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2012年1月25日 (水)

本心の裏側の心象の地平線の向こう側の意識に佇む乙女(木南晴夏)

ついに木南晴夏版火田七瀬がお目見えである。

MBS系では先行1月19日オンエアであり、TBS系は5日も待たされてしまったのだ。

東京が後・・・ってある意味、前衛的だな。

とにかく・・・原作誕生の1970年から・・・42年・・・待ちわびた・・・「家族八景・無風地帯」のほぼ完全な映像化に接することができた喜びに震えたい。なにしろ・・・この日を待たずに旅立ったものも数多いのである。

イメージ通りに木南晴夏は火田七瀬100%だったな。

ただし・・・スタッフにはいくつかの問題点があることは言うまでもない。

まず・・・これは演出家の責任であると思うが・・・七瀬の年齢設定を20歳にしてしまったことである。これは手痛いミスだったな。木南晴夏の実年齢26歳に慮ったのであろうが・・・できますよ~、なんちゃって18歳くらい・・・かしこさんにはお茶の子でしょう。だが、入浴シーンのサービスがあるから責められないな。

次に脚本の責任として・・・原作の「キーワード」が欠落しているところがある・・・ということだ。

「無風地帯」の「骨子」は「そういう能力を持っている者は必ず、自分同様にそれを隠すだろう」という読心能力者の七瀬ならではの独白にあるのだな。

これを省略してしまっては根本が崩れるのである。

ま、しかし・・・佐藤二朗は原作初出時にまだ数えで二歳の赤ちゃんだから・・・あまり責めてもしょうがないな。

もちろん、ドラマ化なので・・・オチの強調や現代との整合性などいろいろと脚色の工夫も必要でそういう意味ではなかなかよくアレンジできていたとも言えるのだ。

そういうわけで・・・レビューは一部妄想補完でお届けすることにする。

で、『家族八景 Nanase,Telepathy Girl's Ballad・第一話・無風地帯』(TBSテレビ20120120AM0055~)原作・筒井康隆、脚本・佐藤二朗、演出・堤幸彦を見た。原作では火田七瀬が最初に登場する尾形家には前庭の赤い花が満開なのである。この赤い花は処女でありながら、擬似処女喪失体験を繰り返している七瀬の心象風景の象徴である。

七瀬はテレパス(精神感応者)であるから・・・他人の処女喪失体験を何度も心で経験しているのである。

それはいたるところで繰り広げられる破瓜の連鎖だ。

ふと・・・通り過ぎるアパートの一室で≪いたい・・・いたい・・・いたい・・・いたい・・・≫と女子高生が叫び、乗り合わせた電車の中で初体験をすませたばかりの女子大生がややガニ股になりながら≪こんなに・・・痛いなんて・・・でも・・・カレは・・・優しかった・・・この痛みはいつまで続くのか・・・まだヒリヒリ≫と回想し、夜更けの公園で女子専門学校生が≪やだ・・・こんなところで・・・触るだけだと・・・いったくせに・・・いや・・・こわい・・・あ・・・やめて・・・あ・・・ママ≫などと日常茶飯事に心の声が届くのだ。毎日がロスト・バージンなのである。

もちろん・・・七瀬は心の掛け金をおろして・・・他人の心をシャットアウトすることもできるのだが・・・年頃の好奇心は危うく・・・掛け金をはずしてしまうのだった。

そういう年齢にふさわしいのは20歳ではなくて18歳なのである。原作では最終話「亡母渇仰」で七瀬はようやく二十歳の誕生日を迎えるのである。

連作でありながら・・・この間の七瀬の人格形成が物語の深みを増していることは言うまでもない。

18歳だからこそ・・・「無風地帯」の尾形家の欺瞞が「許せない」のである。

だから・・・20歳という年齢設定変更はある意味致命的なのだが・・・今の20歳の精神年齢は40年前なら10歳くらいだという考え方もあるので許容範囲としたい。

ついでに・・・もう一点・・・原作から・・・『家族八景』が恐怖小説のカテゴリーにも属するという所以である部分を引用しておきたい。

(前略)・・・七瀬はそれが特に珍しい才能であると思ったことは一度もなかった。おそらく、多くの人間がそういう能力を持っているに違いないと思っていた・・・(後略)

この後に冒頭の引用部分が続くのだ。

つまり・・・世界にはテレパスがうじゃうじゃいるということである。

そういう人々にはキッドが考えている恐ろしく変態的で恥ずかしいあれやこれやが筒抜けなのである。

こんなに背筋が凍りつく話を当時は聞いたことがなかったのである。もちろん・・・超能力者ものというものはこれ以前にもあったのだが・・・とにかく・・・それをするのが・・・清潔で潔白な美少女の七瀬であるのだからこわいじゃないか。

キッドはそれ以来、美しい人に逢うたびに「こいつはテレパスじゃないだろうな」という疑心暗鬼にとらわれ続けています。

ともかく・・・赤い花がそれほど目立たない、郊外電車の警笛がかすかに響いているようないないような、ヴェランダが広いような狭いような明るいような暗いような・・・少し頼りない尾形家に・・・高校を卒業した後で・・・天涯孤独の上に特殊な能力を持っているために・・・他人の家を渡り歩く家政婦になってしまった火田七瀬が・・・前の奉公先である秋山家からの紹介状を携えてやってきたのだった。

出迎えたのは主婦である尾形咲子(葉山レイコ)である。

ここで・・・演出のオリジナル・アイディアが披露される。掛け金をはずし、精神感応状態になった七瀬の視覚が変調するという趣向である。しかも・・・家風によるものなのか・・・その変調は家政婦先の各家庭によって変化するらしい。

原作では登場する他人によって七瀬が想像で裸にされてしまい、相手の心象風景を読み取った七瀬が自分の空想的な裸体を見ることになるのだが・・・今回は盗精神した相手が裸になってしまうのだった。

テレパシーの映像表現としてはいいアイディアだと考える。もう少し編集時間が欲しかったかな・・・。

とにかく、そのために・・・AV女優もこなしている葉山レイコがキャスティングされているし、キューティーハニー・ブルーことシスター・ミキで「宿命 1969-2010 -ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京-」(2010年テレビ朝日)にて美しい裸身を披露した水崎綾女が長女の女子大生・叡子がキャスティングされているのである。

さらに・・・咲子の夫である久国(西岡徳馬)と息子の大学生・潤一(木村了)の共通の愛人・・・逆親子どんぶりである・・・節子(星野あかり)はストリッパーもこなしているのである。

ちなみに彼女は台本を読んでクスッと笑ってしまう程、魅力的な内容だったと自らのブログで語っておられます。

しかし、性的描写はあくまでお茶の間レベルの匙加減になっています。

とにかく・・・和服で五十歳前なのに老けた印象がある咲子は・・・ある秘密を持っている気配があり・・・この一篇の影の主役であり・・・葉山レイコは見事なキャスティングだったと言わざるを得ない。

また・・・節子は原作では潤一の同級生でホステスになった女であり・・・そのニュアンスはかなり伝わっていると考えます。

また・・・潤一のセリフ回しはほぼ・・・佐藤二朗のオリジナルであり・・・黒柳節子とか・・・吐きそうとか・・・ムムム・・・とか・・・佐藤二朗のコピーみたいな感じになっていますが・・・原作ファンの皆さんはこらえてやってください。精一杯なわけですから。

尾形咲子に挨拶をした七瀬はさっそく掛け金をはずして能力を解放した。

そこには漠然とした意識野に些細な事物がごろごろとところがった「意識のがらくた」があった。

≪夕食・・・ピーマンがあった・・・ピーマンと牛肉・・・味噌炒め・・・細切りにして・・・細切りにして・・・風呂場・・・みっともない・・・タイルがはがれかけている・・・テレビの調子も悪い・・・炊飯器も壊れている・・・電気屋が新製品を・・・明日・・・新製品を・・・炊飯器の新製品・・・配達・・・支払いは現金で・・・そのことは・・・家政婦に言っておく・・・タイルのことは・・・この子になおさせる・・・いや・・・内装の職人に電話・・・テレビは・・・電気屋に相談・・・新製品の炊飯器を持って来たら・・・牛肉は冷蔵庫に・・・なかったら買い物に・・・家政婦に近所の店を教え込む・・・ピーマン・・・スーパーマーケット・・・電気屋・・・お茶・・・煎茶・・・家政婦・・・牛肉も細切りに・・・≫七瀬は咲子に自意識というものが欠如していることに驚く。

家族から軽蔑され疎外された精神力の弱い初老の女性に見られるタイプなのか・・・七瀬は備わった特殊能力から知りえた過去の経験から咲子をそのように分類した。

しかし・・・それが咲子の心の真の姿とは限らなかった。

七瀬は人の心が複雑怪奇なものであることをそれなりに知っていたのである。

荒涼とした咲子の心象風景の向こうに何が潜んでいるか知れたものではないのだ。

やがて・・・造船会社の総務部長を務める夫の久国が帰宅する。

火田七瀬は時に清教徒(ピューリタン)的であると原作では描写されるのであるが・・・それを高潔なものと考えると・・・それに応じた七瀬にとっての邪悪が存在することになる。

これは連作の続きを追えば明らかになるのだが・・・キリスト教における「七つの大罪」にある程度、関連していく。

七瀬は久国や・・・娘の叡子、そして息子の潤一に享楽的な性格を見出していく。

もちろん・・・ある意味ではそれらは七瀬の潔癖さによって強調された人格ということになるわけだが・・・物語ではその点には言及しない。

「暴食」、「色欲」、「強欲」、「嫉妬」、「憤怒」、「怠惰」、「傲慢」が七つの大罪だが・・・傲慢には虚飾の要素もあり、怠惰には憂鬱も含まれる。

久国、叡子、潤一たちに見出される七瀬にとっての「悪」は「色欲」を中心にしているが、それに「嫉妬」や「傲慢」が絡んでくるのである。

処女である七瀬はその精神的な汚辱にイラッとするのだな。

久国はたちまち・・・七瀬を裸にして・・・想像上の七瀬の裸体と愛人のホステスの裸体を比較する。久国は残業ではなく浮気をしてきたのである。

原作では七瀬が18歳であるとと同時に・・・大学1年生である潤一とそのかっての同級生の節子が年齢的にもからみあい・・・同世代の精神的格差も漂わせるのだが・・・ドラマでは残念ながらそのニュアンスはカットされている。

続いて、長女で大学4年生の叡子が帰宅する。原作ではただの夜遊びだが・・・ドラマではただ「太いギター」という姑息なギャグを入れたいための軽音楽部というサークル活動の要素が加わっている。

しかし、実際には叡子の心は性交したばかりの男友達・木田(栗城秀・・・双子のモデル・・・ドラマとは無関係だが『ウェルカムTV』(テレビ東京)のアイドル候補生・今野朱莉のブログに登場している)・・・原作では木谷・高田という男性が登場するので合成したものと思われる・・・との行為の反芻的回想で占められている。

久国は叡子に対しても性的欲望を抱いており・・・父親なら当然のことである・・・叡子の男友達との行為を想像して激しく嫉妬しているが・・・食卓では父親としての威厳を保持する。

≪娘・・・俺の娘・・・俺のものなのに・・・ろくでもない男と寝たのか・・・今、寝て来たのか≫

「仲良しの良江さんがこなかったから・・・帰りは木田くんに車で送ってもらうしかなかったのよ」

≪木田くん。木田くんの激しいピストン運動。太いものが貫く。何度も何度も絶頂。太いもので絶頂。パパが私をいやらしい眼で見ている。私に対して欲情を・・・もうすっかり男性的魅力を感じさせないくせに・・・それにくらべて・・・木田くんの太くて固いアレ≫

≪こいつ・・・俺の娘なのに・・他の男と寝たのか。寝やがったのか≫

≪木田くんの太いアレ≫

≪ふん・・・俺には節子がいる。節子の若い肌。俺の下でピチピチと跳ねる≫

≪≪木田くんの固い・・・節子のぴちぴちな・・・≫≫

≪≪≪みだらな快感≫≫≫

「今度から・・・早く帰ってきなさい・・・」

「はい・・・すみません」

七瀬は父と娘の外面と内面の乖離に半ばあきれながら・・・咲子の心を観る。

≪夕飯の片づけ。洗剤。タワシ。お風呂のタイルがはがれかけている・・・朝食は魚を焼いて・・・味噌汁の具は・・・明日は電気屋が≫

七瀬は咲子が現実から目をそむけ何かから逃避しているのではないかと疑惑を持つ。

翌朝・・・深夜に帰宅した・・・潤一の寝言を耳にする七瀬。

原作では同時に寝言を聞いた姉の叡子が七瀬の言動に不審を感じるのだがそこは省略されている。

「脱がないでいいから・・・舐めてくれよ~」などと性的な寝言を叫ぶ潤一だった。

起床した潤一はさっそく七瀬を口説き始める。

しかし・・・潤一の記憶から潤一のセックス・フレンドである女性を知覚した七瀬はショックを感じる。

潤一の恋人・節子は久国の愛人でもあったのである。

ここにはある程度・・・時代背景が影響する。この頃はまだ「怒れる若者たち」が流行中だったのである。権威に反抗することはかなり「かっこいいこと」であった。

しかし、久国の場合は単に父親を侮蔑したい気持ちが勝っていた。それは古典的なエディプス・コンプレックスを礎とする父親畏怖の裏返しにすぎなかった。

≪家政婦か・・・こいつもなかなか・・・きれいだな・・・胸はないが・・・たまには別の味見がしたい・・・所詮は・・・節子も遊び・・・オヤジの女を寝とってやって・・・オヤジの間抜け面を眺める楽しみ・・・いい年して・・・若い女と対等につきあえると思ってやがる・・・バカだ・・・バカオヤジだ≫

やがて・・・お茶の間を囲んだ尾形家の家族たちは心にどす黒い本心を隠したまま、平穏無事な家族を演じ始める。

その愚劣さに・・・七瀬の潔癖な心は反発を感じ・・・一石を投じるのだった。

「潤一さんは寝言で・・・節子・・・脱げっておっしゃってました・・・」

≪なんだと・・・節子だと≫

≪何、言ってんだ、このおしゃべり女≫

≪節子・・・まさかな・・・節子なんてよくある名前だ≫

≪そんなことでバレやしない。でも、もし、節子と寝ているのをオヤジが知ったら≫

≪こいつ・・・まさか・・・わざと俺の女に手を出してるわけじゃあるまいな≫

≪オヤジが怒ったら。オヤジが怒る。オヤジが怒ったらこわいよ≫

≪俺の女に・・・俺の女のアソコに息子のアレが・・・すねかじりのくせに・・・≫

≪こわいパパこわいよ≫

≪しかし、本気で潤一が俺にさからったら・・・暴力革命。ゲバルト。角材≫

≪こわいよ≫

≪おそろしい≫

≪こわいこわいこわい≫

逃げ場を模索した潤一は矛先を七瀬に転じる。

≪この女の口をふさがなくちゃ・・・いや・・・家から追い出した方が・・・≫

ここで七瀬の入浴シーンが挿入される。

潤一は母親の財布から札を抜き・・・七瀬の犯行を目撃したと母親に密告する。

しかし・・・母親は七瀬に真偽を問うことはしなかった・・・ただ数日後・・・別の家への家政婦の紹介状を用意したのである。

ついに・・・七瀬は恐ろしい可能性に気がつく。

すべてを知っている咲子。彼女は・・・七瀬と同じような能力者ではないのだろうか。

彼女の表層意識が雑事で満ちているのは意識を隠ぺいするカモフラージュであるかもしれない。

もしそうなら心で返事をして・・・。

しかし、咲子はただ笑顔で・・・心なく・・・七瀬の苦労をねぎらうのだった。

「あなたも・・・大変だったでしょう」

七瀬は他人の心を読むことができるばかりに・・・心を空にするしかなくなった自分の将来の姿を・・・咲子に垣間見た。

しかし・・・七瀬はまだ若い。

私はあんな空虚な人々にはならない・・・ひそかな決意を秘めて・・・七瀬は尾形家を去るのだった。赤い花が彼女を見送っている。

関連するキッドのブログ→火田七瀬(木南晴夏)を待ちながら。

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はこちらへ→くう様のレビュー

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コメント

キッドさん☆待ちに待った七瀬始まりましたね!
このドラマのレビューを見かけ 見逃してしまったのかと焦ったら近畿圏が先にオンエアなんですね(^^)
間に合ってよかったです

普段 深夜ドラマを見ない私は エロい展開になるほどこれが深夜ドラマなのかと思いながら見ておりました(^^;
そしたら 最後 なんだか深い話になって… 30分では描ききれない感じ
余韻を残し過ぎない
そんな感じがちょうどいいんでしょうか?
やはり 原作を読まないと勿体ないですね
本屋さんで売っているかな?探してみます

今クール あまりおもしろいドラマがないので(期待はしているんですが)毎週、キッドさんのレビューとともに楽しく見ていきたいと思ってます
超素人のコメントでスイマセン(笑)
m(_ _)m

投稿: chiru | 2012年1月25日 (水) 22時20分

シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン

本当に、待ちに待ったのでございますよね。
40年と言えば生まれた子供が
ヤング祖父母になっちゃう歳月ですからな。
その上、東京人はさらに五日も待たされるとは・・・。
・・・じらしすぎ~~~と感じました。
産地直送してもらおうかと思ったほどでございます。

いやいや・・・深夜ドラマは
必ずしもエロではございません。
深夜アニメはことごとくエロですがね。

もちろん・・・この素材ですから
エロティックに作ろうと思えば
いくらでも作れますが
どちらかといえばブラック・ユーモアが
基調ということですな。

それはたとえば善悪をまとめて嘲笑するといった類です。

この時代、SF作家はそれなりにもてはやされていたのですが
文壇における地位は非人より低かったと言われますから
そういう怨念のようなものも感じられる原作です。

とにかく40年を経てドラマ化され
一応鑑賞に耐えうるということが凄いのですな。

さて・・・ドラマ化なので
当然、書店には文庫が積まれていると
思いますぞ。
おそらく新潮文庫ですな。
驚くほど薄い本ですからな。
キッドは今回再読しましたが
1時間ほどで読み終わりました。

まあ・・・若い頃には
七瀬にぴったりと寄り添って読むわけですが
40年も経つと
咲子の荒涼とした心の方がなじみ深くなったりいたします。
まあ・・・キッドは男なんですけれどもーーーっ。

時代背景や言葉使いなどで
ややとっつきにくい部分があるかもしれませんが
『面白さ』を愛する心があれば
きっと魅了されることと考えます。

今季のドラマを観ているときに
「ああ・・・もっと素敵な時間の使い方もあるよな」
とため息をつくほどには原作は
つまらなくはない・・・と思うのですな。

まあ・・・キッドはもう百回くらい読んでいるので
ふつうの人がどう思うのかは予測不可能ですけれど・・・。

みんな素人ですから素人を超えた素人というのは
ある意味超人の一種でございます。

どなたのコメントでも
キッドはありがたく拝読いたします。
だって・・・少しだけでも愛されていると思うから。
それはそれは幸せな気持ちですもの。(*゚ー゚)


投稿: キッド | 2012年1月25日 (水) 23時54分

御無沙汰してました~。
(って覚えていらっしゃらないかもですが)

ワタシは書いたり書かなかったり
更新いい加減なので
路地裏でコソコソ営業(笑)してますが
風の便りでキッドさんの家族八景を知り
お邪魔しました。

そうか~咲子も同じ能力なんですねー。
先入観そーさしちゃ
ダメですね(笑)
また宜しくお願いします。

それから
先に内容ナシが送信されてたら
すいません
(モタモタしてたら送られたみたいで)

投稿: ルル | 2012年1月26日 (木) 19時06分

YY*★*YY~ルル様、いらっしゃいませ~YY*★*YY

キッドじいやの執事録によると
神の雫で恋人も濡れる画廊以来の
お目見えですな。

キッドもシステムが崩壊して
1年半ほど半分休眠状態でございましたので
ご来訪いただいたことは感謝感激でございます。

営業再開のお知らせを
するほどの・・・お店でもございませんので
ごあいさつが遅れたことをお詫びもうしあげます。
なにしろ・・・いつまた
開店休業になるか・・・不明なものですからーーーーっ。

ついにアナログテレビでは
実現しなかった家族八景の完全ドラマ化に
魅かれて恥ずかしながら
地デジドラマのレビューをしているわけです。

だってこのドラマのレビューをしなかったら
辛抱たまらんですからなーっ。

咲子が能力者であったのか
そうでなかったかは・・・一応曖昧になっています。

鈍感な夫や子供たちに比べて
単に敏感で・・・直観力に優れていた故の結末・・・。
このように解釈してもまったく問題ではございません。

ただ・・・七瀬は
能力者であることをひたすら隠して生きているわけですが
その短い人生は
「孤独」に満ちているわけですな。
言わば猿の群れに人が一人・・・という状態ですから。

咲子が「能力者」であるかもしれないと
感じた時に
おそらく七瀬は胸がしめつけられる思いがしたのですな。

もしそうなら心で返事をして・・・

原作ではリフレインされるこの言葉は

翻訳すれば

「18年間の孤独」をせつなく訴えるシーン。

望みを叶えない咲子は
どちらにしろ無慈悲な他人なのでございます。

ドラマではやや・・・
「七瀬」に好意を示すが
けして「自己防衛は解かない」という
ニュアンスで咲子を描いたように感じました。

やや、美しすぎるかなとは思いますが
葉山レイコの咲子は素晴らしい出来栄えだったかと。

それでは・・・またのご来訪をお待ちいたしておりまする。

投稿: キッド | 2012年1月26日 (木) 20時11分

じいや、待ちに待った「家族八景」ですね^^

私は木南ちゃんの七瀬含め、演出にも全く不満なく楽しく見てしまいました。
原作のちょっと狂った感を出すには堤監督は素晴らしく合ってると思ったのでした。
…と言っても、私はだいぶ原作が頭から抜けてしまっているのですがー^^;

次回も堤演出・佐藤二朗脚本らしいです。楽しく見ます。
来週は裸は出てこないようなので、殿方の楽しみは
少し減ってしまうかもしれませんが…(⌒▽⌒)

投稿: くう | 2012年1月27日 (金) 19時44分

❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀

ええ、ええ・・・オンエア日には朝からソワソワし、
放送直前には正座で待ちましたぞ~。
放送直後には緊張で窒息死寸前でございました~。

なにしろ・・・この原作がなかったら
今の自分はないかもしれない・・・と思う
キッドのバイブルのようなものですからな。

ついに・・・映像化・・・
やはり堤幸彦かーーーって感じでした。

まあ、SPECは発展形でありオマージュでしたから
当然と言えば当然ですなあ。

もちろん・・・単なる視聴者としては
もう充分に満足しているのでございます。

ただ・・・原作の強さとか
その原作に立ち向かったアレンジャーたちの
苦闘を・・・少しはひも解いてみたい感じなのですな。

まさに・・・リスペクト・モードでございます。

次回は「澱の呪縛」「青春賛歌」を飛ばして
「水蜜桃」・・・そういう順序入れ替えも
手に汗握る気持ちで・・・
一週間を過ごすわけです。

七瀬の入浴は毎回あるそうなので
それで充分満足する次第なのでござりまする・・・( ̄ー ̄)

投稿: キッド | 2012年1月27日 (金) 21時46分

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