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2010年7月31日 (土)

君の唇は100万ボルト地元に降りた最後のズベ公(長瀬智也)基本不良少女と呼ばれて(戸田恵梨香)

さあ、いよいよ・・・「うぬぼれ刑事」→「熱海の捜査官」→「モテキ」という金曜日の悪夢(一部地域を除く)がそろい踏みである。

東京は一日の休憩を挟んでこれから一週間猛暑再開なのである。

とにかく、円周率が3とかじいさんばあさん、女子供を完全に拒絶した三本立てである。

どんだけ間口せまいんだよ。しかも「熱海」と「モテキ」は終了開始が3分かぶるという不親切設計。

もう、池袋文芸座で「ダスティ・ホフマン特集」を見てから池袋文芸地下で「ゴジラ特集」を見るような感じか?

そのたとえはどうかな。

まあ、とりあえず、今回は「ゲスト・戸田恵梨香」である意味、メイン・ディシュだよな。

つまり、前菜・加藤あい、スープ・蒼井優、魚料理・樋口可南子で肉料理・戸田ってことか。

まあ・・・おいしくいただきましたがーっ。

じゃ、来週、薬師丸ひろ子はデザートですかーっ。

っていうか・・・この強力な流れで押し流されていく「サイバラ物語」恨ミシュラン秘話を匂わせたんだな。

おそらく・・・レビュー体制は・・・

(土)「うぬぼれ刑事」

(日)「熱海の捜査官」

(月)「龍馬伝」

(火)「夏虹」

(水)「モテキ」その他

・・・という感じになりまする。まあ・・・暑いのですべて軽い妄想になる模様でございます。

よろしくおつきあいください。

で、『うぬぼれ刑事・地元流(第4回)』(TBSテレビ100730PM10~)脚本・宮藤官九郎、演出・土井裕泰を見た。ジブリ祭りが終ったところで始まる踊る祭り・・・このワクが人並みの幸せを得る日は遠いわけだが・・・こういう時こそ、戸田恵梨香の起爆力が問われるところだな。だが、まあ、視聴率はともかく・・・内容的にはさすがの存在感である。この役をこなす他の女優がいるか・・・おそらくいないのである。

阪神タイガース愛の刺青を腰に彫った女・羽柴祐子(戸田恵梨香)が多摩川河川敷で遺体となって発見される。高校時代は真面目で成績も良く、近所の人が道で会えば必ず挨拶をする評判のいい子だった祐子。

しかし、発見された遺体は死後に激しい暴行を受け無惨にも顔を潰されていた。

その被害者の写真を一目見た・・・うぬぼれ(長瀬)はたちまち恋に落ちるのだった。

ついに加害者ではなく被害者・・・しかも遺体にまで欲情するようになったうぬぼれは自分の変態性欲に呆れ果てるのだが、祐子が夢の中で純情可憐な女子高校生となり、飲みかけのジュースをくれたり、キュートなキス顔で迫るので身も心も祐子一筋に染まるのである。

遺族である祐子の母親・サチ江(伊藤かずえ)の前で被害者に焼香をするうぬぼれは泣き崩れる。

「あの・・・生前・・・あの子がお世話になったのでしょうか・・・」

「一面識もありません・・・うえ~ん」

ついこの間、絶対泣かない世界で意地悪な総合商社夫人をやっていたのに今回はいかにも所沢の不良少女の成れの果ての不良の中年女を演じる伊藤かずえ、ちょっとウエイトが気になるぞ、松坂慶子を目指すのか。

とにかく、演技力は抜群だ。

なぜ、少女は悪に染まっていったのか。祐子の場合は母の再婚が原因だった。

「祐子の高校の2年先輩で22才年下の彼と再婚なんかするから・・・あの子」

絶句するうぬぼれだった。その再婚相手は借金を作った上、行方知らずだという。

世田谷通り警察署は埼玉県警と協力し、所沢の地元のヤンキーたちの交友関係を調べ上げるのだった。所沢の闇は深く、ある意味、全員がなんらかの犯罪に関係しているといっても過言ではない勢いである。

次から次へと浮上する前科もの、マルチ商法関係者、組織暴力団構成員たちは結局、実家の居酒屋を手伝うことに落ち着くのが所沢の市民性なのである。

なにしろ・・・都心までは遠いのである。

捜査が着々と進展している頃、カメラマン・アナーキー(矢作兼)は都内某所のガソリン・スタンド店員・昭島ユリ(戸田)に一目惚れをしていたのだった。お茶の間はユリが遺体である祐子にそっくりなことと所沢出身であることから事件の全貌を直感するのであるが、アナーキーは鎌倉の花火や伊豆半島までドライブに行った後で、ユリの地元の付き合いに翻弄され、ヤンキーのパシリにされてもなお気がつかないというのが悲しい男心の表現であることは言うまでもない。

やがて・・・アナーキーのプロポーズに対して「ケジメが必要だ」というユリ。そのケジメとは浜名先輩(伊達みきお・サンドウィッチマン)に「キャッシュで100万円上納すること」だった。

「そんなお金は用意できません・・・」というアナーキーに「馬鹿野郎、ユリは妊娠十週目なんだよ・・・人の女孕ませといてタダですむと思うなよ」と所沢ヤンキー軍団。

「そんな・・・指一本ふれてないのに・・・」とアナーキーはようやく、それが所沢名物のGS店員に一目惚れしたら美人局祭りだと気がつくのであった。

一方、死体の刺青が阪神タイガースではなくて、浜名友和のイニシャルTHだと気がついたうぬぼれは・・・サチ江が保険金を半額受け取った・・・ただし年下夫が持ち逃げ・・・事実から事件の真相「遺体を偽装した保険金殺人で浜名友和の愛人で養子の浜名祐子は生きており、殺されたのは浜名の妻・昭島ユリ」に辿りつくのだった。

アナーキーが囚われた所沢のヤンキーの巣窟に地元なので一端、ホワイト・スーツに着替えてかけつけたうぬぼれ・・・。

「生きていてよかった・・・あなたの唇に惚れました・・・結婚してください」

「無理です・・・だって浜名先輩が好きだから・・・」

浜名は本妻ユリが殺そうとした愛人祐子を愛していたために本妻ユリを殺していたのである。

「じゃ・・・せめてキスしてください」

「ちょっと待った・・・」暴走気味のうぬぼれを体当たりで阻止するアナーキー。

祐子は地元でもないのに祐子に純情を奉げたアナーキーにキスを贈るのだった。

たちまち、乱入する刑事たち・・・。

「そんな・・・」

「私・・・生まれ変わって・・・いい子になるよ」

またしても・・・うぬぼれは恋心ではなく・・・欲しくもない犯人の改心を手に入れるのだった。

そんな・・・うぬぼれをうぬぼれ4が讃えるヘイヘイヘイの歌が世田谷通りの夜にこだまするのである。

いやあ・・・戸田恵梨香・・・こういう役をやらせたら・・・右に出るものいないな。

そして多くの男たちは矢作兼をうらやましく思うことなんていかにもありえなさそうなのにあるっちゃああるこの世の意外性を経験するのだった。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『龍馬伝』(NHK総合)『多部未華子のGM・踊れドクター』(TBSテレビ)

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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2010年7月30日 (金)

赤い涙を見たものは好きな女の子を苛める資格があるっていうそんなあ(長澤まさみ)

生まれついての人間の階級。

民主主義における多数決と少数派への弾圧。

歪んだ心の集団では悪徳が正義を撲滅。

強きものが守るべき弱きものの選択。

そういうどうにもこうにもブルドッグなものを描き続ける作家である。

すでにかなり病んだ感じが進行しているこの国ではもてはやされないらしい。

なにしろ・・・限りなくグレーな犯罪者である小沢支持者が・・・ちょっと口が軽い総理大臣の責任を追及する政党が政権与党なのである。

たとえば・・・自民党政権時代、日本は中国に金(税金)を湯水のようにつぎ込んで、今の中国の経済的繁栄の礎を構築した。その中国に招待されて歓待された小沢とそのとりまきたちは・・・いわば国民の税金で接待を受けているようなものである。

まあ・・・金は天下のまわりもの・・・と言ってしまえばそれまでだが・・・どちらかといえば忸怩たる思いを痛感すべき場面である。しかし、ウハウハしているのだ。だめだ、こりゃ。

そんな・・・民主党に政権を奪取された自民党がこの状況をなんともできないのもまた明らかである。

そのような生き地獄で・・・天使は叫ぶのだが・・・悪魔としてはニヤニヤして見るしかないのですな。

「GOLD」↘*9.6%である。

で、『GOLD・第4回』(フジテレビ100729PM10~)脚本・野島伸司、演出・加藤裕将を見た。個人的事情というものがある。同じ殺人犯でも飛び出してきた子供をひき殺した母親と、車内に置き去りにしたわが子をパチンコしている間に熱中症で殺した母親とは違うわけである。というか・・・二人とも殺人犯にはならない場合がある。しかし、所詮、人の作ったフィクションである法律とは別にわが子を殺してしまった親が抱く特別な罪の意識があるはずである。・・・というのはおそらく幻想だろう。

なにしろ・・・人間には「個人差」というものがあるのである。

同じではないから・・・わが子を殺す親と殺さない親が生じるという結果があるのだ。

母親と父親でさえ・・・その違いは大きい。

「堕胎」というもっともありふれた子殺しを考えてみよう。

それを処理するために手術台で足を開く母親と・・・それを想像するしかない父親では体験度がまったく違う。

さらに言えば・・・想像力に差がある以上、その想像の重圧に耐えかねて心を病む父親もいれば、翌日にはわが子を殺したことを忘れてしまう父親もいることは充分に想像できる。

つまり・・・そういう個人差が生じるのはいかんともしがたいのである。

さらに言えば「バカ」に「バカ」になってはいかんと言っても「バカ」なんだから「バカ」になるしかないという物悲しい問題もあるわけである。

そういう「知性」のもやもやを表現するのがこの作家の「手」なのであるが・・・もういい加減「バカ」が進行したこの国では「うんうん」と頷いてくれるお利口さんは五人に一人から十人に一人に減少しているというのが現実というものじゃないのかしら。

まあ・・・そういう人々がますます・・・不幸になっていくのは目に見えているわけだが・・・悪魔としてはケケケと笑うしかありません。

そういう世の中でも・・・現実に対処する能力の高い人間は確実に頭角を現す。

そういう人間が他人の痛みに無関心であれば何も問題はないわけだが・・・情報処理能力が優秀であれば同時に情緒が発達してしまう可能性は高く・・・人は心苦しく生きるわけである。

神というものは中々に意地悪の天才なのだな・・・と悪魔としては賞賛する気持ちを感じて思わず逆十字を切るわけである。

心に正義の剣を秘めた天才少女・早乙女悠里(天海祐希)は己の理想を実現するために「魂の王国YSコーポレーション」を築きつつあった。しかし、すでに母親となった悠里には現実の暗闇が容赦なく襲い掛かる。

かって家庭問題のいざこざからギャンブルに逃避したあげくに愛児を熱中死させ、生きながら地獄に堕ちた相馬幸恵(賀来千賀子)を救済した悠里だったが、封印した過去が心無いものによって暴露され、エステ部門リーダーの資質を幸恵が問われる事態へと発展する。

人々の善意を装った悪意の発露は・・・幸恵に対して「焼かれたベビー人形」という嫌がらせに発展する。

自分の王国にそのような悪意を持つものが巣食っていることに絶望を感じる悠里だった。

十字架を背負って生きる幸恵と無邪気な悪意の狭間で苦悩する悠里。

「苦しむものに石を投げることの愚かさを思い知れ」と説くのだが・・・所詮、愚かなものに高邁な理想は理解されるはずもないのである。

「わが友、赤の他人の血の涙を飲むことを厭わぬもの・・・悠里様、どうか、私をその身から遠ざけたまえ・・・」

「できぬ・・・汝を見捨てることは・・・我が身を切り刻むのと同じこと・・・」

「そうではありませぬ・・・我は悠里様の導きにより、善行を積みました・・・その成果は我の育てた部下たちにも伝わっております。しかし、我が罪の深さはそのものたちの心を闇に導く翳りを持つもの・・・今こそ・・・悠里様の正義の剣をふるう時なのです」

「・・・幸恵殿・・・」

「お斬りくださいませ・・・我が罪を・・・」

こうして・・・わが子を殺した十字架を背負う使徒・幸恵は悠里の翼の保護から自ら身を捨てたのである。

どこか・・・遠い温泉地で有能なエステティシャンとして生きていくしかないのである。

だが・・・悠里の差し伸べた手の温もりは幸恵の殺した子供にまで超電導するのである。

霊感美少女であるリカは幸恵を呪縛する児童霊との穏やかな光輝を霊視するのだった。

一方、お抱え運転手の保坂(志賀廣太郎)は「転校後のいじめ体験として自分がいかにもてもてだったかを語り始めたリカが悠里の逆鱗に触れるのは時間の問題」と考え置き去りにしやすい自動販売機を物色し始めるのだった。

主のために先読みするのは下僕の務めだからである。

お年頃なのでセックスを体験したくてしたくてたまらない晶(武井咲)は母親への反抗心を大義名分に激しくカメラマン・洋介(綾野剛)を誘惑するのであるが、実は従兄弟である洋介は間違った性知識で関係を拒絶する。従兄弟同士で婚姻することに何の問題もないですから。

他の女子はどうなろうと知ったことではないが娘の純潔だけは絶対に守りたい明石(寺島進)は洋介と対決する。

出生の秘密を語る洋介は「悠里の知らない事実」を知っているらしい。

悠里の敬愛する兄・修一(水上剣星)は「事故死」ではなく「自殺」だった・・・。

それは悠里の正義の体系が根本から崩れる「事実」らしい。

次回、魂の千年王国を目指す悪魔ちゃんこと悠里の戦いの理念は崩壊の危機に瀕するのである。

はたして、悪魔ちゃんのピンチを愛犬フランソワこと金ちゃんとともに霊感美少女リカちゃんは救うことができるのか・・・乞うご期待である。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『志田未来のハンマー・セッション!』(TBSテレビ)『吉高由里子の美丘・君がいた日々』(日本テレビ)『臼田あさみの鉄の骨』(NHK総合)

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2010年7月29日 (木)

目的のためには手段を選ばない女(石井萌々果)台風とホタルノヒカリ(綾瀬はるか)

しっかりではなくちゃっかりしている・・・その区別がつけば一人前である。

っていうか・・・何か忘れている気がしたのだが・・・。

水曜日のダンスは・・・。

9係・・・16.2%↘15.6%↘15.1%↘14.0%↘13.7%

ホ2・・・・・・・・・16.2%↗17.4%↘15.1%↘14.9%

これを忘れてました・・・。

なんだかんだと朝はゲゲゲ→イノッチ、水曜日はイノッチ→ゲゲゲである。

そして・・・夏ドラマは地味でありながら・・・「ホタルノヒカリ2」が首位をキープである。お茶の間向けの普通に面白いドラマ・・・これしかないもんな。もう少し「9係」がステップアップしてくれるといいのにな。

で、『ホタルノヒカリ2・第4回』(日本テレビ100728PM9~)原作・ひうらさとる、脚本・水橋文美江、演出・南雲聖一を見た。幼年期を「時代劇」で過ごす子供は意外に多い。いわゆるおばあちゃん・おじいちゃん子である。ドラマ「トリック」の山田奈緒子は祖父母がいないのに「暴れん坊将軍」マニアだが・・・ドラマ「ホタルノヒカリ」の雨宮蛍(綾瀬)にはうっすらとその気配が漂うのである。

もちろん・・・蛍が語るおばあちゃんの話は「ホタル」が「美しくてはかない」という説明だが当然、一緒に「遠山の金さん」とか「水戸黄門」とかも見ていたはずなのである。

だから・・・蛍は「JIN」とは無関係に「ありんす」とか「おくんなさいまし」とか言っても自然な感じがするのだな。

時代劇につきものの「ラブ」と言えば・・・「好きあった男女が身分違い」なのである。

その身分違いにも様々ななものがあるが・・・「大店のお嬢さんと行商の若者」なんていうものである。

「おっかさんは見栄をはっていい婿の口を探してるんです」

「あっしのようなものがお嬢さんとは不釣合いなことはハナからわかってまさあ」

そして二人はお決まりの美男美女なのである。

そこへ、暴れん坊だの金さんだのご隠居だのがやってきて・・・「いろいろと面倒くさい部分」を整理して・・・晴れて二人は夫婦になるのである。

考えればこれほどスイーツな話はないのである。

現実の恋愛結婚では・・・この「面倒くさい」ことを自分たちで処理しなければならず、ちっともスイーツではないのだな。

しかし・・・「ホタルノヒカリ」シリーズにはどこか・・・そういう気配がある。

おそらく・・・部長やホタルの中に・・・暴れん坊や金さんやご隠居の成分が含まれているのではないかと思う。

もちろん、高野部長(藤木直人)はすでに存在からして・・・頼りになる時代劇ヒーローの存在感があるわけだが・・・藤木直人はそろそろ「遠山の金さん」をやればいいのである。

ホタルはおばあちゃん娘として・・・心に「時代劇」を秘めているわけである。

元カノと恥ずかしくて「好き」って言えないほど好きな人が手をつないで添い寝しているのを見ても、歯を食いしばってこらえ・・・今、来た道を帰っていく心意気・・・現実にそんな女の子はいないのであるが・・・時代劇だと思えば確かに存在する。修羅場はヒーローたちにまかせておき、ひっそりと身を潜めている。そうしているうちに周囲が勝手にドタバタする。

そして・・・小悪魔の姑息な罠などはきっぱり「整理」されてしまうのである。

現代を生きる人々は「時代劇的心情」で結ばれた蛍と部長の輪には入れないのである。

どんな障害も乗り越えて必ず縁側に二人は帰ってくる・・・この安心感を外しちゃダメだぞ~と思うのだな。

さて、今回はすでに定番の臭いのする台風襲来の話。

和馬(向井理)と美香(臼田あさ美)のカップルが高野家に襲来する。

臼田あさ美は今をときめく、なんとなく彼女ナンバーワンである。

この夏、岡田以蔵(佐藤健)の愛人なつ、土建屋の営業マン(小池徹平)の恋人・萌を演じつつ、和馬に片思いの女を演じているわけである。

佐藤健、小池徹平、向井理と同時進行で恋愛したらかなりの嫉妬の嵐にさらされると思うが、あくまでドラマの話なのだな。

一方、向井理はついにというか、いよいよというか、ゲゲゲで当たりを引き、前作の恋敵・マコト(加藤和樹)とくらべるとタレント・パワーとしては段違いに部長と勝負ができるポジションになっている。

なにしろ・・・前シリーズは原作を無視して・・・藤木直人だから加藤和樹では勝負にならないだろう的な蛍・部長のハッピーエンドに到達してしまったのだ。

つまり・・・一応、今回は向井理が蛍をかっさらう意外な展開があってもおかしくないキャスティングになっているのである。

まあ・・・ドラマの中で誰が誰とくっつこうが知ったことじゃないという無粋な人は別として・・・こうでないと恋愛ドラマは盛り上がらないのだな。

そして・・・和馬は・・・部長と蛍の仲を知った上で堂々とお邪魔虫宣言なのである。

いわば・・・ご法度やぶりの悪徳商人として名乗りをあげたのである。

その根性はみあげたものなのであった。そこで右往左往する美香(臼田)は「あ~れ~」と言いつつクルクル回る腰元娘の気配がします。

一方、このドラマでは「悪代官」の香りのする部長の元カノの娘・千夏(石井)はあくまで自分の欲望に忠実に「夏休みの宿題を理由にママと理想のパパと三人で箱根に行きたい悪だくみ」を敢行する。

蛍に許可を求め・・・部長を説得させ、三人分の切符を調達するところなど小学一年生の仕業とは思えない辣腕ぶりである。

もちろん、影で小夏(木村多江)が糸を引いている可能性もあるが・・・ここは千夏が主で小夏は悪代官に利用される三下やくざの役回りなのである。

ちょっとはいい目も見るが・・・結局は部長にはまるでその気がなくバッサリなのである。

この下半身の火照りをどうしてくれるの・・・状態になっているのだな。

「一人で飲むビールよりも二人で飲むビールの方が美味しい」

と和馬に語った蛍。

「一人で飲むビールよりも二人で飲むビールの方が美味しい」

と部長に言われて心にラブラブが満ちるのである。

そしてついに「好き」とご褒美を差し出すのだった。

これにて一件落着なのである。

お茶の間は安堵に胸をなでおろすのだ。

しかし・・・時代劇の悪役たちが不死身なように・・・性懲りもなく・・・和馬は宣言をぶちかますのだった。

「あたしはね・・・あの方に惚れちまったんだ・・・どんな阿漕な真似をしても・・・あの方をいただかせてもらいますよ・・・いっひっひっ」なのである。

そんな緊迫感を打ち砕いて来週はまたしてもシリーズ定番の泥鰌掬いでございます。

なんとなく・・・来年の夏も「ホタルノヒカリ3」をやっているような気がしてきました。

関連するキッドのブログ『第3回のレビュー

Hcinhawaii0657 ごっこガーデン。台風一過だビールが美味しセット。まこラブラブは一夜漬けではないのでしゅね~。みそ汁はみその汁なのでしゅね~。しかし、仕事はできる蛍でしゅから・・・そのパワーがみそ汁に向かえば凄いみそ汁を作れるのではないかとうあい。救急箱ひとつもって・・・ノーマネーで東京箱根をヒッチハイクする蛍・・・たくましさを見習いたいものでしゅ。ふふふ・・・部長とのラブラブ成就のためにとんち坊主スタイルで愛を邪魔する小悪魔をゲットでしゅ・・・悪戯もののシッポを掴んで離さないのはラブラブ和尚のつとめでございましゅ~お気楽部長と蛍って父娘みたいだよね・・・これって禁断の父娘愛のカモフラージュ的表現なのかしら・・・ま、そこそこ楽しいからいいよね。久しぶりにフラッシュしたしmari干物男登場で波乱ムードですが・・・部長と蛍の絆は深すぎて立ち入り禁止の立て札が立っている気もしますね。気安く手を出すと痛い目を見るかもですよね・・・でもそこがウフフですよねikasama4一緒に寝ようと言われて拒絶してそれを拒絶と思わない・・・二人で添い寝していても何事もなかったと信じることができる・・・蛍の異次元的心情を理解できるのはやはりぶちょおだけなんでしょうねえ・・・二人の特殊なラブラブは何人たりとも侵入不可ですな・・・まあ、みそ汁に具は欲しいとしても・・・せめてネギだけでも・・・くうお互いの同意の上で結婚を前提とした同居をしている・・・と業務命令のように言われても・・・婚前同棲の事実は変らず・・・なんだか・・・釈然としない・・・普通の恋愛感覚の二人・・・元カノだっていうのを隠したり、三人で一泊するのを隠したり、今回も部長は男としてかなりひどいのだが・・・蛍がそれを上回っていく干物感覚なので・・・結局・・・ラブラブ・・・結局・・・ヒヤヒヤするこっちが・・・なんだか・・・汚れちまった自分を思い知る感じに・・・これは大自然に心洗われるようなドラマなんだな・・・きっと~・・・しかし、今回の恋敵・・・そこそこ強力だよね・・・じわじわっとくるよね・・・うう・・・手だとわかっていてもヤキモキする~みのむしるるる・・・私は今・・・夏休みるるるエリふふふ・・・ラブラブと蛍はまるでかけはなれてまスー・・・でもそういう人ほどラブラブに憧れたりしまスー。noteすきすきすきすき・・すきっすきあいしてる~・・・でスー。一日の終わりに一緒にいてほっこりするだけで明日への活力がわいてくる・・・ある意味すでに理想のカップルなのでスー。そんな二人に攻撃を仕掛ける天才小悪魔とゲゲゲの干物男・・・恋愛バトルも盛り上がってきましたyon!」

金曜日に見る予定のテレビ『崖っぷちのエリー』『熱海の捜査官』(テレビ朝日)『うぬぼれ刑事』(TBSテレビ)『モテキ』『大魔神カノン』(テレビ東京)

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2010年7月28日 (水)

死刑を執行しない法務大臣は処刑に値するか?

久しぶりに主演俳優抜きのタイトルになった。

「ジョーカー 許されざる捜査官」の記事なので「・・・値するか?」(堺雅人)でもよかっただが、かなり誤解される内容になるので自主規制である。

とにかく、千葉景子という順法精神のない法務大臣が職務につくこの国の無法な状態がいつまで続くかと心を痛める日々である。

もちろん、キッドは「死刑に反対する自由」を認めることを否定しない。

どうしても死刑を執行したくなければ「死刑廃止法案」を議会に提出し、立法化をすればいいことである。

しかし、そのような民主主義の手続きを経ず、刑事訴訟法で「死刑は確定から六ヶ月以内に執行」と明確に定められているにも関らず、「大変重い刑罰であることを念頭において慎重に判断している」と言いながら2009年7月から一年間、死刑執行をしない法務大臣を与党はなぜ、厳重注意しないのか・・・非情に不可解である。

つまり、内閣一同、順法精神がないということなのか。

まさに、「ジョーカー 許されざる法務大臣」なのである。

妄想内では何度処刑されても仕方のない傲岸な人間といえるだろう。

妄想ではいくらでも法相の家族が人質にとられ、処刑を強要されたり、銃撃されたり、ぶん殴られたりしてもまったくおかしくない状況なのである。

そういう頭のおかしな人だから選挙に落ちるのも当然だし、いつ呪い殺されてもおかしくないのだが・・・日本国民というものは寛容の精神に満ち溢れ、というか、法治国家というものをそれほど強く意識していないのでなんとなく生存が許されているわけである。

この1年間で、坂本弁護士一家を殺した早川、地下鉄サリン事件などに関与した豊田、広瀬、井上、新実などが続々死刑確定しているわけだが・・・それらの刑が執行されないということは千葉景子はオウム真理教信者である可能性も充分妄想できるのだ。

懸命に捜査して・・・犯人を逮捕し裁判にかけるべく努力した人々は・・・どんな風にモチベーションをあげればいいのか・・・悩むのではないか。まあ、給料もらえればいいのか。

とにかく・・・殺意と殺害の間にはものすごい隔絶があることが前提だが・・・千葉景子をニュースなどで見る度にキッドは確実に殺意を感じる。なぜなら・・・日本を法治国家ではない無法者の国家としようとしている人間を排除したいと考えるのは理性ある態度だからである。

まあ、人間ならば誰もが想像可能なことなので・・・そういう推測をしつつ、法務大臣であり続ける千葉景子の度胸あるいは愚鈍さには感服するしかないのである。まあ、要するに千葉景子を闇で処刑しても一銭にもならないので彼女は生きているということです。とりあえず、今、109人の人々が死刑の執行を待っています。

火曜日のドラマ対決は①「ジョーカー」↘13.4% ②「逃亡弁護士」→10.0% ③「天使のわけまえ」↘*6.6%

で、『ジョーカー 許されざる捜査官・第3回』(フジテレビ100728PM9~)脚本・武藤将吾、演出・都築淳一を見た。法は遵守しないが・・・殺人はいけないと考えるらしい伊達刑事(堺雅人)は・・・私的に制裁した人間を終身刑にするらしい。最低限の食費を一日1000円としても一年で36万5千円、受刑者100人いたら3650万円である。その経費をどこから捻出しているのだ。いいじゃないか、フィクションなんだし、法務大臣が順法しない国家なんだから、制裁者の判断で殺せば・・・と率直に思うわけである。・・・気がすんだか・・・すみました。

とにかく・・・私的終身刑システムがどのように運営されているのか興味津々なのだが、「人殺しは絶対悪が前提」である以上・・・この胡散臭いドラマ設定も仕方ないと言えるのである。なにしろ・・・殺意を口にするだけでドキドキするのが現実というものだからな。

もちろん、キッドだって命は尊いと思う時がある。誰かが「死にたい」とこぼせば・・・「死んで花実が咲くものか」的な言葉をかけるか、あるいは「どうしてもというのならお手伝いします」的なジョークで冷やかすかするくらいの分別はあります。

老母はもの忘れが激しいのでそれを苦に「いっそ死にたい」と言うときがあるので「ナイフにするか、ロープにするか」と尋ねるとまだ笑える気力はあるようです。

敬虔な仏教徒である老父は「冤罪」の可能性がある以上死刑制度反対主義者である。しかし、あの世を否定するキッドは「冤罪の発生」を含めてシステムとしての「死刑制度」を肯定する。国民の八割が肯定するのは「抑止力」に期待するからでもあるし、法の根源にある「復讐」というものの本質を理解しているからだろう。目には目を歯には歯をは法の基本なのだな。

ま・・・そういう現実と虚構の狭間に・・・「罪を犯しても裁かれない人間を許せない人間」というこのドラマの存在が成立するのですな。

ただし・・・結局、それを許すための状況設定がくどすぎて面白みに欠けるというのが現代劇の難しさ。

「羊たちの沈黙」を超える・・・悪徳を超越した正義の生れる理由というものは・・・なかなか生れないものです。

今回も・・・伊達刑事は両親を殺害した犯人を殺そうとしたの、殺しきれないの、鑑識の久遠(錦戸亮)は両親に虐待された過去があるので残虐な悪人を憎むの憎まないの・・・いろいろとうるさいんですよね。

どんなに言い訳をならべても・・・「裁きたい奴がいるから裁く」という個人的な欲望に基づく事情は変らないわけです。

要するに・・・「ああ、こいつは殺されてもしかたない」と言う犯人を描き、それが罪から逃れようとするところを逃さず問答無用で終身刑にする・・・そういう話でいいのではないかと考えるわけです。

そうじゃないのなら・・・千葉景子の罪を問うドラマをまず作るべきなのです。

・・・というキッドの声が天に届いたのか・・・千葉法務大臣は本日、二名の死刑を執行しました。ナイス・タイミング。

千葉景子も今日から晴れて犯罪性のない殺人者になったのである。

死刑制度のある国家で生きる国民は基本的にみな人殺しなのである。

ただし、殺人犯ではないのだ。その違いを知るのが理性というものだ。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『科捜研の女』(テレビ朝日)『怪談新耳袋』(TBSテレビ)『日本人の知らない日本語』(日本テレビ)『長澤まさみのGOLD』(フジテレビ)

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2010年7月27日 (火)

同類相憐れむが友情の始まりでもいいじゃないか(松本潤)

おそらく・・・人々はもう恋のカタチについて忘れている・・・。

そんな気配の漂う月9である。

竹内結子が身近にいたら男は絶対に恋をするのだ・・・と言わんばかりの展開である。

まあ・・・それは間違っているとは言い切れない気配もあるが・・・日本を代表する恋のカタチがそれでいいのか・・・と思うのである。少なくとも「モテキ」の幸世といつかの方が素直に恋の気分を味わえるよなあ・・・。

そうじゃないですかーっ。

もちろん・・・帝国アイドルのドラマだから・・・という前提はあるわけである。

娘とお母さんに愛される男が主人公という設定はある意味予定調和の世界だもんな・・・。

でも・・・それだけじゃ・・・お茶の間向きの恋愛ドラマとは言えないのでは~?

もう一つの問題は・・・「月の恋人」ではあんなに投入された豪華脇役陣に対して・・・こちらはあまりにもアグレッシブなキャスティングになっている気がする。

主人公の仕事の上でのライバル。

主人公の親友。

この二人・・・弱くないですか・・・いろいろな意味で・・・。

いや・・・可能性とか・・・チャレンジは認めるけど・・・。

しかもだ・・・その演出意図がまるで・・・スケスケでスカスカで・・・ゲンナリなのである。

やはり・・・主人公に実力で打ち勝つ以上・・・「それなり」の演技を見せる必要があるはず・・・。

同じ境遇であるけれど・・・主人公とは決定的に違う「何か」が必要なはず・・・。

まさか・・・チョイ役に満島ひかりを投入する贅沢ぶりのおかげで・・・予算不足に陥っているのか・・・。

季節を越えてバーターですか・・・。

で、恒例の週末の視聴率チェックではなくて・・・帝国アイドルドラマの視聴率チェックをしておきたい。「9係」↘14.0%(イノッチ絶好調である)、「うぬぼれ刑事」↘*7.3%(これはある意味客を選ぶタイプだから斗真もいい味に限度があるし・・・)、「GM」↘11.5%(ヒガシはともかく大倉に見せ場作ろうとすることに無理が)、そして「夏の恋」↘10.9%(うわ・・・来たよ・・・)・・・以上である。

帝国だから・・・仕方ないが・・・主演ドラマは週二本ぐらいに収めるべきだよな。

で、『夏の恋は虹色に輝く・第2回』(フジテレビ100726PM9~)脚本・大森美香、脚本・澤田鎌作を見た。子供の世界は嫉妬の世界である。イジメはその副産物である。勉強がちょっとできれば苛められ、美少年だと苛められ、家が金持ちだといじめられる。女の子に人気が高いといじめられ、体育が得意だと苛められ、ケンカが強くても苛められるのである・・・おいおい。いや、事実だ。陰湿ないじめに対しては腕力は時には無力だからな。もちろん、復讐してやればイジメは収まるが自分がいじめっ子のレッテルを貼られたりするから始末が悪い。当然、楠大雅(松本潤)は苛められたわけだが・・・友達もできた・・・父親が同じように芸能人である植野慶太(笠原秀幸)が竹馬の友である。

この辺りをもう少し色濃く描くべきだな。

植野は麻薬常習で逮捕歴があるくらいでもいい。

それでも友人だから・・・付き合っているくらいで。

だって、2世タレントは麻薬常習犯は定番だもの・・・いい加減にしておけよ。

実は、慶太を演じるか笠原秀幸は子役あがりである。「大地の子」(1995)の上川隆也の少年時代役がデビューだからキャリア15年のベテランなのだな。朝ドラ「すずらん」(1999)にも出ているし、黒沢清とか岩井俊二などという渋い監督の映画作品にも出ている。しかし、知る人ぞ・・・知るである。しかし・・・このメンバーの中では芝居は出来る。

一方で、大雅の芸能界における成上がりもののライバル・伊良部譲を演じる永山絢人は言わずとしれた瑛太の弟で・・・言わば兄の七光りタレントである。「パズル」や「恋空」でキャリアを積んでいるが・・・お世辞にも演技が出来るとは言えない。

そうなると・・・大雅がオーディションに落ち、伊良部がオーディションに受かる理由というものがかなり不鮮明になる。

ストレートに言えば・・・今のところは大雅がオーディションに落ちる理由が不明瞭なのである。

そこには「演技力が段違いなのがお茶の間に伝わる」二人の演技力が欠けているからである。

そのために・・・脚本はなんとなく・・・「演技の軽重」でそれを示そうという苦心をしていることがわかる。

その結果、生じるのが・・・キャストが善でスタッフが悪の勧善懲悪ムードなのである。

その傾向は・・・ファッションモデル兼女優の桐谷美玲が演じる天才子役あがりの宮瀬桜対演出スタッフで頂点に達する。

桐谷美玲のたいして上手さを感じさせない芝居を演出スタッフが「演技が上手すぎてフレッシュじゃない」と論評するのである。

違和感があふれるにも程があるだろう。

スターがスターを演じる芸能界ものにつきものの限界がここにあるのである。

この手の作品で成功したと言えるのは「ガラスの仮面」だけだと思うが・・・なにしろ・・・あれは天才子役(安達祐実)が天才子役を演じる上に原作が古典のコスチューム・プレイだったのである。

同じく、天才子役(吉田里琴)が天才子役を演じた「オー!マイ・ガール!!」の残念な感じが記憶に新しいし・・・谷村美月と美山加恋がタッグを組んだ「キャットストリート」でさえ通用しなかったのだ・・・。

なにしろ・・・芸能界は現実以上にお茶の間が知っている(と誤解している世界)なのである。

そこに新たなる夢の世界を構築するのはかなり難しいのだ。

単純に言えば・・・もう少し、それらしくしなければいけないのである。

大雅が二世タレントである以上は・・・その行く手を阻むライバル・伊良部は母親とか姉に知らない間に書類を応募されて登録される帝国事務所のような大手アイドル事務所に所属していて・・・知る人ぞ知る経営者に「ユーもソロソロデビューしちゃえば」とか言われて・・・演技が出来るとか出来ないではなくて人気があるからドラマ出演するというテイでないとまずいじゃないかと思うのである。

そのぐらい自虐的じゃないと面白くないんだよなぁ・・・と考えます。

ま・・・そんなに恐ろしいことはクドカンでさえしないわけですがーっ。

結局、今のところ・・・大雅の職場である芸能界の描写はとってつけたもの。

今回は・・・実力派の役者を自認しながら・・・素人の娘を演じる名子役に「早口言葉で勝てない」男の物語になってます。

まあ・・・それはそれでほのぼのしていていい・・・という考え方もあるが・・・。

恋の話だよな・・・これ・・・将を射んとすれば馬から射よ・・・ってことですか?

まあ・・・とにかく・・・橋の上で虹のかけ橋というだじゃれレベルの加工されたエヅラだけではもたないんじゃないかなぁ・・・とキッドは思います。

まあ・・・演出家はリハビリ中だから・・・仕方ないか・・・。

それにしても・・・「不毛地帯」はたたるなあ・・・。

とにかく・・・このドラマが言わんとすることは人々が考えている以上に・・・都会の夏空には虹がかかっているということです。・・・それは絶対に違うだろう。

それ(天国の父親の愛)に見下ろされつつ・・・大雅がそっと母娘に寄り添うなんていう構図は可愛いのだが・・・それだけじゃ・・・あまりに淡白だよな・・・話が。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

Hcinhawaii0656 ごっこガーデン。虹を渡って月へ飛ぶ思いセット。くういやあ・・・画面には登場しない松坂慶子さんにイラッとさせられるなんて・・・久しぶりにトホホなドラマとなりつつありますかーっ。なんていうか・・・私的にはギリギリだったブザビさえも・・・はるかに凌駕しそうな・・・さらに言うならガッカリなスマイル以上にストレスたまるドラマになろうとは・・・・零号機も初号機もまとめてぶったたきたい気分・・・ああ、神よ、神よ・・・私をどうか見捨てないでたもれ・・・魂のルフランが聴こえてきそうな夏になりそうよ・・・お気楽月9だからって恋愛ものじゃなくても・・・もういいのかな・・・っていうか・・・まずまともな世界を描いてそこで自然に恋したらいいのに・・・まこエロ男爵一人だけが別世界に生きている気がしましゅ~。しかし、ウチの事務所はまた新しくビルを建ててましゅね~。まこたちはいつまでも高校生なのにお気楽ビルだけはどんどん増築されていく不思議でしゅ~・・・そういう芸能界のことをもう少し描くといいでしゅのに~エリなんていうか・・・とってつけた感があったらダメでスー。トイレットペーパーの収納場所を知らないのは大女優の性ではなくて認知症の疑いがあるのですyon!・・・せっかく夏の恋にときめこうと思ったのに子役に友達ができたのが一番の見せ場なんて・・・方向違ってませんかね~と思いまスーあんぱんちプールで殺されるチョイ役といえばガリレオの蒼井そらを思い出しますわーっ。銀座の頂点まで登りつめた女帝に失礼なのよね~。でも嬢王の方が向いているかもよ~。でもここは深夜ドラマでなくて月9なんだから・・・もっと華やかさが欲しいわ~。どうしてドラマスタッフは芸能界を薄暗くしか描けないのかしらね~。困ったものだわ~。たとえ現場では血の汗流しても表に出さないのが粋なのにね~ikasam4なんと申しましょうか・・・底が浅い・・・洗面器くらいな感じです・・・来週はバケツくらいにならんものでしょうか

水曜日に見る予定のテレビ『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホタルノヒカリ2』(日本テレビ)

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2010年7月26日 (月)

末は単騎の泣き別れじゃき・・・(坂本龍馬)

麻雀の手役は基本的に14枚の組合せで作られる。

世の中の人で麻雀を知らない人が増えているのか減っているのかは不確かだが・・・少なくとも知らない人は多いと思われる。

三枚一組のものが四組で12枚。これに俗に「アタマ」と言われる二枚一組が加わり14枚になる。

手持ちの稗は13枚で、山から持ってくるか、相手が捨てた稗を加えて14枚を完成させる。

多くの場合、三枚一組のうちのどれかが・・・二枚になっていて・・・残り一枚を待つわけだが、時にはアタマを待つ場合がある。

これを単騎待ちというのだ。気分的には単騎待ちは・・・待ち合わせで最後の一人を待つようでもあり・・・待っている一枚の気分になると・・・恋人を待っているようでもある。

ただ・・・一枚を待っていると・・・対戦相手も同じ単騎待ちをしている場合がある。

この場合・・・二人は出会うことができない。

薩長同盟には二人の重要なパーツがある。それは薩摩と組む坂本龍馬と・・・長州と組む中岡慎太郎という二人の土佐脱藩浪士である。

二人が親友だったから・・・回天の時がやってきたという考えもある。

どちらかといえば坂本龍馬が主で中岡が従と考えるのが一般的だが・・・チームワークだけに謎も残る。

少なくとも天才・坂本龍馬を中岡がよく理解していたことは間違いないだろう。

二人は歴史的な役割を果たし・・・そして退場していく。

何かを成し遂げようと・・・成し遂げなかろうと・・・誰もが単騎の泣き別れをしていくものだ・・・という考え方もあるが・・・二人の宿命を劇的と考えた方が人生は面白い。

で、『龍馬伝・第30回』(NHK総合100725PM8~)脚本・福田靖、演出・渡辺一貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は迫力満点・高杉晋作描き下ろしイラスト第二弾。さらに、もう一人の不死身の男、池内蔵太のうぬぼれ太描き下ろし、さらには妖艶大浦慶の描き下ろしの出血大サービスでお得でございます。熱気渦巻く国際都市・長崎でも外事警察は協力者に謝礼を欠かしませんな。歴史の激流が渦巻く中・・・無名の若者たちが世界に挑んでいく・・・。誰もが必死です。しかし、その中で亀山社中一行は特に無力。躍り出るためにはまず、実力者に利用されなければならない。相手の思う壺にはまりながら・・・自分の意思を実現させていく。これはもう魔術使いのなせる技でございますね。もちろん・・・持って生れた人間的魅力や・・・それまでの努力を抜きでも語れませんが・・・これからの三年間・・・龍馬ほど必死だった人間はいなかったのではないかというのがファンの気持ち。高杉が・・・西郷が・・・さもあらんという感じで存在感を示せば示すほど・・・後は勇気だけ・・・という無手勝流の龍馬のせつなさが胸にせまりますな・・・。すべての場面で坂本龍馬の歯軋りが聞こえるほどの今回でございました。

Ryoma186504 慶応元年(1865年)夏・・・国内に一応の安定を見た幕府は西欧列強各国との条約締結の交渉を開始する。安政に結ばれたいわゆる不平等条約の改正を目指した幕府だったが結局はその総仕上げを行ったという結末を迎えるのである。将軍後見人の一橋慶喜は公家実力者との交渉でついに朝廷から条約についての勅許を得るがそれは不平等条約を公にするという歴史的には非情に不名誉な結果を残す。その核ととなるのが従量税方式である。これは税額の決定に日本の役人が関与できる従価税よりも列強に有利な税方式なのである。ある程度品物に対する定額税の色彩が強まり、物価が上昇するものである以上、本来得られる税収入は目減りし、日本側は自動的に損をする仕組みである。対日交渉の主導権を握った英国はこの方式で清国を貪りつくした実績がある。一方、税制度では英国に主導権を握らせたフランスは幕府の役人を直接支配することでさらなる実利を狙っていた。国家の役人をコントロールして自国の有利を作り出すことも彼らの常套手段である。着々と徳川幕府に対する支配力を高めるフランスを英国は冷徹に観察していた。

薩英戦争、馬関戦争で薩摩と長州という雄藩と実戦した英国は両藩の実力を分析し、両藩との関係を密にしていた。フランスと幕府の連携を静観しつつ、次の一手を着実に布石するところが・・・陽の沈まぬ帝国の抜け目のなさだった。

英国公使はフランスと同様に幕府と交渉しつつ、民間の貿易商たちに反幕府勢力の助長を促していたのである。作戦を指揮するのは表向きは死の商人、しかし、実際は英国諜報部の極東支配人グラバーだった。

幕府が正式に認める貿易港・長崎では正規な取引をし、すでに密貿易港と化している下関ではありとあらゆる不法な取引を行う。それがグラバーの光と影である。

長崎から一艘の手漕ぎ舟が沖合いに進んでいた。乗り込んでいるのは坂本龍馬と池内蔵太、陸奥宗光、そしてお元だった。舟を漕ぐのはお元配下の忍び水夫である。

沖合いには帆船、蒸気船など多くの船舶が錨をおろして停泊している。

そのうちの中型の商船に龍馬たちは向かっていた。

豪商・大浦屋の所有する外洋帆船・佐用丸である。

「立派な船じゃのう・・・」

船を持たない船乗りである龍馬はうらやましげな視線を佐用丸に送る。

「香港製の帆船じゃ・・・蒸気船ではないけれど最新鋭のものばってん」

長崎の公儀隠密の元締めであるくのいち・お元はさりげなく解説する。

「商人がこげな船を自前でもっちょるとは・・・さすがは長崎じゃき」

「大浦屋は・・・元を質せば松浦の海賊衆じゃけん」

「なるほどの・・・松浦水軍はここで生きちょったのか・・・」

船上に待っていたのは商人の女将というよりは女海賊と言った方が相応しい洋服を着込んだ大浦お慶だった。

「お待ちしていました・・・坂本様・・・」

「これはまた・・・別嬪じゃのう」と目を輝かせる龍馬の尻をお元はつねりあげた。

「あ、いたたた・・・く、くのいちが悋気をするとは心得ちがいちゅうもんじゃ」

「本当に、坂本様はいけずなお方・・・」

「ふふふ・・・仲がよろしいこと・・・土佐一の女たらしとは聞いておりましたがさすがは坂本様でございます」

「わしの評判は・・・どうもならんの」

その時、すでに佐用丸は錨をあげ、帆は風をはらんでいた。

順風を得て、佐用丸は海原を走り出す。

「どこへ・・・行くのじゃ・・・」

「ふふふ・・・他国ものを案内するのははじめての場所・・・松浦党の隠れ島でございます」

龍馬は陽射しを浴びて輝く海面に目を転じた。

「そりゃ・・・面白いことじゃ・・・」

その頃、京都二条城地下の秘密の実験室では西洋ランプに照らされて白衣のものたちがうごめいていた。

一人が声をあげる。

「お・・・脈が戻ったぞ・・・」

「なんと・・・恐ろしい・・・」

その声に佐久間象山だったものは目を開いた。

「・・・ここは・・・」

「ふふふ・・・目覚めたか・・・」

「お・・・あなた様は・・・一橋公・・・」

寝台に横たわる佐久間象山を見下ろしているのは慶喜だった。

「いかにも・・・そちの科学忍法を試させてもらったわ・・・そちの体でな・・・」

「すると・・・私はよみがえり・・・しかし・・・私の反魂の法は未完成だったはず・・・」

「ふふふ・・・すべては組合せよ・・・そちのからくりと・・・わしの闇の血が結合して・・・死せるものを復活させたのだわ・・・」

「それにしても・・・奇妙でございます・・・私が私でないような・・・」

「ふふふ・・・頭は確かに佐久間象山だが・・・体は禁門での戦で出来た死体を寄せ集めたものじゃからの・・・」

「すると・・・私は・・・」

「そうじゃ・・・御主は日の本最初の人造人間ということよ・・・」

「なぜ・・・私を・・・」

「これからは戦の世が始まるのじゃ・・・しかし、もはや、兵どもが・・・将の指図に従うとは限らなくなっておる。長州がいい例じゃ・・・下層民どもが謀反しおって・・・革命じゃ、独立じゃなどとほざきおる・・・わしはの・・・わしの命令に背かぬ軍団が欲しいのじゃ・・・真の旗本軍がの・・・」

「そ・・・それは」

「佐久間、そちが作り出すのじゃ・・・わしのための怪物兵団をな・・・」

暗い地下室の中で慶喜の目は赤く輝くのだった。

佐久間は寒気を憶えたが・・・体温はほとんどなく・・・おそらく現世の名残による錯覚だったのだろうと冷静に考えた。

佐用丸はいくつかの小島が浮かぶ海域に達していた。

その島影から一隻の黒船が姿を見せた。

「おお・・・」

「あれでございます・・・あれが・・・ヴァンパイアの幽霊船ばってん」

それはフランスの蒸気船「フェニックス(不死鳥)号」の成れの果てである。東洋への回航中に吸血鬼に汚染され、指揮系統を失い、漂流しながら、この海域に達したのだった。

船影を見つめる水夫たちに怯えが走る。

「下手に近付くと餌食になりますし・・・その上、時々、発砲してきます」

「なるほど・・・知性は失ったが・・・船としての戦闘力は健在というわけか・・・」

「坂本様は・・・吸血鬼退治の秘策をお持ちと・・・お元に伺いました・・・」

「うむ・・・」

頷くと龍馬は陸奥を見た。陸奥は青白い顔をお慶にむける。

「それで・・・あの不浄のものどもを退治すれば・・・あの船を整備してくださるということですな」

「いかにも・・・われらが根拠地に近づけぬのでは・・・密貿易もままならぬので」

お慶は微笑んだ。

「いかがでしょう・・・お引き受けくださいますか」

「もちろん・・・こちらとしては渡りに船・・・それに・・・このお元は・・・細川ガラシャにつながるお方・・・世が世なら主筋になる方じゃき・・・その頼みとなれば聞かぬわけにはいかんのじゃ・・・」

今度はお元が微笑んだ。龍馬が遠祖を明智光秀の従兄弟満春に持つようにお元は明智玉子の血脈に連なっていた。明智謀反の際に一時的に細川家を離縁されている間に玉子が長崎の地で生んだ子の血筋である。明智光秀に連なる一族の末裔なのだ。

「なるほど・・・じゃけん、お元殿は筋金入りの切支丹たいね・・・それで・・・どのように」

「わしら・・・四人で乗り込むき・・・」

「四人で・・・」

呆れるお慶を残し再び、龍馬たちは上陸用ボートに乗り移り・・・幽霊船へと近付いた。

突然、幽霊船から砲声が響く。

ボートと佐用丸の中間に水柱があがる。

「こりゃ・・・たまらんな」

「龍馬・・・人生はのるか・・・そるかじゃ・・・」

池内蔵太が凄みのある笑顔をみせる。

「まあ・・・御主は不死身じゃが・・・わしとお元はこの中では一番、生身じゃき・・・」

龍馬は口をすぼめて言葉を返した。池内蔵太は長く長州勢と行動を共にし、負傷をして大出血した際に井上聞多から輸血を受けていた。それ以来、不死身の体となったのである。

やがて・・・龍馬たちのボートは幽霊船にたどりつく・・・。

「それ・・・一暴れじゃ・・・この一戦に勝てば・・・この船が手に入るきにの」

やがて、日中も活動できるタイプのヴァンパイアが甲板に現れる。その前で陸奥はリストカットをするのだった。

「さあ・・・ごちそうや・・・こっちの血はあまいで・・・」

吸血鬼対毒性「お貞の呪い」を持つ生物兵器・陸奥宗光は微笑んだ。

龍馬は抜刀し・・・お元は伊賀十字手裏剣を構えるのだった。

池内蔵太には井上聞多の上海みやげの二丁拳銃がある。

いかに吸血鬼対毒性を持つ陸奥も致命傷を負っては命がない。龍馬たちは陸奥を護衛しつつ・・・陸奥の血を吸って吸血鬼が土に帰るのを手伝うのだった。

龍馬は北辰一刀流の腕を奪い、ヴァンパイアの戦闘力を奪うのである。

そこへ陸奥が己の血を注ぐ。

たちまち蒸発するあわれな吸血鬼たち。

お元はイエズスの祈りを奉げる。

内蔵太はぶっ放した。

根気のいる作業だったが・・・やがて・・・船倉に眠る吸血鬼たちも塵となって消失した。

浄化されたフェニックス号のメイン・ポールに「亀山社中旗」が翻る。

「城じゃ・・・亀山社中に浮かぶ鉄の城が出来た」

龍馬は思わず叫んだ。

「戦船土佐号じゃ・・・」と池内蔵太。

「いや・・・ここは戦船紀州号やないと・・・半分はわての血で贖ったようなもんやし」

大量失血でさらに蒼白となった陸奥がニヤリと笑う。

関連するキッドのブログ『第29話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ジョーカー許されざる捜査官』『逃亡弁護士』(フジテレビ)『天使のわけまえ』(NHK総合)『土俵ガール!』(TBSテレビ)

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2010年7月25日 (日)

レズハモテキキテモハズレ(満島ひかり)

いや・・・別に中柴いつか(満島ひかり)はレズビアン設定でもないし、キッドは同性愛者を誹謗中傷するタイプなわけでもない。

なんとなく回文を作っていたら・・・こうなったのである。

それというのも深夜にNHKでトーク番組をやっていて・・・故・赤塚不二夫氏が昔語りをしていたのである。

キッドが昔の漫画で一番に思い出すのは逆さ言葉なのである。

昔、マンガの中で外国語を話すシーンがあると・・・「カノモニナハエマオ?」などとフキダシの中にセリフがあった。

これは「おまえはなにものか?」をさかさまに言っているだけで擬似外国語なわけである。

「逆さに読む」というルールを発見すれば・・・ついでに通訳気分を味わえるお遊びだ。故・手塚治虫氏なんかも常套手段にしていた。

しかし、ここにも障害はあって・・・たとえば回文というのは逆さ言葉の邪魔をする。

「ダレダハエマオ?」は「おまえはだれだ?」の逆さ言葉だが、「誰だ」の部分がバレバレなのである。

キッドはこれを「逆さ言葉」と「回文」の微妙な関係と呼んでいる。

これに「好き」と「キス」の複雑な関係を加えると・・・言葉の順序についての不思議の基本はほぼクリアになるのである。

順番に並べていれば意味のある言葉が・・・変則的な順番で別の意味を生じる。

この暗号的な面白さは・・・趣味になるほどのインパクトを持っている。

しかし・・・そんなことはどうでもいい人にはどうでもいいことでもある。

テレビ東京深夜に住み込んでいるような大根仁の面白さは・・・その手のジャンルに属しているように思われるのです。

昔、一人の満島ひかり似の美少女がいて・・・周囲の男性は誰もが彼女との一夜を想定して下半身を熱くしていると想像できた・・・ただ、キッドはただ一つの事実を知っていたために・・・それが無性に面白くもありせつなくもあったのである。彼女は男の子にはまったく性的興味を持たないタイプだったのである。

今回のタイトルはだから・・・言葉遊びでありながらある程度ノンフィクションなのです。

で、『モテキ・第2回』(テレビ東京100724AM0012~)原作・久保ミツロウ、脚本・演出・大根仁を見た。テレビドラマのスタッフというものはいつでも・・・「自分が面白い」と感じるものを探している。しかし、ある程度玄人なのでその「面白さ」は素人の構成する「世間」とずれるのが普通である。昔、映画監督の神代辰巳がキッドに語った言葉をふたたび引用すれば「自分が面白いこととお客が面白いことが一致することを神に祈るようなときがある」ということだ。チーム・ワークであり、巨大な機構での仕事を要求されるテレビドラマでは「実現の一致点」はさらに複雑になることは想像できるだろう。

そういうハードルの高さを調節することも・・・スタッフの力量に含まれる。

もちろん・・・テレビ局という「会社」の方には素人も混じっていて・・・何回かは騙せる場合もある。

しかし、結果がものを言うので・・・普通は何度も使えないのである。

ただし・・・ゆとり社会の影響で・・・最近は愚行を繰り返すのが割りと簡単らしい。しかし、真のプロフェッショナルが己を縛る規律は意外と厳しいのである。

「許容範囲で・・・自分のやりたいことをやりたい」・・・これが最低限のルールだ。

そこで大根仁は・・・「深夜」しかも「テレビ東京」というハードルの下げまくりを実行しているのではないかと妄想するのだな。

もう・・・ハードルの高さは30センチくらいなので軽々とランニング・ショット/柴田恭平(1986)なのである。・・・まあ、あくまで妄想です。

で・・・そこで・・・コミック原作で叙情的な歌謡ドラマのやりたい放題である。

まして・・・今回のヒロインは満島ひかりだ・・・実に羨ましい仕事ぶりである。

ドラマのジャンルに「歌謡ドラマ」というものがある。まず、「歌謡曲」があって・・・そこに霊感をうけて作られるドラマだ。まあ、つまりあやかるわけである。で、こういう異種格闘技交流戦というような企画はかなり安易に立てられる。

原作コミックの「モテキ」は各話のタイトルが「J-POP」のタイトルになっていて、つまり歌謡漫画である。ドラマの第1回で使用された「格好悪いふられ方/大江千里」は原作漫画の第一話のタイトルでもある。

歌謡曲と漫画の融合はある種のセックスといえる。ない場所にあるものを挿入するわけだ。

歌謡曲には映像がなく、漫画には静寂がある。つまり、幻聴漫画であり、幻影歌謡曲が誕生するのである。

しかし、ドラマには映像はあるし、静寂もあまりない・・・それなのに融合できるところが・・・創作の面白いところなのだな。

ともかく・・・大根仁は・・・あやかりまくるのだ。あやかってあやかって思う存分・・・趣味にひたるのである。

大根仁はドラマ「傷だらけの天使」について今見るとそれほど面白くないなどとものすごいつぶやきを残していた記憶があるのだが・・・逆に言えばそれは愛情表現である。けして愛し返してはくれないものを一方的に思う気持ち。それは今、ひどくありふれた愛のカタチだと言えるだろう。そういうものづくりについてデリケートに考えずにはいられないもののものづくり・・・。その繊細なタッチに心が震える夜があります。

今回のドラマのサブ・タイトルは「深夜高速~上に乗るか 下に寝るか」なのであるが・・・これは大根仁よりももっともっとファンに慕われる岩井俊二監督のドラマ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(フジテレビ1993年)へのオマージュになっている。同時に「深夜高速/フラワーカンパニーズ」にあやかっているのである。

藤本幸世(森山未來)は29才。派遣社員で、将来への展望もなく、今もそれほどエンジョイしていないし恋人もいない青年期の終わりを生きる男である。そんな彼に突然「もててもてて困っちゃう時期」がやってくる。周囲の女の子たちが「好きよ・・・抱いて」と幸世を神輿に乗せて担ぎ上げるような状態なのだ。そんな状態に彼は戸惑い・・・不信感を覚えずにはいられないのだ。なにしろ・・・生れてから一度も「彼女」がいなかったのだ。

前回、職場の元同僚・土井亜紀(野波麻帆)から突然のアプローチを受け、動揺した幸世に今度は年下の女友達・中柴いつか(満島)から連絡が入る。

カメラマンの卵であるいつかは現在22才。

友人の島田(新井浩文)から飲み会の席で紹介された時・・・二人は最悪の出会いを果たす。

「彼女は・・・20才で処女なんだよ・・・27才で童貞のお前とはお似合いだとは思わんか?」

しかし・・・いつかは「無理です・・・ムリムリ生理的にムリ」と幸世を全面否定。

売り言葉に買い言葉で幸世も「20才で処女なんて価値があると思ってんのか・・・そんなものドブに捨てちまえ」といつかを罵るのだった。

そんな最悪の出会いをした二人だったが・・・おタク的な趣味の部分では意気投合。

友達としては「最高」みたいなノリになっていたのだった。

今回も岩井俊二おタクであるいつかの提案でドラマのロケ地めぐりの旅に出発する二人なのだった。

しかし、前夜、矢沢似のロック・アーティストのインタビューを某所で見てしまった幸世は新鮮な感覚につきまとわれていたのである。

「人間には・・・やる奴とやらない奴がいて・・・やる奴はやるんですよ・・・だからオレは言いたいわけ・・・やる奴っていう部類に来ちゃえばいい・・・ただそれだけじゃないかってね」

幸世はいま性行為をやる奴の部類へと眠っていた性欲をたぎらせているのだった。

ドラマの聖地である千葉県飯岡町(現・旭市)にやってきた二人。ドラマの名場面を熱く語りながらはしゃぐいつかに常になく「女」を感じる幸世・・・「ひょっとしたら・・・誘われているのでは・・・」と頭の中は妄想でいっぱいになるのだった。

しかし、ひなびた駅のホームでいつかは意外なことを語り始める・・・。

「私・・・島田さんがずっと好きだったんだ・・・それなのに島田さんの結婚式で写真係を頼まれたりして・・・なんだよって・・・話だよね」

おタクとして現実世界の他人についてほとんど興味のなかった幸世には予想外の告白だったのである。

さらに「ああ・・・誰かと恋がしたいわ・・・」と嘆くいつか。

(それはボクじゃなかったのかよ)と茫然自失となる幸世。

そこに駅員がやってきて・・・「あの終電車・・・終ってますけど・・・」

二人「えーっ・・・まだ昼間なのに・・・」

駅員「ここ・・・早いんです」

二人「そんな~」

駅員「泊まっていっちゃえば~」

そして・・・二人は海辺のホテルに宿泊することになったのであった。

優しいなんてウソだぜいつも

ふざけた事はいっさいごめんだ

いきがって見せるのも面倒な話さ

気まぐれなふりをしておどけているだけ

行くぜ

・・・アクション映画の刑事のように走りながら撃つ時が突然やってきたのだ。

浴衣さえ満足に着られない幸世に年下の女の子は「私のこと女なんて思ってないよね」と言いつつ、浴衣を着付けてくれるのである。

立てひざで幸世の帯を締めるその淫靡なアングルだけで勃起してしまう幸世だった。

そのことに気付かれているのに気付かれていないと考える悲しい幸世に・・・いつかは一時間湯舟に使ってある決意を固めるのである。

そして・・・その時は来た・・・。

潮騒の音に浮かび上がるつげ義春風な幸世の影。

幸世を優しくベッドに迎え入れるいつか。

幸世が生れて初めて味わう甘美なキス。

そこで幸世は・・・これまでに妄想しつくした性行為の所作のすべてを実現しようと奮起するのである。

しかし、その情熱的態度にふと疑問を浮かべるいつか・・・。

「あの・・・童貞なんだよね・・・」

そこで・・・悲しいかな・・・言わなくていいことをいう幸世だった。

「あの・・・厳密に言うと・・・恋人はいないけど・・・経験はあります」

すると・・・突然、激怒するいつか。

「えーっ・・・私、あなたが童貞だと思って、一生懸命リードしようとしてたのに、なにそれーっ・・・童貞くらい死に物狂いで守らんかい」・・・なのである。

そして・・・いつかは「帰る」と言い出すのである。

そして深夜バスに揺られる二人だった。

「私もさ・・・ドブに捨てたんだ・・・処女・・・」

吐き捨てるいつかに返す言葉を見つけられない幸世だった。

すぐ・・・そこにあるチャンスをつかめない。無駄に年齢を重ねるというのはそういうことなんだな。

そして・・・東京へ向かう深夜バスは無駄に哀愁漂うものなのである。

青春ごっこを今も 続けながら旅の途中

ヘッドライトの光は 手前しか照らさない

生きててよかった

生きててよかった

生きててよかった

そんな夜を探している

こ・・・これは傑作。

関連するキッドのブログ『月の恋人

               『怨み屋本舗

                『アキハバラ @ DEEP

                                    『ライオン丸G

                 『週刊真木よう子

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2010年7月24日 (土)

君と一緒に食べたかったそうめん(長瀬智也)薬味は生姜にして変態(樋口可南子)

くんずほぐれつである。

上になったり下になったりである。

一夜にして、樋口可南子と中島美嘉を組み敷くのである。

UはうぬぼれのU・・・しかし、キッドにとってはうらやましいのUだな~。

まあ・・・20才でデビューして30年選手の樋口可南子嬢とか天才的歌姫の中島美嘉嬢がある種の男にとってどれだけセクシーなのか・・・はかりしれないことがピンとこない人は多いかもしれない。

しかし・・・二人にのしかかり・・・見上げられることを想像するだけで下半身に電撃の走る男はきっと多いのである。

もちろん、キッドは今夜、連続感電状態だったのな。

とにかく、樋口可南子の老けなさも異常だよ・・・。

で、『うぬぼれ刑事・野心派(第3回)』(TBSテレビ100723PM10~)脚本・宮藤官九郎、演出・吉田健を見た。クドカンの脚本・演出が終わり、いわば通常営業である。そのためにかなり普通のドラマになっていました。しかし・・・その分、めざまし時計に重ねられた一瞬の駆け抜けるセクシー加減は・・・結構、いい味になっていたようです。とにかく、樋口可南子のM字開脚と・・・押し倒されて濡れた瞳の中島美嘉・・・このサービスは素晴らしすぎる。

先週は「ハウル」に木端微塵にされた癒し系、今週は糸井重里の「トトロ」と夫婦対決。ファミリー系は完全に捨てたいじましさがありますな。

ショート・カット、未亡人、元女子アナ・・・卍でベッドタイムアイズでときめきに死すヘアヌードの女王(樋口可南子)がうぬぼれ刑事(長瀬智也)のハートを直撃である。

しかし・・・うぬぼれ4は皆、彼女・・・青木たまえにひどい目にあっているのだった。

カメラマン穴井(矢作兼)は青木プロデュースのワインの宣伝をゴリ押しされ、パティシエ松岡(要潤)はスイーツをワインの肴にされ、プロフェッサー栗橋(坂東三津五郎)は生放送の討論番組で「エロ呼ばわり」されて号泣。ホームレス本城(生田斗真)は初出演のドラマの見せ場を補欠選挙に立候補したたまえの臨時ニュースで潰されるのだった。

男たちを絶対に立てない女・・・それが今回のヒロインなのである。

しかし、うぬぼれ刑事だけは立ててもらえなくても大丈夫。むしろ立つのである。

都心への通勤にはいささか遠い所沢に住むうぬぼれ刑事。

その住まいには苦い思い出があるばかりである。婚約者である里恵(中島)との新居だった住居で引越し当日、里恵はそうめんの薬味を買いに行ったまま・・・失踪したのだった。

女に逃げられてもマンションのローンは残る。

その悲惨さは・・・体験したものでないとわからない。ましてや・・・購入直後にバブルがはじけたりするとコンビニで売っているロープさえ凶器になりかねないのだ。

だが、強靭な精神力を持つうぬぼれにはその心配は無用だ・・・ただし、苦い思い出に決別するために・・・引越しはしたいのである。

そこに飛び込んでくる美しい未亡人の声。

たちまち・・・恋に落ちるうぬぼれだったが・・・声の主にはたちまち夫殺害の疑いが浮上するのである。

「もう・・・自分は・・・容疑者しか愛せないのでは・・・」と三回目なのでさすがになんらかの呪縛を疑ううぬぼれだった。

だからといって愛さずにはいられない主人公なのである。

「自分は悲しいかな・・・埼玉県民なので東京選出のあなたに投票することはできない・・・しかし、愛のボランティアをさせていただきたい・・・」

うぬぼれ刑事の申し出に・・・後暗いらしいたまえは迷惑を感じるのだった。

死んだたまえの夫は議員だったたまえの父親の秘書の一人。全く野心のない男だった。

そこに浮上した献金疑惑・・・しかし・・・それはたまえの父親の代から続く不正献金だったのである。

青木一族の会議の結果、青木を自殺させることで決着することになるが・・・青木は命を惜しんだのだった。

そこで・・・たまえは夫を毒殺したのである。

選挙の開票当日・・・例によって・・・逮捕とプロポーズを選択させる・・・うぬぼれ。

男ならプロボーズ一本にしぼりたいところだが・・・それではお約束にならないのである。

実は・・・夫を殺した後で・・・夫を愛していたことを悟っていたたまえ。

罪をつぐなうために・・・結婚成就だるまではなくてピーポくんを選択するのだった。

一件落着後・・・失恋を根こそぎ拾うために現場に戻るうぬぼれ刑事。

「あなた・・・起きて朝よ・・・」

優しく夫を起こす妻としてのたまえの声にうぬぼれは傷心しながら・・・人のぬくもりを感じる。

自らを愛するものは常に希望を失わないのである。

さあ・・・来週は戸田恵梨香登場である。犯人と死体の二役って・・・やりたい放題だな。

しかもジブリ・シリーズはないのである。遠慮か・・・日本テレビ遠慮なのか。

顔→手→声と来て・・・次は「何」に惚れるのか・・・楽しみです。

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日曜日に見る予定のテレビ『龍馬伝』(NHK総合)『多部未華子のGM・踊れドクター』(TBSテレビ)

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2010年7月23日 (金)

誰かの味方になるっていうことは誰かの敵になるっていうそんなあ(長澤まさみ)

人間関係について・・・キッドは色川武大、あるいは阿佐田哲也氏の示唆に感心することがあった。

一つは小説「怪しい来客簿」の中の一説、「戦後まもなくは幽霊にリアリティー」があったと言う云々。

もう一つはギャンブル小説に見受けられる・・・「人間関係には上下関係と敵対関係しかない」という指摘である。

前者については「神を信じるキッド」と「神を信じないキッド」の対立点としてこれまでに何度か論じているが、今回は後者の「敵か味方か・・・味方ならば上か下か」という人間関係について触れたいと思う。

つまり、人間関係には友好関係というものはないという話である。

この論点に立脚すれば「対等な立場の同盟関係」などというものが出発点ですでに幻想であることがわかる。

絶対的な武力である「核兵器」を所有している国家とそれを所有するどころか、存在することすら否定しようとする国家が軍事的に対等な同盟を締結できるかどうか・・・誰が考えても明らかではないか・・・という疑念さえ持たない人々は問題外なのでご遠慮ください。

で、『GOLD・第3回』(フジテレビ100722PM10~)脚本・野島伸司、演出・加藤裕将を見た。優秀な経営者である早乙女悠里(天海祐希)は四人の子供たちの母親としてカリスマ教育者としても知られていた。その決め言葉は「あなたのお子さんは・・・ビューティフル・チャイルド(優美な子供)ですか?・・・それともプア・チャイルド(貧相な子供)ですか?」という挑発的なものである。その教育理論は基本的には競争原理を優先し、悪しき平等思想の根絶を訴えるように見える。しかし、五輪での金メダル獲得を目指す三人の子供たちはそれぞれに悩みを抱え、また末の子供は病弱というハンディ・キャップを抱えており、順風満帆に見える家庭にも危機の兆しはある。

別れた恋人に妊娠による強迫を受けた長男、別居中の父親の元へと離脱した次男に続き、母親と男(反町隆史)を争ったあげくに敗北して傷心した長女・晶(武井咲)はいかにも野心を隠し持つカメラマン宇津木(綾野剛)の毒牙にかかっていた。

しかし、パーフェクトな母親・悠里は襲い掛かる危機に敢然と立ち向かうのである。

この場合、悠里は母親として娘の晶の味方であることは明白である。

しかし、それは対等な関係ではないことも明白だ。

母親には未成年の娘を保護する責任があり、未成年者には基本的に責任はないのである。

このように味方には上下関係が生じるのである。

阿佐田哲也のギャンブル小説にもコンビやチームを組む男たちが登場する。そして彼らは相棒あるいは仲間にこう聞くのがセオリーなのである。

「オレの命令に従うか・・・それともオレに食われるか・・・二つに一つだ」ということだ。

この場合、身分が低いもの・・・すなわち、実力不足のものは・・・なんとか対等になろうとあがくのもセオリーであり、また、結局は自分が実力で相手を上回り、上下関係を逆転するしか道がないことを悟っていくのもお決まりのコースなのである。

そして、その道に一歩踏み出せばそれはもはや・・・敵対関係なのである。

在日朝鮮人としての宿命を背負った劇作家はペン・ネームに弱者(少数者)としての願いをこめたという。つまり、「いつか、日本人や韓国人あるいは北朝鮮人と公平な立場にたてたらいいなあ・・・」ということだ。それが(い)つかこうへいなのである。

全世界を敵に回して敗北した国家の少国民だった阿佐田哲也もまた日本人がいつか・・・世界に対して対等な立場になることを夢見ていたに違いない。

だからこそ・・・この世には対等な味方などいないという出発点に立つのである。

彼の生み出したもっとも有名なキャラクターであるドサ健は寺の坊主とギャンブル勝負を行い、墓場の権利を奪い、墓石をなぎ倒して言う。

「おれの母親はな・・・空襲で焼かれて・・・骨の一つも残っていやしない・・・暢気に墓におさまっている奴らを見ると・・・不公平さに我慢がならねえ」

こういう哲学が・・・悠里の論理の根底にあるはずなのだ。悠里もまた・・・屈辱的な敗北から・・・焦土と化した心の荒野から立ち上がってきた女に違いない。少なくともキッドはそう思います。

しかし、女王様に対しての召使であり、悠里を師と仰ぐリカ(長澤まさみ)は若さゆえの向こう見ずさで悠里に立ち向かう。

「でも・・・男と女にだって友情はあると思います」

「どこにそんな証拠があるのよ」

「私が片思いで苦しい時に親身になって愚痴を聞いてくれた男友達がいました」

「バカね・・・それはあんたが鈍感で彼の片思いに気がつかなかっただけじゃない・・・彼は振り向いてくれないあなたのために何度も悔し涙で枕を濡らしたのよ・・・」

「え・・・私ったら・・・そんなひどいことを・・・」

「それに要するに彼はあなたが完全に失恋したら心の弱みにつけこんでものにしてやろうという下心があったわけでしょ・・・」

「え・・・あいつめ・・・そんなよこしまなことを・・・」

「わかったでしょ・・・男と女どころか・・・この世には友情そのものが存在しないのよ・・・」

「そんなあ」

「わかったら・・・友達のリストから彼を消去しなさい・・・」

「できません・・・」

「なぜ・・・」

「もう・・・消去してました・・・」

「あなたって・・・侮れないわ・・・」

この二人、相性抜群だな。

前回までどこか・・・薄っぺらなキャラクター設定だったトレーナーの蓮見(反町隆史)だったが・・・実はというか、野島ドラマではお決まりの絶対的闇の生じる過去を持っていた。蓮見は孤児で施設育ちだったのである。

悠里の父親に援助され、早乙女兄妹と兄弟同然で育った蓮見は早乙女家から受けた恩義のために・・・孤児特有のハングリー精神を失っていたのである。

悠里はそんな蓮見のために愛のムチをふるうのだった。

「ガツガツしなさいよ・・・あなたはスネをかじる親を持たない野良犬なんだから・・・」

悠里を思うあまり・・・自分を見失っていた蓮見は我に帰る。

そして・・・自分と同じ境遇の子供たちを前に叱咤激励のスピーチをするのだった。

「他人により少しでも優れているところを自分の中に発見しろ・・・そして・・・それを武器としろ・・・その武器だけは死ぬ気で磨きに磨くんだ・・・そして最後まで弱気になるな・・・相手が恩人だって気を抜くな・・・いつだってやらなきゃやられるという覚悟で生きるのだ・・・そうでなくちゃ・・・殺されちゃうからな」

悠里はここで「コウノトリの選択のお伽話」をする。

「今、いい親が少なくなって・・・コウノトリたちは子供を運ぶ場所に困っている・・・しかし、安心して・・・あなたたちは・・・子供を捨てるような親の元へと運ばれた・・・でも・・・それはコウノトリたちがあなたたちの強さを信じてそうしたってこと・・・あなたたちは強い・・・そう信じることが大切よ」

目を輝かせる孤児たち。彼らはどんな気休めの言葉でもすがりつきたいのだった。

しかし・・・悠里という素晴らしい実の母親に恵まれた病弱な少年・朋(大江駿輔)だけは複雑な表情を浮かべるのである。

それぞれに違う立場の人間の誰かに味方をすれば必ず敵が生み出されるという一例である。

競技の指導者としては優秀だが・・・人間の指導者としては未熟の蓮見の失策により、母親との敵対関係を生じた晶は・・・ドラマ「Mother」で幼児虐待の変態性欲者を演じた綾野剛演じるいかにも裏がありそうなカメラマン宇津木に心を許してしまう。

母親として胸騒ぎを感じた悠里は宇津木を排除しようとするが・・・一歩遅れをとる。

母親と敵対したために・・・宇津木の味方となった晶。

宇津木との性的関係を暗示しつつ母親を挑発する娘。

はたして・・・悠里は子供ゆえに未成熟なわが子の対処にどのような手段を講じるのか・・・。虜囚となったわが子を取り戻そうとする母親の支配欲が見物なのである。

それは来週のお楽しみである。

人間関係とは基本的に敵対関係であり、味方には必ず上下関係が生じる。

この論理を学ぶには最良のドラマです。

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土曜日に見る予定のテレビ『志田未来のハンマー・セッション!』(TBSテレビ)『吉高由里子の美丘・君がいた日々』(日本テレビ)『臼田あさみの鉄の骨』(NHK総合)

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2010年7月22日 (木)

好きな人と好きな食べ物を天秤にかけるホタルノヒカリ(綾瀬はるか)

モナ王を食べ・・・凍結した美味しいお茶で涼んでも一瞬である。

東京の週間最高気温予報。35度、36度、35度・・・って殺す気かっ。

いつから夏が苦手になったのだろう・・・おそらく気温30度を超えると汗疹ができるようになってからだな。

昔は暑いのはひたすら好きだったのに・・・。

秋風が吹くだけで涙がこぼれちゃうキッドだったのに・・・。

今や、一日千秋の思いで秋を待つのである。

ああ、タイムマシンがあったら半年前の時間の窓というものを設置したいのだな。

タイム・ウインドウだ・・・それだけでものすごい省エネじゃないか・・・妄想も力尽きているな。

だから、「時間窓」があれば「蛍の光/窓の雪」の切り替えで夏は冷房、冬は暖房である・・・もう、そのドラえもん的な話はいいじゃないか・・・。

さて・・・ホタルリヒカリである。蛍の光と窓の雪はセットなのだな。

で、伝統がそれほどない教育現場では「卒業式」の定番として卒業生が「あおげばとおとし」、在校生が「ホタルノヒカリ」を歌うという流れもあったりなかったりするのだが・・・一応、「仰げば尊し」と「蛍の光」もセットなわけである。

伝統というものは結局、受け継いではじめて生じるものである。続けるのをやめたがる人というのはいつでもいるものだが・・・そういう人は伝統の意味や価値を認めないバカというのも定番なのである。

もちろん、そういうバカがいつでもいるというのはある意味伝統です。

さて、とにかく、ここでは・・・卒業生=仰げば尊し、在校生=蛍の光という前提で話を進めたい。

つまり、「ホタルノヒカリ」は在校生の物語なのである。そこにキッドはこの物語の哀愁を見出す。いつか・・・独身時代から卒業する時・・・アホ宮とぶちょおは歌う歌が違うのではないか・・・違っていたら悲しいなあということなのだ。

年功序列で言えば、仰げば尊しは部長が歌う。そして蛍は蛍の光で見送るという可能性がある。

また・・・逆に・・・蛍が師としての部長に仰げば尊しを歌う可能性もある。

つまり・・・ホタルノヒカリはどこか・・・そういう悲しい別れを暗示したタイトルなのだと思う。

それが・・・この他愛もないドタバタを繰り広げるカップルがどこかせつない感じをかもし出す要因なのではないかと感じるのである。

もちろん・・・卒業するのは「独身時代」なのである。できれば・・・この年の差カップルが同じ年度の卒業証書を手にしてもらいたい・・・とお茶の間の多くは祈るような思いで見守っているのではないか・・・。

結局、男と女が結婚することはもっともオーソドックスな幸福へ通じる道だからだ。

老若男女・・・立場を越えてどんなに蒸し暑い夜もそこだけは少し涼しげなあの縁側に郷愁を感じつつ・・・。

で、『ホタルノヒカリ2・第3回』(日本テレビ100721PM10~)原作・ひうらさとる、脚本・水橋文美江、演出・南雲聖一を見た。恐ろしいことに我儘と我慢なんとなく似ている。・・・いや、真逆だろうという人もいるだろうが・・・我を尽くすことと、我を抑えることは究極的には同じことではないかとキッドは思うのである。つまり、結婚には我慢が必要だということは、結婚とは所詮、我儘なのだということなのだな・・・。たとえば我慢するのがどちらか一方であり、そのためにもう一方は我儘を通すということもありえなくはないが・・・そんなことじゃ破綻するのが・・・男女雇用機会均等法の世界なのではないか。

で、年の差カップルも「愛があれば年の差なんて」と言うけれど、実際は「金があれば年の差なんて」が実体である以上・・・成立しにくくなっているという考え方もある。

もちろん、アホ宮こと蛍(綾瀬)とおたかさんこと高野部長(藤木直人)の相性の良さはものすごい例外であるということは間違いない。

蛍は干物だし、高野部長は枯れ木なのである。その渇いた感じがいい感じなのだ。

いや・・・違うだろう・・・と言う人は多いかもしれないが・・・キッドはそう妄想します。

だから・・・ある程度、強力なライバルが現れても・・・最後には乾燥度の高さで二人の領域には入り込めないというのが・・・このカップルの強みであり、将来の希望なのである。

たとえば・・・ものすごく濡れた感じで・・・部長を攻める小夏(木村多江)千夏(石井萌々果)も本来ならば「夏恋虹色母娘」のようにヒロイン・ポジションも辞さない母娘なのだが、所詮、潤っているので無理なのである。

「私は元カノとして今カノに気を使ってるのよ」おしとやか作戦も「パパって呼べばイチコロでしょ」ロリータ撒餌作戦も・・・小賢しいと一笑にふされるのである。

一方、年相応だし、「君の魅力に気がつくのはオレぐらいなんじゃないの」的思いあがった契約社員・瀬乃(向井理)のさりげないアタックもきっと通じないだろうと思われる。

だが・・・そんな渇ききった状態で・・・新婚初夜を迎えていいものなのか・・・という疑念もうっすらと残るわけである。

ま・・・このドラマの味わいの絶妙さは・・・そういうゴーヤのような苦味にあるのですな。

さて・・・「トライアングル」(2009)では構築する仕掛けがすべて微妙だった脚本家が・・・こちらでは絶妙に仕掛けを構築するわけで・・・やはり、作品にも相性があるというのがすごく明瞭になるわけだ。

今回はその仕掛けを見てみよう。それは一つの謎によって構築される。

突然、蕁麻疹を発症する蛍・・・果たして、その病因は・・・?

第一のヒント・・・「蕁麻疹の原因は・・・ストレス」

そこで「心因性のストレス」が予想される。もちろん・・・これはミス・リードである。

ここで、提示される事実は・・・前日、蛍は部長に沖縄料理の店に誘われる。しかし、そこには何故か小夏が同席している。

そこでお茶の間は誰もが蛍が「小夏の存在」にストレスを感じると思うのである。

しかし、第二のヒント・・・「蛍は何かを我慢している」

ここで・・・部長とその愉快な仲間である山田姐さん(板谷由夏)とペアルック好きの二ツ木(安田顕)が出した結論は「相思相愛のカップルが同じ屋根の下で暮らしていて肉体関係を持たないのは不健全」ということだった。

つまり・・・蛍はキスがしたいのに我慢している→欲求不満→蕁麻疹発症と言う図式だ。

もちろん・・・お茶の間的にはそれは遠因で・・・「元カノと悪びれず堂々と食事をしたりする」部長の無神経さが原因という疑いは捨てきれない。

ところが、第三のヒントとして提示されるのが・・・「蛍はゴーヤが大好物なのに部長が嫌いなので嫌いなフリをしていた」なのである。

そして、蛍自身が・・・「ゴーヤを食べたいのに我慢していたから蕁麻疹になった・・・」と断定するのだった。

もちろん・・・お茶の間は「いや・・・蛍はそう思っていても乙女心としては絶対に小夏・千夏のお邪魔虫が遠因だろう」という疑いを捨てきれない。

それは・・・瀬乃に思いを寄せる桜木(臼田あさ美)が嫉妬するほどにストレスを発散しているように見えるペアでゴーヤ克服ボーリング大会の蛍の態度や・・・またしても小夏・千夏母娘と平気で外食する部長・・・しかも過去にはあらゆる体位を験していた経験があり、今でも充分抱ける女相手なのである・・・に対する蛍の態度で明らかになったように見える。

いくら、枯れているとはいえ・・・ぶちょおの態度は乙女心に対してあんまりだと言えるからだ。

しかし・・・部長は「部長がゴーヤ嫌いだから・・・ストレスがたまる」という蛍のために「好き嫌い克服」にチャレンジするのである。・・・部長は時には小学生です。

その結論は「ゴーヤ・カレー」ならなんとか・・・であった。だから小学生なのかっ。

ともかく・・・問題はゴーヤではなくて・・・部長の蛍に対する「思いやり」なのだから・・・これはこれでめでたし・・・とお茶の間も納得しかけたところに・・・。

オチである。

最終的な結論。「蕁麻疹の原因は窓開けっ放しで寝ていた蛍の寝床に入り込んだ猫のダニでした」なのである。

だから・・・枯れ木部長はもちろん・・・干物女をなめてはいかんと・・・今さらながらに思い知るお茶の間一同なのである。

まあ・・・このカップルはきっと安泰だ・・・恋仇たちが入り込む湿度にかけているもの・・・ただし二人の新婚初夜が無事にすむかどうかは別として。

関連するキッドのブログ『第2話のレビュー

Hcinhawaii0655 ごっこガーデン。ゴーヤ・カーニバルな縁側セット。まこいよいよ、間接キッスの二人~、ビールとビールの口移しでブホッでごじゃいましゅ~。咄家さんの言葉を真にうけて落語的展開に突入デス。菊久扇だけにゴーヤ・ラーメン落ちかと思ったのに~。証拠隠滅のためにゴーヤ炒めをむさぼり食べる蛍万歳でしゅ~。まこもつまみ食いは完食すればつまみ食いではないという信念がありましゅ~。愛しい人の似顔絵入りTシャツでペアルックなんてどこまでバカップルなんでしゅか~。じいや、まこ用に竹野内様&フジッキーTシャツ発注お願いしましゅ~、お二人にはこっそりまこT送っておいて~・・・あ、でもはちあわせしたらヤバイでしゅかね~・・・ムフフ・・・まこをめぐってバトル勃発でしゅか~むひょひょ~」じいや「お、お嬢様何か悪いものでも・・・お気楽大人でも好き嫌いはあるもんね。でも食べ物を粗末にしちゃダメだよね。だけどドラマはゴミ箱に捨ててもこのゴーヤはスタッフが美味しく頂きましたってテロップださなくてもいいんだよねmariさて早くも蛍と部長の同棲発覚ですね~。ネコダニ対策は大変ですよね~。でも人とネコの健康には気を使ってくださいね~ikasama4「帰宅後・・・一人だと夕飯がお煎餅一枚・・・アホ宮全開ですなーっ。まあ・・・誰かのために美味しいごはんを作ることが幸せだと思えたら幸せなんでしょうが・・・こればかりは家事との相性がありますからねえ・・・まあ・・・もしそういう幸運な相手とめぐり合えたら感謝の気持ちを忘れないことですねえくうふふふ・・・好き嫌いは生きている証ですものね~・・・でもおいしいゴーヤ・チャンプルが作れたらクセになるかもですから~。おためしあれ~。我慢しあってばかりってのもなんだけど・・・歩み寄るのは大切なのよね~みのむしゴーヤか・・・夏休みは沖縄にでも行きたいかな~。どうせ暑いなら思い切り暑くてもいいしるるるエリむふふ・・・ゴーヤは健康にいいのよね・・・けして酒の肴にいいからっていうわけじゃなく~・・・むふふ

金曜日に見る予定のテレビ『崖っぷちのエリー』(テレビ朝日)『うぬぼれ刑事』(TBSテレビ)「モテキ」「宇宙犬作戦」「大魔神カノン」(テレビ東京)

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2010年7月21日 (水)

ゆれて魔性のリズム(多部未華子)逆ストーカーの女(相武紗季)叱られて泣く娘(観月ありさ)

おいおい・・・なタイトルになってしまいました。

日曜日のドラマまで食い込んできてるしな・・・来週は「モテキ」も来る予感だな・・・。

他にも「うかつにも野球好きな鑑識」(錦戸亮)や「うかつにも手錠を落とす刑事」(杏)や「うかつにも足がつる・・・」・・・もういいか・・・もタイトル候補でした。

さて・・・「ゲゲゲの女房」の原作者の夫・水木しげる氏には「不思議な手帖」という短編漫画がある。主人公は名も知らぬほこらの傍らで「手帖」を拾う。そこに書かれた名前は「死人の名前」・・・「死人手帖?・・・いや・・・自分が殺したい人の名を書くとその人は死ぬ・・・ならば殺人手帖か?」と手帖の正体が明らかになっていくのだ。まあ、お若い方ならすぐに「デス・ノート」が思い浮かぶと思うが・・・発表順はもちろん「不思議な手帖」→「デス・ノート」である。

まあ・・・人類百万年の歴史を考えれば新しいアイディアなんて・・・もうないと考えられるのである。

だから・・・ドラマが海外ドラマと似ているからと言ってどうってことはない、「ジョーカー」と「デクスター」、「GM~踊れドクター」と「ドクターハウス」はあまりにお手軽だ・・・というだけです。「逃亡者」と「逃亡弁護士」がひねっているかと言われれば・・・まあ・・・微妙ですが・・・大人は換骨奪胎と言う言葉を生み出した中国三千年の歴史に敬服して・・・楽しめばいいと思うのですな。

もちろん・・・この世には著作権というフィクションがあり、それを無視してはアウトローになってしまう。

けれど・・・権利者が過剰に権利を主張するとどこか異常なものを感じさせたりしますしね。

たとえば・・・米国のとあるプロダクションは・・・とあるキャラクターの著作権を維持するために・・・著作権法を延々と改正する運動を展開しています。つまり、著作権の期限がきれそうになると、著作権の期限を延長する法改正を要求するわけです。そして議会はいろいろなごにょごにょがあって改正法案を提出する・・・。

それを生み出した本人がとっくに自然に帰っているのに・・・権利だけは自然に帰らない。

アイディアに金を払わないという風潮も困りますが、アィディアを生み出したわけでもないものが延々と権利を受け継ぐ・・・ここにも奇妙な「感じ」は生じますな。そしてこういう奇妙な感じもまた・・・一つのアイディアに過ぎないのですな。

まあ、キッドがここに書き記している言葉も結構スレスレのものがありますが、ある意味、「さわらぬ神にたたりなし」という言葉を掲げておきたいのですな。権利を主張してもいいが・・・もし、キッドが本物のデスノートの所有者だったら・・・どうでしょうねえ・・・ということですよ。

で、『GM~踊れドクター・第1回』(TBSテレビ100718PM9~)脚本・林宏司、演出・武藤淳を見た。下手の横好きというものがある。まあ、多くの場合は傍迷惑なものだ。代表としては大人しくいじめっ子をしていればいいのに音痴のくせにのど自慢というものがある。まあ、元ネタは落語の「寝床」あるいは「素人義太夫」である。しかし、それが人間というものだ・・・と言われるとそんな気もする。つまり、ないものねだりである。天才的なドクターなのに目標はダンサー・・・「そんな・・・才能の無駄遣いは許されない」と目を三角にするのが研修医・小向桃子(多部未華子)である。彼女もまた、「不毛地帯」のリハビリ組だが、出番少な目だったのでほとんど影響はない。とにかく、「父親(唐沢寿明)に嫁入り前にオンブしてもらう娘」という「不毛地帯」唯一の名場面の立役者だしな。

そして・・・ダンサーを目指すドクターは後藤英雄(東山紀之)である。

とにかく、踊って踊って踊りまくります。

今週は昔、キッドがお世話になった方が亡くなって・・・なんとなく、意気消沈なのだが、まだ若い頃、地獄のオカマバーで週末になると一回は踊りながら歌っていた「仮面舞踏会」ネタがあり・・・一気に「マイ・ファイヤー」な気持ちになりました。一期は夢よただ狂えという狂想に駆り立てるナンバーだからな。

なにしろ・・・

むきに眉をひそめてもこころうらはら

こんなにも感じているじゃないか

なのである。あの踊り狂っていた仲間たちも今は何処だ・・・もうどんなに不義理をしても許してもらうしかない年頃なのだな。

さて、奥目だの、奥二重だの、日本人形だの、顔面殴打だの、市松人形だの、夜になると髪の毛が伸びるなどともてはやされた桃子は・・・日本の総合診療の改革を目指して「ドクターハウスごっこ」&「アミーとゴーでダンシング」を繰り広げるのだった・・・意味不明だぞ。

「コード・ブルー」チームからは総合診療科部長(椎名桔平)が参戦。

ダメな男からの脱皮を目指して好感度をあげる作戦に打って出ています。

まあ・・・要するに・・・「全体」と「部分」の問題である。

部分的に突出しても・・・全体の中からそれを抽出できる機能がないと・・・機能不全に陥るのは大問題ですからね。

しかし・・・まあ・・・そうやって・・・滞っていくのもまた人類というものなんですけど。

対人恐怖症の病理医(吉沢悠)も・・・お前かっ・・・的透明人間化しており・・・そこがまた妙に面白い。

そして・・神経内科部長(岩松了)と院長(大和田伸也)のそろい踏みは蒸気機関車の二十連D51-D51を連想しました・・・もうたとえが・・・鉄道むすめじゃないかっ。

まあ・・・とにかく・・・話は毎回はてしなく同じだと思いますが・・・個性あふれるメンバーを見ているだけで楽しい作品なのではないかとーっ。

関連するキッドのブログ『コード・ブルー

で、今週の「逃亡弁護士」は警官二人に追跡されるも無事逃走。きっと奥歯に加速装置のスイッチがあるサイボーグ戦士なんだと思う。相武紗季はキャバクラ嬢でリストカッターでストーカー被害者でストーカーというもう不幸の総合商社みたいなものすごい役を淡々と熱演。もうなんでもありだな。後はそれなりの芸術的映画監督がいつ脱がすか・・・か。

で、今週の「ジョーカー」は保険金殺人犯を抹殺した主人公(堺雅人)を盗聴・盗撮キングが確保します。錦戸亮は今回はチャラチャラしながら、杏を引き立てる模様。ある程度、主人公も引き立てなければならず多忙です。しかし、きっと彼は成し遂げる。なぜなら彼はスターの人気引き上げ請負人なのだからーっ。

で、今週の「天使のわけまえ」は大滝秀治劇場。もう半世紀以上、おじいちゃんを演じている気がします。不死身か・・・。

大滝「お前は・・・結婚の約束を反故にして、お前の貯金を持ち逃げして、前の奥さんとの子供を置き去りにした・・・そのろくでもない男が・・・いつか戻ってくると本当に思っているのかっ」

観月「・・・だって・・・だって・・・うぇぇぇぇん」

観月ありさを泣かせることができるのは・・・この人くらいしかいないんじゃないかと思える名場面でした。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『科捜研の女』『警視庁継続捜査班』(テレビ朝日)『怪談新耳袋』(TBSテレビ)『日本人の知らない日本語』(日本テレビ)『長澤まさみのGOLD』『もやしもん』(フジテレビ)

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2010年7月20日 (火)

親の七光りにはもれなく親バカがついてきます(松本潤)親の心子知らずです(竹内結子)

バカな子ほどかわいいというが・・・溺愛された子供は・・・いい子に育つと同時にどうしてもスポイルされる。

しかし、温室育ちには温室育ちの魅力というものがある。

今回の・・・主人公はかなりダメな奴に育ってしまったわけだが、同時に実にいい子でもあるのだ。

どんな商売でもそうだが、三代続いて漸く世襲の意味が生じてくる。

二代目はまだ・・・成り上がり者の子息にすぎないわけである。

芸能界にはもっと恐ろしい七光りの世界がある。たとえば・・・歌舞伎の世界とか・・・たとえば落語の世界とか。

磨けば光る才能を親の威光が翳ませている・・・それを発掘して研磨する役割のヒロイン。

しかし・・・二人が相思相愛のタイトルバックにたどり着く道筋が全く見えない第1回だったと言える。

一歩間違えれば、「ハタチの恋人」とか「冗談じゃない」とかの逆の轍を踏む可能性もある。まあ、竹内結子(実年齢30才)と松本潤(実年齢26才)は4才違いの女性年上のカップルなのだが・・・なんとなく、8年前には大人だった「ランチの女王」(2002年)とついこの間まで「花より男子」で高校生のペアはものすごく年齢差があるような気もするのである。

二人の運命の出会いもかなりやりすぎで・・・いろいろとお客を逃がす要素をつめこんできた感じがする。

どうしてどうしてそういう球を投げるのか・・・まあ・・・それが「手」なんだからしょうがないよな。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「ハウルの動く城」19.0%(うわぁ・・・)、「崖っぷちのエリー」↘*7.1%(ひでぶっ)、「うぬぼれ刑事」↘*7.9%(勘弁してくぅ~ださい)、「ハンマーセッション」↘*7.2%(倫理的に崩壊してるからな)、「美丘」↘*8.8%(だから竹取物語は両親役が重要だって何度言ったら)、「踊れドクター」13.3%(ファイヤー!)、「龍馬伝」↘15.8%(ふふふ・・・これが幕末ものの正しい視聴率)・・・ついでに「夏の恋は虹色に輝く」15.8%・・・以上。

で、『に輝く・第1回』(フジテレビ100719PM9~)脚本・大森美香、演出・澤田鎌作を見た。再び、「不毛地帯」の演出家のリハビリテーションである。あの重厚さの呪いを脱するのはなかなかに難しいのだな。今回も・・・ちょっと加減が微妙な部分があった。たとえば・・・スカイダイビングで着地に失敗した主人公をヒロインが助けるシーン。地面までの距離がかなり高いのである。もちろん、ドラマとしてのデフォルメとしては妥当な距離でコメディーとして無造作にあの距離を落下させる登場人物は悪魔的で「ケケケ」という面白さはある。しかし・・・そんな「笑い」をとる必要があるシーンだろうか。下手をすれば骨折する高さから主人公を突き落としたヒロインはその乾いた笑いを獲得したことで何か大切なものを失った気がするのである。

そういう微妙な高さだった。

このドラマにおける主人公はどちらかと言えば、ダメでイヤなキャラクターとして登場する。だから少し荒療治が必要だ・・・という計算も可能だが・・・ここはできればもう少し地面までの距離を押さえて・・・そんなに「危険」ではないのに・・・必要以上に怯える主人公の「ダメぶり」を押すこともできたはずなのである。

宙ぶらりんの主人公を突き落とすヒロインはあくまで「常識の範囲」で命綱を切り、主人公は過剰な自己防衛反応で嘲笑される・・・そういう構図にした方がもっとこのドラマの骨格を暗示できたように思える。

まあ・・・それは実は間違いで・・・まともに見えるヒロインがものすごく破天荒で・・・この後、主人公を緊縛したり、都庁に爆弾を仕掛けたり、オリンピックで金メダルを目指すというとんでもない展開の伏線だとしたら不明を恥じたいと考える。

とにかく・・・主人公の吊るされる位置は後、1メートル低くしておけばよかったというこです。

まあ・・・「不毛地帯」で狂ってしまった常識の範囲はなかなかに戻らないとは思いますが。

ついでに言うと・・・スカイダイビングの遭難のシーンは渾身のシークエンスである。事故死の可能性まで考えると体を張った主人公の名演技はかなり評価されるべきだろう。しかし、ちょっととぼけたアフレコを加えることでかなり安っぽくなり、スタッフが思ったほどにはスペクタクルの効果がなかったと断言できるのである。

さらに遡れば、父親の名誉ある受賞のシーンで主人公の屈折を顕すシーンがある。

万来の拍手の中・・・素直に拍手できない主人公なのだが・・・そこはわかり易すぎて・・・鼻白むものがある。拍手はするが・・・目が冷たい・・・そういう演技を求めるべきだった。

この時点で「大根役者」と「それなりに魅力的な素」というものをもう少し複雑で曖昧なものにしておいた方が・・・「ああ、この子は今ダメな子になってしまっている」というこの回の謎解きが段階的に興味を繋ぐはずである。

主人公一家とヒロインの過去の接点をそれとなく伏せているのだから・・・主人公の感情のもつれをもう少し隠蔽しつつ、話を進めるべきだったのだな。

ついでに言うと、主人公の親の七光仲間である植野(笠原秀幸)と主人公のライバルである成上がり俳優の伊良部(永山絢人)はもう少し、キャラを遠ざけたキャスティングにしてもらいたかった。まあ・・・その点はキッドが若者の区別がつかない・・・という点に帰するが。伊良部が二枚目キャラなら植野は三枚目キャラでよかったんじゃないのか。チビでデブぐらいでよかったと思うぞ。

まあ・・・ともかく・・・それほど破綻のない導入部分でこれだけ穴が見つかると・・・お茶の間でも躓く人が多数いたのではないかと推測できるのである。

楠大雅(松本)は大スター楠航太郎(伊東四朗)と美人女優・真知子(松坂慶子)の次男に生れたサラブレッド俳優である。しかし、父親があまりにも偉大だったために・・・その光が強すぎてくすんでしまっている・・・と自分で考えている男だ。

なにしろ・・・テレビの娯楽時代劇で数十年も主役を張り続け、一方で映画賞を受賞するような名作映画に今もなお主演している・・・なんというか怪物的なスターなのである。

どこか計算高い印象のある兄の大貴(沢村一樹)は役者の道を選ばず、やんちゃな大雅は真っ直ぐに父親の後を追う。演技の勉強の為にニューヨークに留学までした大雅・・・。

しかし、俳優としては鳴かず飛ばずで・・・大物俳優の二世タレントととしてトークショーでお茶を濁す日々である。そして、そこでも頭角を現すわけでもなく・・・「偉大な親をもったために世間に認めてもらえない」と自分を哀れむようになっている。

父親は「俳優としてもっと自由に演じろ・・・」とか、所属事務所の社長は「もう少しハートで演じろ」とか・・・それなりにアドバイスするのであるが・・・結局、苦労を知らない大雅の心には届かないのである。

外国に留学し、演技の勉強をしたとなると講義は基本的には英語、場合によってはフランス語やドイツ語も必要となり、語学でかなり、苦労したはずであるが・・・そういうことが苦にならない天才的能力を秘めているか・・・親がかりで同時通訳付でもあったのか・・・まったく心に深みが感じられない大雅。

なにしろ・・・素人目にも「大根役者」なのに・・・自分では・・・「演技が高級すぎて大衆的ではない」と苦悩している気配がある。

典型的な「自分以外の他人にも心があるとは想像できないお坊ちゃま気質」である。

そのくせ・・・「オレの苦しみは誰にもわからない」と断言である。

趣味のパラシュートの整備ミスで森に墜落した大雅は偶然通りかかった缶詰工場の工員・詩織(竹内結子)に助けられる。

一体・・・あの森の小道の先には何があると言うのだろう。

手荒な救助方法で痛い目にあった大雅は突然、恋におちる。

親にも殴られたことがなかった大雅は失神から回復させるために詩織の放った一撃が愛のムチに感じられたのである。

大雅は自覚はなかったがマゾの素質を秘めていたのだ・・・それ以外には考えられない展開が待っています。

実は・・・過去に楠家となんらかの接点があったらしい詩織。航太郎とはファンとして文通をする仲であった。恐ろしいほどの偶然である。

とにかく詩織に一目惚れした大雅は再会を期待して海辺の街を訪れ・・・浜辺で泣き濡れる詩織を見出して恍惚となるのだった。とにかく、はっきりしたことは詩織が竹内結子ではおなじみの正体不明の女だということである。

役者としては不満を抱きつつもぬるま湯にどっぷりとつかっていた大雅だったが・・・この世の春の終わりは突然やってきたのである。

訃報・・・ベンジャミン伊東の突然の死を悼む小松の親分さん・・・。

大雅の目標でもあり愛すべき父親でもある航太郎はくも膜下出血で逝去したのだった。

息子として追悼番組のインタビューの仕事を命じられた大雅は心乱れて、反発を口にする。

「そんな仕事はしたくない・・・俺は役者なんだ」

しかし、社長(松重豊)は「お前に役者の仕事はない・・・」と突き放す。

「そんな・・・こんなことになったのはみんな・・・父さんのせいだ・・・」

そこへ・・・飛び込んできた詩織。

痛烈なビンタを大雅に見舞うのだった。

「父親の悪口を言うなんて・・・最低。仕事がないのはあなたがヘタクソだからでしょ。あなたの演技はいつでも一人よがり・・・その点、お父さんは人を楽しませることを第一に考えていた・・・そんなこともわからないあなたは・・・役者失格なのよ」

「し、素人のくせに・・・」

しかし、詩織は航太郎が不肖の息子のために詩織に書いた手紙を持っていた。

そこには「私は老い先短い・・・私が死んだら・・・息子のファンになってくれないか」と親バカ丸出しの言葉が認められていたのだった。

とにかく・・・大雅は頬の痛みとともに詩織への愛を深めていくのである。

航太郎の墓地で・・・大雅は心をさらして号泣する。その時、虹が空にかかるのだった。

天国で・・・航太郎が微笑んでいるが如く。

なぜか、その姿をそっと見つめる詩織。

一方、事務所には子役あがりで・・・航太郎とただならぬ関係を臭わせる女優(桐谷美玲)が新たに所属する。その心には「オレまげね」という闘志が秘められている模様。

さらに、詩織は缶詰工場が閉鎖されたために、突然、事務所の事務員として雇用されることになる。

父親の死により、月給という名のお小遣いから突然歩合制に給与形態が変更され・・・手取り2万8千円という激しい現実に眩暈を感じる大雅。

すでに愛し始めている詩織に甘えようとして鉄拳制裁されると・・・詩織への愛は完璧なものになるのだった。

しかし・・・・詩織は一児の母親だったのだ。

幼女から母と呼ばれる詩織を目撃する大雅。

(ママ・・・ママって・・・パパはいるのかい・・・)

薄れ行く意識の中で大雅は自虐的な快感を強く感じるのだった・・・。

おい・・・その方向でいいのか?

関連するキッドのブログ『花より男子

               『薔薇のない花屋

Hcinhawaii0654 ごっこガーデン。いつでもレインボーセット。くうう~ん・・・面白いのかつまんないのか・・・わからない・・・なんだろう・・・なんだか・・・青春の匂いがないと・・・許せないのかなあ・・・あの出会いで・・・恋って芽生えるものなの?・・・それで恋愛ドラマって言えるの~? 考えるんじゃない・・・感じるんだってブルース・リーに言ってもらわないと・・・いけないのかしらーっ。結局・・・詩織は素人じゃないのかしら・・・だって・・・あれだけ磨かれていない大雅の才能を開花させる役なんでしょ・・・月影先生にだって・・・無理そうなのに・・・その上、恋の花も咲かせるの? なんだかよくわからんなーっまこおおーっ、くうさんの千秋様パンチ炸裂! 一体、詩織はどんな人なのか謎でしゅね~。まあ、結子嬢はいつでもそんな役でしゅけどね~。大雅は苛められるのが好きな特殊な人なんでしゅか~・・・ムフフお気楽スカイダイビングが趣味の人は基本的にどMに決まってるじゃん。パラシュートが開かないなんて想像するだけでいじめみたいなものだもん・・・でも竹内さんになら苛めてもらってもいいかなあikasama4なぐったね・・・オヤジにだって殴られたことないのに・・・まあ、大雅には大幅な修正が必要ということですな。まあ・・・親が大物すぎて・・・本人が自覚しなくても・・・怨みを買っている場合はある・・・子役あがりとか・・・成上がりとか・・・そういう人々の視線の厳しさに・・・大雅は知らず知らずのうちに萎縮しているのかもしれませんな・・・父親の呪縛からの解放・・・それが裏テーマなのかも・・・それからこの脚本家は必ず男優を惨めな立場にして苛めますよね・・・きっと・・・

水曜日に見る予定のテレビ『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホタルノヒカリ2』(日本テレビ)

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2010年7月19日 (月)

三千世界の烏を殺しぬしと朝寝がしてみたい(坂本龍馬)芸も銃も金次第ばってん(お元)

夢を追い、家を出て、気がつくと三十路である。

初恋の人も、竹馬の友も、慕う兄貴も・・・皆、遠くに去った。

その時、男はどうしただろうか。

振り返らずただ一人、風の中へ去って行ったのである。

その時が、今、来たのだ。

歴史上の人物となる時が今、天の下に男はその声を聞く。

五月雨の雫の音に。

今、坂本龍馬は夢中の人となる。

で、『龍馬伝・第29回』(NHK総合100718PM8~)脚本・福田靖、演出・大友啓史を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は第三部篇・坂本龍馬描き下ろし、奇兵隊の散切り隊長・高杉晋作描き下ろし、心よりもお金が好きなくのいち・お元描き下ろしとシーズン3開幕イラスト大全集でお得でございます。鶏小屋の鶏たちは朝が来れば軍鶏鍋になる運命。異人さんに食われて逝っちゃってくうださい・・・なのでございます。それでええんかーっと叫ぶ坂本龍馬はもう・・・前回までの坂本龍馬とは別人、西郷さんも高杉さんもグラバーさんもまとめて「もってかれたああああ」と叫ばずにはおれない人誑しの怪男児登場なのでございました。まさに君子豹変す・・・とはこのことなのですな。覚醒です。覚醒の時が来たのです。それはいつ、初めてシャアと対峙したサイド7宙域なのか、ランバ・ラルが散華した砂漠の片隅なのか、それともマチルダさあんと叫んだあの夜なのか・・・違うだろう・・・武市瑞山と岡田以蔵を失って・・・倒幕の志に目覚めた瞬間・・・坂本龍馬はもはや別人と化した模様。いよいよ・・・燃える幕末第三コーナー、外外と回って・・・来た来た来た・・・ピンクの帽子の坂本龍馬だ・・・。坂本龍馬が差してきた~・・・それも違うだろう。まあ、とにかく、この興奮を最後まで続けてもらいたいものですな。いけいけ龍馬どんといけ。いかに死すとも前のめりで。

Ryoma186503 で、慶応元年(1865年)五月・・・長崎に姿を見せた坂本龍馬と亀山社中一同。おりしも、フランスの闇の一族の長たるドラキュラ伯爵の下僕・ベルナール司祭はヴァンパイアの傀儡となりつつある幕府の認可を受け、フランス寺こと大浦天主堂を建立していた。戦国時代以来、日本に隠れ棲む闇の信徒たちはこの暗黒の聖地に続々と集結し始めていた。これに危機感をもった大英帝国ハノーヴァー朝最後の女王ヴィクトリアは腕利きのヴァンパイア・ハンターを続々と東洋に送り込んだ。一方、南軍の首都リッチモンドを陥落させたものの暗殺されたリンカーン大統領の遺志を受けたジョンソンは日本に対魔族海兵隊を派遣することを決意する。太平洋の波濤を越え、「シー・エクソシスト」を旗艦とする第7人狼艦隊は極東に急行していた。グラバーこと倫敦の狼男に合流するため、米国の密使・ジョン万次郎とエージェントのインディアン・チーフテンは英国軍艦「プリンス・オブ・ウェールズ」に乗艦し江戸から長崎に向かっていた。

梅雨時の長崎は今日も雨だった。その昼下がりグラバー邸には坂本龍馬が訪れている。

勝海舟とともに長崎を訪れたことのある龍馬はすでにイギリス商人とは仮の姿、英国諜報部のダブルオーエイトであるグラバーの正体を知っている。同様にグラバーも龍馬が幕府隠密であることを知っているのである。

「しかし・・・坂本様は・・・おやめになるつもりではありませんか・・・なんと申しますか・・・脱走兵・・・ぬけ・・・」

「抜け忍・・・ですかな」

「そうそう・・・ヌケニン・・・ニンジャの世界の掟は・・・厳しいのでは・・・」

「ふふふ・・・大和の国の掟は・・・複雑怪奇ですからの・・・」

「そうそう・・・あなたは・・・幕府のオンミツである前に・・・ミカドのシノビだったのですね」

「それ以上は申されぬ方が身の為ですぞ・・・」

「おお・・・これはトップ・シークレットでしたな・・・どうも・・・あなたを見ているとフレンドリーな気持ちになって・・・言わぬが仏のことを忘れマスル・・・」

「秘すが花・・・知らぬが仏じゃき・・・」

「おおーっ・・・日本の言葉・・・奥が深いデス」

「それで・・・英国情報部がこの坂本龍馬に何の用かの・・・?」

「幕府が・・・フランスの吸血鬼一族に魅入られておる件でゴザイマス」

「ふ・・・勝先生がついておられるきに・・・いらぬ心配じゃ・・・」

「しかし、すでに次期将軍は闇の血の虜になっておられるとか・・・」

「勝先生は英国には注意しろと申しておった・・・英国の得意技は猛獣退治を猛獣にさせることとか・・・幕府がハブで勤皇の志士はマングースではないがじゃき・・・」

「ふふふ・・・あなたのマスターは米国でフリーメーソンの洗礼を受けておりますからな・・・人狼吸血鬼戦争には中立のお立場なだけでゴザイマス。しかし、いかに中道の精霊といえども降りかかる火の粉は払わねばなりますまい・・・」

「江戸の銀座では・・・銀の弾丸の大量鋳造生産が開始されておるようじゃの・・・フランスはどうやら・・・先手をうっておるきに・・・」

「私は知りたいのです・・・かって・・・この国では一度、闇の一族の侵攻を撃退したことがあるはず・・・一体・・・切り札はなんなのでゴザイマショウヤ?」

「ふふふ・・・そうか・・・英国の狙いはそこか・・・それはの・・・お貞の呪いじゃ・・・」

「お貞の呪い・・・?」

「知りたければ・・・オランダ商館の楠本イネを訪ねるがええ・・・」

「その婦人は・・・シーボルトの令嬢ですな・・・」

「その通りじゃ・・・」

「しかし・・・それは一体・・・」

さらに問い質そうとしたグラバーは言葉を飲んだ。すでに・・・龍馬の姿は消えていた。

「ジャパニーズ・ニンジャ・・・ファンタスティック!」

長崎・丸山町・・・料亭・夏月・・・。

全国津々浦々・・・どの遊郭の町もすべては幕府隠密の支配下にある。丸山もまた例外ではなかった。夏月は長崎における隠密の出城だった。

長崎の政治は複雑怪奇である。長崎奉行所が表面的には支配権を持つが、商人衆とは名ばかりの海賊組合の意見は無視できない。

鎖国の間も表裏の貿易で戦国以来の水軍衆が生き残り、また清国の海賊や、欧米縁の海賊たちもギルドに名を連ねている。

長崎くのいちの元締めであるお元にも南蛮人の血が混じっているという噂があった。

そのお元の住まう裏屋敷に江戸から赴任した長崎奉行所の同心で幕府旗本・早乙女兵蔵が訪れていた。実は当代服部半蔵である。

お元は平伏して迎える。

「御頭自らが・・・長崎に参られるとは・・・いかなる次第でございましょうえ」

「つなぎだよ・・・隠密総支配は・・・大奥のさるお方になった・・・」

「すると・・・半蔵様は・・・」

「おいらは・・・そのお方の目付けだ・・・昨今・・・江戸では話が遅いことが・・・ままあるからな・・・。特に江戸の旗本衆も殿様連中も外国というものがもうひとつピンと来ない連中ばかりで・・・とにかく、江戸の不始末を長崎で・・・ってことになるわけよ」

「江戸には仏蘭西の魔族が大量に入り込んでいるとか・・・」

「そりゃ、もう大騒ぎよ・・・あのお方が大奥に居られなかったら一大事になる寸前だ」

「とにかく、京の都は新撰組という輩がひとまず押さえたので・・・おいらは西へ西へと通達を回してるってことさ・・・」

「沖田様というたいそうお強い鬼筋の方がおられるとか・・・」

「ああ・・・ふふふ、風の噂は速いねえ・・・で、こっちはどうだい・・・」

「相変わらず・・・どけでも魔もあれば神もつんので賑やかなことで・・・」

「ふふふ・・・坂本様というのが迷い込んでるだろ・・・」

「土佐のお方や・・・」

「先代の半蔵からの伝言で・・・あの方には用心しろってことだ・・・」

「用心とは・・・?」

「なんでも・・・恐ろしく手が早いそうだ・・・」

「ああ・・・そのこと・・・そげんゆうても・・・もはや遅いこと」

「なんでえ・・・もうお手つきかい・・・驚いたねえ・・・」

「それに・・・長崎には・・・他にも恐ろしいお方がおっちゃけておいでだけん・・・」

「ほう・・・?」

「フランス寺の隠れ切支丹も戦々恐々しとろうもん」

夜の長崎の各所では・・・無差別に汚染されたはぐれ吸血鬼たちが徘徊していた。

闇の血を受け継いだもので・・・体質に合わぬものはゾンビ化するのである。知能を失い見捨てられた魔族は血を求めて夜毎に彷徨うのである。

不死身の聞多はその長崎の暗闇を高杉晋作とともに流して歩いている。

ふと・・・高杉が喀血した。

「高杉さん・・・」

「ふふふ・・・これが・・・貞子の呪いを受けたものの・・・運命というものじゃ・・・」

「辛うはないのかの?」

「ふふふ・・・何も感じぬ・・・聞多・・・気をつけろ・・・撒き餌に群がる魚たちが現れおったぞ・・・」

高杉晋作の吐いた血の臭いに誘われて・・・吸血鬼と化したものたちが姿を見せる。武士、農民、町民、女子供まで・・・身分を越えて幽鬼と化したものどもは、襤褸をまとい・・・恐ろしい形相を示している。

「西洋の蛮人たちめ・・・手当たり次第に食い散らかして・・・むごいことをするものよ・・・」

「・・・」

「聞多・・・さがっていろ・・・」

「高杉さん・・・」

「さあ・・・来い・・・飢えたるものよ・・・ここにおぬしたちの大好物がありますぞ・・・さあ・・・たんと吸いなされ・・・ゲホッ」

高杉は再び喀血した。夜の闇に血生臭い香りが拡散する。

もはや・・・吸血だけが本能となった化け物たちはその臭いに誘われて高杉に群がるのだった。

昼日中にはどこに潜んでいたのかと疑問に感じるほどに・・・無数のゾンビの群れが高杉を襲う・・・。

首、腕、すね・・・高杉の露出した素肌に喰らいつく憐れなあやかしたち・・・。

「ぎゃぎゃあ」

突然、吸血鬼たちは痙攣に襲われる。高杉の血を吸ったものたちは次々と卒倒していくのだ。たちまち地面を蔽う無数の吸血鬼たち・・・それでも知性のないあやかしたちは高杉の血を求めて殺到する。

その恐ろしい光景に井上聞多は念仏を唱えだす。

「おそろしや・・・おそろしや」

高杉の体はある病魔に侵されている。しかし、その病魔は高杉の血の中に潜み、吸血鬼一族を駆逐するのである。対吸血貴族病原体・・・それは後世に結核菌と称されるものに近似していた。

魔王・織田信長の開発した対吸血鬼用細菌兵器がそれであった。吸血鬼を駆逐するために自らが宿主となり・・・己の寿命を縮めながら戦う生物兵器・・・それが開発者である信長の娘織田貞子の呪いを受けた一族なのである。

貞子結核菌は吸血病菌を犯し、駆逐するのである。

やがて、吸血鬼たちは物言わぬ骸となった。

「風立ちぬ・・・」

吸血鬼たちの死骸の中でしゃがみこんだ高杉晋作がつぶやいた・・・。

一陣の風が起こり・・・無害となった吸血鬼たちは灰となって夜の闇の中へ霧散する。

「伴天連どもよ・・・この怨み・・・晴らさずにはおかぬぞ・・・」

高杉晋作は月光に誓うのだった。

「夏月」の座敷に上がりこんだ亀山社中の一同の中で陸奥宗光は眉をひそめた。

龍馬は敏感に気配を悟る。

「陸奥・・・どがいしたがじゃ・・・」

「誰かが・・・闇の中で啼いてはるのや・・・きっと・・・高杉はんや・・・」

「・・・そうか・・・」

同じ生物兵器同士の以心伝心か・・・と龍馬は陸奥を憂う。

龍馬は座敷の窓をあけた。いつの間にか雨があがり・・・朧に満ちた月を眺める。

「以蔵が・・・生きておったら・・・いかにも吠えそうな月じゃのう・・・」

その言葉に長次郎が盃を飲み干して泣き出す。長次郎は泣き上戸だった。

池内蔵太ももらい泣きをした。

関連するキッドのブログ『第28回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ジョーカー許されざる捜査官』『逃亡弁護士』(フジテレビ)『天使のわけまえ』(NHK総合)『土俵ガール!』(TBSテレビ)

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2010年7月18日 (日)

悪いことは良いことですか?(小池徹平)

たとえば「勧善懲悪」を描くことは知的とは言えないという考え方がある。

もちろん、知性とは悪に汚れることであるからその考え方は間違っているとは言えない。

だが・・・「万引きなんて大したことではない」と正々堂々と主張するのはあまりにも盗人猛々しいという考え方もある。

善と悪の境界線は実に曖昧なものだ。

「勧善懲悪」の代名詞として「水戸黄門」などの時代劇が指定されるわけだが、その手のドラマでも正義の味方が悪人をバッサリやる傾向は控え目になっている。

つまり・・・絶対的な正義が窒息しかかっているのである。

たとえば・・・日本には多くの在日北朝鮮人もいれば在日韓国人もいる。

そういう人々と日本人が仲良く付き合うことは悪いことではないだろう。

しかし・・・国家をあげて日本人少女を拉致監禁されたり一方的な死亡宣告をしている北朝鮮の場合、そこには常に苦渋がつきまとう。ワールド・カップで北朝鮮代表として出場したJリーガーは少なくともメディアで祖国について語るときにはある程度の配慮が要求されるだろう。

そして、それを報道するメディアの姿勢にも配慮は必要である。

もちろん、誰が好き好んで北朝鮮に生れたいか・・・という問題はさておき・・・人殺しの家族には人殺しの家族としての肩身の狭さがあってしかるべきだからである。

所属する国家の誰かの悪事で若者が苦しむのは哀れであるという考え方もあるが・・・その国家によって苦しめられている同胞がいることを忘れては国家は成り立たないのである。

だが・・・人々はいざとなったら・・・自分以外のあらゆる他人についての出来事は他人事であるし・・・それはきっと善悪ではない。

だから・・・悪いことは良いことだし、良いことは悪いことなのである。

私たちは・・・所詮、そういう世界に生きています。

で、『鉄の骨・第1~3回』(NHK総合100717PM9~)原作・池井戸潤、脚本・西岡琢也、演出・柳川強(他)を見た。土曜日のドラマはどれも悪人を主人公としたドラマを描いている。「ハンマーセッション」は不良生徒の対応に苦慮した学園の校長が指名手配の詐欺師を教師に雇用する話で・・・「万引きしても弁償すればそれでいい」とはっきりとまとめあげるとんでもないドラマだし、「仲間を大切にすれば社会なんかどうなってもいい」と完全に主張しているので独裁国家だったらスタッフ一同死刑になりそうな勢いである。また「美丘」はとりあえず、死病にとりつかれた女が彼女のいる男にちょっかい出しても周囲は暖かく見守るべきだし、病気の娘の母親は自分の子供の幸せしか考えなくて当然だというある意味、強引な反社会性を秘めている。まあ・・・娘の母親(真矢みき)は裏番組の「踊る大捜査線・・・」で「私の体から弾丸を取り出して銃にこめてあいつを射殺して」と恩田刑事に言われるほどのバカな警察官僚を演じていて・・・この役の印象が強すぎて・・・どんな役をやってもなんだか嫌な感じの女になってしまうという役者冥利につきる道を歩いているわけだが・・・今回もきっと・・・ずっと嫌な感じの母親を演じていくのである。なんだか可哀想だな・・・。

そして・・・「ドラゴン桜」で気が弱い上にマイペースなバカを演じた小池徹平もまた・・・また、どうせ気が弱いんだろう・・・そのくせ、マイペースなんだろう・・・その上、ちょっとバカなんだろうといつも思われるのである。

さらに言うと・・・結局、いつもそんな役だ。

今回の平太(小池徹平)もまた、ゼネコン大手の会社員で・・・突然の移動命令で建設現場から土木の営業になり・・・不服を抱きながら上司(陣内孝則)には逆らえない役である。

そのくせ、いつのまにかそれなりにマイペースで仕事をこなしていく。

そして、取引先の大手銀行に勤める彼女・萌(臼田あさみ)が口の上手い上司・園田(宅間孝行)に口説かれてちょっとその気になっているのにまったく気がつかないちょっとしたバカなのである。

まあ・・・そういう役柄をかわいいと感じるスタッフがいる限り・・・彼はそういう役を演じ続けるしかないのな。・・・ちょっといたいけない。

さて、原作者は安達祐美の離婚した夫ではない・・・それは井戸田潤だ・・・っていうか誰も間違えないよ・・・。

慶応大学→三菱銀行→経営コンサルタントと言う経歴を持つ作家である。デビュー作である「果つる底なき」が2000年に渡辺謙主演でドラマ化されていて・・・菅野美穂ファンなら記憶に残っている人も多いだろう・・・どういう記憶の残り方だよ。

とにかく・・・経済としての企業活動をそれなりにリアルに描くことのできる作家なのである。

で、とにかく・・・ここまでの描き方は・・・談合こそが日本的な正義・・・つまり、和をもって貴しとすの具現であった・・・という主張である。

まあ、基本的にどう考えても独占禁止法違反である放送業の独占をしているNHKならではの自由競争への嫌味が臭い立つわけです。

昔は・・・皆様のNHKは公共放送ですと言い張ったわけですが、一連の不祥事を受けての受信料(という名の放送税)不払い運動を受けたり、営利目的の事業を拡大したり・・・でいろいろアレなんで・・・なんとなく・・・最近は合法とは何か・・・という煙幕を張っているようにしか見えないのが実に苦しい立場に立ってるものの悲哀なのですな。

まあ・・・職員一同が多くの国民よりいい暮らしをしている・・・となると・・・失業問題とか、不況問題を取り上げるときにもいろいろ敏感になるのですなーっ。

しかし、現場のスタッフは下請けが多いですから・・・あまり苛めないでくださいという気持ちもあります。

いい加減に脱線をやめないか・・・。

ともかく・・・通称・談合課といわれる平太の職場は・・・大手ゼネコン六社の同業者が秘密の集会を持ち、公共事業の受注を事前に協議して割り振りする「競争入札形骸化」の舞台だったのです。

「談合なんて・・・よくないことじゃないの・・・」

と恋人に批判される平太なのだが、職場に馴染むにつれて・・・不況にあえぐ建設業界がお互いに潰しあうのではなくて・・・協力してワーク・シェアリングするのは必要悪なのではないかと急速に順応していくのである。

もちろん、第三者はそれでは「競争力の強い企業」が生れないと批判する。

しかし・・・平太は思う。戦って生き残ることを望むものは多いだろうが・・・敗れて首を吊ることを望むものはほとんどいないだろうと・・・。

結局・・・談合か競争入札かは・・・平和か戦争かと選択していることにすぎないのである。

本人たちには「平和がいい」に決まっていると平太はその闇に居心地の良さを見出すのだ。

しかし・・・人間の悪は平和を望まない。

「業界再編成」による「利鞘獲得」をもくろむ一部政治家と官僚と企業が結託し・・・「談合破り」を開始する。

その黒幕は談合会のボス・山関組の和泉(金田明夫)である。

最終的に談合会の一谷組と真屋建設を合併させ・・・談合会六社を五社にすることで少ないパイの獲得分を増やそうという目論見も潜んでいる。

このことに反発を感じたのは真屋建設の談合担当・長岡(志賀廣太郎)である。

彼は陰謀により・・・二回続けて談合の約束通りの入札に失敗した一谷組の尾形(陣内)に真相をリークする。

「信じてもらえないかもしれないが・・・私はね・・・今回のやり方は気に入らないんだ」

「長岡の・・・」

「昔の通りに皆さんと話し合いで納得のいく仕事をしたいんですよ」

「・・・うれしいこと言うじゃねえか・・・」

まあ・・・基本的に登場人物は全員、カタギじゃあないと色眼鏡で見ています。

こうして・・・ボスとして仲間を裏切ったことが露見し、つるし上げられる和泉。いやあ、こういう役をやらせたら金田明夫・・・右に出るものいないな。

そして・・・子供の世界ではありえないことのように思えて・・・いや大人の世界ならなおさらに・・・かもしれないが・・・新しいボスに長岡を選んだ談合会に山関組も何事もなかったように参加していくのである。

実に・・・見事なゲームなのである。

いよいよ・・・本題である地下鉄工事の入札を廻り・・・虚々実々のかけひきが繰り広げられていく。

仁義を守り「美しい談合」を続けようとする男たちと、自分たちの利益のためには仲間を食い殺しても「談合破り」を実行に移す仁義なき男たち。そして・・・彼らの道具となって動く検察庁の談合摘発チーム。さらにはトキワ土建の山本(高橋一生)などの枠外の男たちのルール無用の新規参入。

まあ・・・結局・・・正義なんていうものは置かれた立場によって変転するもの・・・という基本を学ぶには最適のドラマなのでないでしょうか。

まあ・・・キッドとしては・・・平太が園田に萌を寝取られないことを祈るばかりである。

だって・・・そんなことされたら平太はきっと泣いちゃうぞ・・・。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ』(TBSテレビ)『夏の恋は虹色に輝く』(フジテレビ)

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2010年7月17日 (土)

ああ、痛い、あ~いたい、逢いたい(長瀬智也)送ってくうださい(蒼井優)

永遠の世界で一番普通の女の子(蒼井優)でもよかったのだが、主人公とヒロイン(ゲスト)のタイトルは貴重だからな。

なにしろ・・・この世の基本は会話なのだ。

「逢いたい」と思っているとひょっこりと現れて手を差し出されて「送ってく~ださい」なんて言われたらいつ死んでも悔いはない気持ちになるのである。

先週から今週にかけてつかこうへいが存在しなくなってしまった現世でクドカンはより、その貴重さを高めているのである。

それは寺山修司が消えて野田秀樹が輝きを増したように・・・星々の栄枯盛衰の運命なのである。

惚れて惚れて惚れぬいた女が他人の腕の中に抱かれていることを思い浮かべたときの心の深淵を面白おかしく描く・・・そういうことは誰にでもできるものではないのだ。

キッドなんてそれを考えるだけで目の前真っ暗になって何もできなくなってしまうもん。・・・お前、誰だよっ。

とにかく、うぬぼれ刑事は有料でも見たいドラマの領域に達している。(注意・NHKレベルという意味ではありません・・・単にお金を払ってでもみたいという比喩です)・・・もちろん、有料だったら見るとは限らないが。

だってお金が好きな自分が好きなんだもん・・・だから、お前誰なんだよ。

ああ、とにかく、今、キッドの頭の中は「送ってくぅぅぅぅださい、くぅださい、くぅださい・・・」でいっぱいなのである。

この調子で「振り込んでくぅださい」と言われたら振り込んじゃうもん。・・・お、お前・・・もういいか。

で、『うぬぼれ刑事・癒し系・第2回』(TBSテレビ100716PM10~)脚本・演出・宮藤官九郎を見た。「うぬぼれ刑事・初恋篇」に続いて「うぬぼれ刑事・癒し系」・・・もうすでにこのサブ・タイトルだけでも金を払う価値を感じるわけである・・・それは心にもないだろう。とにかく、金と心がイコールであるという発想がすでにクドカン。いじましいな。心から愛した女・里恵(中島美嘉)は同僚・冴木刑事(荒川良々)の妻となり、身も心も奉げたかった女・恵里子(加藤あい)を殺人犯として泣く泣く逮捕してしまったうぬぼれ刑事(長瀬)は失意と傷心のどん底で背中を丸めて歩いていた。

ふと・・・足を踏み入れたマッサージ店「手には手を」でふたたびうぬぼれの心が燃え上がる。つつましく、控え目で、しとやかなマッサージ屋さんの小沼せつ子(蒼井)の「手」が・・・うぬぼれの冷えた心に着火するのである。

ここからは、しばらく、「タイガー&ドラゴン」でお馴染み、ミイラ取りが連続ミイラになる事件である。100人の男がいたら100人が「好きになっちゃうよ」的魅力の表現である。沢田メグミ(伊東美咲)が魔女っ子メグちゃんなら・・・小沼せつ子は稀代の悪女・癒し系なのである。たちまちマッサージャー小沼さんの虜囚となるうぬぼれ5プラス毒舌筆談ホステス「私は私」のママ玲子(森下)。「チンチ・・・」ではなく「オマ・・・」濡れちゃったのか。・・・おい、いい加減にしとけよ。全員、おそろいのお客様用着衣お持ち帰りである。

しかし・・・栗橋教授(坂東三津五郎)だけは・・・失意の帰還である。裏街道の女ならではの突然の退職で・・・小沼さんは消息を絶ったのだった。

おりしも・・・世田谷通り周辺では惚れた弱みに付け込んだ連続結婚詐欺事件が発生していた。「小顔に見せるためのアゴ前Vサイン」の画像や似顔絵からたちまち浮かび上がる小沼さんそっくりの犯人像・・・しかし、例によってうぬぼれは「その点」からはひたすら目をそむけるのだった。

一方、息子の私生活をネタに元・福島県警本部長の葉造(西田敏行)が書き下ろした「うぬぼれ刑事」はベストセラーとなり、ドラマ化が決定する。例によって死体役の運命(生田斗真)に誘われて撮影現場に遊びにきたうぬぼれ刑事はドラマ版・うぬぼれ刑事(中村梅雀)の差し入れのおむすびに小沼さんの手の温もりを感じるのだった。

そしておむすび店「ゑびすむすび」の店員となっていた小沼さんを刑事犬のように発見するのだった。

さっそく・・・交際を申し込むうぬぼれだが・・・嫌な予感がするために・・・刑事である身分を隠し、件の事件の犯人の偽名にケイジをつけて・・・「みうらけいじ」と名乗ってしまう。

そこで小沼さんはうぬぼれを「ニコラスさん」と呼ぶようになるのである。ニコラス・ケイジの最新作はディズニー映画「魔法使いの弟子」である。

再会を喜ぶ、小沼さんとうぬぼれ5だったが・・・うぬぼれは酔いつぶれた冴木刑事を送って新婚の冴木家にお邪魔する破目になる。

冴木家に漂う・・・むさくるしいほどにアツアツでラブラブな生活臭さ。

お互いのオナラを嗅ぎあうほどにただれた愛欲の日々の気配に胸苦しくなるうぬぼれだが、里恵はお茶を勧めながら舌打するのだった。

しかし、食卓に置かれた「うぬぼれ刑事」の本に・・・ちょっとうぬぼれるうぬぼれだった。

夫の同僚に対するサービスとしてうぬぼれをマッサージする里恵。

しかし・・・そのふれあいはうぬぼれの心をもはや癒さない。

傷口にすりこまれた塩に苦悶するうぬぼれを待ち伏せて天使の微笑みを浮かべる小沼さん。

「送ってくーださい」攻撃炸裂である。

たちまち・・・その気になるうぬぼれ・・・しかし・・・小沼さんの質素なアパートは豪華なシャンデリアの眩い輝きの中で高価な電化製品が満載されている・・・異空間だったのだ。

そして・・・小沼さんは「お金が必要なの・・・」と潤んだ瞳で告げるのである。

捜査線上には保険金殺人疑惑のある行方不明の未亡人・・・が浮かぶが冴木刑事のメモが悪筆なので判読不能である。

持ち合わせに余裕のないうぬぼれは借金を父親に申し込む。

葉造はにこやかに借金を快諾した後で小沼さんに振込先を書き出させる。

そして・・・「この女はお前を幸せにしてくれる女だ・・・この女を逃がすなよ・・・この女を逮捕したらお前の昇進間違いなしだ」とうぬぼれに囁く。

「え・・・」と驚愕するうぬぼれは「彼女は天使なのに・・・」と反論する。

しかし、葉造は「いや、あの女は最高の悪女だ」と断定するのだった。

仕方なく、彼女を大黒埠頭に呼び出すソウルフルでスタイリスティックスでマイケルでサタディー・ナイト・フィーバーなうぬぼれ。

しかし、小沼さんはお約束のくりかえしを許さないのだった。

新たなる犠牲者とともに犬吠埼方面にドライブに向かう小沼さん。

手頃な崖っぷちに停車した車に睡眠導入剤入りのジュースを運ぶ小沼さん。

だが・・・犠牲者はうぬぼれに入れ替わっていた。

小沼さんの制止を振り払いジュースを飲み干したうぬぼれは時々、凄まじい眠気に襲われながら謎解きとプロポーズを進めるのだった。

「あなたの借金申し込みのメモと・・・グーグー・・・ある人の遺言のメモの筆跡が・・・スヤスヤ・・・一致しました」

証拠品A 「・・・をお願がいします」

証拠品B 「・・・をお願がいします」

「しかもお願いの送り仮名の使い方も同じ間違いを犯しています」

「おねががいします・・・って書いたんです」

「なぜ・・・そこだけは見栄を・・・」

「ふっ・・・私はお金が好きなんですよ・・・他人の金でジュースを飲もうが自分の金でジュースを飲もうが・・・ジュースの味はかわらないでしょう・・・」

「いや・・・あなたと一緒に飲むジュースならきっと美味しいのです」

「私は生まれつき心がない女なんです。私にとって男の人は一万円札なんです」

「つまり・・・慶応大学の創始者のような・・・」

「120万円くれたら120万円男ってことですよ」

「私はあなたにお金で買えないものを贈りたい・・・」

「なんですか・・・」

「無罪です・・・」

しかし、小沼さんは婚姻届よりも逮捕状を、指輪より手錠を選ぶのだった。

「なぜです・・・なぜそこまでして・・・私との結婚を拒むのですか?」

「あなたを不幸にはしたくないから・・・」

愛しい女を逮捕して泣き崩れ眠り込むうぬぼれ刑事・・・一部お茶の間悶絶・・・例によって駆けつける刑事たちだった。

「よくやったぞ、うぬぼれ・・・今度新しい無線機買ってやるから」

はたして・・・うぬぼれ刑事は女にこの男とだけは結婚したくないと思われるタイプなのか・・・それとも・・・心のない極悪人をも改心させるほどの名刑事なのか・・・。

様々な謎をはらみつつ、来週は未亡人・ショートカット・元女子アナにうぬぼれは正面からのしかかる模様。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『龍馬伝』(NHK総合)『多部未華子のGM・踊れドクター』(TBSテレビ)

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2010年7月16日 (金)

ふぁたしふぁ、 リカちゃん、お友達になりまひょう、ひぃぃぃぃぃ(長澤まさみ)

ふふふ・・・調教師(天海祐希)による猛獣(長澤まさみ)の飼育プレー・・・これを楽しむだけでも充分に価値のあるドラマである。

最近、発言のブレというものが問題になっているが、本来、知性的であるということは「ブレ」を伴うものなのである。

たとえば、サッカーという競技は実は一つ一つのプレーは練習が不可能なものだという考え方がある。

練習というものは基本的には反復して行うものだ。たとえば、シュートなどというものもゴールに向かって反復して蹴りこむことによって精度を増していくのである。

しかし、実際にはそのような練習はすべて無意味なのである。

なぜなら・・・サッカーのフィールド内で全く同じような状況というのはほとんどないからである。

ゴールまでの距離、方向が同じなんてことはあるのではないか・・・と思う人は素人なのだな。

試合開始からの時間経過、選手の疲労の蓄積、気温と湿度と風速と風向き、そしてそれまでの人類の歴史を含むすべての社会的状況、それはいついかなるときも全くの未体験ゾーンをプレイヤーに用意するのである。

ご理解いただけただろうか。

だが、選手たちは結局は猛練習をしなければならない。なぜならそれが気休めになるからである。

さて、キッドは「練習は必要だ」ということと「練習には意味はない」ということを同時に主張したつもりだが・・・いかがだろうか。

それをご理解いただけただろうか。

専門家たちや担当者たちの発言はいつでもブレるのが当然なのだ。

それは是非を緻密に極限的に考察するからで・・・そのイエスとノーは限りなく境界線を彷徨うからである。

だから・・・一分前に「発射準備」を命令した司令官が一分後に「いや・・・今回は発射延期だ」と言っても周囲の専門家たちは誰も「ブレ」を責めたりはしないのである。

それは状況に応じた判断というものだからである。

素人は「言ってることが前と違う」と他人を責めることに疑問を感じないものだが、玄人は思うのである・・・「それは君の理解力が不足しているだけだ」と。

だが、そんなことを言っても素人には物事を理解できないのが一般的である。

そして理解できる知性がないことを前提として人々は説明責任を専門家に求めるのだ。

こうして・・・人々の不毛のコミュニケーションは今日も続いていくのだな。

ご理解いただけるだろうか。

で、『GOLD・第2回』(フジテレビ100715PM10~)脚本・野島伸司、演出・河毛俊作を見た。最初に断言しておくが、前頭葉に「買物脳」などは存在しませんのでご注意ください。それは「男脳」や「女脳」が・・・あるいは「右脳」や「左脳」が科学的根拠のない、擬似科学的言説であるとと同様に広告代理店のマーケティング・プランナーという世界で最も怪しい職種の人々が営業のためにひねり出してただのキャッチ・コピーなのでございます。

ただし・・・多くのお茶の間の人々が・・・確かに私の頭の中には買い物脳のようなものがあると考えれば・・・それは各自の妄想の中で確かに存在するとも言えますな。

まあ・・・昔から・・・ストレス解消のためにショッピングをする人は掃いて捨てるほどいるのでそれをすべて「買物脳」があるから仕方のないこと・・・とする売り文句はなかなかに巧妙であるのかもしれません。

まあ・・・そういう言葉で飯を食べている人たちを責める意図はないので・・・要するにこの物語の主人公・早乙女悠里(天海)が「インチキな話」で秘書のリカちゃん(長澤)を騙しているというこの物語の骨格が判ればいいのです。

もちろん・・・騙すと言っても悠里は犯罪行為をしているわけではありません。基本的に人を騙すことは素晴らしく楽しいことなので、悠里は淑女のたしなみとしてそれを楽しんでいるということです。

ドラマの中で・・・悠里に饒舌に話しかけられるリカちゃんは単に悠里に弄ばれているだけなのです。

悠里の語る言葉に何か意味があるのだろうと耳を傾けている皆さんには残念ながら・・・そこにはただ無意味が風に吹いているだけだということを伝えておきたいのです。

今回のテーマは「女の子の心の化粧の下地は厚塗りにすべきか、薄塗りにすべきか」というものですが・・・まあ、すっぴんが一番という人にはほとんど無意味ですな。

つまり、生足がいいと思っている人にストッキングは黒がいいか肌色がいいか質問しているみたいなものです・・・おいおい、もうたとえがすでに意味不明だぞ。

悠里は「女の子の教育で一番大切なのは愛の正義をつらぬくように躾けること」と言います。簡単に言うと「貞操観念を育む」ということです。

「愛」が契約の一種である以上、契約違反や契約不履行を引き起こす可能性のある「貞操観念の欠如」は好ましくないのですな。

しかし、一方で悠里はその実現は難しいと含みを持たせ、謎めかせるのです。

こうなるとリカちゃんはもう我慢ができないのです。

「なぜ・・・愛を貫くことを教えるのは難しいのですか~、教えてふにゃふにゃ~」

「それはね・・・人には衝動があるからなの・・・目の前にあるものが急に欲しくなるという心理がね・・・それはショッピング・ブレインという魔物が女の子の脳には棲みついているからなのよ・・・」

「えーっ、そんなあ・・・・うえっへっへっへ」

調教師と猛獣の間にはいつの間にか、阿吽の呼吸が芽生えているようだった。

おりよく、格好な教材として、長男・洸(松坂桃季)の元・恋人、椎名涼子(波瑠)が「息子さんの子供を妊娠した」と悠里を訪問する。

しかし、ビューティフル・マザーとして四人の子供はもとより、その周囲の人間を監視カメラ、盗聴器などで常に情報収集している悠里にとってそれが「虚偽の申告」であることはお見通しだったのだ。

もちろん、悠里は洸の初体験から別離にいたるまでの二人の性交渉を日時・場所から体位まですべて把握しており、妊娠の可能性が低いことを知っているし、涼子が失業した父親の入れ知恵で診断書を偽造したこともお見通しなのである・・・そうなのかっ。

やがて・・・悠里は事を穏便に処理するために小芝居を繰り広げるのだった。

父親のために元・恋人の前で詐欺をすることになった涼子はついに、自白してしまう。

「すみません・・・妊娠は嘘でした・・・」

そこで、悠里は「あなたの父親とは決別しなさい・・・あなたの父親はあなたを売春婦扱いしたのよ・・・面倒は私が見るから・・・」と持ちかける。

それに対し涼子は「いえ・・・父は魔がさしたのです・・・本当はいいお父さんです」と親孝行な娘を演じるのだった。

悠里は「ふふふ・・・なかなか・・・高く売るわね」と思うが・・・最後の仕上げを実行しようとして・・・リカちゃんに妨害されるのだ。

「洸しゃぁぁぁぁん、彼女を見送ってあげてくだしゃぁぁぁぁぁい。彼女はそんなーって感じでふにゃふにやなんですーっ・・・そういう時は女の子は優しい言葉が・・・優しい笑顔がふにゃふにゃなんですーっ」

「わかった・・・」

人品貴い男になるために・・・洸は美しい別れ際を演出するのです。ただし、やり逃げの事実は変りません。

まあ、美男美女の交し合う視線はそれだけで意味ありげなので心が洗われる気持ちがします。

残された社長と秘書は余韻に浸る・・・。

「あの社長には・・・衝動はないんですか・・・」

「教えてもいいけど・・・私の頼みをきいてくれたらね」

「私にできることなら・・・」

「できるわ・・・いいえ、あなたならできるってことよ」

その秘密のスイッチを押すリカちゃん。

秘密の隠し扉が開き・・・隠し部屋に現われたのは光り輝く「リカちゃん」の群れだったのである。

「どひー・・・こ、これはーっ。ふにゃふにゃにやーっ」

「さあ・・・あなたにしか言えない言葉は何かしら・・・」

「えーと、えーと」

「あなたと同様に本当の友達のいない私・・・走れメロ子が・・・リカちゃんたちに言ってもらいたい言葉があるでしょう・・・わかるでしょう・・・あなたなら・・・」

「わかります、わかります・・・私、リカちゃん、お友達になってね・・・ふにゃふにゃあ」

こうして、ふたりはリカちゃん地獄へ落ちていくのだった。

一方、底なしに深い二人の女たちに比べて・・・ほとんど深みのないキャラ設定の悠里に横恋慕している二枚目きどりの丈治(反町隆史)は前回、丈治への愛を告白した悠里の娘・晶(武井咲)に色男きどりでお断りである。

「オレが愛しているのは君のお母さんだ・・・いずれ結婚するつもりだ(丈治の思い込みである・・・悠里は別居中の夫(寺島進)を実は愛している)・・・だから君の思いに答えることはできない・・・」

みもふたもない発言である。まあ、ある意味、丈治は精神年齢低めの設定なのである。

自分が子供な大人なので、大人な子供である晶を扱いきれないのである。

ともかく・・・勘違い男の無粋な振る舞いで晶の愛の正義は行き場を失くしてしまったのだった。

さあ・・・悠里は娘のピンチをどのように乗り切るか・・・以下、次週である。

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土曜日に見る予定のテレビ『志田未来のハンマー・セッション!』(TBSテレビ)『吉高由里子の美丘・君がいた日々』(日本テレビ)『臼田あさみの鉄の骨』(NHK総合)・・・さて、土曜日をどうするかだな。

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2010年7月15日 (木)

私は彼に相応しい女になれるかという疑念と彼が私に相応しいかという疑問のホタルノヒカリ(綾瀬はるか)

素朴な疑問に答えることは難しい。

しかし、「お萩」と「牡丹餅」の違いは簡単に答えられる。

春のお彼岸に食べるのが牡丹の季節なので「牡丹餅」、秋のお彼岸に食べるのが萩の季節なので「お萩」である。

つまり、お萩と牡丹餅は同じものなのだ。

けれど・・・キッドはある程度の年齢まで違うものだと思いこんでいた、つぶあんがお萩で、こしあんが牡丹餅である。

なぜ・・・そうなったかと言えば嘘を教えた人がいるからでキッドがそのことを問い質すと・・・「疑問に対して自分で調べない人は騙されるということを知ってよかったでしょう」と笑われた。

世の中には本当は正解などはない。ただ、何が正解かを自らが問い質すこと。

それはとても大切なことなのである。

で、『ホタルノヒカリ2・第2回』(日本テレビ100714PM10~)原作・ひうらさとる、脚本・水橋文美江、演出・吉野洋を見た。キッドはどちらかと言えば過去は振り返らないタイプで推敲なんかも苦手である。まさに今を生きるのである。しかし、それはまあ、大前提でどこまでが今か・・・という問題はある。たとえば今は1/100秒くらい・・・だとすれば・・・そんなに短くはないなと思う。それでは今を50年くらいと考えると・・・前はともかく後は死んでるじゃないかっということになる。

多くの人々は十年は一昔だと言う。

つまり、十年前のことをなんだかんだ言うと、昔にこだわりすぎる・・・ということになるのだな。

しかし、十年前を昨日のことのように記憶している人間にとって・・・昔の話じゃない、今の話だ・・・ということになる。

認知症の人々は今話していたことを次の瞬間には忘れたりするのでものすごい短い今を生きているわけだ。

そうかと思うと、30年前のことを突然昨日のことのように話し出すわけである。

昔、老母は突然、セピア色になった葉書を何処からか取り出してきて、同居していない小姑の一人がこんな嫌味な葉書をよこしたことを「私は一生忘れない」と息子に憤慨して話したことがあった。思えば・・・あの時からボケが始まっていたのだな。

だから・・・記憶力の良いことは良し悪しなのである。長い付き合いの人間の昔のことをいくら良く憶えていても・・・忘れたふりをする・・・記憶力に優れた人間は紳士淑女の嗜みとしてそれを憶えておくべきなのだ。

まあ・・・怨みを忘れるのは困難なことですがーっ。

思えば・・・雨宮蛍(綾瀬はるか)と部長(藤木直人)がドラマ「ホタルノヒカリ・最終回」で結ばれたのかどうか・・・ブロガー仲間と激しいバトルを繰り広げたこともあったのである。

おそらく・・・二人はハッピーエンドだったと誰もが考えるのだが、いや・・・二人は結ばれていないと解釈するものもいた。

そういう曖昧な結末だったからである。

そして・・・三年の時の流れを越えて始まった第2シリーズ・・・。二人は確かにハッピーエンドだったのだが・・・遠距離恋愛の末に・・・ふりだしに戻った状態になっている。

しかも蛍は「チューもいただけなかった」と発言をしており・・・その恋愛は婚前交渉を許さない恋愛観に基づいているらしい。

もちろん、キスはしないが下半身はつながったという特異な性癖の二人だったという考え方もあるが・・・それについての言及は避けておく。

ともかく・・・熱烈に愛し合って・・・いい年した男と女が何もしないのにも程がある病気は・・・「月の恋人」に続いて「ホタルノヒカリ2」にも襲い掛かっているのである。

それはある意味、通俗的ではない・・・特別な関係と言えないこともないが・・・キッドは時々、おしゃれにも程がある・・・と思う時があります。

まあ、とにかく、アレは確かに飽きるものですが・・・しかし愛しはじめた頃は貪りあうものでもある・・・それから飽きたとしても三年後に再開すれば・・・充分に貪りあうことができるものであるはずなのですな。まあ・・・ドラマにいちいち腹をたてても仕方ないのですが・・・もしも自分が部長だったらと思うと・・・何故、しないのだ、何故やらないのだと自問自答することは確実なのである。

このドラマのネックは必ず一回、その関門を通り、「ドラマだからさ」と自分を納得させなければならないという点です。その一点をのぞけばトレビアンなドラマなのでございます。

とにかく、前回、部長の衝撃のプロポーズがあって、早くも花嫁気分の蛍は自室で頭にティッシュで花飾りを乗せて花嫁ごっこでウキウキである。

そんな蛍は部長に第一の試練「醤油が切れているので買ってきてくれまいか」を与えられるのだった。

醤油を買いに出た蛍の前に商店街は次々と誘惑の魔手を伸ばす。

様々な特売品に魅入られた蛍は部長から渡された1万円を残高2円になるまで消費しつくすのだった。

それが47円女の正体だからである。

「特売品に弱い美女」はしかも全く悪びれないのだった。

しかし・・・部長は思う・・・醤油一本に一万円使ってたら・・・来るべき近未来の高野家の家計はどうなることか・・・と。

そこで・・・部長は蛍に「収支予算書」の提出を命じるのだった。

   わたしの収支予算書 雨宮蛍

ビール→飲みたい分だけ

お菓子→食べたい分だけ

マンガ・雑誌→読みたい分だけ

服→汚れたら買う

家賃→タダの約束

食費など→ぶちょお

・・・部長はもちろん・・・会えない三年間で蛍について深く考察したので・・・このくらいのことではくじけない。しかし、一応、確認してみる。

「キミは節約する気がないのか・・・?」

「はい・・・しようと思ったことはあるけどできませんでした・・・正確に言っておきたいので」

「それじゃ・・・結婚できないな・・・節約出来ない女とは結婚できないな・・・」

と部長は優しく諭してみるのだった。

こうして、節約美女が誕生したのである。

翌朝、部長の指導によってクリーニング代を節約するために自分でアイロンがけをした蛍は・・・白いブラウスにアイロンの焦げ跡をクッキリ残すのだった。

しかし、節約に夢中の蛍はそのありえない服装で出社するのである。

だが、部長はくじけないどころか・・・そんな蛍を受け入れ・・・甘やかす方向に足を踏み出すのである。

蛍と一緒に取引先に向かった部長は部下の蛍にエレガントな仕事着を買い与えるのだった。しかもジャージを100着くらい買える値段だったらしい。

とにかく・・・部長は少なくとも服装は美しくなった蛍にご満悦である。ひょっとしてこの二人・・・破滅の道へ向かっているのではないかというスリリングな気配が一瞬漂います。

会社では20億円の予算のプロジェクトを契約社員のプランナー・瀬乃(向井理)が担当し意気揚々である。一方、正社員の蛍は予算50万円の商店街のイベント「キッズフェア」を手がけている。SWビルドコーポレーション・・・そういう経営で本当に大丈夫なのか。

しかも・・・商店街では資金繰りに苦しみ・・・予算は20万円になってしまう。

契約解除を申し出る肉屋の主人(金田明夫)に蛍は「予算を見直して・・・実現を可能にします」と申し出る。

私生活は浪費家だが、職場ではそれなりに仕事ができる蛍なのである。

なぜなら・・・仕事をがんばるとビールが美味しいのである。

そういう場合に蛍にとって仕事の大小は無関係なのだ。

やがて・・・20億円のプロジェクトは資金繰りに行き詰まり・・・立ち消えになる。

意気消沈の瀬乃にホタルはビールを手渡すのだった。

「仕事がんばってたから・・・きっとビールが美味しいよ」

蛍にとっては職場仲間へのただの思いやりだが・・・瀬乃はどうやら「愛」を感じた模様。

一方、蛍の情熱に絆された肉屋は出血大サービスでイベントの賞品に「高級イベリコ豚」の提供を申し出るのだった。

どうやら「美味しんぼ」(小学館系)を読んだことがない「ホタルノヒカリ」(講談社系)の蛍はイベリコ豚が何かを知りませんでした。

とにかく、低予算のために徹夜でイベントの準備を手作りする蛍。

そこへ、謎の女・小夏(木村多江)が娘の千夏(石井萌々果)を連れてやってくる。

あっさりと正体を明かす小夏。部長とは学生時代からの友人で・・・三年前に夫を亡くしてから部長にいろいろと相談していたらしい。

部長はいろいろと優しくしたために・・・千夏は部長を「パパ」と呼んで慕っているのである。

部長と蛍が同居していることも将来を誓った仲であることも承知の上で・・・「お萩」と「漬物」を持って来襲してきたのだった。もちろん、敵情視察であり、小夏は虎視眈々と部長の妻の座を狙っていることはその言動から臭い立つ。

もちろん、蛍は野生の本能で・・・危機感を感じるのだった。

しかし、それが小夏への敵意にならないところが蛍なのである。

蛍は小夏に「真の節約美女」を見出し・・・うろたえるのだった。

小夏の作るお萩は「天使のわけまえ」のくるみ(観月ありさ)のお萩に匹敵するほど美味だったらしい。

蛍は恋のライバルに負けないためにお萩を完食するのだった。もちろん、部長にたべさせないためである。

週末、蛍は「美丘」をなんとなく視聴する。

もうすぐ死ぬ女「星はいいな・・・とっくに消えたとしても光は遠くまで届いて」

女が死ぬとは知らない男「今、君は生きているじゃないか・・・その方がずっといい」

もうすぐ死ぬ女「・・・」

その夜・・・部長と蛍は縁側で星を見るのだった。

「あの小さい星・・・あれは私です・・・」

「あの星は超新星だから・・・爆発してもうないぞ・・・」

「えー・・・私・・・もう死んじゃったんですか・・・」

蛍はガッカリした。蛍の願いはただ一つ、ずっと部長と一緒に暮らして生きたい。ただ、それだけである。なにしろ・・・そうすれば食費などの心配をしなくてすむのだ。

「部長・・・イベリコ豚って何ですか」

「それは・・・スペインのとてつもなく美味とされる豚だ・・・」

「部長はイベリコ豚を食べたいですか」

「そりゃ・・・食べたいさ。イベリコ豚好きだもん」

蛍はその言葉に決意を固める。お萩の仇はイベリコ豚でとる覚悟である。

節約美男である部長は「夜なべしてもいいけど眠るときは電気を消して節電するように」と忠告する。しかし・・・蛍はつけっぱなしはありで口を半開きで眠り込んでしまう。

部長は様子を見に来て消灯し、蛍の口を優しく閉ざしてあげるのだった。

決戦の日。キッズフェア。部長におねだりしてやってきた千夏も参加するちびっこ障害物競走に「みなしごハッチ」に扮した蛍は果敢に挑む。

周囲の人々はイベントを盛り上げるために蛍が参加していると考え、評価するのだが、蛍はガチンコで賞品のイベリコ豚を狙っているのである。

全市民の中で部長だけが・・・その本心を察知するのである。

なにしろ・・・部長は深く深く蛍を理解しているのだ。

ホタルの理解者ナンバーワンなのである。

しかし、千夏が転倒したために・・・それを助けた蛍の野望は露と消えるのであった。

空腹と睡眠不足と絶望で蛍は気絶するのだった。

ホタルの誤解者筆頭である瀬乃はかけよる。

部長は立場を考えて・・・かけよることができず・・・二人の前には暗雲が漂いだす。

なにしろ・・・前回は予想を覆して逆転勝利をおさめた部長である。

今回・・・意外な結末が待っていてもおかしくはないのである。

まあ・・・そんな結末は・・・アホ宮・ぶちょおのカップルについているファンは全く望まないのでそうはならないと思いますけどね。

担ぎ込まれた山田姐さん(板谷由夏)の家から蛍が戻ってくると・・・部長は居間で仮眠中である。もちろん・・・蛍のことが心配で待っていたのである。

そんな部長に蛍は・・・。

「ぶちょお・・・寝ちゃったの?・・・ぶちょお・・・イベリコ豚、獲得できなくてごめんね」

と言いながら寝顔に豚を悪戯描きするのだった。

目覚めた部長は鏡を見て「あほみやぁぁぁぁぁ」と怒るのだった。

蛍はうれしかった。雨宮と呼ばれるよりも・・・アホ宮と呼ばれていたい。

だって・・・それは愛の証だから・・・。

やはり・・・この二人、破滅に向かって突き進んでいるような気もします。

その後・・・イベリコ豚が評判のレストランのディナー券を山田姐さんと二ツ木(安田顕)のペアに譲った二人は・・・イベリコ豚から見放されたように見えますが、誤解者の瀬乃が「イベリコ豚のレストラン」に蛍を招待。

お持ち帰りのためのタッパーウェアを持参でいそいそと出かける節約貧乏の蛍。

どう考えてもデートの状況だが・・・部長は深い深い眼差しをそそいで蛍を送り出すのである。

どうでもいいが・・・美香(臼田あさ美)をはじめとする他のメンバー・・・出る幕あるのか・・・。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

Hcinhawaii0653 ごっこガーデン。西瓜とイベリコ豚と愛の縁側セット。まこいけいけハッチ、みつばちハッチ・・・ハチの一刺しのためにパンツ部分は脱着ワンタッチになってマス。イベリコ豚はカマボコより儲かるみたいでしゅね~。今月のお小遣いで千匹ほど輸入してみました。夏はトンカツでビタミンB群不足を補うのでしゅ。まこの節約美女は永遠の旅人さんでしゅよ~。このブタには彦左衛門と名前をつけてみました~。食べごろはいつでしゅかね~ぐふふ・・・じゅるじゅる・・・さあ、次は西瓜の種とばし競争をしましゅよ~・・・ところでこのドラマ・・・今回もチューはずーっとナシですか~?・・・意外と瀬乃とは一回くらいあったりして・・・ちょっと困りましゅね・・・くういやぁぁぁぁぁ、部長の一言が耳に痛すぎる~・・・でもねえ・・・部長は厳しさの三倍くらい優しいからな~・・・そこが現実とは違うと思ったりするのさ~お気楽前の部長は・・・蛍の片思いを応援していたんだよね・・・それが今ではできてもいないのに相思相愛の二人・・・これで瀬乃に蛍がよろめいたりすると・・・なんだかものすごく不純な感じになるけど・・・大丈夫なの?」ikasama4やはり、お習字は楽しいですな。文字には不思議な力があるのです。一人でも行くといってたイベリコ豚のディナーを二人そろって譲る二人・・・似た者同志なのですな・・・しかし、結局、無駄遣いを説教したり、ブティックで洋服買ってあげたり・・・部長はパパ体質なのではないでしょうか?・・・恋愛ドラマとしては微妙な感じが・・・それなのに面白いって不思議ですな~・・・とにかくある意味絵になるドラマ・ナンバーワンですから~エリ前回、ステキOLとして後輩に賞賛された蛍の不思議な顔が頭から離れないのでス~、かわいいのよね~。綾瀬ちゃんて勉強になりまスーmariやはり、眉の寄せ方が上手なのよねえ・・・怒っているのと困っているのの中間くらいな感じですねえ。萌え~ですよ~。部長と蛍のほんわかムードと、山田姐さんと二ツ木のやるせない感じ・・・対比が巧妙なのですねみのむし夏ドラマも本格的に始まってきましたるるる・・・皆さんのお目当てのドラマはいかがでしたか~?・・・じいや、西瓜をテイクアウト用に包んでね・・・節約美女なのでるるる

金曜日に見る予定のテレビ『崖っぷちのエリー』(テレビ朝日)『蒼井優のうぬぼれ刑事』(TBSテレビ)「モテキ」「宇宙犬作戦」「大魔神カノン」(テレビ東京)

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2010年7月14日 (水)

笑い仮面は夜クルーザーを操舵する(堺雅人)

「泣かないと決めた日」、「絶対零度~未解決事件特命捜査官~」につづく、フジテレビ火9の超時空世界ドラマ第三弾である・・・それは違うと思うぞ。

哲学的には「ソクラテス」が「悪法もまた法なり」と言ったと「プラトン」が述べてから、無実を訴えてつつ出頭しなかったり、法的に無実なものを私的に制裁したりするのは論理的ではないという結論がでている。

それから、二千年以上もたっているのにまだ「緊急避難として逃亡者は同情の余地がある」とか「悪党は闇の中で葬る」とかそんな戯言が通用すると考えるのが物語作者というものなのである。

まあ・・・夜の海のクルーザーと言えば・・・弁護士一家を殺害したり、サリンを散布して大量殺人事件を引き起こしたオウム真理教が想起される。どれだけの行方不明者がその船に拉致監禁されていたか想像するだけで恐ろしい。

まあ・・・というわけで主人公がテロリストという誰もが思いつくがなかなかに実行が難しい作品を・・・超時空世界ドラマ枠だから・・・ということで強行である。

頭悪くていいぞ~。詐欺師が教師の「ハンマーセッション」、弁護士が無実の罪で逃亡の「逃亡弁護士」に続いて刑事が殺人鬼の「ジョーカー」である。・・・夏なんだなあ・・・きっと。

火曜日のドラマ対決は①「ジョーカー」13.9% ②「逃亡弁護士」↘7.5% ③「天使のわけまえ」↘*6.2%

レビューはしないが・・・「天使のわけまえ」は火曜日の中ではダントツに楽しいドラマだと言える。

で、『ジョーカー 許されざる捜査官・第1回』(100713PM9~)脚本・武藤将吾、演出・土方政人を見た。もちろん・・・「必殺仕事人」という法外の悪を法外の善が討つ空想時代劇があるわけだが・・・最近のこの手の傑作と言えばドラマ「怨み屋本舗」(テレビ東京)である。その傑作度を100とすると50くらいの仕上がりである。・・・どういう計算だよ。また・・・死刑にならない犯罪者を殺したい刑事がいる・・・という設定だけを考えれば「リミット~刑事の現場2」(NHK総合)があり、その重厚度を100とすると50くらいの出来だろう・・・だからどんな根拠に基づいているんだよっ。まあ・・・そこそこ・・・ということです。

舞台となるのは神奈川県警。なんか・・・こういう変化球の刑事ものって・・・神奈川県警が人気だよな。なんだろう・・・警視庁に気を使っているのか?・・・東京都ではできないことが神奈川県なら許されるっていう感じなのかな。

キャリア(幹部候補生としての国家公務員・・・制度上の特権階級)の宮城あすか(杏)は新人女性刑事として神奈川県警捜査一課強行犯係に配属される。お世話係を命じられたのは伊達一義警部(堺)である。あすかは警部補だが、たちまち警視になられるお方なので粗相があってはならないのである。

実は宮城には殉職した刑事である兄がいて、伊達警部はその同僚だったという因縁がある。

強行犯の実質リーダーは来栖刑事(平山浩行)で・・・温厚な伊達班長に代わって現場を仕切るのである。

ジョーカーというトランプのカードには二面性がある。一つは最強の切り札という意味で、もう一つは逸れ者という意味である。

鑑識課の久遠巡査部長(錦戸亮)は捜査に首をつっこむということでは鑑識課のジョーカーと言える。鑑識課には居場所がなく、倉庫にデスクがあるという変り種で・・・ある意味ではラスボス化する可能性を含んでいる。なにしろ・・・錦戸なのである。

相武紗希、沢尻エリカ、上戸彩、長澤まさみ、上野樹里、水川あさみ、戸田恵梨香と共演する女優を必ずスターに仕上げる錦戸である。杏は果たしてどうなることか?・・・しかし、錦戸はどんな魔力を秘めているのだ。

嗜虐的快楽殺人犯人・木内亨(細田よしひこ)は少年ミーくん(貴島康成)を改造エアガンで殺害する。

ミーくんの父(小市慢太郎)と母(中込佐知子)の嘆きを他所に、逮捕された木内は父親が検察庁の幹部だったために捏造された調書が用意されており、不起訴処分となるのだった。

ミーくんの遺品の靴に盗聴器を仕掛け両親の嘆きを盗聴して愉悦を感じる異常性格者の木内だった。

「ひどい」「ひどすぎる」と口をそろえるあすか警部補と久遠巡査部長。

しかし、上司である井筒捜査一課長(鹿賀丈史)の命令により、黙々と木内を解放する伊達だった。

「奴を法で裁くことはできないのだよ・・・」

意味ありげな言葉を残す伊達にはいつも見る夢があった。

殺し屋と対峙する少年(今井悠貴)・・・その手には刃物が握られている。少年の両親はドラム缶でコンクリート詰めになっている。

「どうした・・・刺せばいい・・・刺さなきゃ・・・お前の親を殺しちゃうぞ」

「・・・」

「はい、時間切れ」

殺し屋に射殺される少年の両親。

「ほら・・・お前が刺さないから・・・お前の親は死んじゃった・・・お前が殺したようなもんだな」

「・・・」

少年は殺し屋の背中を刺す。

思わせぶりな夢すぎる・・・。

とにかく・・・伊達は「法律で裁けぬ犯人を神隠しにする闇の顔」を持っているらしい。まあ、この場合は法で裁けないのではなくて単に神奈川県警が権力者の要請に応えて組織ぐるみのもみ消し工作を行ったので・・・罪を問うなら神奈川県警ごと核爆破しないとダメだよな。

ま・・・それを言ったらおしまいなので・・・伊達は人気のない往来で・・・どこなんだよ・・・木内を射殺・・・したふりをして、クルーザーでどこかへ移送するのである。

なんていうか・・・最後の最後で腰がくだけました。

木内の消えた現場で・・・あすか警部補が伊達のワイシャツに付けたユニークなボタンを発見した久遠はニヤリである。

まあ、見てもいいけど見逃してもそれほど残念な感じがしない・・・いつもの火曜日のドラマが始まったのです。

ちなみに・・・今回の「逃亡弁護士」は包囲した刑事の群れをちょっとした木陰に潜んでやり過ごしました。きっと透明マントを持っているのだな。

関連するキッドのブログ『ラスト・フレンズ

木曜日に見る予定のテレビ『科捜研の女』(テレビ朝日)『怪談新耳袋』(TBSテレビ)『日本人の知らない日本語』(日本テレビ)『長澤まさみのGOLD』(フジテレビ)

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2010年7月13日 (火)

ラクダ刑事の裏ハンチョウ・・・男と女の人生途中下車(佐々木蔵之介)

ああ・・・ふがいないほど・・・ださいタイトルになってしまう・・・しかし・・・それが「水戸黄門」のシーズン・オフに輝く・・・「ハンチョウ」の世界なのである。

一言で言えば・・・うらぶれています。

それだけに生々しい。

まあ・・・月9の谷間にだけ・・・ふと触れる・・・どこかわびしい世界。

ラクダ刑事は今日も説得力があるんだかないんだかわからない熱い言葉を吐き・・・そして犯人はため息をつく。

しかも・・・ゲスト女優は渡辺典子だ。

薬師丸ひろ子や原田知世がいつまでも妖精なのに・・・一人、中年女性を演じる角川三人娘の一人。

人間って不思議・・・。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「崖っぷちのエリー」*8.1%(実名勝負でよかったのに・・・関係者一同涙目でせめて「りえぞう始末記」くらいで・・・おしゃれな話じゃないんだから・・・)、「うぬぼれ刑事」12.2%(実にクドカンらしい数字にもどってきたーっ)、「ハンマーセッション」*8.6%(キャスト的に崖と同じ数字じゃな)、「美丘」10.4%(ださいけど尻上りか)、「鉄の骨」*5.5%(鉄骨飲料の話にしておけば・・・どうにもならないよ)、「龍馬伝」↘17.0%(武市瑞山物語になってます・・・)、ついでに「ハンチヨウ」↘12.4%、「ゲゲゲの女房」↗21.8%・・・以上。

で、『ハンチョウ~神南署安積班~・シリーズ3・第2回』(TBSテレビ100712PM8~)原作・今野敏、脚本・いとう斗士八、演出・竹村謙太郎を見た。警視庁神南警察署(架空)の刑事課強行犯係の安積警部補を中心とした所轄の刑事たちの活躍を描くこのシリーズ。延々と続いています。まあ、誰かが未成年者なのに喫煙しちゃわない限り延々と続く習性を持っているワクなのですな。

所轄管内で・・・渋谷区神南あたりは渋谷警察署と代々木警察署の縄張りの交錯する界隈である・・・殺人事件が発生。

居酒屋で酔った客(春海四方)が注文の後先のことでクレームをつけ、大騒ぎしていると・・・突然立ち上がった常連客の一人・船村(江藤潤)がビール壜をとりあげ、クレーマーを撲殺してしまう。

船村は女連れで・・・そのまま行方をくらます。

安積たちは・・・船村の住居に残された遺留品から・・・染谷美津保(渡辺典子)というわびしい女の人生を垣間見ることになる。

船村はタクシーの運転手・・・美津保は客だった。

女は暗い思いつめた目をしていた。

運転手は女が自殺をしようとしているのではと気遣った。

「私でよかったら・・・悩みを話してみませんか・・・」

女は優しい声にすがりついた。

美津保はドジッ娘体質の専業主婦である。

「あれは・・・雨の夜でした・・・私は夫を車で駅まで迎えに行く途中・・・帰宅を急いだ夫を轢き殺してしまったのです」

「・・・」

「そんな自分がどうしても許せなくて幼い子供三人を家に残し・・・死に場所を探しているのです」

「・・・バカなことはよしなさい・・・とは言いません。私も交通事故で娘を亡くしましてね・・・トラックが積載量オーバーの積荷を歩道にばら撒いて・・・娘はぺしゃんこに・・・娘の死を受け入れがたかったのか・・・女房は後追い自殺をしました・・・私はただ一人残されて・・・こうして生きているのです」

「・・・」

二人はどちらともなく・・・居酒屋に行き・・・そして気がつくと一夜をともにしていたのである。

連れ合いを亡くした者同士・・・情欲の炎は燃え上がったのである。

・・・やるせない。

むさぼりあいつつ・・・心は冷えて・・・体は燃える中年男女だった。

こうして・・・二人は奇妙な同棲生活を始めたのだった。

驚くべきことに・・・美津保は中学生の男の子(菊池風磨)や小学生の女の子(近藤里沙)そして幼児(猪野竜平)をネグレクトしたのである。

それほど心が病んでいたということなのであるが・・・息子に言わせれば「こんなときにちちくりあって・・・けだものかっ」なのである。

それをラクダは諌める・・・。「お母さんだって女なんだよ」・・・違うだろっ。

ともかく・・・居酒屋で船村が撲殺したのは・・・偶然居合わせた・・・船村の娘を殺した殺人トラックの所属する運送会社の経営者だったのだ。

復讐を成し遂げて死に場所を求める船村の逃避行に同行する美津保だった。

そんな時・・・美津保の娘は喘息の発作で入院する。

息子からの電話で「あんた・・・母親だろう・・・こんなときに子供のそばにいなくて平気なのか」と説教される美津保。

ラクダ刑事はその電話を横取りし・・・「船村さん・・・死んだ奥さんと娘さんのためにも出頭して罪を償ってください」と説諭する。

翌朝・・・朝もやの中で美津保の住居前に張り込むラクダ刑事。

船村と美津保は晴れ晴れとした表情で姿をみせる。

ラクダは思う。

(やったな・・・この二人・・・思い残すことがないように燃えに燃えまくったな)

ラクダの耳には二人のせつない喘ぎ声が聴こえるようだった。

ラクダ「充分に別れを惜しんだか・・・」

船村「年なので・・・もう身が持ちませんし・・・」

ラクダ「まあ・・・こういう場合の欲情はキリがないもんだ」

美津保「・・・もう・・・およしになって・・・」

こうして・・・船村は裁きの場へ・・・そして美津保は母親としてあるべき場所へ戻っていったのである。

どこか疲れた美津保のうなじを見つめたラクダは幽かな嫉妬心を感じるのだった。

これにて一件落着。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホタルノヒカリ2』(日本テレビ)

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2010年7月12日 (月)

米を銃に換え銃を米に換える時半商半士の我が武は成り申す(坂本龍馬)

いかにもスケールの小さな男たちが坂本龍馬を気取るとき・・・坂本龍馬愛好家は涙目である。

そういう男たちの政党が議席ゼロに終ることは非情に愉快なことである。

公平中立が建前である各放送局がいかに偏向を免れないものであるか・・・。

テレビを数台並べて、選挙の報道を並べているとよく判る。

タレント議員に疑問符を投げかけながら、いかに各局がヤワラちゃんに時間を割くことか。

民主党惨敗をどの局も伝えながら・・・ある局は途中経過をずっと民主党リードで流し続ける。

民主 国民 自民 公明 共産 社民 みんなの党

  37      0      40      7       2       1      5

民主 国民 自民 公明 共産 社民 みんなの党 

 40      0      37      7       2       1      5

同じ時刻にまったく逆の当確予測である。

一体・・・誰に気をつかっているのか。

とにかく・・・某与党ではガマ親分派とコブタ派が早くも責任の押し付け合いを開始している。

国歌を愛さない遺憾総理の元・・・すでに国民不在の政治は始まっているのだな。

「オレがやめたからこのザマだ」「あんたがやめなきゃもっとひどいことになってた」

この泥試合が始まるかと思うと・・・悪魔はちょっとうれしい。

ビートたけし「蓮舫の選挙事務所は赤一色で中国みたいだな」

まあ・・・台湾と日本の二重国籍から日本を選択した人なので・・・かなり微妙な発言である。

一方で小泉純一郎の次男である小泉進次郎はなみなみならぬ遺伝子の強さを発揮する。

「自民党が与党を目指すとしたら大間違い、まずは凄い野党になることだ」という明瞭な意志表示とそれに反応する庶民の拍手喝采ぶりは・・・世襲批判よりも職業選択の自由の勝利を物語る。

テレビは編集によって事実を捏造するのがその基本だが・・・それを越えて伝わってしまう魂というものがある。

日本という小さな国がそれなりに世界の列強と肩を並べていられるのはやはり・・・民が本質的に賢いからである。

時に熱く、時に冷たい視線をあびながら客寄せパンダたちはそれなりにがんばったと思う。

女優なんてやめられるような職業ではないと思うが「ガン体験」を通じて女をあげた三原じゅん子はかなり好印象を獲得したと言える。

見直した人も多かったのではないか・・・。

まあ・・・これから先がどうなるのかは・・・知りませんけど。

民主 国民 自民 公明 共産 社民 みんなの党   その他

 44      0      51      9       3       2     10      2

さあ・・・混迷の日本の夜明けぜよ・・・ワールド・カップ決勝は延長戦へ。そしてミス・ジャッジの後のスペインの勝利・・・あきらかにスペインのゴール・キックではなく、オランダのコーナー・キックだったよな。まあこれが「最悪の判定と優美な勝利というサッカーの醍醐味」である。宮里藍の全米女子オープン優勝はおあずけの模様ある。・・・やはりおあずけだった。

で、『龍馬伝・第28回』(NHK総合100711PM0710~)脚本・福田靖、演出・大友啓史を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は乾坤一擲の第二部の主役・武市半平太描き下ろしイラスト(辞世付)大公開。今度生まれ変わっても夫婦・・・聖子ちゃんかの三の字斬りの大切腹の迫力が圧巻でございます。龍馬の潜入・脱出ルートの解明をお茶の間に委ねるというのはエンターティメントとしては姑息ですが・・・介錯を制して・・・まだまだ~は・・・きっとそれがやりたかったのでやりきれてスタッフ&キャスト大満足でございましょう。とにかく大森瑞山は印象深く残ったということで。まあ、見事な拷問化粧を施した佐藤以蔵も新たな萌えを大いに獲得して天晴れでございましたな。ワーオワーオタケル~でございます。一方、海岸に集まった一騎当千の志士たちの姿は漸く凛々しく・・・歴史上の人物、坂本龍馬と愉快な仲間たち・・・いよいよ始動という趣がありました。ここからが・・・いよいよ福山龍馬が真髄を問われることになるのでしょうな。まあ、ひょっとしたら第二部を武市・以蔵ペアにもっていかれたように・・・第三部を高杉晋作あたりにもっていかれる可能性もなんとなく感じたりもいたしますがーっ。とにかく・・・お元が楽しみ・・・ですなーっ。

Ryoma186502 で、慶応元年(1865年)閏五月、武市半平太は罪状否認証拠不十分のまま、切腹を申し付けられる。罪を認めぬまま、切腹を申し付けられれば見事に腹をかっさばいてみせる。武士の魂は現代人にはなかなかに理解しがたいものである。武市は作法にのっとり三文字で切腹をしている。つまり、三回に渡って自腹を横に切っているのである。一般的には最初に内蔵まで切断すれば苦悶して失神するのが普通であり、それを三度行うのは尋常ではない精神力が必要とされることがわかる。一文字の切腹より、十文字(横の後に縦切り)、十文字より三文字がより苦痛を伴うわけである。一般的には一文字を行った瞬間に介錯人が首の皮一枚を残して頚動脈を切断するのが切腹者に優しい切腹と言えるのだ。

死に様において潔くしかもインパクトを与える死に方を選ぶのは美意識として異常であることは言うまでもない。もちろん、現代人には想像外の心の動きであり、ここまで見事な切腹の場合にはなんらかの局所麻酔を施していた可能性もある。

それはともかく・・・武市瑞山は切腹した。

尊王攘夷がいつしか幕府転覆の色合いを強めたことに対し、幕府は各藩に対する圧力を強め、その結果による土佐勤皇党に対する弾圧となり、それが下士の反乱を引き起こし、土佐藩としても首謀者を無罪放免するわけにはいかなくなったのである。

岡田以蔵は数々の暗殺の実行犯として犯行を自供している以上、処刑を逃れるすべもなかった。

しかし・・・問題は岡田が土着の犬神の一族であったことである。

後藤象二郎は乾退助を呼んだ。

「以蔵をどうすればええがじゃ・・・」

「岡田は一族の中でも・・・特に犬神の血を色濃く示したものでございます」

「わかっちょる・・・拷問して目を潰そうが、指を切り離そうが・・・翌日には元の体に戻ってけろっとしちょる・・・肝が冷えるとはこのことじゃきに」

「しかし、生あるものはやがて亡びるが必定・・・犬神のものといえど・・・命は永遠に続くわけではござりませぬ」

「そうかえ・・・」

「新月の夜を選び、四肢を切り離し、血をすべて貫いた後・・・五体をすべて火にかけ、灰になるまで焼き尽くすのでございます」

「・・・手間がかかるのう・・・」

以蔵は鎖にまかれたまま、牢に転がっていた。

月影の中から一人のくのいちが姿を見せる。

「以蔵・・・処刑の日が決まったぞ・・・何かして欲しいことがあるか・・・」

以蔵は唇を震わせた。

「・・・加尾か・・・」

「そうじゃ・・・」

「よい・・・わしは人を殺めすぎた・・・殺したものたちが夜毎に夢枕に現れてせめたてるき・・・もう楽になりたい・・・」

「・・・そうか」

「平井様も・・・先に行って待っておるき・・・伝える言葉があれば・・・聞き置くぞ」

「ふふふ・・・忍びに・・・そんなものは無用じゃ・・・」

「それもそうじゃのう・・・」

「武市様、収二郎兄さん、龍馬・・・みんなで仲良く遊んだ頃が懐かしい・・・」

「まっことそうじゃのう・・・」

加尾は水を湿した手ぬぐいでそっと以蔵の唇を拭う。

「・・・甘露じゃ・・・お前は・・・気立ての良い女子じゃな・・・」

しかし、すでに牢獄から人影は消えていた。

以蔵の首は炎の中で叫んでいる。

「熱い・・・熱い・・・こりゃ・・・たまらん・・・熱い・・・熱い」

役人の指図で以蔵の首を炭焼きにした非人は恐ろしさのあまりに三日三晩うなされたと言う。

やがて・・・その声が消えたとき、以蔵は骨と灰になった。

骨は粉々に粉砕され・・・五体はそれぞれ別の山に埋葬された。

それぞれの埋葬場所では恐ろしいほどの樹木が成長し・・・以蔵の呪いとも言うべき生命力を物語っていた。しかし、今や・・・その場所を知るものはいない。

薩摩藩大阪屋敷で龍馬は武市や以蔵の最後をくのいちの春猪から聞いた。

龍馬は月琴を爪弾いた。

行く月を惜しむ夜も

幻となりてや

散る花を儚む日も

夢の如く虚しや

待っちょり

待っちょりなあ

もうじき行くげな

それや それや

慶応元年の夏の夜は更けていった。

関連するキッドのブログ『第27話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ジョーカー許されざる捜査官』『逃亡弁護士』(フジテレビ)『天使のわけまえ』(NHK総合)『土俵ガール!』(TBSテレビ)

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2010年7月11日 (日)

犯罪者を教育者にするすっとこどっこいな学園物語(志田未来)ビンタビンタビンタ(吉高由里子)

文学にしろ、漫画にしろ、ドラマにしろ・・・モラルに反逆することは極めて正常なことである。

しかし・・・そこには相当な覚悟が必要だ。

毒をもって毒を制すという言葉に従って、虞犯少年を糺すために犯罪者を教師として採用する学園・・・。

これはもう完全に狂人の仕業と言っていいだろう。

そのコミックを連載する雑誌も狂人だし、それを原作としてドラマ化する放送局も狂人である。

教え子が刑事の娘というドラマ版の追加設定は少年漫画雑誌とテレビドラマの「限界の違い」をうっすらと臭わせる。

まあ、「相撲賭博」の力士たちを他の局と同様に追求しているわけだから、反社会勢力に組するようなドラマは作れないわけである。

まあ、底の浅いルールよりもモラルみたいな展開になると考えます。

一方で、いわゆるかぐや姫ルーツの原作小説のあるお涙頂戴ドラマもスタート。まあ、こちらはお約束の範囲でケータイ小説のプロフェッショナル・ヴァージョンというムードである。

二つのドラマに共通しているのは・・・まあまあ面白いということである。

で、『ハンマー・セッション!・第1回』(TBSテレビ100710PM0756~)原作・小金丸大和(他)、脚本・高橋麻紀、演出・麻生学を見た。囚人護送車が事故に遭遇、詐欺師の音羽4号(速水もこみち)と反社会勢力所属の傷害犯・今村昌平(六平直政)は逃亡犯となる。たまたま逃げ込んだ学園で水城校長に見出された音羽は詐欺師の能力を見込まれて教師としてモラルの危機にある学園の現状を修正するように要求される。

この校長を演ずるのが小日向文世であり、悪魔に魂を売り渡した小悪党を演じさせたら天下一品なので・・・荒唐無稽な展開の破綻をただ一人で食い止めるのである。・・・ある意味、ずるいぞ。

こうして・・・詐欺師は蜂須賀悟郎と名乗り、教員免許もないのに教壇に立つことになる。ついでに今村は用務員としてなし崩しに雇用される。・・・まあ、ある意味、この時点で公序良俗的にはアウトである。

ま、それはそれとして・・・本名不詳の蜂須賀は・・・生徒に巣食う心の闇を詐欺師の直感で洞察し、彼らの心に正義の灯を点すのである。まあ・・・その前に罪を償うべきなのだが。

ま、それはそれとして・・・転職した父親の境遇を悲観した生徒(石黒英雄)がハッピースラッピング(他人を強襲して心胆を寒からしめることに興ずる遊び)に現実逃避するのを諌め、罠を仕掛けて親子の仲を修復したりするのである。まあ・・・その前に警察に出頭するべきなのだが。

ま、それはそれとして・・・なぜかタイトな制服に身を包む楓(志田)はなぜかおっさん趣味という設定でなぜかてやんでえべらぼうめえなのである。何故なんだ。ま、変顔して、変なコスプレしていれば相変わらずかわいいので問題ないな。

一方、巨乳な小学生でお馴染みだった紗綾がメガネっ娘・浅倉結衣役で登場。一部愛好家を画面に釘付けである。

この他にも、新田真潮(高山侑子)、早乙女耀子(松山メアリ)、水野繭(逢沢りな)といった女生徒が配置され・・・目が離せない。

その上、校長の娘で3年B組の副担任の涼子(比嘉愛未)である。しかも性格設定が・・・ツンデレではないのだ。それは・・・どうかな?

ま・・・話の内容はともかく、目に優しいドラマであることは保証いたします。

関連するキッドのブログ『小公女セイラ

で、『美丘~君がいた日々~・第1回』(日本テレビ100710PM9~)原作・石田衣良、脚本・梅田みか、演出・猪股隆一を見た。主人公はクロイツフェルト・ヤコブ病(発病すると全身の不随意運動(マヒ)と認知症が進行しおよそ1年ほどで致死)のような難病患者である。本人は告知を受けており、やがて死に至る病に向き合って生きている。

少なくとも・・・初回は「死を覚悟した若者」と「そうでない人々」の乖離を主題として描かれており実に丁重で低調だった。

冒頭・・・ヒロインの美丘(吉高)は夜の大学校舎の屋上に登り自殺を試みようとする。

そこへやってきたのは小公女セイラの恋人だった太一(林遣都)である。

彼には麻理(水沢エレナ)というガール・フレンドがいるのだが、一目で美丘に恋をしてしまう。

なんだかんだそうでないフリをするがそういうことである。

美丘もこの世に引き戻されたことで女子大生にありがちな運命を太一に感じるのだった。

なんだかんだそうでないフリをするがそういうことなのである。

「星を見に来ただけよ・・・」

「星なんて見えないじゃん」

「よく・・・見るの・・・よく見ると・・・かよわい光の星も見えてくるのよ」

「あ・・・見えた」

「・・・星は何百光年も何千光年も遠くの光だから・・・滅びた後でも光として残る・・・うらやましいわ・・・」

「星がうらやましいか・・・考えたこともなかったよ」

「・・・」

もうすぐ死ぬと分っている人間と・・・それを意識しない人間。

二人の隔たりはやがて消えるだろう。

今回のやりすぎは・・・彼女の特殊性の引き出し方が・・・あまりロマンチックではなかった点にある。

一人、ランチを食べる美丘。そこへ女子大生の女友達集団がやってくる。

マリのお客をとったってそりゃもう大騒ぎの図である。

美丘がグループの一人のボーイフレンドに手を出したということで問責なのである。

「ずっと片思いでようやく交際を始めた彼なのに」

「向こうから声をかけてきたのでつきあっただけよ・・・それに彼は彼女いないって言ってたわよ」

この流れで・・・ふたまたかけられた女子大生の女友達がいきなり、美丘をビンタである。

どう考えてもビンタされる流れではない。

そこで美丘はビンタ返しである。

すると・・・周囲が「何するのよ」である。

いや・・・先に手を出したのはどっちだよ・・・という話だ・・・しかも学食である。

目撃者多数である。

「やだ・・・みんなこっちみてる・・・」ってそりゃ見るだろう。

この脚本のこの部分で脱落した人は多いと思う。

さて・・・やがて天に召されるかぐや姫という竹取物語をベースとするこの手の物語では翁と嫗は重要だ。

かってもドラマ「1リットルの涙」の陣内孝則と薬師丸ひろ子。ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」の三浦友和と手塚理美などがナイス翁嫗コンビを演じてきた。

今回は父(寺脇康文)母(真矢みき)である。

これがちょっとミス・キャストの香りがする。

病院の検査をさぼり帰宅した娘が「もう・・・身体の心配しても意味ないでしょう」と苦しい胸の内を明かすと思わず母が娘をビンタである。

ここでビンタはないと思うが・・・それでもビンタをするのなら・・・かよわい母親が精一杯の気持ちで仕方なくしなければならない。

この母はなんとなくはったおす勢いである。

だめだ・・・っていうか真矢みきには合ってないだろう。真矢をキャスティングした以上・・・ここは唇噛みしめて泣いちゃうとか・・・そういう逆方向でいかないと。

まして一回にビンタ三回はかぶりすぎだ。

ふられ役である麻理。

その女友達の直美(中村静香)が今度は夜のカフェで彼氏に二股かけられたことが発覚。

「もう死にたい」という直美を慰める麻理。

そこに居合わせた美丘が「そんなことで死にたがるなんてバカだ」というと麻理は美丘に「なんてことを言うの」である。

いや・・・それはそうだが・・・「その通りだけど・・・もう少し優しくね」ぐらいで良いだろう。強調しすぎは物語全体を低調にするのである。

いや、それより・・・昼の部と夜の部でネタがかぶりすぎだろう。

せめて・・・笠木(勝地涼)か北村(夕輝壽太)が「一日に二回二股騒動かよ」とか「行け!鉄人」とか言うべきだぞ。

とにかく、店を飛び出した美丘は二股男を追いかけ乱暴狼藉の限りを尽くすのである。

大騒ぎとなって警官が登場。

手に手をとって逃げる美丘と太一。取り残される麻理。

冷静に経緯を見つめるドクター高梨(谷原章介)「まあ・・・拙い手も三回出せばそれなりに・・・様式美となります・・・つまり、一日に二股男は三人いるのが今の大学生活の実態ということなのですな・・・ははは」

まあ・・・そういうあまりおしゃれではないところを除けば吉高由里子の魅力は炸裂しています。まあ・・・前回まで「怪物くん」やってた枠としてはこれが精一杯という考え方もありますし。

関連するキッドのブログ『ラブ♡シャッフル

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ』(TBSテレビ)

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2010年7月10日 (土)

キミ犯人じゃないよね?じゃないよね?(長瀬智也)うぬぼれ刑事なんですーっ!(加藤あい)

あれから10年である。

いや、「スープの回」(2003)があるので7年である。

まあ、「池袋ウエストゲートパーク」(2000)のマコト(長瀬智也)とヒカル(加藤あい)のラブ・ストーリーから流れた歳月の話なのである。

虚構の世界には様々なカップルが誕生する。

しかし・・・もっとも結ばれてほしかったカップルを一組あげろと言われたら・・・「ローマの休日」の王女と新聞記者か、この二人か・・・同点決勝になると思うキッドだった。

再び、いや三度(後藤真希も出ていた「ヤンパパ」(2002)もカウントすると)、いや四度(夫婦役だった「弟」(2004)もカウントすると)めぐり合った二人・・・しかし・・・待っていたのは悲しい別離だった。

ま、可笑しくって涙が出ちゃう・・・幕切れですけれども・・・。

今度会う日は来るのか・・・それともこれが最後なのか。

なんていうか・・・お似合いなのに。

で、『うぬぼれ刑事・第1回』(TBSテレビ100709PM10~)脚本・演出・宮藤官九郎を見た。実は西原理恵子の自伝的ドラマ「崖っぷちのエリー」もかなり面白い。ものすごいことにネタでリエとエリの言い間違いがあり、リエゾウとエリーは違うだろう的なすれちがいさえ起こっている。しかし、悲しいかな、山田優と塚地武雅と加藤あいと長瀬智也を比較するとタレントパワーに差がありすぎるのである。いや・・・あくまでキッドの個人的価値観の話ですけど。

ついでに金曜日には今後、「オダジョー×三木聡」という「熱海の捜査官」という強力なコンテンツがやってくる。木曜深夜の「もやしもん」とか金曜深夜の「モテキ」とか油断できないドラマでも付入る隙はないのである。

一日一本のレビュー体制は・・・きっと凄くやりくりに悩むことになるのである。

そのぐらい・・・「うぬぼれ刑事」面白いぞ。

さて、企画段階で・・・当然、「キミ犯」の存在が問題になったはずだが・・・「キミ犯」の必ず容疑者に一目惚れをしてしまう宇田川刑事を演じた要潤がキャスティングされたことでツッコミを封殺した感じです。まあ、一応ツッコミましたけどね~。一種のお約束だもんね~。

まあ・・・同じネタでもクドカンにかかればここまでおしゃれになるのか・・・ということで。

クドカンの前には、つかこうへい、野田秀樹の両巨匠がいるわけだが、その亜流渦巻く中で、クドカンが燦然と輝くのは「いいとこどり」の名手だということだろう。

野田秀樹的な言葉遊びでは「余命3、4日の花嫁」でふとんは必ずふっ飛ぶだろうし、骨の髄まで惚れぬいた女(中島美嘉)がなぜか同僚の刑事(荒川良々)の新妻という構図はつかこうへいの「蒲田行進曲」的情念の世界を彷彿させる。

まあ、ずるいと言えばずるいが・・・この両者を融合して両立させることができるのが天才と言うものなのだな。

愛して愛して愛しちゃった女が別の男・・・しかも荒川良々である・・・に愛妻弁当を作って職場訪問・・・この場合の二枚目の三枚目的やるせなさはものすごく不条理で感情移入したら悶え苦しむこと確実なのである。

淡々とした凄みがあります。

さて・・・そんなわけで・・・第一の容疑者は・・・被害者と共に将来を誓い合いながら・・・交際が露見すると無情にも別離したサッカー選手と女優のように・・・簡単に愛を失った女・貴崎恵里子(加藤あい)・・・。

愛する女・里恵(中島)を同僚のライバル刑事冴木(荒川)に奪われた傷心のうぬぼれ刑事(長瀬)は捜査中に出会った恵理子にたちまち心を奪われるのである。

電子的身分証明書を使ったアリバイ・トリックで自分を裏切った男を殺害した恵里子。

捜査が進むにつれ・・・恵理子の容疑とうぬぼれの愛は深まっていく。

そのうぬぼれの愛を応援するのが・・・バー「私は私」に集ううぬぼれ仲間たち。

大学教授の栗橋(坂東三津五郎)、ホームレスの運命(生田斗真)、パティシエの松岡(要潤)、中井貴一と一字違いの穴井貴一(矢作兼)である。

全員が「エロエロエッサイム」・・・じゃなくて「ラブラブエッサイム」の呪文の元、うぬぼれの恋を全面的に支持である。

バーテンダーのゴロー(小路勇介)だけは醒めていて「恋人ではなくて犯人でしょう」とサービス業としてはあってはいけない態度で客に接します。

そして・・・うぬぼれを溺愛する・・・元福島県警本部長の父親・葉造(西田敏行)・・・警察官僚としての勘は冴え渡り・・・クロ(ホシ)はクロ(犯人)だとただちに断定しながら・・・息子の恋路を暖かく見守るのである。

ああ・・・リアルとロマンの交差点に咲く花が色鮮やかに満開です。

白いスーツを身にまとい、大黒埠頭に恋しい容疑者を呼び出すうぬぼれ刑事。

刑事「婚姻届か逮捕状か・・・どちらかを選んでください・・・」

犯人「あなたも私を脅迫するのですか・・・」

刑事「私はただ・・・あなたを愛してしまったのです」

犯人「でも・・・もしも私があなたと結婚したらどうなるのです・・・あなたは刑事なのに・・・」

刑事「刑事か・・・そんなこともありましたな・・・しかし・・・私はただあなたの夫になるだけです」

犯人「そんな・・・私を逮捕してください」

愛を拒絶されたうぬぼれはただでは引きさがらない。彼女が拒絶しているのは・・・ただ恥じらいのため・・・というストーカーの論理優先です。

刑事「じゃ・・・指輪と手錠・・・どちらかを選んでください」

恵里子はそっと手を差し出し、お縄を受けるポーズを決めるのだった。

うぬぼれは涙で前が見えなくなり・・・泣きじゃくりながら恵里子に手錠をかける。

そんな息子を父親は「でかした・・・でかした・・・ようやった」と褒め称えるのだった。

恵里子は申し訳なくて社交辞令として最後の一言を残す。

「あなたと・・・もっと早くお会いしたかった・・・」

一件落着である。来週はお金が大好きな蒼井優が犯人です。「タイガー&ドラゴン」かよっ。

関連するキッドのブログ『流星の絆

日曜日に見る予定のテレビ『龍馬伝』(NHK総合)選挙でくりあげスタートです。気をつけて!

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2010年7月 9日 (金)

世界新記録って何時間何分何秒なのよ?・・・いや時間いれたらGOLDメダルは無理か(長澤まさみ)

さあ・・・とにかく・・・久しぶりにかわいい長澤まさみの見られるドラマである。

野島ドラマなので予断は許されないが・・・初回のリカ(長澤)のふにゃふにゃぶりは「ドラゴン桜」(2005)以来・・・と言っていいだろう。まあ・・・「セーラー服と機関銃」(2006)もよかったけれど・・・どうしても薬師丸ひろ子と比較してしまうからな。「プロポーズ大作戦」(2007)もあるがW主演だしな。一体、五年間・・・無能なスタッフたちは長澤まさみに何やらしてたんだ・・・と言いたい。

ちょっとバカだけれど・・・芯はしっかりしていて・・・やるときはやる娘・・・この路線で年一本は作るべきだろう。

まあ・・・時は流れたし、今さら、とりかえしはつかないけどね。

特に、NHKはどうして・・・長澤まさみにくのいち以外を演じさせないのか・・・不思議だ。

野島節の教育論はさておき、悪魔の教育家(天海祐希)に意地悪な言葉で苛めらるけどへこたれないでがんばる健気なリカ。

これを見ることができただけで満足な「GOLD」です。

ま・・・このまま、無事にすむとは思わんけどね。

で、『GOLD・第1回』(フジテレビ100708PM10~)脚本・野島伸司、演出・河毛俊作を見た。史上最悪のグダグダ恋愛ドラマの呼び声も高い前作「素直になれなくて」平均視聴率・11.2%、最終回10.8%を受けて、逆風の中、なんとか↗12.3%をキープした「ゴールド」・・・数字的には金、銀、銅独占の123である。

・・・なことはどうでもいい。

世間では「女子中学生の仲良し同級生が共謀してお互いの家族皆殺しを計画」という物騒な事件が起きている。一同爆笑の事件と書きたいところだが重大事件なので自粛するのである。なぜ笑いが生じるかといえば、悪魔としてはこんな事件が起きるのは教育の問題でも、社会の問題でもなく、単に個人的な問題にすぎないと思うのだが・・・世間はそうは問屋が卸さないと推測できるからである。

これまでも様々な重大な事件が起きてきた。その度に人々は個人的事情というものをある程度、無視して「いつどこで同じような事件が起きても不思議ではない」という警鐘をならすおバカな人に注目してきたわけである。

たとえば日本に限っても一億人を越える人々が生きている。毎年、100万人が死に、100万人が生れるのである。

何が起きても不思議ではない・・・というのは大前提なのだな。

だから、どんなに教育に細心の注意を払っても、どんなに社会制度を整備しても、小学校に包丁もって侵入するバカとか、繁華街に車で突入するバカとか、教え子のお尻をさわってしまうバカとかは生まれ出ずるのである。

そういうことには良識ある人々は基本的に眉をひそめるしかないのです。

けして、誰かが何とかして何とかなることではありません。

だが、人には不可能にチャレンジすることが生きがいというものもいて、なんだかんだもの申す。そしてそれはそれで楽しいのです。

そういう救いようのなさが・・・悪魔にとっては一同爆笑のポイントであるということです。

スパルタ教育VSゆとり教育は様々に名を換えても永遠の教育問題。

いわば、競争主義(自由)と博愛主義(平等)の永遠の対峙だからです。

何度も書いておりますが、自由と平等は対立する概念ですから、けして両立はしない。自由も平等も程々にある社会というのは結局、バランスの問題なのですな。

で、自由主義者はいつでも自由不足だと嘆くし、平等主義者はいつでも平等ではないと憤慨する。それが世界のあるべき姿。

学校ではなぜか、自由と平等が両立するように教えますが・・・それはいかにも理不尽ですな。

どうして、そんなことができるかといえば・・・結局、平等主義者がいかにも自由があるような平等社会を提示したり、自由主義者がいかにも平等があるような自由社会を訴えたりするからなのです。

まあ・・・すべては実現不可能なマニュフェストと同様の戯言なのでございます。

それを前提として・・・どちらの成分を大きくする方がより理想的か・・・という問題は生じます。もちろん・・・これも理想主義者と平等主義者では目指すところが違うので正解はないわけですが・・・それでも生きる参考にはなるでしょう。

たとえば指導者のある組織を目指すのと、指導者のない組織を目指すのでも事情は変ります。

指導者のある組織では優秀な指導者は不可欠な存在ですが、指導者のない組織では優秀な指導者は無用の長物というか単なる邪魔者なのですな。

前者の例はいたるところにあります。たとえば・・・ワールド・カップのサッカー・チームという組織。有能な監督がいれば好成績を残し、無能な監督がいれば最悪の結果を残す。実に明瞭です。

しかし、一方で国家のレベルになると・・・指導者の優劣で万事事が決まるとはなかなかに思えない。

ものすごく複雑な組織の話なので人知の及ばない部分があります。

たとえば・・・かってドイツにはヒトラーという極めて有能な指導者がいましたが、現在では彼を有能と評価することが悪というような風潮まであります。同時代には毛沢東というやはり有能な指導者がいて・・・ヒトラーの悪名を高めた民族大虐殺を同様に実行していますが、なかなかに彼を極悪と非難することは難しい・・・そういう世の流れというものが存在するわけです。つまり、ユダヤ民族や漢民族を敵に回すと恐ろしいということです。

とにかく、国家レベルの指導者は多くの場合、前の指導者の負債とともに国家を指導するわけでどんなに優秀でも克服しがたい事情が生ずるということです。

たとえば誰もが急に何兆円もの借金背負わせられたらどうにもできんと思うしかないのですな。どんなにがんばっても少し借金増やして次の指導者にバトンタッチするしかないのです。あはは。

さて、一方、指導者のいない組織とは何か・・・と言うとこれは説明が難しい。

たとえば人類・・・これなんかはそうですね。次に有権者なんていうのもそうです。それから暴動を起こす民衆とか。成人式の青年団とか。まあ、なんとなく集った人々。そしてテロリスト集団やゲリラ集団などもこれである場合があります。

指導者がいないので各個撃破するしかないゴキブリのような害虫組織。

しかし、これも実際には情報操作という形で誰かにコントロールされているという正体はあります。指導者ではなく隠れた先導者があるわけです。

こういう論理に従えば、優秀な指導者はどんな組織にも有益であることがわかります。

しかし、指導者に特権が与えられると指導者と指導者以外の構成員には格差が生じる。

そこに怒りを感じるのは自由主義者より平等主義者であることは言うまでもありません。

内と外のある世界では「和をもって貴しとする」を理想とするのがわが民族の伝統ですが、いかに外にそれを説いても、外では常に内の和を乱すことに正しさがあります。つまり、内が和になれば強くなりますから。外にあっては和を乱し、内にあっては和を乱されないようにする・・・これが最も正攻法・・・しかし、攻めるのはよくないと必ず言い出す誰かが居て・・・和が乱れるのもセオリーです。わかりますね・・・誰かが工作員であるということです。

さあ・・・そういう良識に基づいて・・・「GOLD」の世界をちょっと覗いてみましょう。

まず・・・優秀な指導者がいます。早乙女悠里(天海)・・・エステ(美容)とスポーツ(健康)をサービスする大企業の経営者で・・・三人の子供をオリンピックの金メダル候補に育て上げた家庭教育者でもあります。

そんな彼女が社長秘書を募集します。応募してきた失恋したために転職せざるをえなかったいかにも落ちこぼれ体質のリカ(長澤)はふにゃふにゃの24才。しかし、並み居る才女たちを差し置いてなぜか秘書として採用されてしまうのです。

そこには隠された理由があるようですがそこは伏せられています。

どうやら悠里の四人目の子供で虚弱体質の朋(大江駿輔)がからんでいるようですが・・・。

とにかく・・・こうして・・・ぬるい体質のリカはスパルタ教育の悠里の洗礼を受けることになるのです。

自宅に招かれたリカは・・・。

悠里「自宅では社長でなくて・・・悠里でいいわよ」

リカ「・・・悠里」

悠里「呼び捨てかい・・・」

リカ「ひーっ・・・悠里さん・・・いえ・・・悠里様ーっ」

息子の息抜きを命じられたリカは・・・。

悠里「息子のタイム向上のためにキスを奉げなさい・・・」

リカ「そ、それはモラハラとかパワハラとかセクハラなのでは」

悠里「バカをおっしゃい、理不尽とも思える圧力がかかるから人はたくましく育つのよ・・・先輩から後輩へ・・・上司から部下へ・・・受け継がれる不屈の闘志はそうやって育つの・・・それが伝統というものなのよ」

リカ「・・・なるほど・・・」

悠里「まったく生娘じゃあるまいし・・・」

この一言でお茶の間のヴァージン愛好家は激昂。

リカ「あの・・・」

悠里「なによ・・・」

ここで「彼氏がいたんだから生娘じゃないでしょ」という答えを期待した人々は・・・。

「うちの子は真面目だからキスなんてしないわよ」という悠里の答えに「そっちかよーっ」と落胆。

リカ「いえ・・・」

ここで今度こそ「私は彼氏はいたけどプラトニックです」という答えを期待した人々は・・・。

「あの・・・私にもいつかは後輩というか部下ができるんでしょうか」というリカの質問に「もうそんなことかよーっ」と失望するのである。

見事な二段スカシ術でした。

そして・・・プールサイドでは秀才で真面目な長男(松坂桃李)ではなくてお茶目で天才肌の次男(矢野聖人)に「頬への口付け」を略奪されるリカ。

「なんてことするのよ」と怒りを期待した一部愛好家は「世界新記録って何分なの~?」というリカのボケに軽く唇をかみしめるのである。

そして・・・緩キャラだった悠里の夫(寺島進)がオリンピックの金メダリストであることを誇示する件ではリカのだらしない膝元に目を奪われつつ、「金」と聞いて悠里の夫の股間を彷徨うリカの視線に動揺し、メダルを見せられて「チョコですか」と反応するリカの言動に激しく萌えるのだった。

・・・そ、そういうドラマなのか。

「ビューティフルチャイルド」を育てる悠里に対して、引きこもりで家庭内暴力の男子(水野真典)を持つ鼻血の母親(エドはるみ)は激しく嫉妬と逆恨みの炎を燃やす。

そして・・・野島ドラマの定番、おじさんが少女にプールサイドで愛を告白されるシーンも当然あります。・・・それだけは譲れないらしい。

悠里の長女・晶(武井咲)はセブンティーン。プールサイドで一部愛好家を失望させた完全防備のリカ水着と違い、水もしたたるハイレグな競泳用水着でスレンダーな肢体を披露しつつ・・・母親の愛人であるコーチ(反町隆史)に愛を告白です。

晶「コーチ・・・金メダルをとったら・・・一発お願いします」

コーチ「こらこら・・・」

この模様を監視カメラで監視・盗聴する悠里・・・さあ・・・陰湿な野島世界の幕開けです。

これは・・・楽しい・・・?

関連するキッドのブログ『BOSS

土曜日に見る予定のテレビ『志田未来のハンマー・セッション!』(TBSテレビ)『吉高由里子の美丘・君がいた日々』(日本テレビ)『臼田あさみの鉄の骨』(NHK総合)・・・さて、土曜日をどうするかだな。

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2010年7月 8日 (木)

プラトニック・ラブはシンデレラ・ストーリーの礎(綾瀬はるか)

温故知新というのはあらゆる創作の基本である。

初心忘れるべからずというのはあらゆる芸事の基本である。

キッドは闇の古武術の伝承者として幼少の砌、祖父に連れられて山篭りを強制させられたことがある。

そこでは筆舌に尽くしがたい幼児虐待が行われるのだが、扱きというものはそういうものだ。

そして、就学以前の童子は密殺の七つの秘伝を継承するわけである。

以来、ずっと平和な日本でその秘術を使う機会もなく・・・何のための修行だったのか・・・疑問に思うこともある。

しかし、世界は悪で満ちているわけではない。

夏山で祖父は蛍を数匹捕まえてくれて・・・虫かごにいれてくれた。

夜光る・・・その神秘の蛍光色。

ホタルノヒカリはいつも心を和ませる。

さて、最終回を迎えたばかりの「月の恋人」が「竹取物語」を原典にするとすれば、「ホタルノヒカリ」は「シンデレラ」である。これもまた「ラブ・ストーリー」の古典中の古典なので説明は不要だろう。

しかし、「月の恋人」が「竹取物語」の結末ひねりであるように、「ホタルノヒカリ」もかなり変形された「シンデレラ」であると言える。

なにしろ、天日干しされたシンデレラが主人公なのである。ただのアジの干物ならそのまま、焼いておいしくいただけばいいのだが、「くさや」となると保存のためにいろいろ問題があったりする。そのへんに放置しておくと異臭が凄いからである。

まあ・・・干物女はその中間くらいの芳香を発するのだな。

さて、「シンデレラ・ストーリー」には「ガラスの靴」や「かぼちゃの馬車」を用意する女魔術師あるいは魔法使いのおばあさんが登場する。「灰かぶり姫」を「シンデレラ」に変身させる魔法が「シンデレラ・ストーリー」の重要な要素であることは間違いない。

ここをピックアップして恋物語の基本が作られるくらいである。それが「マイ・フェア・レディー」だとか「プリティー・ウーマン」となっていくわけだ。「月の恋人」でもシュンメイに対しての蓮介という関係で、部分的なシンデレラ・ストーリーが展開していたわけである。つまり・・・「貧しい中国の女工を美しいトップ・モデルに変身させる」魔法の行使ということだ。

もちろん、干物女に魔法を使う役割は「ホタルノヒカリ」では分業体制になっていて・・・前作には主人公・蛍(綾瀬はるか)の目指すステキ女子として優華(国仲涼子)が配置されていた。

そういう人々の魔法によって・・・王子様であるマコト(加藤和樹)さえ乗り越えて、ハンサムな王様である高野部長(藤木直人)のハートを干物女が射止めたのが前作の結末だった。

しかし・・・そのゴールは遠距離恋愛のスタートでもあったのだ。

あれから、三年。高野(37)は高野(40)に、蛍(24)は蛍(27)に変転した。

二人の関係はどうなったのだろうか・・・そして「シンデレラ・ストーリー」の行方は・・・?

で、『ホタルノヒカリ2・第1回』(日本テレビ100707PM10~)原作・ひうらさとる、脚本・水橋文美江、演出・吉野洋を見た。第1シリーズの最終話が15.3%だったので初回↗16.2%はまずまずの好スタートである。スタッフ一同、ホッと安堵したことだろう。「トライアングル」平均視聴率12.4%からココの脚本家も安心したし、前作「曲げられない女」平均視聴率・14.6%の演出家も無難な立ち上がりを感じたはずだ。とにかく、至極の名作「Mother」の後だけにいろいろと迷いも生じるところで・・・この数字は有難いのだな。きっと。

さて、物語は三年前に遡る。紆余曲折の果てに相思相愛となった同居する上司と部下は「翔んだカップル」にはならず、蛍の香港転勤によって「ビバ!遠距離恋愛」になったのである。でも・・・アツアツでラブラブだから大丈夫と信じた二人。

あれから・・・3年なのだ。

2007年~ 蛍は突然、教師になり鹿の呪いにかかった男とちょっとした恋をする。

     その後はサイボーグになったり、

     盲目の殺し屋になったり、

     科捜研の女になってバナナを頭にのせられたり、

     おっぱいバレーをしたり、

     未来から来た医者と恋に落ちたりして波乱万丈だったのである。

2007年~ 部長はAround40の女と恋におちる。

     その後は元暴走族のリーダーとして童顔刑事を助けたり、

     夜光の階段を昇ったり降りたりしながら連続殺人、

     いじめられてばかりいる新人女子社員をフォローしたりと

     それなりに充実した人生を過ごしてきたのだった。

そして・・・2010年。二人は再会するのだった。

かって、インテリア事業部の部長だった高野は・・・今は第一企画部の部長である。

そのポーカーフェイスからはどことなく怒りのオーラが滲み出ている。

第一企画部にはかっての同僚たちの姿はなく、蛍の憧れの山田先輩(板谷由夏)だけが残っている。

2007年~ 山田姉さんはあれから結婚して息子を殺されたり、

       産婦人科医師になったり、

       薩摩藩鶴丸城の大奥を取り仕切ったり、

       夫の愛人に娘を誘拐されたりとそれなりに懸命に生きてきたのだ。

蛍と部長の特殊な関係を知るのは山田と人事部の二ッ木(安田顕)ぐらいになってしまった。

2007年~ 二ッ木は・・・もういいか。

とにかく、香港でのプロジェクトを無事に成功させた蛍はOLとしては凱旋帰国の趣である。

そのために・・・少し気負いの感じられる初出社なのであった。

部下には桜木(臼田あさ美)、椿(佐藤千亜妃)、杉下(中別府葵)などが顔をそろえるのであるが・・・このメンバーちょっと強面揃いだよな・・・いい先輩たろうとして浮きまくるのである。

ちょっとゲゲゲな契約社員・瀬乃(向井理)には「嵐山のドキュンコ」に似ていると言われてからかわれる始末である。

蛍は日本にいない間に売れ出したアイドルかといい気になるが・・・実はドキュンコは嵐山水族館のアイドル・アザラシだった。

一体・・・部長と蛍の関係はどうなったのか・・・誰もが疑問に思ったところで就業時間終了のホイッスル。

二人が帰宅するのは・・・いつものあの家だった。

都会としては奇跡の中庭にホタルのいる縁側でジャージに着替えてくつろぐホタル。

しかし、部長の怒りは頂点に達したのだった。

部長「君は毎日メールして毎日電話して毎日はがきを書くっていってたよな」

蛍「はい・・・いいました・・・」

部長「しかし・・・三年間で私信がはがき一枚ってどういうことなんだよ」

蛍「でも・・・部長だって最初は週三回くれてたメールが最後は音沙汰なしに・・・」

部長「だって返事が来ないんだもん」

蛍「・・・・・・・」

部長「一体・・・君は三年間・・・何をやっていたのだ」

答えに困る蛍だった。

そこへ・・・かかってくる電話・・・謎の女・小夏(木村多江)登場である。

思わせぶりすぎるのだが・・・木村多江に娘・千夏(石井萌々果)までつけられたらここは我慢するしかあるまい。

ちなみにバツイチである高野部長の別れた妻は深雪(黒谷友香)である。

とにかく・・・こうして第一夜は何事もなく過ぎ去る。

そして・・・明らかになったことは蛍と部長は・・・相思相愛にもかかわらず・・・キスひとつしていないのである・・・初心者は唖然とするが・・・それが干物女のおそろしいところなのである。

たちまちゴミ屋敷となりかかる高野家だった。

ちなみに部長に恋する男性社員・井崎(高橋努)が登場し、「仕事一筋で女には目もくれない部長」と語るので・・・部長もまた・・・蛍不在の間、貞操を守っていたことは明らかになる。

そういう前提での小夏登場なのであんまりもったいぶるとひっこみがつかなくなるおそれがあります。

ともかく・・・なんとなく冷たい態度の部長に・・・蛍は寂しさを感じ・・・瀬乃と痛飲し、ゲロオンブの後で裸の王様と一夜をともにしたあげく、使用済みストッキングを部屋に忘れるのである。

そして・・・瀬乃は部屋に泊まった女の子の忘れ物だけは律儀に届けるタイプなのだ。

もちろん・・・次に泊まった女の子に追求されないためである。

しかし・・・いかにゲロまみれの干物女とはいえ・・・蛍と一緒に寝て関係を持たないとは・・・瀬乃・・・井崎と結ばれるオチか。

そんなこんなで社内で気まずくなる部長と蛍。

モデルの採寸作業にも殺気がただよう。

そこへ・・・部下の桜木からのミス報告である。

蛍の唯一の取柄である「与えられた仕事には全力で取り組む」が爆発する。

部長もその点だけは蛍を高く評価しているのであった。

蛍は裏方として大活躍し・・・「屋形船でガールズ・バー」を成功に導くのだった。

どんな仕事だよ・・・二人の会社・・・経営危機になりつつあるんじゃないのか。

そんな蛍の意外な一面を見て・・・働く女のかっこよさに突如として目覚める桜木。

「雨宮先輩・・・ステキでした・・・私も先輩目指してOLのお仕事がんばります」

桜木の目からキラキラ尊敬ビームを浴びて、消滅しそうになる蛍。

その心には喜びが顔にはひきつりが生じるのだった。

家に飛んで帰る蛍である。

「私・・・三年の間・・・何してたのかって・・・ずっと考えてました・・・私は仕事をしてました・・・いつか部長に逢った時にほめてもらえるように・・・仕事をがんばったんです・・・そしたらあっという間に三年間がすぎちゃったんです・・・」

雨宮の「ぶちょおみやげ」であるサンバ・カーニバルの衣装に着替えた高野は蛍の唯一のラブレターを365日×3で読んでいるのでそんなことは先刻承知なのだった。

ぶちょおへ

香港は楽しいです。

でも、ぶちょおと一緒なら、

きっともっと楽しい。

ぶちょおに会いたいです。

・・・(泣)。

雨宮蛍

「お前が帰ってきたら言おうと思っていたことがある」

「・・・」

「オレと結婚しよう。ずっと二人で暮らしていこう。君は一生オレの女だ」

突然のプロポーズに死んだフリをする蛍。

そんな蛍を「スキヤキ」で釣り上げながら部長は宣言する。

「だが・・・このままなしくずしに結婚するつもりはない」

「ええーっ」

「第一、お前は結婚というものをなんだと思っているんだ?」

貯金残高74円の女は難問を突きつけられ答えに屈するのであった。

高野部長の干物女再教育計画の決戦の火蓋はきられたのである。

・・・ま、美しい水と流れる川とありのままの自然がなければ・・・蛍は生息できないんですけどね。

関連するキッドのブログ『ホタルノヒカリ

Hcinhawaii0652 ごっこガーデン。蛍とサンバとすきやきのガーデンセット。まこさあーっ、やってまいりました、スプリング・サンバ、サマー・サンバ、お嫁サンバにテントウ虫のサンバ、サンバサンバ、サンバ・カーニバル&フェスティバル!・・・ひと夏の夢をフジッキー部長とともに見るのでしゅ~。いきなりプロポーズとはこれいかに~。チューも連続スカシ攻撃・・・アホ宮とぶちょおのチューは最終回までおあずけの予感なのでちゅ~みのむしせっかく・・・部長を獲得したのに・・・またもやまこちゃんとフジッキー争奪戦が始まるとは・・・しかし・・・蛍カラーの私の勝利は宿命るるるお気楽「ハッピーエンドを迎えておいて・・・ハッピーエンドではありませんでしたって・・・反則だよね・・・もう信じられないもんね・・・はるかちゃんのギリギリサービスはわかるけどねくうふふふ、三年たってもまったく変っていない蛍・・・そして三年間の会えない時間が愛を深く深く掘り下げた部長・・・でも二人のラブ・コメは絶好調・・・楽しいわあ・・・部長が・・・バツイチなのかバツニなのか・・・謎なの・・・この夏最大のミステリー?・・・それはやめてほしいikasama4ふふふ・・・いわゆるひとつのひと夏の花嫁修業なんでしょうね・・・毎回お習字して来週は結婚とは節約?・・・お習字には苦い思い出があるのでほどほどにしてもらいたいですな・・・とにかくラブ・コメとしては絶好調・・・来週も楽しみですねぇ

金曜日に見る予定のテレビ『崖っぷちのエリー』(テレビ朝日)『こけしのうぬぼれ刑事』(TBSテレビ)

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2010年7月 7日 (水)

み、三日坊主(石原さとみ)プ、プッチーニの絵美理(観月ありさ)

誰が「セクシー・ボイス・アンド・ロボ」の記憶喪失の殺し屋(中村獅童)やナースの殺し屋(ともさかりえ)の話をしろと・・・。

ああ・・・視聴率がとれなくても・・・毎週、もしも見逃したらどうしよう・・・と不安になるコンテンツ・・・テレビの前から一歩も動けないコンテンツ・・・ワン・シーズンに一つは欲しいよね。

まあ・・・今シーズンはアホミヤと部長があるわけなんだけど。

しかし・・・「小池徹平の鉄の骨」(直木賞候補の小説原作)、「石原さとみの逃亡弁護士」(休刊になった雑誌に連載中だったコミック原作)、「天使のわけまえ」(オリジナル)・・・と夏ドラマが始まって・・・「警視庁9係」は除外。どれもそれなりに面白いんだけど・・・凄く面白くはない感じがします。

まあ・・・結局は主人公の役者が好きか嫌いか・・・みたいなドラマばかりですな。

で、火曜日のドラマ対決は①「逃亡弁護士」10.8% ②「天使のわけまえ」*7.2%

と・・・ある意味低調なスタートを切りました。

で、『逃亡弁護士・第1回』(フジテレビ100706PM10~)原作・剛英城(他)、脚本監修・秦建日子、脚本・渡辺雄介を見た。父親の弟子で婚約者が父親殺しの容疑で逃亡・・・残された弁護士の娘の二ノ宮絵美(石原さとみ)は真相を探るために社会の暗黒部に潜行していく・・・という話ではないのであった。

原作は「逃亡弁護士・成田誠」というコミックで、もちろん、1960年代の名作ドラマ「逃亡者」の主人公の職業を医者から弁護士に置き換えただけのパクリものである。「逃亡者」も1993年にリメイク映画化されたし、日本でも「逃亡者RUNAWAY」(2004年)に主演・江口洋介でリメイクされている。

あれから6年なのでリメイクするには早すぎるので職業チェンジした原作をチョイスした・・・ということである。

しかし、よりによってこの脚本監修でなくてもいいだろうに・・・う、撃たないで・・・。

まあ、言いたいことはそれだけである。

とにかく、「左目探偵」(2009~10)「ホカベン」(2008)「ジョシデカ」(2007)「アカネ」(2006)と駄作の山を築いて来たものにまたチャンスを与えるとは・・・なんて寛大なプロデューサーがそろっているんだ・・・と思うばかりである。

濡れ衣を着せられた主人公は誠(上地雄輔)、目を見れば相手の心がわかる男である。もう、この設定の時点で駄作臭さが臭います。

そして、逮捕状が執行されて逃亡中・・・偶然、騙されて犯罪者となったゲストの指名手配犯(中村獅童)と知り合い、これと友情の絆を構築。恩義を感じたゲストは誠を助けて射殺である。

なんていうか・・・ムチャするよなあ。

ちなみに脚本家は超弩級駄作の呼び声も高い「ブラッディ・マンデイ1・2」の脚本家。

「神の雫」や「警視庁失踪人捜査課」など・・・そこそこ面白い作品も書いているので・・・原作もあることだし・・・手堅くまとめてくるとは思いますが・・・もうまるっきりどうでもいいよね。

怪しい女刑事(矢田亜希子)、怪しい秘書(村川絵梨)、怪しい妹(折山みゆ)、怪しい謎の少女(高月彩良)などキャスティングの怪しさは抜群だし、なんと言っても怪しい検事(北村一輝)と怪しい先輩弁護士(豊原功補)の双璧である。

疑心暗鬼ファンにはいい感じの作品と言えるかもしれない。

ゲストも第2回には戸田菜穂、小西美帆、第3回には相武紗季と怪しくゴージャスだ。

まあ・・・そこそこガッカリしたい人にお勧めのプログラムです。

関連するキッドのブログ『ヴォイス

               『セクシーボイス アンド ロボ

で、『天使わけまえ・第1回』(NHK総合100706PM10~)脚本・吉田紀子、演出・佐藤峰世を見た。「悪魔のKISS」(1993年)と「Dr.コトー診療所」シリーズの脚本家です。しょうもない作品も書くがものすごい問題作やヒット作も書く・・・当たり外れの激しい作風。最近では「ハタチの恋人」という超弩級失敗作も書いてます。

今回はとにかく・・・人並みはずれたお人好しの女が人並みはずれた家庭料理の腕を持つというすでにほのぼのとした物語。

誰がどう見ても結婚詐欺にあったとしか思えない状況で、仕事も家も貯金も失った30代半ばの女が・・・おかゆとかおにぎりとかお弁当とかおはぎとかお茶漬けとか・・・見るからに心やすらぐ家庭料理を淡々と作っていく。

なにはなくても家庭料理を愛する男たちはたちまち彼女・・・坂下くるみ(観月ありさ)のとりこになっていく・・・ただし食事時間に限る・・・というストーリー。

まあ・・・ストーリーと言うほどのものもない日常生活でございます。

しかし、最初にくるみのおはぎのとりこになるのが警備員(イッセー尾形)・・・尾形がおいしそうに食べたり、食べて笑ったり、食べて泣いたりする演技を見れるだけでなんとなく得した感じがあります。

逆境にあってもめげない女は観月ありさの得意とするところなので実にスムーズ。

主婦・さくら(ともさかりえ)とか祖父・広吉(大滝秀治)とか・・・のほほんな出演者の連打も楽しい気分を盛り上げます。

息抜きしたい人にはお勧めのドラマでございます。

関連するキッドのブログ『斉藤さん

木曜日に見る予定のテレビ『科捜研の女』(テレビ朝日)『怪談新耳袋』(TBSテレビ)『プロゴルファー花』(日本テレビ)『長澤まさみのGOLD』(フジテレビ)

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2010年7月 6日 (火)

昼下がりの月の恋人は蜜月旅行へ・・・童貞と処女の初夜へ飛ぶ思い(木村拓哉)

清教徒かっ。

このドラマがお茶の間向きではなかった最大の理由はいい年した男女が・・・。

いけないことをしない・・・という凄まじい禁欲ぶりにあったことは言うまでもない。

もちろん、ドラマなので伏せられた部分でいろいろやっているという妄想が可能だが・・・このドラマはきっちりとそういうことはしていないことを説明するのである。

一体、どういう趣味なんだよ・・・と思うわけだが・・・結婚するまではプラトニック・ラブを貫くおかしな主人公のおかしな物語と考えればきちんと辻褄はあうのである。

キッドは「きっちりと」とか「きちんと」するのが大好きだが、人がそういう言葉を使うのは大嫌いである。

だって「本当は整理整頓しない」からそういうことを言うに決まっているからだ。

特に「きちっと」と言う人にはそれだけで腹立ちを感じる。

「きちん」とでもなければ「きちり」とでもない・・・略し方にぞんざいな思念が見え隠れするからである。

しかし・・・このドラマの場合は折り目正しく・・・きっちりときちんときちきちで童貞と処女を結婚式場に送り込むのである。

しかも・・・二人はそろって35才なのである・・・どんだけストイックなんだよ。

まあ・・・新郎の主人公・葉月蓮介(木村拓哉)は大学卒業以来、家具屋「レゴリス」の発展成長に一心不乱に取り組んだわけで色恋沙汰に現を抜かしているゆとりがなかったわけだし、新婦のヒロイン・葉月(旧姓・二宮)真絵美は大学時代から蓮介にずっと片思いしていたので孤独な夜を13年である。

永い永い春が今夜終ります・・・しかし、ラスト・シーンはハネムーンに向かう途中であり・・・二人のヴァージンはカントリー・ロードを走り去っていくばかりなのです。もしくは夢の中へ。

で、本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「ハガネの女」↗10.2%(子役オールスターズ万歳!)、「ゲゲゲの女房(土)」↗20.3%(ゲゲゲのガロキターッ!)、「龍馬伝」↘17.3%(大芝居しすぎたかーっ)、「水川あさみのいぬのおまわりさん」*9.9%(可愛い視聴率キターッ!!)・・・ついでに「ハンチョウ」13.2%、「月の恋人」↗16.2%・・・以上。

で、『月の恋人~Moon Lovers~・最終回』(フジテレビ100705PM9~)原作・道尾秀介、脚本・浅野妙子、演出・石井祐介(前編)・西谷弘(後編)を見た。最終回は2話を一挙放送・・・である。最後まで変則を貫いた放映体制である。これで平均16.8%は「コードブルー2」の平均視聴率・16.6%を上回り、なんとなく凄みを感じさせるのであった。まあ、最後はなんとなく「本編」でしたから。いわば・・・軽い恋愛映画の新作・放映のムードだったのである。ここまでの全7話は・・・長い長い予告編だったのだ。・・・どういう編成なんだよっ。

ただし・・・2話連続であったことで特殊な効果も生れている。

ラスト・シーンは蓮介の運転する車で真絵美は夢見心地を味わうのだが・・・前編では同じように柚月(北川景子)が助手席で眠りから醒めると蓮介の隣・・・というシーンがある。

一種の繰り返しのギャグだが、同時に二人が夢で蓮介と逢っていることにも通じていく。

もう一人のヒロインであるシュンメイ(リン・チーリン)は女優となり撮影セットで空を見上げる。その目に映るのは愛しい人の幻である。その証拠にシュンメイは二人の出会いを懐かしみ裸足で水溜りに波紋を作る。

この直前、蓮介は魂の妹となった柚月、腐れ縁の真絵美、そして初恋の人シュンメイに三連続で別れを告げる。

もちろん・・・かぐや姫として昇天するためである。

ドラマとしてはお茶の間の皆さんを宥めるために・・・予定調和のエンディングが用意されているのだが・・・キッドはこのまま月に帰った方が物語としては美しいと思いました。

「人とつきあうのはなんだか難しい・・・」

そうつぶやきながら・・・天使の梯子を登っていく蓮介。

昼下がりの流星が誰の目にもとまらないように・・・女たちはそれぞれの人生を歩み、月よりの使者は淋しく去って行く・・・ここまできたらそういうラストでもよかったのに・・・とキッドは思うのである。まあ・・・キッドが許しても・・・世間様をお許しにならないでしょうがーっ。

とにかく・・・そういうファンタジーがこの物語の原型だったはずですから。

しかし・・・まあ、それはそれとして・・・セカンド・ディレクター平野眞の思わぬ不調によって崩壊しかけたこのドラマは・・・それなりにロマンチックに終息を迎えたのである。

・・・初恋の人シュンメイを失っても守ろうとした愛しい会社「レゴリス」から追い出され、すべてを失った蓮介・・・。

しかし・・・蓮介のストーカーであり守護神である真絵美だけは蓮介を見失うことはない。

母校の美大で蓮介を捕捉した真絵美は「あの世」に去ろうとしている蓮介にすがりつき、「美しい過去」を思い出させることで蓮介を「この世」に繋ぎとめることに成功する。

「オレはこの世界に馴染めないんだ・・・」

「そんなことないよ・・・蓮介に私はすごく馴染んでいるし・・・みんなだって蓮介に馴染んでそれなりに変っていったんだよ・・・もう・・・みんなお馴染みさんだよ」

真絵美の言葉に心を動かされた蓮介は「ニワシドリの巣」のオブジェを作り、真絵美への贈り物にする。

またもや処女のまま、目覚めた真絵美だったが・・・蓮介の贈り物を発見することで希望を見出すのである。

もう一度・・・彼と一緒に豚キムチ丼が食べたいのです・・・。

真絵美は恋愛の神様に祈りを奉げるのだった。

葉月社長放逐に成功した蔡(松田翔太)は、親会社となったマスト・ポールの社長・大貫(長塚京三)を朝礼に迎え、嶺岡(川平慈英)、雉畑(渡辺いっけい)という葉月体制で解雇された役員を復活登用し、笠原(中村ゆり)らとともに「レゴリス」新体制を着々と固めるのだった。

そして・・・密かに匿っていたシュンメイを「レゴリス」のイメージ・モデルとして復活させる計画に着手する。

蓮介の所有していたものを全て略奪した蔡だったが・・・ただ一人、意中の人・真絵美だけは手に入れることができなかった。

なぜなら・・・蓮介とシュンメイを祝福することができなかったからである。

蓮介とシュンメイを結婚させておけば・・・真絵美陥落の可能性があったのである。

蔡は中国の古いことわざである「急がば回れ」を学ぶべきだったのだ。

一方、どうしても蓮介と結ばれることができない運命にある柚月。

ドラマでは一切明らかにされないが・・・柚月が蓮介の実の妹であることは明らかなのだ。

おそらく、父親が一緒なのである。そうであれば・・・蓮介の大貫に対する融資の申し込みとその後の確執は充分に納得が行くことなのだ。

なぜ、明らかにしないのかと言えばスタッフが「韓流ドラマみたい」と云われたくない一心だからである。

だから・・・本当に兄妹なのに心情的に「お兄ちゃん」と「妹」オチというものすごい荒技が展開されていくのである。キッドはここが一番の一同爆笑ポイントでした。

とにかく、「さげ×ん」の蓮介によって、負け組あつかいとなり、親友のエルカ(西山茉希)に見下される始末である。

「ええーっ・・・いつの間に表紙モデルにまでのぼりつめたのよ」

「なんか・・・漁夫の利ってやつ・・・いまりょうおっとのりって読んだけどね」

「バカでも可愛いとなんでも許されるのよね」

「で、蓮介様はどうしたのよ・・・」

「知らない・・・全然連絡ないし・・・」

モデルには珍しくエルカは超いい子なので本当に親友の行く末を案じるのだった。

レゴリスとの専属契約を打ち切った真絵美はインテリア・デザイナーとして「個展」を開くことで活路を見出そうとする。

リナ(満島ひかり)「それにしても・・・蓮介様は何処に・・・」

真絵美「大丈夫・・・これ・・・私に作ってくれたし・・・」

継男(濱田岳)「そんなの・・・気休めなんじゃ・・・」

真絵美「あんた・・・今回、死体にならないですんでるのに・・・そんなこと言うと死ぬわよ・・・」

継男「ひーっ」

しかし、真絵美は「蓮介のオブジェ」を見つめて・・・ふと不安になるのだった。

しかし、その夜、のだめが千秋を発見するが如く、自宅アトリエ前で蓮介を発見する真絵美だった。

(帰ってきた・・・私のところへ・・・蓮介が帰ってきた・・・)

真絵美は天国にも昇る気持ちだった。

しかし・・・真絵美は「善人の愛」を勝ち取るためには一つの罪を犯している。

その償いをする時はゆっくりと近付いてくる。

真絵美の罪とは・・・何か。

それは相思相愛の蓮介とシュンメイを引き裂くために・・・自分自身の恋心を蓮介ではなくシュンメイに告げたことである。

真絵美とシュンメイは女友達の絆を築いており・・・そのためにシュンメイが身を引かざるを得ない展開を生み・・・結局は蓮介を傷つけることになる。

「善なる愛」に真絵美が至るためには禊(みそぎ)が必要となるのである。

もちろん・・・お茶の間はそんなに善でなくてもいいと思うのでこの辺りの仕掛けはあまり効かない。

「どこに行ってたの・・・?」

「山・・・昔馴染みの植林さんにいろいろと・・・樹を見せてもらってた」

「そう・・・」

「すっげえ・・・いい木があってさ・・・気持ちよかった・・・」

「そうなんだ・・・」

「オレはさ・・・家具屋になろうと思う前に・・・材木が好きだったんだって思い出した」

「よかったじゃん」

「・・・でさ・・・アトリエをしばらく貸してもらえないかと思って・・・」

「いいよ・・・泊まっていけば・・・シャワーとか使ってもいいし・・・布団もあるし・・・」

真絵美は期待で胸が高鳴るのだった。

しかし、蓮介は久しぶりに職人として家具作りをすることに心を奪われていた。

真絵美の肉体には全く興味を示さないのである。

・・・また・・・生殺しかよ・・・。

真絵美はしかし・・・それほど落胆はしない。もう13年もそういう境遇なのである。慣れている。

翌朝・・・最初に出勤したリナはアトリエにて無防備で眠っている蓮介を発見して、思わずいろいろと悪戯をしてしまうのだが、それについてはテレビ的に省略されている。

蓮介は机にあった発注書に従って部品の制作を行っていた。

ここは鶴の恩返し仕様になっています。

真絵美たちはけしてその作業を覗いたり、裸の胸にドキドキしたりしてはいけないのである。

継男「・・・いい仕事しますね」

真絵美「ホビットかよ、ドワーフかよ・・・小人の妖精さんかよーっ」

継男「ボクを見て言わないでください・・・」

その時、蓮介の存在を嗅ぎ付けた柚月に真絵美は呼び出されるのである。

指一本触れてもらえない女同盟の集会なのである。

美大での蓮介発見の報告の後、連絡がないことに柚月はお冠だった。

「ずるい、ずるい、ずるい・・・蓮介独り占めはずる~い」

「そんな・・・独り占めなんて・・・ただ、少し、そっとしておきたかったの」

「まるで私がそっとしとかないみたいじゃない」

「そっとしておく?」

「・・・しないけど・・・でも二人でラブラブってことでしょ」

「ラブラブって・・・私たち・・・そんなんじゃないわよ」

「・・・え・・・まさか・・・何にもなし?」

「・・・」

「キスも・・・?」

「・・・」

「なんじゃそりゃーっ・・・まさか、そんなんで友情こわれたらどうしよー?とか、自分の体にこれっぽっちも自信がないとか・・・そういうこと・・・」

「ひどい・・・」

「それじゃ・・・ふっきろうにもふっきれないし・・・私がもやもやするじゃない」

「・・・ごめんなさい」

「なんなんだろ・・・ゲイ?」

「いや・・・そりゃないんじゃないかな・・・」

「じゃ・・・ロリコンかマザコンか・・・ロリコンはないわね・・・12才の私を抱こうとしなかったんだし」

「ありゃー・・・そうなんだ・・・」

「つまり・・・マザコンか・・・」

「ま、そういうことね」

「敵だよねー」

「敵だねー」

意気投合する二人だった。

その頃、シュンメイはレゴリスのモデルとしての仕事に復帰し、その人気に目をつけた中国の映画界からオファーが殺到していた。

シュンメイは何故・・・蓮介の愛を得たのか・・・それについては以前に述べた。

悪評高い、蓮介によるシュンメイの抱き上げであるが・・・あれにも意味はある。

蓮介にとって美しい女性に見下ろされることこそが至福の時なのである。

シュンメイは蓮介にとって若く美しかった母親そのものであり、だからこそ、蓮介はシュウメイにお仕置きされることでたちまち恋に落ちたのである。

しかも・・・母親以外に蓮介が恋に落ちたのはシュンメイが初めてなのだ。

だからこそ、蓮介は我を忘れてシュンメイに溺れたのである。

しかし・・・母親にするようにキスはできてもその先には進めないのだった。

蓮介とシュンメイは何故上手くいかないのか。

様々な理由があるが・・・基本的には言葉の問題に帰する。

シュンメイが一生懸命、日本語を覚えようするのに対して、蓮介は全く努力をしない。

初恋にありがちな一方的な独占欲を募らせるばかりで・・・歩み寄りができないのである。

しかし・・・そんな蓮介をシュンメイは可愛く思うのである。

だから・・・かなり無理があっても二人は結ばれる可能性があった。

それを阻止したのが前述するように真絵美の邪心であることは言うまでもない。

しかし、それを邪と言ってはお茶の間全員が極悪人になるので効かないのである。

構図としてはこういうことになる。

蓮介は中国語を勉強しない。

シュウメイは日本語を勉強する。

そして真絵美は中国語を勉強するのである。

シュウメイは「レンスケ・・・アイシテル」と日本語で伝える。

蓮介は「結婚しろ」と日本語で伝える。

真絵美はシュウメイに「我是你的支持者(私はあなたの味方だよ)」と中国語で伝える。

これによってシュウメイと真絵美には友情が構築され・・・蓮介はプロポーズに失敗する。

真絵美は「シュウメイがいるから蓮介を助けることが苦しい」とそれとなくシュウメイに胸の内をもらします。

その言葉でシュウメイは蓮介の元を去る決意をする。自分より真絵美が蓮介を助けることができると考えたから。

シュウメイは蓮介との恋愛より真絵美との友情を優先させたのです。

それを結果的に利した真絵美が「不純」になってしまっているのが今の状態です。

シュウメイは顔で笑っていてもいつも泣いている女。

そして、さりげなく手にしたノートから今のところ、この世界でもっとも悪の冠をかぶった蔡はシュウメイの心を知ってしまうのです。

「れん・・・どこにいるの?・・・れん・・・あいたい」

日本語も中国語も堪能な在日中国人の蔡にとってこれほど胸に沁みるメッセージはないのです。

ただし、この件は言葉の不自由さについてあまり意識しないお茶の間は軽くスルーします。

「リン・チーリンは日本語の演技が下手だ」というものすごく頭の悪い意見が出てくるのがお茶の間というものでございます。

しかし、ドラマの作り手というものはそのあたりも充分に意識してチャレンジすることが必要なのは言うまでもない。

結論としてはかなりわかりにくい感じだったかもなのでした。

二人の後ろめたい男女が出会うのは中華料理屋「田鶏(食用蛙)」である。

どうしても真絵美を手に入れたい蔡は・・・シュウメイと蓮介が結ばれれば真絵美が余る・・・という最後の手段を真絵美の前にちらつかせる。

そんなことはちらつかせないでこっそりと実行するべき手段だが・・・恋する男は最悪の手を選択しがち・・・という「手」である。同時に蔡が「悪」から逃れる「手」にもなっている。

「失意の蓮介を守る女」という大義名分にすがっていた真絵美は「愛する女を蓮介から遠ざけた女」にたちまち転落し・・・落ち込むのである。

落ち込む以上・・・救いはあるのがまた「手」なのである。

この辺りはかなり緻密な構成になっているのだが前提が「ディス・コミュニケーション(情報伝達疎外)」問題なので効かないのが本当に残念な感じでございます。

心に暗雲を秘めた真絵美は部下たちと屈託なくランチ・タイムを楽しむ蓮介を見て、鬱屈する。

真絵美の恋心には全く反応しないのに真絵美の鬱屈は見逃さない蓮介。

「なんかあった・・・?」

「・・・なんもないよ・・・」

しかし、職場のテレビからはレゴリスのテレビCFが流れ始める。

そこには明るく美しいシュンメイの姿がある。

恋する少年のような眼差しでそれを見つめ・・・そして苦悶する無防備な蓮介。

その姿を真絵美は痛ましく見つめると同時に・・・自身の暗黒面を覗き見るのだった。

真絵美は善なる自分を取り戻すために心を鬼にする。

「個展をするので・・・アトリエを返してもらいたい」

「ごめん・・・気がつかなかった・・・」

(いいの・・・できれば気がつかないでほしかったの)

「出て行くよ・・・オレ」

(やめて・・・出て行かないで・・・このままなんとなく一緒に・・・でいいの)

「オレ・・・今までお前に甘えていた」

(ずっとずっと甘えていてほしいのよ)

「そして・・・知らず知らずにおまえのこと傷つけて・・・」

「いや・・・やめて・・・それ以上言わないで」

蓮介が真絵美の女心を傷つけていたのか・・・単に友達として甘えすぎで傷つけていたのか・・・寸止めである。ここは含みを持たしている。

もちろん・・・甘いエンディングの伏線になっているのだが・・・真絵美が女として根性なしである以上にスタッフも腰が引けている部分である。

とにかく・・・真絵美は蓮介が自分を女として見ているかどうかを確かめることもできないまま、シュウメイから借りた恩を返すために蓮介を追い出すという構図なのである。

自分の罠から蓮介を解放して・・・運を天に任せたのだった。

捨てる神あれば拾う神あり・・・である。

ここから「韓流もどき」の汚名を避けるためにスタッフが繰り出す「柚月をお兄ちゃん萌えの妹娘にするけど二人に血縁関係はありません」作戦の長いシークエンスに突入するのだった。

仕掛け人は超いい子のエルカである。沢尻エルカではありません。念のため。

泥酔してドライブして目覚めると「もげっ」となるはずだが・・・ラブ・ストーリーなのでなりません。

目覚めると王子様の運転で高原の別荘へ・・・。しかし、ツンデレ設定の柚月は一応、抵抗するのだった。

「別荘についてるアトリエ目当てで・・・私のことはどうでもいいんでしょう・・・」

しかし・・・優しさを取り戻しつつある蓮介はそれをいなして埃を払う。

「まずは・・・窓をあけてみないか・・・」

蓮介からあふれ出す「お兄ちゃんの息遣い」にたちまちデレる柚月であった。

素早く「葉月柚月の工房」などと看板を作って兄妹気分を満喫するのだった。

若々しく・・・希望に燃えた家具職人・葉月蓮介こそ・・・柚月の憧れの人だったのである。

柚月には判っていた。経営者となり、「レゴリス」以外はすべて犠牲としてきた蓮介が罪滅ぼしのサービスをしようとしていることが・・・。

大人になった柚月にはそれはいかにもものたりなかったが・・・サービスなしよりもずっとマシなのである。

柚月はたちまち・・・兄想いの妹ごっこに夢中になるのである。

彼女はそのことを誰かに伝えたくて・・・町役場のホーム・ページに匿名で書き込みをするのだった。そして・・・それは「町民会館の内装」というレゴリス退職後の葉月蓮介の初仕事として発展していくのだった。

柚月もまた・・・家具職人の一族の娘なのである。

しかし、それはまた妹としての限界をも露呈する。

いつか・・・お兄ちゃんには好きな人が出来て巣立っていく・・・変態近親相姦ゲームでないかぎりはそれが筋というものなのである。

一方、真絵美の個人事務所にはレゴリスからの嫌がらせが始まる。

ここは蔡を悪役から解放するための「手」になっている。

圧力をかけていたのは気を回しすぎた蔡の部下の仕業だった。

「仕事はフェアで行います。アンフェアなのはいけません」

蔡は部下を叱責するが・・・真絵美の猜疑にはあえて弁明しないことで悪の気配を断ち切るのだった。

「あなたが・・・意地悪しているんじゃないの・・・」

「あなたの仕事とか・・・蓮介さんのこととか・・・関係ありません・・・ただ、私は真絵美さんが欲しい・・・・それだけです」

蓮介のあまりの淡白ぶりに自信を失いかけた真絵美はその一言で気分を良くするが・・・蔡は結局、ラブ・ストーリー上はただのいい人で終るフラグを立てたのである。

そこへ・・・甘い結末のために真絵美を迎えに来る蓮介。

「仕事をすることにした・・・手伝ってもらえないか・・・」

真絵美は昇天しかけるが・・・ここで最後の女の意地を見せるのである。

蔡を訪ね・・・「蓮介との勝負」をもちかけるのだった。

ここは「勝負事」にして終盤の盛り上がりのイベントを構築したいという意図が露骨すぎて、やや、ラブ・ストーリーとしての緊張感を削ぐ場面だが・・・ずっと放置されてきた怨みをこめて自分をトロフィー化したい真絵美の暴走と考えてお茶を濁すことにしたい。

つまり・・・蓮介と蔡に自分を奪い合ってもらいたい・・・という真絵美の自暴自棄の夢なのである。

とにかく・・・蓮介と柚月、そして真絵美チームと蔡のレゴリス・チームは「町内会館ホールの内装」を賭けてコンペ(競争)に挑むのである。

権謀術策の渦巻く大都会を離れて、緑に囲まれた別天地で・・・蓮介は再生の日々を歩むのである。

ここで・・・甘い結末に向けて・・・蓮介が真絵美の中の「女」に気がついていく様子が点描される。

こんなに近くに「美しい人」がいたのに気付かなかった・・・という蓮介の意味ありげなポーズ。

「しっくい」か「木版」かで論争となる二人を妹の柚月は複雑な思いで見つめるのだった。

「優しさ」と「力強さ」それをあわせ持つことのなんという難しさ。

柚月はいつしか・・・真絵美の中に「お兄ちゃんにふさわしい彼女」を見つけ出していく。

そこはどうしてもラブ・コメになるので継男が一瞬のきらめきを見せる。

蓮介の運転する車にひかれそうになり、秘密のレシピをもらして柚月に絞殺されかかる。

しかし、かっての教え子を・・・柚月は寸止めで許すのだった。いつかの夏も視聴率的には大変だった・・・と次元を超えて回想する柚月であった。

実は天使である安斎リナは蓮介にそっと囁く・・・。「この仕事が終ったら・・・真絵美さんは蓮介さんのいないレゴリスに戻るんです・・・それで蓮介さんはいいんですか・・・」

甘い結末に向けて・・・蓮介は初めて人間らしい感情・・・嫉妬の炎をかすかに揺らせるのだった。

その頃、蔡もまた・・・善人に脱皮するための最後の一手を打つ。

ゲイである親友ミン(阿部力)とともに豪華なタコ部屋で暮らすシュンメイに上海行きのチケットを手渡す蔡。

木々を揺らす風が

そっと私に囁く

故郷の歌を

思い出して

懐かしい気持ちで

一杯にさせる

・・・「祖国の歌」を歌うシュンメイに蔡はつぶやく。

「みんな欲しいものは自分の手でつかむ・・・そうだろう・・・シュンメイ」

「・・・これは?」

「レンさんが・・・今・・・暮らしている場所のアドレスだ・・・」

シュンメイの胸の中でずっと隠していた蓮介への思慕が燃え上がるのだった。

蔡はすべての手を打った。しかし・・・投げられたのは甘い結末のためにあらかじめ葬られるサイコロだったのである。

蓮介と真絵美は山へ芝刈に行く。

そこで清い流れが・・・二人に水馬(アメンボ)を思い出させる。

四つのコインのクイズを蓮介に教えた出会った頃の真絵美。

しかし、時は流れ、蓮介はその記憶を置き去りにしたまま・・・クイズの答えを自然のままに答えるシュンメイと出会う。

真絵美は置き去りにされたまま・・・シュンメイに恋をする蓮介を眺めていた。

(それは・・・本当は私なのに・・・)

しかし、真絵美には勇気がなかったのである。

蓮介は空間に答えを求め、上海にたどり着いた。

(でも・・・時間の中に本当の答えがあるんだよ)

消極的な真絵美にはそれが精一杯なのである。

今、蓮介は忘れていた答えにたどりつく。もちろん、それは甘い結末に導かれているからだ。

「大切なものを忘れていたよ・・・それを思い出させてくれて・・・ありがとう」

真絵美は歓喜に満ちる。もしや・・・これは夢なのではと誰かをつついてみたくなるのである。

やがて・・・恋の雨が蓮介と真絵美を濡らす。

そして・・・真絵美と真絵美に感情移入するお茶の間の皆さんは最後の試練に突入するのである。

雨の中をシュンメイがやってくるのである。

真絵美はシュンメイに受けた恩に報いるために二人に時間を引き渡すのだった。

(ああ・・・どうか・・・彼が私を選んでくれますように・・・)

それに対して、シュンメイはシュンメイを愛しく感じるお茶の間の声援を受けて甘い結末への最後のチャレンジを敢行するのだった。

時空間を越えて接近する二人。

激しく動揺する蓮介。

繰り出される必殺技・・・雨の流れる窓ガラスに書いたラブ・レターである。

れんすけ

あいしてる

れんすけ

あいしてる

そして、最終奥義・・・逆あすなろ抱き攻撃である。

屈指の名場面だが真絵美サポーター絶叫である。

しかし・・・そこで交わされる蓮介とシュウメイの言葉は秘密にされるのだった。

すべては甘い結末のために・・・なのである。

ぶっちゃけ、ここではこんな会話が交わされています。

「蓮介・・・あなたのことを思って・・・私は・・・心が乱れる」

「わかっている・・・オレも君を愛している・・・でも・・・オレには君に出会う前から・・・大切にしなければいけない人がいたんだ・・・」

「真絵美さんね・・・」

「そうだ・・・すまない」

「いいのよ・・・真絵美さんはいい人・・・蓮介もいい人・・・いい人といい人が結ばれる・・・それはいいことだから・・・」

「シュウメイ・・・」

「レン・・・」

掟破りの好きな人がいるのにそれはそれとして他の人を好きになっちゃった御免物語である。ある意味、必殺の「すまない」使用で「彼」の他にはこれが許されるのは「24」のあの人だけです。

ともかく・・・こうして甘い結末のためのすべての仕込み終了です。この部分を秘密にするのは言わば反則ですが・・・もうここまでくると甘い結末のためにはなりふり構っていられないのだと考えます。

やがて、キューピッドであるリナとドワーフの継男に連れ出されて、大人の修羅場から退避していた柚月が現場に到着。

シュンメイの香りで満たされたアトリエに打ちのめされます。

ここで数少ない柚月応援団は精一杯のエールを送るのがわかります。

「窓あけようか・・・」

「あけないでくれ・・・今だけは・・・この臭いを嗅いでいたいんだ」

「もう・・・しょうがないな・・・でも私、お兄ちゃんを好きになったこと・・・後悔しないよ・・・」

「ゆず・・・」

「お兄ちゃんが・・・誰を好きになっても・・・私はずっとお兄ちゃんの味方になってあげる・・・だって妹だもん」

蓮介は「だって本当に妹だから・・・」と言いたいのをこらえる。周囲では「韓流オチだけは勘弁してください」とスタッフ一同が土下座しているのである。

柚月は失恋の痛手をこらえて手を差し伸べる。

「もげっ」と抱っこである。

屈指の名場面だが柚月応援団絶叫である。「それは・・・48手の体位の一つですからーっ」

二人の本当の兄妹はそれを隠しつつ、血縁の絆のぬくもりを確かめあうのだった。

そして、一人泣き濡れる柚月・・・撃沈です。

雨上がりの月に照らされて・・・恋の結末を未だ知らない真絵美が蓮介と会話を交わす。

「こわいな・・・」

つぶやく蓮介の本心は愛するシュウメイを振り切って甘い結末を選んだことへの恐怖心である。なにしろ・・・奥手なので・・・真絵美を好きな自分には気がついたが真絵美の心は読めないのである。

それに対して、コンペの勝敗に関する恐怖と勘違いした真絵美は答える。

「大丈夫だよ・・・こわいのはみんな一緒だから・・・」

蓮介ははぐらかされたような気分で月を見上げる。

「惜しいな・・・もう少しで満月なのに・・・」

「惜しくないよ・・・満ちては欠ける・・・すべては途中の出来事なんだから・・・」

「ふふん」と鼻で笑った蓮介はデザインに最後のダメ出しをする。

真絵美はそんな蓮介をいつものように愛おしく感じるのだった。

いついかなるときもどんな場所でも真絵美は蓮介を愛することしかできないからだ。

そして・・・決戦の時は来た。

金にものを言わせ、予算度外視の上で奇抜なアイディアのイスを提示するレゴリス。

それに対して・・・蓮介は地味で質素なイスを提示するのだった。

「私はかって・・・ある人にイスを作りました・・・しかし、その時、私はその人の今だけを見つめてイスを作っただけでした。しかし、人間には未来がある。私は家具がその未来に向かってその人ともに存在し続けることにようやく気がついたのです。このイスはその人と長い時間を過ごすために作ったイスです。生れたばかりの子供が孫を抱く年になっても座り続けることができる。それが今の私にとって理想のイスなのです・・・」

蓮介の言葉を好意的に受け止める町内会の皆さん。

しかし、コンペはレゴリスの勝利に終る。

蔡は蓮介と肩を並べる。

「なんだか・・・勝った気がしないのです」

「日本人は最初から勝負をしない民族だからね」

「和の奥義ですね・・・学びたい」

「それは雉畑さんに学ぶといいと思うよ」

「え・・・」

「教えましょう」

「ええーっ」

和のマスターは微笑んだ。

第一のイスを見つめる柚月・・・しかし、そのイスは柚月専用ではなかった。

第二のイスは三日月が彫られ・・・ちょっと可愛い感じに仕上がってる。

「これは・・・」

「妹専用だ・・・」

「お兄ちゃん・・・」

スタッフは「実は姉妹オチ禁止のカード」を投げ捨てうなだれた。

恋の天使キューピッドであるリナは四つのコインの秘められた謎をドワーフの継男に解き明かす。

「愛はハートなのよ・・・わかるかな」

「それは・・・ちょっと無理・・・ドワーフだから」

真絵美の下へシュンメイから電話がかかる。

「今度は・・・本当に上海に帰るよ」

「シュウメイ・・・」

「真絵美さんは・・・一番の友達・・・」

「シュウメイ・・・私もだよ・・・シュウメイが一番の友達だよ」

「真絵美さん幸せになってね」

「・・・シュウメイ」

真絵美の目に皮脂によって窓に残されたシュウメイの告白が映る。

れんすけ

あいしてる

真絵美はシュウメイに一言言おうとするが電話は切れる。

そこへやってくる蓮介。彼が空港へ向かうことが真絵美には察せられる。

真絵美は生れて初めての愛の告白をする勇気を一番の友達からもらったのであった。

愛は勝負だからである。

去ろうとする蓮介の後姿に真絵美は勇気をふりしぼる。

「振り向かないで・・・そのままで聞いて・・・蓮介が好き・・・ずっと好きだった・・・でもずっと言えなかった・・・さあ・・・行って・・・私、あなたの背中をずっと追いかけてきたから、平気・・・ちゃんと見送ることができる」

真絵美の言葉を聞きながら激しく動く謎めいた蓮介の表情。

実は・・・。

(なんだ・・・両思いだったのか!)

・・・なのです。

とにかく・・・それを読みきれないお茶の間の真絵美サポーターは絶叫です。

ええーっ・・・シュウメイオチなのーっ。

そして・・・走り出す蓮介の愛車。真絵美・・・初めての失恋(詐欺)完了です。

やがて・・・最後のヒロインはお約束のエア・ポートで。

蓮介の姿を探すシュウメイ。待ち伏せに成功する蓮介。

そして・・・。

「さよならを言いに来た・・・」

一瞬、歪むシュウメイの細やかな表情。

悩殺されていたシュウメイ応援団、安堵と落胆のいりまじるため息です。

「すまない・・・」

「ありがと・・・」

交錯する二人の思い。

蓮介はシュウメイの言葉に耳を傾ける。

「中国には13億の人民がいるよ・・・統計が日本みたいにちゃんとしてないからもっといるかもしれないよ・・・その中で・・・蓮介は私を見つけてくれた・・・私の家族を探してくれた・・・私の生きる道を見つけてくれた・・・もう充分、私を愛してくれたよ・・・私、女優になって・・・輝くよ・・・遠くにいても・・・蓮介に見てもらえるように・・・月のような女優になるよ」

「シュウメイ」

「私・・・中国に帰還します・・・だから貴様は・・・帰れ・・・真絵美さんのところへ」

「・・・」

敬礼するシュンメイに礼を返そうとする蓮介だが、国際便の発着スケジュールは無常にも蓮介に決めることを許さないのだった。

やがて・・・上海の映画界で頭角を現す・・・シュンメイ・・・その座るイスは当然、第一のイスであるべきだが・・・それは映像的には曖昧である。おそらく、ゆうパックが遅配したのであろう。沖縄ハブ空港を利用したアジア直送便で送れば良かったのに・・・。

甘い結末である。

失恋気分に浸る真絵美の前に現れる大工姿の蓮介。

立て付けの悪い扉を直しながら・・真絵美の唇を奪うのだった。

ちなみに・・・真絵美はこれがファースト・キスです。

「ちょっと上手じゃないの」

「お前が初めてでも・・・オレもそうだと思うなよ・・・」

「そんな・・・ひどい・・・それにこんなところでチューするなんて・・・デリカシーがないんだから・・・」

真絵美の言葉は生涯二度目のキスで途切れたことは言うまでもない。

やがて・・・昼下がりの月に見下ろされて・・・ハネ・ムーンに向かうどこかの湾岸道路。

夢見心地の真絵美はつぶやく。

「もし・・・これが夢なら・・・醒めないでと思うけど・・・もしも目が覚めたら・・・もう一度眠るから・・・いいわ」

蓮介は微笑む。なにしろ・・・今夜は肉欲のカーニバルが待っているのである。

待ちに待った愛の日々が始まるのだ。

今夜は寝かさないのである。もちろん、蓮介は人間イスになるのである。

もう、お気づきの方もいるかと思いますが・・・このドラマはそれなりに傑作なのです。

そしてある程度再現性の高い2話連続のレビューは疲労困憊します。

関連するキッドのブログ『第7話のレビュー

Hcinhawaii0650 ごっこガーデン。愛と祝福の海岸線。通りすがりの天使テンメイ様あれ・・・ランニングしてたら実に妙な場所に迷い込んだみたい・・・もしもし、そんなところで酒盛りしてたら危ないですよ・・・四つのコインの秘密を知りたいならこちらへいらっしゃい・・・実に神秘的にお教えしますから・・・って無断で肖像権侵害かよっお気楽まあ、なんだかんだいってシュンメイとあすなろ抱きして、真絵美とキスして、柚月と駅弁・・・いやシチューを食べて・・・まあ、やることはやってるよね・・・ちょっとうらやましいシャブリ最後は真絵美の手下の職人さんたちもテロップに登場。こういう気配りにグッと来る私は少数派でございますかーっ・・・結局、1話と最終話後編のトーンが一番ロマンチックだったと思うのでありましたー・・・今回は学生気分で振り向いてみたのでありましたーっミマムまあ・・・本土は暑いっしょ~・・・結局、真絵美オチっていうのはちょっと予想外でした・・・もっと凄いことになるかもと思っただけに・・・まあ、蓮介は結局、みんなに甘やかされてダメな子になっちゃったってことなのかな~?」くうーと・・・私の率直な意見はどうか・・・気にしないでくださいーっ・・・次回担当なんで・・・すでに予防線張ってる深層心理がゴニョゴニョなのでありんす・・・今回はそろそろ失敗許されないもんでーっ・・・大森さんお願いだからはずさないでくれ~

Hcinhawaii0651 ごっこガーデン。秘密のテレビとロイド工房。アンナみなしゃ~ん。もうどんぞ言いたい放題言ってくださいぴょ~ん。アンナは最終回、真絵美でハッピーエンド、しょれだけでもう満足なのですぴょ~ん。失恋と思わせておいてハッピーという軽いどんでん返しも充分堪能しましたぴょ~ん。フル稼働を続けたダーロイド製造工場も明日は臨時休業しますぴょん。でも・・・蓮介ブログが終るのは・・・淋しいぴょん。明日から・・・どこにコメントすればいいのか・・・ぴょんぴょんぴょん・・・さて・・・もう一回、キス・コースを最初から遊びましゅ~。じいや、スタンバイして~まこもう、まこはてっきり・・・シュンメイでゴールかと思いましたアルよ~。だ、だまされました~。大人の世界って不思議でしゅ~。しかし、最後はやはり勇気を出して告白でしゅね。どんな悪事を働いても正直者は全面無罪ってことで了解でしゅ~。がんばって悪だくみに精を出せってことでよろしいかとうあい~あんぱんち最終回・・・エルカが貴重な活躍を~。柚月にナイス・アシスト・・・そしてリナにもコインの最終謎解きという重要使命が・・・それに引き換え・・・笠原は脚線美でスキップの一回しかアピールポイントがないとは・・・出番確保に本当に必死なドラマだったと言えるわよね・・・その中で・・・私は・・・見事だったわ~・・・自分に乾杯っmariなんで・・・最後が・・・豚キムチ丼・・・じいやの妄想を聞いてもさっぱりの私は・・・もう少し・・・普通の話でよかったのに・・・というのが正直な話ですよikasama4とにかく・・・皆さん、いろいろご不満もあるでしょうが・・・私としては最後に描きあげた渾身の一作。まあ・・・最終回間際の人間性を取り戻した蓮介に至るまでの道があまりにもザ・ワイディング・ロードだったのかなあ・・・と思いますねえエリずーっと休憩していたけど長女として最後はきっちりまとめておきまスー。最後は蓮介のイスの素晴らしい仕上がりに大満足。人と人とのつながりこそ・・・すべての幸福の源ですものね・・・まあ、諸悪の根源でもありますけど・・・最後は本当のかぐや姫が月に帰らないので・・・私は泣けなかったことを報告しておきまスー・・・さあ、夏ドラマの始まりですよ~

水曜日に見る予定のテレビ『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホタルノヒカリ2』(日本テレビ)

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2010年7月 5日 (月)

ちくと前なら覚えちょるが150年前だとわからんき(坂本龍馬)

昔のことを語るときや語られるときは基本的にそれがフィクションであるという心構えが必要である。

基本的に記録というのは嘘八百であり、本当のことなんて何一つないのが当然なのである。

まして、人が記憶を頼りに語ったことなんて信用しないのが前提なのである。

それでも・・・まあ・・・ある程度の共通認識を持たないことには話が進まない。

歴史上の「武市瑞山」は「吉田東洋殺人事件」について関与を最後まで否定したというのが通説である。

この場合の通説とは資料などを通じて研究者の大勢がそれを支持しているということである。

その通説の総合が正史であり、いわゆるひとつの歴史なのである。

つまり、あくまで人為によるフィクション(虚構)なのである。

大河ドラマ「龍馬伝」ではすでに武市瑞山が示唆して吉田東洋を殺害させたことになっており・・・つまり、現在は取り調べに対してシラを切っていることになる。つまり、ウソツキだ。

では、歴史上の通説ではどう解釈されているかと言えばやはり、黒幕は武市瑞山とみなされているのである。

つまり、武市の描き方は歴史的であるということだ。しかし、本当は冤罪だったかもしれない。

そう考えるのは武市好きだったり、武市の子孫・関係者だったりするわけだが・・・キッドはどっちでもいいと思う。

禁門の変のあった元治元年七月には土佐では清岡道之助の乱が起きている。下級武士による反乱であり、容堂はこれを百倍の兵力を投入して鎮圧している。

清岡は坂本龍馬、武市瑞山どちらとも交友があったとされ、土佐勤皇党の一員である。

禁門の変との連動や、武市切腹との関連は当然、推察できるだろう。

龍馬が同志の暴発によって海軍を失ったように、武市もまた同志の暴発によって切腹に至ったと考えることもできる。

もちろん、愚かな仲間の行動をそれでも悼む龍馬や瑞山も真実かもしれないが・・・ちっと舌打ちした二人もいたように思える。キッドが同じ立場なら舌打ちします。

まあ、龍馬にとっては武市がどんなに心配でも自分のことで精一杯の元治元年(1864年)から元治二年、そして慶応元年(1865年)の流動期である。武市半平太のために土佐に戻って大芝居を打った形跡は歴史的にはゼロに近いと妄想的にお断りしておきます。

で、『龍馬伝・第27回』(NHK総合100704PM8~)脚本・福田靖、演出・大友啓史を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は龍馬の最後を土佐藩の内外で支えた二人のジョー、溝淵広之丞・沢村惣之丞の二大描き下ろしイラストの大サービスでお得でございます。広之丞が年上、惣之丞が年下で、広之丞がネズミ年で、惣之丞が一回り下のウサギ年。なんとなく、それにそったキャスティングを感じる今日この頃です。男女同権、四民平等の現在から幕末を見るのはもうすでにフィクションになるのですが・・・男女間の対等な恋愛が成立しない以上、真の色恋と呼べるのは男同士だったりして・・・武市と以蔵、龍馬と武市、龍馬と勝、勝と西郷、西郷と龍馬、龍馬と溝淵、龍馬と沢村・・・もう無限のあーっ!な組合せに眩暈を感じる方々も多いのでは・・・と推察。士農工商である以上、饅頭屋と大和屋の男女の結びつきがもっとも現代の男女関係に近かった可能性がございます。基本的に女性は品物であり、取引対象であった時代の話ですからな。そういう意味では今回の展開は役者の上手下手は別としても現代のお茶の間の想像の及ばないリアルだったと考えます。だから・・・もしも龍馬が武市を助けに土佐潜入をしたとしても後藤象二郎に身を捧げるくらいしかできず・・・後藤も美味しく頂いたが便宜は図らなかったくらいが妥当かと。どんな「龍馬の胸に赤い薔薇」だ・・・。まあ、今回程度の奇想天外さはつかこうへいの「竜馬伝」シリーズの発想の飛躍に比べたら煙は薄しですけれども~。

Ryoma186501 で、元治元年~二年にかけての秋だか冬だか春だかに時代は錯綜していく。勝海舟の失脚と神戸海軍の廃止は1864年と1865年の中で流動するからである。海軍奉行という役職で見れば元治元年に一時旗本堀氏が職に就き、元治二年には小栗氏が引き継いでいる。俗説である、勝・小栗敵対説に従えば、小栗は神戸海軍にイギリスの香りを感じ、それを元治二年に廃して改元した慶応元年にフランス主導で横須賀海軍を開始するという明瞭な流れが臭い立つ。ウイスキーよりワインの香りが強まってものすごいお金の臭いもただよい、やがて徳川埋蔵金伝説の素地が仕込まれるのである。やがて大奥にまったく興味のない次期将軍慶喜と小栗、篤姫・和宮の大奥母娘と勝という権力闘争も芳醇な香りを漂わせる。フランスとイギリスの覇権争いが加わって幕末は沸騰していくのである。とにかく、どこかで神戸海軍は消え、横須賀海軍が生まれ、その中間で坂本龍馬は路頭に迷う。しかし、それは一瞬の出来事だったのである。なぜなら、龍馬たちは日本に数百名しかいない黒船乗りなのだ。就職先には事欠かないのである。

薩摩藩、大阪屋敷では西郷隆盛が伊東四郎左衛門を呼び出していた。

「伊東様は海軍塾で土佐の坂本龍馬を見ましたか?」

「はあ・・・まあ、坂本さんは一応塾頭でしたから・・・」

「どげな男でごわすか・・・」

「まあ・・・語学や数学はそれほどではありませんが・・・」

「ほほう・・・」

「統率力や・・・戦略眼には並々ならぬものがあると見ました」

「ほほう・・・戦上手とみましたか・・・」

「海軍塾では海軍同士の模擬戦を行いますが・・・坂本塾頭の指揮による軍は百戦百勝でした」

「ほう・・・それは奇妙な・・・ことでごわすな・・・戦というものは常に五分が精一杯が理というもの」

「しかし・・・あの人が指揮をとると不思議に負けないのです」

「ふふふ・・・面白か・・・もしおいどんが1万両なら・・・坂本龍馬にいくらの値をつけますか」

「西郷どんとは比較できませぬが、拙者が千両なら坂本塾頭は五千両の価値はありもうそう」

後に日清戦争の連合艦隊司令長官となる伊東祐亨は龍馬をそのように値踏みした。

西郷は坂本龍馬を買う気になった。

その頃、龍馬は伏見寺田屋を根城に京都くのいち忍軍の編成に入っていた。背景には京都の闇の経済を動かす公家商人・岩倉友山具視がいる。もちろん、勝海舟の采配の一手である。政敵・小栗忠順が一時の勝利に酔っている頃、勝は「幕府その後で」の伏線を次々に張っていた。

「ふふふ・・・坂本はん・・・あんたは女衒として誠に凄腕でおじゃるな・・・」

「そりゃ・・・誉められとるのでございましょうか」

坂本の仕立てたくのいち女郎を味見した岩倉は目を細める。

「誠に真でごじゃるよ・・・藤原のくのいちでもこういう寝技はなかなかに珍しい・・・さすがは明智の血を引く流派じゃ・・・」

「まあ・・・明智流は基本的に京風であるらしいきに・・・」

「ふふふ・・・公家といえども・・・酒、女色、博打の三種の遊戯は欠かせませぬからな。勝はん、女のことは坂本はんにまかせろと申しはって江戸に帰ったのでおじゃるが・・・言葉に嘘がないお方でおじゃった」

「公家の世界も飲む、打つ、買うなんじゃのう・・・土佐のやくざものと同じじゃき」

「ふふふ、お上はそれをとりしまったり、ゆるめたりで上がりを楽しむものじゃからの」

「ふむふむ・・・」

「たとえば・・・どこかの相撲賭博で手入れがあったとするでおじゃろう」

「うむうむ・・・」

「その時、貴族が何人かお咎めを受けるとする」

「ほほう・・・」

「そうなれば・・・賭博していない貴族などいないのだから・・・全員がお咎めになってもおかしくないでおじゃろう?」

「まあ・・・」

「しかし・・・そうはならずに翌日には別の場所で相撲賭博が開帳するのでおじゃる」

「なるほど・・・みせしめも博打のうちなのじゃな」

「その通りでおじゃるよ・・・」

「とがめられた貴族を見事当てれば大儲け・・・本人で本人の札を買っておけば、罪は受けても金は儲かる仕組みでおじゃる」

「まあ・・・博打好きはどこまでいっても博打をするんじゃきにの・・・」

「そのうち・・・坂本はんも名をあげて・・・」

「ふむ・・・」

「打ち首賭博の対象となるでおじゃろうよ・・・」

「そりゃ・・・恐ろしいことじゃの・・・」

坂本龍馬は京都の闇を仕切る極道貴族の凄みを一瞬感じ取った。

そこへお龍が酒膳を持って入ってきた。

「ほほう・・・こりゃあ・・・」と岩倉は舌なめずりをする。

「だめじゃ・・・」と龍馬は手を振った。「これは坂本家の嫁ですき」

お龍は岩倉に微笑んだ。

岩倉は一瞬、龍馬にはわからない合図をお龍と交わしている。

短い元治二年が終ろうとしていた。やがて・・・修羅の花咲く慶応年間である。

関連するキッドのブログ『第26話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『石原さとみの逃亡弁護士』(フジテレビ)『観月ありさの天使のわけまえ』(NHK総合)新旧ナース対決かっ。

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2010年7月 4日 (日)

負け組になったら土下座してわびるのよ(吉田里琴)あんたかっこいいわ(八木優希)

短期決戦をそつなくまとめる痛くもかゆくもないルーティン・ワーク・ドラマ。

こんなぬるま湯を書いてて本当に楽しいのか・・・疑問だが。

仕事ですから・・・と言われればその通り。

まあ・・・このメンバーで趣味に走ったドラマを書かれてもそれはそれでおそろしいことになる可能性はありました。

で、『ハガネの女・最終回(全7話)』(テレビ朝日100702PM1115~)原作・深谷かほる、脚本・大石哲也、演出・唐木希浩を見た。数々の問題児、数々の問題保護者、数々の問題教育委員を抱えた物語。つまり、主人公は概ね正しい。そして、先生仲間は基本的に善人ぞろい。ある意味、日教組万歳ドラマに仕上がっている。問題のある教師だっているだろうがな。

しかし、そんなことを言い出せばたちまちモンスターになるのである。

キッドは職業以外に趣味を持っている人生に対して否定的であるが、たとえば太極拳に夢中になっている外科医とかに手術されることに不安を覚えるタイプである。

昔、親戚の人々に「あんたのように誰もが自分の好きに生きているわけではない」とお説教されたことがあるが、その時、「好きに生きるか生きないかは人それぞれの勝手であるが、好きに生きない人生を選択しているのはあなたの選択の結果にすぎず、それはある意味、人はみな好き勝手に生きている証ではないのか」と問い質したキッドは充分に憎まれる素質を持った小学生だったと考える。

まあ、とにかく、「自分で望まぬ人生を生きている自己憐憫ほど哀れなものはない」という信念は今も崩れない。

そういう意味で・・・最後まで自分を曲げない弱肉強食肯定主義者・4年3組生徒の菊田真理衣(吉田)は天晴れな存在感なのである。「駒野お前は悪くない」という美しさもあってもいいが「駒野のせいでベスト8を逃した・・・一本も止められない川島も最悪だ」というどす黒い主張もあってもいいと思う。慰めよりムチが好きな人だっているんだからーっ。キーッである。・・・いい加減にしておけよ。

その母親(荻野目慶子)は夫の会社の倒産ショックで入院しているのであり、まさに荻野目を吉田が越えた一瞬である。・・・だからドラマだよ。

一方、ウサギ殺しのれもん(柴田杏花)、一人成長早いホットマンせり(日向ななみ)、継母問題に悩む美奈(八木優希)、恋愛依存症の母親を苦に自殺未遂の愛梨(大橋のぞみ)と天才少女子役たちは最後はみんな良い子になってしまうのである。

まさに教師絶対万能論の臭いがします。

教育が趣味の教師・・・これだけはなぜか、信用できない気がするのである。

広い視野をもって教育現場に還元していく・・・それがある程度要求されるのが教育というものだからだ。

しかし、教育がすべての教師は悪くない。

人が人に教えるということは全身全霊をもってとりくむ大事業だからである。

それにしても、憲法が戦勝国主導による不合理なものである以上、一刻も早い改正が必要であると同じように、教育委員会という不可思議なシステムも戦勝国占領軍の主導で誕生したことを忘れてはいけない。

教育委員会と教育委員会事務局の解体も緊急を要する政治的課題であることは間違いない。

戦場で人を殺害することは戦勝国に限って合法、教育現場で情報の収集・蓄積・処理の基本を教える教育者の養成に対する無理解・・・こうした国家戦略の根幹を揺るがす不自然な状態は一刻も早く改善する必要がある。

なにしろ、世界は日本を悪さができないように懲らしめのために縛っておきながら、そのことをすでに忘れかけているのである。

今、自ら呪縛を解かなければ、人々はいつまでも縄にがんじがらめのまま不自由に生きていかなければならないのだ・・・もちろん、緊縛趣味の人の徹底的な反対は断固、粉砕する必要がある。もちろん、彼らは断固粉砕に歓喜するので問題はないのである。

お坊ちゃま教師・塩田(要潤)を争った芳賀稲子(吉瀬美智子)と愛梨の母親(横山めぐみ)は仲直りの酒宴を催す。

この時、どちらがどちらかよくわからない状態は・・・ある意味、二人の女優の限界を示しているし、愛梨の母親と塩田が何もなかったというオチは・・・このお茶の間向けドラマの限界を示す指標である。・・・なわけないだろうが。

最後はクラスが一丸となり、解任の噂の出た稲子に対し「先生やめないで」の大合唱である。

そんな風にまとまることにものすごく嫌悪感を憶える人にキッドはひそかに共感しつつ、こう囁くのである。

「黙っておけばいい・・・嵐はやがて過ぎ去るから」

最後に演説を決めるのはマナ(有村架純)である。「人生に勝ち組も負け組もない・・・あるのは今が幸せかどうか・・・それだけです」と語る十七歳。これから数多くのライバルを倒し、勝ち残っていく女優の道レースにエントリー。ますまずの好スタートをきったと言えるだろう。どうか・・・これで終わりませんように。

基本的にこのドラマの根底に流れているのはある種の敗者の戯言のようなものでもありますから。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『月の恋人』(フジテレビ)

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2010年7月 3日 (土)

アンドロイドが泣かないと決めた日(榮倉奈々)

帰ってきたのだった。

意表をついたスペシャル版登場である。

人の心に棲む闇をビルの谷間に澱ませる奇跡の物語。

絶対に泣かないと決めたので・・・本当に泣きません。

ただし・・・今回の美樹(榮倉)は不死身の体を手に入れたらしい。

今さらですが・・・記事はすべて妄想ですのでご注意ください。

で、『絶対泣かないと決めた日~緊急スペシャル~』(フジテレビ100702PM9~)脚本・渡辺千穂、演出・石川淳一を見た。誰もがあまり期待していないキャスティングで平均11.4%ながら最終回14.9%をたたき出した奇跡のドラマ(2010年1月~)である。社内いじめの地獄に耐え抜き、自分だけでなく関係者一同の魂のルネッサンスを成し遂げた不死身のOL美樹の再登場である。

総合商社・葵商事に外資系大企業がら合併の魔手が伸びていた。葵商事社内には業績の高い部門目当ての合併で他部門が消滅する可能性を危ぶむ正義派と利潤を追求するためには社員の犠牲も厭わない吸収合併万歳派の対立抗争が始まっていた。

正義派の筆頭に立つ、イタリア食品部門・統括マネージャー桐野(藤木直人)は腹心の美樹を秘書室に潜入させるべく人事工作を行う。

秘書室はリーダー・絵里奈(佐藤江梨子)をはじめとして合併促進の巣窟となっていたのだ。

合併を阻止しようと運動する桐野の前に立ちはだかる利潤追求の鉄の掟。そして金の亡者である本部長・安西(升毅)と腰ぎんちゃくの秘書室長(北見敏行)・・・。

しかし、「まちがっていることをまちがっていると言えないのだけは絶対イヤな女」美樹はその掟と金の亡者たちに敢然と立ち向かうのだった。

一方、美樹の妹の守護霊である謎の魔法少女によって悪魔アダマンテの呪縛から解放された万里香(杏)は夫・仲原(要潤)とともにニューヨークで暮らしていた。葵商事ニューヨーク駐在員の妻社会の女王みどり(伊藤かずえ)はアダマンテの支配下にあり、裏切り者の万里香には密かに処刑命令が下っていた。

「私たちの嘘八百であなたの夫の出世に響くことなんていくらでもあるのよ」

夫を愛する万里香の弱みにつけこんで万里香を支配下において調教しようと考えるみどり。

「さあ・・・私の靴をおなめなさい」

万里香は屈辱に耐えるのだった。

そんな万里香にはとバスガイド出身で光の国の科学者・美恵子(加賀美早紀)は愚痴をこぼす。

美恵子「いじめられるだけ・・・マシじゃない・・・私なんかチョイ役過ぎて泣けてくるわ」

万里香「本当よね・・・加賀美早紀の無駄使いにも程があるわ」

みどり「甘いわね・・・私なんか高見沢みちるからスタートして・・・美人すぎてどんだけ悪女役やらされてると思ってんの」

二人「先輩~・・・最近ふっくらしてきましたよね」

みどり「そ、それだけは言わないで・・・役作りなんだから」

その頃、秘書室のリーダー絵里奈に緊急出動を命じられた美樹は得意先のエロ親父に対する夜の特別接待を命じられていた。

美樹「そんな・・・ことはできません」

絵里奈「何を言ってるの・・・秘書といえば高級娼婦と同義語なのよ」

エロ親父の送迎を命じられた美樹は接待用高級車の車内でセクシャル・ハラスメントを受け、時速100キロで走行中の車内から路上に転がり落ちるのだった。

火花を散らして道路に転倒する美樹。

エロ親父はスキャンダルの予感に青ざめる。

しかし、すでに機械化されたサイボーグである美樹にはこれぐらいのことはなんでもないのであった。

「き、きみ・・・怪我は・・・」保身のための計算をしながら声をかけるエロ親父を無視して、美樹は路上を自動帰宅装置の命じるままに走り出すのだった。

「バ・・・バケモノ・・・」・・・エロ親父は腰が抜けた。

しかし、体はサイボーグ化されても心は人間の美樹は汚い男に接触された不快感で泣きそうになる。

「でも・・・私は絶対に泣かないと決めたから」

美樹の体細胞を構成するナノマシーンは修復活動を開始していた。

そこに立ちふさがるアンドロイド絵里奈(先代ハニーOLヴァージョン)である。

「あなた・・・お得意様に恥をかかせたわね」

「あんなことされたら黙ってはいられません。セクハラは犯罪なんですよ」

「まったく・・・サイボーグのくせに頭が固いのね・・・私のような高性能セクサロイドには理解しがたいわ」

「二代目に・・・胸で負けてるからって・・・」

「な、なんですってーっ」

絵里奈の集積回路はショートした。

しかし、登場した瞬間に裏切り者だとわかる桐野の学生時代の友人(鈴木一真)の仕掛けた罠により、窮地に陥る合併反対派。

一方、万里香はみどりの罠により、甲殻類アレルギーの支店長夫人にかにエキスたっぷりのご馳走をふるまってしまう。

「まあ・・・毒を盛るなんて恐ろしい」というみどりに万里香は冷然と言い放つ。

「やっていないことをやっていると言われるのは心外です。だからやったことはやったと言います。みどり様はピーナッツ・アレルギーですよね。そのサンドイッチ、ピーナッツバター入ってます」

「えーっ」

たちまち悶絶するみどりだった・・・おいっ、いい加減にしておけよ。

まあ、毒蛇は毒蛇の尻尾を踏めないのは決まり事だからな。ヘビには足がないからな。

やがて、食品チームのリーダーの佐野(木村佳乃)の母親(島かおり)の入所する老人ホームに息抜きに出向く美樹。そこへ登場した瞬間に切り札とわかる二階堂様(佐々木すみ江)が登場。

絶対絶命の葵商事株主総会・・・合併反対の声が葬り去られようとした瞬間、その神秘のベールを脱ぐのだった。

「私が筆頭株主、そしてあらゆる企業の大株主、二階堂だよ・・・この世の正義は私のお気に入りになるかどうかで決まるんだ・・・私は美樹ちゃんてえ子がすごく気に入った・・・以上」

この世界で大金持ちのすることに不可能はないのである。

やがて、魔女の万里香とサイボーグ美樹は再会する。

「ありがとう・・・あなたのおかげで私はいい魔法少女になれました。けじめとして私を一発なぐってもいいわよ」

「本当にいいの・・・」

「お嬢様に二言はない」

「じゃ・・・せえの」

100万馬力の美樹に軽く頬をはたかれた万里香は成層圏を離脱した。

しかし、魔法があるので命に別状はないのである。

とにかく・・・会社ものエンターティメントとしては軽く傑作なのです。

関連するキッド『泣かないと決めた日

日曜日に見る予定のテレビ『龍馬伝』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2010年7月 2日 (金)

スーパー・ナチュラル・ホラーをあなたに(桜庭ななみ)

「毒トマト殺人事件」というお遊びドラマもあるのだが、「スターと遊ぼう!」というコンテンツではなく「スターで遊ぼう!」というコンテンツであり、ある意味、楽屋オチの連打である。スタッフが一番楽しいのでは・・・と思わせるのはエンターティメントとしては三流だと考える。まあ、そういう部分も楽しめたら問題はない。語りだしたらいろいろあるので・・・ドッキリとかドラマのようなものについてはキャリアがあります・・・やめておく。

そういう意味ではスーパーナチュラルホラーというジャンルも諸刃の剣である。

聖アンナと洗礼者ヨハネと聖母子・・・と突然、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画のタイトルを無意味に挿入すれば文脈は乱れている。

怪談などというものは基本的に意味不明だったり、不可解だったりすることを刺激として楽しむエンターティメントである。

辻褄があわなくてよろしい・・・が前提だ。

つまり・・・そういうことは恐怖であり、不気味であるからだ。

もちろん、超自然の恐怖ではない、ナチュラル・ホラーというものがある。秋葉原の路上や、自動車の工場や、名門小学校に刃物を持った狂人が飛び込んでくるのも充分に恐ろしい。もちろん、それをエンターティメントとして楽しむことは関係者各位に相当な根性が求められるのである。そういう意味で「トリハダ」シリーズは優れたコンテンツなのである。

虚構大事の世界では、現実というフィクションが文学や映像芸術などの表現のフィクションに介入することを基本的に忌避するわけだが、世の中にはそういう本質を理解する知的水準をもたないものが多くいる。

葬式で参列者が爆笑しては不謹慎だというルールもあるらしい。

そういうすべてのおりあいをつけるのがたやすいから・・・虚構の創造者たちはスーパー・ナチュラル・ホラーに夢を托す。

もちろん・・・彼らがあまりにもそれにのめりこむと普通のドラマが作れなくなるおそれがあるので注意してもらいたい。

超自然では許されるなんでもありが・・・自然では許されないのがお約束です。

で、『怪談新耳袋 百物語 第101話~105話』(TBSテレビ100702AM0310~)脚本・大九明子(101話兼監督)、内藤瑛亮(102話兼監督)、篠崎誠(103話・104話兼監督)、藤平絢人(105話)、監督・継田淳(105話)を見た。例によって、BS-iのお下がり(2010年5月放送)である。地上波のほうが放映季節はふさわしい感じになっている。夏にこわい話は美しい日本の季節感である。たとえば・・・こわいものが窓の外にいるのに窓を閉めないで腰を抜かしたり、鍵はあけられる妖怪がドア・チェーンはあけられなかったり・・・辻褄のあわない連打だが・・・スーパーナチュラルホラーなのでなんでもありなのである。そしてこわければそれでいいのだ。こういうドラマである程度評価されてしまうと・・・ナチュラル・ドラマを作るときについうっかりの連打になりやすいのである。まあ・・・それもまた一興なのだが。

「スリッパ」・・・女子高校生が女友達の家にお泊りに行くのは安全な冒険である・・・と誰もが思いやすい・・・少なくとも不慮の妊娠の心配はないはずだ・・・と・・・しかし・・・女友達の家にだって何が潜んでいるのかわかったものではないのである。女友達の父兄が強姦魔かもしれないし、女友達の悪い男友達が徒党を組んで潜んでいるかもしれない。そして時にはこの世ならぬものが・・・。女友達(松山メアリ)の家に遊びにきた室内でスリッパをはくタイプの女(桜庭ななみ)は・・・それなりにウキウキ気分でトモダチの家にお泊りを楽しむのである。女は無地のスリッパを選ぶ。

メアリ「あなた・・・部屋でスリッパをはく人なんだ」

ななみ「そうよ・・・あなたははかないの?」

メアリ「だって・・・無駄だし」

しかし、ななみの行動を柄入りのスリッパが追いかける。トイレのドアり前に、洗面所の入り口にいつのまにか柄入りスリッパがならんでいる。

ななみはそれが不気味だった。

ななみ「なによ・・・嫌がらせのつもり・・・私なんか泊めたくないの」

メアリ「そんな・・・私はただ嫌われたくないの」

機嫌を直したななみはすでにパジャマに着替えていた。

メアリ「ちょっと大きいかな・・・」

ななみ「いいよ・・・もう着ちゃったし」

メアリ「姉のだから・・・」

ななみ「あら・・・あなたお姉さんいたっけ?」

その時、ななみは側らに柄入りのスリッパを発見して恐怖を感じる。

そんなものはそこにはなかった・・・。

ななみ「わ・・・私、帰る」

メアリ「き、嫌いにならないで」

玄関に駈けるななみ・・・しかし、そこにはスリッパが先回りしている。そのスリッパを履こうとする白く幽かな足が見える。

(解説)妖怪屋敷ものである。死んだ姉の幽霊ものである。スリッパのお化けである。孤独な魂の呼ぶ声である。他人には知られたくない家族の話である。

「寺に預けられた理由」女子高生(宮武美桜)が小学生(宮武祭)だった頃の話である。母親と二人で朝食を食べていると二人の女が取っ組み合いをしながら食卓のあるキッチンに乱入してくる。二人はお互いの髪を引きちぎりあうほどの修羅場を演ずる。

娘の目に見えるその恐ろしい光景が母親には見えない。

娘がそれについて話すと母親は何か思い当たったような顔になる。そして娘を連れ出すとお寺でお払いをしてもらうというのだ。

それ以来・・・娘はお寺に住んでいる。

話を聞いていた友人「・・・それでお寺では何があったの?」

女子高生「それは聞かないで・・・」

(解説)新興宗教の恐ろしい勧誘の手口なので注意してください。

「ついてくるもの」夜更けに帰路を急ぐ女子高校生(松山メアリ)・・・母親も帰宅が遅くなるらしく携帯電話に着信がある。

「・・・まだ家じゃないの?」

「もうすぐ着くところ・・・」

「戸締りよろしくね」

「うん・・・」

その時、軍靴の響きが聞こえる。規則正しい行進の音が接近してくる。聞きなれぬ物音に女子高校生は背後をふりかえる。

暗がりに姿を見せたのは怪しい影・・・。

「・・・あひる?」

しかし、それはのたうちまわる傷痍軍人だった。

「何、何なの?」

行進しているのは傷病兵の群れである。あまりの恐ろしさに女子高校生は走って家に帰る。しかし、町内を行進する軍靴の響きはしだいに彼女の家に接近してくるのだ。

「い、嫌・・・」

二階の窓からそっと覗くと包帯だらけの傷病兵と目があってしまう。発見された恐怖に腰がぬけるメアリ。

ふと気がつくと室内は血まみれの傷病兵で満ち溢れている。

彼らはフレッシュなメアリの身体を求めているらしい。その差し伸ばされた手がそっとメアリの首筋にふれる。手にふれる。足にふれる。

メアリは失神寸前である。

(解説)平和な生活は戦争の犠牲者の死体の上に成立している。人類百万年の歴史を考えれば人の死んでいない場所など地上のどこにもないのである。

「扉のむこう」お留守番をすることになったななみと祭の年の離れた姉妹。妹はまだ子供で玄関チャイムがなると相手を確かめずに出てしまうような幼さがある。

姉のななみは妹の祭をたしなめるがドアの外は無人だった。

ドアに鍵をかけ、床についたななみを真夜中に祭がおこす。

祭「あのね・・・トイレなの」

ななみ「子供じゃないんだから・・・」

祭「・・・まだ子供だもん」

仕方なく・・・玄関横のトイレに付き合うななみ。その時、玄関の鍵がカチャリと解けて・・・黒い男が侵入してくる。トイレのななみは姉の絶叫を聞く。

祭「お、お姉ちゃん」

ななみ「だめ・・・出てきちゃ・・・」

やがて、トイレのドアが粉砕され・・・男が侵入してくる。

絶叫で目を覚ましたななみ・・・妹は泣いている。

祭「こわい・・・夢を見たの」

同じ夢を見ていたななみはあわてて・・・玄関に行き、ドアにチェーンをかける。

夢と同じように鍵が解かれ・・・ドアは開きかけるがドア・チェーンは切断されない。

ドアの外で黒い男がつぶやく。

「あれ・・・夢と違うじゃないか・・・」

(解説)ナチュラル・ホラーとスーパー・ナチュラル・ホラーの融合である。この方がこわさを感じる人も多い。黒い男は白昼すでに合鍵を手にいれた変態色魔であるとも考えられる。しかし、ドア・チェーンを切る一手間を惜しむ小心者である。超自然は姉妹を毒牙から救った夢のお告げである。おそらく、神に愛された姉妹なのである。

「赤塗り」夜更けに友人(高杉彩良)の家を訪ねる宮武美桜・・・。マンションの玄関で友人に到着を告げると友人は「504号室・・・階段は使ってきて・・・」と応じる。

階段は面倒くさいと忠告を無視してエレベーターを利用する美桜(あかりちゃん)だった。

しかし・・・エレベーターはなぜか四階で停止。

黒い手に赤い爪のおそろしいものが現れる。

思わず、折りたたみ傘で「それ」を攻撃するあかりちゃん。すると、赤い爪がポロリと落ちた。

エレベーターを脱出し、階段で命からがら友人の部屋にたどりついたあかりちゃん。

しかし・・・友人は・・・。

「エレベーターを使ってしまったのね・・・」

「なんで・・・わかるのよ」

「だって・・・その手・・・」

あかりちゃんの手の爪はいつの間にか真っ赤に塗られていたのである。

(解説)マニキュアは信頼性のある専門店で塗るのが一番。一生落ちなかったら困りますから。

(総論)「扉のむこう」の敵から幼い妹を守ってトイレの前に佇み、玄関ドアに立ちふさがるななみの横顔と後姿。その勇姿が目に焼きついた人は男性として正常に機能しています。

関連するキッドのブログ『怪談耳袋・劇場版

               『トリハダ

                『恋して悪魔

土曜日に見る予定のテレビ『臼田あさみの鉄の骨』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2010年7月 1日 (木)

感謝しても感謝しきれない男と後悔しても後悔しきれない女のくらし(中谷美紀)

感謝知らずの女と後悔知らずの男でもよかったのだが・・・成功者のアドバイスと失敗者の忠告のどちらに耳を貸すかという問題でもある。

名言というのは心に残る言葉をさすのだが・・・キッドはそれを多く知らない。

千くらいである・・・充分じゃないか・・・。

しかし、千もあるとないのとほとんど同じだ。

人々はなぜ結婚するのだろうか・・・という問いかけの答えとしてキッドの頭に浮かぶのは次の言葉である。

荒れた海で漁はできない・・・農家を営む義理の父親が家出をして実家に潜伏中の妻を迎えにきた夫に言った言葉。キッドが思ったのは「あんた漁師じゃないじゃん」であった。若さゆえのあやまちなのでお許しください。

どこでもいい子じゃいられない・・・三人の子供を実家に預け暴力夫から闘争中の幼馴染の言った言葉。夫も妻も子供たちもきっとそういう心情なのだろう。まあ、結婚するということはそうだからこそせめて家庭で・・・という意味を含んでいると思う。

美人の嫁さんがかわいそうだろう・・・酒乱のために家庭を壊しそうな悪友にキッドが言った言葉。自分で言いながら「じゃ、ブスの嫁さんだったらかわいそうじゃないのか」と心の中で自問した。その答えは今も風に吹かれている。

今、ちょっとピンチだからお金を貸して・・・泣いて頼んだのに家を去った妻が数十年ぶりに言った言葉。別れた夫からいつかお金を借りるために離婚する妻がいてもいいと思う。しかし、断じて貸さない離婚した夫がいてもいいと思う。

夫が妻に毒殺されないように地獄を設定してみました・・・いつか夢の中で旧友の神様が言った言葉。家庭内で平和が維持されるのはすべて悪いことをしたら地獄行きというフィクションが為している技なのである。

その神話が薄れつつある現在、日本では毎年およそ150万人が結婚し、およそ50万人が離婚していると言う。

人間って面白い。

で、『ドラマスペシャル離婚シンドローム』(日本テレビ100630PM9~)原案・吉池安恵、脚本・伴一彦、演出・佐久間紀佳を見た。「Mother」と「ホタルノヒカリ2」を繋ぐスペシャルドラマである。母子ものと未婚もの間に離婚ものを配置。とてもシスティマティックなのだな。シンドロームとは症候群という意味なので・・・離婚という病についてのドラマである。つまり、前提は結婚生活の肯定なのだ。それを肯定するか否定するかはお茶の間の自由である。もちろん・・・結婚シンドロームという考え方もあります。

夫婦問題カウンセラーの渡辺貴美子(中谷美紀)はバツ2である。つまり、二度の結婚に失敗している。もちろん、結婚・離婚は成功・失敗ではないという考え方もあるが・・・それは少数意見として黙殺します。

渡辺カウンセラーには二度目の夫との間に一女があるが、離婚に至る裁判で娘の親権を得ることはできなかった。また、二度目の元夫の後妻が渡辺の娘をわが子のように可愛がっているために生涯実母の名乗りをあげないことを心に誓っている。

しかし・・・娘の写真は肌身離さず持っていて・・・時々電信柱の影から写真を撮るなどストーカー行為は続けているようだ。

とにかく・・・それは渡辺カウンセラーにとって最後の武器なのである。

ついでに、渡辺カウンセラーは精神科医でもあり法律家でもある。あるいはどっちにもなれなかった女とも言える。

しかし、夫婦の間にある医者にも弁護士にも救えない問題を怪しいカウンセラーという職業でなんとかしようと決意し・・・生計を立てているのだ。

もちろん・・・他人の不幸が蜜の味なのは結果論なのである。

渡辺カウンセラーには医者の知り合いがあり、ストレスから体調不良になった患者を紹介してもらい、離婚や親権問題などで裁判沙汰になった場合には知り合いの弁護士を相談する。

知り合いに医者と弁護士がいる人ばかりではないので仲介手数料をもらうだけでも成立するビジネスです。

夫・光俊(市川亀治郎)の東大出身の官僚ならではの高圧的なモラルハラスメントによるストレスで体調不良になった妻・さゆり(釈由美子)・・・。娘に買ってあげた熊のぬいぐるみは「センスが悪い」と夫に捨てられ、夫の母親のレシピ通りではないと作った料理を捨てられ、蝶のコレクションを鑑賞する時間を邪魔したと言っては土下座させられるさゆり。キッドなら妻なら確実に一服もるよな。・・・お前男だろう。

一方、老境を迎えた俊夫(石坂浩二)は妻の静子(風吹ジュン)に突然、離婚を迫られる。離婚を求められる理由が全く思い浮かばない俊夫は途方にくれるのである。

さらに、妻の華子(柴本幸)の家庭内暴力に難儀する夫の勉(山本太郎)は満身創痍で渡辺カウンセラーを尋ねるのだった。

まあ・・・脚本家はちょっと頭に花が湧いているタイプなので・・・「冗談じゃない!」の脚本家である・・・時々、ファンタジーな展開もあるが・・・問題提起としてはそこそこ楽しい展開である。

まあ、東大出身の経済官僚がすべて支配欲の権化でマザコンで蝶おタクではないと断言しておきたいと思う。

しかし、カウンセラーのアシスタントである小林くん(田中聖)がさゆりの大学時代の親友でゲイだった・・・というオチは果てしなく無理がありましたーっ。

家庭裁判所で、妻の不倫を攻め立てた夫側の弁護士も、事情を問い質した裁判官も、妻側の弁護士も・・・唖然とするカミングアウトだった。

そして一番ショックだったのは恋多き女シンドロームの渡辺カウンセラーだったのである。

もしも、配役が渡辺えりだったら・・・またしても素直になれなくて事件勃発寸前だったぞ。

そういう意味で「スナナレ」の脚本家とこの脚本家は同じ花畑に咲いている花の臭いがします。

もしも、裁判官が同性愛に偏見のあるタイプだったら・・・「ゲイの友人のいる妻は子供の養育において不適切な環境だ」と結論を出す可能性もあると思う。

一方、熟年離婚問題のカップルには精神医療のテクニックの一つである内観療法を奨めるカウンセラー。

一種の記憶再現による自己洗脳である。

人間関係で問題の生じた相手についての記憶をくり返し再現させることで関係改善を目指すというもの。

①相手にしてもらったこと

②相手にしてあげたこと

③相手に迷惑をかけたこと

これを繰り返し思い出し、記述をするのである。ポイントは④相手に迷惑をかけられたこと・・・というあるべき項目がないこと。

①と③は相手に感謝すべきこと、相手に謝罪することで、③は相手が感謝するべきことである。

つまり、相手側が有利になるような構図になっている。相手にとっては正の感情が負の感情に倍するように記憶を操作することによって相手に対する悪意が減衰するという狙いがある。・・・まあ、一種のまやかしです。

しかし・・・夫の俊夫が自分に内緒で他の女と美味しいものを食べていたのが許せなかった妻の静子は夫の書いたノートを盗み読みすることで・・・溜飲をさげる。

妻にしてもらったこと、妻に迷惑をかけたことを羅列している夫が・・・妻にしてあげたことを一つも書いていなかったからである。

もちろん・・・それはそれで・・・問題あると思うが・・・。

世話女房タイプの静子は夫のノートの「妻にしてあげたこと」の欄に「夫にしてもらったこと」を羅列し・・・二人は元鞘に収まるのだった。

まあ・・・男性作家の願望そのまんまです。

一方、ちょっとコミカルなDV夫妻にはカウンセラーは手抜きで対処。

幼児の頃に父親の家庭内暴力に苦しめられた妻は遺伝的に父親の暴力癖を受け継ぎつつ、夫に父親を投影して復讐を遂げていた・・・と読んだカウンセラーは妻にボクシング・ジムを紹介したのである。

腕を磨き上げた妻は夫を撲殺・・・する可能性もあったと思うが・・・妻はボクシングによってストレスが解消され・・・ついにプロボクサーとしてデビューすることが決まり、夫婦円満が回復したのである。なんじゃそりゃーっ。

まあ・・・夫婦喧嘩は犬も食わないというが・・・現代では美味しいビジネスになっているということです。

関連するキッドのブログ『電車男

               『JIN~仁~

金曜日に見る予定のテレビ『子役オールスターズとハガネの女』(テレビ朝日)『岩佐真悠子のトラブルマン』『里久鳴祐果の大魔神カノン』(テレビ東京)『榮倉奈々の絶対泣かないと決めた日・緊急スペシャル』(TBSテレビ)『紅の豚』(日本テレビ)・・・豚VS榮倉か・・・いい勝負になりそうだ・・・。

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