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2010年7月30日 (金)

赤い涙を見たものは好きな女の子を苛める資格があるっていうそんなあ(長澤まさみ)

生まれついての人間の階級。

民主主義における多数決と少数派への弾圧。

歪んだ心の集団では悪徳が正義を撲滅。

強きものが守るべき弱きものの選択。

そういうどうにもこうにもブルドッグなものを描き続ける作家である。

すでにかなり病んだ感じが進行しているこの国ではもてはやされないらしい。

なにしろ・・・限りなくグレーな犯罪者である小沢支持者が・・・ちょっと口が軽い総理大臣の責任を追及する政党が政権与党なのである。

たとえば・・・自民党政権時代、日本は中国に金(税金)を湯水のようにつぎ込んで、今の中国の経済的繁栄の礎を構築した。その中国に招待されて歓待された小沢とそのとりまきたちは・・・いわば国民の税金で接待を受けているようなものである。

まあ・・・金は天下のまわりもの・・・と言ってしまえばそれまでだが・・・どちらかといえば忸怩たる思いを痛感すべき場面である。しかし、ウハウハしているのだ。だめだ、こりゃ。

そんな・・・民主党に政権を奪取された自民党がこの状況をなんともできないのもまた明らかである。

そのような生き地獄で・・・天使は叫ぶのだが・・・悪魔としてはニヤニヤして見るしかないのですな。

「GOLD」↘*9.6%である。

で、『GOLD・第4回』(フジテレビ100729PM10~)脚本・野島伸司、演出・加藤裕将を見た。個人的事情というものがある。同じ殺人犯でも飛び出してきた子供をひき殺した母親と、車内に置き去りにしたわが子をパチンコしている間に熱中症で殺した母親とは違うわけである。というか・・・二人とも殺人犯にはならない場合がある。しかし、所詮、人の作ったフィクションである法律とは別にわが子を殺してしまった親が抱く特別な罪の意識があるはずである。・・・というのはおそらく幻想だろう。

なにしろ・・・人間には「個人差」というものがあるのである。

同じではないから・・・わが子を殺す親と殺さない親が生じるという結果があるのだ。

母親と父親でさえ・・・その違いは大きい。

「堕胎」というもっともありふれた子殺しを考えてみよう。

それを処理するために手術台で足を開く母親と・・・それを想像するしかない父親では体験度がまったく違う。

さらに言えば・・・想像力に差がある以上、その想像の重圧に耐えかねて心を病む父親もいれば、翌日にはわが子を殺したことを忘れてしまう父親もいることは充分に想像できる。

つまり・・・そういう個人差が生じるのはいかんともしがたいのである。

さらに言えば「バカ」に「バカ」になってはいかんと言っても「バカ」なんだから「バカ」になるしかないという物悲しい問題もあるわけである。

そういう「知性」のもやもやを表現するのがこの作家の「手」なのであるが・・・もういい加減「バカ」が進行したこの国では「うんうん」と頷いてくれるお利口さんは五人に一人から十人に一人に減少しているというのが現実というものじゃないのかしら。

まあ・・・そういう人々がますます・・・不幸になっていくのは目に見えているわけだが・・・悪魔としてはケケケと笑うしかありません。

そういう世の中でも・・・現実に対処する能力の高い人間は確実に頭角を現す。

そういう人間が他人の痛みに無関心であれば何も問題はないわけだが・・・情報処理能力が優秀であれば同時に情緒が発達してしまう可能性は高く・・・人は心苦しく生きるわけである。

神というものは中々に意地悪の天才なのだな・・・と悪魔としては賞賛する気持ちを感じて思わず逆十字を切るわけである。

心に正義の剣を秘めた天才少女・早乙女悠里(天海祐希)は己の理想を実現するために「魂の王国YSコーポレーション」を築きつつあった。しかし、すでに母親となった悠里には現実の暗闇が容赦なく襲い掛かる。

かって家庭問題のいざこざからギャンブルに逃避したあげくに愛児を熱中死させ、生きながら地獄に堕ちた相馬幸恵(賀来千賀子)を救済した悠里だったが、封印した過去が心無いものによって暴露され、エステ部門リーダーの資質を幸恵が問われる事態へと発展する。

人々の善意を装った悪意の発露は・・・幸恵に対して「焼かれたベビー人形」という嫌がらせに発展する。

自分の王国にそのような悪意を持つものが巣食っていることに絶望を感じる悠里だった。

十字架を背負って生きる幸恵と無邪気な悪意の狭間で苦悩する悠里。

「苦しむものに石を投げることの愚かさを思い知れ」と説くのだが・・・所詮、愚かなものに高邁な理想は理解されるはずもないのである。

「わが友、赤の他人の血の涙を飲むことを厭わぬもの・・・悠里様、どうか、私をその身から遠ざけたまえ・・・」

「できぬ・・・汝を見捨てることは・・・我が身を切り刻むのと同じこと・・・」

「そうではありませぬ・・・我は悠里様の導きにより、善行を積みました・・・その成果は我の育てた部下たちにも伝わっております。しかし、我が罪の深さはそのものたちの心を闇に導く翳りを持つもの・・・今こそ・・・悠里様の正義の剣をふるう時なのです」

「・・・幸恵殿・・・」

「お斬りくださいませ・・・我が罪を・・・」

こうして・・・わが子を殺した十字架を背負う使徒・幸恵は悠里の翼の保護から自ら身を捨てたのである。

どこか・・・遠い温泉地で有能なエステティシャンとして生きていくしかないのである。

だが・・・悠里の差し伸べた手の温もりは幸恵の殺した子供にまで超電導するのである。

霊感美少女であるリカは幸恵を呪縛する児童霊との穏やかな光輝を霊視するのだった。

一方、お抱え運転手の保坂(志賀廣太郎)は「転校後のいじめ体験として自分がいかにもてもてだったかを語り始めたリカが悠里の逆鱗に触れるのは時間の問題」と考え置き去りにしやすい自動販売機を物色し始めるのだった。

主のために先読みするのは下僕の務めだからである。

お年頃なのでセックスを体験したくてしたくてたまらない晶(武井咲)は母親への反抗心を大義名分に激しくカメラマン・洋介(綾野剛)を誘惑するのであるが、実は従兄弟である洋介は間違った性知識で関係を拒絶する。従兄弟同士で婚姻することに何の問題もないですから。

他の女子はどうなろうと知ったことではないが娘の純潔だけは絶対に守りたい明石(寺島進)は洋介と対決する。

出生の秘密を語る洋介は「悠里の知らない事実」を知っているらしい。

悠里の敬愛する兄・修一(水上剣星)は「事故死」ではなく「自殺」だった・・・。

それは悠里の正義の体系が根本から崩れる「事実」らしい。

次回、魂の千年王国を目指す悪魔ちゃんこと悠里の戦いの理念は崩壊の危機に瀕するのである。

はたして、悪魔ちゃんのピンチを愛犬フランソワこと金ちゃんとともに霊感美少女リカちゃんは救うことができるのか・・・乞うご期待である。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『志田未来のハンマー・セッション!』(TBSテレビ)『吉高由里子の美丘・君がいた日々』(日本テレビ)『臼田あさみの鉄の骨』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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