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2010年8月20日 (金)

あなたに見えないものは他人にも見えないというそんなあ(長澤まさみ)ゴールドよりダイヤモンドだね(佐藤めぐみ)

さて、愛読者の方はご存知だろうが・・・キッドはホラー・マニアである。

もちろん、基本的におタクなので・・・実際には万物のマニアなのだが、とりわけホラーは好きだ。

しかし、エンターティメントとしてのホラーの最大の問題点は霊感商法などの詐欺ビジネスとの境界線が曖昧という点である。

水木しげるがお化けの実在を語れば語るほどどこかでお化け詐欺に騙される犠牲者が出るわけである。

だが・・・そんなおばかさんにあわせて生きていては面白くないわけだ。

まあ・・・要するに「死後の世界を信じる人間」と「死後の世界を信じない人間」の両面を人格に内包しておき、サイフは後者に預けておくのが無難だということである。

ラブが好調になる壺を売りつける輩と神社仏閣教会などの墓地管理系企業を同列に扱うのは論理的ではあるが社交的ではないとか・・・何かを信じないと不安になるタイプの人間は何かを信じるしかないのでよろしいなどと折り合いをつけるしかないわけである。

まあ、とにかくキッドの灰色の脳細胞は「広島」とか「長崎」とか「沖縄」とか「東京」とかの地名を思い出すだけで「神も仏もない」という信念の自動スイッチが入る仕掛けになっています。ただし・・・その場合、悪魔の実在は否定できないのです。

だから、基本的には「GOLD」は毎回、大爆笑しながら視聴しています。

で、『GOLD・第7回』(フジテレビ100819PM10~)脚本・野島伸司、演出・河毛俊作を見た。前回に引き続き、日本の法律では従兄妹の間での婚姻には何の問題もないことを強調しておきます。実際、現在の日本の総理大臣・菅直人の妻・伸子夫人は夫・直人の父親の妹の娘であり、二人は従兄妹の関係です。もちろん・・・このドラマの世界が実在の日本である必要はないために・・・おそらく、従兄弟同士の結婚を異常に忌み嫌う異世界の物語と脳内補完するか・・・脚本家がちょっと頭おかしくなっているかのどちらかをチョイスすることも可能です。

ちなみにこのドラマでは実は主人公の早乙女悠里(天海祐希)と自殺した兄・早乙女修一(水上剣星)には性的関係があったと暗示されているわけですが、兄妹で性行為すること自体には問題ありません。ただし、兄妹は二親等ですので婚姻は法令によって認められません。

さらに今回は、自殺した兄が人妻と不倫した時に作った子供である宇津木洋介(綾野剛)と悠里が抱擁を交わすシーンがあり、この時、洋介に対して悠里はかなりの確率で性的欲望を感じたと推察できるわけですが、二人の性行為にも何の問題もありません。しかし、叔母と甥は三親等ですので法令によって婚姻は認められません。

つまり、婚姻関係の可否という点では・・・

悠里と修一(二親等の婚姻)→NG

悠里と洋介(三親等の婚姻)→NG

晶(武井咲)と洋介(四親等の婚姻)→OK

ということです。日本の法律ではそう定められています。

よく、近親相姦では遺伝的な疾患の発現が問題となりますが・・・遺伝学的には近親であろうがなかろうが両親の因子の配合が問題なのであり、実際には近親相姦の問題は社会的な問題に帰すると言えるのです。たとえば性的関係の強要などが起こりやすいこととか、遺産相続の問題などでもめるから・・・ということでございます。ケケケ。

経済的な支配階級に属する悠里は・・・指導者として有能に振舞っていますが・・・その心は苦渋に満ちていることが明らかになる今回。

早乙女家の婿となった夫・明石辰也(寺島進)は成りあがりものの悲しさでひがみ根性から自暴自棄となり、暴飲暴食の果てに愛人を作って家出、悠里に離婚を迫った愛人の暴力で悠里は第四子である朋(大江駿輔)を流産していたのだった。

もちろん、秘書のリカ(長澤まさみ)は霊感によって悠里の想念結晶体である朋の存在を感知していたのである。

リカが霊能力者として未熟なのは現実と霊的存在の区別がつかないところなのである。

分類としては「役に立たない超能力者」と言えるだろう。

人々は超能力に憧れるものだが・・・実際に持ってみると不便なことは多いのである。

たとえば「触れるものをすべて黄金に変える能力」の場合、いつも「あ~ん」して食べさせてもらう必要が生じたりして大人としては恥ずかしいことになる。

究極の超能力は何かというと・・・それは人それぞれであるが、超能力業界では次のようなものが「役に立つ能力」とされている。

その①「千里眼」・・・基本的には時空間の視聴者である。単に遠くのものが見える場合には視力がいいのと区別がつかないわけであるが、地球の裏側だとか、一万光年先を霊視するようになるといろいろと便利である。たとえば「はやぶさ」がちゃんと軌道に乗っているかなどをチェックできるのだ。さらに「昔のこと」や「未来のこと」まで見えるようになると犯罪の捜査や歴史認識などに有利だが、無能力者に理解を得るためには実証する必要があり、「正解」を知っているだけで結局、解き方を知らないと役に立たない。未来予知に関する「予言」能力も・・・せっかく予知して告知しても「偶然」の一言で片付けられればはいそれまでよ・・・である。

その②「不死身」・・・貞子や富江など数々のスーパースターがいるので今さらと言われるし・・・高いビルから落ちてピンピンしていても「あなたって丈夫ねえ」の一言で片付けられることが多い。

その③「願望達成能力者」・・・その他にもいろいろな能力があるわけだが、今回は「幸運」をもたらす女・神代麻衣子(南沢奈央)が登場するので、これについて述べておこう。「こうなってほしい」ことが実現するというのは「個人選択」と「自然選択」の場合がある。どちらかといえば神がかっているのが後者である。「落ちる飛行機」と「落ちない飛行機」があって必ず「落ちない飛行機」が割り当てられるという能力だ。一般人はこういう人を「運がいい」と言うわけだろう。だが「飛行機が落ちないようにできる」という能力があるわけで・・・これがより「願望達成能力者」というニュアンスに近くなる。

「好きになった人が必ず好きになってくれる」とか「料理が絶対に美味しい」とか「嫌な奴は即死」とか・・・物騒な能力で・・・オチとしては「一瞬の気の迷いが叶う」という展開がベタである。

母親に叱られた子供が能力者の場合、「ママなんか死んじゃえばいいのに」と思った瞬間にママ心臓発作で子供泣く展開である。しかし、さらに強力になると子供が後悔した途端にママ復活という手もあります。まあ、火葬場から蘇ると腰を抜かす人が多いので注意が必要です。

とにかく、こういう能力者は確率論を否定していくように見えて実は「絶対というものはない」という矛盾の上に成立します。「不可能に見えて可能性がゼロでない以上つまり、絶対に否定できない」のです。

麻衣子の姉である沙織(佐藤めぐみ)は心にダイヤモンドの砂時計が流れているために、非常に理性的に利潤を追求しますが、麻衣子は何もしなくても利を得る体質なのだということです。

沙織は「リスクを背負ってギャンブルする必要はない」と語りますが、麻衣子には「リスクそのものがない」と信じる姉妹の父親(名高達男)は麻衣子教の信者ということです。

今回は昔はピカピカに光っていた千里眼(宮崎美子)も登場するのですが、実はある程度の超能力者である悠里には禍々しさを感じさせます。

物語の冒頭からの悠里とリカの対話を見ていれば一目瞭然ですが・・・リカが霊感少女であることを悠里は最初から知っているわけです。

この手のタイプは「千里眼」と「願望達成能力」の複合タイプと分類できます。

その名は「直感者(インテューター)」と呼ぶのがふさわしいでしょう。

たとえば、DNA鑑定の結果を待たずに洋介が甥であることを悠里はうっすらと感じますし、男たちが鑑定結果を捏造したことも一言二言話すだけで直感するわけです。もちろん・・・体験に基づいて類推しただけだと考えることも可能ですが、ここはあくまで超能力の話をしているわけです。

晶と洋介の交際の展開と結末なども悠里にとっては直感の範囲内に過ぎないわけです。

そのような超能力をもってしても・・・強力な願望達成能力者の障害が出現すれば無力ということもあります。

もしも両者が敵対関係に陥れば「直感ができない」という目が必ず出るわけですから。

悠里は政治家たちに「グレイのキライな自分は政治家にはなれないが・・・シロクロはっきりしていることは母親として戦争には絶対反対だ」と主張するのですが・・・「戦争は危険」という直感が現実の戦火の前では何の役にも立たないことは千里眼でなくても自明の理と言えるからです。

ともかく・・・リカと悠里は共闘する同志となったわけですが・・・いかにも悪魔に魂を売り払った感じの神代一族との戦いは・・・ハルマゲドンの様相を呈する模様。

原子や分子と会話できる念力者が登場した方が刺激的なのにな・・・。究極の超能力者たちは地味なんだよな。そういう点は「HERO」と比較しないように注意しましょう。

心理超能力の戦いにもそれなりにコクがあるものでございますから。

関連するキッドのブログ『第6回のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『志田未来のハンマー・セッション!』『吉高由里子の美丘・君がいた日々』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

キッドさん、こんばんは。

朋くん、生きてはいなかったんですね。キッドさん、すごいわあ。

毎回、読ませていただいているんですが、もう爆笑で、私と同じTVドラマを見ているとは思えないです。

>昔はピカピカに光っていた千里眼(宮崎美子)も登場するのですが、実はある程度の超能力者である悠里には禍々しさを感じさせます。

ああ、そうですね。なんか悠里がおかしな感じでしたから。

>リカと悠里は共闘する同志となったわけですが・・・いかにも悪魔に魂を売り払った感じの神代一族との戦いは・・・ハルマゲドンの様相を呈する模様。

あはは、どんなドラマですか。

でも、神代家はそうですね。長女の沙織の洸への言葉なんて、もろ悪魔のささやきですもの。それを聞いてしまう洸もねえ、、、。まあ、坊ちゃまだしね。自分の心の中を見てしまったのでしょうね。単にスランプだと思いますが、逆にいえばそれで揺れてしまうほど、水泳に対して真剣だということかな、と。

しかし、その洸が踏切で会ったのは、次女の麻衣子!ということは!?

麻衣子ちゃんは、幸運の女神なので、本来居るべき場所である天使系早乙女の洸の隣でほほ笑むわけですわ。

きゃー、願望ですけどね。

ミーハー的には、洸が踏切で悩んでいるところから、麻衣子ちゃんを見て「君は、、、」というところが、なんかステキで、リピしてます。

PS、「あしたのジョー」の映像が少し見れたので、テンションが高いです。体脂肪がPのジョー5%、伊勢谷くんの力石くん3%!と、これだけで、もう、映画の内容はなんでもいいかなと、思ってしまいます。陽春が2月だというのもわかったし、楽しみに待ちたいです。


投稿: youko | 2010年8月23日 (月) 21時55分

♢♦~山~♦♢youko様、いらっしゃいませ♢♦~P~♦♢♦♢

ふふふ・・・何回も
これみよがしに
朋くんは本当はいませんよ的演出がございましたからねえ。

後はどんな幽霊にするのかですが・・・
生きている人間の妄想具現化という・・・
かなり曖昧な表現になりましたねえ。

単に幽霊だとさしさわりがあるらしい。
まあ、作家のこだわりですよね。

しかし、霊感ものであることは
悠里の態度とか
登場人物の言い回しであるとかに
チラホラ出てきてしまうんですよね。

まあ、リカが「霊感強い」と最初から
特技に書いているので「狙ってる」ってことでございましょう。

千里眼と名乗るのか
たんに直感に優れているのか
すべては第三者の印象の問題ですからね。

そういうものがあるのか
ないのか
誰にも証明できないのがミソなのですからね。

死んだらどうなるのか・・・
生きているものは誰にも語れないわけですし。

しかし、エンターティメントの世界では
一万年前から死後の世界は
注目の的だし
それなりに受けるので
やりたくなるのは作家の性でございましょう。

しかし、水木しげるという
年季の入った人の奥様話があるので
ちょっと見劣りしちゃうんですよね。
その点は・・・。

しかし、長澤まさみがヒロインとして
強力に機能しているので
キッドとしては
骨の髄までしゃぶるように楽しみたい決意です。

もう、脳内ハルマゲドンモード全開で
完全オカルト仕様で毎回楽しんでいます。

あの踏み切りはきっと霊的スポットなんだよな~とか
プールには水没者の霊が
ふきだまっているんだよなあとか・・・です。

悠里の兄の霊は息子にとりついていて
悠里の娘を悠里の替わりに霊的に犯そうとしているとか
そういう霊的変態モードもかかせませんし。

最後は諸悪の根源である悠里の父親は
火達磨になって屋敷ごと炎上とか
呪いのテイストだといいのになあ・・・とか。

まあ・・・妄想尽きることなしですな。

ふふふ・・・山Pジョーはものすごく
迫力ですな。
力石くんも圧巻の体脂肪率で
減量・減量また減量です。

ジョーと戦うために
体格差を越えて減量する力石と
決死の覚悟で戦うジョー。

もうすでに新たなる伝説が始まっているようでございます。

投稿: キッド | 2010年8月24日 (火) 07時13分

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