SPEC〜翔〜を待ちながら(戸田恵梨香)
長期休眠期間にオンエアされた『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(TBSテレビ2010年秋ドラマ)の続編となるスペシャルドラマがまもなくオンエアである。
「ケイゾク」シリーズ(1999年~)の続編にあたる「SPEC」は脚本・演出などで共通項が多いが、中核となる登場人物は野々村光太郎(竜雷太)といえるだろう。
捜査一課弐係係長から未詳事件特別対策係係長に嘱託として再就職である。
妄想の彼方の存在であった醍醐雅(永田杏奈)は野々村雅となり、新しい不倫相手として正汽雅(有村架純・・・「11人もいる!」の次女である)が登場している。
スペック(超能力)として考えれば・・・柴田純(中谷美紀)やそのライバルである朝倉裕人(高木将大)は異常な天才的頭脳の持ち主だったわけである。
霧の彼方に消えたケイゾクの人々が怨霊のように蘇る「SPEC」シリーズ。
その超絶的な戦いぶりをざっとふりかえっておきたい。
で、『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜「甲の回」~』(TBSテレビ20101008PM10~)脚本・西荻弓絵、演出・堤幸彦(他)を見た。スペックは人知を超えた特殊能力である。前述のようにケイゾクシリーズの柴田刑事は規格外の頭脳で難事件に取り組んだわけだが・・・今回のシリーズでは犯罪者そのものが常識の範囲をはるかに超える特殊能力を保持している。これに対して、まともな警察では対抗できないために投入されるのが未詳事件特別対策係である。しかし、野々村係長や、瀬文焚流警部補(加瀬亮 )は所詮、一般人である。
唯一、「敵」に対抗できるのは当麻紗綾警部補(戸田恵梨香)だけなのである。
当麻は自身がスペック・ホルダー(超能力保持者)なのだ。その能力は・・・お習字すると真相が直感的にわかってしまうという・・・微妙なものなのである。
これに対して、敵対する能力者は当麻の左手を奪った一(にのまえ=神木隆之介)のタイム・ストッパーのように見えるスペック、占い師冷泉(田中哲司)の未来予知能力、死刑囚桂(山内圭哉)の千里眼のように見えるスペック、医学部助手・林実(村杉蝉之介)の人格憑依能力など・・・かなり強力なものなのである。
林実にダミーとして使われた托鉢僧の京女(おおつか麗衣)はその後、騎手と結婚して芸能界を引退するという恐ろしい結末なのである・・・それはかなり違うと思うぞ。
とにかく、ドラマの魅力は当麻の変人ぶりのコミカルさと・・・正義に対するシリアスさの絶妙なバランスによって成立していると言えるだろう。
「捜査に私情は禁物ですぞ・・・」と言いつつ、くそまじめに敵と対峙するパートナーの瀬文に「しかし・・・はい」と渋々、同調する当麻。
つまり、かわいいよ、当麻かわいいよなのである。
この他にも当麻のストーカーである地居(城田優)、謎の医師海野(安田顕)、公安部のSPEC狩りのリーダー津田(椎名桔平)、瀬文と因縁浅からぬサイコメトラー美鈴(福田沙紀)など善悪も定かでない登場人物たちが複雑にからみあう。
スペックもみせかけと実態が相違していたりと仕掛けも懇切丁寧なのである。
はたして、実態はどうなのか・・・いや、実態がはたしてあるのか・・・。
謎が謎を呼ぶスペックの世界・・・マジで楽しみなんですけど・・・。
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