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2012年3月23日 (金)

これも罪あれも罪たぶん罪きっと罪(水谷豊)

「六法全書」を一度でも読めば・・・そこに書かれる罪と罰の多さに辟易するだろう。

ま、多くの人は読まないと思われる。

しかし、実業に携われば無視するわけにもいかず、必要部分を検索するために書棚に六法全書は並ぶのである。

しかし、罪と罰はこれにとどまらない。

都道府県には条例というものがあり、これにも罪と罰はある。

たとえば、東京都には「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為の防止に関する条例」なんていうものがある。

街角で口論している人々は一歩間違えればこれで罪に問われる可能性があるのである。

そういう法律に恐怖を感じるか、安心を感じるかは・・・人それぞれの人格によるだろう。

キッドは多重人格なので両方感じます。

今回は「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」(平成12年(2000年)法律第146号)に基づく、罪と罰の話である。

第三条は以下のように定めている。その罪は「何人も、人クローン胚、ヒト動物交雑胚、ヒト性融合胚又はヒト性集合胚を人又は動物の胎内に移植してはならない」であり、その罰は「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」である。

杉下右京(水谷豊)のようにこの「罪と罰」を諳んじることができる警察官ばかりでないことは・・・おそらく確実だろう。

クローン技術で誕生したヒト型生命体が・・・人間なのか・・・それ以外のものなのか・・・それはもちろん各自の認識によって異なるのである。

もちろん・・・どんな「神を恐れぬ行為」も悪魔である以上、応援しなければならないのだが。

で、『相棒・Season10・最終話(テレビ朝日20120321PM8~)脚本・輿水泰弘、演出・和泉聖治を見た。相棒・神戸尊警部補(及川光博)警視庁特命係・卒業スペシャルである。馴染んだ頃に去る・・・それが相棒というものなのだな。しかし・・・今回は警察という組織を去った前の相棒(亀山)や、人生から卒業してしまった真の相棒(官房室長)と違い、警察組織の極悪メンバーの一人、長谷川警察庁長官官房付(國村隼)の配下に移動である。ポスト官房室長の任を追う長谷川と神戸の・・・グレーなコンビが結成されたと考えるべきだろう。再登場は確実だな・・・。

神戸は・・・冤罪事件において訴追されない偽証者という十字架を背負っている。無実を主張した被告は自殺をしてしまい・・・神戸は謝罪さえできない自分を常に恥ずべき存在と考えるがそれでも警察官として生きていくのである。

死者を復活させる技術があるのなら・・・神戸は贖罪のために悪魔に魂を売ってもいいと覚悟しているのだ。

しかし、そのような技術はまだ確立されておらず・・・クローン技術もただ遺伝的に同一な別人を作り出す技術にすぎないことを認識している。

そういう技術は超独裁者が自国のサッカー・チームを強力にするために、名選手のクローンを計画的に製造し、飼育し、訓練し、脱落者は廃棄するような場合や、各国の人気アイドルのクローンを計画的に製造し、門外不出の性奴隷として取り扱うといった場合にのみ有効なのである。

もはや・・・人権とかそういう問題ではないのは明らかだろう。

悪魔ものけぞる仕業である。

そういう技術であることを認識しているからこそ、法律はそれを禁じ、右京はその罪と罰をあくまで肯定する。

しかし・・・神戸は思う。そうした技術によって生まれいずる人間に何の罪があるのだろう・・・と。

嘉神茜(浅見れいな)は水難事故により、夫と息子を同時に失い狂乱し、自殺未遂をはかる。

一命をとりとめた娘はクローン技術の研究者である母・郁子に息子のクローン人間製造を求める。

愛する娘と自分の科学的野心のために・・・禁断の行為を犯す郁子。

やがて、息子のクローン人間を体内に宿した茜。茜の兄であり、郁子の息子である隼斗はその事実に気付き・・・キリスト教的信仰心と、人道的立場、そして無垢な正義感に突き動かされて母と妹の罪を糾弾する。

しかし、「クローン人間の誕生」が世界的な倫理観から糾弾されるものである以上、国家はその実際的存在さえ認めないのだった。

万策尽きた隼斗は路上で「今、日本でクローン人間が生まれようとしている。それは絶対に許されない行為だ」と叫ぶ。

その演説を撮影したものにより、動画がインターネット上に掲載され・・・悲劇の歯車は回転を始める。

たまたま・・・現場に居合わせた右京と神戸はお互いの倫理観を賭けて雌雄を決する運命に追い込まれていくのである。

やがて・・・息子の再臨を熱望する茜は兄を殺害し、郁子は息子を殺害した娘と胎内のクローン人間を守るために身代わりとなって自首することを決意するのだった。

「被害者の着ていた黒いダウン・コートはどこへ消えたのか」・・・些細なことが気になる右京はじわじわと「真実」をあぶりだしていくのだった。

おっちょこちょいな月本幸子(鈴木杏樹)の珍推理、そして右京に頼まれれば朝食を作り、神戸に頼まれれば容疑者を匿うという・・・ふたまた愛人疑惑を残し・・・事件は解決するかに見えた・・・。

しかし、真実の追求のためには・・・「罪の子」は罪を背負って生まれるべきだと割り切る右京に・・・「罪の子の罪はなかったことにしてください」と神戸は哀願する。

右京に拒絶された神戸は・・・それなら「罪の子」を始末すると右京を脅迫する。

お互いの譲れない一線で向き合う上司と部下。

ついに右京は人命尊重の超法規的措置という妥協を余儀なくさせる。

そこまで右京を追い込んでしまった自分を許せない神戸は親友の警視庁警務部首席監察官大河内警視正(神保悟志)に特命係からの移動を求める。しかし、「断る」大河内だった。

右京も「君を説得できなかった罪が私にあるということです」と神戸の暴走を優しく抱擁する。

だが・・・右京の信念を挫いた実力を買われ・・・極悪政治家・片山雛子(木村佳乃)と接近する長谷川は警察庁長官官房付に神戸を引き抜いてしまうのだった。

そして・・・クローン人間が存在しないことを確実にするために・・・法廷に向かう茜にはクローン人間を流産させるための特殊な薬剤が注入されるのである。

こうして、クローン人間は闇に葬られ・・・神戸は無念の心を抱いて・・・特命係を去るのだった。

愛車に乗って別れの警笛を高らかに鳴らす神戸。

道路交通法第54条「警笛は警笛区間や危険な場合以外には使用してはならない」違反であり、「2万円以下の罰金又は科料に処」せられる場合があるのでご注意ください。

関連するキッドのブログ→相棒・Season10・第12回のレビュー

1591年京都の旅(水谷豊)新・相棒の昔の恋人どすえ(檀れい)

やはり相棒はかかせない・・・というあなたはこちらへ→エリお嬢様の『相棒ten』

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コメント

じいやさま、こんにちは。
とうとう相棒も終わっちゃいましたね~。
最後の小道具テーマがクローンですから
怪物のドラマといい、
テレ朝はこのあたりに重大なネタを持ってるのかも。
でも、ちょっと夢をみてしまうようなところがあり
ある性質を刺激したやもしれません。

それにしても神戸の退場も惜しまれます。
薫ちゃんの時のすっきり明快な別れでも
別れは辛かったのに
神戸さんは胸に残したものをこの先は悔いながら
反りの会わない長谷川と過ごすんでしょうかね。
私としては小野田さんの後継あたりを目指して欲しいんですけど。

>法廷に向かう茜にはクローン人間を流産させるための特殊な薬剤が注入されるのである

あれ~ここを見逃してました!!
そうか・・それなら納得できます。
今思えば都合よく裁判の途中で苦しみだしたことも変でした。
母体は無事で赤ちゃんだけ葬られたなど
てっきり何らかの手が入ったと思ったのですが
天罰があたったと真野さんが言うから
自然にそうなったのだとばかり思ってましたわ・・。
こちらは怪物と違って
子宮は無事だったから時間をかけて傷を癒して
罪を償って次のステージへ~って感じかしらね。

一番哀しいのは真野さんでしょうか。
婿と孫を亡くしたあとに
息子も亡くし、娘は刑務所。
みんないなくなってしまい
真のバツを受けたのはこの人みたいですね。
本当に右を向いても左を見ても
罪ばかりな最後でした。

次の相棒ももうキャスティングは決まってるのですって?
誰なんでしょうか。
でも、たまには女性もいいですよね~。
私はテーラーの店の話のあの女性がいいなあって
脳裏をよぎりましたけどね~。

神戸さんの卒業とともに
先輩達の卒業式も思い出されてちょっと感慨に
浸っているの~。
卒業生退場のときは
♪桜舞う4月の教室で 波打つ胸をはずませながら~♪
うっかりみんな涙ですねこれは・・。
もちろん私もじいやの青春のために直立不動で歌うわ~。
♪あ~か~い夕日が校舎をそめ~て~♪

感傷の夜は、タイ風に
エビのスイートチリソースがいいわ~。
あれ~じいやには辛過ぎたかしら。
ココナツミルクも用意しましょうかね~。

投稿: エリ | 2012年3月24日 (土) 10時23分

ribbon✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿ribbon

夢の技術が夢ではない・・・というのがミソなのですな。
しかし、実際に技術というものは
試行錯誤を要求するものでございます。
つまり、実用化の問題ですな。
原子爆弾なども何回か
爆発させてみないと実用にならないのですな。
クローン技術も同様に
何体か作ってみないと
いい感じに仕上がらない。
問題はここなのですな・・・それじゃあ、失敗作を
どうするかということです。
で、言わば他人の人権に不可侵であることを
前提とした社会では
ここが倫理的にどうにもならないわけです。

ですから・・・そうではない社会では
暗闇にまぎれてどんどん研究が進むわけです。
科学者が人命を尊重するタイプばかりではないことは
核爆発を見るより明らかですからなーーーっ。

映画「手紙」では
兄の犯した罪で世間の目が弟が苦しめるのですが
平野(杉浦直樹)は「兄はそのことを考えて犯罪をするべきだった」・・・つまり、悪いのは世間ではなくてあくまで兄だったと断言するのでございます。

右京はある意味で・・・そういう立場。
罪がある以上・・・罪の子は免罪符にならないと主張。
そして・・・自らが罪の子である神戸は罪の子の救済を主張・・・。

実にスリリングな応酬でしたな。
なにしろ、正解などない次元のクイズ合戦ですからねえ。

じいめは久しぶりの無理難題に萌えました。

お嬢様方がケンカした場合にどちらの味方もできないジレンマでございます。

小野田氏他界の後は・・・それがらみの時にやや薄いですからな。
そういう意味での布石だったのではないかと推察いたします。

流産導入剤に関してはそういう描写はございませんが
天罰というのが非理論的である以上、
政府はしかるべき処置を行う。
そういう意味での妄想的論理的帰結でございまする。

片山雛子のフェイド・アウトから考えても
司令塔は彼女だと思われますな。

なにしろ・・・前述のような理由から
先進国で民主主義の国では
絶対にあってはならない・・・現実ですからな。

もちろん・・・平成財閥では
ダーロイドの研究と同時に
ダークローンの研究も着々と進んでおりますが
極秘事項でございます。

本来、宇宙旅行などで人体損傷があった場合
クローン・パーツの補完は死活問題でございますので
いつかは実用化してしまうものと考えまする。

しかし・・・現代では
いくら娘の狂喜を鎮静させるためとはいえ
我が子を実験台にしてしまうのは
親の情より科学者の意地と・・・
右京に喝破されても仕方ないのですな。

まさに自業自得なのでございます。

しかし、また罪深い人間こそが
もっとも面白いことも譲れない事実でございますけれどもーーーっ。

罪の数だけエンターティメントの花は開くのですな。

新しいパートナーの登場は
いつの時代も楽しみですな。
あれこれ想像するのは楽しゅうございますな。

タフのあとはインテリでしたからな。
タフか・・・とも思いますし
それならいっそ女性・・・という考えもある。
単に「おいしい役」である以上
帝国をはじめとする各プロダクションも売り込みを
かけるでしょうから・・・予断はできませんな。

ふふふ・・・テーラーの女性とは
相棒 season9 第14話「右京のスーツ」の時の
笹原真紀(青山倫子)様ですな。

現在、「逃亡者おりん」(テレビ東京)でのおりん役も
隠れた人気を集めておりますからな。
そっくりさんとして婦人警官として登場する手は
ございますなーーー。

ミッチーはほぼ個人事務所ですが
前回の相棒がアミューズだったので
返り咲きなら・・・
岸谷五朗とか・・・平岡祐太・・・
新人配属なら佐藤健なんていう手も・・・。

じいやとしては渡部篤郎なんていう相棒も見たいのでございます。

ああ、オダジョーとか妻夫木もありですな。

お嬢様方は永遠の高校2年生なので
卒業できないのが残念でございますなーーーっ。

しかし、卒業ソングは定番ですので

「年上の男の子」という先輩見送りソングがリリース予定ですぞ~。

♪グッバイ先輩、ハローOB
永遠にヨロシクね~
たまには放課後ぶらりときてね~
そんで駄菓子屋で
ジュースをおごってね~

でございますな。

本年度の学園の卒業式ゲストは
川嶋愛先輩になさるのですな。
・・・承知しました。

どんなおいたちでも素晴らしい人生がございますからな~。

今夜はアジアン・テイストでございますな。

まずはパッパッブン(空心菜の炒めもの)を
ご賞味くださいませ~。
ニンニク味でございますぞ~。

投稿: キッド | 2012年3月24日 (土) 21時19分

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