとゲストの絶妙なからみあい・・・ということで・・・いい勝負だったのである。

だから・・・刑事(上戸)と犯人(ともさかりえ)VS医者(加藤あい)と患者(麻生祐未)というVSだったと言うべきかもしれない。

涙の量ということでは後者が圧倒するが、そこはかとない悲しさということでは前者も捨てがたい。

特に前者は究極の師弟愛展開である。師のためにはすべてを投げ出す弟子・・・絶滅危惧種だものな。

火曜日のドラマ対決は①「ジェネラル・ルージュ」↗15.6% ②「絶対零度」↘13.3% ③「離婚別居」↘*6.0%

で、『絶対零度~未解決事件特命捜査~・第10回』(フジテレビ100615PM9~)脚本・浜田秀哉、演出・岩田和行を見た。ゲストのともさかりえはこのドラマの原型とも言える「きらきらひかる」(1998)の「第6話」にもゲストとして登場する。12年の時を経て・・・同じような役回りを淡々とこなすというのがすでに凄いのである。

東京理工大学講師殺人事件の再捜査が始まる・・・。河原で所在不明だった凶器が発見されたためである。被害者の遺伝子工学研究室講師・浅井(斉藤歩)は大学構内で死体となって発見される。現場から逃げ出したバーテンダーの広田(若葉竜也)は逃走中に転落死・・・目撃証言から広田の犯行が疑われつつも凶器が発見されず未解決となっていたのである。

特命捜査対策室に再捜査命令が下り、事件を再検証する捜査員たち。

やがて・・・浮かび上がったのは極悪と言える浅井の人格であった。

浅井は大学構内に盗聴器を仕掛け、大学関係者の秘密を探るとその情報を基に私腹を肥やしていたのである。

膨大な盗聴記録を分析した科捜研の大森技官(北川弘美)は浅井に強迫された人物を容疑者として浮上させていく。

浅井は客として訪れたバーで広田の低学歴を罵倒し、屈辱に耐えかねた広田が暴力をふるうと今度は傷害罪で訴えると脅したのである。バーの店主(宮地大介)に恩を感じる広田は店を営業停止に追い込むと凄む浅井に謝罪するためにたまたま大学構内を訪問下だけであったことが判明。

やがて・・・重要参考人は遺伝子工学の権威・園田教授(浅野和之)と不倫関係にあったことから浅井に強迫されていた助教(助手)の樋口(ともさか)に絞り込まれる。

しかし、初対面の樋口に「遺伝子工学とは何か・・・」を説明してもらった桜木刑事(上戸彩)は・・・そこからかよっ・・・恩を感じて樋口を犯人扱いできないのだった。

ビキナーズ・ラック信者である長嶋室長(お父さん犬)は「素人にしかめぐり合えない幸運がある・・・好きなようにしろ・・・ただし犯人にはなるべく拉致されるな」と北大路欣也のような優しさで自由行動を許すのだった。

一方、事情聴取を受けた園田教授は樋口との不倫関係を認めた上で「樋口は冷酷な女なので犯行を行った可能性がある」と証言する。

しかし、その言動は桜木刑事の聞き込んだ情報と著しく食い違うのであった。

かって樋口は喫茶店のウエイトレスであった。家庭の事情で進学を断念した樋口だったが、喫茶店の客だった園田教授は樋口の「暖かい人柄」と「燃えるような向学心」を見抜き、樋口の勉学の道を開いた恩人だった。

園田教授の指導により社会人からの大学入学を果たした樋口は有能な研究者として評価されていたのである。

「冷酷な女」と「暖かく燃えるような女」・・・二つの異なるプロフィールに疑問を感じる桜木刑事は・・・やがて評価を下した園田教授の恐ろしい秘密に突き当たる。

園田教授は・・・若年性認知症を発症していたのである。

世界的な権威である園田教授の発病が知られれば予算配分は削減され・・・園田教授の遺伝子研究は未完となる。

大恩ある園田教授のためにその秘密を隠し、樋口は献身的に園田教授の失われていく記憶をメモによって補完していたのだった。

その秘密を掴んだ浅井は園田教授を強迫し・・・園田教授は浅井を殺害したのである。

浅井の死体と立ちすくむ園田教授を発見した樋口はすべての事情を察し・・・すでに浅井を殺害した記憶さえ忘却しつつある認知症の園田教授に代わり、犯人となる決意をしたのだった。

しかし・・・凶器を遺棄した後で大学に戻った樋口は・・・事件の意外な展開に口を噤んでいたのである。

もしもの場合のそなえて・・・園田教授の記憶メモの自分のプロフィールを「暖かい人柄」から「冷酷な女」に書き換えて・・・。

記憶を失った園田教授は樋口の人格をメモにあるまま「冷酷な女」と評するしかなかったのだった。

すべては教授を心から愛した助教の物語だったのである。

やがて・・・保存状態の悪かった事件当日の盗聴記録が復元される。

「あの女・・・教授のためなら・・・オレに体を差し出したぜ」

「き、きさまーっ」

教授もまた彼女を深く愛していたのだった。

なんて麗しい師弟愛なのか・・・そういう教授になってみたかったぜ。

すでに責任能力があるとは言えない園田教授はしかし、無罪となるために起訴されることになる。

一方、情状酌量の余地があるとはいえ、証拠隠匿や偽証などの罪に問われるだろう樋口。

二人は警察署内で邂逅する。

恩師はすでに弟子の顔さえ忘れている。

弟子は無言で恩師を見送る。

自分が今、何をしているのかも忘れながら、園田教授は桜木刑事にそっとつぶやく。

「今の人・・・優しそうな人でしたね」

桜木刑事はふと目を伏せるのである。認知症患者を身近に持つ人なら誰もが感じるだろう百聞は一見に如かずという言葉。記憶が失われていくことの物悲しさ。それが見事に表現されていると言えるだろう。

その悲哀を慰めるために倉田係長(杉本哲太)は桜木の誕生日に「かわいい寝袋」をプレゼントするのだった。

「・・・憶えていてくれたんだ・・・私の誕生日」

事件解決によって残された重苦しさを忘れ微笑む桜木だった・・・。

・・・ええと・・・まさか・・・倉田と桜木に恋愛フラグがたったわけじゃないよな。

それは・・・余りにも意外な展開すぎるんですけど・・・。

ある意味、衝撃を感じました。まあ・・・あくまで妄想的にはですが。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋・第10回』(フジテレビ100615PM10~)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・今井和久を見た。「絶対零度」は脚本がやや若書きの気配があって役者の演技力でかなり支えてもらった印象があったが、こちらはメイン・ライター回でセリフ的にはスムーズである。そのために泣き所では女優の競演に快く涙することができたと思う。

本筋であるジェネラル・ルージュを廻る東城医大病院殺人事件は大詰め直前である。妖しい看護師長・花房(白石美帆)はますます妖しく、怪しい国会議員・鴨志田(本田博太郎)は完全に挙動不審なのである。まあ・・・この二人にそういう役をやらせたら誰にも勝てないレベルである。

しかし、今回の見せ場は死病に取り付かれた疑いのあるジェネラル・ルージュこと速水救命救急センター部長(西島秀俊)の原点である城東デパート火災を廻るエピソードなのだ。

急患となって搬送されてきたのは看板落下事故の被害者・斉藤(麻生)である。白鳥に速水とメディカル・アソートとの繋がりを暗示したクラブ「彩子」のママだった。

彼女は・・・城東デパート火災で生れたばかりの娘を失っていた。

東城医大に搬送された斉藤の嬰児はトリアージによってブラック・タグを与えられ病院の片隅に放置されたのだった。そのことで心に深い傷を負った斉藤は東城医大病院に激しい嫌悪感を抱いていたのだった。

斉藤「娘がもし・・・助からないとしても・・・何かしてもらいたかったんです・・・でも・・・速水先生は何もしてくれなかった」

速水「助けることができなくて申し訳ない」

斉藤「ふん・・・顔だって覚えてないくせに・・・」

速水「あなたの娘さんは・・・水色のベビー服でくるまれていた・・・私は助けられなかった患者のことを忘れません・・・」

斉藤「そんな・・・同じ黒札でも顔見知りの娘さんはあわてて運び出したくせに・・・」

田口(伊藤淳史)「速水先生は・・・患者を差別するような人じゃ・・・」

和泉(加藤)「すみません・・・それ・・・私です・・・私・・・速水先生に・・・命を」

斉藤「そうなの・・・あなたが・・・あの時の娘さん・・・そうなの・・・あの時の娘さん・・・助かったのね・・・よかった・・・私・・・それがずっとずっと気になってた・・・」

和泉「すみません・・・助かったのが私で」

斉藤「なんであなたが謝るの・・・よかったのよ・・・助かって・・・本当によかったわ・・・」

和泉「・・・」

斉藤にはわかっていた。速水が助けられる命を選択したことを。その苦しみを。

速水にもわかった。斉藤が速水医師の苦渋の選択を受け入れたことを。

和泉もわかった。斉藤の心にある優しさが。

斉藤は泣いた。和泉も泣いた。もちろん、お茶の間も泣いたのである。

誰かが誰かを理解すること・・・これほどの愁嘆場はないからである。

病院を去って行く斉藤に白鳥(仲村トオル)が声をかける。

「あんた・・・最初から・・・速水を憎んでいなかったんだろう」

斉藤は速水には涙を見せず・・・背を向けると泣き崩れる。

女優魂のダメ押しである。麻生祐未はいつか「マルサの女」をやるべきだと思う。

まあ、「税務調査官・窓際太郎の事件簿」(TBSテレビ)の番外編で「マルサの事件簿・椿薫」でもいいわけだが・・・。

「サラリーマンNEO」の色情狂妻も抜群だが・・・正攻法の主演ものを見たいのだなあ。

きっと凄いはずなのである。「麻生版・マルサの女」・・・絶対に面白いと思うのだが・・・。

その時、宮本信子には是非、脱税する方でゲスト出演してもらいたい。

ちゃららららららら~ら。ちゃららららららら~ら。

木曜日に見る予定のテレビ『同窓会』(テレビ朝日)『恋とオシャレと男のコ』(TBSテレビ)『素直になれなくて』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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