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2012年2月 5日 (日)

ノイローゼ(死語)の母親(鈴木京香)とそのヒステリック(死語)な息子(山田涼介)

かって、ノイローゼとヒステリーは軽い機知外の人を婉曲に示すのに便利な言葉だったわけだが、精神医学界の人々は素人に病気のことを判断されると商売・・・治療に支障が出ると考え、この言葉たちを狩りました。

タイトル的には・・・母親・鈴木海は軽度のパニック障害(些細なことで我を忘れる)や強迫性障害(些細なことが気になって仕方がない)のであり・・・昔なら確実にノイローゼ(神経症)である。一方、息子・鈴木大地は興奮すると自分がコアラだと感じる解離性障害をかかえてあり、突然、発作的にパンチをくりだすヒステリー(神経症)なのである。

つまり・・・鈴木親子はあきらかに神経症親子と言えるのだな。

もちろん・・・現代ではノイローゼもヒステリーも正統的な精神医学用語ではなく、神経症そのものも死語なので公式には何を言っているか意味不明ということになるのだが・・・ご理解いただける方にはご理解いただけると考えます。

ノイローゼもヒステリーもキッドは好きな言葉なんだな・・・細々とでいいから使用させてくれ・・・ということである。

で、『理想の息子・第4話』(日本テレビ20120204PM9~)脚本・野島伸司、演出・佐久間紀佳を見た。まあ・・・ノイローゼの母親ほど・・・息子にとってやっかいな存在はないよな。まあ、認知症の母親も困るけどな。

たとえば夕食にカレーライスを作ったとする。

「辛いから食べられない」と言う。

そこで翌日に甘口のカレーライスを作る。

「こんなに辛くしなくてもいいのに」と言う。

そこで翌日にハヤシライスを作る。

「お母さんはハヤシよりカレーが好きなのに・・・わすれちゃったの?」と言う。

もう・・・さめざめと泣くしかないのでございます。

そういう意味で・・・「ズリネタがないからホモだ」とか「優しいからいつかキレる」とかあらぬ嫌疑をかけられ母親に翻弄される息子・・・大変だなあと思うのである。

今回は・・・「貧乏な母親からは貧乏な息子しか生まれない」というノイローゼにかかった鈴木海・・・もはや神に頼るしかないと・・・息子を怪しい宗教の信者へと導くのである。

こういう人を機知外と呼ばすにカレーライスが食えるか・・・意味不明・・・である。

だが、現代においては・・・たとえ、キッドが鈴木大地のクラスメートだったとしても「君の母上はちょっとノイローゼ気味だね・・・同情するよ」と慰めてもあげられないのだった。

ま、それはそれとして・・・「かえるの子はかえる」理論に傾斜した母親は「将来、息子が家を買ってくれないかもしれない恐怖」に怯え、高い壺は買うは、滝に打たれるは、風邪引いて寝込むは・・・の大騒ぎである。

一方、海王工業高校では新たなるモンスターが出現・・・生徒たちはパニック(死・・・いやこれはまだ死語ではないか)に陥るのだった。

今回はズバリ、エレファントマン・・・いや割舌が悪いことを必死に隠す象林先輩(諸見里大介)なのだった。その張り手パワーは象の鼻より凄いらしい。

2羽のセキセイインコ、ブルーチルチルとイエローミチルと仲好くひきこもっていた象林先輩はチルチルを失い・・・食べられちゃったと思いこんで・・・すべての鳥肉を食べる人を撲滅しようと決意したのだった。もはや・・・同人誌コミックや深夜アニメのレベルも越えた展開だな。

しかし・・・鈴木海から贈られた怪しいネックレスを粉砕され・・・激昂して心の制御を失った鈴木大地のヒステリーに敵はないのである。

やがて・・・幸運の青い鳥として鈴木海に捕獲されていたチルチルと再会した象林先輩も鈴木大地のヒステリー軍団の一員となるのだった。

大地は母親のノイローゼ緩和のために「模試全国一位」という・・・「はじめてのウソ」をついて・・・母親を「鳶が鷹を生む」モードに切り替えることに成功する。

しかし・・・母親を愛する鈴木大地にとって母親のノイローゼから解放される日はまだ遠い。

抑圧された鈴木大地は今後、ますますヒステリックにならざるをえないのだ。

そんな・・・鈴木大地にとって丹波兄妹(脇知弘・三吉彩花)と過ごす昼下がりの女装タイムは唯一の憩いの場と言えるだろう。今週のチア・ガールはもう一つインパクトにかけたので来週に期待したい。

関連するキッドのブログ→第三話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はこちらへ→くう様のレビュー

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コメント

海さんは確かにノイローゼだわー!
意志がしっかりしているように見えて、おばちゃんたちの
噂話にすぐに左右されるのね。
今回は隣の沢村さんまで一緒になって壺買ってるのが笑えました。

まぁ…母親っていうのは、それだけ心配性だということですね。
私も何となく解ります。
さすがに壺は買った事ありませんでしたけど~^^;

このパターンといい、青い鳥といい、何とも昔懐かしい日テレ系野島作品ですね。

そこそこ楽しいので、嫌な感じはしないです。はい。
適度にツッコミながら見続けてます♪

投稿: くう | 2012年2月 5日 (日) 01時46分

❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀

・・・でございましょう?

ノイローゼとかヒステリーは便利な言葉だとおもうのですなあ。

「あー、ノイローゼになりそうだ」などとぼやくと
いやなことを一瞬忘れられますし・・・。

「男のヒステリーはみっともないわよ」と言われると
男としては気を静めなければならなくなる。

まあ・・・差別的なことは間違いありませんが。

キッドは心の病気は伝染するものだと考えますが
楽しさが伝わるように・・・でございますが。

隣の人が壺を買えばなんとなく壺を買いたくなるのが
人情というもので・・・それはどうかな?

母親に限らず父親も心配性ですぞ
キッドなどは子供の頃からおっちょこちょいなので
父親はついにキッドに自動車免許取得を
許しませんでしたからな。

どんだけ~(死語)でございます。

安達祐実で「青い鳥症候群」なんていうのもありましたが
野沢尚の「青い鳥」もありましたな。
童話をモチーフにするのは常套手段ですが
「青い鳥」が友達っていうのはある意味、新境地ですな。

笑いにつつまれてごまかされていますが
大地は毎回、ものすごい暴力をふるっているわけで
実はやはりこの母親のノイローゼは
かなりプレッシャーなのかもしれません。

キッドは一瞬の東雲麻衣があれば
充分に満足なのですが
このまま・・・笑いに包んで
狂気を隠しとおすのか・・・
それともいつか牙をむくのか・・・。

そのあたりも少しドキドキしますな。

投稿: キッド | 2012年2月 5日 (日) 15時56分

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