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2012年3月 9日 (金)

なだらかな坂道を早春が通りすぎていく・・・坂の下には俺たちの家がある(山下智久)

「第一の母帰る」である。

まったく、丁寧なフリがあって・・・当然、予想された「母」の正体。

これで・・・健人の母の謎と放浪中の噂の美人ママの謎が一挙に解明である。

しかし・・・どのくらいのお茶の間が・・・ああ・・・そうだったのか・・・と素直に頷けたのか・・・定かではないよね。

遠い昔に息子を捨てた母。同じように捨てられた父と・・・新しい母と・・・異母兄弟たちともに過ごした日々。

しかし・・・こっそりと母親・美奈子(長山藍子)とあっていた健人(反町隆史)・・・。

もう、これだけでも充分に葛藤に満ち満ちているわけだが。

死病を宣告されて・・・実の母親と弟妹との板挟みになる兄貴を思いやる真人(山下智久)・・・。

一方では殉職刑事の最後の電話に出てしまい・・・坂巻刑事(榮倉奈々)の捜査に協力する真人。

そして・・・ついに岩田さんが・・・真人にしか見えない特殊な存在であることが・・・確定。

もう・・・何をどう受け止めていいのか・・・右往左往でございますなーっ・・・ああ、面白い。

あの世のことを持ち出すと・・・もう・・・それだけでリアルに感じられないお茶の間の皆さまも多数いる今日この頃。

あの世の実在とか・・・成仏とか・・・困ってしまう方も多いわけで。

霊的現象に一定のルールを求める人もきっといるだろうしなぁ。

しかし・・・そんなこと言ったら・・・ドラマなんて・・・基本、フィクションですからーーーっ。

脚本家、基本、ルール無用の悪党系ですからーーーっ。

もう、覚悟を決めて・・・楽しんだものが勝利するのだ、ワン( コタロー)・・・。

犬人格まで動員か・・・いや、それはもう人格じゃないだろう。

ついにかなりマイナー・ソングのパクリなので・・・「私の家」とか六文銭とか・・・。一応。

で、『最高の人生の終り方〜エンディングプランナー・第6回』(TBSテレビ20120308PM9~)脚本・渡辺千穂、演出・川島龍太郎を見た。あの世がフィクションである以上、あの世は人の数以上存在するって誰かが言ってた。そうかもしれないね。あの世なんてないさ、すべてウソさ・・・というのもあの世なら・・・ゴースト・ニューヨークの幻みたいなあの世もあるし、ビートル・ジュースみたいなあの世もある。・・・で、あの世があれば彷徨う魂っていうか、地獄のハイウェイの長距離バスを途中下車した幽霊がいたってちっとも不思議じゃないっていうか・・・でもさ・・・葬儀の井原屋の四代目(※公式では五代目らしい・・・四代続いた井原屋が俺の代で・・・云々というセリフがあったのだが・・・これは五代目という意味だったのかもね)としてはアレですが・・・俺(真人=山下智久)はマジでオバケとか苦手なんですけど・・・。

「岩田さ~ん、時間ですよ~」・・・じゃなくてだな。本当に幽霊なのかどうか・・・確かめようとしたら突然消えてしまった岩田さん(山崎努)である。この時、俺はまだ、半信半疑だった。だって年齢の割に足が速い人だっているでしょう。

で、岩田さんの替わりに出現したのは・・・死んだ親父(蟹江敬三)の最初の奥さんで健人兄貴の生みの母でもある美奈子さんである。・・・俺が生まれる前に親父と兄貴を捨てて男と駆け落ちしたっていうことは・・・口さがない町内の皆さんの噂話で知っていたが・・・まさか、本人に逢うとは思ってもいなかったので、マジ、驚いたよ。

しかし、井原家のことならなんでも知っている田中さん(大友康平)が保証するのだから・・・間違いなく美奈子さん本人なのだろう。

「田中さん、老けたわね~」などと軽いノリで毒を吐くタイプの美奈子さん。老いてなお、奔放な女と言えば加藤治子さんの領分でございますが・・・加藤さんももう89歳だからな・・・70代の長山さんがそのポジションにやってきたのでございますねえ・・・などと誰かがささやく気がする。

もし、岩田さんが幽霊だとすると・・・それはそれとしてびっくりだけど・・・俺の頭がどうにかなっちゃってる可能性もあり・・・それはそれでこわいよな。

でも・・・考えてみれば・・・井原屋を継いで以来・・・俺はなんとなく・・・ご遺体の声がそれとなくわかるっていうか・・・岩田さんのアドバイスで・・・ご遺体の無念を救いあげてきたわけで・・・これって・・・葬儀屋の息子として備わった特殊能力なのかもね。

しかし・・・とにかく・・・突然、現れた美奈子さんは幽霊以上に厄介な存在感を醸し出すのである。

母親の突然の訪問に驚く兄貴・・・茫然とする晴香(前田敦子)、隼人(知念侑李)、桃子(大野いと)の弟妹たち。

そして亡き親父に線香をあげた美奈子さんは・・・「今晩泊めて・・・」と言いだすのである。

晴香は「何のお構いもできませんが・・・」と早くも火花を散らし始める。

夕食はお客様用すき焼きである。

いきなり「それにしても晴香ちゃんはよく・・・葬儀屋なんて辛気臭い稼業を継ぐ気になったわね。あたしなんか・・・大の苦手で・・・だから浮気しちゃったのよ」と美奈子さん。

「なんですってーっ」と桃子。

「私は誇りを持って葬儀社を営んでいるです」と晴香。

健人兄貴をめぐり・・・美奈子さんVS晴香・桃子連合軍が結成され・・・久しぶりのぶっかけチャンスが・・・今夜・・・ついに・・・来ませんでしたーーーっ。

なんてったって・・・美奈子さんは兄貴の実の母親なので・・・晴香たちもつい遠慮してしまうのである。

なにしろ兄貴が「ごめん・・・ウソのつけない人なんだ・・・」と美奈子さんをフォローするのである。

俺は美奈子さんがシラスのお土産を持ってきた時に察したのだが・・・今回の兄貴の放浪先って・・・静岡の美奈子さんの現住所だったわけだ。

それどころか・・・兄貴が時々、ふらっといなくなるのは・・・美奈子さんのところに行ってたってことになる。

つまり・・・駆け落ち同然で家出した美奈子さんはとっくに独り身になってたんだな。

それにしても・・・ホスト遊びが過ぎて最後はホストと心中同然の事故死をした花屋の夕子さん(磯野貴理子)のお姑さん(草笛光子)に「町内一の勝手女(※脚本では無責任女ですが再現性はあえて低めに設定しています)」と呼ばれた美奈子さんて・・・。

「晴香ちゃんたちには感謝してもらいたいくらいよ・・・私が家を出たから・・・あなたたちのお母さんがこの家に入って・・・めでたくあなたたちが生まれたってわけだから・・・」

「なんだって・・・」と桃子。

「一体、辛気臭い井原屋に今更、何の用があるんです」と晴香。

「もちろん・・・健人を連れ戻しにきたのよ・・・こんな家より・・・静岡の方がいいに決まってるでしょ」(美奈子のお茶の間高感度↘)

俺はドキドキした。きっと・・・美奈子さんは兄貴の病気のことを知っているのだ。

兄貴も顔色を変えて・・・美奈子さんを別室に連れ出した。

「母さん・・・真人以外には・・・病気のことをまだ言ってないんだ」

「あら・・・そうなの」

「だから・・・今回はひとまず静岡に帰ってくれないか」

「でも・・・手術のこととか・・・」

「手術はどうやら・・・難しいらしい・・・」

「・・・そうなの」

美奈子さんの顔が暗く沈んだ。

俺には分かったよ・・・あっけらかんとしているように見えて美奈子さんが本当は苦しんでいることが。

すると・・・様子を見に来た俺に美奈子さんが気付いた。

「わかった・・・とにかく・・・今夜は・・・パッと飲もうか・・・真人くんも一緒にどう?」

そして・・・俺と兄貴と美奈子さんは夜の街に出かけた。

初対面なのに・・・美奈子さんは俺たち兄弟のことをよく知っている。

つまり・・・兄貴が・・・美奈子さんの家で・・・その後の井原家のことをよく話していたってことなんだな。

俺たちが兄貴に甘えていた頃・・・兄貴もきっとこっそり美奈子さんに・・・甘えていたんだなあ。

そう考えると・・・俺は晴香や桃子のようには率直に美奈子さんを敵視できないのだ。

「こんな女だけど・・・母親なんだねえ・・・健人の病気を知った時・・・バチがあたったと思ったよ・・・できたら・・・代わりに病気になってやりたいと・・・本当に・・・そう思うんだよ」

そんなこと言われたら・・・俺はどうしていいのかわからない。

「真人・・・俺は・・・静岡に行こうと思う・・・本当は最初から戻らないつもりだったけど・・・きっと・・・親父によばれたんだなあ・・・」

俺には老いた母親への思いと・・・慣れ親しんだ井原家への思いで健人兄貴が板挟みになっているのがわかったよ・・・。

酔いつぶれてしまった美奈子さんを背負っての帰り路。

「昔は・・・俺がおんぶされてたのになあ・・・おふくろ・・・こんなに軽くなっちまって・・・」

「健人兄貴が・・・富士山の写真ばかり撮ってた意味がようやくわかったよ・・・」

「おふくろが・・・家を出ていく時に言ったんだ・・・自分が富士山の見えるところに行くって・・・富士山を見たら母ちゃんを思い出せって・・・な。それから・・・俺は富士山が好きになっちまった・・・」

健人兄貴の背中で美奈子さんが涙ぐんでいるのがわかったので・・・俺はそれ以上何も言えなくなってしまったのさ・・・。

翌朝・・・みんなが起きる前に・・・朝食の用意をして美奈子さんはひっそりと静岡へ帰ってしまった。(美奈子のお茶の間高感度→)

狐につままれたような顔の弟妹たち。

しかし・・・美奈子さんの作った朝食は心のこもった本当においしいものだった。

その美味しさに桃子なんかすっかりわだかまりが解けてしまったらしい。

そして・・・兄貴は言った。「今度の友引の日(葬儀社の休日)・・・みんなでバーベキューをしないか・・・」

俺は思ったよ。ああ、兄貴はみんなに本当の話をする気なんだって・・・。

さて、一方で殉職した長峰刑事( 水上剣星)は「警察官殺し」であるので、警視庁が本格的な捜査に乗り出しているらしい。これは後に坂巻刑事から聞いた話です。なにしろ、身内を殺された場合、普段の10倍くらい本格的な捜査が行われるみたい。本庁から捜査一課の刑事がやってきて、所轄の坂巻刑事は顎で使われているんだって。長峰刑事の最後の通話相手である俺も再度の事情聴取に呼ばれました。「電話の向こうで・・・なんか・・・聞いたことのあるような音がしてました」と言うと・・・それじゃあと言って科学捜査研究所だか捜査支援分析センターだとかに連れていかれ・・・「日常的に耳に残る音声サンプル」という奴をものすごい時間をかけて聞かされました。もう・・・どんな音だか・・・思い出せないくらい・・・「いろいろな音」を聞いたけど・・・ふと・・・「ああ、この音だ」という音が耳に残ったので・・・「これみたいです」と証言したわけです。

「これは・・・スロットマシーンの音ですね」

長峰刑事は・・・白骨化して発見された女性の死因をめぐって・・・当時、女性が違法カジノにかかわっていた件を追っていたので・・・坂巻刑事にはピンときたのである。

つまり・・・白骨化した女性の件と長峰刑事殉職の件は無関係ではない可能性があるってことだけどね。

でも、直感で動く刑事が流行中なので・・・坂巻刑事もその線で動いたらしい。

ちょうど・・・東新宿署(フィクション)に移動した木野原刑事(塩見三省)の管轄で違法カジノの摘発が行われ・・・床にルミノール反応があり、血痕から採取されたDNAが長峰刑事と一致したため・・・殺害現場が特定されたのである。

さらに坂巻刑事は白骨女性の弟の大林健一(榊英雄 )に再度話を聞き・・・自分が席をはずしている間に「白骨女性の遺書のようなものを車いすの元警官が持ち去った」という話を長峰刑事が聴取していたことを聞き出す。写真を見せて確認すると・・・それは坂巻刑事の祖父・・・岩田さんだった。

こうして・・・白骨女性の件の被疑者として・・・岩田さんが浮上したらしい。いや・・・動機とか・・・不可解な点は多いけどね。

容疑者の身内ということで・・・坂巻刑事は事件の捜査からはずされてしまったのである。

それを・・・申し渡すのはなぜか・・・木野原刑事である。

神様の視点を与えられているお茶の間の皆さんはお気付きだとおもうけれど・・・。

木野原刑事は・・・長峰刑事から・・・その話を聞いていたはずなんだよね。それなのに・・・まったくその点に触れないのは何故か・・・という疑問がわきます。

さらに・・・岩田さんは死の直前、妻の三回忌をさぼって・・・昔の仲間に会いに行ってたと坂巻刑事が言っていたことがある。そして・・・木野原刑事は・・・岩田さんのかっての部下だったわけ。

つまり・・・岩田さんは・・・誰かさんに会った直後に車イスのロックが外れて・・・電車に・・・なのである。

お茶の間の皆さんが知っているけど登場人物が知らないことをなぜ、俺が知っているかといえば・・・これが回想だからなんだよ。つまり、すべては過去形なんだな・・・これが。

ともかく・・・木野原刑事はなんだか怪しいわけだけど・・・坂巻刑事も俺も・・・岩田さんの方が怪しいとこの頃は思っていたわけなのさ。

で、噂をすれば影である。岩田さんが登場した。

「あの・・・岩田さん・・・幽霊なんですか」

「・・・うん」

そう言われても信じられない俺だが・・・そこに田中さんがやってきて・・・俺以外には岩田さんが見えないことを証明してしまったのである。

俺はゾッとしたよ。本当にぞぞぞぞーっとしたよ。

「真人くん・・・どうしたんです・・・最近、庭で一人言が多いみたいたけど・・・何か悩みがあるなら相談してください」と田中さん。

「あ・・・ああ・・・あのそのあの・・・最近、ストレス解消法として・・・一人芝居ごっこをしているんだ・・・」

「そうなんですか・・・」

首をかしげながら田中さんが去った後で・・・とにかく・・・俺にしか見えないらしい岩田さんはまだいた。

「・・・そうだ・・・お前の親父さんと違い・・・なぜか・・・成仏できないみたいだ」

「まさか・・・生前・・・悪いことをしたとか・・・」

「わからない・・・なにしろ・・・俺は自分がなぜ死んだかもわからないんだ・・・」

つまり・・・お茶を飲まない岩田さんは遠慮していたわけではないことだけはわかった。だけど・・・「幽霊本人にも死因が不明」って・・・きっと・・・岩田さんの「死」にはまだまだ謎があるってことだよな。

だからといって「この世の迷子の岩田さん」を俺にはどうすることもできないのです。

とはいえ・・・坂巻刑事に呼びだされた俺はやきとり屋でよせばいいのに・・・岩田さんの話をして・・・捜査をはずされて苛立つ坂巻刑事に生ビールをぶっかけられる。突然のぶっかけタイムである。

ここでかよっ。

しかし・・・俺は言いたいことは言うことにした。

「はいはい・・・そりゃ・・・信じられないかもしれないさ・・・俺だって・・・信じられないもんな。だけど世の中にはこういう不思議なことがあるってことなんだ。俺は実際、岩田さんと話して・・・随分、助けられたんだよ・・・岩田さんは言ってた・・・惜しむな・・・って。それはさ・・・どんなに困難でもあきらめるなって・・・ことだと思うんだよ。落ち込んでいる場合じゃない・・・あきらめなきゃ・・・やれることはまだあるはずじゃないかって。だから・・・俺は兄貴のことをあきらめない。そのために俺は惜しまないんだ・・・お前も・・・惜しむなよ・・・そして、あきらめるな・・・いつか、あきらめなくてよかったと思える日がくるまで・・・できるだけのことをしろよ」

俺の言葉を・・・坂巻刑事はかみしめていたようだが・・・結局は台車である。

そして・・・友引の日がやってきた。

真実を知らないからはしゃぐ・・・弟妹たち。

「肉だ肉だバーベキューだ」「でもバーベキューなんて初めてだよね~」「でも寒い~バーベキューの季節じゃないよね~」「でも昔、ここで夏になるとキャンプしたよね~」「ええーっ、そんなことあったの?」「桃子は赤ちゃんだったから覚えてないかも~」「そんなのずーるーい」

弟妹たちの一言一言が兄貴の目がしらを熱くする。そんな兄貴の心情を思うと俺はせつなくてせつなくて心臓がはりさけそうだよ。

そして・・・涙をこらえた記念写真・・・あ、ごめん・・・コタローを忘れてた。隼人・・・ここはお前がかかえてやるところだろ・・・アドリブでさ。

「はい、チーズ」

そして・・・満腹感にひたり・・・ハッピーな弟妹たちは悲しみのどん底に突き落とされる。

がっかりさせないでくれ・・・といくら叫んでもどうしようもないことはあるからね。

「みんな・・・聞いてくれ・・・兄ちゃんもみんなと夏にもう一度キャンプしたいし・・・バーベキューもしたい・・・でもそれは無理なんだ。俺は病気で・・・もう長くないから・・・」

「うそでしょ・・・」

「病気ってなんだよ」

「なんとかなるんでしよ・・・手術とかして」

「ごめん・・・どうにもならない・・・」

「そんなのやだ・・・」

「俺は・・・静岡の母さんのところへ行こうと思う」

「やだやだ」

「向こうには腕のいい主治医がいるんだ」

「やだやだやだ」

・・・そうだ。俺だってやだよ。だから・・・俺はどうすればいいかをあきらめないで考えた。

ターミナルケア・・・家で死ぬということ・・・風のガーデン・・・参考書を読んで・・・専門のお医者さんを訪ねた。

「ご自宅での看取りは・・・相当な覚悟が必要ですよ」と言われても「覚悟はある」と答えるしかないのである。

兄貴は父親と生きたこの家と・・・母の待つ静岡の家のどちらも愛していて・・・困惑しているのは間違いないからだ。

その迷いを何とかするのが・・・家族ってもんだろう。

兄貴には内緒で俺は弟妹たちを集めた。

「兄貴を家で看取りたい・・・みんなはどう思う?」

「健兄ちゃんと一秒でも長くいたいよ」

「俺、がんばるよ」

「健兄ちゃんが優しくしてくれたことを少しでも返したいよ・・・」

「それから・・・もう一つ」と俺は健人兄貴の迷いについて話して・・・弟妹たちにある了解を得たのである。

そして・・・静岡の美奈子さんを訪問したのだ。

兄貴の大好きな富士山の下・・・。俺と美奈子さんは話をした。

「ごめんね・・・せっかく泊めてくれたのに勝手に帰ってしまって・・・私、勘違いしてたみたい・・・あの子が私のところにくるのは私を慕ってのことだと思ったんだけど・・・ただの責任感だったみたい・・・そういうところのある子だから・・・」

「そんなことはないですよ・・・世話をするのも・・・心配なのも・・・あなたのことを好きで好きで仕方ないからでしょう・・・今日はお願いがあってきました・・・健人兄貴を・・・家で看取りたいんです・・・つきましては・・・お母さんにも家に帰ってきてもらえないかと・・・だってお母さんも家族ですから・・・」

「真人くん・・・ありがとうございます」(美奈子のお茶の間高感度↗)

こうして・・・俺たちは兄貴の最後の日に向けて・・・できるだけのことをすることになった。

在宅看護専門の看護士(入山法子)さんから看護方法を習ったりもした。

その人が・・・「患者さんが思いを残せるものがあるといいですよ・・・たとえばノートとかでも。そういうものがよき人生の手がかりになるのです」とアドバイスしてくれた。

やがて・・・美奈子さんがやってきた。

「真人くんが迎えにきてくれたの・・・」

「兄貴・・・最後まで・・・この家にいてほしい・・・家族みんなの総意だ」

「俺は・・・みんなのことがわからなくなるかもしれない・・・兄貴らしいことをしてやれなくなる・・・」

「どんな兄貴だって・・・兄貴だぜ・・・」

「健兄ちゃん・・・もうどこにもいかないで・・・」ひしと抱き合う五人兄弟姉妹である。

それを涙で見守る美奈子さん。

その夜。俺たちは真人、桃子、隼人、晴香、美奈子、健人で//////の字になって寝ました。

そうやって穏やかに過ぎていく残された日々。

しかし、兄貴の痛みは去ってくれない。そして痛みが去る日は・・・。

庭でコタローが吠えている。駆けつけた俺は倒れている兄貴を発見する。

まだだ・・・まだ行かないで・・・行きませんでした。

すでに・・・痛み止め麻酔を貼る病状である。

安静にしている兄貴に・・・俺はノートを手渡した。

「気分がよくなったら・・・何か書いてよ・・・」

一人になった兄貴は・・・家族たちの写真を切り張りして・・・それぞれのメッセージを書いたノートを見た。

「アニキがアニキでよかった」

兄貴は泣いた。

「冬にバーペキューとは粋(いき)ですな~」(コタロー言)

「優しい健兄はワシにまで焼きそばをお恵みじゃ~」(コタロー泣)

兄貴は涙ながらに微笑んだ。

こうして、兄貴の終わりの日々は始まったのだ。

岩田さんの家に家宅捜索が行われた日・・・坂巻刑事が井原家にやってきた。

「惜しむな・・・ってまさぴょんが言ってたでしょ・・・だから・・・私できることはしてみた・・・だけど・・・単独捜査を叱責されたし、手掛かりはないし・・・もう、私にはどうしていいか・・・わからない。白骨死体の女性の死についての容疑がおじいちゃんにかかって家宅捜索されたけど・・・私にできることがないのよ」

「岩田さん・・・ここにいるけど・・・」

「じゃ・・・聞いてよ・・・何があったのか・・・」

「わかないんだ・・・」と岩田さん。苦渋の表情だ。

「わからないって・・・」と言うしかない俺。

「なんじゃあ、そりゃあ・・・・まさぴょんのバカバカーっ」

と言いながら・・・岩田さんを通りぬけていく坂巻刑事。

うわあ・・・今のちょっと凄かったぞ・・・すごいもの見ちゃったぞ・・・とにかく・・・成仏しているらしい親父・・・不思議なことは確かにあるだろうけど・・・。

どうすりゃ、いいんだよお。この場合。

恒例の遺言のコーナー。

真人

お前は勝手に生きろ

自由に生きろ

ただ人生が好きだったと思えるような生き方をしろ

とにかく・・・テキーラでも飲みますか?

関連するキッドのブログ→第8話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はこちらへ→mari様のレビュー 

山Pをこよなく愛する皆様はこちらへ→エリお嬢様のレビュー

≪残された謎のコーナー≫

まさぴょんとあずあず(美馬怜子・・・海外に留学しているまさぴょんの彼女)の件だが・・・予測してみる。

①自然消滅

②あずあずが帰国後、朝ズバッのお天気キャスターになっている

③忘却の彼方

④あずあずが客死→葬儀

⑤その他(ご自由に妄想してください)

(※本記事に一部残留しました)

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コメント

はじめまして!山下さんのドラマの記事をいつも読ませていただいてますhappy01書きかけのエントリーに失礼しますm(_ _)m
Wikiには4代目と書いてありますが公式HPによると真人は5代目、仏間のご先祖様の写真は三枚…健兄が4代目と受け取ってますが、単に初代の写真がないのかもしれません(笑)
あずあずは待ち受けのみの登場だと、ナビ番組で見た記憶があります!個人的には、留学先で出来婚しました〜scissorsてなメールが来るのを期待してます♪
私にとって、キッドさんのレビューなしには苦し過ぎたこのドラマ…最終回を前にすでに砂漠に置いて来た心境ですsweat02

投稿: kyoko | 2012年3月 9日 (金) 18時26分

前日とは打って変わって今日は冷たい雨(;_;)
今年の桜はなかなか開花せず開花したと思ったら満開になってしまうのかもしれませんねm(_ _)m

エンプラも残すところあと一話
本当に名残り惜しいです
9話は意外な形でぶっかけ復活(^^)
川の字×2 晴香の入浴シーン(もちろん七瀬を思いだしました)とサービス満点(*^o^*)見応えがありました
キッドさんのレビューを読んだからひっかかっていた母の存在。富士山が今まで何回か登場しましたが こんな深い理由があったとは!遅ればせながら 私もこの脚本家さんの本当の意味での凄さがわかった気がした回でした
山下君の久々のドラマということで もっとわかりやすく人気がでやすいドラマをと ついファン心理で厳しい見方をして このドラマの良さを過小評価していたのかもしれません
とにかく最終回 岩田さんの成仏までを一時間でまとめきれるのか?そこが心配ですが 上手くフイニッシしてほしいです
キッドさんのレビューを読んでいても涙が出てしまうくらい母をおんぶしているシーン 泣けました
とても よかったです

あずあずの件ですが⑤真人が葬儀屋になったのでふられたに一票!(笑)

投稿: chiru | 2012年3月 9日 (金) 22時48分

cloudparkingDon't Let Me Down~kyoko様、いらっしゃいませ~Don't you think so ?parkingsun

いつもお読みいただきありがとうございます。
書きかけ記事であろうともコメントは大歓迎でございます。
記事に対してのアドバイスもいただき感謝感激です。
出来る限り善処しましたが・・・
至らぬところがあってもご容赦くださりますように。
記事も一気呵成に書きあげたいのですが・・・
なかなか体力が追いつきません・・・。m(_ _)m

三代目浩太郎、四代目健人、五代目真人
というのは最終形としては麗しいですな。
最終回以後のことを公式は示しているということですな。

初代の写真がないというのもいろいろと妄想膨らんで
楽しいですねえ。

戦争の空襲で焼けちゃったかあ・・・?

なるほど・・・ナビ番組的に言うと
待ち受けのみの登場で・・・
最後は合成で花嫁衣装のあずあずがウインクしていれば
オーケーですからね。
そのメールを受け取ったまさぴょんの
反応を妄想するのもなかなか楽しい感じでございます。

キッドのブログの拙文がせめてもの慰めになれば
幸いです。
まあ、キッドとしましては山下さんに
なりきるのはおこがましいながらも
ものすごく楽しいことでございますからねえ。
五十年は若がえるっていうか・・・そのまんまだろう。

まだまだ最終回がありますから・・・あきらめてはいけませんぞ。

たとえ・・・それが蜃気楼だとしても・・・。
愛があれば・・・痛みさえも愛おしい・・・。
この境地に達すれば地獄の業火も涼しいのです。
まあ・・・エンターティメントですからな・・・
あまりにお茶の間に求めすぎるのもなんだとは思いますが。
とにかく・・・キッドはこれはこれで名作じゃないかっ・・・と
砂漠の彼方から叫んでおりますぞ・・・。

どうか、またおでかけくださいますように・・・。

投稿: キッド | 2012年3月 9日 (金) 22時49分

cherryblossomシンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファンheart04

一雨ごとに暖かくなるという季節ですな。
このドラマはいわばお彼岸ドラマという側面があるわけですが
最終回はお彼岸前なのですなあ。
暑さ寒さも彼岸までなので・・・もう一週欲しいところ。

今日は庭の梅が満開になってました。
ちょっと遅い感じでございます。

視聴率は第7話から・・・*9.6%↗*9.9%↗10.5%と
じりじりと回復中、これは
ドラマの面白さに気がついた人が逃げないでいる・・・
という感じですかな。
最後は満開だといいですなーーーっ。

まあ、そろそろぶっかけると思っていましたが
案の定でしたねえ。
しかし・・・美奈子にかけてこその「エンプラ」魂なのに。
それにしてもバーベキューにはまだ早いなのに
ずぶぬれで台車。
キッドの妄想の真人は完全に風邪ひいて発熱です。

川川は・・・なんだか暖かそうでしたな。

晴香の入浴シーンと桃子の黒タイツ。
テレビの向こうで妄想の一眼レフが
バシャバシャとシャッターを切る音が幻聴できました。

なにしろ、乳白色の入浴剤が・・・井原家には
ないのかよっ・・・ですからーーー。

序盤で・・・真人は静岡に行って・・・
健人とニアミスしているのですな。
健人と桃子は運命的な出会いをするわけですが
岩田さんが霊的存在確定した今となっては
すべては・・・霊的現象と言えるのですねえ。

浩太郎の「浮気でやくざな女がどこでどうしていようと知ったことじゃないが・・・お乳欲しがるこの子がかわいい」的なお導きですな。

で、岩田さんが代表して視えているだけで
店長とか・・・花屋の女将とか・・・
妹思いのストーカーとかも
真人のまわりをウヨウヨしていたわけですからーーーっ。

一部限定ゴーストの世界でございます。

そして・・・なんだか・・・浮世離れした
放浪写真家きどりのアニキが・・・
本当は心優しくて哀愁漂う兄貴だったと判明する今回。
これ以上ないゲスト女優をお迎えして
見事にドラマチックに仕上がってました。

まあ・・・山下君ファンの皆さまがそんなに
凄くなくてもいい・・・普通に面白いドラマを・・・
そういう心情であることに
否も応もございませんけれどーーーっ。
ま、たまにはいいじゃないのでしょうか。
しかも、単につまらないドラマじゃなくて
凄く面白いドラマなんですからーーー。

まあ・・・最大の謎だった・・・
岩田さんは生者か亡者か・・・
ここをあっさり突破してしまいましたからねえ。
最後は天国の扉が開き
天国への階段を
岩田さんが昇っていく姿が
大人の階段昇るシンデレラのように
はっきりと幻視できます。

まあ・・・そんなこと言ってると・・・
とんでもないことになるのがこの脚本家の凄腕なんですけれどーーーっ。
まあ、ここまで最終回は凄くまともな曲者なのでございますよ。

キッドは自分で書きながら・・・何度も
キーボードを濡らしましたぞ~。ショートしなくてよかった~。

ふふふ・・・「葬儀屋だからふる」・・・このドラマの敵役必勝法ですな。
あずあずのご多幸を祈るばかりです(‘∀‘ ) 

投稿: キッド | 2012年3月 9日 (金) 23時30分

じいやさま、こんにちは。
伊東の入り江からなだらかな坂道をゆるゆると上った
ところに財閥の別荘があるわけですが
年に一度もいければよかったあの頃でしたねえ。
たまに行っても管理万全でじいやの手際のよさが光りましたが
まこちゃまたちもすっかり大きくなり
じいやもなんだかご無沙汰になってしまいましたわね。
子供のころはアジが大好きで
コタローと干物を取りっこして楽しかったなあ。
な~んて春休みにいっちょお出かけしましょうか。
チビッコの時みたいに温泉に飛び込んでは叱られたりして~。
黄色の花が匂う坂道がなんだか懐かしい。

そんな美奈子さんから老けたと言われては
返す言葉もないですが
ほぼヤンキーなのに
白いエプロンがちゃんと似合うママだったのが
とっても涙を誘う一幕でした。
健人兄ちゃんが痛みで苦しんでいても
ママのもとできっと癒されてたなあと思えるだけでも
救われるものがありましたわ。

今週は再び水ぶっかけが。
女性はほぼぶっかがけが大好きのようですねえ。
でもちゃんと優樹に説明できて
真人の誠実さが光りました。
不連続シリーズでしたけれど
ちょっとした楽しみを残してくれましたわ。

ドラマには不思議が溢れてますが
さらに「ジュリー」の共通ワードの不思議も。
じいやの推奨する寺内貫太郎のオマージュとして
「ジュリー」と叫ぶキリンさん。
そして愛テキサスのPさんの姿が
もろに「ジュリー」ですって。
数字が回復調と聞いては
まさに曇天に光さす思いですわねえ。
つめをかみながらテキーラ・・という夜でも
その先に希望が見えたなら
きっと私は満足するでしょう。

じいやに引っ張ってもらってここまでこれたなあと
しみじみ。
あと1話です。
じいやさま、ありがとうです~。

投稿: エリ | 2012年3月10日 (土) 12時35分

ribbon✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿ribbon

お嬢様のご幼少の砌には
昭和財閥のお歴々が数多くご存命でしたので
平成三姉妹のお呼ばれ争奪戦は
かなり激しかったのでございます。
各地の財閥系別荘へのお遊びを
超過密系スケジュールでこなされたお嬢様方の
息抜きポイントが
平成財閥・伊東保養荘「かりんのお屋敷」でございましたな。

基本的に自由行動なのでアンナ様はジェット・スキーでハワイまで横断なされたし、
まこ様が「ハトヤ」にどうしてもいきたいとおっしゃるので
お忍び用地下トンネルを構築したりもいたしました。
エリお嬢様も魚を両手でもってピチピチさせたいと
おっしゃるので大量の生魚をご用意しましたな。
庶民の暮らしぶりへのお嬢様方の好奇心は
とどまることをしらず・・・
伊東御膳には必ず花らっきょと磯のりを
おつけしましたなーーーっ。
菜の花畑の犬小屋のコタローも老犬になりましたが、
子犬、孫犬が
元気にお嬢様のご訪問にそなえて待機しておりまする。

辛気臭いことが大嫌いな美奈子さん。
しかし、若い頃の奔放な暮らしの報いで
華やかな独り暮らし。
そうなると人間はないものねだりなのですな。
しかし・・・そこは昔気質の意地もございます。
そういう母の境遇を優しく理解し
そして甘えた健人兄貴。
さらにそういう兄貴と母親の交情を
すべて洞察し、汲み取り、抱擁する真人。
コードブルーのばあちゃん子から
エンプラの兄貴っ子へ。
そして今や、立派な井原屋の家長の風格です。

でもってお化けにはちよっとびびるのですな。

見える人が見えない人に説明するのは
相当困難ですが
真心をこめて・・・伝えようとする
ひたむきな真人の演技も圧巻でしたぞ。

まあ、家族以外にぶっかけが成立するということは
なんだかんだ・・・その先の二人の未来が
垣間見え・・・お嬢様方は複雑かもしれませんが
葬儀屋の夫に刑事の妻のその後も見てみたいですな。
小姑二人もからんでほのぼのエンプラシリーズを
10年くらいやればよろしいと思います。

で、その頃には真人はスナックの美人ママと
ちょっとした浮気なんかして・・・昭和かっ。

「かみすん」などで拝見しましたが
衣装といいポージングといい
まさにジュリーでございましたね。
こうなるとそのうちパラシュートを
つけたり
薔薇の花をくわえたりする山P先輩が
見られるかもしれませんぞ~。
初登場1位のお祝いに最高級テキーラ1年分を
お届けしておきましたが~。
お嬢様はお酒は二十歳になってからですぞ~。

いよいよ、最終回でございますね。
はたして・・・どんな最高の終り方が待っているのか
身を清めてただ今より正座して待機でござりまする~。

投稿: キッド | 2012年3月10日 (土) 16時56分

キッドさん、こんにちはhappy01

ここに来て、またまた感情移入しにくい人物の登場に、
エンプラらしさを感じずにいられませんでしたわsweat01

クールで、距離感のある健ママに、かえって辛さが伝わりましたけど。
「健人を迎えに来たんだよnote」って、言い方がローラみたいで可愛かったですheart02

葬儀屋ドラマということで、
「おくりびと」みたいな厳かなものかと、始まる前は想像していました。
けれども、次々と繰り出されるゲストの生々しさに、
人間の業みたいなものを感じたり、
食事のシーンがやたら多くて、(しかも肉とか魚とか)
生きてるってことを、実感させてくれたり、
意外と、深いお話だったような気がします。

そう思うと、
台車は、乳母車と車椅子の中間で、生の象徴なのかな、とか
富士山=不死山なのか・・・とか
いろいろ気になりますわ。

序盤は、私もいろいろ掴めなくて、
(視聴率のことを考えると)もう少し普通のドラマに出来ないのかな、
でも、普通のドラマにしたら、エンプラの面白さって無くなるしなあ、
と無駄に悩んでいました。

ここまで楽しめたのは、やはりキッドさんのお力が大きかったんだと思いますhappy02

本当に、復活していただいて、重ね重ね、感謝ですheart04

そんなこんなで、もう明日で、終りですねえ。
(公式によれば、315=さいこー、の日らしいです)
毎週、号泣していたので、淋しい限りですcrying

健兄と同じく、静かにその時を待ちたいと思いますclover

投稿: mi-nuts | 2012年3月14日 (水) 13時01分

crown✭クイーン・オブ・ザ・ランチ✭mi-nuts様、いらっしゃいませ✭親切百回接吻一回✭parking

漁師町のスナックの美人ママ。
健人が旅先で同棲中の女。
その存在は酔客の口から語られるだけで
お茶の間にはまったく存在感が
なかったのですが
じっくり見ていると・・・
ああ・・・なるほど・・・。
・・・そういう感じがございますねえ。

こういうのは昔のドラマでは普通のテクニックだったのですが
現代の「わかりやすさ至上主義」には
ちょっと対応していないのかもしれませぬ。

そして、エンプラならではのキャラクター設定で
やや苦みのある健人ママ登場。

稼業を嫌って男と逃げただけあって
蓮っ葉全開バリバリでしたな。

健人つれてかえるよ、OK?
だめなの、それじゃ、バイバイ!
ファンキー・モンキー・ママでございます。

しかし、あの健人のママですからな
ただのイヤな女じゃあない。
このあたりの持って行き方がエンプラ魂ですな。

キッドは「おくりびと」よりも
伊丹十三監督の「お葬式」を想起いたしました。
そこでは日常空間に突如、やってくる儀式を
描いていくわけです。
たとえば仏教徒なら急に
肉食を禁じて喪に服したりする。

ところが、井原屋では葬儀が日常なのですな。
だから、仕事を終えれば
さっきまで死体を担いだその手で
明日のためにお肉もお魚もモリモリ食べる。
遺族たちが悲しんでもそれでも生きていくように。
井原屋の人々は悲しませてあげて糧を得る。
でも、まったくビジネスライクではない。
人として人に寄り添うことは忘れない。
その距離感がキッドにはとても心地よいドラマでございました。

幼稚園児の乗る乳母車。健人が押し坂巻刑事が乗る台車。
坂巻刑事が一人でクルクルするキャスター付のイス。
真人や健人が運転する業務車。
そして岩田さんが乗っていた車イス。

これらは当然、意図的にちりばめられたシンボルですな。

生者は肉体という車に乗ってかりそめの時を過ごしていく。
そういう宗教観が感じられます。

それはありふれた日々ですが。
ふたつとない不二山のようなものなのですな。
そして富士山はところを変えれば
同じようで違う姿を見せるわけです。

「手」としては最初から
真人が霊感強い人として描いていく方がわかりやすい・・・
とは思いますけれど…。
それではここまで奥行きのある世界は描けなかったとも
思われます。

突然の死があり残されたものの人生が変化する。
その変化の中で
見失いそうだった兄弟愛とか
自分の人生とかを再発見していく。
本当はそういうストレートなドラマでもあるわけですが
ぶっかけとか岩田さんとか変なご遺体とかの
目先のことに惑わされて
お茶の間はやや置き去り感が強かったのかもしれませんな。

キッドの拙文が少しでもお役に立ったなら幸いでございます。

キッド自身もレビューをした方がドラマにのめりこむことができるので楽しいのでございます。
精一杯励みたいと存じまする。

そんなこんなで終りでございます。

315はふつうにはさ・い・ごですよね。
来週は泣きおさめですな。

岩田さんが成仏の見返りに
健人が奇跡の治癒したりすると大爆笑ですけれどね~。

ふらりふらり揺れる(脚本家の)銃口(マズル)彷徨い迷う
・・・ところでしょうねえ。bud

投稿: キッド | 2012年3月14日 (水) 15時22分

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