短いお別れ(松本潤)
「さようなら、愛しき名探偵」(瑛太)も用意しましたが・・・おそらく続編がありそうなので・・・こちらで・・・。
まあ、「さらば愛しき男よ」(夏帆)でもよかったけど・・・主役には敬意を払うべきなので・・・。
もちろん、元ネタは口にするのも恥ずかしい「長いお別れ」(レイモンド・チャンドラー1953年)である。
不在の友人を追うフィリップ・マーロウ・シリーズの六作目。「さらば愛しき女よ」も同じシリーズである。
不朽の名作というか、金字塔というか、空前絶後というか・・・そういうたぐいのものでございます。
まあ、ドラマの方は大人の鑑賞には耐えられないが、小学生向けの探偵ドラマとしては水準に達していたと思われますな。
けして、けなしているのではございませんぞ。子供向けのドラマだって立派なエンターティメントですからなーっ。
そして、十代であれ八十代であれ、心が子供の人はそれなりに楽しめるわけですし~。
で、『ラッキーセブン・最終回』(フジテレビ20120319PM9~)脚本・野木亜紀子、シリーズ構成・演出・佐藤信介を見た。謎のチンピラ集団に拉致されてしまった北品川ラッキー探偵社の社長・瞳子(松嶋菜々子)。妨害を試みた旭(大泉洋)は凶器による打撃で頭蓋骨陥没で帰らぬ人・・・重傷を追ってしまう。瞳子の死んだ父親が遺した黒い手帳を狙った二人組の泥棒の一人を捕らえた駿太郎(松本潤)だが、女は見逃す主義なのか、正体不明の史織(夏帆)を追わないのだった。繰り返すが窃盗の現行犯である。
チンピラのリーダー(永井大)から「社長と手帳の交換」メールが探偵たちに届き、筑紫(角野卓造)はついに秘事を明かす。
「ずっと社長の父親は事故死ではなく殺害されたと信じ・・・真相を求めて二人で調査を重ねていた・・・」と言うのである。
「つくし、そんなことは最初からいえよ」
「だって、社長が秘密にしようっていったんだっつーの」・・・おい、キャスティング表を確認しろよ・・・牧野つくし(井上真央)じゃなくて、筑紫昌義(角野卓造))だっつーの。
社長の父親は都市再開発を巡る不正を追及する渦中で不審な死を遂げたのだった。社長の父親が追求していたのは大手建設会社「八神コーポレーション」とその代表者八神(鹿賀丈史)であり、八神は裏ではいろいろと汚いことをしているらしい。
飛鳥が上野駅に手帳を持参すると、受け取りに現れたのは史織だった。
「社長はどこにいるの」
「そこまでは知らないの・・・手帳をちょうだい」
「成功報酬はいくら」
「あなたの月給より高いとだけ言っておくわ」
手帳を持って逃げ去る史織を追うパックアップの駿太郎。しかし、手帳はバイク便で持ち去られてしまう。
「あなたに言いたいことがある・・・一緒にいた時は楽しかった」
「ウソツキは泥棒のはじまりだぜ」
駿太郎は史織を置き去りにして筑紫・メイ(入来茉里)組に合流する。恋泥棒に心を盗まれた史織、お疲れ様である。
手帳に仕掛けられた発信器を追跡する探偵たち。
やがて、バイク便は港に停泊する巨大な廃船に到着する。
もちろん、そんな必然性はあまりないが、瞳子はこの船に監禁されていると断定する探偵たち。
さっそく、駿太郎と飛鳥は船内に侵入する。何故か、進入路には見張りはいないのであった。
たちまち、監禁されている瞳子を発見する駿太郎。
チンピラ・リーダーは発信器を発見し、侵入者の存在を知るが、何故か、見張りを一人残し、迎撃に向かうチンピラたち。
見張りをアクロバット・アクションで倒す駿太郎。止めは瞳子の回し蹴りである。
次々に襲いかかるチンピラたち。しかし、潜入捜査していた新田や病院を脱走した旭も参戦し、飛鳥の回し蹴り、駿太郎の回し蹴り、新田の回し蹴り、旭の回し蹴りなどで敵を撃破。みんな決め技は回し蹴りである。
廃船だが突然、エンジンが始動し、航海に出ようとする巨大船。船底には自爆装置が仕掛けられ、探偵たちの命は風前の灯である。
しかし、回し蹴りをしないメイや筑紫が「早く逃げてー」と絶叫したので間一髪、脱出に成功する探偵たち。東京湾で爆発炎上する謎の廃船・・・いい加減にしとけよ。一部、妄想でお届けしています。
瞳子の救出には成功した探偵たちだが・・・手帳は奪われてしまう。
しかし、コピーしてありました。
「二人では発見できなかった手帳の謎がみんなで考えれば解けるかも」ということで全員がコピーを熟読である。
「そういえば・・・チンピラがインクの色が違うと言っていた・・・父の誕生日に万年筆をプレゼントしたので・・・インクの色が違うのが最新よ」
「解析してみます・・・ここに重ね書きがありますね」と仕事の早いメイ。
「まあ・・・うっかり見逃していたわ・・・」「社長ーっ」と瞳子につっこむ探偵たち。
ジンジャにかくす
「神社か・・・」
「それとなぜか・・・手帳にはマイページに由香利(奥田恵梨華)の家の電話番号が書かれていたの・・・」
「それって・・・手帳を一度捨てて・・・誰かに拾ってもらうためじゃないのかな」
「なるほど・・・」
16年前の遺失物の記録が警視庁に保存されていたため、桐原警部補(吹石一恵)が一発検索である。まあ・・・これ以上ないご都合主義というものを見ましたな。
その手帳が落ちていたのは八神コーポレーションの本社ビル前庭だった。
メイが検索した地図を見て駿太郎が叫ぶ。
「神社だ、屋上に神社があるーーーーっ」
かくて、携帯電話の同時通話機能を宣伝するスタイルで敵のアジトに乗り込む探偵たち。
社員証を手に入れるために社員たちを次々と拉致監禁・・・はしないであの手この手で探偵たちは八神ビルに侵入するのだった。
同時に・・・八神に面会を申し込む瞳子・・・八神と瞳子の父はかって友人だったのだ。
「自首をすすめにきました・・・かって父がそうしたように」
「何を言っているのか、さっぱりわからんね」
「もうすぐ証拠が届きます・・・その前に父を殺したことを告白してください」
「馬鹿な・・・まあ、たとえ君の父親を私が殺したとしても・・・それがなんだね。私は神なのだ・・・人の命のひとつやふたつどうとでもなる」
「あなたは神ではないわ・・・ただの人間のクズよ」・・・いい加減にしときなさいよ。
屋上の神社の屋根裏で銀行の貸金庫のカギを発見した駿太郎と旭と飛鳥。
しかし・・・チンピラがやってきた。
駿太郎は鍵を投げ捨て・・・筑紫がキャッチ。セキュリティーの甘い銀行は鍵だけで開く貸金庫を差し出し・・・そこには恐ろしい秘密・・・談合なんちゃらが隠されていたのだった。
チンピラリーダーと一騎打ちで決着をつける駿太郎・・・「蹴っていいのは蹴られる覚悟があるものだけだ」と回し蹴りでチンピラリーダーを階段から突き落とし、頭蓋骨陥没で即死させた駿太郎は逮捕され、過剰防衛で刑期十年の懲役を・・・やめときな・・・無事、脱出に成功する。
北品川署の副署長は16年前から副署長だったらしく、八神の犯罪をすべて握りつぶしていたらしい。後藤警部(金田明夫)の内部告発で警視庁監察官が動き、取り調べが開始される。
やがて・・・瞳子の父親殺害の実行犯は東京湾に浮かび・・・事件は闇から闇に葬られることになると思うが・・・とりあえず・・・瞳子はすっきりしたのであった。
短いお別れの後で新田も探偵社に復帰し・・・ラッキーセブンが揃い踏みである。
探偵たちを七色の東京タワーが祝福している。
「俺たちの探偵家業はこれからだっ」・・・駿太郎は虚空にそうつぶやいてお汁粉缶を飲み干すのだった。
「私たちっていると思えばいるし、いらないと思えばいらないのよね」と駿太郎の母(岡江久美子)は誰にともなく囁くのである。
顔のない女を妻に持つ駿太郎の弟(小山慶一郎)は沈黙を守っていた。
そして・・・真壁リュウ(谷原章介)は第19シリーズに突入していた。第7シリーズじゃないかという人もいるが18年間も続いているのだからそんなことはないだろう。
ただ一つ言いたいのは子供はだませても大人はだませないっつーの・・・ということだな。
特にこの作品の脚本家たちは大人の探偵ドラマをやるには少し早すぎるかもね。
関連するキッドのブログ→第9話のレビュー
瑛太不足で来週が待ち遠しい・・・まあもうおわりでございますが・・・あなたはこちらへ→まこ様のラッキーセブン
松潤と瑛太をこよなく愛する皆様はコチラへ→くう様のラッキーセブン
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コメント
きゃー・・・もー、心が子供ではないらしい私には純粋に楽しめない最終回でありました…。
ってか、別に難しそうに見せた謎解きとかどうでもいいから輝を早く出せ、
と思っている内に終わったと言う…。
たぶん、私の心は子供以前なのでしょう。
だって謎解きとか全く要らなかったんだもん!
ただ、2人がコンビでカッコ良くアクションやってくれてる第1話みたいな物を
ずっと見せてくれていれば満足できていたはずなのですからー。
ま…続編は要らないけれども、SPくらいはやってほしい気がします。
その時はぜひぜひ精鋭スタッフで~と望むばかりでございます(;_:)
投稿: くう | 2012年3月20日 (火) 03時28分
ふふふ・・・キッドはキッドで
ありながら・・・つまらないことが気になるタイプでしたので
こういう作品には耐えられない子供でしたよ。
いちいち、躓いてしまいますからねえ。
最近、新人作家がいきなりゴールデンに登用される
ムードがございます。
促成栽培かっ・・・でございますね。
っていうか優秀な中堅がいないのでしょうな。
なにしろ・・・撃たないでの方が
くりかえし投入されるほどの人材不足。
みんな痛い目に会うのが好きなんだな・・・。
これに比べたらエンプラの作家は苦節期間がありますからな
それなりに味がしみてる~なのです。
まあ、この作品の脚本家たちもこれを糧にして
成長してくれたらそれはそれで素晴らしいかも。
しかし・・・貴重なスターの皆さんたちの
無駄遣いをいかにとやせん・・・。
16年間調べたことを1時間で解決するのは
無理がありますし・・・そういう問題ではございませんか。
アクションもがんばってはいるのですけど
キューティーハニーTLとかGAROとか・・・
生傷絶えないアクションとはちょっと・・・
比較できない感じですからなあ。
なによりもアイディア不足です。
「不意をおそわれた仲間をフォロー」も
これだけ繰り返されるとちょっとアクションじゃなくなってしまうのですな。
もう、チャイニーズ・ゴースト・ストーリーとか
グリーン・ディスティニーとか
少林サッカーとか・・・
そういうの見て研究してくれよ~でございます。
まあ・・・くう様がおっしゃるように
タレント行政的な問題が大ですけれどもね~。
きっと・・・探偵というよりは
チャーリーズ・エンジェルとか
ミッション・インポッシブルを
やりたかったんじゃないかなあ・・・と
最終回を見ていて思いましたぞ。
精進してほしいものですな~。(・o・)ゞ
投稿: キッド | 2012年3月20日 (火) 04時00分