欲望が邪悪だとすれば生命は邪悪そのものであることを認知させる日曜画家に回心する乙女(木南晴夏)
人間の心がペンローズの提唱するように量子力学的秘密の彼方に存在するのかどうかは不明である。
しかし、記憶に関してはかなりの検証が進んでいる。人間の脳の化学的アプローチは脳内にメモリがあることをある程度、実証してきた。人間もまた計算機として記憶するシステムを持っているわけである。
だが、謎はまだ多く残されており、「意識の発生」や「自覚」あるいは「直感」などを機械が再現するための障壁は大きい。
心には不可侵で未知の領域がダーク・マターのように残されている。
そこにあるのに手が届かない何か・・・それをどう感じるかもまた・・・人々の共通認識としては成立しない事象だろうと悪魔は考える。
しかし、人間は「相互理解」は可能であると希望を持つ生き物でもあるだろう。それが神の設計なのか、偶然の産物なのを懐疑しながら・・・。
七瀬の好意が一瞬にして嫌悪に転ずるのを知れば、人が「好き」になることは同時に「嫌い」になることだという二進法的メモリーの恐ろしさを感じることができる。
そして、人の心を読むことができるものが欺かれるという心理の綺(あや)に驚くのである。
原作とは話数が異なるドラマであるが・・・なんと次週はオリジナルらしい・・・またもや話数順の入れ替えである。
何がドキドキするってこれは何か問題が発生してお蔵入りとかが発生したのではないだろうなと危惧するわけであるのだなあ。
参考までに原作は
① 無風地帯 ② 澱の呪縛 ③ 青春讃歌 ④ 水蜜桃 ⑤ 紅蓮菩薩 ⑥ 芝生は緑
⑦ 日曜画家 ⑧ 亡母渇仰
・・・の八篇で構成されている。
ドラマはここまで
①無風地帯 ②水蜜桃 ③澱の呪縛 ④青春讃歌 ⑤紅蓮菩薩 ⑥日曜画家
・・・の順で放送されている。「水蜜桃」の先出しの後は原作に準じていたわけだが・・・今回は「芝生は緑」を抜いて、「日曜画家」が先行するわけである。
レビューのために山本周五郎の「季節のない街」の「牧歌調」を再読して準備していた・・・キッドのガッカリ度は別にして・・・オリジナルをまぜてもいいから・・・とにかく全話映像化だけは完遂してほしいものだ。
残りは「芝生は緑」と「亡母渇仰」なのである。
「日曜画家」の原作では「外側をダークグリーン、内側をオレンジで塗りわけた同心円」が息子の抽象化画像だったのだがドラマでは単なるオレンジの三角形でそこもややものたりなかったが・・・。
「七瀬は急に女らしくなってきた自分のからだつきに、いくらかの危険を感じはじめていた」という重要な部分は例によって欠落している。せっかくなんでもできる木南晴夏を起用しているのだから・・・ここは表現してほしかった。
とはいうものの・・・いくつかの場面を省略して・・・筋立ては無難にまとめられていて・・・今回も充分に満足できる作品に仕上がっているのでございます。
で、『家族八景 Nanase,Telepathy Girl's Ballad・第六話・日曜画家』(TBSテレビ20120229AM0055~)原作・筒井康隆、脚本・佐藤二朗、演出・白石達也を見た。今回、火田七瀬(木南)が家政婦を勤める竹村家は、広い敷地の中に、古い母屋がひと棟、けばけばしい色のペンキを塗った離れがひと棟、さらに門の前に立って庭の奥を覗けば、ガソリンスタンドの建物と背中あわせにアトリエ風の洋館が建っているという不調和な外見の家である。今回は七瀬が心を読む時には相手が静止画像でお歯黒になるという演出になっている。脚本家が大河ドラマで公家の役をしている心理の反映であろう。もちろん、有名な日本画家の父親を持つこの家の主人・竹村天州(矢島健一)が先代の成功の上に立っている貴族的な特性を持つことも暗示していると解釈することもできる。
天州は彼の偉大な父親とは違い、商事会社の経理課長をしながら日曜日だけはアトリエで絵描きをしているのである。
・・・ちなみに原作者の父親は動物生態学者で大阪市立自然史博物館の初代館長(ある意味偉大)で、原作者は展示装飾会社に勤務するサラリーマンで兼業作家であった過去を持っている。つまり、かなりの自己投影がなされているキャラクターであることが妄想できる。
ともかく、七瀬は天州の表面的な心に触れ・・・「芸術家」としての「彼」を誤解していくのである。
なぜ、そのような事態が発生するかと言えば、天州が抽象化能力に優れ、心を抽象化してしまうので、心を見るものによってどのような解釈も可能になるからなのである。
・・・素晴らしいアイディアだなあ。
七瀬が「芸術家の純粋な魂を持つ人間」と錯覚していく天州に対して、その妻である登志(石野真子)は「俗物」として描かれる。「見栄っぱりで、しかも負けずぎらい」な女なのである。
「最近、お手伝いさんは贅沢ににゃったって聞くけど・・・あなたはそうじゃにゃいって紹介されたから、雇うことにしたにょよ、だから待遇について注文要求注文要求されても困るにょよね」
ドラマでは何故か「な行」の発音が苦手な女として描かれる登志である。脚本家のノリノリなのか、女優のアドリブなのかは不明だ。まあ・・・深夜ドラマだからな。
≪金≫≪出費≫≪それだけの仕事はしてもらう≫≪しかし支出≫≪金≫
登志の心は金銭欲で満ちている。有名な画家の家へ嫁いできたのに・・・亡くなった舅とは違い夫は画家とは名ばかりのサラリーマンであり、収入のあまりの落差に登志は心をすり減らしてしまったのだ。
≪最近の若い女の子は≫≪ぜいたく≫≪出費≫≪待遇改善を要求されたら≫≪絶対に認めない≫≪女中は女中≫≪お給金だって高すぎるくらい≫≪三食だけでもいいくらい≫≪金≫≪支出≫≪なんとかいいなさいよ≫
「ご主人が絵を描いてらっしゃるって伺ったんですけど」
「ふつうの日は会社に勤めているの。絵が売れないから会社なんかに勤めているの」
≪芸術家の妻≫≪サラリーマンの奥さん≫≪くそ≫≪金≫≪売れる絵を描かない≫≪クズ≫≪芸術家気質≫≪世間知らず≫≪安月給≫≪金にならない変な絵≫≪夫のために≫≪私が苦労する≫≪カス≫
七瀬はこの家でもまた、ひどく傷つけられ、そしてそれ以上に誰かを傷つけることになりそうだ・・・と予感する。
竹村家の一人息子の克己(菊田大輔)は21歳の遊び人である。物ごとすべてを小馬鹿にするような笑いを浮かべているその口もとに、どすぐろい卑しさがただよっていた。彼は七瀬の存在に気がつくと同時に七瀬の体を性的欲望の対象として分析し始める。
≪新しい女中か≫≪上玉じゃないか≫≪処女か≫≪処女かもな≫≪着痩せするタイプ≫≪でるところはでている≫≪おっぱい≫≪おっぱじめたい≫≪イチコロ≫≪俺の顔≫≪すぐにおとせる≫≪おっぱい≫≪おっぱじめる≫≪おっぱっぱ≫≪征服したい≫≪女なら誰もが俺の顔に惚れるだろう≫≪調教≫≪俺は最高の男≫
克己は意識から男性の性的な分泌物の臭気が立ち上っている。七瀬が特に嫌いなタイプの精神構造を持っていた。
やがて、帰宅した天州は七瀬に「透明な意識」を見せて、七瀬の「好意と尊敬の念」を得る。
天州の妻と息子は「金になる絵」を描くことを要求する。
「あなた、お手伝いさんをやとったんだから・・・そろそろ売れる絵を描いてちょうだい」
「親父、俺、ちょっと遊ぶ金がいるんだよ」
しかし、天州は彼らの言葉をただちに抽象化してしまう。
七瀬は天州の意識野にもぐりこんだ。
けたたましく、天州を攻撃する言葉はすべて色彩に変化していた。
「あなた●●●●」
「親父●●●●」
登志の容姿はダークグリーンの長方形となり、克己はオレンジの三角形となっている。
七瀬は天州の自我を「繊細で傷つきやすいもの」と想定した。「芸術家としての純粋性」を保持するために「芸術家」としての才能を利用した「防衛手段」がこの「抽象化能力」ではないかと推理した七瀬は・・・天州に同情し、天州に共感を抱く。
自分の心になだれ込んでくる敵意に満ちた他人の心を締め出したくなることは七瀬にもあった。
やがて、天州への同情や共感は七瀬の中で好意へと転換していく。
原作では天州への好意が膨れ上がった七瀬は天州の中で自分自身の印象を探り、ごくちっぽけな白い点として存在することを知って、少しがっかりするのだが・・・ドラマでは雪の降る円内の具象としてアレンジされている。
やがてその円内には雪が積り、純白となっていくのである。
もちろん、それは処女である七瀬が生理的に嫌悪する男性の分泌物の象徴でもあるのだが、七瀬はうかつにもロマンチックなものと誤解してしまうのである。
抽象の前ではどんな錯覚も成立するからだ。
私も人を好きになることができるのだ・・・と七瀬はいつもの乳白色の入浴剤入りの浴槽に入浴する。透明度はまさないが半身浴に近づいている・・・ような気がする。
七瀬は天州のアトリエを清掃し、天州の作品を鑑賞する。
天州の意識を覗くことのできる七瀬は・・・自分だけが・・・天州の抽象画にこめられた意味を理解することができると・・・誤解するのである。
抽象画の解釈と、抽象化で偽装された天州の意識の読解が巧妙に重ねられて実に鮮烈な描写になっているわけである。
芸術家という人種を過大評価し、共感を覚えている自分の感傷だろうか・・・と七瀬は内省してみるのだが・・・具体的な心を読ませない相手に対して・・・結局は自己過信を犯してしまう。
名家の生まれ。父親から才能を受け継いでいるが父親以上になれない苦悩。端正な顔立ち。俗物的な妻と子に包囲された日常。そのような心象風景の断片が・・・記号化され、七瀬の中に主観的な天州の偶像となっていく。それは好ましいシンボルとして・・・七瀬の中に潜在する超能力者であるがゆえの圧倒的な孤独からの解放願望に結び付いていく。
それは恋のコンプレックスとなり・・・七瀬は恋に落ちるのである。
七瀬もまた生理的に恋するお年頃だからだ。
原作ではここから、七瀬は天州に憧れ、ストーカーと化していくのだが・・・ドラマでは天州の正体を七瀬に知らせる二人の女性・・・天州の勤務先の部下が・・・登志によって招待され・・・天州の創作意欲を高めるためにである・・・見事に無理なく展開していく。
まあ、二人の女、里子(八代みなせ・・・「闇金ウシジマくん」からここ、片腕マシンガールでもある)と美佐(真凛・・・2011年のミス納豆である)の異常なキャラクター設定は脚本家がノリノリだったご愛敬と思われます。
登志は「夫に売れる絵を描かせるためにそれとにゃく二人を誘導するにょよ・・・あなたのお給金を払うためにゃにょよ。うまくやりにゃさいよ」と命ずるのである。
しかし、すでに恋は盲目状態になっている七瀬は天州の望まぬことはさせない・・・と天州を守る立場でアトリエにお茶を運ぶのだ。
二人の若い女と天州はなごやかに芸術談義をしていたが・・・七瀬は天州の意識に潜入し、天州の心の目で自分を含めた女たちを視た。
里子はオレンジ色の三角形になっていた。これは里子が克己と同様に無視されていることを示していた。
七瀬は円内の自分がほとんど雪に埋もれているのを見て・・・天州の好意が強くなっていることに心が浮き立った。
しかし・・・美佐がほとんど真っ白な円であることを発見して衝撃を受けたのである。
七瀬は自分の心の衝動が美佐への嫉妬に発展するほどのことがないことから、天州への恋心がそれほど深くないことを悟る。もちろん、嫉妬に似た感情は衝撃の中に含まれるわけだが、本来の超人類としての自我が旧人類への潜在的な優越感を保持しているためにそれはたやすく自己正当化されてしまうのである。
七瀬に心に浮かんだのは失望であった。
やはり、私のような女は恋する相手を得られないのか。
恋の呪縛の解けた七瀬に隠蔽されていた天州の激しい欲望を伴った意識が流れ込む。
≪使いこみ≫≪この女は使い込みをしている≫≪横領≫≪それを俺は知っている≫≪歓喜≫≪邪悪な舌なめずり≫≪そのことを≫≪そっと耳打ち≫≪脅し≫≪女は逆らえない≫≪ホテルに連れ込んで≫≪いただく≫≪退社後≫≪内緒にしておきたい≫≪君のことは前から気になっていた≫≪お互いに秘密の関係を≫≪この言い方、再考の余地≫≪決算の後で≫≪使い込んだ金を戻せない≫≪追い込む≫≪秘密の花園≫≪どんな形をしているのか≫≪征服≫≪調教≫≪俺は最高の男≫
白い円はキャンバスだったらしい。今、そこには虹色の円化した花模様が描かれている。それは明らかに女陰の象徴だった。
天州と克己はにたもの親子だったのだ。
それに全く気がつかず・・・好意さえ寄せていた自分のうかつさに七瀬は茫然としていた。
その時、突然、里子が席を立ち、アトリエを出て行った。
そのただならぬ様子が七瀬の注意を引く。
里子は廊下で泣いていた。
≪課長は落合さんを狙っている≫≪私を捨てた≫≪落合さんももてあそばれて≫≪捨てられる≫≪注意してあげたい≫≪しかしできない≫≪私と課長の関係が発覚≫≪芸術家だと思ってあこがれて≫≪冷たい家庭に同情して≫≪堕胎までさせられた≫≪私の≫≪私の赤ちゃん≫≪最低の男だったのに≫≪だまされた≫≪堕胎の費用さえ払ってくれなかった≫≪ただ肉体だけが目当てだった≫≪哀しい≫≪哀しい≫≪泣きたい≫≪泣いている≫
七瀬は衝撃から立ち直った。すでに七瀬の保護欲の対象は天州から哀れな女たちに移っている。
七瀬は匿名で美佐に電話をかけた。
「決算前にお金を元に戻しておきなさい」
そして、天州の邪悪な算段は頓挫したのである。
・・・天州の中で七瀬は真っ白なキャンバスと化している。
≪そろそろ≫≪とりあえず≫≪女中だ≫≪どうにでもなる≫≪征服≫≪調教≫≪俺、最高≫≪征服≫≪調教≫≪俺、最高≫
七瀬の抽象化された妄想上の女陰が天州の中で凌辱されるために満開となる。
七瀬の能力は強化されつつあった。群衆の中にあっても必要なら特定の意識を遮断することができるほどになっていた。
掛け金をおろさなくてもそれが可能になっていたのだ。
・・・このあたりは、すでに『七瀬ふたたび』に続くながれである。作品集としては分冊されているわけだが・・・要するに『家族八景』と『七瀬ふたたび』は連作短編集として連結されているわけである。
七瀬は天州の怠惰でありながら性欲だけを溢れさせた醜悪な精神をシャットアウトした。
自分の中にあった天州のイメージが今は完全に逆転し、反吐が出るほどうす汚く醜いものに変わり、彼を憎んでさえいる。
七瀬は一言言わずにはいられなかった。
「お気の毒様・・・私、お暇をいただきます」
≪なんだって≫≪えっ≫≪ええっ≫≪えええーっ≫
・・・「やめさせてほしい」と七瀬が告げると竹村夫人は憎悪を爆発させた。
「そんなことだろうと思ったよ。にゃんだい、だから最近の女中はダメにゃんだよ。あんたなんか、どこへいったって使い物ににゃらにゃいからにぇ。男とちゃらちゃら遊び歩いて妊娠するぐらいがおちだよ。あきれるにぇ。にゃにゅにぇにょにぃーっ」
まあ、原作者が若い時によほど悪行を重ねたことは充分に妄想でき、そういう懺悔が創作心理となって表現されることもあって当然だと考える。
関連するキッドのブログ→第5回のレビュー
シナリオに沿ったレビューをお望みの方はこちらへ→くう様の家族八景
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コメント
乳白色の浴槽を見て全く透明感は増してない。逆に白さが増してるんじゃ~キッドさん!と感じてましたが半身浴に持ってくるとは!
さすがでございます(^^)
来週はそのへんも気をつけて見てみます(笑)
私は2話と芝生は緑が原作ではかなり好きで強い印象があるんですがこの話はあまり記憶に残りませんでした
でも ドラマでは映像がすごく綺麗で石野真子はどんな役をやっても憎めなくって 小説よりわかりやすくって原作に対する理解が深まった気がします
お屋敷でお話が完結していてキャンパスの話もわかりやすかった
映像が今までで一番好きな回でした
投稿: chiru | 2012年3月 1日 (木) 20時56分
キッドは乳白色の温泉の素が
一番好きなのですな。
グリーンより白でございます。
すでにキッドの妄想では完全に半身浴中でございます。
とにかく・・・透明人間になりたいなりたいですぞ~。
「澱」と「芝生」は底辺の人々の話ですからな。
こわいものみたさというか・・・
実際にドロドロしています。
「澱」は身体が、「芝生」は心が・・・ですな。
「日曜」は七瀬が罠にはまるというか
精神感応の盲点をついたところが
画期的でしたな。
若い娘が愚かにも陥る穴に
聡明な七瀬が片足をつっこんでしまう。
ここが「七瀬ちゃん、だめーっ」という
ハラハラドキドキポイントです。
石野真子は驚くほど原作の登志を忠実に再現していますな。
変なセリフ回しをものともしていないところが
さすがでございましたーっ。
勘所が抜群なのですな。
あなたも狼にかわりますか?・・・でございます。
八重歯もびっくりのお歯黒です。
もう少し、七瀬をいじめさせても
よかったですねえ。
ともかく、今回はコンパクトにまとまって
原作要素をとりこぼさずの脚本。
素晴らしい出来栄えでございました。
第三話と同じ演出家ですが
1~2話と比べて
演出がくどくないのが好感触でございましたからね。
あの時は池田鉄洋脚本のためかなと思いましたが・・・。
佐藤二朗脚本でも引きずられないと申しましょうか。
今回はお歯黒の時は
基本アイーンになるわけで
そこもキッドはちょっと受けましたぞ。
投稿: キッド | 2012年3月 2日 (金) 00時18分
そうですかーー。次回はオリジナルでなんですね。
それは・・・スタッフの力量とこの原作に対する理解が必要ですね。
何でオリジナルを入れようと考えたんだろう。
今回は、恋に恋する感じの七瀬が可愛かったです。
でも・・・あの花は・・・そういう物だったのですねーー。
それは確かに見るに堪えません^^;
性的欲望のない男なんて、結局この世には存在しないのでした。
演出、面白かったです。
屋敷に遊びに来た2人の女性部下のシーンは、ちょっとTRICKを連想しましたわ。
投稿: くう | 2012年3月 3日 (土) 00時37分
すでに先行放送地区では第7話「知と欲」が
オンエアされていますな。
まあ、ドラマ化ですからな。
それに一話完結のスタイルですから
もうひとつの別な七瀬の物語として
楽しみたいところです。
下手に原作を改悪されるより清々しい感じです。
ようするにたとえば10話完結となると
2話足りない計算になりますからねえ。
まあ、前・後編にするには
帯に短し襷に長しの原作なのでしょう。
できないこともない回もありましたがね。
この計算でもう一回、オリジナルが
入りますな。
ある意味、スタッフたちはそういう立場に
ものすごい恩恵を感じるべきでしょうねえ。
正直、うらやましいことです。
だって自分だけの七瀬を作れるわけですからな。
今回はまさに木南七瀬ならではの仕上がりでしたな。
こういう役をやらせたら天下一品でございます。
キッドは原作ではこの話がかなり好きなので
ひとつの山を越えた感じです。
つまり・・・変な家族八景だったらどうしよう・・・
という危惧はもういらないという感じです。
まあ・・・いないわけではないですけれどもね。
ただ、それを男とも
あるいは人間とも言わないかもしれないのですけれども・・・。
演出はさわやかでしたな。
双子でないのに双子みたい・・・というのは
モックン版「ブラック・ジャック」(2000年)のピノコ的と申せますよね。
あれは堤幸彦演出なので・・・その系譜と言えるでしょう。
ねーっ。
投稿: キッド | 2012年3月 3日 (土) 02時23分