かくも温かき心(松本潤)
元ネタはジェイムズ・エリオットの「COLD COLD HEART(かくも冷たき心)」(1994年)である。冒険小説の書き手だったJ・C・ポロックが別名義で書いたサスペンスだ。
まあ・・・逃亡者にも追跡者にもしがらみがある・・・という点くらいしか類似点がない・・・とも言えるが・・・タイトル的には・・・なんていうか・・・生ぬるい展開にちょっとじれたので・・・皮肉をこめています。
もちろん・・・逃亡者が死体の山を築き、追跡者も信じるものに裏切られ傷心しつつ目的のためには手段を選ばないプロフェッショナルという「月9」なんて成立しないと思うが・・・。
逃げる瑛太、追う松潤は第1回のモチーフのヴァリエーションであり、瑛太が「逃亡する理由」の遺憾を問わず・・・時間経過を経て探偵として成長した松潤が瑛太を次第に追い詰めていく・・・といった次なるプロットが欲しいものだ。
行方不明の同僚に探偵事務所一同が茫然自失では・・・それでもお前たちは探偵か・・・という気分になる。
まあ・・・今回は前篇であり・・・おそらく謎が解かれるであろう・・・後半にはそれなりに仕掛けがあって・・・とにかく探偵事務所のメンバーが強い絆で結ばれているということをくどいほどに描いたのだろうと考える。
そんなことが本当に面白いかどうか・・・は別として・・・小学生じゃないんだから。
で、『ラッキーセブン・第4回』(フジテレビ20120206PM9~)脚本・野木亜紀子、演出・佐藤信介を見た。脚本家は2009年度フジテレビヤングシナリオ大賞の受賞者である。探偵事務所の人々の会話はそれなりにコミカルだが・・・探偵たちの会話としてはものすごくピンとこないことは言うまでもない。もちろん・・・主人公からしてつい最近までフリーターだったのだから仕方ないけどねえ。
13年前・・・藤崎瞳子(松嶋菜々子)はラッキー探偵社を設立する。筑紫(角野卓造)はおそらくその時からのメンバー。
12年前・・・旭(大泉洋)が入社。
8年前・・・新田(瑛太)が入社。
3年前・・・飛鳥(仲里依紗)が入社。
そして、最近、駿太郎(松本潤)が入社。
探偵事務所のメンバーたちは・・・公私ともに自分たちが仲間であると意識しているという設定である。
しかし、どうやら・・・新田は他人には語らない秘密を抱えているらしい。そのために・・・何事か…単独で活動を開始する。
実際に新田が「犯罪」を犯したかどうかは別として・・・「盗撮と盗聴によるプライバシー侵害」「住居不法侵入」「窃盗」などの嫌疑をかけられ・・・ついには失踪してしまうのだ。
この新田の行動に対して・・・延々ととまどい続ける探偵社の人々の心の軌跡を描いた今回・・・途中・・・とっとと捜索を開始しやがれ・・・とテレビに向かって毒づいたことを報告しておきます。
あげくの果てにまたもや・・・偶然、新田を発見する駿太郎である。
運命か・・・すべては運命で・・・努力は無駄なのか。
新田の最初の任務は・・・料亭の女将の愛人(正名僕蔵)からの「浮気調査」だったわけだが・・・本人名義で張り込み場所を確保しているなど・・・新田が最初から個人的動機を持っていた気配はなく・・・なんらかのターゲットもまた偶然、新田の視野に闖入してきたわけだし。
そのターゲットと目された・・・単に通過点の場合を含む・・・男は警視庁刑事部参事官の峰永(近江谷太郎)である。彼は単なる被害者ではなく・・・何らかの汚職をしていた可能性がある。
しかし・・・峰永の自宅から機密情報を持ちだしたという疑いで・・・探偵事務所は家宅捜査され、事実上の営業停止、峰永・・・ルル「じゃないですよ」キッド「これは失礼申し上げました」・・・新田は指名手配されてしまう。
それほどの犯罪なら組織ぐるみの犯行を疑われ・・・一同全員、厳しい取り調べを受けるのではないかと・・・そういう疑問はさておき・・・突然、ヒマになった探偵たちは・・・「新田は犯罪なんかしない」だの「信じている」だの「ちっとも連絡がとれない」だの探偵としてはどうかという振る舞いである。
だが・・・このドラマの鉄則である主人公は自動的に棒にあたるシステムで・・・駿太郎は新田を発見する。
「おい・・・俺はともかくみんなを裏切るなんて・・・ひどいじゃないか・・・謝罪しろ」
「ふっ・・・」
何事かを隠しているらしい新田は・・・駿太郎から眼をそらす。
なにしろ・・・駿太郎は目を見るだけで何かを悟ってしまう・・・色事師としての特殊能力を持っているのだ。・・・まあ・・・まさか、新田がひそかに駿太郎を愛しているというオチではないと思うが・・・ないとも言い切れないのだな・・・なにしろ・・・ここは「月9の世界」なんだから。
今回の白眉である新田の華麗な逃亡シーンが挿入され・・・つづくである。
今回の教訓・探偵は出かける時には玄関マットに電流を流すこと。
関連するキッドのブログ→『第3話のレビュー』
よもや新田(瑛太)退場かと来週まで不安で仕方ない方はコチラへ→まこ様のレビュー
松潤と瑛太をこよなく愛する皆様はコチラへ→くう様のレビュー
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コメント
こんにちワーン
>峰永は指名手配されてしまう。
ゴメン(重箱の隅、みたいで)、、峰永ではなく新田だよね?
で、新田が辞めたら
ラッキーセブンでなくなるから
ないのでしょうね~。
投稿: ルル | 2012年2月 7日 (火) 12時46分
新田退場はありえませんわ。そんな事、あたいが許しまへん@@;;
もうすっかり瑛太が主人公じゃん、とあちこちで言われておりますが、
そんな事はどーでもいいのです。
瑛太ばんざい。瑛太ブラボーですわ(#^.^#)/
でも、まるで映画のワンシーンのような空気を1人醸し出してる
瑛太に頑張って食いつく松じゅんもブラボーなのです。
>あげくの果てにまたもや・・・偶然、新田を発見する駿太郎である。
ツッコミ所ですよね( ̄∇ ̄;)
駿太郎でさえ偶然発見できる輝を発見できない警察ブラボー。
まー、ドラマの中の警察は無能と決まっているので、ま、いっか、な感じです。
ストーリーはツッコミ所だらけですが、今回はサスペンスっぽい流れもあり
私的にはお涙頂戴よりはよほど見やすかったです。
ただ、ここでこんなに引き伸ばし引き伸ばし次回に持って行ったからには
見ごたえ十分な後編が必要ですよね。
それ…できるの?( ̄∇ ̄;) という不安で今いっぱいです。
神に祈って次週を待ちましょう(-人-)
投稿: くう | 2012年2月 7日 (火) 14時34分
YY*★*YY~ルル様、いらっしゃいませ~YY*★*YY
ありがたいにゃ~ん
キッドになりかわりまして愛猫ちびっけが御礼もうしあげますにゃん。
さっそく記事を一部修正いたしました。
再開からほぼ一ヶ月・・・
もともと・・・誤字脱字が多いブログですが
最近、ますます・・・多発しております。
温かいご指導ご鞭撻を重ねてお願い申し上げます。
そうですねえ。
何しろW主演かっ・・・というほど
バランスを欠いたここまでですからねえ。
10%くらいは・・・途中退場もありかも
という目で見ています。
その場合の去り方ですが
さらに10%くらいの確率で殉職もあるかも・・・です。
ああ・・・悲鳴が聞こえます。
まあ・・・キッドは
危険と隣り合わせの職業なんだから
死だってあるよなあ・・・と考える方でございますので。
ウルトラマンシリーズで
怪獣と戦う人々があまりにも
戦死しないのでイラッとする方ですからな。
どんな少年時代だよ・・・。
とにかく・・・カムバック新田を
心からお祈りしたいと思う今日この頃でございまする。
投稿: キッド | 2012年2月 7日 (火) 16時04分
❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀
ふふふ、浮気な女とは言わせない・・・
ただ恋多き女なのモードに突入でございますな。
まあ、かっこいい瑛太に
かわいい松潤・・・まさに一部愛好家ご満悦のキャスティングですからなーっ。
そんなところに
ふってわいた・・・新田途中退場疑惑。
じいやとしては
まこお嬢様のご慧眼に贔屓本能が沸き立つ思いでございます。
その話題で一週間持つと思うのですな。
やはり二兎追う方々にはドキドキものですからな~。
くう様も・・・そんなことはないわーっと
思いつつ・・・ヒヤリとするものがございますでしょーーーーっ。
まあ、じいやとしては
吹石一恵のちょっと申し訳なくて困った~と言う感じの
・・・「山田太郎ものがたり」とかの・・・
あの顔が見られただけで結構満足しましたが・・・。
警察の動員力もなんだかあれですけれどもねーーーっ。
とにかく・・・新田の個人的復讐から
誰かの陰謀まきこまれまで
なんでもありの状態でつづく・・・ですからな。
ある意味、ほとんど何もふられていないで
オチを見せられても唖然とするしかないのか・・・
とある程度は覚悟を決めて
来週待ちでございます。
まあ・・・とにかく
みんなは新田を愛しているし
新田もみんなを愛しているという
脱力度98%の展開は間違いないと思われますがーーーっ。
祈りましょう。
どうか・・・あっと驚くサスペンスでありますように
(`ーωー´)(`ーωー´)(`ーωー´)カランカラン・・・
投稿: キッド | 2012年2月 7日 (火) 16時25分