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2010年8月25日 (水)

俺たちただの似た者同志(森山未來)でもハートビートは鳴りやまないっ(満島ひかり)

黄金の金曜日のために火曜日と土曜日が消滅している夏ドラマなわけだが、結局、好みというのはいかんともしがたいものだからな。

もちろん・・・そういうものも個人差のひとつの表現でしかない。

金曜日のよさがちっともわからなくても、火曜や土曜のよさが分ればそれはそれでめでたいことなのだ。

それぞれにひとつのエンターティメントである。

火曜日のドラマ対決は①「ジョーカー」↗15.7% ②「逃亡弁護士」↗*9.2%

頭の悪さでは甲乙つけがたい両ドラマであるが・・・今回、「ジョーカー」には怨みを持つ被害者ゲストに尾野真千子、「逃亡弁護士」には行きずりの依頼人ゲストに白石美帆が登場。粗雑な内容とは別に迫真の演技を見せる。ある意味、反則キャスティングである。

で、『モテキ・第6回』(テレビ東京100821AM0012~)原作・久保ミツロウ、脚本・演出・大根仁を見た。ついに30歳となってしまった幸世(森山)、様々な辛酸をなめた果てに勃起不全にまでなってしまったのだが、故郷の幼馴染林田(菊地凛子)の馬乗りプレイで性的復活・・・モテ期復讐編に突入するために再び上京する。だが・・・だからといって長年にわたって築きあげてきた人格が突然変異するわけはないので案の定、うだうだするのである。

そんな幸世に実は天敵である親友・島田(新井浩文)から呼び出しがかかるのである。

幸世は藤本が自分より優秀なところは「ブスにも優しくできるところ」と分析している。

しかしだ・・・その前に、根拠なき、ブスに対する差別意識が病的なレベルにあり、いわばブス嫌悪症という一種の強迫観念であることを自覚するべきなのである。

それが自覚できない幸世はせっかくの初体験を相手が基樹(信川清順)だったという一点で忌まわしい思い出にしてしまうのだった。

島田の用件は「いつか(満島)ちゃんから電話があり、23歳の誕生日をみんなで祝ってもらいたいというので飲み会を開く」というものだった。

いつかの意中の人が島田と知っている幸世はものすごく複雑な気持ちになるのだった。

その当日。いつかと再会した幸世は「あれ(キスした後にケンカ別れ)以来避けていて御免・・・また友達になってほしい」ときりだされ・・・ますます複雑な気持ちになるのである。

そこに登場したのが謎の中年男・墨さん(リリー・フランキー)である。シモネタのレベルはリリー・フランキーレベルらしい。

たちまち、表情が曇るいつか・・・しかし、幸世は三枚目特有の勘でいつかの顔が「女の顔」になっていることを嗅ぎ取る。

それもそのはず、処女をドブに捨てたいつかの初体験の相手こそ・・・20歳年上の墨さんだったのである。

誕生祝いの席から脱出したいつかは幸世の前で泣き崩れ・・・処女喪失の顛末を語りだすのである。

それは藤本とユリエ(堀まゆみ)の結婚式の出来事だった。

失恋の痛手をこらえて写真係を務めるいつか。やがて・・・カラオケ大会となり・・・いつかがまだふっきれない相手である島田が花嫁ユリエのために唄うのは・・・。

家庭的な女がタイプの俺 一目惚れ

守りたい女って思った初めて

まじめな顔してギュッと抱きしめた

目をとじれば億千の星

一番光るお前がいる

・・・と「純恋歌/湘南乃風」である。

おタクであるいつかにとっては「ベタでつまんない最悪の歌」だが・・・それを「好きな人」が別の誰かのために歌っていると思うといたたまれないのである。

その時、親友に先を越されて酔いつぶれていた幸世を他所に墨さんはいつかの傷心をすかさず読み取り、傷心につけこんで美味しく処女を頂いてしまうのだった。

一丁羅のワンピースを破瓜の鮮血で汚し・・・朝焼けの道を蟹股で帰るいつかは陰惨な気分を味わうのだった。

それを嘆くいつかに幸世は「どうしようもない似た者同志」を見出すのである。

一同大爆笑である。

そして・・・突然、幸世は自分の心の病を自覚するのだった。

「私・・・自分もお姫様みたいに守られたいって・・・思いがあるのを隠してた」

「怨まないで・・・感謝してもいいんじゃないか・・・」

「そんな・・・女の気持ちが分るの」

「そりゃ・・・痛くもないし、血もでないさ・・・でも」

「自分だって・・・ドブに捨てたって・・・」

「オレだって怨んでるし・・・でも感謝もしてるんだ・・・」

「そんなの・・・わからないよ・・・」

「逃げちゃだめなんだ・・・戦わないと・・・」

「シンジくんかよっ」

そして幸世は嫌がるいつかの手をひっぱって・・・カラオケ大会へと戻っていく。

「オレたちはマンガや音楽のことだけは・・・あいつらに負けちゃダメなんだ」

「意味わかんないし・・・第一・・・私のこと・・・どう思ってんの」

もちろん・・・傷つくことが絶対に嫌いな幸世はあくまで愛してくれる相手だけを愛したいのではぐらかす・・・しかし。

「好きだった奴のこととか、初体験の相手とか・・・ふっきって・・・それからオレのこともう一度考えてほしい」とムチャクチャ自分に都合のいいことを言い出すのである。

しかし・・・どうしようもなく似た者同志のいつかには幸世の言葉は通じるのである。

こうして・・・カラオケ大会に突入したいつかの選曲は・・・。人々をどん引きさせるのだった。

昨日の夜、駅前TUTAYAさんで

僕はビートルズを借りた

セックスピストルズを借りた

「ロックンロール」というやつだ

しかし、何がいいんだか全然分りません

最近の曲なんかもうクソみたいな曲だらけさ!

なんて事を君は言う、いつの時代でも

僕は今すぐ、今すぐ、今すぐ叫ぶよ

遠くで近くですぐ傍で叫んでいる

くれよ 僕にくれよ もっともっと

遠くにいる君に吐き出すんだ

「ロックンロールは鳴り止まないっ /神聖かまってちゃん」だった。

しかし・・・幸世はどうしようもなくいつかをかっこいいと思うのである。

唄っている間は死にたくなったいつかだが・・・何かが完全燃焼したらしく・・・後日、幸世にはメールが届く。

「なんだかふっきれたみたい・・・今度また一緒にどこかへ行きたいな・・・今度は私、もっと頑張るから・・・」

幸世は胸に暖かいものがこみ上げてくるのを感じる。

もちろん、下半身にも・・・である。

だが・・・幸世のモテキ逆襲編はまだ始まったばかりなのである。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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