カリオストロの城から愛をこめて
今回は「続・SPEC〜翔〜を待ちながら(戸田恵梨香)」を考えていたのだが・・・まあ、どちらにしろ、シーズン・オフの穴埋め記事なのである。
なんどめかのこれでも問題ないのだな。
どんなオリジナルにも原点はある。
たとえばルパン三世もアルセーヌ・ルパンを抜きにしては語れない。
情報の価値というものが法的に守護されるようになった場合にはそこにはまた別の問題が生じる。
たとえば、世界で一番有名なネズミなんかの場合、なかなか、その権利を自然権に戻さずに、著作権の法的延長などという離れ業を実行したりするのである。
情報の問題には、情報の独占の問題とか、情報の封殺の問題とか様々な問題があるが、キッドは悪魔として、そのあたりにあまりこだわらないで話を進めていきたい。
つまり、モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」(1905年)とモンキー・パンチの「ルパン三世」(1967年)と宮崎駿の「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)を情報的に区別しないということである。
それはもちろん、創作とは何かと言う話になりますな。
で、『金曜ロードSHOW!ルパン三世 カリオストロの城』(日本テレビ20120330PM9~)原作・モンキー・パンチ、脚本・山崎晴哉(他)、監督・宮崎駿を見た。さて・・・たとえば、1979年以後、「お城に閉じ込められたお姫様を救出する話」といえばコレのことになる。軽いパロディーとなれば「カリオストロみたいに・・・」ですむわけである。逆にまじめにオリジナルで作ろうと思えば「カリオストロがあるじゃないか」ということで困難になるわけです。このあたりの微妙な空気の読み方が作り手の基本なのですな。
で、このくらいの作品になるとたとえば「ロリコン」ひとつにしても「伯爵かっ」というツッコミがひとつの流れとして成立します。まあ、もちろん、そういうことが一般的かどうかは別としてですな。
逆に「伯爵」の枕詞が「ロリコン」だったりするわけですな。
つまり、それが常識的な話かどうかは別として、そういうことがピンと来るか来ないかは非常に選別いたします・・・人をです。
逆に「奴はとんでもないものを盗んでいきました・・・あなたの心です」などという話になれば、心を時間に置き換えて駄作の代名詞にまでなってしまう恐ろしさなのですな。
さらに権力への反逆としてのマスメディアの役割ということでは・・・「これは偽札だーっ、どうしようーっ」的なことがたとえば「中国漁船が衝突だーっ、どうしよう」的に現実社会に反映されたりもいたしますな。
ま、それほどの原点だ・・・ということです。そんな原点についてこれ以上言及するのは・・・愚の骨頂というものなのですな。
しかし、お姫様を助けた後で・・・ルパンが「助けが必要な時は世界のどこにいたってすぐにかけつける」みたいなことを言うわけです。
で、「SPEC」では瀬文(加瀬亮)が当麻(戸田恵梨香)に「助けが必要な時は呼んでくれ」みたいなことを言うわけですな。
で、様々な事情で瀬文は闇の組織に消えようとするわけです。
その時、当麻は「ウソツキ、いつでも助けにくるんじゃないのかよ」と瀬文を詰り、引き留めにかかったりします。
瀬文は記憶捜査のSPECによって精神改造をされるのですが・・・「着替えない女の匂いは鼻がおぼえてるーっ」などと言って愛の力を解放するわけです。
つまり、こういうことなのですな。原点と派生というものは。
もうひとつくらい。ルパンは食えば治るし、当麻は食えばSPEC向上ですな。
ついでに、最近、ドラマ化された「家族八景」は「家族八景」→「七瀬ふたたび」→「エディプスの恋人」という三部作になっています。序破急の構成ならこれで終了ですが、起承転結なら結不足です。
で、この流れを一言でいうと、コメディー→シリアス→意味不明と言うこともできます。
で、「ケイゾク」シリーズは「ケイゾク」「ケイゾクスペシャル」「ケイゾク映画」で見事に派生しておりますな。
だから「SPEC」シリーズも「SPEC」「SPEC翔」「SPEC天」になってたりしますな。
まあ、「SPECけつ」があったりなかったりするにせよ・・・ですな。
さあ・・・そろそろ・・・原点に戻りましょう。
ルパンと別れたクラリスは「おじさまとはすぐにあえるような気がするわ・・・」なんて言うわけです。
・・・待ってましたぞ・・・その一言を信じて・・・ずーっとずーっとずーっとですな。
まあ・・・美少女の言うことをいちいち信じちゃダメということですな。
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コメント
春の嵐の中 ソメイヨシノ開花しましたね(^^)
小学生の頃 たしか15巻だったと思うんですがアルセーヌ・ルパンシリーズが大好きで夢中で読みました。813とか奇岩城とか好きだった記憶があって大人になって読み返してみたら なんだかルパンが下品になっていて大ショック(>_<)昨日のルパン3世は若かったですね
先週のコナンに引き続き何回も見ているけれど今回もながら見してました
安心して楽しめるので毎回見てしまいます
ちょっとだけラピュタっぽいなんて思ったりもしてました
ラピュタの言葉にはいつも必ず身構えるのに今回の決め台詞はデタ!みたいなちょっと馬鹿にしたノリで(笑)
私はSpec見てなかったので予習しなくちゃですが キッドさんオススメの作品みたいなので楽しみです
投稿: chiru | 2012年3月31日 (土) 18時50分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
昔の翻訳調というか、文語体というか・・・
古色蒼然としているものは
格調高く感じたり、なんだかださいと感じたり
いろいろですな。
「家族八景」でも再読すると「おやおや」と感じる部分は
あるわけですが・・・再読の期間をある程度
間隔調整しておくことも大切です。
1年に一回読んでおけば
それほどずれないということですな。
久しぶりすぎると別人になっているアレの回避です。
まあ、書籍の場合、変わっているのは自分なのですがねえ。
「カリオストロ」(1979年)→「ナウシカ」(1984)→「ラピュタ」(1986)
ときて、キッドは「トトロ」(1988)でガッカリしたのを
おぼえていますな。
宮崎ルパンや、ナウシカ2が早く見たい・・・ねえよっ。
そういう感じで人の好みは十人十色でございます。
東映動画的にいえば
「ガリバー」→「ホルス」→「長靴」という
前の段階もあって・・・
キッドは「ガリバーの宇宙旅行」で
「夢オチ」の恐ろしさというものを驚愕体験しましたからな。
「夢だったのかよっ・・・」と心で絶叫いたしました。
「カリオストロ伯爵」「未来少年コナンのレプカ」
「ラピュタのムスカ」
は宮崎三大悪人ですが
「ゴミのようだ」はムスカですな。
見習いたい名セリフでございます。
SPECは明らかに「七瀬ふたたび」の裏ヴァージョン、
派生作品と考えて必見ですな。
キッドは金太郎飴のような津田(椎名桔平)が
お気に入りキャラでございます。
投稿: キッド | 2012年4月 1日 (日) 02時10分