ストリート・キッス(松本潤)
・・・だじゃれかよっ。
元ネタは言うまでもなく『ストリート・キッズ』ドン・ウィンズロウ(1991年)である。原題は「A Cool Breeze on the Undergroud」で「地面の下のひんやりしたそよ風」・・・悪魔としては本能的に郷愁に誘われますな。
いわゆるひとつのストリート・チルドレン・・・キッドには浮浪児という言葉の方がしっくりときます。路上生活するガキほど・・・いたたまれないものはありませんが、そういう階級出身の若者が拾われてプロの探偵に仕込まれていく。このアイディアだけで・・・胸が騒ぐというものでございます。
で・・・ドラマの拾われたフリーターの方はめきめきと腕前をあげ・・・アクロバットなアクションを展開・・・。
ふと気がついたのだが、第一話のレビュー「フリーターには向かない職業」は元ネタを提示していなかったのだな。
今更だが、もちろん『女には向かない職業』P・D・ジェイムズ(1972年)のパクリです。
まあ・・・本当は元ネタを語るというのは・・・スタイリッシュとは言えないが・・・時には解説も大切だよなあ。
あえていえば・・・一回でいいから・・・格闘道場で腕を磨く駿太郎のシーンを挿入すればいいのに・・・汗くさくて月9にそぐわないと考えるのかもしれないが・・・その汗をシャワーで流す駿太郎は充分に月9向きじゃないのかな?
回想シーンを使うなら・・・「これ、新田くん(瑛太)があなたにって・・・」という社長(松嶋菜々子)という場面を使って・・・「新田」という親友や、「社長」という愛すべき上司のために・・・懸命に心身を鍛錬する駿太郎を描かないと・・・「仲間のために」「社長のために」というセリフだけでは空虚な感じがするんですよお。
まあ・・・もう・・・とりかえしはつかないことですけれども~。
だが、まあ、微妙に面白いドラマなんだよな。今回も「さらば愛しき女泥棒」(夏帆)とか「夏帆のK」(夏帆)とか「黒のタイツを持つ女」(夏帆)とかゲストでのタイトルを思い留まるほどには。
で、『ラッキーセブン・第9回』(フジテレビ20120312PM9~)脚本・野木亜紀子、演出・成田岳を見た。女たらしの駿太郎はここまで・・・人妻(松本若菜)、女結婚詐欺師(紺野まひる)とその娘(畠山紬)、新田の姉(西山繭子)、老婆(水野久美)、ホステス(釈由美子)とその守備範囲の広さを披露してきたわけだが・・・最後は謎の女・史織(夏帆)である。
ついにメイ(入来茉里)の回がないまま・・・ま、あったと考えてもいいですが・・・第六話ね・・・ここまで来たわけだが・・・女事務員は夏帆くらいでバランスとれたんじゃないかな。ま、バスト的に飛鳥(仲里依紗)とかぶるけどな。メイの場合、事務員と・・・ハッカー的な戦力を兼ねるので・・・現代の情報戦ではほとんど主力なわけだから。
そういう意味で「探偵もの」としては最初からキャスティング・バランスが悪かったと言える。
しかし・・・まあ、貴重なメガネっ娘だからな・・・一部愛好家はこれで満足なのかもな。
で、物語の方はいよいよ・・・大詰めである。「ラッキー探偵社」の創立に隠された秘密と・・・その秘密の捜査をこころよく思わない謎の巨大組織との暗闘が開始されたのだ・・・まあ、こう書くとものすごい話だが・・・敵対組織は今のところ・・・ショッカー・レベルでございます。
「みんなに迷惑をかけたくない・・・」と秘密について言葉を濁す社長(松嶋菜々子)だが、その秘密に危険な匂いがつきまとう以上、情報開示するべきなのではないか・・・と誰もが感じるだろう。「爆発するなら爆発するといってくれよ原子炉」なのである。
で、その秘密とは地上げにまつわる・・・建設会社と社長の父親の弁護士との対立と・・・社長の父親の不自然な死の定番である歩道橋からの転落死にあるらしい。
うかつに歩道橋を歩くな・・・ということである。
そして・・・今回もまた・・・依頼者はダミーなのだ。まあ、着手料金先払いとしてもだ・・・ただでさえ・・・ろくな仕事してない・・・ラッキー探偵社、結局、弁護士だった社長の父親の遺産を食いつぶしているんじゃ・・・そして、社長は弁護士になれなかったダメな子なんじゃ・・・。
そのような様々な心の声は無視して話を進めていく。
「現金喫茶」のウエイトレス、史織はストーカーにつきまとわれている・・・とボディ・ガードを依頼する。護衛役に選ばれた駿太郎はデートを重ね、史織はたちまちメロメロになるのである。
さりげなく依頼者の頭をなでたりしても・・・セクハラにならない駿太郎はどんな特権階級なのだろうか。
一方、16年前の事件に固執する桐原刑事(吹石一恵)は署内で孤立、旭(大泉洋)との水族館での偽装デートで出番を確保である。頭をなでようとしたした旭はこれはどうでしょう?的な失態を演ずる。
すっかり、史織と恋人気分だった駿太郎だが、一瞬の隙をつかれて、史織は凌辱されてしまう。屋上で肌をさらされる史織だが・・・必然性はほとんどないのである。というか、どう考えても凌辱速度が速すぎる。犯人、加速装置ついているのかよ。
業務上の過失を気に病む駿太郎だが・・・警護のために迎えに行った史織の自宅前で・・・路上の口づけをかわし・・・その唇に違和感を感じる。
「なんて・・・冷たい唇なんだ・・・低体温症か・・・」
女たらしならではの勘で史織を尾行する駿太郎。史織は黒タイツから黒いジャンプスーツに着替え・・・ラッキー探偵社に侵入である。なんて・・・セキュリティーが甘い・・・もういいか。
まあ、お菓子とともに盗聴器を持ち込んだ史織は・・・その時点で探偵事務所なら慣行であるはずの盗聴器などの定期検査で引っ掛かるのが普通だが・・・ここでは飛鳥がチーズ・ケーキを作って失笑されるだけなのである。
とことん、うかつだぞ・・・ラッキー探偵社。
女スパイである史織の狙いは社長の父親の古い手帳。
しかし、それをはばむ駿太郎。そこへ・・・グルだった史織のストーカーが現れアクション開始である。
・・・長い時間を我慢して・・・一瞬で終わる楽しみ・・・まあ、これが人生と言う奴ですな。
ストーカーを確保するが・・・史織は逃がす駿太郎だ。窃盗の現行犯ですけど・・・。
「私の秘密には手をふれないで」と社長に拒絶された旭だが・・・密かに社長の護衛を開始している・・・みんな・・・仕事しろよ。
しかし・・・今回のショッカーは前回の議員の警護者よりも荒事には慣れているらしく、旭はほとんど殺傷されてもおかしくない打撃で昏倒である。
そして・・・社長は拉致されてしまう。
ともかく・・・社長宅へ急ぐ駿太郎・・・うかつな探偵たちだがみんな社長の自宅だけは知っているんだな・・・。
ま・・・来週はきっと面白いでしょうとも。
今回の教訓・女たらし相手のうかつなキスは命取り
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コメント
>「仲間のために」「社長のために」というセリフだけでは空虚な感じがするんですよお
まぁ・・・色々と空虚な感じですよね^^;
今回は冒頭の輝の回想シーンなどちょくちょく挟む演出は、なかなか上手かったり、
街の映像は良かったりと演出上手いな、と思ったら、途中からは
お涙頂戴のためのような回想シーンのオンパレード…
演出…途中から変わった?変わった?と聞きたい。
1話の中でさえ、このブレよう^^;
それでも、ビミョウに面白いと感じられるならば成功なのでしょう。
来週は、やっと2人揃った姿を見られるーー!
ぜひともアクション「のみ」←強調 中心でお願いしたいですー。
投稿: くう | 2012年3月13日 (火) 16時56分
空虚というのはある意味「味」にもなるのですが
表現していることが結構、「甘み」なので
ものすごく不味い感じになりますな。
甘ったるいならまだしも
なんだが「わからない味」になっているのですな。
テーマが「恋人より、家族より、仲間」という
すんごく中学生なテーマなので
いい大人が何やってんの・・・という空気がつきまといます。
まあ、小学生向けのドラマにあれこれ言うのも
大人気ないわけですがーっ。
松潤キスしたぁぁぁぁっ、ヒューヒュー・・・
というノリなのですな。
その「キス」が「ミス」だったという
アイディアそのものは小学生向けとしては秀逸なわけです。
「事故にみせかけた殺人疑惑」がある以上、
敵は冷血・・・16年も社長を泳がせている意味も
不明ですが・・・その点を
うまくごまかして、
ビミョウだけど小学生的には面白い・・・
そういうフィナーレを飾ってもらいたいのでございますねえ。
社長がここまでしているのは
優しい言葉をかけていることだけ・・・。
そうなると回想シーンもインパクトありませんが
みんなで寿司を食べた思い出なんていうのは
小学生的には分かりやすい・・・と考えているのですな。
大人の皆さまは微笑んで見守るのが一番ですぞっ。
まあ、来週はほぼ初回なみの展開が期待できますので
大人としては「結構どうでもいい」けれど
社長の父親の仇討ちですとか
場合によっては凌辱された社長の仇討ちとか・・・ないよっ。
駿太郎と新田の友情パワー炸裂とか
それでもってダブルライダーキックとか・・・これはあるかもな。
とにかく・・・ラスボスが誰なのかも・・・
一体、史織は普段は何やっている人なのかも
ちょっぴり興味がございます。
お嬢様方が心から楽しめる最終回でありますように・・・。
投稿: キッド | 2012年3月13日 (火) 19時29分