警視庁より入電中・・・北新宿駅前にて女性警察官による暴行事件発生!(山下智久)
脚本家は「ケータイ刑事銭形泪」、「ケータイ刑事銭形零」、「ケータイ刑事銭形雷」、「ケータイ刑事銭形海」、「ケータイ刑事銭形命」などを経て、「泣かないと決めた日」「名前をなくした女神たち」で一発(二発)当てた後、ここである。
しょうもない脚本を書き続けた後、ついに開眼したタイプなので・・・ときどき、しょうもない部分もありますが・・・とりあつかい注意の榮倉奈々をそつなく使いこなし・・・「クロサギ」(2006年)以来の山下智久TBSドラマ主演の重圧にもめげず・・・それなりに仕上げた感じでございます。
まあ・・・山崎努を筆頭に蟹江敬三、吉行和子、設楽統(死体)など芸達者も多数投入されているのも手伝っていると思われますけどねーっ。・・・っていうか、キャスト豪華すぎるだろう。山Pだからか。それにしても山Pは「コード・ブルー」以来の連ドラなのか・・・キッドも休んでいたのでまったく空白感がないな。いわばキッドを棺桶から引きずり出したわけで・・・これが光あるものの重力というか・・・やはり、それだけパワーがあるということなのでしょうかーーーーーーーっ。
さて、こうしている間にも天使テンメイ様は第一稿を書きあげているわけだが・・・よく考えるとここ3回ほど、キッドは日付的に即日レビューになっているのだな。何か追い立てられる感じがするのはそのためだった・・・と今、気がついたのである。明けてからレビューを書きだす体制の翌日レビューにしないとものすごく・・・心情的にあせるのです。どこかで切り替えないと心理的圧迫感で窒息しそうだよ。
そのために・・・なかなか本題に入っていけないのだな。ここで死んだりするとものすごく心残りな感じになるわけである。
ある意味、コードブルーは「ひきもどす山P」だが・・・今回は「見送る山P」と言っていい。
山Pに命を救われるのが無理なら・・・せめて見送ってほしい・・・そういう展開なのか・・・いや・・・あくまで妄想上は・・・。
いい加減に本題に入れよ~。
で、『最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜・第1回』(TBSテレビ20120112PM9~)脚本・渡辺千穂、演出・石井康晴を見た。なんと・・・史上最悪にかなり近い出来の「ランナウェイ〜愛する君のために」(平均視聴率9.99%)の後番組である。もうすでに「葬式」の匂いがします。しかも・・・演出家は連投だ。それが・・・とにかくまともなドラマを演出しているわけである。ドラマにおいて脚本家の占めるウエイトがいかに高いかを示す好例だろう。「クロサギ」はもちろんのこと、「白夜行」とか、「流星の絆」も演出したディレクターなのである。前のクールは死亡寸前のストレスだったことは十分に妄想できる。
さて、あまりにもすごい「場」を与えられて・・・脚本はやや盛り込みすぎである。
キッドにしても「葬儀社」と「ミステリ」という観点から即座に『モップガール』(2007年テレビ朝日)を想起してしまった。もちろん、死因究明ものということでは『きらきらひかる』(1998年)という金字塔があるわけだが・・・葬儀社もの・・・といえば『モップガール』は最終形態に近い完成度である。
もちろん・・・マイナーリーグ相手なのでメジャーはごり押しも可だけれどな。
で、一方では「ただいま11人」(1964年TBSテレビ)から続く・・・おいっ、先行形としても60年代はないだろう、ほとんど誰もピンと来ないぞ・・・「ひとつ屋根の下」(1993年フジテレビ)とか「あいくるしい」(2005年TBSテレビ)とか、「11人もいる!」(2011年テレビ朝日)・・・それが言いたかったのか・・・とか・・・大家族もののホームドラマの系譜があるわけである。
それはそれである意味、老舗のリメイクという方向性があるのだな。
さらに言えば謎の男・岩田(山崎努)の登場によって映画『おくりびと』(2008年)の「死をめぐる穢れと浄めの確執」といった哲学的なテーマの気配も感じさせるわけである。
一歩間違えると映画『永遠に美しく』(1992年)まで行ってしまう危険なテーマである。
しかし、まあ、「スカイハイ」(2003年テレビ朝日)方向には発展しないだろうけどねえ。
とにかくテレビ朝日の金曜ドラマナイト枠に絞ってみても「スカイハイ」「モップガール」「11もいる!」といろいな気配が漂うのである。地上波ではど深夜の「ケータイ刑事」シリーズの作家から見れば金曜ドラマナイト枠は憧れの対象だもんなーーーーーっ。そういうことなのかっ。
ひとはかならずしぬのにどうしてうまれてくるんだろうか。
このひらがなで書くしかない・・・無垢な問いかけに答えがでるとは思えないが・・・「「プロポーズ大作戦」(2007年)ではヒロインの親友だった榮倉奈々がのしあがり、ついには山Pを一本背負いするところまで来たということはすごいことだと考える。それよりも紙魚子出身の前田敦子のちょっとSな妹役のさらなる向上に一番期待しています。
「お兄ちゃん、ダメッ」・・・このパターンですよう・・・ぱふっ。
・・・人は皆、「時」という乳母車に乗っている。
なぜ、生まれたのかを知らないように・・・なぜ、死ぬのかを知らない。
しかし、乳母車は突然走りだし・・・ふと止まるのである。
渡英中の恋人あずあず(美馬怜子)・・・が不在なのをよしとしてまさぴょんこと井原真人(山下智久)は合コンの誘いに乗るのだった。
・・・おい、ここから本題かよっ・・・そうですが、何か?
・・・幼い子供が保母さんの手押し車で運ばれるように人は誰も死に向かって運ばれている。
その最終章は一般的に葬儀によって締めくくられる。
もちろん…死後の世界を信じない者にとって葬儀は死者には何の意味もない儀式だ。
どのような葬られ方をしようとどんな棺におさめられようとどんな手向けを受けようとも・・・死者は何も感じないし・・・何も得ることはない。
しかし、人間は葬式が大好きなのである。
だから・・・葬儀社が忌み嫌われる企業であるという前提はキッドには全くわからない。ある意味、憧れの企業ナンバーワンではないか。
だが・・・そうなるとこのドラマの言わんとするところが根底から覆るので・・・葬儀社は不人気という設定に迎合することにする。
けれど・・・「霊にとりつかれた話」ひとつするにしても・・・「実は私、葬儀社につとめてまして・・・ある日、右肩が急に重くなりましてね・・・その日の仕事終わりに読経後の僧侶に呼び止められて・・・あんた・・・仏さんに肩をつかまれてるよ・・・と言われてギョッとしたことがあるんですよ」とリアルに怪談できる魅力があることだけは譲れないのである。
まあ、それはそれとして・・・居酒屋チェーン店の中枢企業に勤務する真人の実家は葬儀社なのであるが・・・真人は家業を嫌い、大学を卒業してフランチャイズ式搾取の手下としてエリア・マネージャーの地位を獲得したのだった。
「黒い居酒屋」と言ってもピンと来ない人がいるかもしれないが・・・要するに儲かればピンはねをして、経営難に陥れば各店舗の経営者に赤字を押しつけるリスク分散型の企業ということである。
まあ、早い話合法的なやくざです。
その日、真人は地下鉄のホームで・・・ちなみに北新宿駅はフィクションである・・・電車に飛び込んで列車の運行と人生を止めようと・・・しているように見える若い女に声をかける。
「あきらめなければ・・・あきらめなくてよかったと思える日がきっとくる」
その慰めの言葉に唖然としたのが・・・警視庁高円寺署勤務の刑事・坂巻優樹(榮倉奈々)だった。
つまり、トーストを咥えて登校中に転校生にぶつかったのである。
やがて・・・真人は合コンで優樹と再開する。
つまり、転校生は同じクラスだったのである。
セオリーですね。
こうして、山PはヨッパッPと化して巡り合った二人はなじむのだった。
街中で優樹を台車に載せ、真人が運搬する仲になるのだ。そういう仲になるのは性交するより難しいと思うがど深夜出身の作家が書くことなので目をつぶってください。
ここで謎なのが・・・優樹が拝んだ死者はだれなのか・・・ということである。
そして、この謎が何かの伏線なのかどうかもまた謎である。
一応の仮説としては故人である優樹の祖父(元・警察官)が捜査線上に浮かぶのであるが・・・そこで殉職したのか、病死したのか、それとも自殺や事故なのか・・・は不明である。
この他にも伏線らしいものは各所にある。
真人の妹の一人、長女・晴香(前田敦子)は足がやや不自由なのだが・・・そうなった事故の詳細はまだ隠されている。
次女の桃子(大野いと)は担任教師(黄川田将也)と不倫関係にあるようだが・・・どの程度の関係かは不明である。
三男の隼人(知念侑李)は大学生なのだがその偏差値は不明である。ちなみに実の父親は日本大学を卒業後、バルセロナ五輪で銅メダルを・・・関係ないだろう。
そして兄である長男・健人(反町隆史)が放浪している理由も謎だ。
ついでに盆栽をこよなく愛するらしい父親・浩太郎(蟹江敬三)が愛煙家なのかも、常用する煙草の銘柄がケント(KENT)なのかも不明だ・・・意味不明だぞ・・・きっと。何よりも井原家の母親不在の理由も霧の彼方なのである。
とにかく・・・どうでもいいような謎がちりばめられていて・・・ケータイ刑事シリーズを一度でも見たことのあるものなら背筋に悪寒を感じるはずである。
家業をなぜか・・・毛嫌いしている真人は大学進学と同時に実家と疎遠となり・・・五人兄弟のうちで親の手伝いをしているのは晴香一人なのだった。
死体にはこよなく優しい浩太郎だが・・・なぜか子供たちとの付合い方には問題があったらしい。
一番の理解者である晴香にも「死ねばいいのに」と言われる始末である。
このように・・・登場人物を紹介するだけでも骨の折れる豪華なキャスティングである。
葬儀社・井原屋の古参の従業員・田中(大友康平)に触れる余力がないほどなのだな。
ところで死者の「死」は死者にとっては何の意味もないが・・・生者にとっては時に重大であるというお約束が展開すると・・・ドラマも真人もようやく転機を迎えるのだった。
真人にとって26年生きてきて最悪の日が訪れるのである。
ここまでドラマ内の時系列が行ったり来たりするのでその日がいつなのか・・・非常にわかりにくいのだが・・・まあ・・・交通整理がいろいろと大変だったということは妄想の範囲内である。
最初の犠牲者が父の浩太郎なのか・・・真人の指導下にある居酒屋店長・長田(設楽)なのかもうっかりすると不明になる構成の悪さなのだが・・・死ぬのは・・・浩太郎→長田なのだな。
最悪なのは病院で心停止する長田の死亡推定時刻を刑事・優樹が手帳を見ながら告げる場面である。
転落したと思われる時間と・・・死亡時刻は・・・違いすぎるのだが・・・刑事ものではないので聞かなかったことにするしかないのだった。
まあ・・・そんなこんなでじっくりとドラマを見ていると落ち着かない気分になる瞬間もあるが・・・真人が人生を見直していく過程はさすがにスムーズに描かれている。
なぜなら・・・やはり、山Pの存在感が抜群だからなのであるよね。
そのこたえはきっとかぜにふかれている。
(ここからは刺激の強い描写を含む可能性があります。過敏な神経の皆さまはボリュームを絞ってお楽しみください)
冬は死の季節だ。木々は枯れている。風は生の証である熱を奪う。
冬の好きな人もいるかもしれないが・・・俺は嫌いだな。
その理由は俺が生まれた家が葬儀屋だったことにある。下手なドラマは自然をうまく取り入れないで時にはかゆいところに手が届かない感じがすることがあるが、俺のちょっと寒そうな顔で感じてもらいたい。その日は冷たい木枯らしが吹いていたのだ。
俺が下請けの雇われ店長に対してマニュアル通りに厳しく指導した時も。
黒猫なみに不吉な黒い霊柩車が窓の外を横ぎった時も。
深夜アニメのようなお安い出会いにつかのまのときめきを感じた時も。
強くて冷たい風が吹いていたのだ。
そして、その風は俺の心の中にも吹いている。
冬は死の季節なのだ。その証拠に秋には万床だった病院のベッドも年を越せばすっかり空きが目立つようになる。ほとんどの患者は生きて退院できなかったのだな。そうなれば・・・我が家は商売繁盛なのである。
いつから・・・自分の家と・・・自分の家の仕事と・・・仕事に励む父親に嫌気がさしたのかははっきりしない。
病死した俺のクラスメートの病室で父親が営業スマイルを浮かべているのを見た時かもしれないし、冬につきものの火事によってこんがり焼けたグロテスクな焼死体をうっかり見てしまった時かもしれない。あるいは死後数日たって発見された腐乱死体の強烈な匂いが夕飯時になっても父親に残り香してどうにも耐えられなくなった時かもしれない。
世の中には二通りの人間がいる。いじめて喜ぶ人間といじめられて喜ぶ人間だ。
俺はどちらかといえばそのどちらにも属さない「いじめ」というものになじめない人間だったように思う。
子供の世界には「死」というものの存在感は希薄である。その中に「死」を強烈にアピールするものがあれば自然に「いじめ」の対象となるわけである。
もちろん、俺も「死神」とあだ名され・・・触れば不潔な存在として疎外され・・・忌み嫌われたのである。
そうしたつらさが俺と俺の家との間に冷たい風を吹かせたのだろう。
俺は大切な何かをどこかに吹き飛ばされ・・・そして寂しいゾンビのような青春を過ごしたのだった。
大人になった俺は鬼になった。
世界が「暗黒面」に支配され・・・生き地獄である以上・・・いじめられる死神よりもいじめる鬼になった方が少しはマシだと思うからだ。
鬼の目から見れば・・・亡者のくせに善人ぶる人間など憎しみの対象でしかない。
「売上のノルマが達成できていないのに・・・サービスの飴を経費に計上するなんて・・・店長、あんた、コロンブスなめてんのかよ・・・金使って客をよろこばせてんじゃねえよ。客からしぼりとってヒーヒー言わせるのがビジネスってもんだろ」
他人に上っ面の感謝を受けたいならボランティアでもしていればいいのに・・・と鬼は本気で思うのだ。なぜそう思うのかは・・・鬼にもよくわからない。
その答えはずっと昔に吹き飛ばされてしまったからだ。
とにかく・・・その日は強くて冷たい風が吹いていたのである。
そして・・・翌日・・・叱り飛ばした店長が高いビルから転落したことが上役によって知らされる。
俺はいじめていたクラスメートに自殺されたいじめっ子の気分がわかったような気がした。心の底から鬼ならば勝利の喜びや達成感があるのかもしれないが・・・単にじゃんけんに負けて鬼になった俺はたちまちいやな気分になるのだった。
「死」から全力で逃げ出したはずなのに「死」はけして逃がしてはくれないのだ。
俺は自分の甘さを思い知ったんだな。
しかし・・・店長はまだ「死」には追いつかれていないようだ。
俺は生と死の境界線で安堵の吐息をつく。
だが・・・それも・・・束の間・・・実家で家業を手伝う妹から・・・父・危篤の知らせが届くのだった。
医者も看護婦も人手不足なのか・・・瀕死の父親は放置されたまま・・・俺の目の前で悪態をつきながら息をひきとった。
俺が確信したのは「霊柩車を見た時に親指を隠さないと親の死に目にあえない」というのは迷信だったということだ。
なにしろ、霊柩車を毎日見て育った俺なんだから。
家出中の兄貴は別として・・・幼い弟妹たちは・・・気持の動揺をかくせない。
お安い携帯ドラマなみに姉妹の暴力の応酬があって南極大陸に行った兄よりも格段レベルの高い兄である俺の胸で下の妹の桃子は泣きじゃくるのだった。
おそらく・・・ツンデレ体質の上の妹はぴりっとしない俺に「葬儀社が家族の葬式を他社に頼んでメンツがたつのかよ」とマジすか・・・の説教をするのである。
その時・・・俺の心の中で凍りついていた何かがゆっくりと溶け始めたのだった。
それが下の妹の胸のふくらみの温もりによってなのか・・・上の妹の厳しい言葉の熱さによるものかは定かではない。
ひょっとしたら・・・昔から家にいる他人の従業員・田中さんのうるんだ瞳のせいかもしれない。
どこからか風にのって囁く声がするのだ。
ことばにならない・・・むねのあついたぎり・・・こぶしをかためろ・・・たたきのめされても
田中さん・・・あんたがささやいているのかそれとも野良犬の遠吠えなのか。
こうして・・・俺は嫌っていた親父の葬式を喪主として行うことになる。
玄人である妹の晴香は素人の俺を手ほどきするために一夜漬けで夜をあかしたのである。久しぶりに妹とすごした時間に俺は胸騒ぎを感じるのだった。
「おれ・・・うまくできたかな・・・」
「うまいとかへたのレベルじゃないわよ・・・ただお手本通りにやっただけって感じ」
ぎこちないながらも葬式を終えた俺の前に謎の男がやってきた。
「あんた・・・まだ心から悲しめていないな・・・」
「なんでそんなことがわかるんだよ」
「いいかい・・・この世は美しくもあるし・・・醜くもある・・・どちらが好みかは人それぞれだが・・・それでおまんまをいただくからには・・・それなりにコツってものがあるんだ。ほら・・・オヤジさんの丹精した盆栽をみてごらん。一日・・・主がいないだけでもう醜くなりつつある。枝先は枯れている・・・死というものが白くむき出しになっているんだ。それをこうしてハサミでちょっと切り取ってやる。こうすれば・・・盆栽はより美しく存在することができるのだ。たとえ・・・枝先は死んでも・・・盆栽は生きているんだからな」
「オヤジの盆栽友達だったんですか・・・」
「・・・」
その夜・・・父親の遺品を整理していた俺は・・・悪態をつきながら死んだ親父が大切にしまってあった俺自身の「過去」を発見し・・・突然、涙がとまらなくなるのだった。
とおくにはなれていてもわかりあえる・・・わずかなぬくもりわかちあったように
どこかで田中さんが歌っているのだった。
鬼と死神の間には仏がいるのである。俺の仏心が覚醒しようとしているのだった。
翌日・・・鬼の上司から・・・業務記録の訂正を求められた俺は転落した店長の危機をたちまち感じ取るのだった。
そして・・・向かった病室では母一人子一人の店長が母親・光江(吉行和子)を残し親に先立つ不孝を実行するのを目撃する。
仏心のついた俺はたちまち・・・罪の意識にさいなまれるのだった。
俺が殺したかもしれない・・・店長。あやまりたくても本人はもうこの世に存在しないのである。
俺は救いを求めて街をさまよった。暴力的な刑事は俺をストーカーしているらしく何度も偶然に出会うのだった。
「だってあなたは私にあきらめるなって言ったでしょ」
そうだ。結局、生きている限り、何かをしてしまうのが人間なのだろう。
そんな俺にできることはもはや・・・葬儀だけなのである。
俺の中に眠っていた葬儀屋魂に火がついたのだった。そんな燃え上がる俺に晴香は冷たくて熱い愛の言葉をなげつける。
「なにやってんの・・・上で行かないで、下で行って」
そして田中さんの幻の声も鳴り響くのだった。
はげしくたかぶるゆめをねむらせるな・・・あふれるおもいをあきらめはしない
せめて傷心の母親を慰めることは何かできないか・・・と俺は思う。
なぜなら・・・こんな時本当に母親をなぐさめたいはずの店長はこの世にいないからである。
俺は心の命じるままに・・・店長の「死」そのものを探り始めるのだった。
木枯らしに吹かれて夜おそくまでビラをまいていた店長。
客の笑顔を大切にしていた店長。
親の死に目に会いたかった店長。
そんな店長を俺は本当にいじめ殺したのか。そして店長はいじめ殺されるような弱い人間だったのか・・・。
知り合ったばかりの刑事・優樹と店長の転落現場を訪ねた俺はついにひとつの可能性を見出す。
独身の店長が父親のいない子供とキャッチボールをした屋上。
柵の外に転がったボール。
他人の笑顔を見ることをこよなく愛した男が陥ったアクシデント。
そうさ・・・その日は風が強かったのだ。
転落場所で店長の指紋のついた新品のボールを発見した俺は・・・転落現場に子供が供えた店長のお気に入りの飴と店長が最後につかんだ愛の記念品を母親に示すのだった。
「あの子は・・・いじめられて死んだのではなくて・・・単におっちょこちょいだったっていうんですか」
「いいえ・・・優しい人だったんだと・・・俺・・・いや・・・私は思います」
「・・・・・そうですか・・・・そう言われるとなんだかうれしいわ・・・そう・・・そうなのよ・・・あの子はやさしい子だった・・・本当に・・・優しい・・・優しい子だったんだよ・・・・・うえーん・・・・・・・葬儀屋さん・・・ありがとう・・・」
人はどこからともなく現れてどこへともしれず消えていく。
それはまちがいのないことだ。
そして愛するものを失った生きている人間の心の痛手が大きいことを俺は知っている。
そんな遺族から感謝の言葉を告げられる父親。そしてそれを誇りに思っていた幼い自分。
父親の遺品に混じっていた幼い日の俺の作文にはそう記されていた。
俺は失っていた過去を取り戻したのだった。
なぜなら・・・風に吹き飛ばされた答えもいつか風に吹き流されて戻ってくる場合があるからだ。そういう奇跡はいつだってどこにだってあるんじゃないのかな。
愛がすべてさ いまこそ誓うよ 愛をこめて 強く強く
田中さんの歌声に励まされて俺は・・・父親の愛した仕事を受け継ぐ決心をしたのだった。
生まれて死ぬまでの人生は結局、愛を探す旅路なのだから。
もう・・・心ないもののささいな誤解なんて気にならないのさ。
だって俺にとって生きることと愛することはまったく同じ意味なんだから。
山Pをこよなく愛する皆様はこちらへ→エリお嬢様のレビュー
シナリオに沿ったレビューをお望みの方はこちらへ→mari様のレビュー
関連するキッドのブログ→誰かがその奇跡を待っているコード・ブルー(山下智久)
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コメント
>「スカイハイ」「モップガール」「11もいる!」
そこには全く連想及ばずでした。
私が思い出したのは、長男が家出している「ランチの女王」、送り出す「おくりびと」、
山崎さんと山P繋がり「クロサギ」、なおことまさと「蜜の味」、
死因調査「ヴォイス」「絶対零度」・・・そんな所かな、まだまだあるかも^^;
ストーリーとしてはホロっと来る部分もありましたが、まぁ、次回に期待と
いうところでしょうか・・・
前作「ランナウェイ」はツッコミギャグドラマとしてそれなりに
楽しく見ていましたが、これは特にツッコメるわけでもなく・・・
ツッコミ入れられないならジックリと見れるものにしていただけると嬉しいな~^^;
くうとしましては裏のテレ朝、岡田×中谷×長谷川組に注目しているので、
こっちは録画になりそうです。
じゃ、エリちゃんの愛あるブログを覗いてまいります(^^)/
投稿: くう | 2012年1月13日 (金) 16時34分
❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀
「スカイハイ」は死後の世界。
「モップガール」は生と死の境界線。
「11人いる!」はこの世の死者。
生前と死後にまたがる三つの領域を
それなりに示す物語系列なので
ある意味、どんなドラマにも
あてはまるのですが
とにかく・・・この脚本家は
下積みが長いので
勉強しすぎちゃったんだろうなあ・・・と妄想できるのです。
そして、枠の前が前だけに
いろいろと雑音も多かったと思われ・・・
主演がプラチナなので前二作のようにひたすら
ネチネチと暗黒面に傾斜することもできず
大変だったろーなー(他人事)と考えます。
いやあ・・・「ランナウエイ」もすごかったが
平田を追い返した警視庁とか
中国人凶悪犯の脱走を許した広島県とか・・・
警察関係者のぶったるみぶりに
うかつに笑えないご時世ですなあ。
とにかく・・・警察官の足が亀のように遅い枠前作に
くらべて・・・
うっかりミスはいくつかあるけれど
それなりにドラマになっていた本作。
なんとしてもハードルは高いのですがキッドは少し
甘い目で見ることにいたしましたよ~。
それにキッドなりの理想の形を探す作業は
それなりに楽しいですしね。
まあ・・・山Pになりきってもなりきれない
越えられない壁はありますけど。
のだめの千秋ほどには原本が完成しておりませんしねえ。
とにかく・・・ホロッではだめなのですな。
山P主演なら号泣じゃないと。
失敗点は山Pを二回泣かせなかったこと。
遺品の作文(中身は伏せておく)を見て謎の嗚咽。
そして最後はこらえきれず二度泣きです。
さらに言うならば店長の母親のセリフと
泣かせどころも失敗。
やはり・・・山Pが泣かせないとダメなのですねえ。
「聖なる怪物たち」は原作ものですが
荒井修子がどのくらい変態度をあげるかが
注目ポイント。
単独脚本ではないのでそこそこオーソドックスかも。
そしてじいめとしては
鈴木杏がどのくらい
しぼれているのかも注目ポイントです。
昔の美少女今は・・・ばかりだとガッカリでございますからーっ。
投稿: キッド | 2012年1月13日 (金) 19時55分
じいやさま、こんばんはです~。
なんとこちらからのお客様がどんどん我が家に来てくれるので
何があったんだとあわてて飛んできました。
ワタクシめのリンクありがとうです~。
じいや様、連日のレビューお疲れ様。
息切れしやしないかと冷や冷やですが
あとで肩もみしてあげるからね~。
で、ドラマがイマイチだったのにじいやのレビューの方が
断然面白いので笑ったりほろっとしたりで
何度も何度も読みました。
さすがじいやだわ。
長い空白があろうとも筆力の衰えはありませんね。
大友さんの紹介余力がないといいつつ
歌で紹介するなんざ高度なテクニックまで。
そうそう、うちの母も住職から背中に温かい人が乗っていると
言われたそうです。
亡くなった父親だとにっこり笑って応答したと。
それを聞いた私はもはや
あっちの世界も現実もない混ぜ状態ですわ。
どの世界に生きてるのか時々わからなくなります。
おかげで宇宙人ともよく喋るようになりましたわ(え?
このドラマってば感動して泣くというレベルにはありませんでしたが
泣くPさんを堪能するという楽しみがあったのですねえ。
しかし仰るとおり泣かせ方が残念でした。
でもじいやが愛でカバーしてくれたし言う事ありません。
本当に、じいやのおかげで盛り下がった気分がすごく高揚してきちゃいましたわ。
ただ謎は多いのでまだ探求の意味でも見ていくつもり。
じいやさま、お餅はもう終わりました?
のどに詰まらせると危ないので
ちょっと細かめにカットしましたから。
大根おろしに納豆とあまから。
あと磯辺巻で。
くれぐれも用心してね。
投稿: エリ | 2012年1月13日 (金) 21時14分
キッドさま
待ちに待った役者のドラマが始まり、キッドさんのレビューを読める幸せ☆ドラマの出来がイマイチでも、それだけでも十分満足です。吉行さんの素晴らしい演技のおかげでそれなりの仕上がりになってよかった(^O^)/
子供が手押し車で運ばれるシーンがなぜか印象に残っていたんですがキッドさんのおかげで妙に納得できました。あのシーンにはそんな意味があったんですね(^^)あまりにごちゃごちゃしていて大事な事を見過ごしてしまいそう。もう少しシンプルでときめくシーンもあって満足出来る回がきっと一回はあると信じたい(笑)
投稿: chiru | 2012年1月13日 (金) 23時32分
✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
お嬢様、期待と不安のワクワクドキドキレビュー
お疲れ様でございました。
山P様の魅力を遺憾なくお伝えする記事に
じいや感服つかまつりましたぞ~。
その上、じいやのポンコツ具合までご心配いただくとは
感謝で老骨も号泣でございます。
ドラマの方はノー・プロブレムという出来では
ありますが・・・
いろいろと細部や全体に支障はございましたなーっ。
しかし、前節のアンナ様の苦悶に比べれば
まだマシかとーーーーーっ。
それはそれとして
ごっこガーデンの復旧が間に合わず
申し訳ありませんでした。
施設の方は順調に復旧しているのですが
ロイドたちの電脳部分のサルベージが
難航しているのですな。
平成財閥テクニシャン・チームが
あまりにも優秀だったために
セキュリティーが強すぎてシステムを突破できないのですな。
まさにセキュリティーにセキュリティーかかった状態なものですから。
もうしばらくご辛抱くださいますように。
画伯のデザイン部門もちょっと大河ガーデンに意識が
集中していらっしゃるようなんで
そこも問題といえば問題なのですけれど。
新作ロイドの設計図が・・・でございます。
大友さんのff(フォルティシモ)は
あまりにもはまりすぎて
じいやちょっと笑ってしまいましたぞ。
脚本家の方はTBSの深夜で下積みをして
フジで抜擢。
言わば故郷に錦を飾っているのですが
ちょっと肩に力が入りすぎなのかもしれません。
マイペースでやればもう少し見やすくなると
期待しておりまする。
「おくりびと」の広末涼子の演じた妻もそうでしたが
一般の人がそんなに葬儀社を忌避するのか
じいめにはちょっと不明なのですな。
じいやの老母は下町の顔役でしたので
地域の葬儀を仕切っていた関係上・・・
盆暮れには各葬儀社から
夏は明太子、冬は数の子の
付け届けがあったもので
おいしくいただき・・・葬儀社は
おいしいものを贈ってくれるところと
インプットされているせいかもしれませんがーーーーっ。
さすがはお嬢様、すでに視野は世界規模を超えて
太陽系果ては銀河にまでおよんでいるのですなーっ。
AKBのトップとか・・・若手女優の筆頭格の一人とか
大スターとか・・・
メンバーが豊富なので
ついそれぞれにスポットをあてたくなる局面でしょうが
主役をたてるという一点を
忘れないで作らないと困った感じになる・・・
それだけはお願いしたいものですな・・・。
一方、山P様も大人の男性スターとして転換期・・・
藍沢があまりにもはまり役だっただけに
少しニュートラルで新境地を目指すという
機会でもあるかもしれません。
最後はチームワークでございますしね。
そういう意味ではこのドラマ。
まだまだ様々な可能性を秘めていると
いうこともできるかと。
お正月の鏡餅はまこ様の発注した
直径100メートル級がまだ残っておりますぞ。
お屋敷の大プールで水餅にしておりますが
そろそろめしあがらないと
カビで大変なことになるかもしれません・・・。
今年のお正月は都内で餅つまりの死亡者は2名。
じいやの若い頃は
一升もちをかまずにのんでいたので
まだまだ若い者には負けないと考えておりますがーーーっ。
投稿: キッド | 2012年1月14日 (土) 03時15分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
初回視聴率は15.3%とまずまずのすべりだし、
前枠最終回から5%近くあげているのは
さすがの山Pと申せましょう。
物語は山Pと榮倉奈々との関係によって生じる
警察関係の遺体と葬儀社の真心のふれあいを
主軸に展開する模様ですな。
これといろいろと問題を含んだ
井原ファミリーがどうからむかの
バランスが問題ですな。
次回の出来が結構、重要な気がします。
筋を追っていくだけのドラマになるとつらいですからな。
山Pのエモーションが感じられる展開になるといいのですが
榮倉奈々がいるためかもしれませんが
「プロポーズ大作戦」のテイストが
ひとつの目安かもしれません。
まあ・・・妹もプロなら気になる人もプロ。
二人にはさまれて
あたふたする山Pの姿も
ファンにとっては楽しみになるのではないでしょうか?
キッドは刑事に力で責められ
妹には言葉でいじめられる・・・そんな山Pだと
楽しいかも・・・とひそかに期待しております。
chiru 様がときめく回が早めにくると
よろしいですなーーーーっ。
投稿: キッド | 2012年1月14日 (土) 03時39分
じいや様今年もよろしくお願いします。
リンク張っていただいて、エリぴょ~ンともども
お世話になってます。
ただ、こんなに精力的に記事をアップされて、
大丈夫でしょうか?私は、からきし、意気地がなくて
1日1本がよいところです。
投稿: mari | 2012年1月15日 (日) 08時34分
❁~✾~❁~~✾mari様、いらっしゃいませ✾~~❁~✾~❁
あけましておめでとうございます。
いろいろご心配をかけて
申し訳ございません。
ようやく、連日更新の体制が
整ったのですが・・・
とにかくもろもろの事情で
以前のような更新はむずしいかと・・・。
今回もごっこガーデンでお迎えしたかったのですが
まだ復旧の目処が立っておりません。
まあ、週に一回くらいなら
このぐらいのボリュームの記事をかけるかな・・・という感じでございます。
それでも筋立てで漏れも生じますのでお嬢様やmari様のお力におすがりする次第なのでございます。
そんなじいめですが今年もよろしくおつきあいください。
投稿: キッド | 2012年1月15日 (日) 20時53分
キッドさん、ご無沙汰しております
いつものことながら、読み応えのあるレビュー、ありがとうございました!
これは140字では読めませんねー。
このタイミングで復活していただいたことに、本当に感謝です
犬の名前がコタローだったり、
(山下君がブザビでバスケットボールに付けていた名前です)
その他もろもろのドラマを彷彿させるシーンがありますが、
(心マの弱さが気になってしまい、仕方ありませんでした)
たぶん、確信犯的にされているんではないか、という気がします。
クロサギスタッフで、長い付き合いですし。
ただ、(私を含め)ファンの人達は、深夜の「ルート66」に夢中で、
ドラマには、あまり前のめりになっていないような雰囲気です
私も、ハードル低め設定なので、満足でしたわ
ここに来れば、(本編より分かりやすい)レビューもありますしね。
よろしければ、来週もお待ちしております。
寒い日がつづきますね。お体ご自愛ください
投稿: mi-nuts | 2012年1月17日 (火) 12時15分
✭クイーン・オブ・ザ・ランチ✭mi-nuts様、いらっしゃいませ✭親切百回接吻一回✭
キッドはロートルですので
さすがにツイッターのシステムには
二の足をふむのですな。
フォローしはじめたら気が遠くなりそうで。
そこでだらだらと長い話であいすみません。
まるで山Pに呼び出されるように
環境が整いましたぞ。
微力ながらご期待に添うようはげみたいと考えまする。
ふふふ・・・女流である以上、
作家も女子・・・山Pについては
メロメロな部分もあるでしょうな。
とにかく・・・これまでのあれやこれやを
ふまえて・・・
あらゆるものが存在しているということです。
よくもわるくも・・・でございますが。
ぶおーんっと大陸横断かっとばし番組ですな。
山Pホットドッグ食べ放題の・・・。
今回・・・裸少なめはそのためかもねーっ。
ホームドラマにはつきものの入浴シーンを
忘れているではないですかーっ。
家風呂なのか・・・それとも銭湯か?
とにかく・・・家族の初入浴が楽しみです。
今日は東京はことさらに寒いです。
mi-nuts様もお風邪などひきませぬようご留意ください。
次回もがんばる予定でございます。
投稿: キッド | 2012年1月17日 (火) 16時15分