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2010年8月 3日 (火)

お酢が目にしみて(竹内結子)泣き虫ママに胸きゅん(松本潤)

涙もろすぎる女なのである。女も三十路なら・・・もう少し情緒が安定してもらいたい。

恋がゲームなら・・・敵キャラとしてはハードな設定である。

これを攻略していくことは純情キャラを崩していくことで・・・一歩間違えれば非情に生臭い。

そういういろいろな冒険が・・・ナイーヴなファン層には色々と痛いのではないか・・・と考える。

今回も・・・たとえば・・・詩織(竹内)は率直に大雅(松本)の欠点を数え上げる「お坊ちゃまの世間知らずで自分がわがままであることに気付いていないほどわがまま・・・素晴らしいお父様と比べたら役者としてもちっともいいところがない」・・・散々である。実は、これは「くさしておいてもちあげる」というよくあるセリフのパターンである。「でも、知り合ってみたら真面目で努力家だし何より優しい」と今度は美点を数えるのである。

しかし・・・多くのアイドル・ファンは最初の時点で頭に血がのぼり、後半が耳に入らないおそれがある。

そういう冒険である。

キッドは学生時代に習作として書いた脚本に「これが現実ならば夢であればいいと願うだろう・・・しかし、もしも夢ならば醒めてほしくなかった」というモノローグを書いたことがある。今でもかなり気に入っているフレーズで若き日の自分の天才ぶりに時々、自己陶酔するわけだが、そういうセリフは生涯にいくつも書けないものだ。

ところが「ベストキッド2」では老い先短い病床の父親が老いた息子が放浪の果てに帰ってきたのを喜び「これが夢ならば目覚めたくない・・・もしも現実なら眠らせないでくれ」などと言うのである。

なんとなく・・・似ているのである。

突然の台風の最中になぜか少女が櫓に登っていたり、盆踊りの参加者が全員デンデン太鼓持参というとんでもなくシュールな映画に似つかわしくない名セリフなのである。

もちろん、そうなるのには理由がある。

「夢なら醒めてくれ」という前提があるのだ。

悲しいことがあって・・・そういうのはありふれた言葉と言える。

逆にうれしいことがあって「夢なら醒めないで」はその裏なのである。

「夢か現か幻か」・・・という場合は「ここはどこ・・・わたしはだれ」という茫然自失感が介入する。

そういう言葉たちを前提に・・・うれしくもあり、かなしくもある・・・そういう複雑な気持ちを「夢」をからめて表現することを目指してああでもないこうでもないと呻吟するうちにたどりついた「セリフ」が若き日のキッドの一種の成果なのである。そのヴァリエーションとして「ベストキッド2」のセリフを感じ、見知らぬ脚本家にシンパシーを感じるわけだ。創作の実体験に基づいてそういうセリフにめぐり合うことはキッドにとってドラマを楽しむポイントの一つなのだな。

つまり、脚本家の涙の跡を感じたいのである。

「夏の恋は虹色に輝く」はかなり、言葉のあふれたドラマだと思う。

主人公の大雅は理屈っぽく悩み深い設定でくどくどと言葉を重ねるし、ヒロインの詩織は言いたいことをものすごい速度でまくしたてる性分である。

時には・・・そういうあふれ出る言葉の中から神秘の言葉が生れることもある。

しかし・・・ここまでのところ・・・どうもそうではないのである。

「愉快、愉快」と劇中劇の死んだ俳優のセリフを詩織の娘・・・海(小林星蘭)が口にする。

それが唯一・・・惜しい感じのする部分で・・・そしてそれはラブ・ロマンスからは遠い。

最終回までに凄いセリフが用意されているのか・・・どうか・・・それがこのドラマの気がかりな部分なのである。

キャスティングの段階ですでに辛い部分はさておき・・・キッドの興味はもはやその一点に絞られている。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「崖っぷちのエリー」↘*5.4%(ふふふ・・・理恵子にしておけばよいものを)、「うぬぼれ刑事」↗*8.5%(戸田恵梨香の底力)、「熱海の捜査官」*9.9%(かわいい視聴率キター)、「踊る真下」14.7%(地下鉄万歳)、「踊る室井」14.1%(木内晶子玉砕・・・Motherに出ていたのに気付かなかったほどに・・・)、「ハンマーセッション」↗*7.3%(Sの比嘉愛未の底力)、「美丘」↗*9.5%(親に許されない恋人気)、「鉄の骨」↘*4.4%(これがお茶の間の理解力の限界である)、「GM」↗12.2%(不幸すぎるおタク万歳)、「龍馬伝」↘16.0%(面白くなればなるほど下がる視聴率・・・これが大河の神髄)・・・ついでに「夏の恋は虹色に輝く」↗12.9%・・・以上。

で、『夏の恋は虹色に輝く・第3回』(フジテレビ100802PM9~)脚本・大森美香、演出・小原一隆を見た。演出家チェンジでぐっと見やすくなったはずである。特に最後に挿入された挿入歌の「Please Stay With Me/YUI」は同じ歌とは思えないほど、前二回とは違い場面にマッチしていたと考える。しかし、さすがに2回連続のハズレは大きくて立ち直ったことに気付かないお茶の間も多数あると予想され・・・ツカミって大切だなあと思ったりします。

育ちがいいとは恐ろしいもので育ちがいいという自覚がない場合が多い。乗馬のたしなみもピンからキリまであるが・・・田舎の牧場で駄馬に乗るのとは違い、都内の乗馬クラブでそれなりのレッスンを受けるためにはそれなりの資金が必要となるのである。

スターであった父親の現金収入を失った大雅には持ち馬での乗馬はもはや贅沢なのである。餌代停止の愛馬ナターシャ号は桜肉になる運命なのだ。

意を決して積極的に出演を決めたバラエティー・ショーもキャンセルされ、早くも消えつつある親の威光なのである。

しかし、育ちがいいためにまったく危機感のない大雅なのだ。なにしろ・・・このピンチに彼は恋をしてもやもやしているのである。

もう26才ではなくて・・・まだ26才・・・この辺りが育ちの良さの恐ろしさなのだな。

恋の相手・・・詩織は・・・全く、大雅が眼中にない状態である。主役として潜在能力のある大雅は洞察力には優れていて、詩織に全くその気がないことに気がついている。気がついていながら、自分が告白さえすればなんとかなるかもしれない・・・と考えるところが育ちの良さなのであった。

それではただの嫌な奴なので・・・兄がそれを上回る嫌な奴設定になっているのがミソなのである。

教え子の母親である詩織に一目惚れした大雅の兄・大貴(沢村一樹)は「彼女と結婚したい」と口走りつつナースとの合コンに向かう腰の軽い男なのである。しかも副担任は野崎(小松彩夏)である。今週は桜(桐谷美玲)のこれみよがしの男性向け水着サービスがあったのだが、来週の夏休み水泳教室は二週連続でサービスする気満々なのだな。まあ、水着でサービスする女性軍に対して入浴シーンの大雅は乳首・腋毛丸出しで対抗します。

まあ・・・体を張ったサービスはサービスとして・・・恋愛ドラマとしてはジャブの応酬と言う感じである。

一方、夫の遺品の中から詩織と海の母子スナップ写真を発見した大雅の母・真知子(松坂慶子)は隠し子疑惑の虜になる。相談を受けた大雅は「恋の相手が父親の愛人」という疑念に心乱れるのだった。

そのために詩織に対する態度がギクシャクし、詩織に何か悪意を持っているのではと誤解される始末。

「私のことお嫌いですか・・・」という詩織に「いえ、ラブです」と成り行きで告白する大雅。

驚愕した詩織は「ごめんなさい」と一瞬でお断りである。

しかし、告白された以上、詩織が大雅を見る目はそれなりに変化する。

だが・・・目下のところ・・・大雅を覚醒させるのは子役上がりで年下だが役者としてのキャリアも実力も上の桜(桐谷)の役割である。

桜に付き人を命じられた大雅はチョイ役をもらえるかもしれない可能性にすがってその役割を引き受ける。

しかし、「プールで殺される被害者役」を精一杯に演じる桜の姿を見て・・・大雅は己の甘さの実態を垣間見るのである。育ちのよさによって目隠しされていた現実こそが大雅に必要なものだったのだ。

「役者なら役者がどうしてもらいたいのか考えなさい」

そんな当然のことも大雅には新鮮な教えとして感じられるのだった。

いつもはイヤミを言われるだけのなりあがりのライバル・伊良部(永山絢斗)が桜のファンだったことも手伝い・・・初めて優越感を感じることができた大雅はついに桜に尊敬の念を憶えるまでに成長する。

しかし、育ちの良さで失われた大雅の本来の魅力はそう簡単には復元されないのだ。

ようやくありついたプールの監視員役のたった一つのセリフをかんでしまう大雅だった。

この場面を描かないことには賛否両論あるだろうが・・・ある意味、大根ぞろいのこのメンバーなので演出としては最良の選択だったとキッドは考えます。

下手にかんでる場面を見せるよりは・・・ああ・・・せっかくがんばったのにかんじゃったんだとお茶の間に思わせた方が無難なのである。まあ、キャスティング的にはそこまで追い込まれているという見方もできます。

一方、小学一年生の海は前回は達者な滑舌を披露したが、今回はそれこそ、バーターで配役されているジャニーズJr.の年上の男の子である小学五年生の蒼空(井上瑞稀)によせる仄かな恋心を表情だけで演じるという芸達者を見せるのである。

もちろん、唐揚げに酢をかけて食べるのが好きな海の死んだ父親を死後も七年間愛し続け、今でも「彼」を思い出すと涙が止まらないちょっとメルヘンな母親・詩織も演ずるのは難しいのでいつもの竹内結子なわけで・・・やはり、大雅というよりは松潤でしかない主人公とヒロインよりも子役が上手いのは困った感じはあるのだな。

そこは気がつかないフリをして通り過ぎるしかない。

演出陣も気をつけないと引きずられますからご用心だ。

とにかく・・・役者としての階段を一段登った大雅はあらためて詩織に真摯に告白する。

「はじめて会った時から・・・好きでした」

「ごめんなさい・・・私、好きな人がいるの・・・海の死んだ父親を今でも愛しているので・・・もう恋なんかしないのです」

かくて・・・すべての実情の説明は終了し・・・子持ちのステキな年上の未亡人に恋をした・・・男としても役者としても未熟な主人公の物語はようやく始まったのである。

それは・・・心の痛手を癒す湿布薬(例・サロンパス・・・いやここはメンソレータムで)の味がする薄荷のキャンデイで示される。

苦いのではなくスースーする恋の始まりなのである。

その心情を率直に語る大雅のモノローグに挿入曲である。やはり詩織でなくて大雅の主題として似合う曲なのだということがわかります。このセンスが前回までの演出家には欠けていたのである。ベテランなのでついうっかりしてたということなのである。

あくまで妄想なのでお気遣いなく。

ミント・・・ミント・・・メントール・・・ジンジャーである。何の暗号だよ。いや、単に薄荷味より生姜味だな・・・と思って。誰がお前の好みを言えと・・・。暑い・・・暑いのであります。

関連するキッドのブログ『第2回のレビュー

Hcinhawaii0658 ごっこガーデン。いつでもどこでもレインボーの憂鬱セット。くう機密事項なのですが、暗黙の了解で我慢の限界領域突入なのですぅ~。ここはかわいい感じでしのぐのですぅ~。ああ~、ヒロインの人を主人公が好きになる理由がわからないともうにっちもさっちも困りますぅ~・・・いやあ・・・ヒロインの人がそんなに破壊力あると思ってなかったのであのその・・・ええ・・・一部男性陣がメロメロなのはわかるし、腐ってもランチの女王だし~・・・ただ主人公と年代別に住む世界が違うような気がしちゃってるだけなのかしら~。まあ・・・本当に躓いてるのはB太くんの役とその演技力だけなのかもしれないんですが・・・ポーカーなら全部捨てて福士松田山田石黒佐藤・・・この辺とチェンジしてストレートフラッシュの夢を見ますぅ・・・・でもじいやは水着サービスがあればOKなのね~不潔ですぅっ・・・お気楽主人公の乳首は自粛して・・・桜の谷間は二枚サービスしといた・・・あのぼんやりした回想の夫は誰なのかな~・・・大雅と桜でお似合いじゃないの?つきあっちゃえばいいのにエリおお~、上空を北海道帰りのアンナちゃんが通過中でスー。新型専用機は宇宙も飛ぶ気でしゅね。軽い気持ちで見ると、ピュアでミントな大人の初恋ドラマだし、エロ男爵も爆笑キャラだし、竹内先輩もいつも通りに魅力的・・・言葉責めも参考になりますyon!・・・スースーから始まるひと夏の恋・・・いい感じになってきたんじゃないでしょうかーっ・・・肩の力を抜いて愉快愉快な仲間たち感覚で見てあげるといいと思いまスーikasama4ますます・・・細野不二彦先生の「ママ」に見えてくるこのドラマ・・・少し、年齢が上にスライドしている分だけ違和感がある方もいるかも・・・最後は虹の中をスカイダイビングで突き抜けていくように終るかもしれませんな・・・エロ男爵VS松潤という恋のライバル関係が冗談にしか見えないところが弱点かな・・・あのワクでセクスィー先生とかやりだしそうだし・・・あんぱんち恋のみ・・・伝説なのね。白馬と言えば暴れん坊将軍よね。役者としては二流だけれど付き人としては一流感の漂う大雅・・・お肌のお手入れグッズもお店の人より詳しくなっている風・・・結局・・・どこまでも美談で通す伊東さんだけど・・・松重社長もグルで口裏あわせているだけだったりして・・・芸能界ですものね~わからないわよね~

水曜日に見る予定のテレビ『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホタルノヒカリ2』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

竹内結子は綺麗で凛としてるじゃないか、
松潤は不器用だけど頑張り屋じゃないか、
桐谷美玲は水着で大サービスしてるじゃないか、
「何かご不満でもおありですかーっ」と製作者に詰め寄られている気分ですね。
視聴しながら息が詰まるといいますか。

駄作ではないと思いますが、
うっかり放送を見逃しても悔しいかと聞かれれば
たぶんNOと答えるであろう本作。。
とりあえずはセクスィー兄貴 兼 担任を楽しく鑑賞したいと思いますが^^;.

投稿: inno-can | 2010年8月 4日 (水) 02時13分

♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬inno-can 様いらっしゃいませ♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬

竹内は三十路ということを忘れれば魅力的。
松潤は花男を意識しなければ新鮮。
桐谷は女帝薫子を見ていれば
セリフを全部「オレまげね」変換でOKという
いろいろ条件が厳しい作品になっているんですよねえ。

中でも出てくるだけで
虚構性をぶち壊してしまうB太くんを
どうスルーするかがポイントです。

ライバル佐藤健、
親友石黒英雄くらいの
キャスティングが出来なかったのか・・・ですよね。

B太は浮きまくってるし
親友の子役あがりはとけこみすぎ・・・。

最後のカップル乱立があるとして
エロ男爵・セーラーヴィーナス
薫子・子役あがり
トシ子さん・社長・・・
どれもどうでもいい感じが
漂うのが・・・象徴的ですな・・・。

投稿: キッド | 2010年8月 4日 (水) 16時29分

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