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2010年7月13日 (火)

ラクダ刑事の裏ハンチョウ・・・男と女の人生途中下車(佐々木蔵之介)

ああ・・・ふがいないほど・・・ださいタイトルになってしまう・・・しかし・・・それが「水戸黄門」のシーズン・オフに輝く・・・「ハンチョウ」の世界なのである。

一言で言えば・・・うらぶれています。

それだけに生々しい。

まあ・・・月9の谷間にだけ・・・ふと触れる・・・どこかわびしい世界。

ラクダ刑事は今日も説得力があるんだかないんだかわからない熱い言葉を吐き・・・そして犯人はため息をつく。

しかも・・・ゲスト女優は渡辺典子だ。

薬師丸ひろ子や原田知世がいつまでも妖精なのに・・・一人、中年女性を演じる角川三人娘の一人。

人間って不思議・・・。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「崖っぷちのエリー」*8.1%(実名勝負でよかったのに・・・関係者一同涙目でせめて「りえぞう始末記」くらいで・・・おしゃれな話じゃないんだから・・・)、「うぬぼれ刑事」12.2%(実にクドカンらしい数字にもどってきたーっ)、「ハンマーセッション」*8.6%(キャスト的に崖と同じ数字じゃな)、「美丘」10.4%(ださいけど尻上りか)、「鉄の骨」*5.5%(鉄骨飲料の話にしておけば・・・どうにもならないよ)、「龍馬伝」↘17.0%(武市瑞山物語になってます・・・)、ついでに「ハンチヨウ」↘12.4%、「ゲゲゲの女房」↗21.8%・・・以上。

で、『ハンチョウ~神南署安積班~・シリーズ3・第2回』(TBSテレビ100712PM8~)原作・今野敏、脚本・いとう斗士八、演出・竹村謙太郎を見た。警視庁神南警察署(架空)の刑事課強行犯係の安積警部補を中心とした所轄の刑事たちの活躍を描くこのシリーズ。延々と続いています。まあ、誰かが未成年者なのに喫煙しちゃわない限り延々と続く習性を持っているワクなのですな。

所轄管内で・・・渋谷区神南あたりは渋谷警察署と代々木警察署の縄張りの交錯する界隈である・・・殺人事件が発生。

居酒屋で酔った客(春海四方)が注文の後先のことでクレームをつけ、大騒ぎしていると・・・突然立ち上がった常連客の一人・船村(江藤潤)がビール壜をとりあげ、クレーマーを撲殺してしまう。

船村は女連れで・・・そのまま行方をくらます。

安積たちは・・・船村の住居に残された遺留品から・・・染谷美津保(渡辺典子)というわびしい女の人生を垣間見ることになる。

船村はタクシーの運転手・・・美津保は客だった。

女は暗い思いつめた目をしていた。

運転手は女が自殺をしようとしているのではと気遣った。

「私でよかったら・・・悩みを話してみませんか・・・」

女は優しい声にすがりついた。

美津保はドジッ娘体質の専業主婦である。

「あれは・・・雨の夜でした・・・私は夫を車で駅まで迎えに行く途中・・・帰宅を急いだ夫を轢き殺してしまったのです」

「・・・」

「そんな自分がどうしても許せなくて幼い子供三人を家に残し・・・死に場所を探しているのです」

「・・・バカなことはよしなさい・・・とは言いません。私も交通事故で娘を亡くしましてね・・・トラックが積載量オーバーの積荷を歩道にばら撒いて・・・娘はぺしゃんこに・・・娘の死を受け入れがたかったのか・・・女房は後追い自殺をしました・・・私はただ一人残されて・・・こうして生きているのです」

「・・・」

二人はどちらともなく・・・居酒屋に行き・・・そして気がつくと一夜をともにしていたのである。

連れ合いを亡くした者同士・・・情欲の炎は燃え上がったのである。

・・・やるせない。

むさぼりあいつつ・・・心は冷えて・・・体は燃える中年男女だった。

こうして・・・二人は奇妙な同棲生活を始めたのだった。

驚くべきことに・・・美津保は中学生の男の子(菊池風磨)や小学生の女の子(近藤里沙)そして幼児(猪野竜平)をネグレクトしたのである。

それほど心が病んでいたということなのであるが・・・息子に言わせれば「こんなときにちちくりあって・・・けだものかっ」なのである。

それをラクダは諌める・・・。「お母さんだって女なんだよ」・・・違うだろっ。

ともかく・・・居酒屋で船村が撲殺したのは・・・偶然居合わせた・・・船村の娘を殺した殺人トラックの所属する運送会社の経営者だったのだ。

復讐を成し遂げて死に場所を求める船村の逃避行に同行する美津保だった。

そんな時・・・美津保の娘は喘息の発作で入院する。

息子からの電話で「あんた・・・母親だろう・・・こんなときに子供のそばにいなくて平気なのか」と説教される美津保。

ラクダ刑事はその電話を横取りし・・・「船村さん・・・死んだ奥さんと娘さんのためにも出頭して罪を償ってください」と説諭する。

翌朝・・・朝もやの中で美津保の住居前に張り込むラクダ刑事。

船村と美津保は晴れ晴れとした表情で姿をみせる。

ラクダは思う。

(やったな・・・この二人・・・思い残すことがないように燃えに燃えまくったな)

ラクダの耳には二人のせつない喘ぎ声が聴こえるようだった。

ラクダ「充分に別れを惜しんだか・・・」

船村「年なので・・・もう身が持ちませんし・・・」

ラクダ「まあ・・・こういう場合の欲情はキリがないもんだ」

美津保「・・・もう・・・およしになって・・・」

こうして・・・船村は裁きの場へ・・・そして美津保は母親としてあるべき場所へ戻っていったのである。

どこか疲れた美津保のうなじを見つめたラクダは幽かな嫉妬心を感じるのだった。

これにて一件落着。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホタルノヒカリ2』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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