Happy Birthday My Mother・・・(山田涼介)
一回休んで「Q10」「デカワンコ」、一回休んで「ドン☆キホーテ」「妖怪人間ベム」とキワモノドラマの秀作を連打で生み出しているこの枠である。今回はお休みシーズンなのだが・・・なかなかどうして・・・三連打を放ってきたのだな。
主演はあらあらの「左目探偵EYE」のリベンジ、脚本家はおやおやの「ゴールデンボウル」のリベンジであるのだが・・・ヒットの要因は男二人よりも・・・W鈴木(京香&杏樹)の女優陣にあると思う。
図太いけれどちょっとバカな京香とちょっとバカだけどモンスターな杏樹・・・この組み合わせはタッグ・チームとして絶妙なのではないか。
心配して見守っていると・・・うふふ・・えへへ・・・あっはっはっはの展開なのである。おそるべし日テレ土曜ドラマ枠。
で、『理想の息子・第1回』(日本テレビ20120114PM9~)脚本・野島伸司、演出・佐久間紀佳を見た。どこぞの役人に「離婚して嫌がらせで赤ん坊の親権を獲得した」と嫌味を言われつつ、「母性本能なんて迷信だ」と断言するも・・・テレビで見た親孝行な新人プロ野球選手の発言に希望を見出した無芸大食の女・鈴木海(鈴木京香)・・・「わが子に家を買ってもらう」・・・明確な目標を持って母子家庭生活のスタートを切ったのである。
大前提が邪(よこしま)なのである。
それから16年。
母親の期待を上回る理想の息子に成長したのが鈴木大地(山田涼介)だ。脚本家の前作は「理想の母親」を追求した「GOLD」(2010フジテレビ)だったのだが・・・「理想の母親」よりも「理想の息子」を求めるあまり理想的でない母親の方が面白い・・・ということだな。
大地にとって母親は「ナンバー・ワン」の存在である。
なにしろ・・・彼女とのデートよりも母親の誕生日の方が絶対、大切なのである。
とにかく・・・ここまでは理想の母親に手玉にとられる・・・強化人間の物語なのだが・・・高校生になった息子は強化が過ぎて・・・少しずつ母親の手に負えなくなりつつあるらしい。それどころか・・・母親が息子にときめいてしまう事態にまで発展しかかっているのである。
ちょっとバカだがそれなりの美貌を持つ母親はパート先の店長に誘惑されかかっても・・・息子が店長の妻に密告・・・不倫どころか・・・パートをクビになる始末である。
店長はそのあおりをくらってジャガーに襲われた探検家と化してしまうのである。
その店長の妻というのが・・・大手建設会社「マルコバ」の創始者の娘であり・・・女豹そのものである小林光子(鈴木杏樹)なのである。夫は養子で気性がマルコバ向きではないと判断され系列の弁当チェーンの店長にとばされていたのであった。
息子のために失職した海の次の仕事は悪の巣窟として名高い「海王工業高校」の食堂のパートである。5キロのラーメンを軽々と平らげる海はマカナイ付の職種しか選択の余地がないのであった。
頭脳明晰に育った息子の大地は名門進学校「明風学園」に通っていたのだが・・・母の身を案じて無断で海王高校に転入してしまう。
そんな息子の行動に母親は・・・一抹の不安を感じるのである。
しかし・・・とにかく・・・ウチの子だけは「結婚したら嫁の言いなりで最後は施設行きを推奨する裏切り者」にはならないと信じるしかないのである。
一方、海王工業には母親に捨てられたトラウマを持つ番長・三船(藤ヶ谷太輔)や、その手下・内山(武田航平)が待ち構えていた。
屈折した三船はマザコンに激しい憎悪を抱き、マザコン狩りを慣行していた。その手法は「母親の写真の踏み絵」なのである。
「地獄の苦しみをのりこえてボクを愛でつつんでくれるそんな母ちゃんの面影をふめない」と断固拒否する大地。
そこで・・・やはり、母親の写真を踏めない同級生・小林浩司(中島裕翔・・・野ブタ。の桐谷弟である・・・そこそこ大きくなったな)と運命的な出会いをするのだった。
世間が狭いというご都合主義で浩司は女豹の一人息子なのである。
そして・・・女豹は息子がランボーやターミネーターのようにタフな男に成長していると信じているのだが・・・浩司はマザコンでありながら母親の期待を裏切って実は最弱の男に育っているのである。
金で友情を買おうとする浩司に最初は怒る大地だったが・・・「友達になってくれよう」とすり寄る浩司に子犬に感じる情を抱くのだった。
ふつう・・・こういう描写をしているとかなりキッドの妄想が入っていると思われるところだが・・・今回はほとんどありのままを書いています。
海王高校のボクシング部でマザコンゆえにリンチにあう大地と浩司。
「マザコン」と揶揄された大地はリングの中心で母親への愛を叫ぶのである。
「俺はマザコンじゃない・・・ただ母ちゃんが大好きなだけなんだーっ」
その頃・・・母親は・・・別れた夫そっくりの美術教師(金子ノブアキ)に出会い・・・なぜか動揺中だったのです。
これはやりたい放題のびのび野島伸司だな。
関連するキッドのブログ→ 『スクラップ・ティーチャー・教師再生・最終回』
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コメント
息子がいる身にとっては、なかなか心をわしづかみにされるドラマでありました(#^.^#)
いずれは息子が彼女でも作り、母も恋人を作って危機が訪れそうな予感。
どんな風にゴタゴタしていくのか、楽しみに見守ります。
投稿: くう | 2012年1月15日 (日) 21時34分
母親を愛せぬ子供にどんな愛がつかめようか・・・
という潔い主題でしたな。
マザー・コンプレックス(母親に対する複雑な気持)こそは人生の根本ですし。
しかし、子供が思うほど母が子供を愛していなかったりする摩訶不思議。
これが人生の醍醐味ですな。
じいめは母親の存在そのものこそが自己愛と他者愛の分岐点なのだと思いまする。
執事というものはお仕えする相手が
自分以上の存在であると信じることが基本。
しかし・・・それが幼児であれ、老体であれ
保護欲をかきたてるものであれば
さらに燃えるのでございますな。
この擬似親心もまた・・・基本はマザコンではないかと
思う今日この頃です。
そして・・・時には出来の悪い親や子ほど
愛しかったりして。
理想の息子に
不完全な母親・・・ここが
全国のお母様方をホッとさせたりなんかして~。
はたしてどんなおかしなハッピーエンドがまっているのか・・・
大注目でございますね。
投稿: キッド | 2012年1月16日 (月) 00時14分