ここは異次元世界なので四親等同志の婚姻は認められないというそんなあ(長澤まさみ)
民法第725条では「親族」を①六親等内の血族 ②配偶者 ③三親等内の姻族と定めている。
親族という概念が配偶者よりも血族を上位においているニュアンスがある。
これは夫婦主義ともいえる現代の家族形態とはややズレていると考えることもできる。
それは根本である日本国憲法の成立時期と背景の影が微妙に落ちているからである。
ともかく、そこで取り上げられる親等という言葉を確認しておきたい。
日本国憲法は第24条で「婚姻の自由」を保障しているわけだが、法令により近親者の婚姻届けは受理されないと定められている。
民法第734条ではこの場合の近親者とは①直系血族 ②三親等内の傍系血族に定められている。
このドラマでは早乙女晶(武井咲)と晶の伯父・修一(水上剣星)の子である宇津木洋介(綾野剛)が禁断の関係として描かれるのだが二人は従兄妹同志なので四親等にあたり、結婚に何の問題もないのである。
このドラマの登場人物で晶が結婚できないのは一親等の父親、二親等の兄弟と祖父、三親等の伯父までなのである。
もちろん、このドラマは日本ではないどこか架空の世界を舞台にしているということで問題はない。
なにしろ、近親相姦ネタが大好きなこの脚本家がそれを知らないはずはないからである。
もちろん、早乙女ファミリーが全員、無知という設定という可能性もあります。
で、『GOLD・第6話』(フジテレビ100812PM10~)脚本・野島伸司、演出・石井祐介を見た。このドラマ、コメディーあるいはファンタスティックなホラーとしてはかなり秀逸な作品なのだが、お茶の間がそのような視点で見ていないらしく、12.3%↘11.5%↘10.1%↘*9.6%↘*8.6%↘*7.2%と見事な降下を続けている。一方で怪奇マンガ家の巨匠の実録的ホームドラマは大好評なわけで・・・その落差がなんとなくおかしいわけである。
第30回夏季五輪であるロンドン大会は2012年開催である。「五輪で金を狙う若者たち」のシリアスなドラマを描くには時期尚早であるのは明らかである。
それでは・・・このドラマはどんなドラマなのか・・・それはお嬢様育ちのスーパー・ウーマンのドタバタ・コメディーなのである。
それが明らかになった今回・・・。キッドとしてはなぜ、忠実な執事長を配置しておかなかったのか・・・と残念な感じがする。ツッコミどころがみえにくいからである。
早乙女家に舞い込む刑務所慰問演奏のお誘い。
犯罪者に対して強烈な怨みを秘めているお嬢様・悠里(天海祐希)は罵詈雑言で受刑者を凌辱しようと計画を練るのである。
犯罪加害者としている受刑者の中には冤罪で受刑しているものを含めて個人差があるわけだが、そんなことには全く頓着しないのがお嬢様気質というものである。
凌辱こそが慈悲であるという信念があるからである。
挑発的な言葉の暴力で受刑者を挑発する悠里。当然の如く、暴動寸前となる受刑者たち。
そこへ早乙女家・執事長の指揮する親衛隊が登場し、麻酔銃の水平撃ちで暴動を鎮圧するくらいでよかったと思うぞ。
そして・・・颯爽と悠里はその場を去るくらいの方が楽しいのに。
まあ・・・そうはせず・・・現実と虚構の中間くらいの場所という感じで脚本家は犯罪加害者と犯罪被害者の心の壁の突破を試みるわけである。1億総犯罪者の我が国ではなかなかに成立しにくい展開です。
早乙女家の使用人夫婦と悠里の関係が明らかになる今回。
寡黙な運転手・保坂(志賀廣太郎)の妻はかって早乙女家のメイドだったのである。
保坂と新婚まもないそのメイドは早乙女家に入った強盗によって殺害されたのである。
メイドによって秘密の小部屋に隠された幼い悠里はその殺害現場を見ていたのだった。
お嬢様として即座に強盗犯を確保、庭の木に吊るし上げ、復讐を果たせなかった悠里の怨みは深いのである。法律によって自分のやりたいことができないことほどお嬢様の機嫌を損ねるものはないからだ。
もしもキッドが早乙女家の執事ならそんなお嬢様の忍従などは耐えがたいことである。
すでに・・・幽霊少年である早乙女朋(大江駿輔)が堂々と登場しているのだから・・・保坂の殺された嫁であるメイドの幽霊も出せばいいのになあ。
もちろん、殺害現場も忠実に再現するべきだ。
ここは美人女優投入のチャンスじゃないか。久しぶりに幽霊の岡元夕紀子とか見たいぞ・・・彼女がもう三十路を越えたか・・・。
それなら、香里奈とか、貫地谷しほりとか、本仮屋ユイカとか・・・幽霊役でワンポイント豪華ゲストで・・・。
当然、殺される前に犯されている方が凶悪感や悲壮感も高まるしな・・・。
まあ・・・そこまでやるとやりすぎだ・・・というのかもしれないが・・・。
個人差のある受刑者に「あなた方はもう心のハープの絃が切れてるから人間とは言えない」と叫んじゃうわけですから・・・ある意味、一緒だと考えます。
その後の・・・刑務所。刺激的な悠里でこっそり自慰した受刑者75人。その他の家族で自慰した受刑者89人。最後まで悠里が何を言っていたか難解すぎて理解できなかった受刑者10人。混乱のために負傷して後遺症の残った受刑者3人。悠里の言葉で鬱になり自殺した受刑者一人。出所後、悠里一家を皆殺しにしようと決意した受刑者4人。
悠里家の廊下に佇むメイドの幽霊。ステキだな・・・釈由美子でもいいのになあ。
関連するキッドのブログ『第5話のレビュー』
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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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