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2012年4月30日 (月)

獣みたいな口つきした俺たちは人でなしの血の色の旗を掲げる(松山ケンイチ)

平安時代の終焉がそこまできているわけである。

平安と名乗る都を一歩出れば、そこは修羅の巷である。

疫病は蔓延し、民草は飢餓にあえぐ。

赤い旗を掲げた平安の革命戦士たちはその地獄から生まれた仇花と言えよう。

昭和時代の赤軍派と異なるのは・・・彼らの革命がまがりなりにも成功してしまうことだろう。

しかし、理想はたちまち、腐敗し、偉大なる指導者が去った後には新たなる地獄の怨嗟が満ち溢れる。

平家赤軍派の革命の顛末があるからこそ・・・この国はそれから800年以上も革命の火が燃えあがることはないのである。

民衆は知っているのだ。権力を打倒せよ・・・と叫ぶものが必ず悪しき権力者になることを。

しかし・・・一方で平清盛の大成功があるからこそ・・・今もなお、革命の夢は細々と紡がれるのである。

で、『平清盛・第17回』(NHK総合20120429PM8~)脚本・藤本有紀、演出・中島由貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は第二部突入記念・喪服に身を包んだ伊勢平氏新棟梁・正四位下中務大輔平安芸守清盛のイラスト大公開でございます。病床の画伯が精魂振り絞り気迫あふれる清盛像を見事に描ききってトレビアンでございます。おいたわしや~。地獄の底からご回復をお祈りいたしておりまぞ~。

Tairakiyomori15 平忠盛が死去して伊勢平氏が代替わりした仁平三年(1153年)、河内源氏の源為義の長男・源義朝は従五位下を叙位され、下野守に任じられている。この年、義朝は31才。相模から下野に至る関東の広大な領地を支配した実力を買われてのことであった。平清盛が肥後守に任じられたのは20才の時であるから・・・大分遅い任官であるが、清盛の父・忠盛がすでに伯耆守、越前守、備前守などを歴任している家柄であり、一国の国司にもなれなかった父・為義を持つ義朝としては破格の出世とも言える。正四位下鎮守府将軍まで登りつめた八幡太郎源義家の末裔である源為義の出世が遅れたのは義朝の祖父であり、為義の父とされる源対馬守義親が謀反人だったためである。義親の追討使は平忠盛の父、平正盛であったことは言うまでもない。伊勢平氏と河内源氏にはそのような因縁があるわけである。平安京朝廷は全国への国司派遣と土着化により、国土開拓を行ってきたわけだが、土着した武装開拓民が様々な事情から朝貢を怠るようになり・・・地方と中央の摩擦は深刻化していたのだった。平忠盛や源義朝の躍進は・・・都の東西で分裂しつつあった王家の民草を再編成し統率したことによるものである。当然の如く、それは支配するものにとって両刃の剣となるのである。虚構の権威に頼るものと実力者との軋轢は徐々に深まっていた。王家に代わって民を支配するものと民に代わって王家に解放を迫るものとは区別の困難なものだからである。こうして・・・王家、公家に続く第三の階級・武家は新たなる潮流となって時代を変革していく。しかし・・・前途は多難なのであった。

六波羅の平家屋敷は棟梁の相続の宴でにぎわっていた。

清盛は父・忠盛の喪に服しながら、清盛邸を長男・重盛に譲り、妻・時子と幼子を連れて本屋敷に居を構える。忠盛の正室・宗子は六波羅の池の別邸に移り池禅尼(いけのぜんに)と称した。早世した家盛の未亡人は幼い娘とともにこれに従う。20才になった正五位下常陸介頼盛も池殿に移った。頼盛の乳父は平宗清である。

忠盛の一の郎党とも言うべき、平家貞はそのまま家宰として本家に残り、清盛・一の郎党となるべく平盛国を指導する。

忠盛は全国各地の荘官に縁故を結んでいるために・・・菩提を弔うもの、新棟梁を祝うものが続々と平家屋敷を訪れるのだった。

その中に・・・源義朝の姿があった。一人の老武者を伴っている。

「これは叔父上・・・」と清盛は老武者を呼んで、忠盛の霊前に自ら案内する。焼香をすますと、三人は静かな内庭に出た。

老武者は河内源太と称された源経国である。義朝の父・為義は経国の叔父にあたり、義朝は従兄弟ということになる。

経国の父、源義忠は河内源氏四代目棟梁であったが、叔父にあたる源義光に暗殺されてしまったのである。そのために河内源氏の正統は紆余曲折の末に為義が継ぐ形になっている。経国は幼少時に母方の伯父・平正盛に引き取られ養育された過去がある。つまり、平家屋敷は第二の生家と言える。正室は正盛の娘であり、正盛の長男・忠盛とは義兄弟であり、清盛には叔父にあたるのである。

平清盛の叔父であり、源義朝の従兄弟・・・それが源経国という老武者なのである。

小柄だが弓をとっては天下一とも噂されるこの苦労人は半世紀前の浅間山大噴火の復興に力を尽くし、武蔵国にも勢力を持っている。義朝が関東に下向し、相模国に勢力を張ると、下野国に根を張った経国の叔父・源義国と摩擦を生じたことがあった。この時、叔父の義国と従兄弟の義朝の間をとりもったのが、経国であった。

その仲介の労があって・・・義朝は関東の覇者となりえたのだった。

清盛も父・忠盛から・・・経国の並々ならぬ政治手腕について聞かされていた。

「本来は・・・河内源氏の棟梁となるべきお人であった」と忠盛は言った。「武勇の誉れも高く・・・賢いお人じゃ・・・しかし、源家は兄弟相克がお家芸のようじゃからの。兄弟叔父甥殺しあって・・・為義殿の代には弱り果てておる・・・その中で関東にあって経国殿は立派に源氏を盛り返した・・・一つに神仏に頼らぬこと、一つに家の上下内外に和をもってあたること、一つに素早い決断・・・清盛もかのお人を見習わねばならぬ」

合理主義、統率の法、決断力は忠盛もまた優れた男であった。忠盛は己が信条を経国にたとえて清盛に伝えたのである。そして、清盛はその教えを忠実に守っていくのだった。

「都はあいも変わらぬことじゃのう・・・」と経国は言う。「我ら武家はわずかに油断すれば都のもめごとに巻き込まれてしまうもの。とくに藤原のお家には注意しなければならぬ・・・あっと言う間に足をさらわれるからの・・・源氏など摂関家の陰謀にかかっては赤子も同然じゃ・・・。我が舅の正盛様、義兄弟の忠盛殿はその点、要人深いお人であった・・・のう、清盛殿」

「は、肝に銘じておきまする」

「聞けば・・・清盛殿は・・・この義朝とは馬が合うと言うではないか」

じっと無言で控えていた義朝は顔に血潮を昇らせる。

「いや・・・弟のように思うておりまする」清盛の言葉に義朝は口元に微笑みを浮かべる。二人は比叡山山中で化け物退治をした仲である。

「よいことじゃ・・・源氏じゃの平氏じゃのと張りおうている時にあらず・・・今少しで・・・我ら武士の中から治天の君が現れる・・・」経国は声をひそめた。「我はそう願っておるのじゃ。そのためにこの老骨を捧げたいとな」

「亡き父も・・・そのように申しておりましたぞ」

気がつくと・・・清盛の頬には涙が伝っていた。経国も泣き、義朝も泣いていた。

三人の男たちは泣きながら手をとりあった。

都には夏の気配が・・・日差しとなって降り注いでいる。

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2012年4月29日 (日)

黒衣の花嫁とドッペルゲンガーと黄薔薇の花言葉は不実(長澤まさみ)

長澤まさみVS釈由美子ウエディングドレス共演である。いわゆる一つのモスラ対ゴジラだな。もはや、それ自体が都市伝説であります。・・・東宝宣伝部かっ。

いよいよ・・・都市伝説はすべての戯言を包み込み、真偽の境界線は地平線の彼方に消えていく。

好事家にとって垂涎の的のドラマとなってきた。

ようするに・・・これ以上なくなんでもありということです。

特に、今回は鎖骨フェチ、脇の下フェチ、ソファでうたたねフェチ、ふたごフェチなど一部愛好家多数悩殺ですな。

変態かぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・変態でございますとも。

黄色い薔薇なんて登場したのかよ・・・登場していませんともっ。

つまり、もはやレビューもなんでもありということです。

で、『都市伝説の女・第3回』(テレビ朝日20120427PM2315~)脚本・後藤法子、演出・星野和成を見た。「クローバー」(テレビ東京)では有村架純が「ケンカをしてね、私のために争って~」と河合奈保子と真逆の非道の志を貫いているわけだが・・・音無月子巡査(長澤まさみ)も負けじと我が道を行き、警視庁男子は翻弄されまくるのである。しかし・・・月子は恋を成就したいのか、都市伝説を実感したいのか全く定かではない女です。

まつ毛を右手の人差指に乗せて一息で吹き飛ばせば恋の願いは叶う

という初歩の恋の呪術を勤務中に試す月子だった。

おそらく・・・月子は由緒正しい魔女っ子なのだな。そろそろ魔女になるのだな。

出たい相手からの電話しか受けない・・・のは現代では非通知でなければ可能である。

しかし・・・おそらく・・・月子はたとえ・・・非通知でもそれができると思えます。

結婚式場で・・・自分とそっくりな黒衣の花嫁(釈由美子)を見た花嫁・鮫島美紀(釈由美子)が失踪するという事件発生である。

世の中には自分とそっくりな人が三人存在する

つまり、あれか、新垣結衣と長澤まさみと比嘉愛未みたいなことか・・・そりゃ、あんたが若い女の子の顔の区別がつかないだけでしょうがぁぁぁぁっ。

とにかくテヘ笑いをからめたセリフまわしという新境地を開拓しつつ「都市伝説的事件宣言」をする月子だった。一同唖然である。

しかし・・・花嫁の親友で美容師仲間だった西浦幸恵(黒坂真美)の話では・・・鮫島は確かに自分そっくりな女を見ておびえていたことがあるという。

そして・・・西浦自身もまた鮫島そっくりな女が新郎の丸山(金子貴俊)と一緒にいるところを目撃したというのだ。

さらに・・・あるスナップ写真では本当に鮫島の背後に鮫島そっくりの女が写っていたのだった。

だが・・・新郎の丸山は西浦の話を全否定するのだった。そして・・・鮫島と西浦の仲がうわべは親友同士のように見えて裏では美容師としても女としても張りあっていたと証言する。

「自分は花嫁に逃げられた哀れな男である」と強調する丸山にすでに月子は直感的にロック・オンである。

なにしろ・・・丸山の証言には都市伝説らしさがないのである。

一方・・・西浦の証言には都市伝説的信憑性があるのだった。

ドッペルゲンガー(彷徨う分身)に出会った者は死ぬ

まさに王道の都市伝説である。

芥川龍之介もドッペルゲンガーに出会い死んだ

実にまことしやかな都市伝説なのだった。

丸山が公務員と訊くと・・・月子の興味はただ一点。

中国軍が尖閣諸島占領の暴挙に出た場合、都庁舎が全長243メートルの巨大人型変形合体ロボとなって飛翔、人民軍を殲滅する

かどうかに絞られるのだった。おい・・・ほどほどにしておけよ。消されるぞ。

しかし、この点に関しては完全否定する丸山だった。

鮫島の失踪後・・・親戚などに「捜さないで」のメールが届き、捜査は暗礁に乗り上げる。

しかし、失踪現場に残された血痕など・・・謎は解明されないのである。

そんな、ある日、警視庁鑑識課の勝浦(溝端淳平)は街中で鮫島にほぼそっくりの女を発見する。しかし、視覚情報超記憶のスペックを持つ勝浦には一目でそれが別人と判別できるのだった。擬似ロボット高性能である。

派遣事務員の牧原瞳(釈由美子)には鮫島にはない口元のほくろがあったのである。

結婚式当日は新郎は新婦にあってはいけない

というジンクス・・・都市伝説のために花嫁には会っていないと主張してきた丸山だったが・・・それは偽証だった。

LOVEのオブジェのVとEを構造物に接触せずにすり抜けられたカップルは幸せになる

などという都市伝説を検証しようとした勝浦は月子にそれだけは拒絶されるが、ウェディングドレスで現場検証には同意してくれたので満足する。

やがて都市伝説愛好家の宴では重要なヒントが噂される。

地下鉄には脇線がある

地下には帝都防衛弾丸特急が走っている

地下には秘密の道が通じている

・・・のである。

いい女といいムードになると必ず邪魔が入る

いや・・・それはお前の個人的経験則だろう。

丸山と牧原を呼び出した月子は・・・「三角関係のもつれで・・・二人が共謀して鮫島を殺害して死体は衣装袋に詰め錘の天使の彫像とともに池に沈めた」と断言するのだった。

しかし・・・勝浦の捜索も空しく死体は発見されないのである。

上司である丹内主任(竹中直人)に叱責され・・・「おふたかたにあやまれ」と言われる月子。

舌打ちしながら・・・「ごめんなさい」である。

その直後・・・死体は近隣の湖から発見されたのだった。

凶器はサムシング・フォー(Something Four)の一つ、幸せな結婚生活をしているものから何か借りたもの(Something Borrowed)である親友の鋏だった。

なにかひとつ古いもの

なにかひとつ新しいもの

なにかひとつ借りたもの

なにかひとつ青いもの

四つのものを身に付けた

花嫁きっと幸せに

欧米かっ・・・なのである。ここは日本なので花嫁は不幸になったのですな。・・・おい、全国の結婚式場を敵に回す気か。

「地下でつながっている水系か・・・」

山岳部出身の柴山俊也刑事 (平山浩行)はふとつぶやいて出番を確保したのであった。

「じゃあ・・・第三の女は・・・」

「脳になんらかの障害が発生すると自己像を幻視すると言うけれど・・・自己像は写真には写らない・・・おそらく・・・精神の物質化現象ね」

「オカルトですか・・・」

「いいえ、都市伝説よ」とキッパリと言い切る月子だった。

帝都には月子を称える怪鳥の声が響く・・・。

不実な男により死に追いやられた哀れな女(釈由美子・一人三役)に合掌する月子と勝浦である。

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2012年4月28日 (土)

君と鯛焼きを食べた・・・とまどいトワイライト(竹野内豊)

記憶は連鎖している。

記憶は改竄される。

記憶は・・・曖昧である。

人はそれぞれに何かを覚えているつもりである。

人は何かを忘れていてもふと思い出すことがあると思っている。

多くの人が誰もが忘れられない記憶を持っていると考える。

しかし、そうとは限らないのだな。

そして記憶を失った人は・・・何を失ったのかも思い出せない。

そういうことを想像できる人とできない人がいる。

そういう時に世界は人間が相互理解できないものであるという構造をたちあげる。

日記とか、メモとかは外部記憶である。

自分で書いた覚書で・・・過去が鮮やかによみがえることもある。

しかし・・・メモを見ても全く意味不明のこともある。

日記を読んで過去に戻ることができるのも一つの才能なのだ。

可南子の日記を読んで過去を蘇生できる波留は一つの希望である。

そしてその希望そのものが・・・せつないのだ。

で、『もう一度君に、プロポーズ・第2回』(20120427PM10~)脚本・桐野世樹、演出・村上正典を見た。前期同枠の番組のどうしようもないラブコメと比較すると圧倒的にドラマチックなラブ・ストーリーと言える本作。おだやかに淡々と進む素敵な恋の物語である。ひとつひとつのエピソードはどんなにたわいなくても・・・それをパートナーの一方だけが失っているというシチュエーションがこれだけのせつなさを醸し出すのである。

なぜなら・・・人は失って初めて大切なものに気がつくからだ。

そして・・・このドラマでは記憶を失った方がそれに気づかず、記憶のある方が一方的に気づきまくるのである。・・・これはもうシステムとしてせつないのですな。

ドラマ全般の傾向を見ていると・・・この手の静かな心の揺らぎを穏やかに見せていくという手法が枯渇しつつあると思えるのである。

おそらく・・・視聴率的には苦戦するだろうが・・・どうか、このテイストを結末まで維持してもらいたいと願いたくなる第2話でした。

記憶を無くし、自分の存在を忘れてしまった妻・可南子(和久井映見)・・・。

そんな妻ともう一度恋をしようと決めた波留(竹野内豊)は朝な夕な一時里帰りで療養中の妻の実家・・・谷村家に通うのだが・・・門前払いである。

突如として五年後の未来にやってきてしまった可南子は茫然自失なのである。なにしろ、いきなり五才老化してしまったのだ・・・エイジング・ケア・マニアだったらどうします?なのである。

度重なる事実上の夫の訪問についに顔を見せる可南子。しかし、しかし可南子は「自分のことで精一杯」と答えるのが精一杯なのだった。

波留はやるせない思いを胸に出勤するのだった。

しかし、仕事に身が入らない。事情を知らない同僚たちは「奥さんが退院して激しい嵐の夜に襲われているんでしょう」などと冷かすのだった。

無自覚でありながら「いつかは波留さんに抱かれたい」と思っている吉城桂(倉科カナ)は無自覚な嫉妬で冷かしていた後輩をスパナで打ちたたくのだった・・・してないぞ・・・可南子の弟同様に・・・「波留と可南子の愛」の障害要員なのではあるが・・・前回、指摘した通り・・・邪な描き方は禁物で・・・今回見るかぎり、ギリギリ節度を守っており、安堵である。桂はもちろん、弟の谷村裕樹(山本裕典)の方も「異常」ではなく「せつなさ」を感じさせなければ珠玉の名作になりませんからな。

職場には顔なじみの近所の蕎麦屋のおやじ・梅さん(モロ師岡)が車の修理の依頼にやってくる。

赤のカローラスプリンター。可南子の日記と同様に波留の埋もれた記憶を掘り起こすアイテムである。

可南子の記憶は喪失されているが・・・波留の記憶は忘却されている・・・ということだ。

二人が交際を初めて間もない頃・・・車を持っていないカップルのために蕎麦屋の親父が貸してくれた・・・初めてのドライブに使用された赤いスポーツカーは・・・廃車寸前となっていた。

「おいらのポンコツ・・・エンジンいかれちまった」と梅さん。

波留は猛烈な悲しみに襲われる。

話を聞いた桂は無意識的なうらやましさに突き動かされ饒舌となるのである。

「うらやましいなあ・・・どんなデートをしたんですかあ」

「それが・・・ほとんどなにもしなかったんだ・・・ペーパードライバーのくせにあいつが運転したがったりして・・・運転したらしたで俺は横からいろいろと・・・口出すし・・・どっちかっていうと最悪だったよ・・・」

「いいなあ・・・そういう昔の最悪なデートがあって今の最高のハッピーがあるわけでしょう」

桂は心の奥底の嫉妬にかられつつ・・・それを憧憬に変換して波留とその妻を持ち上げる。

「今」を思えば波留は苦笑するしかないのである。

人も年をとるが家も老朽化する。谷村家のキッチンも五年の歳月を経て・・・水回りにガタがきていた。水漏れする水道さえもが混乱する可南子の心を波立たせる。

母親は娘の戸惑いを察しつつ・・・可能な限り、娘の立ち直りを促そうとしていた。

「いつまでも・・・引きこもっていてはいけないわ・・・病院から紹介された心療内科に行ってみたらどうかしら・・・お母さんもついていってあげるから」

女手ひとつで二人の子供を育てた母の後ろ姿を知っている可南子である。

「大丈夫・・・一人で行けるから」

娘の強がる姿勢にようやく親としての心配の表情を見せる母(真野響子)・・・芸が細かいですな・・・頼りにしている娘が心の病になり・・・実は相当に打ちのめされている母なのである。

心療内科のアドバイスは・・・。

記憶は戻る場合と戻らない場合があります。

なくしたものについてあれこれ思い悩むよりもこれからのことを考えた方がいいのです。

ある意味、金返せ的なアドバイスである。

しかし、保険証抜きの診療代は驚愕の高値なのだった。

保険証の回収という必要に迫られて・・・事実上の自宅である宮本家を訪ねる可南子。

しかし・・・鍵もないのである。どうやら宮本家は賃貸住宅だったらしく、大家さんに合鍵で開けてもらう可南子。

自宅にはいるのに・・・「お邪魔します」的心情である。

室内は男鰥夫に蛆がわく二週間前くらいの惨状だった。

(家事が苦手の人なのかしら・・・私は働きながら・・・主婦もやる女だったのかしら)

そう自問自答しつつ・・・掃除洗濯をする可南子だった。

だが・・・肝心の保険証のありかが分からないのだった。

可南子は置き手紙を書いた。

留守中にお邪魔してすみません。保険証を郵送してください。

そこそこきれいになった見知らぬ家を見て・・・可南子はため息をついた。

夕暮れに帰宅した波留はきれいになった部屋に可南子の気配を嗅ぎ取る。可南子がいれば当たり前だった日常。波留は可南子の携帯電話を呼びだすが・・・新しい機種に戸惑う可南子は携帯を怠っていた。

黄昏時に空しく響く豆腐屋の喇叭の音。

その頃、境界線に踏みとどまる可南子の弟・裕樹(山本裕典)は大手食品会社で大きな仕事を任されてはりきっていた。恋人のシスコン疑惑に悩む増山志乃(市川由衣)だが少し冷たくされた方が燃えるタイプだった。「父親が早く死んで母親や姉に苦労をかけたから恩返しがしたい」という嫁になる身にはゾッとする裕樹の発言も「健気さ」と優しく解釈するのである。

母に言われて見慣れぬ新機種の携帯電話を操作する可南子は波留の着信を確認するが・・・そこへちょうど可南子の勤務先の図書館の大橋館長(杉本哲太)からの着信があった。

一方、波留は「赤い車」の記憶を頼りに・・・可南子の日記に標された「あの日」に帰っていく。

2007年9月16日・・・。

久しぶりにクルマを運転したら、となりには口うるさい教官が乗っており・・・。

そりゃ、ヒートアップしますよ。

失敗しちゃいますよ・・・。

可南子は海辺で赤い車を脱輪させていた。

「車のプロなのに・・・なんとかならないんですか」

「いや・・・これは守備範囲じゃないから」

「いつも自慢してるくせに・・・」

「いや・・・だって図書館の人だってみんながみんな小説書いたりしないでしょ」

「・・・それはそうですね・・・ごめんなさい」

二人はレッカー車を待ちながら・・・腹ごしらえに出かける。

「本当に店なんか・・・あったんですか」

「うん・・・小さな店だけど・・・」

スタスタ歩いていく昔の波留に昔の可南子が言う。

「スポーツとかしてましたか」

「高校までは野球をしてた・・・親父が好きだったからね」

「へー、どんなお父さんでした・・・」

可南子は幼くして父親を失った娘である。

「すごいよ・・・あったら驚くよ」

「えー、あってみたい・・・波留さんに似てるの?」

「いや・・・血がつながってないからね・・・」

「・・・え・・・」

「俺、養子なんだ・・・」

可南子は波留の心に少し触れたような気がする。

「可南子さんは何かやってたの・・・」

「私は・・・」

「本ばかり読んでたんでしょ・・・」

「それってバカにしてます・・・」

「いや・・・そんなことないよ・・・」

「うちの図書館にだって25万冊あるんですよ。毎日一冊読んでも、一年で365冊、十年で3650冊、百年で36500冊・・・一生かかっても読み切れないんですよ」

「そうなんだ・・・」

「だから・・・本を読むために他のことなんかしてる時間はないんですよ」

まあ、一日100冊読めば百年で3650000冊読めるわけだが・・・。

そして、二人は鯛焼き屋にたどり着く。

二人は昼下がりの海岸で鯛焼きを食べたのだった。

はじめてのドライブ・・・。

それをなつかしく思うのが自分だけである「今」を波留はうらめしく思う。

翌日・・・可南子は図書館で館長と面会する。

「それじゃあ・・・タイムスリップしたみたいな気分なの」

「ええ・・・だからといって昨日まで五年前だったというのとは違うんです・・・だって館長、五年前のことなんて・・・それほど鮮明に覚えていらっしゃらないでしよう・・・」

「なるほど・・・なにもかも霧がかかったみたいな感じかな・・・」

「そうなんですよ・・・」

「で・・・いつから・・・復帰できるの・・・」

「あの・・・私・・・退職させてもらいたいと・・・」

「え・・・そうなの」

可南子は不安だった。可南子の後輩職員は可南子の知らない女性だった。新人の男子にいたってはまったくどう接していいのかわからない。顔なじみだった幼稚園児は小学生になっているし・・・館長にはいつのまにか三歳の孫がいて、孫に「くそじじい」と呼ばれている・・・浦島太郎だわ・・・と可南子は思うのだった。

私はそんなにSF好きじゃないのに・・・と可南子は考える。

可南子は図書館の入り口で「朗読会のお知らせ」を手に取る。

可南子の記憶にはない・・・新しい催しものだった。

そこへ・・・波留が健康保険証を届けにやってくる。

「家に寄ったら・・・こっちだと聞いて・・・あの・・・家のこと・・・いろいろありがとう・・・」

「いえ・・・迷惑かけていますから・・・」

「図書館の仕事・・・やめちゃうの・・・」

「・・・」

「どうして・・・」

「どうしていいのかわからないんです」

「いや・・・ただ・・・もったいないなと思って・・・図書館の仕事、好きだったでしょう」

「・・・」

可南子の心に幽かに動くものがあった。

そんなある日、ミズシマオートの整備士である桂はおつかいの途中で・・・可南子に遭遇する。二、三度会っただけの桂だったが・・・潜在的な恋敵である可南子のことを見逃さない桂である。二人のデートの話を聞き・・・可南子がどう思っているのか・・・聞き出したかったのである。

そういう好奇心で可南子をお茶に誘った桂は・・・宮本夫妻に起きている深刻な事態を聞かされ、胸がいっぱいになってしまったのである。

(えー)(そんなに大変なことに)(先輩は一言も)(なぜ隠すのかしら)(それじゃあ二人は別居中)(仲睦まじいなんて)(ひやかして)(先輩を傷つけた)(恥ずかしい)(それじゃ)(自己嫌悪)(それじゃ)(私ったらあさはか)(それじゃあ)(先輩は)(現在)(独り暮らし)

清濁併せて頭の沸騰する桂だった。

そして・・・桂は自分の気持ちに気づかぬままに・・・波留を飲みに誘うのだった。

「私・・・偶然、奥さんにあって・・・聞いちゃったんです」

「そうか・・・みんなには言うなよ・・・心配かけたくないから・・・」

「はい・・・私・・・先輩のためなら・・・なんでもしますから・・・洗濯とか・・・掃除とか・・・そうだネギ入りカレーとか作りますし・・・」

本人、全く悪気がないのでご容赦ください。

泥棒猫とか、泥棒カメ、泥棒エリートヤンキーとか後ろ指はやめてください。

あくまで・・・純粋に先輩想いなだけで・・・その先に色々あってもいいかな・・・と思っている程度ですからーーーっ。

桂のそんな気持ちはさておき・・・波留の心にあるのは

どうしていいかわからない

という可南子の言葉。

一方、宮本家では可南子の母と弟が話し合う。

「それじゃ・・・姉さんがあっちに戻った方がいいって言うの・・・」

「できれば・・・そうなってほしいけど・・・どちらにしろ・・・可南子にはもう一度、独り立ちしてもらいたいの」

「だけど・・・」

それじゃ・・・また姉さんに甘えられなくなっちゃうという弟の本心は別として可南子の心にあるのは

もったいないと思うな。好きでしょ・・・図書館の仕事

という波留の言葉なのである。

朗読会の催しの日・・・図書館を訪れた可南子。

「こんなに盛況なんですね・・・館長・・・御苦労さまでした・・・」

「何、言ってるんだ・・・この朗読会をここまで盛り上げたのは・・・みんな君の努力の賜物じゃないか」

「そ、そうなんですか・・・」

可南子は・・・その時、はじめて・・・自分が忘れてしまった過去五年間の自分というものを愛しく感じたのである。

その頃、波留は養父(小野寺昭)のいる実家を訪れていた。

そこには養父と波留の思い出の鯛焼き器があった。

赤い車のデートの日・・・二人はこんな話をしたのだ。

「うちの鯛焼き器・・・鯛焼きがカップルで焼けるんだ」

「うそ・・・」

「本当だよ・・・いつか焼いてやるよ」

結局・・・それきりだったのだ。

波留はそれを・・・実現しようと思ったのだ。

しかし・・・図書館ではすれちがってしまう二人。

けれど・・・可南子から電話がかかってくる・・・。

二人を結ぶ豆腐屋の喇叭の音。

黄昏時の魔法が・・・二人を再会させるのである。

黄昏は人々から歳月の流れを奪う機能があります。

秘密の鯛焼きを懐に・・・波留は足早に・・・可南子の元へ急ぐのだった・・・。

「私・・・図書館で・・・また働くことにしました」

「そう・・・よかった」

「あの・・・べつにあなたに言われたから・・・とかではないのです」

「うん」

「ところで・・・それはなんですか」

「これ・・・あげる」

「えー、なんですか・・・これ」

「ウチの鯛焼き器、型が壊れてて二匹がくっついて焼けちゃうんだ・・・よく・・・親父がつくってくれたんだ・・・野球の試合のときなんかにね・・・そして」

頑張りタイお前には応援しタイ俺がついている

「・・・なんてバカなことを言うんだよ」

「えー・・・それってなんか感動するー」

鯛焼きを仲睦まじく分け合って食べる二人。

二人はたそがれの黄金色に包まれるのだった。

そんな二人を偶然見たのはネギカレーの材料を持ち・・・ネギカレーを波留のためにつくりに来た桂である。

桂は微笑んで・・・それからネギを見てようやく・・・自分がちょっとせつないことに気がつくのだった。

まあ・・・いつか壊れるものをなおすのもビジネス(水嶋哲夫=光石研)ですからねえ。

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天使テンメイ様のもう一度君に、プロポーズとあしたの、喜多喜男は不思議と似ている

Mako002 ごっこガーデン。黄昏広場。まこギャボーーーーっ。笑いすぎたあと、ふときがぬけて、指でもてあそぶタイヤキひとつ~。ナツメロすぎて知りましぇーーーーん。じいやーーーっ。タイヤキおかわりデス。竹しゃまと二人、タイヤキ祭りです。ひとつふたつは面倒なので四つ八つ1ダースでどんどん焼きたてまつれええええっ。この後は真っ赤な車で~を歌いながらはじめてのドライブごっこをしますよ~。今回は最初から脱輪しているのでコースアウトも思いのままでしゅか~くう今週はまだ記事書いてないけど・・・とりあえず・・・鯛焼きは食べていきます

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2012年4月27日 (金)

たらしこむ・・・ってゲゲゲ(向井理)に富江(酒井美紀)でWの悲劇(谷村美月)

・・・あぶなく・・・「令嬢とズベ公・・・飛鳥時代かっ(武井咲)」になりかけたな。

ベタベタなリメイクだけど・・・固すぎるセリフまわしは別として・・・身体をまあまあ張る武井咲がそこそこいい味だしてましたな。

一人二役は両刃の剣ですが・・・何をやっても薬師丸ひろ子ぐらい個性的な方が逆に落差は見せやすいのかも。などと妄想いたしました。

令嬢と近親相姦、ズベ公と売春殺人のあたり、やったのかやってないのか・・・あやふやなところが微妙といえば微妙ですな。「殺されるようなことをしたら殺される」・・・このあたりの倫理観で勝負するプロデューサー不在のこの世というものですな。・・・プロデューサー失格だろっ。

「限りなく疑わしい無罪」の男に「どうみてもやってますよね、悪党面だもの」ぐらい言うコメンテーターも不在ですけれども~。・・・言えるかっ。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第4回』(日本テレビ20120426PM2358~)原作・安田依央、脚本・西田直子、演出・遠藤光貴を見た。お胸とおみ足で勝負している深夜の女優と一人二役で自分の声も聞こえない崖っぷちで対話する女優・・・まさに芸能界Wの悲劇である。それにしても、武井咲(オスカー)主演で、助演に福田沙紀(オスカー)、剛力彩芽(オスカー)、森田彩華(オスカー)・・・って国民的美少女コンテストの同窓会かいっ。

さて、やや、勧善懲悪的な流れではあるが・・・男と女の暗くて深い河も描く今回。まあ、魚心あれば水心という考え方もございます。

町工場でネジを作る石川夫妻・・・妻のエリ(酒井)は派遣社員として取引先の大企業「ニチシバ」で働いていた。

そのためにとある式典に参加できないエリに代わって夫の吾朗(野間口徹)と夫婦を演じるマキ(谷村美月)であった。しかし、式典会場で吾朗は・・・ニチシバの上司である菅原部長(近江谷太朗)と一緒にいるエリを目撃してしまう。

大口の取引先であるニチシバの窓口でもある菅原部長との仲をこじらせたくない吾朗は疑惑を募らせながら・・・口を閉じる。

そして・・・マキに・・・菅原部長を誘惑して・・・妻と菅原部長の交際を破綻させてほしいと新たな依頼をするのであった。

しかし、マキは菅原部長の好みのタイプではないらしく・・・作戦は失敗。

そこでORコーポレーションでは松平(段田安則)、水鳥(山本耕史)、藤ミネコ(白羽ゆり)が作戦会議を開く。オペレーション「隣の芝生は青い」発動である。早速、マキの夫役として水鳥が出動・・・ではなくて・・・秘密兵器の投入である。

その人は白田(向井理)だった・・・なにやってんだよ。

「人妻・・・他人のもの・・・」となるとたちまちムラムラする菅原部長だったが・・・なかなか陥落しない石川の妻への執着の方が強い。

マキはそこで・・・石川の妻エリが浮気をしているのではなく、夫のために菅原部長のパワハラに耐えていることを知るのであった。

そのことをエリの夫に伝えるが・・・煮え切らない夫の吾朗。下請け企業としての工場を守るためには妻を人身御供に差し出す覚悟である。

「なんじゃあそりゃあっ」と義憤に燃えたマキはお約束のシャワーシーンである。

「たぶらかしワールド」の磁場により、エリは部長にお尻触られまくりなであるが、立場を利用した部長の嫌がらせはエスカレートするばかり・・・ついに貞操の危機となる。

そこへ乗り込んだマキは肉弾攻撃で奴隷アタック。

支配欲の強い部長は相手が弱みを見せるとたちまち、本性をむき出しにするのである。

「お前ら虫けらは俺のなすがままになればいいんだよ。抱いてくださいと言ってみろ」

「だ・・・抱いてください」

屈辱に身を焦がすエリになりきったマキである。

そのやりとりは夫の吾朗に盗聴されていた。

吾朗はついに怒りに我を忘れる・・・。

「ふざけんな・・・俺の女房になにをしやがるっ」

「なんだと・・・」

しかし、そこにエリが登場。

「あなた・・・叱るなら・・・もっと早く叱ってほしかった・・・」

「お前・・・」

ドロドロである。

しかし・・・女二人になった時・・・マキはエリに一本のネジを見せる。

「このネジは幸せものでしょ・・・お父さんにもお母さんにも愛されて・・・」

ネジは鎹(かすがい)じゃありません。

しかし・・・マキの言葉に動かされ・・・夫の元へ戻るエリだった。

どんな会社のどんなポストにも社員を潜り込ませることのできる謎の組織ORコーポレーションである。マスコミに手をまわして部長のパワハラ履歴を暴露。部長は職を失ったのである・・・また儲からないことを・・・。

まあ、今回、なんだかとっても水戸黄門だったが・・・凄いゲストに目を奪われてごまかされちゃいましたっ。

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2012年4月26日 (木)

案外、楽しかったようだな(鈴木福)・・・はい(本田望結)

・・・そこかっ。

だって谷間なんですもの。

もう、なんていうか・・・超絶ゆるゆる深夜ドラマだよな。

ここまできたのか感は半端ないです。

まあ・・・お年寄りは幼児に弱いからな。

すぐに、知らない子の頭を撫でちゃいますしね。

・・・っていうか、今回、特別に二本立てになります。

まあ・・・「家族八景」の跡地ということに敬意を表しておくか・・・。

誰と誰が話し合っちゃってんだよお。

で、『コドモ警察・第2回』(TBSテレビ20120425AM0055~)脚本・演出・福田雄一を見た。実はこの脚本家のドラマはよく見ている。休眠中も「勇者ヨシヒコと魔王の城」(テレビ東京2011年)を毎週楽しみました。あろうことか・・・久しぶりにドラクエもやってしまったほどだ・・・なんじゃそりゃ。まあ、深夜でなんだかんだやっていれば・・・こんなに楽しめるクリエイターはそんなにいないんだよな。

今回はまるで名探偵コナンが高校生から小学生にされてしまったように・・・謎のクスリで・・・西部警察か太陽にほえろ的に優秀だった刑事たちがチーム丸ごと低年齢化してしまうというアイディアでガンガン押しまくります。

で、50才のデカ長・大沼茂が鈴木福(7)になってしまうのですな。いや、鈴木福演じる小学生の大沼茂に・・・なんですが。

で、マイコこと・・・女刑事・林舞子(30)が家政婦のミタの希衣役でおなじみ本田望結である。

この他にナベさん(鏑木海智)、鬼のイノさん(青木頸都)、スマート(秋元黎)、エナメル(相澤侑我)、ブル(竜跳)などの敏腕刑事たちがいるが全員、幼児になっちゃってます。

そのために・・・夜になると眠くなっちゃうし、公園に行けばブランコに乗りたくなっちゃうし、遊園地に爆弾でもしかけられたりいれば・・・もうはしゃいじゃいます。

そんな中・・・活躍するのが新人刑事で渾名がまだない国光信(勝地涼)です。特に今回は遊園地でジャック・スパロー風に変装するのですが・・・これがそっくりなんだな。

犯人に人質にとられたマイコを助けたデカ長が・・・監禁場所のピザの食べ残しを見て・・・思わずつぶやくのが今回のタイトルです。もう・・・そのまま・・・タイトルというミもフタもない展開でございます。

犯人逮捕でお手柄の・・・国光信刑事はニックネームが「お手柄」に決定。

「えー、そんな失敗しても誉められてるみたいで困りますよ~」なのであった。

「いいじゃないか、お手柄」「そうだぞ、お手柄」「よろしくな、お手柄」なのであった。

まあ・・・とにかく、オンエアで見れば、ぐっすり眠れそうなんだよな。

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東京DOGS

1ポンドの福音

キングコングの動物図鑑

で、『今日は一日“帰ってきたアニソン”三昧』(NHK-FM20100505AM0920~)を聴いた。ラジオ番組である。これは・・・知る人ぞ知るお祭り番組なのである。前回の『今日は一日アニソン三昧ファイナル』(NHK-FM0812310915~0901010030)をレビューしているので、いつか書こうと思っているうちに休眠したり、なんだかんだでもうすぐ二年なのである。で、せめて・・・リクエスト曲のリストアップだけはしておきたいと考えたのである。次がいつになるのかは不明だが・・・帰ってきた以上、またやると思うのだな。ま、リクエストの選曲の際の参考にしてもらいたい。

尚、公式はコチラである→今日は一日“帰ってきたアニソン”三昧

それでは・・・行きます。

001. オラはにんきもの / のはらしんのすけ [クレヨンしんちゃん]

002. がんばれドカベン / こおろぎ'73 [ドカベン]

003. Step / a・chi-a・chi [魔神英雄伝ワタル]

004. 忍者ハットリくん / 堀絢子、コロムビアゆりかご [忍者ハットリくん]

005. できるかなって☆☆☆ / ゆの(阿澄佳奈),宮子(水橋かおり)、ヒロ(後藤邑子)、沙英(新谷良子) [ひだまりスケッチ×☆☆☆]

006. 狼少年ケン / 西六郷少年少女合唱団 [狼少年ケン]

007. ワンダースリー / ボーカル・ショップ [W3(ワンダースリー)]

008. 鉄人28号 / デューク・エイセス [鉄人28号]

009. ヤッターマンの歌 / 山本正之、少年少女合唱団みずうみ [ヤッターマン]

010. ミッドナイト・サブマリン / HARRY [未来警察ウラシマン]

011. Breakin' through / 喜多修平 [PERSONA - trinity soul -]

012. 夢光年 / 影山ヒロノブ、こおろぎ'73 [宇宙船サジタリウス]

013. STORIES / 喜多修平 [ミラクル☆トレイン〜大江戸線へようこそ〜]

014. Faze to love / 橋本みゆき [ガンパレード・オーケストラ]

015. バカ・ゴー・ホーム / milktub [バカとテストと召喚獣]

016. デリケートに好きして / 太田貴子 [魔法の天使クリィミーマミ]

017. Glossy:MMM / 橋本みゆき [咲 -Saki-]

018. キン肉マンGo Fight! / 串田アキラ [キン肉マン]

019. 鉄腕アトム / 上高田少年合唱団 [鉄腕アトム]

020. ゆけゆけ飛雄馬 / アンサンブル・ボッカ [巨人の星]

021. アタックNO.1 / 大杉久美子 [アタックNO.1]

022. 行け!タイガーマスク / 新田洋・スクールメイツ [タイガーマスク]

023. 魔法使いサリー / スリーグレイセス [魔法使いサリー]

024. 深愛 / 水樹奈々 [WHITE ALBUM]

025. 溝ノ口太陽族 / manzo [天体戦士サンレッド]

026. 君の知らない物語 / supercell [化物語]

027. ゲームセンターあらし / 水木一郎 [ゲームセンターあらし]

028. 勇者王誕生! / 遠藤正明 [勇者王ガオガイガー]

029. STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜 / 川添智久 [機動戦士Vガンダム]

030. FLYING IN THE SKY / 鵜島仁文 [機動武闘伝Gガンダム]

031. JUST COMMUNICATION / TWO-MIX [新機動戦記ガンダムW]

032. DREAMS / ROMANTIC MODE [機動新世紀ガンダムX]

033. 焔の扉 / FictionJunction YUUKA [機動戦士ガンダムSEED DESTINY]

034. DAYBREAK'S BELL / L'Arc〜‎en〜‎Ciel [機動戦士ガンダム00]

035. My Soul, Your Beats! / Lia [Angel Beats!]

036. 鳥の詩 / Lia [AIR]

037. 千本千女の刃毬唄 / 畑亜貴 [刀語]

038. 盗んだハートはココですよ? / 小倉唯 with ぷるぷるいゃ〜ん [怪盗レーニャ]

039. 銀河鉄道は遥かなり / ささきいさお [銀河鉄道物語]

040. 冒険でしょでしょ? / 平野綾 [涼宮ハルヒの憂鬱]

041. 宇宙大シャッフル / LOVE JETS [ちびまる子ちゃん]

042. アンパンマンのマーチ / ドリーミング [それいけ!アンパンマン]

043. ハクション大魔王の歌 / 嶋崎由理 [ハクション大魔王]

044. ゲゲゲの鬼太郎 / 熊倉一雄 [ゲゲゲの鬼太郎]

045. すきすきソング / 水森亜土 [ひみつのアッコちゃん]

046. Agape / メロキュア [円盤皇女ワるきゅーレ]

047. 失われた伝説(ゆめ)をもとめて / アンディ [機甲創世記モスピーダ]

048. ガリアン・ワールド -Run For Your Life- / EUROX [機甲界ガリアン]

049. 夢色チェイサー / 鮎川麻弥 [機甲戦記ドラグナー]

050. ときめきトゥナイト / 加茂晴美 [ときめきトゥナイト]

051. 氷の上に立つように / 小松未歩 [名探偵コナン]

052. My Secret / 水野佐彩 [会長はメイド様]

053. 残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子 [新世紀エヴァンゲリオン]

054. 魂のルフラン / 高橋洋子 [新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生]

055. Beautiful World / 宇多田ヒカル [ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序]

056. やるぞ一発!野球道 / 千葉由美、ヤング・フレッシュ、こおろぎ'73 [一発貫太くん]

057. エッちゃん / 増山江威子 [さるとびエッちゃん]

058. おじゃまんが山田くん / こおろぎ'73 [おじゃまんが山田くん]

059. ブルーウォーター / 森川美穂 [ふしぎの海のナディア]

060. ゆずれない願い / 田村直美 [魔法騎士レイアース]

061. 炎のさだめ / TETSU [装甲騎兵ボトムズ]

062. 恋は突然 / 堀江美都子 [愛してナイト]

063. タッチ / 岩崎良美 [タッチ]

064. 摩訶不思議アドベンチャー! / 高橋洋樹 [ドラゴンボール]

065. CAT'S EYE / 杏里 [キャッツ・アイ]

066. 愛をとりもどせ!! / クリスタルキング [世紀末救世主伝説 北斗の拳]

067. ラムのラブソング / 松谷祐子 [うる星やつら]

068. 私はマチコ / 今田裕子 [まいっちんぐマチコ先生]

069. 天使の絵の具 / リン・ミンメイ(飯島真理) [超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか]

070. ...だけどベイビー!! / ミレーヌ‧ジーナス(Chie Kajiura) [マクロス7]

071. 愛・おぼえていますか / ミレーヌ‧ジーナス(櫻井智) [マクロス7]

072. 射手座☆午後九時 Don't be late / シェリル・ノーム(starring May'n) [マクロスF]

073. アナタノオト / ランカ・リー(中島愛)[マクロスF]

074. プラチナ / 坂本真綾 [カードキャプターさくら]

075. デフォルトの笑顔 / MAICO(丹下桜) [MAICO2010]

076. Poo / Neko Jump [あにゃまる探偵キルミンずぅ]

077. Be My Angel / 榎本温子 [機動天使エンジェリックレイヤー]

078. 天使のゆびきり / 福田舞 [彼氏彼女の事情]

079. ガンバランスdeダンス〜咲&舞version / 日向咲&美翔舞withフラッピ&チョッピーズ [劇場版「ふたりはプリキュア Splash☆Star チクタク危機一髪!」]

080. おどるポンポコリン / B.B.クイーンズ [ちびまる子ちゃん]

081. ムーンライト伝説 / DALI [美少女戦士セーラームーン]

082. 君が好きだと叫びたい / BAAD [スラムダンク]

083. 微笑みの爆弾 / 馬渡松子 [幽☆遊☆白書]

084. わぴこ元気予報! / 内田順子 [きんぎょ注意報!]

085. REALOVE:REALIFE / sphere [いちばんうしろの大魔王]

086. ガーネット / 奥華子 [映画「時をかける少女」]

087. DAYS / FLOW [交響詩篇エウレカセブン]

088. Future Stream / sphere [初恋限定。]

089. STRIKE WITCHES〜わたしにできること〜 / 石田耀子 [ストライクウィッチーズ]

090. 浪漫ちっくストライク / 鈴川小梅(伊藤かな恵)、小笠原晶子(中原麻衣)、川島乃枝(植田佳奈)、宗谷雪(能登麻美子) [大正野球娘。]

091. オレンジ / 逢坂大河(釘宮理恵)、櫛枝実乃梨(堀江由衣)、川嶋亜美(喜多村英梨) [とらドラ!]

092. BEAM my BEAM / ひまりんこ・L・しずくえす [おまもりひまり]

093. 遠い匂い / YO-KING [銀魂]

094. 約束はいらない / 坂本真綾 [天空のエスカフローネ]

095. STORM / JAM Project featuring 水木一郎,影山ヒロノブ [真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ]

096. For フルーツバスケット / 岡崎律子 [フルーツバスケット]

097. きらきらキララ☆彡/ うちやえゆか [おねがい♪マイメロディ きららっ★]

098. DANZEN!ふたりはプリキュア Ver.Max Heart / 五條真由美 [ふたりはプリキュア]

099. しあわせの予感 / うちやえゆか [家なき子レミ]

100. 夢にエール!パティシエール♪ / 五條真由美 [夢色パティシエール]

101. euphoric field / ELISA [ef - a tale of memories.]

102. Real Force / ELISA [とある科学の超電磁砲]

103. パタリロ! / 藤本房子 [パタリロ!]

104. ストップ!!ひばりくん! / 雪野ゆき [ストップ!!ひばりくん!]

105. ウィーアー! / きただにひろし [ONE PIECE]

106. ハム太郎とっとこうた / ハムちゃんず [とっとこハム太郎]

107. 夢を信じて / 徳永英明 [ドラゴンクエスト]

108. ハッピー☆マテリアル / 麻帆良学園中等部2-A [魔法先生ネギま!]

109. Butter-fly / 和田光司 [デジモンアドベンチャー]

110. 曇天 / DOES [銀魂]

111. mind as Judgment / 飛蘭 [CANAAN]

112. デタラメな残像 / GRANRODEO [BLASSREITER]

113. Tsubasa / 朝倉ゆかり [バトルアスリーテス大運動会]

114. only my railgun / fripSide [とある科学の超電磁砲]

115. アンバランスなkissをして / 高橋ひろ [幽☆遊☆白書]

116. 渇いた叫び / FIELD OF VIEW [遊☆戯☆王]

117. 天地無用 / SONIA [天地無用!]

118. アンインストール / 石川智晶 [ぼくらの]

119. ライオン / シェリル・ノーム starring May'n、ランカ・リー(中島愛) [マクロスF]

120. 創聖のアクエリオン / AKINO [創聖のアクエリオン]

121. ハナマル☆センセイション / Little Non [こどものじかん]

122. 愛のメディスン〜アニサマバージョン〜 / 桃井はるこ [ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて]

123. GO!GO! MANIAC / 放課後ティータイム [平沢唯・秋山澪・琴吹紬・田井中律・中野梓 (CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩菜)] [けいおん!!]

124. 林檎もぎれビーム! / 大槻ケンヂと絶望少女達 [懺・さよなら絶望先生]

125. Crow Song / Girls Dead Monster [Angel Beats!]

126. ラッキーマンの歌 / 八代亜紀 [とっても!ラッキーマン]

127. 正調おそ松節 / 細川たかし [おそ松くん]

128. 知恵と勇気だ!メダロット / 竹内順子 [メダロット]

129. ダンバイン とぶ / MIO [聖戦士ダンバイン]

130. 夢の島思念公園 / 平沢進 [妄想代理人]

131. 勇者ライディーン / 子門真人、コロムビアゆりかご会 [勇者ライディーン]

132. ラブ・ラブ・ミンキーモモ / 小山茉美 [魔法のプリンセス ミンキーモモ]

133. Get Wild / 緒方恵美 [シティハンター]

134. エイトマンのうた / 克美しげる [エイトマン]

135. はじめ人間ギャートルズ / ザ・ギャートルズ [はじめ人間ギャートルズ]

136. レオのうた / 弘田三枝子、コロムビア女声合唱団 [ジャングル大帝]

137. お先にシルブプレ / 彩井高校GA girls [GA 芸術科 アートデザインクラス]

138. チャージマン研! / ひばり児童合唱団 [チャージマン研!]

139. the 2nd.round [スクライド]

140. 旅立ちの鐘が鳴る / 酒井ミキオ [スクライド]

141. 止マレ! / 涼宮ハルヒ(平野綾)、長門有希(茅原実里)、朝比奈みくる(後藤邑子) [涼宮ハルヒの憂鬱]

142. 〜infinity〜∞ / 林原めぐみ [ロスト・ユニバース]

143. Wild Flowers / RAMAR [ゾイド-ZOIDS-]

144. バビル2世 / 水木一郎、コロムビアゆりかご会 [バビル2世]

145. 侍ジャイアンツ / 水木一郎 [侍ジャイアンツ]

146. ルパン三世 愛のテーマ / 水木一郎 [ルパン三世]

147. おれはグレートマジンガー / 水木一郎、コロムビアゆりかご会 [グレートマジンガー]

148. マジンガーZ / 水木一郎(生唄) [マジンガーZ]

149. 約束の場所へ / 米倉千尋 [カレイドスター]

150. Red fraction / MELL [BLACK LAGOON]

151. ♪おジャ魔女でban2 / MAHO堂 [おジャ魔女どれみ]

152. バリバリ最強NO.1 / FEEL SO BAD [地獄先生ぬ〜べ〜]

・・・ふう。ちなみに赤いほど過去に・・・青いほど現在に近い選曲になっています。

あなたの心のアニソンはございましたでしょうか・・・。

次は・・・いつになるのか・・・心の底から楽しみでございます。

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2012年4月25日 (水)

アレは故意でした・・・私はクソ音痴じゃありません(新垣結衣)

故意か、偶然か・・・創作におけるシンクロニシティは悪魔のなせる些細な悪戯である。

つまり・・・妄想ということである。

世界で一番有名なネズミも孤独な創作家のラッツ・イン・マイ・キッチンなのである。

著作権が保護されると同様に引用も保護されている。

著作者の死後50年以上経過した著作物には著作権の保護はないが、引用の場合は概ね「引用する分量を抑えなければならない」という制限がつく。

どの程度、抑えるか・・・ここがグレー・ゾーンであることは言うまでもない。

しかし、「法」である以上、そこには抜け穴が存在する。

創作活動が命がけの行為である場合、金銭的解決以外の道があることは喜ばしいことである。

まあ、例によって、キッドの場合は妄想が責任を転嫁いたしますよ。

で、『リーガル・ハイ・第2回』(フジテレビ20120424PM9~)脚本・古沢良太、演出・石川淳一を見た。前回のラストで最大の顧客を失った古美門研介(堺雅人)弁護士事務所・・・経費削減を迫られるが、一度も通っていないスポーツ・ジム、一向にうまくならないヴァイオリンのお稽古、運転免許がないのに所有している高級外車、海が大嫌いなのに所有している豪華クルーザー・・・どれも失えないものばかりなのであった。

「全部、必要ありません・・・」と新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)が説教しても今日、耳日曜なのだった・・・平安時代かっ。

そこで黛が開拓してきた仕事が・・・「著作権侵害訴訟」である。

盗まれたのはパンクロッカー・荒川ボニータ(福田沙紀)&ジャンゴジャンゴ東久留米(窪田正孝)による自爆魂の楽曲「Don't Look Back」である。

盗んだのは大ヒット曲「あれは恋でした/柊しずか(友近)」を作詞作曲した葛西サトシ(鶴見辰吾)である。

もちろん、日本のモーツァルトと呼ばれる葛西の顧問弁護士は、古美門と黛の古巣・三木長一郎弁護士事務所の三木弁護士(生瀬勝久)なのである。

宣戦布告のために葛西と三木が美酒に酔う高級クラブに乱入した古美門は・・・美酒を奪い取る。

その美酒を運んできたのが・・・真加出ではなくて謎の女・シャルロット松戸((小出)早織)である。犯人はあなたでしょう・・・と銭形雷や時効警察の好きな人は万歳三唱なのである。

メロディーラインの類似性は33.8%ぐらいだったために、古美門は「類似性ではなく、依拠性で勝負する」という戦略を立てる。

そのために・・・葛西の「あれは恋でした」が・・・ボニータの「Don't look back」なくしては誕生しなかったことを証明する必要があった。

そして・・・葛西が複数のゴーストライターを使用しており・・・その一人に・・・ボニータの昔のバンド仲間・・・シャルロットがいることをつきとめる。

彼女に証言してもらわなければ・・・ピンチなのである。なぜなら黛は音痴だし・・・法廷に乱入してジャンゴジャンゴ東久留米がライブしたのが・・・

俺たちは哀れな小鳥だ

法廷という虚構の檻に閉じ込められて

裁判官というクソじじいにバンバンバン

いたぶられてバンバンバン

・・・などという歌で裁判長の心証を著しく害したのである。そんな歌じゃなかっただろう・・・再現性はあえて低く設定しています。

とにかく二つの曲を比較してみよう。

幸せの意味知らないわたし

教えてくれたのはあなた

かなうなら鳥になって飛んで行き

あなたによりそっていたい

ふりかえればそこにある

あれは恋でした

今なら言える

あれがあれだけが恋でした

・・・これが「あれが恋でした」・・・そして「Don't Look Back(ふりかえるな)」は・・・。

あーっあーっあーっ

今すぐ蝙蝠になり

お前の血を吸いつくしてやる

ふりかえるな

恋なんかじゃねえ

性欲の錯覚だ

あんなもん恋じゃねえ・・・恋じゃねえ

古美門は「世界観がそっくりです」と断言し、思わず頷く裁判長だった。

要するに・・・ボニータに曲作りを教えたシャルロットはボニータの才能に嫉妬し自滅した果てに・・・「イチゴ茶漬け」や「トリケラザウルス」で自分を買ってくれた葛西に・・・「Don't Look Back」をヒントにして作った「あれは恋でした」を売りつけたのである。

「曲は私の子供のようなもの・・・自分の子供がいつの間にか他人のものになっていることがどうして許せるでしょうか」

ボニータの魂の叫びに裁判長の心は大きく動くのであった。

何よりも心を動かされたのは被告である葛西だった。

葛西は和解を申し出た。

「Look Back In Anger」(怒りをこめてふりかえれ)・・・ジョン・オズボーンの戯曲的に熱くなったボニータであるが・・・シャルロットの作った「あれが恋でした」に情がうつってしまい・・・「Don't Look Back In Anger」(水にながそう)・・・oasis の楽曲的な気分になるのである。

ボニータは和解に応じるのだった。

「君たちは馬鹿か・・・お、俺の二隻目のクルーザーをどうしてくれる・・・」と古美門は激昂するが・・・パンクな娘たちと両親と黛は豆乳で乾杯するのである。

どうやら・・・古美門はクルーザーも三隻揃えないとステータスにならないと確信しているらしい。

ところで・・・二人はいつ・・・巨大化するんだ。

そして見上げれば黛のヒップラインがセクシーなタイト・スカートの中身は見えるのか。

変態かっ・・・変態です。

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2012年4月24日 (火)

殺ったのは彼女(福田麻由子)じゃないよ(戸田恵梨香)

事件はいつ始まったのか・・・と言う問題がある。

中学校の科学教師・高澤芳男(高嶋政宏)が資産家の娘・会田みどりと結婚した時か・・・。

それとも・・・みどりの前の夫が死んだ時か・・・。

それとも・・・みどりの両親が死んだ時か・・・。

高沢芳男・・・何人、殺しているんだ?

明らかに殺人鬼である高澤芳男の犯罪はもう少し・・・徹底的に暴かないと・・・いつか娑婆に出てくるぞ。

ま、フィクションだけどな。

で、『鍵のかかった部屋・第2回』(フジテレビ20120423PM9~)原作・貴志祐介、脚本・相沢友子、演出・松山博昭を見た。今回は最後の謎解きというかダメ押しを芹沢弁護士(佐藤浩市)がしなかったわけだが・・・お約束の展開じゃなかったのか・・・ま、主役の領分というものがあるしな。青砥純子(戸田恵梨香)は今回は完全に・・・必ず騙される女、ライアー・ゲームのナオちゃんでしたな。『ATARU』第2話では警視庁で蛯名巡査部長(栗山千明)が毒物としてのジギタリスの成分照合について沢警部補(北村一輝)と話し合っている背後の廊下で当麻として瀬文(加瀬亮)と共に通り過ぎ、蛯名が吹いちゃっているわけだが。

ドアには鍵がかかっています・・・

またもや・・・密室の説明をして暗転である。この録画設定失敗ドッキリは心臓に悪いぞ。

朝・・・目覚めると・・・空き巣に寝室のベランダの鍵をガラスカッター使用によって破られ・・・高級時計のコレクションを盗まれてしまう芹沢・・・。

すべての時計所有者が時計を盗んだ犯人に見える心の病に・・・

すべての人間を信じる青砥と、すべての人間を疑う芹沢・・・どちらがボケなのかは見る人のポジションで変容するのである。

早速、やってきた東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)である。マンションの最上階がいかに無防備かを芹沢に説明するのであった。

安心できる防犯システムの設営費用は300万円・・・

「盗まれた時計の値段より安いはずです」

レタス入りホットドッグとスープカレーを食わせておけば事件を解決するATARUの方がリーズナブルかもしれない。・・・他のドラマをまぜるのはそのくらいにしておけよ・・・だってタイトルがすでに「白夜行」・・・。それよりネタバレすぎるだろ・・・ふっ、何をいまさら・・・。

しつこいようですが・・・このブログはあくまでキッドの妄想でございますので。

前回の「密室殺人事件」の解明についての謝礼に言及する青砥。

しかし、榎本はサービスにはサービスで・・・とただより高いものはない的回答である。

翌日、第一の豪華ゲスト・会田愛一郎(中村獅童)を伴って再登場である。榎本とは古い付き合いらしい。

会田の姉の息子で密室で練炭自殺したとされる高澤大樹の死因に不審な点があるために調査をしてもらいたい・・・という依頼である。

ちなみに大樹の死んだ祖父母は資産家で大樹は遺産として二億円を相続しているらしい。

大樹には第二の豪華ゲストとして妹・美樹(福田麻由子)がいて、彼女も遺産として二億円を相続しているらしい。兄が死んだために・・・練馬区立西ヶ岡中学校の生徒である美樹は四億円の貯金を持っているのだ。

青砥も芹沢も弁護士であるために個人の資産内容については特に突っ込まない。

これが蛯名巡査部長なら・・・「えーっ・・・四億ーっ、女子中学生が四億円ーっ・・・やってられるかーっ」と叫ぶところだが、こちらではお茶の間で庶民がなんとなくニヤニヤするしかないのだな。

会田は姉の再婚相手で・・・甥と姪の養父である第三の豪華ゲスト・練馬区立西ヶ岡中学校の科学教師・高澤芳男の犯行を疑っているのだった。

高澤は妻の死の直前に、二人の義理の子供と養子縁組を行っており・・・あわせて四億円の相続権を持っているのだった。

そして・・・会田は・・・なんと・・・窃盗の常習犯で前科があり、甥と姪に合わせる顔がない立場なのである。

「すると・・・あなたに遺産相続権は・・・ないのですね・・・」

「そうです・・・ただ・・・たった一人の血族である姪の命が心配なのです・・・もしも、甥が義父に殺されたとすれば・・・姪も殺されるかもしれない・・・」

私はあなたを信じます・・・

即答する青砥だった。

以上のような背景の中・・・事件は起こった。

大樹は当時、引きこもり生活をしており、会話できるのは妹の美樹だけである。

学校から戻った美樹がいつものように部屋を訪ねると応答がない。会田が義父に呼び出され、声をかけるが応答がない。ドアは鍵がかかったように開かない。

すると・・・義父は電動ドリルを取り出し・・・ドアに穴を開けた。

「これでピッキングをすれば・・・鍵が開けられるはすだ・・・」

義父は義弟の会田を見る。義父は会田のピッキングによる空き巣狙いという・・・過去の犯歴を知っていたのである。

会田はピッキング・・・つまり、O・ヘンリーの「よみがえった改心」のアレンジですな・・・で解錠し・・・ドアはビニールテープで目張りがしてあったために開きにくかったが、力任せに部屋に侵入。何故か風が吹き荒れ・・・部屋の中には紙テープで装飾が施され・・・練炭自殺セットで一酸化炭素が充満していず・・・タイマーにより作動したのか、室温高めのエアコンが作動していた。窓にもテープで目張りがしてあった。そして、大樹はベッドに横たわり一酸化中毒死していたのである。遺体からは睡眠薬が検出されたのだった。

これは・・・自殺・・・

と断定する芹沢。

義父の高澤さんはいい人だと思います・・

と納得する青砥。

しかし・・・主人公である・・・榎本は・・・

ボイル・シャルルの法則で密室は破れました・・・

と高らかに宣言するのである。

こうして・・・四億円に目が眩んだ義父の完全犯罪は覆されたのだった。

そして・・・「世間の評価ではなく・・・自分で確かめろ」と榎本にアドバイスされた美樹は・・・前科者という世間体よりも・・・昔から愛していた叔父と末長く仲好く暮らしたいという気持ちを優先させたのである。

なにしろ・・・四億円持ってるのだ・・・手癖の悪い叔父も空き巣狙いで金を稼ぐ必要はないのだから・・・。

なんだ・・・これは・・・叔父と姪の近親相姦願望を満たす・・・お話だったのか・・・。

ま・・・それはそれで・・・一部愛好家はニヤニヤするわけだけれどもーーーっ。

変態か・・・変態でございます。

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2012年4月23日 (月)

もう一度夢をみてくれるといいな(松山ケンイチ)

偉大な父親だったと言えよう。

武家としては最上級の正四位上まで位階を昇りつめた父である。

伯耆の国をはじめとして、越前の国、備前の国、美作の国、尾張の国、播磨の国の国司となった平忠盛である。

それはつまり六カ国において・・・なんらかの影響力を行使したことになる。

この時、ライバルと目される源氏の頭領である源為義は万年検非違使に留まっている。

つまり、受領なしなのである。つまり、経済力が全くないのである。

平清盛の父と源義朝の父にはこのように・・・経済格差がありました。

で、『平清盛・第16回』(NHK総合20120422PM8~)脚本・藤本有紀、演出・渡辺一貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は本編のナレーターを勤める源頼朝の生母・藤原季範の娘・由良御前の描き下ろしイラスト大公開でございます。待賢門院の娘にして雅仁親王の姉の統子内親王に仕える女房だったとされる説もあり・・・今回はその線で描かれているようでございますな。夫・義朝との間には短期間に二人もしくは三人の男子と一人の女子を生んでおり・・・正室としての役割はきっちりと果たしていることが窺がわれます。保元四年(1159年)に亡くなるわけですが・・・彼女がもう少し長生きすれば・・・歴史は変わっていたのかもしれませんねえ。

Tairakiyomori14 平忠盛が死去するのは・・・仁平三年(1153年)のことである。急激に加速してまいりました・・・。藤原摂関家の内紛が表面化するのはそれをさかのぼる久安六年(1150年)のことになる。藤原忠通・頼長兄弟が不仲となり・・・父・忠実が頼長に味方をしたために、命を受けた源為義・頼賢が摂関家である東三条殿を急襲し、藤原氏の長者の証である朱器台盤を関白・忠通より強奪したのだった。頼長は異母姉で鳥羽院の忘れ去られた皇后・高陽院(藤原泰子・・・この年55才)の棲む土御門殿を譲られ・・・関白に準じる内覧の役職を与えられる。言わば総理大臣が二人いるという・・・非常事態となったのである。この期に及んで即内乱とならないところが・・・和をもって貴しとなす・・・平安貴族のなせるわざと言えるだろう。やがて、摂関家の事実上の長となった頼長は六世紀に生きた伝説の人、聖徳太子の十七条の憲法を政治の理想とし、強引な政治改革を実行することになる。もちろん・・・十二世紀に600年も前の政治を行うことは事実上不可能であり・・・いたるところに齟齬を生んでいく。鳥羽法皇の寵臣である藤原家成の屋敷を仁平元年(1151年)に強襲し、破壊するなど・・・もはや暴走の域に達していると言っても過言ではあるまい。やがて、摂関家に味方する源氏と・・・鳥羽法皇を代表する王家に味方する平氏という構図が描かれ始めるが・・・それを押しとどめたのが・・・平氏における平忠盛の逝去。そして・・・源氏における源義朝の下野守任官であった。義朝は父、為義を追い越して国司になってしまったのである。つまり、王家による源氏勢力の分断である。一方で・・・頼長は忠盛の弟・忠正を抱きこむことを計画していた。摂関家による平家切り崩しである。対立勢力の浸透と拡散により・・・静かなる緊張は高まっていくのだった。

清盛は二十歳で中務大輔兼肥後守に任じられたが、仁平三年には安芸の国司となっている。安芸の国府と京の都とは海路陸路ともに平氏の道とも言うべき、比較的安全が確保された路で結ばれている。清盛は任地と都を精力的に往還していた。

平氏の隆盛の理由の一つは父・忠盛の興した海運業であると清盛は理解していた。各地の流通が滞れば天災などで飢饉に襲われたものは食うにも困り、死ぬか、盗賊になるしかない。盗賊は豊かな地を狙い、豊かな地のものは収穫物を奪われ、餓死か、盗賊になるかを選ぶしかなくなるのである。こうして、民は雪だるま式に盗賊となっていくのだ。そこで一定の秩序を維持するためには有り余る場所からたらざる場所へものを動かしていくことが肝要なのである。

平氏は傘下に加えた海賊、山賊を組織化し、物流の拠点を確保し、海運で瀬戸内を支配していったのである。

時にはそれは血で血を洗う抗争にもなった。

幼い清盛は館における父親の優しさを不思議に思ったことがある。

それは自らが修羅場を体験したばかりの頃であった。死ぬか生きるかのやりとりの後で心は荒み・・・凶暴さを常に帯びていた。

しかし・・・今、自らが子を持った清盛にはあの頃の父の心が分かっている。

血の匂いに包まれた後・・・幼子の乳臭い香りは心を慰めるものだった。

時に父・忠盛は幼い清盛を抱いて、子守唄代わりに御伽話などを物語ってくれたものだ。

仮の宿としている厳島神社の小屋で・・・ごろりと横になった清盛は父の話を思い出そうとした。

「今は昔のことじゃ・・・都の東に近江の国があってな。そのさらに東が美濃の国じゃ。若い男が上の者の使いで近江の国から美濃の国に急ぎの旅をしておったそうな」

父親は話上手だった。幼い清盛は夢中で話に聞き入る。

「急ぎの旅だったために夕暮れにも里で宿を求めず、人里はなれた場所でとっぷりと夜がくれてしまった。星のない夜でな、ついには雨もふりだした。若い男はさすがにしもうたと思ったが時、すでに遅しじゃ。雨にぬれて身体は冷えるし、闇夜のために行く足もはかどらぬ。困り果てたところにちょうど、墓穴があったのじゃ」

「墓穴・・・?」

「人の命が消えた時に、人の身体を捨てるところよ。まあ、山に横穴を掘ってあると思えばよい」

清盛は心に浮かんだ情景におそろしげなものを感じる。清盛の心を察した忠盛は微笑みを浮かべる。

「やがて、墓穴で人の身体は獣や虫に食われて風に晒され、根の国に帰っていくのじゃ。さて・・・その墓穴を覗いてみると中は真っ暗闇ではあったが、幸い空であった。男は身分の低いものではあったが、なかなかに度胸のすわったものでな。雨に濡れるよりはましとばかりに墓穴に身を入れたのよ」

清盛はおそろしさの中にも・・・男の思い切りの良さに憧れに似た気持ちを感じる。

「中は真っ暗であったが、なかなかに奥行きがあり、何より乾いておった。男はほっと息をつき、身体を奥の壁にあずけて身体を休めたのじゃ・・・なかなか豪傑であろう」

清盛は幽かに頷く。

「夜のことじゃ、居心地のよさに男がうつらうつらとしておると・・・突然、物音がして、何やら目の前を動く気配がある。・・・男はぞっとして、目を見開いた。闇の中だが、気配は分かる。獣のような荒い息遣いが耳元に届く。男はたまげて身をすくめた。えらいことだ・・・こりゃ、鬼の棲家に入り込んでしまったか・・・雨を逃れて鬼に食われてしまうのかと・・・な」

清盛は目の前に鬼が現れたような気がして口をあけ、次に歯をくいしばった・・・。

「すると・・・鬼と思うたものが、何やら、経文を唱える声が聞こえてくる。さらさらと蓑傘を脱ぐ音がする。それから、担いでいた荷を下ろす物音がする。やかで鬼は人の声でしゃべりだした。・・・ここにお住まいの神に申し上げます。夜の旅で雨に降られてしまい、難儀いたしましたおり、こちらの棲家を見出してしかたなくお邪魔しました。なにとぞ・・・ご無礼をおゆるしくださるよう・・・そういうと鬼と思ったが、実は人だったものは荷物から何やら取り出して男の前に置いた。男は闇に眼が慣れていたので男のしぐさがぼんやりと分かるが・・・二番目に入ってきた人は男には気づかないらしい・・・と男は悟ったのじゃ。二番目の人は御供え物のつもりか・・・切り餅を三切れほど地面に置いている。若い男は腹がへっていることに気がついて、おもわず、手をのばし、餅をとった。二番目の人はそれが闇の中からぬっと飛び出た鬼の手だと思ったのじゃな・・・ぎゃっと一声叫ぶと・・・後退り、穴から飛び出すと雨の中を水しぶきをあげて駆け去ったのじゃ・・・」

清盛は二番目の人のあわてぶりに面白おかしさを感じる。

「若い男は墓穴から外を覗いてみたが・・・近江の国の方に駆けていった二番目の人は逃げ足速く・・・すでに闇の中に消えている・・・男はなんとなくおかしくなり・・・墓穴の中を見れば、上等な蓑傘は脱ぎ捨てたままだし、荷の中には上等の布など、結構なお宝があるのが見て取れた。男は墓穴の奥を臥し拝むと、おもむろに蓑傘を身につけ、荷を背負うた・・・そして美濃の国へと歩き出したわけじゃ。のう・・・清盛・・・夜の道で雨に打たれても・・・先に墓穴に入ったものが得をして後に入ったものが得をすることがあるものじゃ・・・そしてな・・・後に入ったものももう少し肝がすわっておれば・・・損をすることもなかったのじゃ・・・のう・・・清盛・・・ふふふ・・・寝入ったか・・・」

夢の中で清盛は荷を背負い笑いながら夜の山道を駆けていく・・・。

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2012年4月22日 (日)

ツチノコと呪われし宝石と桜の花言葉は優しく美しい女(長澤まさみ)

「化け猫ホームズ」もなかなかに面白いのだが・・・「三毛猫ホームズ」だろう・・・まあ、マツコと猛獣は同じジャンルなんだな。

もりこみまくる・・・「都市伝説の女」の方がやはりワクワクするな。

ちなみにルパン三世がホープダイヤモンドを盗んで峰不二子が呪われる(実はルパンのお仕置き)のはTVアニメ第2シリーズ第107話の「結婚指輪は呪いの罠」である。

ホープダイヤモンドはインドの伝説の王女シーターの彫像の瞳である。つまり、二つある。

いつから存在するのかは定かではない。

10世紀以後は右目のみが存在し、左目は完全に世の中から消えている。

・・・というか、本体そのものの所在が不明である。

17世紀には112カラット以上あったことが確認されているが盗品となる度にカットされ・・・現在では44.52カラットに縮小している。16世紀の半分以下になっているのである。

特徴はブルー・ダイヤモンドで紫外線を当てると赤い燐光を発する。なぜ、青いダイヤなのか、なぜ赤く光るのかは現代科学をもってしても完全には解明されていない。

所有者が不幸に襲われることから「呪われた宝石」と呼ばれるが、基本的に人間は皆、不幸に襲われるものなので宝石に罪はないのである。

あくまで都市伝説(妄想)でございますよ。

で、『都市伝説の女・第2回』(テレビ朝日20120420PM2315~)脚本・後藤法子、演出・塚本連平を見た。「クローバー」(テレビ東京)では有村架純もスラリと伸びた長い脚を披露しているのだが・・・長澤まさみの筋肉質にも見えるムッチリした白い脚の方に成熟したセクシーさをより感じたりするわけである。・・・ま、好みの問題なのですがーーーっ。今回は胸元サービスもあって演出家の好みの差が出ています。しかし、やはり、長澤まさみの総合的な美しさは段違いの威力を持っていますな。まさに優れた美女と申せましょう。ソメイヨシノかよっ。

ツチノコを目撃し撮影したために遅刻する女

通勤途上で都市伝説的小動物ツチノコを発見した警視庁捜査一課の音無月子巡査(長澤まさみ)・・・。追跡、写真撮影のために勤務時間に遅刻である。しかも・・・撮影された写真には尻尾しか写っていませんでしたーーーっ。・・・ツチノコはやはり胴体がないとね。

「ヘビだな」丹内主任(竹中直人)を始め・・・丹内班の先輩刑事一同・・・芝山(平山浩行)、岩田(安藤玉恵)、安藤(良知真次)は「ヘビだね」「ヘビだよ」「ヘビヘビ」の大合唱である。

しかし、直感で「事件の通報」を察知する月子。「資産家未亡人殺害事件発生」・・・出動である。

合わせ鏡のある部屋で・・・発見されたのは黒岩家当主・黒岩福子(田根楽子)だった。

深夜零時に合わせ鏡から悪魔が来たりて通り過ぎる

すでに・・・郷原主任(宅間孝行)率いる郷原班が出動中である。警視庁鑑識課の勝浦(溝端淳平)は合わせ鏡の位置の微妙なズレが気になって例によって矯正している。

合わせ鏡の間に横たわるのは鈍器による打撲で殺傷されたご遺体。

郷原は美人である月子以外の丹内班は例によって現場への接近を許さないのだった。

「合わせ鏡からは・・・もう一人の自分だとか、鏡の国の王子様とか、青ざめた馬とかが出てくるっていうけど・・・あなたはどう思う」と質問されて答えにとまどう勝浦だった。

それよりも勝浦はせっかくの市松人形コレクションが乱雑に陳列されているのが気になってしょうがないのである。

市松人形の髪の毛がのびるのは生きているからではなく死んでいるから

「毛髪は時間経過とともに劣化し、表皮の部分が網目構造体となって重力で伸ばされてしまうのです」

「あるいは呪いがかかっているかね」

例によって会話の成立しない二人だった。

「あら・・・これは・・・」と月子が目にとめたのは・・・遺体の帯どめに輝く宝石だった。

「青いダイヤモンド・・・まさか・・・ホープダイヤモンドのかけらではないかしら」

英国の銀行家ヘンリー・ホープがかって所有していたためにホープダイヤモンドと呼ばれるブルーダイヤモンドは多数のかけらが存在している。

ホープダイヤモンドは持ち主に不幸をもたらす呪いの宝石である

「つまり・・・黒岩夫人は・・・ダイヤの呪いで殺されたのよ」・・・きっぱり断言する月子だった。

都市伝説てんこ盛りで主題を見失う勢いだな。

屋敷はほぼ「陸の孤島」状態で容疑者は・・・お屋敷関係者に絞られる。

全員、父親が違う息子が三人。父親とは全員、死別である。そのたびに黒岩家の資産は膨張したらしい。

それもまた呪い・・・と月子の目は輝く。

長男・黒岩大(池田鉄洋)は母親の経営する会社の取締役。当日は外で飲んでいて記憶がないらしい。

次男・黒岩成(裴ジョンミョン)はニート。引きこもりが過ぎて陽光を浴びると消滅しそうになる虚弱体質である。

三男・黒岩功(市川知宏)は西洋史を専攻する大学生。三兄弟のうちで母親に一番かわいがられている。ホープダイヤモンドについても詳しいらしい。

三兄弟とも一瞬で月子に一目ぼれである。

屋敷には使用人が二人いる。

女中頭の佐々木松江(山村紅葉)はミステリの脇役女王である。化け猫ではありません。

そして・・・存在感を消して一瞬、誰だかわからないメイド臼井里美を演じるのはMEGUMIである。これ、臼田あさ美をイメージして脚本書いてたんじゃないだろな。MEGUMIならMEGUMIで話の展開違うだろう・・・。もっと・・・ダイナマイト・ボディ強調の話にしないと。

「雌犬がその爆乳でお坊ちゃんを・・・たらしこんだのか」とか・・・。

おい、犯人、口走ってるぞ・・・ま、いいか。

実は・・・15才も年下の三男と出来ているメイドのMEGUMI・・・だから臼井だろう・・・っていうか計算あわないよね・・・ま、いいか。要するに年齢差ではなく身分差を強調しにくい時代なんだな・・・きっと。だったら・・・もっと経済格差でいいだろうに。このあたりが・・・基本・・・甘め設定だな。もちろん・・・すべては祟りだったというオチだから・・・リドル・ストーリーだけどな。これで充分という考え方もあります。実年齢的にはMEGUMI(30)、市川(20)である。

すでに直感で事件の全貌を見切った様子の月子。三男とホープダイヤモンドの話題で盛り上がり、鑑識・勝浦の激しい嫉妬を呼び起こすと月子を狙って花瓶が落下してくるのであった。

もちろん、嫉妬したMEGUMI・・・臼井が投げ付けたのである。

丹内班と郷原班が容疑者を取り調べたりアリバイ成立させたりしている間に・・・ミステリの女王は「私が・・・奥様を殺したかもしれない・・・」と告白である。

「合わせ鏡の伝説を教えてしまったから・・・」というので、本筋とは無関係にさっそく実験をしてみる月子と勝浦であった。

赤外線カメラモードで怪談モードに突入する二人(刑事と鑑識)だったが・・・愛欲激しいカップルはその夜も情事モードにふけっていたのだった。

つまり・・・ここは拡大鏡を使ったトリックで蔵の中の全裸の二人(三男とメイド)を見せるところだよな。ここが深夜の境界線の金曜ナイトドラマの弱点なのだな。どんな弱点だよ。

三男とメイドの関係を知った女中頭は鏡を使った実況中継で奥様に密告したのである。

奥様に・・・「女中の分際で・・・私のかわいい子に手を出すとはこのおっぱい女狐め」とののしられ・・・思わず・・・奥様を殺したメイドである。

そして・・・黒頭巾の市松人形に隠された本物のホープダイヤモンドを入手したのであった。

「なぜ・・・あなたはそれをもって逃げなかったの・・・」

「買い手がつかなかったのよ・・・」

「ちがうでしょ・・・愛の未練でしよ・・・彼と別れたくなかったんでしょ・・・」

「・・・」

散った桜の花びらが地面につく前に片手で3枚つかむことができたら願い事が叶う

「そう思ったあなたは恋がかなうように頑張ってたもの・・・」

「でも・・・いつも二枚しかつかめなかった・・・」

「それはドラマ『赤い糸』の見すぎ・・・片手で一枚つかめればおまじない成立よ」

「えーっ・・・」

「枯れ葉を十枚つかめたらボクサーになれるんじゃ・・・」

「誰がはじめの一歩じゃ」

こうして・・・事件は愛する男との別れを強要された貧乏育ちのメイドの発作的反抗で幕を閉じるのである。

「結局・・・呪いじゃなかったんですね」

「都市伝説には隠された秘密のメッセージがあるの・・・それをどう、感じるかはその人次第なのよ・・・」

「ハルキくんが言ってたんですか・・・」

「今回は・・・すべて・・・ホープダイヤモンドのかけらの呪いによるもの・・・だって本当に愛し合ってたらかけおちすれば・・・すむでしょう・・・めぐみさんは駆け落ち資金欲しさにダイヤを盗もうとしてそれを奥様に発見され・・・逆上して殺してしまったのかも・・・。そして・・・ダイヤを持っていたから、愛を失った上に罪も露見してしまったのよ・・・」

「そんな~」

どっちつかずの気持ち悪さを残し・・・桜の花びらをつかみはじめる月子。

「あ・・・三枚つかめてる・・・じゃないですか・・・」

「だめだめ・・・私の願い事成就のためには百枚はつかめないと」

「そ、それは~」

月子・・・底知れぬ女である。

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2012年4月21日 (土)

もう一度君に、プロポーズできるかな?(竹野内豊)

愛とはメモリー(記憶)である・・・だから記憶が喪失すれば・・・愛も消失する宿命なのである。

人間の複雑な心のシステムの基本は意識と記憶である。

しかし、意識と記憶の境界線は定かではない。心の内には感情も含まれるが、意識と記憶の間にそれは存在する。

しかも・・・そのシステムは恐ろしいことに人それぞれなのである。

その複雑なものをなんとか解明しようと・・・人は心を持った瞬間から努力しているわけだが・・・未だにほとんどが謎のままなのだと言えるのです。

人は基本的には自分がこう思うのだから他人もそう思うだろう・・・と思いがちである。

だが、そういうことは奇跡に属することだということから認識すべきだろう。

愛しているからと言って愛されるとは限らないわけである。

そのことに気がついて・・・人はようやく、人を愛する資格を得るのだ。

で、『もう一度君に、プロポーズ・第1回』(20120420PM10~)脚本・桐野世樹、演出・村上正典を見た。静かで穏やかに展開する大人のラブ・ストーリーの予感がひしひしと感じられる滑り出しである。ちょっと大雑把なところのある夫と明らかに繊細な妻。しかし、二人には絶妙なバランスによって紡がれた出会いがあり、恋があり、そして結ばれて家族になった。そして交際一年結婚四年合わせて五年分の愛が育っていた。

しかし・・・一瞬でそれは失われ・・・戸惑う男と女が残されたのである。

シンプルだが・・・絶妙の表情を奏でる二人が胸がいっぱいになる生の在り方をみせてくれるのである。ものすごく心配なドラマだったが・・・素晴らしいスタートでホッと一安心でございます。

自動車の整備工場「ミズシマオート」の腕のいい整備員・宮本波留(竹野内豊)は結婚して四年。子供はいないが・・・それなりに幸福な家庭を築いていた。工場を訪れた壊れたラジコン・カーを持った少年のために妻とのデートをすっぽかす呑気な性格である。

妻は図書館司書の可南子(和久井映見)・・・特に不満はないが・・・最近、思うところがあって夫と映画を一緒に見ようと決意した。しかし、肝心の夫は待ち合わせ場所に現れないのである。

幽かに漂う不吉な影である。

翌日、波留は妻の失望を呑気に受け止めながら・・・「4月7日のデート」を約束する。その日、可南子は夫のために愛妻弁当を作るのだった。遅刻しそうになった妻を夫はバイクで図書館に送り届ける。

職場では愛妻弁当を冷やかされる波留。

和気藹々の職場である。

水嶋哲夫(光石研)・さとこ(山野海)の社長夫妻。最古参の蓮沼(渡辺哲)、新入りの進藤(松下洸平)、営業の川崎(久松龍一)・・・そして紅一点の吉城桂(倉科カナ)である。

オンラインゲームで婚活に励む乙女であるが・・・倉科カナだけに・・・物語でどのような波風をたてるのか・・・楽しみである。

「結婚っていいものでしょう?」とストレートに問う彼女に職場の男たちは苦笑するのだった。

「独り身の方が気楽だ」と最古参の蓮沼が言うがもちろんジョークである。なにしろ。渡辺哲なのである。

一方、可南子は図書館で子供たちを相手に読み聞かせの朗読会を企画していた。同僚にはエンディングプランナーからここの佐伯(橋本真実)がいて、ゆとり太郎で理想の息子からここの橘(入江甚儀)もいる。上司には大橋館長(杉本哲太)が配置されている。なんとなく隙のないキャスティングだな。

しかし、平穏な日々は一瞬で変転する。

図書館で朗読中に可南子がくも膜下出血で倒れたのだった。

連絡を受けた波留がかけつけると・・・手術前の可南子はまだ意識があった。

ベッドの横で波留が口にするのは・・・。

「サイドカーもいいかもしれないな・・・」

「なにそれ・・・」

「二人でバイクもいいけど・・・サイドカーもいいかな・・・と思って」

「ふふふ・・・早くしないと年をとっちゃうよ・・・」

「いいじゃないか・・・じいちゃんとばあちゃんでバイクとサイドカー」

そんな気楽な会話を交わすのは・・・波留が本当は不安に襲われていたからかもしれない。

そして可南子は手術室へ・・・。

やがて駆けつけた可南子の家族。女手ひとつで子供を育てた母親の万里子(真野響子)は娘の夫への気遣いを見せるが・・・なぜか可南子の弟の裕樹(山本裕典)はいきなり・・・姉の夫に敵意むき出しである。シスター・コンプレックスが激しいらしいが・・・ほどほどにしてもらいたいと感じました。

これから起こる悲劇は充分に辛いことなので・・・あまり異常な人格は必要ないと考えるのである。名作「ビューティフルライフ」の妹思いの兄くらいの感じでいいと思う。

まあ・・・弟の姉への異常な執着をどうしてもやりたければやればいいと思いますが。

手術は無事に終わるが・・・意識を取り戻した可南子が波留にかけた言葉は・・・。

「あなたは誰ですか?」

可南子は波留に出会った頃から五年間の記憶を喪失してしまったのである。

こうして夫は記憶を失った妻と・・・女は見知らぬ男と出会ったのだ。

もちろん・・・記憶喪失というものが病理として全く正しい診断を下せない性質を持っているために「恋の病」同様にお釈迦様でも医者でも治せないのだった。

さらに言うならば心因性である場合には詐病の可能性も否定できない。

しかし、ドラマから見受けられる可南子の性格を見る限り、自分の家族を巻きこんで記憶喪失を装おう可能性は低いし、夫の記憶だけではなく・・・過去五年間の記憶がほぼ脱落している病状であると考えていいだろう。

この場合は長期記憶として蓄えられていた経験的記憶のメモリーが物理的に消失してしまったのか、それともなんらかの障害にあって呼び出し(想起)が出来なくなっているのかも不明で記憶が戻るかどうかも定かではないのである。

とにかく・・・医者にもどうして記憶喪失になったのかは不明なので各自で解釈するしかないのである。

たとえば、可南子の夫に敵意を持っている可南子の弟であれば「あいつに問題があるから姉さんの記憶が戻らない」と思いこむことも可能である。

母親は不勉強な素人である以上、「記憶喪失なんて本当にあるのかしら・・・」と疑念を感じつつオロオロするしかない。

そして・・・夫の春は整備工としての学力レベルでそれなりの医学的解説書を読んだところで・・・一体、可南子のケースは統計学的にはどの症状にあてはまるのか・・・類推するのも困難だ・・・ということになる。

記憶力というのも人それぞれなので一概には言えないが・・・たとえば、あなたは五年前に自分がどのような生活を送っていたのか・・・思い出すことができるだろうか。

ほとんど思い出せない人もいるだろう。

つまり、そういう人にとっては五年間の記憶を失うことはほぼ全記憶を失うことに等しいわけである。

可南子の場合は母親や弟は認知できるのであり・・・それを手掛かりに五年前の自分というものはなんとか取り戻せたようであるが・・・それも非常に不安定な精神状態になることは間違いない。

「手術後の経過は良好です」と脳外科の医師は言うが・・・可南子から全く忘却された夫にとって「良好ってなんだよ・・・」という気分間違いなしなのである。

楽天的と周囲に称される波留だが絶望的な暗澹に包まれる。

そこへ「こんなに遠くまでナースをナンパに来るわけないだろう」と波留の父親・太助(小野寺昭)が見舞のために上京してきて悲惨な状況を知るのである。

太助はプロ野球・広島東洋カープのファンであるらしく、1979年の日本シリーズで無視満塁の絶体絶命のピンチから勝利をつかんだ江夏豊の伝説「江夏の21球」を例に挙げ・・・「あきらめるな」と息子を激励するのだった。

やがて、退院の日となる。

可南子の母親は可南子に「大切な話がある・・・」とおそらく・・・可南子に五年間の記憶がなく、その間に結婚して夫のある身であることなどを伝えたのであろう。

可南子はうろたえたが・・・母と夫の説得でとりあえず二人が暮らしていた宮本家に帰宅することになる。

姉好きな弟は「実家に戻すべきだ・・・じゃないと姉ちゃんのお風呂覗いたりできないじゃん」と憤慨するのである・・・それはしてないぞ。

とりあえず・・・他人に奪われた姉を取り戻す機会が与えられたと知るや、恋人の増山志乃(市川由衣)をセックス・フレンド扱いにする鬼畜な弟なのである・・・それは確かに。

やはり・・・このままでは弟がこの作品の格調を台無しにするおそれがあるので関係者各位お含みおきいただきたい。

(生活空間に戻れば何かを思い出すのでは・・・)と期待する実の母親と夫だったが・・・思い出せたのは実家から持ってきた可南子のお気に入りのクッションだけだった。

「じゃ・・・後は若い人たちで・・・」と気を利かせる母親。

しかし、見ず知らずの男と二人きりにされた可南子は不安でいっぱいの表情である。

二人の結婚式や旅行の時のスナップを見て・・・可南子はようやく気持ちを言葉にする。

「ドッキリカメラかと思っていました。どこからかだれかがうそだぴょ~んと顔を出すのかと・・・でも・・・本当に私はあなたと結婚していて・・・それを忘れてしまっているのですね」

「可南子・・・可南子さん・・・」

思わず抱きしめたくなる夫だが・・・妻はそっと身を遠ざけるのである。異性に対して本来、身構える性格らしい。

夫は懸命に「心の病の人に対する手引書」を反芻しながら自制を重ねる。

「とりあえず・・・何か食べようか・・・」

しかし・・・妻の入院生活の間、冷蔵庫に眠っていたキャベツはくさり果てていたのだった。

うどんもなあ・・・冷凍うどんなら・・・なんとか。

食後。

「外に食べに行った方がよかったか・・・」

「いいえ、うどんはおいしかったです」

そして、気まずい沈黙である。

「とりあえず・・・今夜は休んだら・・・俺は下のソファで眠るから・・・」

不安な気持ちを抱えたまま・・・二人は居間と寝室に別れて記憶喪失後の初夜を迎える。

可南子は・・・寝室を見る。そこにあるものすべてに見覚えがない・・・。

頭が忘れていても、鼻が匂いを覚えているという根性も奇跡も可南子にはないようだった。

ただ・・・思うのは(バイクだけが趣味の男と読書が趣味の女が結婚したりするのかしら・・・)という疑念だけだったのである。

眠れぬ夜が明けると・・・波留はすでに出勤していた。

記憶喪失の妻を退院後、すぐに一人残して仕事に出てしまう・・・そういうところが・・・夫として失点を重ねている波留なのだが本人にはおそらく自覚がないだろう。

食卓には・・・コンビニで購入したとおぼしきおにぎりとサンドイッチが置かれている。

「おにぎり・・・と・・・サンドイッチって」

そういう和洋折衷な感覚に違和感を覚える可南子だった。

まあ、許せない人には本当に許せないメニューではありますな。キッドはカレーライスとラーメンのセットなんか・・・大好きですが。

「奥さんの退院祝いはどうしましょうか」と職場で声をかけられる・・・波留。

しかし・・・返答に屈していると社長が外回りから帰ってきて・・・可南子を見かけたという。

「声をかけたんだけど・・・無視されちゃった・・・メガネかけてたからかなあ」

と、おとぼけをかます社長だが・・・漸く波留は自分が失敗を犯していることを悟るのだった。

「早退します」

えーっ、今、出社したのにという社員一同のツッコミを背に街に飛び出す波留だった。

街を彷徨う妻。

街を捜索する夫。

昔ならオフコースとかチューリップが流れるところである。

このあたりから・・・可南子の心と・・・波留の心をどの程度、想像できるかでお茶の間の感じるせつなさにはかなり差が生じる気がいたします。

キッドの場合、このあたりから最後まで泣きっぱなしですな。

神によって理不尽に愛の喜びを奪われたものに悪魔は共感もすれば同情もいたしますからねえ。

恋愛感覚が錯覚に過ぎない以上・・・その時と場所を通過してしまうとなかなかに再現は困難になるもの・・・突然の片思いに・・・波留は慢心していた分だけ・・・高い壁がそそりたつのだった。まあ、逆にそういう環境にならないと燃えないタイプなのかもしれませんな。

実の母からの連絡で・・・波留は可南子が実家に戻っていたことを知る。

このあたり・・・波留はまだまだ・・・可南子の心の中に想像が及んでいないということである。

つまり・・・「最近」の可南子が行きそうな場所を捜すのではなくて・・・記憶を失った可南子の行き先を捜したり・・・実家に連絡を入れなかったり・・・ということなのだな。

ようやく・・・再会した二人。

しかし・・・可南子は「あなたと暮らした記憶どころか・・・どうしてもあなたを愛していたと思えない」と波留の心を打ち砕く一言である。

姉思いの弟は狂喜乱舞するのだった。

落胆して・・・一人、自分の家に戻る波留。

漸く・・・ものすごく大変なことになったことが実感できたのである。

そして・・・わらをもつかむ思いで・・・可南子の私物を漁るのだった。

可南子がその存在すら忘れているもの・・・。

可南子の日記である。

それを盗み読むことに逡巡する波留だったが・・・もう瀬戸際まで追いつめられているのである。

そこには・・・いつまでも「可愛さ」を失わない可南子のルンルン日記がありました。

ここではこの夫婦には「子供」をめぐるなんらかの事情があることが仄めかされるが・・・波留が目をとめたのは可南子が記憶を失う直前の記述だった。

不満はないけれど・・・今の幸せを維持するためには・・・このままではいけない気がする。

だから・・・いろいろやってみようと思うのだ。

たまには手のこんだ料理を作ったり・・・。

失敗したけど・・・波留の帰る前に処理したから完全犯罪だ。

映画館でデート・・・ちぇっ、すっぽかされたぜ・・・。

それなら、え~い、愛妻弁当だ、どうだ、まいったか。

そして・・・二人の記念日をお祝いしよう。

4月7日・・・。

「4月7日・・・なんだっけ・・・」

波留はもはや・・・可南子の日記の虜である。

それは五年前だった。

図書館前の桜の下で・・・二人は出会ったのだ。

ラジカセをたたいていた五才若い可南子と・・・。

修理を申し出た五才若い波留・・・。

可南子は波留のランチであるおにぎりとサンドイッチを見て・・・

変な人・・・変な人に逢った・・・。

などと日記に書いてあったのだ。

波留は過去を振り返らないタイプの男だが・・・その時を思い出し・・・胸が疼くのだった。

桜が花開く・・・4月7日・・・。

波留は可南子の実家にやってくる。

姉思いの弟が「姉の面倒は家族でみますから・・・」と意地悪するのだが・・・。

波留は「俺も家族だよ」ときっぱりである。

可南子は賢い女である・・・記憶はなくても・・・波留という男がさぞ困惑しているだろうことは想像できるし胸も痛めている。

しかし・・・愛の実感がないために理性と感情の板挟みになっているのだ。

だから「どうしても今日、見せたいものがある」と波留が誘えば「連れて行ってください」と妥協することはできるのだ。

姉思いの弟は涙目である。

ぎこちない「バイクで二人乗り」があって・・・。

思い出の桜の木の下で・・・二人の出会いを語る波留。

「思い出なんて・・・なくてもいい・・・もう一度、最初からやり直したい」

「・・・」

しかし、結婚指輪は返却される・・・二人の最後の思い出は波留が不安のまま食べた愛妻弁当で終わるのか・・・。

「もう一回・・・恋をして・・・もう一回プロポーズするよ・・・」

「・・・」

「だから・・・今度いつ会える・・・俺とデートしてください」

「・・・ごめんなさい」

あえて言おう・・・ねるとん紅鯨団かっ。

とにかく・・・ロマンチックであり・・・ある意味、相当ハードなラブ・ストーリー始りました。

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家族~妻の不在・夫の存在

Tomorrow~陽はまたのぼる~

天使テンメイ様の原典まで問うもう一度君に、プロポーズ

Mako001 ごっこガーデン試運転中。まこぎゃぼーーーっ。ついに全国の女子高生を代表して竹様ロイドでバイクに二人乗りにチャレンジなのデス・・・ドラマでせつなく流した涙を風に乗せて振り払うのじゃけん。この日をずっと待ってたんだもんね・・・全開バリバリでいくぜ・・・ホット・ロードが待ってるじゃーーーん・・・それにしても・・・たとえ記憶失っていても相手竹さまなら・・・無問題ではないのでしゅか~?」

じいや「レールから脱線しないように制限速度をお守りくだされ~」

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2012年4月20日 (金)

ばかしあい・・・って愛ですよね・・・イエロー・フィッシュネット・ストッキングスの女(谷村美月)

黄色い網タイツ・・・そそるじゃねえか。

しかし、みんな優しい愛撫である。さすがにもみしだく描写はないのだな。一線か、一線保守か。び、微妙なラインだな。

どちらにしろ・・・谷村美月が女優として身体を張ってることに疑いなしである。

「パパドル」の優香、川島海荷、谷花音や、「カエルの王女さま」の大島優子よりもだ。ただし、大島優子は2011年秋ドラマの「私が恋愛できない理由」で子役あがりのアイドルとして身体を張って春のお色気祭りを呼びこんだ張本人という推測もできるし、まだまだ子供の川島海荷や谷花音には今後に期待できる・・・何を期待してるんだよ。

ついでに・・・どうつながるかは・・・いまのところ謎だが・・・「蛙の王女」といえばロシア民話である。呪いのかかった池のカエル(実は美少女)が王子に求婚され・・・魔物の呪いを解いてもらうと言う話である。まあ・・・日本一の敵役、のっぽのサリーが石田ゆり子に呪いをかけていることはまちがいなく・・・さすれば不死身の悪魔コシチョイの役回りは「彼」なのであろう。まあ・・・主人公はやはり・・・王子様なのか。

ついでのついでに・・・「パパドル!」の錦戸亮の所属グループの・・・メンバー間のオーラの落差はちょっと微笑ましいな。ファンはさておき・・・一般人には「誰?」という人が・・・それ以上は言及をさけろよっ。原型の「ママのアイドル」(1987年)に準じて・・・本人の時は「本人」とテロップいれるくらいが馬鹿馬鹿しくて良いと思うぞ。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第3回』(日本テレビ20120419PM2358~)原作・森下直、脚本・西田直子、演出・白川士を見た。お色気ルーティン・ワークは健在であるし、ドラマとしても深みを帯びてきて・・・深夜ドラマとしては水準以上の作品となってきた。やはり、女優力の・・・素晴らしさというものだな。

さて・・・たぶらかし・・・なりすまし・・・ばかしあいときて・・・このドラマが実に魔術的な要素に満ちていることが明確になったわけである。今回は・・・ヒーリング・ビジネスとして霊石を500万円で売るのと10円の賽銭を集めるのとは原理的には同じであるという全国の神社仏閣を敵に回すさりげない毒が盛り込まれている。フーテンの寅さんなら「それを言ったらおしまいよっ」と言うところであろう。

ゲリー・ジェニングスは著書「黒魔法、白魔法」(1964年)の中で・・・「魔法には二つのスタイルがある」と述べている。それは「模倣」と「感染」である。これをインターネット的情報に置換すると「コピー」と「リンク」と言いかえることができる。

それは「ブラック・マジック」と「ホワイト・マジック」というような利用者の善悪ではなくて、あくまで術式の区別の問題なのである。

たとえば・・・太古の魔法使いは・・・狩猟対象の鹿が減少した時に・・・鹿の毛皮を着て森に入る。これは「鹿」を模倣することによって・・・「鹿」そのものが出現するという魔法形態なのだ。

一方で・・・つい最近・・・400年ほど前まで・・・刃物で傷を負った場合、刃物に傷薬を塗ることは医療行為として充分に有効であると信じられていた。これは傷口と凶器が接触したことにより、二者に関連が生じ、同じ状態が作用しあう感染の魔法が働くのである。

すべての魔法はこの「模倣」と「感染」のバリエーションであると言い切れるのだな。

たとえば「人間の生殖」というものを魔法学的に考察すると・・・男と女が接触することにより、女は男に「感染」して、受胎するわけである。そして女が子を出産することは人間を「模倣」した何かが出現するというこに他ならない。

現代もいたるところで「リンク」され「コピー」される原初的な魔法が繰り広げられているのである。所詮、人間というものは魔術の支配からのがれることはできないのだ。

神もまた人間が自然を模倣し、自然と感染して生みだした魔術の一種なのである。

さて、代行女優・冬堂マキ(谷村美月)は妻の代役として派遣されるのだが、顧客(夏目慎也)にコスプレ宅配売春婦と勘違いされて激怒する。一線は譲れないのである。お茶の間へのエプロン・コスプレ・サービスを兼ねています。

次なる依頼相手は・・・私設・稲荷大明神でヒーリング・ビジネスを展開する斉藤あやめ(高岡早紀)である。連夜の高岡早紀である。もちろん、爆乳対決なら谷村美月も敵ではないのだが・・・そういうサービスはありません。

マキの役はあやめの替わりに神がかり巫女である「おきつねさま」を演ずることであった。

常套手段である「先祖供養の不足」を理由に主婦(柿丸美智恵)に時価(500万円)のありがたい石を売りつけようとするあやめ。

「それはあまりにも暴利をむさぼりすぎ・・・私は女優で・・・詐欺師じゃありません」とマキはあやめに無断で主婦に返金してしまうのだった。

しかし・・・あやめはマキをきつくとがめることはせず・・・野菜入りのラーメンを作って食べさせ・・・古い写真を見せてあやめの親友の身の上話を聞かせる。

色あせた幼い娘と母親の写真である。

「この子はね・・・下町の豆腐屋の娘なんだ。とてもきだての良い子だったんだよ。でもね、悪い男に嫁いだのが運のつきさ。飲む打つ買うの悪行三昧、女房を殴るのだけが一人前さ。ついに耐えかねて・・・幼い娘を残して・・・男と一緒に駆け落ちさ。幼い娘を捨てた報いは覿面さ。結局、男にも捨てられて重い病にかかって入院しちまった・・・すくすくのびていく東京スカイツリーのおひざ元の病室で明日をも知れない身の上だ・・・その治療費が500万円・・・あたしゃ・・・その金を工面してやりたいのさ・・・」

美味しいラーメンにほだされて・・・うっかり化かされそうになるマキだが・・・そこは女優である・・・あやめの言葉にウソの気配を嗅ぎつけるのだった。

「あたしをだまそうなんて・・・甘いわよ」

そして・・・それを裏付ける水鳥(山本耕史)情報である。

「あやめはやばい筋の人間に命を狙われているらしい・・・お前はその身代わりかもな」

今回は幼児相手に電車ごっこをする水鳥だった。

しかし、半裸の藤ミネコ(白羽ゆり)といちゃつきながら・・・松平社長(段田安則)はそう簡単に舞台の幕を閉じさせないのだった。

「ウソの裏にはまたウソがある・・・ウソのウソならマコトもあるぞ」なのであった。

そして・・・社長はマキにとある病院名を教えるのである。

東京スカイツリーがよく見える城東記念病院にはあやめをよく知る看護婦の「まき」(朝倉えりか)が存在したのだった・・・「着信アリFinal」で五番目に殺された犠牲者みのりである。最近ではゲゲゲの女房の妹いずみだった・・・「まき」はあやめが捨てた娘だった。死病にとりつかれたあやめは・・・病院を訪れ娘と再会したが・・・名乗りを上げられずにいたのである。

そして・・・死んだ父親の借金のために「まき」は闇金の取り立て屋・金田(米村亮太朗)に無法な取り立てを受けていたのである。

ルーティン・ワーク消化のために金田に色仕掛けを仕掛けるマキ。

「あやめは生命保険で借金を肩代わりしてるんだ・・・俺の運気が高まる満月の夜に・・・あやめを殺して・・・借金返済を完了させるのさ・・・」

薬物使用の上でマキに酔いつぶされた金田は殺人のスケジュールを語ってしまうのだった。

マキはくもりガラスがだんだん透明度が高くなっていくような気がする・・・気のせいだろう・・・シャワー・シーンを経て・・・満月の夜に「おきつねさま」に化けるのである。

おそらく、舞台装置の流用で特殊効果を仕掛けたマキ。ドラマでは説明されないが・・・マキはそこそこただものではない女なのである。

現在、舞台上の奇術師がマジシャンと名乗るように舞台芸術と魔法もまた縁深いものである。舞台の上には偽物の陽光がふりそそぎ、偽物の夜の帳が下りる。それらはすべて模倣の魔法であるが、それを見た観客は感染の魔法によって日差しや夜更けの暗闇を感じるわけである。

マキは恐ろしい妖怪変化と化し、あやめを殺しに来た金田は恐慌に襲われる。薬物乱用によってフラッシュバックしやすい体質になっているのだ。

凶器を持ったまま、あやめの家を飛び出した金田はパトロール中の警官に緊急逮捕されるのだった。

「私のことは・・・ほっといて・・・殺されて本望なんだから・・・」

「知ってますよ・・・保険金で娘さんの借金を返すつもりなんでしょう・・・」

「・・・」

「娘さん・・・お母さんの写真を肌身離さず持っていました・・・」そういうとマキは「まき」が落とした写真の断片を見せる。そこに写っているのは若かりし頃のあやめだった。

それは・・・あやめの持っていた写真の断片だったのである。

「だから・・・娘さんは・・・あなたのことを母親だと分かっています・・・」

「そんな・・・」

気が動転したあやめは病状が急変するのだった。

城東記念病院のベッドに横たわるあやめ・・・。マキが付き添っている。

そして廊下には「まき」が佇んでいた。

「娘さんは・・・名乗りを上げられないでいるんですよ・・・それはあなたが名乗らないから・・・捨てられた方が名乗るなんて・・・こわいじゃないですか・・・だってまた捨てられたらどうしようって思うから・・・」

「・・・」

「・・・本当の娘じゃなくて・・・ごめんなさい」

マキはあやめの手をとった・・・。

「・・・お母さん、お母さん・・・逢いたかったよ・・・」

マキの手を握り返すあやめ。

「ごめんよ・・・まき・・・お母さんを許しておくれ・・・」

マキがそっと手を振りほどくと・・・「まき」の手が母親の手をとった。

「おかあさん・・・」

「まき・・・」

偽物の娘を模倣して実の娘は母親の胸に帰って行ったのである。

夜の街を素顔に戻ったマキが歩み去る。女優はまさしく魔女なのだ。

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2012年4月19日 (木)

独善と極悪のフィクションを求めて思案中

さて・・・しぼりきれませんでした。

つまり・・・谷間だな。

本来・・・山二つくらいしか・・・スケジュール的に無理なのだ。

それにしても・・・今回、ドラマ内容かぶりすぎだろう。

たとえば「三毛猫ホームズ」、「鍵のかかった部屋」・・・帝国の嵐で、原作ありで、密室である。三次元と四次元の差しかないぞ。戸田恵梨香と大政絢で選択する身になってもらいたい。なれるかっ。

しかも、すでに確定している「都市伝説の女」「鍵のかかった部屋」「リーガル・ハイ」ミステリでミステリでミステリである。

いやあ・・・このままではミステリ・ドラマ・ブログになっちゃうっ。

だから・・・「ATARU」とか「Answer〜警視庁検証捜査官」とか「コドモ警察」とか・・・選択しにくいじゃん。

そんなバランス感覚・・・ないだろっ。

もちろん・・・ここは50才の鈴木福と30才の本田望結でもいいのだが・・・どうでもいいドラマだからなあ・・・。

だからといって・・・オダジョーがひたすらロックな「家族のうた」とか、いつもの天海姉さんの「カエルの王女さま」とかさらにどうでもいいもんなーーーっ。

で、『Answer〜警視庁検証捜査官・第1回』(テレビ朝日20120418PM9~)脚本・池上純哉、演出・猪原達三を見た。ちなみに・・・警視庁捜査一課・検証捜査係は完全なるフィクションである。そんな部署はない。つまり・・・司法警察員の検察官に対する事件送致の間に検証捜査組織を置いてみました・・・なのだな。まあ・・・やってもいいけどものすごく意味不明だーーーーっ。

そして・・・そのありえない係の管理官に就任したのが斉藤さん・・・ではなくて、元あきる野署(フィクション)署長の新海晶警視(観月ありさ)である。誤認逮捕の釈明記者会見で・・・捜査のずさんさを内部告発したために左遷されたのだった。

そして・・・そこでまたもや・・・捜査員の捜査を全否定なのである。

毎週、根底から覆す気満々なのである。

せっかく・・・完全犯罪を完遂した極悪人涙目なのだな。

悪魔としては同情の涙を禁じえない展開である。近所の斉藤さんならやってもいいことでも現職エリート警察官になったならやってはならないと思う・・・なぜだっ。

今回は放火・過失致死事件・・・。

容疑者は・・・会社経営者・河島(波岡一喜)である。妻(小沢真珠)との離婚成立のストレスで廃工場に放火・・・しかし・・・焼死体が発見され・・・過失致死罪で送致されることになったのである。

しかし・・・斉藤さん・・・いや、新海警視はすべてを見抜いてしまう。

焼死体の妻(高岡早紀)が黒幕であることを・・・。

「そうです・・・夫の暴力にさらされ・・・私の自我は崩壊し・・・完全犯罪で夫を死滅させることこそが存在証明となったのです・・・廃工場の不動産業者に保険金詐欺をもちかけ、息子の手術費用の捻出に困窮していた川島を実行犯にしたてたのです・・・そして・・・夫(並木史朗)を廃工場の事務所に監禁し・・・生きながら焼かれる姿を楽しんだのです」

担当した捜査官・永友(田辺誠一)も涙目である。

「そんなことを楽しんだらいけませんよっ」と軽く説教する新海警視である。

これはもはや・・・東映時代劇だな。

そんな極悪や独善は・・・やはり・・・特命係にまかせておいた方がいいかもねーーーっ。

で『ATARU・第1話』(TBSテレビ20120415PM9~)脚本・櫻井武晴、演出・木村ひさしを見た。『リーガル・ハイ』と同様に『相棒』脚本家の流出である。実証性が乏しいサヴァン症候群的な人々は一種のスペック・ホルダーである。コミュニケーション障害でありながら、事件の真相を超能力で解明してしまう・・・アタルあるいはチョコザイ(中居正広)が主人公ということは要するにファンタジーなのである。

物語は・・・チョコザイはコミュニケーション障害なので蛯名舞子巡査部長(栗山千明)に抱きついたり、胸をまさぐったりしてもセクハラにはならないことを中心に・・・いや、ちがうだろう・・・一瞬で事件を解明しているチョコザイから・・・小出しにされるヒントに食いついて「事件の全体像」というパズルを完成させる・・・沢警部補(北村一輝)と蛯名の使い走り捜査で展開していく。

まあ・・・夫を失った悲しみより・・・労災が降りるかどうかだけが気がかりな被害者の妻(板谷由夏)など善悪定かならぬ人々が右往左往するのがなんとなく楽しいのですな。

もはや・・・全人類がコミュニケーション障害時代に突入しているので・・・うまくつたえられない人たちやうまく受け取れない人たちがうんうん頷きながら見るドラマなのかもしれませんな。

なんで千原兄は無理して標準語なのか疑問のあなたはコチラへ→まこお嬢様のレビュー

で、『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜・第2回』も見た。いわば・・・独善的な主人公の独善をどこまで運命が許していくのか・・・という物語。医者がサービス業だとすれば・・・接客の理想を追求していき・・・ついには算術のみが残るという直感に従えば・・・「仁術」を主張する主人公は必ず破綻するわけです。なにしろ・・・リセットしすぎで底が浅いわけですからな。まあ・・・多くの患者にしてみれば自分が医者になったら・・・さぞかし楽だろうという潜在的願望が満たされるわけで・・・そこが蜜の味かもしれませんな。

日々の積み重ねで習得した知見や技術もなく・・・己の分もわきまえず・・・その場その場の思いつきを「理想」と呼ぶならば・・・世界には何の苦労もありませんからねえ。

いやいや・・・そんなこともないでしょうというあなたはコチラへ→エリお嬢様のレビュー

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2012年4月18日 (水)

こうして私は弁護士なのにリーガル・ハイで無罪を買いました(新垣結衣)

ハイと言えばスカイ・ハイである。

どこまでもどこまでもアッパーなのである。

リーガルといえば合法的な・・・ということである。

もちろん・・・お高い弁護士でもあるが・・・法律に基づいてハイになるってことでもある。

だから、水戸黄門がタイムスリップして執事になっていたり、白石父娘が法廷で敵味方だったり、朝ドラマの主人公がドジでノロマなウメだったり、小池A子先輩が水着にならなかったりする幻想が見えても問題ないのである。

そうなんだよ・・・裁判は燃えるんだよ・・・法廷に立たない弁護士なんて・・・独裁者のいない北朝鮮みたいなもんなんだよなーーーっ・・・おい・・・ラリってるのか。

まあ・・・とにかく、春のお色気祭り・・・ガッキーは開いた脚を閉じるだけでクリア。どんだけスペック高いんだよ。

で、『リーガル・ハイ・第1回』(フジテレビ20120417PM9~)脚本・古沢良太、演出・石川淳一を見た。『全開ガール』でも弁護士だったガッキーがまた弁護士になっちゃいましたーーーっ。ま、間になんちゃって女子高生(らんま1/2)、なんちゃって女子大生(もう誘拐なんてしない)はさんでリフレッシュしてきたからなーーーっ。まあ、前回の弁護士は別に弁護士でなくてもよかっただろう的弁護士だったが・・・今回は全開バリバリの・・・正義感の強い人権派的・・・お嬢様な新人さんである。しかも・・・やるときはやるタイプ。これは・・・もう・・・絶対に面白い。

そして・・・この完璧なヒロインキャラに・・・ターボをかけるのが・・・言わば篤姫における宮﨑あおいに徳川家定である。・・・いい加減に正気にもどらないとな。

つまり・・・「正義なんて金で買える」し「人権も金で買える」し「お嬢様も新人さんも金で買える」的な超法規的弁護士・堺雅人なのである。

これは・・・もう・・・断固として・・・超絶技巧的に・・・不確定性原理も確定するほどに・・・面白いぞーーーっ。・・・おいっ。

いわゆるメジャー・リーグの弁護士事務所の新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)である。

事務所のトップ・・・三木長一郎(生瀬勝久)は黛を企業買収などで稼げる弁護士に育てたいのだが・・・お安い刑事事件の弁護人となった黛はあっさり敗訴してしまう。

殺人罪で起訴されて一審で有罪判決を受けた被告・坪倉裕一(中村蒼)の無罪を信じた黛は控訴審に挑もうとするが・・・「つまらない過去は忘れろ」と三木に警告されるのである。

そんな・・・黛に胸元に天国を隠し持つ美人秘書・沢地君江(小池栄子)が妖しいアドバイスを告げるのだった。

「三木所長に逆らう気があるなら・・・絶対に負けない弁護士を紹介するけど・・・」

絶対に負けない弁護士・・・敗訴によりエリート意識を傷つけられた黛は蟹股でよろめくのだった。

しかし・・・その男は・・・通勤電車で老人を立たせて席を譲らない・・・注意した黛を一撃で論破した・・・天敵だったのである。

超天才弁護士・古美門研介(堺雅人)はかっては三木の右腕だったが・・・三木より手腕に優れたために・・・三木が破門した男だった。そして・・・三木はいつか・・・古美門の泣きっ面をみたいと・・・それだけを願う執念深い男だった。

黛は本人の知らぬ間に・・・そのための刺客に仕立て上げられていたのである。

テンポがいいのでこのあたりのドロドロさはまったく気にならない濃度でございます。

なんだかんだで・・・古美門の実力・・・黛より口が立つ・・・とヨーロッパでシェフ経験があり、経営コンサルタントで、武道の達人、懐に印篭を隠し持つパーフェクト執事・服部(里見浩太朗)の作る料理に魅かれ・・・実家の田畑を抵当にして三千万円の弁護料を自腹を切って捻出してしまう黛・・・ファンタスティック!

黛はこれまでの資料を差し出すが・・・古美門は一蹴である。

古美門の戦略は・・・。

①裁判員裁判なので・・・被告の好感度を上げるために美談の発掘。

②自供を覆すために・・・取り調べたベテラン刑事(中原丈雄)の悪評を工作員・加賀蘭丸(田口淳之介)を使って捏造。

③それをマスメディアにやらせ報道させて世間の同情を買う。

④絶対的なアリバイを証人に催眠術をかけて証言させる。

・・・以上である。

まさに・・・裁判の沙汰も金次第なのだった。

古美門の魔術のようなリーガル・ハイに感染し・・・黛も法廷でノリノリの快感を覚えるのだった。

だが・・・「被告は公園でパンを買ってずっとベンチにすわっていた」と証言した証人に対し・・・影の薄い検事(正名僕蔵)は新しい証人を喚問する。

新証人は善意の第三者のブロガーで・・・その日、公園にいたことをブログに書いているのである。

根本的に戦略を否定された黛・古美門の弁護人チーム。

なんと・・・自動ドアも感知しない検事の背後には「古美門に恥をかかせたい一心の三木」が控えていたのだった。

このブロガーを隠し玉として発掘したので・・・美人秘書に命じて・・・黛に古美門へアプローチさせたのである。・・・手のかかることを・・・である。

敗北の予感に茫然自失となる・・・弁護人チーム。

しかし・・・執事はささやくのである。「人生、苦もあれば楽もありますぞ・・・ブロガーの書くことは100%誠でしょうか・・・毎日、面白おかしいなんて・・・時代劇の中だけではありませんかの・・・くわっくわっくわっ」

黛は正義の心も忘れ、被害者遺族の慟哭も忘れ、勝利の美酒へとまっしぐらになるのだった。

やがて逆転裁判である。

新証人のブログを全部読んだ黛は「定休日の店で食事をした」という・・・ブログのフィクションをあぶりだすのだった。

「あなたは本当にあの日に公園にいたのですか?」

「・・・」

ざわっ。

そして・・・取り調べをした刑事に質問する・・・古美門。

「あなたは・・・取り調べ室からは物音ひとつしなかったというが・・・その日は隣のビルの取り壊しがあって一日中ものすごい騒音だったわけなんですけど・・・しかも大震災で原子炉メルトダウンで節電の夏で窓全開だったわけですよね・・・おかしくないですか?」

ざわざわ・・・。

「あなたは・・・取り調べの可視化によって・・・いろいろと追い詰められていたんじゃないんですか・・・これまで培ってきたテクニックが封じられるかもしれないと・・・あせっていたんじゃないんですか・・・」

ざわざわざわ。

「何言ってんだ。俺は刑事なんだよ。あいつの目を見れば殺ったのはこいつだよって直感が働くんだ。こいつは間違いなく犯人なんだよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

練習したのにガッキーすってんころりん、無罪さかさまのコントがあって・・・。

釈放された被告・・・彼は刑事を目撃し・・・「次はあいつをぶっ殺してやる」とつぶやくのである。

黛はその口調に殺意を感じて胸騒ぎを感じるのだった。

「ふふふ・・・思い知っただろう・・・殺人犯を無罪にしてしまったかも・・・って恐怖を感じただろう・・・でも・・・推定無罪の原則だからな・・・彼は無実ではないかもしれないが・・・無罪なんだよ。それを全力で勝ち取るのが・・・弁護士の仕事なんだ」

「・・・」

しかし・・・すでに黛は法廷中毒に冒されていたのである。

当然のように・・・三木の事務所を退職し・・・古美門の事務所に売り込みに来るのだった。

「私はやはり高齢者には席を譲るべきだと思うのです・・・それは不文律ですから」

「なるほど・・・雇用しよう・・・ただし・・・あの場で言えていたら・・・ボーナスもらえたのに・・・残念賞・・・」

「この後は・・・腕もないのに口だけ達者な研修医の話・・・天下の副将軍の後は将軍様でお楽しみください」

あなたの見たかったガッキーがここにいます。

こんな堺雅人が見たかったあなたはコチラへ→くう様のリーガル・ハイ

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2012年4月17日 (火)

鍵のかかった部屋で監禁されちゃうのかと思ったら監禁しちゃいました・・・(戸田恵梨香)

さて・・・(月)は「鍵のかかった部屋」(戸田恵梨香)である。「ハンチョウ」が・・・水曜日ならなあ、(月)トダエリ、(火)ガッキー、(水)比嘉愛未で「コードブルー三人娘」のスリーカードができたのに・・・残念だ。

「私がドクターじゃないからですか・・・」(フライトナース)・・・いや、そうでもないですけどーーーっ。

さて・・・(日)平清盛、(月)魔王の密室物語、(火)おそらくガッキー、(水)未定、(木)たぶらかし、(金)おそらく妻記憶喪失、(土)都市伝説と・・・今季のラインナップほぼ・・・決定である。

もう・・・(水)しか残ってないのか・・・。

生存競争はげしいなあ・・・谷間にならないと・・・観月ありさ・・・そうなるとタイトル的には帝国全滅である。

まあ、前期は山Pを筆頭にマンハッタンのマスターと理想の息子そして松潤(瑛太)と四人も帝国支配が続いたからな。

キッドのブログのタイトルに「帝国勢のいない春」というのもたまにはいいかもしれない。

谷間的ジャンプがあるとすれば・・・(土)の動物王子刑事か・・・(日)のレインマン中居探偵か・・・。

しかし・・・両コンテンツともに(月)とめちゃくちゃ・・・かぶってます・・・からね~。さらにもしもジャンプしても(土)は「大政絢」タイトルになりそうだし、(日)は「栗山千明」タイトルになること100%だしな。

帝国ピンチ、局所限定的に・・・。なんだろう・・・作戦本部の采配ミスじゃないか。

しかし・・・そうなると(月)→(火)はフジテレビで弁護士ダブルだよな。本当はそれもどうかと思うのだな。

「弁護士」→「弁護士」→「警察」→「女詐欺師」→「病人とその夫」→「オカルト警察」→「平安赤軍派物語」

なんじや・・・こりゃーーーっだな。

ああ・・・そうか・・・(水)は(火)→(水)方式で・・・「いい年して技術的な積み上げのない医者」(草彅剛)もあるのか。

帝国、最後の切り札になるかもね~。まあ・・・すべては「Answer」(観月ありさ)次第なのですなーーーっ。

で、『鍵のかかった部屋・第1回』(フジテレビ20120416PM9~)原作・貴志祐介、脚本・相沢友子、演出・松山博昭を見た。脚本家は「私を旅館に連れてって」「めだか」「鹿男あをによし」と切羽詰まった仄々を描かせたら超一流である。本格推理という・・・どちらかといえばテレビドラマに不向きな題材をそこそこコミカルに描いている。もちろん・・・戸田恵梨香の七変化が際立っていることは言うまでもない。なんだろう・・・深津絵里をベースに竹内結子と松下奈緒をちょちょいとまぜちゃった感じ・・・すごいぞ、戸田恵梨香。

窓にはカギがかかっています・・・

いきなり・・・密室の説明をして暗転である。

暗転しすぎ・・・と言っておきたい。

で・・・新人弁護士・青砥純子が「仕事の大小にものすごくこだわる」フリードマン・芹沢総合法律事務所の芹沢弁護士(佐藤浩市)のアシスタントに配属されるところから話は始る。

芹沢鴨じゃなくて・・・豪なのだな。

まあ・・・キッドにとってはいくつになっても我が子可愛さで全人類を貞子に売った男だけどな。父に棄てられた男としては映画「らせん」はある意味、魂の演技だったのだな。

それはそれとして本当にいい役者になりましたな。

セリフは「俺が10分でいくら稼ぐと思ってんだ」「自殺なんだろ」「正解はCMの後でだけはやめてくれ」「オチだけは俺にやらせてくれ」の四つだけですがーーーっ。

そんな芹沢を一瞬で月曜日まで絶対あかない金庫にうっかり閉じ込める青砥弁護士。

「ああーっ、もうだめーっ、しまっちゃだめーっ」と金庫にすがりつく演技で・・・春のお色気祭りに参加終了である。

だってー、パイオツカイデーとかないし・・・太ももとか脚線美とか無理だし・・・入浴シーンは今更だし・・・パンツのラインくらいしか見せるところありませんなのだな。

清々しいぞ・・・戸田恵梨香。

就任早々の大失敗で暗澹とする青砥弁護士の元へ・・・颯爽と登場するのは魔王でも怪物くんでもなくて・・・東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)である。

絶対に開けられない金庫とマエケンが保証する・・・歌のおにいさんつながりかっ・・・金庫を17分で開けましたーーーっ。

「思ったより・・・時間がかかりました・・・」

ドジでノロマのくせにおっちょこちょいな青砥弁護士は救世主・榎本さんを神とあがめることになるのだった。ちなみに原作は榎本・青砥で進行しますが、ドラマ・オリジナルの芹沢弁護士がオチを持っていく趣向になっています。

さて・・・本題に突入。

芹沢弁護士の代理として・・・企業経営者に営業に出かけた青砥弁護士。

そこで・・・「死ぬはずのない奴が・・・密室で死んで自殺にされてしまった・・・友人として真相を知りたいので調査してもらえないか・・・」と依頼されてしまう。

話を持ち込んだのは死んだ新日本葬礼社の元・社長の友人の実業家・円山(浜田晃)と元・社長の遺言を作成した司法書士の日下部(堀部圭亮)である。

そして・・・二人が怪しく思うのは・・・黒い噂のある新社長の池端(風間杜夫)なのだった。

もちろん・・・キャスティング的に池端は真犯人に間違いないのだが・・・問題は密室トリックなのである。

死体は発見された時に・・・ドアを背に机を前にして座っており・・・その他の窓や扉には鍵がかかっていたのである。犯人は開いた扉から出たとしてもその後で重い机やソファを死体の前に置くのは不可能ということで他殺の線は消え・・・自殺として処理されてしまうのである。

「なんで・・・そんな依頼を受けて来たんだ」と芹沢に叱責された青砥はもはや「榎本さん」にすがるしかないのである。

そして、榎本は密室トリックを暴くのが趣味という・・・天才的変人なのだった。

やがて・・・「死体は立っていた」という目撃者の証言から・・・四次元的時間を導入する榎本は密室トリックの謎をCMの後で解明するのである。

ヒントは・・・死後硬直はやがて解けるという鑑識的常識です。

しかし・・・密室トリックを解明すると事件に興味を失う榎本さん。

死体は自分でお座りしたのです・・・ただそれだけのこと。

「ははは・・・私が犯人だという証拠はないんだね」というモリオ・・・いや池端に・・・芹沢弁護士が決めるのである。

部屋に残された遺書に・・・「あなたしか知らないことが書いてあるのに・・・私、気がついてしまったんです・・・池端社長・・・せっかくいい人(金になる人)と知り合えたのに残念だ」

こうして・・・2012年毎週密室トリックの旅は始ったのである。

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魔王

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2012年4月16日 (月)

時々吠えることがある・・・一人で吠えることがある(松山ケンイチ)

世の中が腐敗し・・・悪臭を放つ。

その匂いに耐えかねて・・・鼻をつまむものがいる。

自らが身を清め、匂いの元から遠ざかろうとするものがいる。

とりあえず、フタをするものがいる。

自らも穢れに身をまかせ、腐乱していくものがいる。

醜いものの中に美しいものを求めるものがいる。

そして、火を放ち、すべてを焼き尽くすものがいる。

腐り果てたものは敏感に・・・それに「死」の匂いを嗅ぐだろう。

そして・・・警告するだろう・・・そんなことをしても無駄なことだ・・・と。

しかし、自らが炎であるものに・・・どんな説得が通じようか。

かって・・・父は・・・革命の理想に燃えていた。

その炎は息子に燃え移った。

たとえ・・・父の炎が消えてしまっても・・・息子の炎は燃え続けるのである。

かって関東の革命児・・・平将門を葬った平貞盛の末裔が・・・平忠盛である。

敵を討ったものに炎が飛び火するのが因果というものなのでございます。

しかし・・・焦土から生まれた新しい命もたちまち・・・腐敗していく。

それがこの世の実相である。

そして・・・母親というものは・・・腐敗するものも・・・燃やしつくすものも生み育てる宿命を負っているのだ。

その果てに待つ運命の哀れを思えば思うほどに涙の止まらない今回でした。

で、『平清盛・第15回』(NHK総合20120415PM8~)脚本・藤本有紀、演出・柴田岳志を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はついに出た怨霊の帝王、崇徳上皇の描き下ろしイラスト大公開でございます。意表をつかれましたぞ~。坊主になった信西や西行でも薄倖の姫君・由良御前でも愛されすぎた美少女常盤御前でもなくて・・・ひっそりと忘れ去られた待賢門院の忘れ形見兄弟・兄の方とはーーーっ。しかし・・・これで兄弟そろってめでたし・・・でございますなーーーっ。実は・・・松田兄弟画像にしなくて失敗だったな・・・とずっと思っていたので正直ホッとしましたぞ・・・なんのこっちゃで相すみませぬ~。だから私信はコメント欄でやれってば。松田兄の崇徳もなかなかに良い味だしそうですがーーーっ。そういう意味では柄本兄弟もありですな。鳥羽法皇は柄本明になりますけれど~・・・おいっ。

Tairakiyomori13 久安五年(1149年)に平家盛が病死したことにより、平家は御家騒動を免れた。神のサイコロの怪しさである。一方、藤原摂関家では父・忠実の描いた兄・忠通から弟・頼長への氏の長者の兄弟相続が難航する。男子不在のために弟を養子にした忠通には46才で基実、48才で基房、52才で兼実と次々に男子が誕生したのである。このため、弟を廃嫡し・・・摂関家を我が子に継がせようという親心が芽生えたのであった。こうして・・・忠通は父や弟と袂を分かつのでございます。そして、その火花は久安六年(1150年)に近衛天皇が元服すると・・・入内競争となって華々しく散るのだった。頼長が養女・藤原多子を近衛天皇の皇后とすれば、忠通も養女・呈子を近衛天皇の中宮にするのである。多子は亡き待賢門院と同じ閑院流の出身であり、対する呈子は美福門院の従兄弟の娘である。まさに仁義なき戦い内裏戦争頂上決戦なのであるが・・・鳥羽法皇は藤原摂関家の内紛を面白おかしく高みの見物なさるのである。先に男子を生したものが勝利するこの抗争に神のサイコロは無情にふられる。どちらに味方したものか・・・公家も武家も頭を悩ませ・・・やがてそれは一つの巨大なうねりとなっていくのだった。

馬鹿な兄上様じゃ・・・と頼長は宇治の父親から届けられた美少年を愛でながら思う。

父親の前関白・忠実こそが頼長に男色を手ほどきした・・・師匠である。同じ血を分けた兄弟だが・・・後ろから前からつながっている絆が違うのである。その証拠に・・・父・忠実は近在の美少年を賞味した後で・・・是非、息子にも味あわせたいと都に送ってくるほどなのである。

「最近・・・なかなかに美味これあり、ぜひともご賞味あれ・・・父」なのである。

そうした父と弟の仲の良さに嫉妬して・・・頼長を廃嫡し・・・自分の子供を摂関家後継とするため・・・様々に画策している兄である。

そういう兄が・・・頼長は哀れに思えるのである。

「摂関家のかっての栄光を取り戻せるのは麿だけじゃ・・・」と頼長は強烈なエリート意識で思う。

そもそも、天皇家と摂関家は名誉と実利でつながっているべきなのである・・・と頼長は思う。

かって、天皇家と大伴家、天皇家と物部家、そして天皇家と蘇我家と・・・シンボルとシンボル保護者の関係でこの国はまわってきた。異質だったのは聖徳太子で・・・彼は王家の一員でありながら・・・実務に手を出した最初の一人である。院政はこのバリエーションなのである。帝が早期退位し、上皇として帝を保護する。このような動きがあれば・・・シンボル保護者は相対的に地位が下がるのだ。

上皇や法皇が政治に口出しすれば・・・摂関家の利が薄くなってしまうのである。

頼長は・・・院政を廃し、摂関家の支配するこの世を再現しようとしているのである。

「しかれども・・・」と頼長は思う。兄・忠通は・・・身分低き藤原傍流の女狐(美福門院)などに阿るとは・・・法皇(鳥羽)の思うツボではないか・・・と頼長は憤るのだった。

その怒りの矛先がついつい・・・家畜である平家の御曹司の菊門に注ぎこまれ・・・貴重な手駒を失うことになったのだ。

頼長は貴族独特の唯我独尊により・・・自分の失策をも・・・兄の失策に転嫁するのだった。

六波羅の平家一門屋敷では家盛の法要が厳かに行われていた。

その席に清盛の姿はない。

家盛が死んだ久安五年、高野山の根本大塔は落雷にて焼失した。鳥羽法皇は謹慎中の清盛に業務復帰の命として根本大塔建立奉行の職を与えるのである。

これに応じて、父・忠盛には刑部卿の職が与えられることが内示される。

刑部卿の職は正三位相当である。忠盛は正四位上と武家の位階としては最高位に達していた。つまり、先に職を与え・・・職に準じて位階をあげる・・・忠盛が公卿に列するための布石である。

高野山の根本大塔再建工事はその発端なのである。

しかし・・・その裏では鳥羽法皇の愛娘統子(むねこ)内親王の指示による妲己守護結界の封印解除が策動していた。

それを知ってか知らずか・・・沙汰の席で美福門院は鳥羽法皇とともに・・・平忠盛に微笑む。

清盛は・・・清盛家一族とともに高野山に移住していた。

そして・・・建立事業のかたわら・・・高野山周辺を探索していたのである。

もちろん・・・高野山を修行の地に選んだ西行こと大伴の忍び服部半蔵も同行している。

九世紀の空海の開山より300年・・・数々の歴史を刻んだ高野山で・・・清盛は日々を過ごしている。

しかし、西行配下の王家忍びたちの努力もむなしく・・・封印の地は発見に至らない。

そこで・・・都より・・・時子が呼び出された。秘本・源氏物語の機能を試すためである。

「殿・・・お元気そうでなによりです」

「ふふふ・・・都より離れ山中にいれば生気がみなぎるのじゃ・・・都は相変わらず陰々としているだろう」

「殿は・・・なぜ、さように都をお嫌いなのですか」

「わからぬ・・・わからぬが・・・狂おしいほどに・・・すべてを焼き尽くしたい・・・滅ぼしたい心にかられるのだ・・・」

「亡き方への・・・未練ではございませぬか・・・」

「そうではない・・・明子のことは・・・そういえば・・・明子の占いによれば・・・我には遠き後生の魂がさかしまにながれているそうだ。なんと・・・もうしたかの・・・そうそう、著下馬羅とかいうからくにのいくさのきみらしい・・・」

「まあ・・・後世の御霊が心に宿るなど・・・聞いたこともございませぬ・・・やはり、明子様は面白きお方」

一瞬の沈黙の後・・・清盛は本題に入った。

「さて・・・波音から仔細は聞き及んだと思うが・・・」

「役に立つかはわかりませぬが・・・二十の帖・朝顔をお持ちしました。これは妖気探索機でございます」

「なるほど・・・封印の妖を察するか・・・しかし」

「はい・・・高野のお山は広うございます・・・そこで、今日から・・・時子は・・・清盛様と山を駆ける所存でございます・・・」

「そうか・・・それはまた面白かろう」

こうして・・・清盛夫妻は高野山に入った。そして、仁平二年(1152年)、時子は平知盛を出産する。

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2012年4月15日 (日)

都市伝説の女と怨霊と桔梗の花言葉は変わらぬ愛(長澤まさみ)

朝ドラマの次週予告では堀北真希も半裸で春のお色気祭りに参加していたわけだが・・・。

なんだろう・・・この流れ・・・世紀末なのか・・・もう世紀末まで88年しかない気分なのか。

そういう浮かれ気分に乗って脚線美で勝負の長澤まさみである。

本来、乳勝負ではなかったのか・・・。しかし・・・足の方も文句ないな、自分でスパンキングするという過剰なサービスもあるし・・・変態かっ・・・変態でございます。

とにかく・・・都市伝説である。都市(アーバン)の伝説(レジェンド)なのである。

では・・・都市とは何なのだろう。みんなどのくらいの地域を都市というのだろう。東京はおそらく都市だろう。では京都は都市なのか?・・・大阪は?・・・博多は?・・・札幌は・・・?・・・名古屋は・・・?・・・いや、在住の人々はもちろん、都市と答えると思われる。

しかし・・・東京都民は大阪や名古屋や札幌や博多や京都を都市とは思わないという都市伝説があります。

だってねえ・・・大阪の都市伝説とか言われてもピンとこないし・・・。おいっ。

そうやって田舎を蔑視するから疎開したり買い出しに行ったときに田舎者に意地悪されるんだろう・・・だから、何の話だよっ。

都市伝説と迷信とジンクスとおまじないとマーフィーの法則の違いはどこにあるのだろう・・・という疑問もありますな。

それはそれとして「結婚の予定なしにウエディングドレス(花嫁衣装)を着ると婚期が遅れる」の法則を信じていつまでも独身でいてもらいたい女優が久しぶりに全開バリバリである。着まくってますからな。

いきなり・・・将門の怨霊ネタだが・・・最後は将門礼賛になっているところが・・・君子、危うきに近寄らずなのですなーーーっ。

で、『都市伝説の女・第1回』(テレビ朝日20120413PM2315~)脚本・後藤法子、演出・星野和成を見た。チーム・バチスタシリーズで手堅い脚本家がキワモノにチャレンジである。まあ、一部愛好家は迷信とか、伝承とか、呪いとか、祟りとかに興味津々の女の子に萌えなのである・・・変態かっ・・・だから変態だってば。で、その上にスタイル抜群の警視庁捜査一課の音無月子巡査(長澤まさみ)・・・新人刑事である。道行く人々は50%ふりかえるのである・・・つまり男は全員だっ。

直属上司の丹内主任(竹中直人)は「なんじゃあ・・・そりゃあ」と眼を剥くが月子は「あら・・・地味ですかね?」とおとぼけなのである。チャラチャラしている上にしたたかなのである。

しかも・・・「鉄道切符の発券番号は両側の数字が同じだと・・・運命の人との出会いの確率が分かるんです・・・中の二ケタが的中確率を示します。つまり・・・1991なら・・・成就の可能性99%なんですよ・・・しかし、中の二ケタが00だと・・・それは100%なんですかね、それとも0%ですか・・・そそりますよね~」と軽く演説して・・・丹内班の先輩刑事一同・・・芝山(平山浩行)、岩田(安藤玉恵)、安藤(良知真次)を唖然とさせるのだった。

そして・・・恐ろしい事に・・・月子は電話がかかってくるのがあらかじめ分かるスペック・ホルダーなのである。ファンタジーなのか・・・ファンタジーですな。

さて・・・丹内班は・・・郷原主任(宅間孝行)率いる郷原班の下請けのポジションにあるらしい。コメディーなのか・・・コメディーですな。

月子最初の事件「サラリーマン転落死…将門首塚の祟り!?かもしれない」はほぼ自殺と見たてられ・・・郷原は丹内班に後始末をまかせるのだった。

しかし・・・月子は・・・「これは自殺じゃありません・・・他殺でもありません・・・祟りです・・・将門公の祟りなのです」と希望的観測をこめて断言するのである。

「ふざけんなっ」と言いたい・・・丹内だが・・・月子が武警視庁副総監(伊武雅刀)と「月ちゃん」「武ちゃん」と言い合う仲だと知ると沈黙するのだった。

こうして・・・新人刑事月子は女の武器を最大限生かして・・・事件捜査の主導権を握り・・・警視庁鑑識課の勝浦(溝端淳平)を勝手にアシスタントにして・・・都市伝説的調査に乗り出すのである。

そつなく可愛い三枚目をこなす・・・溝端淳平・・・しかし、それだけではあきたらず今回は・・・彼自身も「視認したことは完全記憶」というスペック・ホルダーである。

たたみかけますな。

ついでに・・・やたらと都市伝説に詳しい謎の老人・小栗龍太郎(宇津井健)とか・・・一人暮らしの月子の家に何故かいる謎の妹・都子(秋月成美)とか・・・正体不明の元カレ加賀春樹とか・・・細江(小林優美)・板倉(篠原真衣)の交通課のミニスカポリス・コンビとか・・・あふれんばかりのレギュラー陣である。

その上・・・ゲストが・・・久しぶりだね、関口千穂( 内山理名)なのだな。もう、満腹感がございます。

同族会社として名高いハギノ電工・・・その社員・藤沢(斉藤陽一郎)が社屋から転落死・・・その顔は東京千代田区大手町の平将門の首塚を見ていた・・・のである。

どうやら・・・最初から事件の真相がわかってしまうらしい・・・月子は次々と・・・将門伝説と事件を結び付け・・・あらぬ方向から真実に迫っていくのだった。

都市伝説①・・・平将門は天慶3年(940年)に帝に対する反逆者として鎮守府将軍・藤原秀郷によって滅ぼされ怨霊となった。・・・そりゃ、史実だろう。いや・・・怨霊の部分は科学的には伝承。

都市伝説②・・・平将門の首は京都でさらされたが、自力で飛行し、関東に戻ってくる・・・北朝鮮のミサイルより優秀である。

都市伝説③・・・平将門ファンの関東人は各地に首塚を作る。それを尊重しない者には恐ろしい祟りがある。それは伝承だな・・・いや史実です・・・なんなんだよっ。

都市伝説④・・・そのため・・・大手町のビルには将門の首塚を見下ろせる窓はない・・・ウソです。

都市伝説⑤・・・被害者は屋上から・・・首塚を見下ろしたために祟られて墜落した・・・憶測です。

都市伝説⑥・・・祟りの証拠として被害者の体から現場にはない「桔梗」の花が発見される。

都市伝説⑦・・・桔梗は将門を裏切った女の名前である。

「本当なんですか・・・」と年下の男の子・鑑識・勝浦。

「もちろん・・・伝承だから・・・ウソかホントかわからない・・・なにしろ・・・桔梗御前がだれなのかも分からないし、関東いたるところに桔梗姫の墓(桔梗塚・・・取手、秩父、佐倉など無数に存在する)、桔梗が裏切ったのかどうかもわからない・・・桔梗は平将門の母親だった都市伝説もあるくらいだからねーーーっ」

月子の言葉よりも月子のすらりとのびた長い脚、むっちりした太もも、とにかくゆらゆらする胸元から目が離せない鑑識・勝浦のために説明しよう。

様々な説の中から・・・今回の事件の裏に蠢動する都市伝説⑧は次のような説話である。

多くの愛妾を持った平将門だが・・・特に藤原北家の血を引く藤原村雄の娘と言われる桔梗の前を激しく愛でたという。

しかし・・・平将門追討の任を負った藤原秀郷もまた・・・藤原村雄の息子であり・・・つまり秀郷と桔梗の前は兄・妹だったのである。

夫である将門と兄の秀郷の間で揺れる桔梗の心である。

なぜなら・・・秀郷と桔梗は近親相姦の間柄でもあったのだ。

藤原のくのいちである桔梗は上忍である秀郷の命に従い・・・将門との子である3人の我が子の助命を条件に・・・将門の秘事を明かしてしまう。

将門には鉄仮面をつけた六人の影武者がいたが・・・それぞれの鉄仮面には目印として違う場所に空気穴があったのである。将門本人の鉄仮面はひたいに空気穴があったのだ。

秀郷は風の変わり目を狙い・・・見事、将門の額に一矢を報いるのだった。

将門は怨霊と化し・・・将門ファンにとって桔梗は禁じられた花となったのだった。

もちろん・・・保身のためが秀郷は桔梗と三人の子供を助命せずに虐殺したことは言うまでもない。

そのために桔梗も怨霊と化したのであった。

実家と嫁家の板挟みな桔梗ファンはこっそりと各地で桔梗の花を植えたのである。

余談・・・その後・・・桔梗紋は天皇家守護(国家安泰)の一族のシンボルとなった。

桔梗の前の息子の一人、平将国は復活の呪文で復活し、安倍晴明となり、桔梗紋を五芒星に閉じ込める。

清和源氏の流れに摂津源氏があり、義経と共闘した多田氏もその一族である。この多田氏から美濃源氏が派生し、土岐氏が生まれる。この紋が桔梗であり、やがて明智光秀が天皇守護として反逆者・信長を暗殺することは言うまでもない。さらに時代は下り、明智坂本氏の末裔・坂本竜馬が桔梗紋で回天の事業に参加するのもすべて・・・民を裏切る桔梗の呪いに基づいている・・・あくまで都市伝説です。

ちなみに・・・桔梗の娘は女陰陽師・滝夜叉姫となり、祟ります。

また、長男の平良門は鬼となり、祟ります。

さて・・・将門は基本的に権力者には祟るが庶民には祟らないという良い神様です。

ドラマでも東海道を飛翔して故郷に帰った将門にあやかって・・・左遷されて地方にとばされた単身赴任者が早く本社復帰できるように「カエル」を奉納する姿が描かれています。拉致被害者家族も保身しか考えていない政治家に頼らずに将門公の怨霊に頼った方がいいのではないかと考える悪魔もいるようでございます。

そして・・・解き明かされる・・・墜落死体の謎。

人体実験と称し・・・ハギノ電工社屋・屋上から飛び降りた月子は・・・腐敗しきった同族会社にありがちな乱脈経営の実態を盗聴してしまう。

さらに・・・被害者の部屋から・・・社内の不正を告発せんものとする録音が鑑識・勝浦の特殊能力によって発見されてしまうのだった。

すでに真相を見切った月子は勝浦にハギノ電工の所有物件を捜索させ・・・桔梗が狂い咲きしている倉庫前で被害者の血痕を発見するのだった。

ハギノ電工の荒んだ経営者たち・・・つまり容疑者たちに真相をぶつける月子。

「そんな・・・あの人は自殺ではなかったの・・・」

顔色を失う・・・桔梗姫の生まれ変わり・・・関口千穂・・・彼女はハギノ電工営業部部長の萩野亮一(柏原収史)の婚約者であると同時に・・・被害者・藤沢のかっての恋人だったのである。

「私・・・彼を愛していました・・・私は告発なんかしたら・・・彼がクビになってしまうと思い・・・事を丸く収めようと・・・フィアンセに相談しただけだったんです・・・まさか・・・この人たちが彼を殺してしまうなんて・・・私はなんて・・・バカなんだろう」

「バカですね・・・でも恋する女はみんな馬鹿になるっていう都市伝説がありますから」

「・・・」

こうして・・・愚かな会社経営者と愚かな正義漢と愚かな女の都市伝説は白日の下にさらされたのだった。

「やはり・・・将門の祟りなんてなかったんですね・・・」という鑑識・勝浦。

「何・・・言ってんの・・・すべては不正を憎む将門公の御霊の霊験あらたかなる采配なのよ・・・誰が桔梗の花を咲かせたと思っているのよ・・・」

「えーっ・・・」

「都市伝説はあるの・・・だって・・・私、子供の頃に天狗にさらわれて神隠しにあったという・・・実体験があるのだもの」

「えーっ・・・」それはもしかして変態に誘拐されて性的虐待を受けて記憶喪失になっているだけなんじゃ・・・と鑑識・勝浦は瞬時に思ったが口には出さないのだった。

こうして・・・都市伝説で事件を解決する変態的ミステリの幕は上がったのである。

月子の超絶的な美脚と妖艶で隠微な過去とともに・・・。

桔梗の花言葉は「変わらぬ愛」・・・それは一途な愛のために様々な人々の期待を裏切るということに他ならない。

そのために桔梗は多くの人々に呪われて、今や絶滅危惧種に指定されている。

都市伝説か・・・いいや・・・悪魔的な事実なんだな、これが。

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2012年4月14日 (土)

純白ですけど・・・何か・・・クローバー模様じゃないってば(有村架純)

スレンダーなのでパンツ・チラリズムでサービス、サービスである。

なんだか・・・みんなチャレンジ激しいな。

春のセクシー・キャンペーン中なのか。

有村架純・・・キッドのブログのタイトルに初登場である。なんか早いな。

さて・・・ここは金曜ドラマA枠で・・・来週は「もう一度、君にプロポーズ」の予定でございます。

で、「都市伝説の女」のレビューは金曜ドラマB枠・・・つまり明日(日)の更新にする予定。

当然、「クローバー」は書き逃げです。

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で、『クローバー・第1回』(テレビ東京20120414AM0012~)原作・平川哲弘、脚本・村上直美、演出・入江悠を見た。「スペック」の雅役でおなじみの有村架純がヒロインの秋山ユイを演じる『週刊少年チャンピオン』連載中のコミックのドラマ化である。有村架純も19才なのでなんちゃって高校生ポジションになったが・・・今回はほぼ現役と言えるだろう。

クローバーは基本、三つ葉で三人の男子たちの友情のシンボルである。

一人目はケンカ上等のヤンキー高校生のハヤト(賀来賢人)で実年齢22才、女優の賀来千香子の甥である。

二人目は文学少年のいじめられっ子トモキ(三浦貴大)で実年齢26才、父・三浦友和、母・山口百恵である。

三人目は巨大な体躯をもてあますのけものケンジ(鈴之助)で実年齢27才、大河ドラマでは清盛の弟・平教盛を演じている。

主役グループ全員なんちゃって高校生だが・・・まあ、それなりに良い感じだと考えます。

ある意味、定番の小学生の時、転校したマブダチ(親友)が数年後に帰ってくる展開。

今回は帰ってきたハヤトは・・・変わらぬ友情を感じているのに八年の歳月がトモキやケンジの心情に様々な陰翳を作ってしまっているというパターン。

転校前に二宮金次郎の銅像に三人の名前とクローバーを書き込んだエピソードをはじめ、原作にある程度沿って作られており・・・幼少時代のノスタルジーと高校生となった現在とのバランスの取り方がなかなかオーソドックスで好感触でございました。

終焉しつつある少年時代に感じる幼い日々への郷愁・・・そういうものは確かにありますからな。

三人は小学生の時もはみだしもののトリオだったのですが・・・高校生になった今はハヤトを失って孤高の道をトモキもケンジも歩んでいます。

トモキは密かにバイクを趣味としていますが・・・不良集団のカツアゲから逃れることに全身全霊を傾け・・・ケンジはなんらかの弱みを不良のボスに握られて暴力的な奴隷労働を強いられています。

そんな・・・二人にハヤトは激しくアプローチ・・・再び、友情の灯を点火しようとする・・・このような趣向。

そんな男の子たちの友達ごっこに巻き込まれていくのがユイというわけですが・・・原作通りならそれなりにシビアな家庭環境を持っていてそれなりの見せ場があると思われますな。まあ、サラブレッドにまじって女を磨いていくところですな。

ハヤトとケンジは早くも血みどろの拳の応酬で・・・タイマンのある世界の幻想を描いて・・・なかなかに見応えありましたーーーっ。

まあ、単行本で26巻までありますからなーーーっ、・・・先は長いわけですが・・・キッドの興味は来週はどんなサービスがあるのか・・・その一点だーーーっ。

「俺たち三人はダチだろう・・・」

「まあ・・・みんな・・・のけもの・・・だけどな」

「えへへ」

「・・・私の自転車、返してよ」

・・・甘酸っぱい。

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ハガネの女

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2012年4月13日 (金)

なりすまし・・・って女優魂爆発ですかね・・・赤いドレスの女(谷村美月)

さて・・・子役あがりのAKB48の大島優子がおそらくヒロインをつとめる「カエルの王女さま」があるわけだが・・・初回を見る限り、オーソドックスな再生復興計画ものである。

天海祐希(44)VS石田ゆり子(42)もなかなかに火花を散らして素敵だが・・・「老いることは不幸ではない、老いたと気付かないことが不幸なのだ」・・・ということなのだな。

「ショムニ」的要素もあるわけだが・・・仕事と趣味の落差は大きいよな。

ここではない・・・どこかを求めるのは人間の性とも言えるが・・・歌が好きな人には楽しいドラマかもしれない。

追い詰められてしまう女たちが出口を求めていくのは必然だが、はたして扉の外には「幸せ」があるのかどうか・・・謎なのでございます。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第2回』(日本テレビ20120412PM2358~)原作・安田依央、脚本・西田直子、演出・遠藤光貴を見た。・・・こっちかよっ。・・・だってストレートなんだもん。胸の谷間、太もも、へそ、胸の谷間、ホットパンツ、ストッキング、赤いドレス、シャワー、キス、愛撫、胸の谷間、太ももである。これでもかっなのである。これだけの猛攻にさらされてノックダウンされないでいられようか・・・いや、いられないのだ。

谷村美月の女優魂炸裂である。

しかも・・・どうやらルーティン・ワークなんだな、これがっ。

毎回、胸の谷間、へそ、太ももの猛攻なのかーーーっ。

そんなにサービスしなくてもいいんだよ・・・と思わずつぶやく勢いだ。ツイッターかっ。

ドラマとしてはものすごくオーソドックスな作りだが・・・なんとなく・・・「天使のはらわた」とか、「赤い・・・」とか、「名美シリーズ」の匂いがします。そういうスタイリッシュなヴァージョンも見てみたいぞ。

今回、冬堂マキ(谷村美月)が演じる・・・というか、なりすますのは「バンブーネットコミュニケーションズ」社長・竹内奈々(三浦理恵子)である。業種はウェブにおけるビジネス展開の代行業というところ・・・。ビジネスに関しては自信がある竹内だが・・・実は実生活の自分自身に自信がなく、表の顔としてマキを利用しようと考えたのである。

若きネット・ビジネスの成功者としてテレビにもとりあげられ、出だしは順調である。

それにしても・・・社員さえ・・・社長の素顔を知らない会社って・・・などと疑問を感じてはいけない時間帯であることは言うまでもない。

ちなみに社員にはさりげなく、牙狼<GARO>シリーズ(テレビ東京)のヒロイン・御月カオル(肘井 美佳)がまじっています。コーラス部出身なのにこっちか・・・。

竹内はマキに「女の色気を使って営業しろ」と要求をエスカレート。

マキは「私は女優で・・・風俗嬢ではありません」なのである。

うん・・・その境界線は守ろうね。

そんな竹内だが・・・プライベートでは実名ブロガーである。ただし、顔は未公開である。そのため・・・お気に入りのコメンターからデートにさそわれて・・・マキに延長を申し込むのだった。

マキは「そんなことに何の意味があるのか」と問うが、「年齢的に失敗したり傷ついたりするのはイヤだ」と竹内は雇用者のわがまま爆発である。

デートの相手は平野(内田朝陽)で実は竹内の同業者であり、最初から竹内のビジネスを狙ってのアプローチである。色事師なのである。

ウエイターに変装した水鳥(山本耕史)のワンポイント・アドバイス「ステーキはポアソン用のナイフでは切れない」があって・・・豪華すぎるチョイ役だな・・・意気投合するマキと平野だった。

竹内は一目で平野に心を奪われてしまう。

一方、竹内は大手アパレルブランド「ノワリー」のオンラインストアの立ち上げを企画し、営業を仕掛けている。そこに・・・平野はビジネス・パートナーとして提携したいと持ちかけてくるのだった。

平野はマキを「小娘」とあなどり、秘書を演じる竹内が「邪魔」と感じたために色仕掛けで竹内の排除を計画する。

女としてたぶらかされた竹内は酔わされてまんまと自身の解雇に同意し・・・会社は平野にのっとられかけるのだった。

自暴自棄となった竹内にマキは告げる。

「私はあなたを演じてみせる」

シャワーシーンである。

やがて、平野に色仕掛けで逆襲をしかけるマキ。

誘っておいて・・・「キャー、何するの」・・・それは美人局だろう。

恐喝や詐欺の罪に問われるおそれがあるので良い子は真似をしないようにご注意ください。

「そんな・・・合意だよ・・・誘ったのは・・・そっちだろう」

「いいえ、社長は嫌がってました・・・」

証拠の写真を竹内がとり、件の社員が目撃者となって・・・色事師は撃退されるのだった。

「あなたのおかげで目が覚めたわ・・・自分は自分自身で生きていくべきなのね」

「まあ・・・そうなると商売あがったりなんですけどーーーっ」

こうして・・・マキはまた一段、女優の階段をあがったのである。

その階上に何が待っているのかは別として・・・。

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2012年4月12日 (木)

誰かを犠牲にしないで済む方法を考えるんだ・・・何か手があるはずだ・・・あ・・・(木村拓哉)

ついに・・・実写版「宇宙戦艦ヤマト」をオンエアで見る日がこようとは・・・地デジだけれどもーーーっ。

初代「宇宙戦艦ヤマト」のオンエアが1974年だからな・・・38年か・・・。

なにもかも・・・懐かしい。

そもそも、宇宙戦艦ヤマトの原型である戦艦大和が轟沈したのが1945年だからな。

そこからだと67年である。

その間に発生した様々な命のことを考えると歳月の重さがそのまま、作品にのしかかる計算である。

しかし・・・見事にその重量をささえた・・・見事な出来栄えであると言わざるをえない。

最高だ。最高だよ、「スペース・バトルシップ ヤマト」・・・。絶賛するよ。

日本で唯一、魔術的な怨念を示すことができる脚本家の脚本をVFXの名手がしっかりと映像化である。

もちろん・・・平和な日本に生きる人々には伝わらないかもしれないが・・・キッドには聞こえる。

空しく海底に眠る英霊たちの呪詛が・・・。

で、『SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010年公開)』(TBSテレビ20120411PM9~)原作・西崎義展、脚本・佐藤嗣麻子、VFX・渋谷紀世子(他)、監督・山崎貴を見た。若いパパやママだと一緒に見た子供に映画についていろいろと聞かれても困ることがあるかもしれない・・・という妄想の上で展開したいと思います。まずは戦艦大和についてだな・・・そこからかよっ。

昔、日本が大日本帝国だった頃、米国などのほぼ全世界を相手にただ一国で戦争をしていたことがある。流石に敗色濃厚となり、一億玉砕(全国民が死ぬまで闘う)もやむなし・・・というところまできた。その先駆けとなったのが世界最大の戦艦である大和による沖縄特攻作戦「天一号」である。

敵国の沖縄上陸作戦を妨害するために、大和を沖縄で巨大な砲台にしようという苦肉の策であった。すでに航空攻撃全盛時代である。護衛の空母も持たず、軽巡洋艦一隻と数隻の駆逐艦を従えた大和は本土の防空圏を一歩出たところで敵の猛襲に逢い、空しく海の藻屑と消える。護衛の駆逐艦には「雪風」「冬月」の名前もある。

その英霊たちの怨念・・・が時を越えて復活したのが宇宙戦艦ヤマトである。

その心は「俺たちだけに特攻させておいて・・・自分たちは平和日本でぬくぬくかよ・・・」なのである。

そのために・・・「宇宙戦艦ヤマト」の世界では・・・日本以外の全世界はすでに滅んでいる。

滅ぼしたのは謎の異星人デスラー率いるガミラスである。

ガミラスは遊星爆弾で無差別爆撃を行い、地上を放射能で汚染してしまう。

日本も地下のシェルターにかくれ・・・細々と命脈をつないでいる。

日本の宇宙戦力も底をつき・・・もはや・・・滅亡と覚悟を決めた時、救いの手がイスカンダルから差し伸べられる。

ここからは・・・様々な多元宇宙と化したそれぞれの「ヤマト」の世界でそれぞれの神話が繰り広げられるのである。

今回は・・・「イスカンダルに来れば放射能除去装置が手に入るし、そのための超科学技術・波動エンジンの設計図をプレゼント」というカプセル・キャンペーンなのである。

日本の首脳陣は地球脱出のために改装中だった戦艦大和を・・・波動エンジン搭載の宇宙戦艦ヤマトに急遽改造するのである。

日本人しか生き残っていないので世界の命運は・・・沖田艦長(山崎努)とヤマトの諸君(クルー)に委ねられるのである。

こうして、はるか宇宙の彼方のイスカンダルを目指し、ワープ航法による超光速移動で宇宙戦艦ヤマトは旅立つのである。

太陽系を抜け出すところで通信圏外となる超光速通信について説明しよう。地球と冥王星の距離は光の速度でおよそ一時間であり、通常通信では「もしもし」と言ってそれが地球に届くのに1時間かかり、「ただ今、電話に出ることができません」という返事が来るまでにまた1時間かかるのである。これでは持ち時間1分では足りないので、波動エンジンの技術を使った亜空間パイパス通信を行う。これならばタイムロスは超理論上ゼロとなる。

だが・・・かって誤射で両親のいる宇宙ステーションを蒸発させた過去を持ち、直前の戦闘で唯一の肉親である兄の宇宙駆逐艦ゆきかぜの艦長・守(堤真一)を失った出戻り軍人・古代進(木村拓哉)には地球に残した家族はいないのである。

部下を戦死させて生還した沖田に対して含むところのある古代は戦闘班班長として「誰も見捨てない闘い方」にこだわる。

しかし、戦争に犠牲はつきものという鉄則のために・・・やがて心が折れていくのだった。

そんな・・・古代に医療科長の佐渡(高島礼子)は「艦長の息子さんは宇宙駆逐艦ふゆつきに乗っていたのよ・・・」と家族を失ったのはお前だけじゃないと暗に仄めかす。佐渡先生が男性でないのは男女雇用機会均等法の影響である。

また機関長の徳川(西田敏行)は「艦長は若い頃のお前より、もっと無謀だった」と古代を激励する。

なぜなら・・・沖田艦長は余命いくばくもない持病をかかえており・・・艦長候補生として古代に期待していたのでいろいろと根回ししていたのである、。

いつしか・・・古代は沖田を父のように慕うように洗脳されるのだった。

いくつかの戦闘の果てに問題の「第三艦橋事件」が発生する。

敵の自爆兵器にとりつかれてしまった第三艦橋。クルーの安藤(浅利陽介)は救援を求めるが・・・このままでは艦全体に被害が及ぶと判断した艦長代理の古代は・・・ブラックタイガー隊のエースパイロット・森雪(黒木メイサ)に第三艦橋の破壊を命じる。

「自分たちが生き残るために味方も切り捨てる」・・・古代も森も戦争の非情な論理の自覚に傷つき・・・お互いに心が通うようになる。

心の傷にセックスが特効薬であることは言うまでもないだろう。

古代も森も戦闘がない間はお互いの体をむさぼりあいなぐさめあうのだった。

戦場ではありがちなことである。

やがて・・・犠牲に犠牲を重ね・・・たどりついたイスカンダルは実はガミラスと同一の生命体だった。

クリスタル状鉱石質生命体であるイスカンダル/ガミラスは母星の危機に対し、一方では殉死を選び、一方では他星侵略を選んでいたのである。

「他者への慈愛」に満ちたイスカンダルはその残存エネルギーを森雪に移し、森雪を放射能除去装置に改造する。

一方で攻撃的なガミラスの中枢部に侵入した技術班班長・真田(柳葉敏郎)と空間騎兵隊隊長・斉藤(池内博之)は「敵を倒すことこそ武士の本懐」と自爆攻撃でガミラス本拠の破壊に成功する。死んで花実を咲かせたのである。

こういう美しい気持ちを若者が失ってしまっては特攻作戦が立案できないので作戦部が困るために国家はもう少し本腰入れて特攻精神を教育するべきなのである。・・・おいっ。

その美しい心は伝染するために・・・古代の心にも根付くのだった。

やがて・・・ヤマトは地球に帰還する。

しかし・・・ガミラスの怨念であるデスラー(伊武雅刀)は「死なばもろとも」の精神で残存エネルギーをかき集め、地球を破壊する最終兵器ガミラスミサイルを地球に向けて発射すると同時にヤマトを奇襲し、戦闘力を奪うのである。

これによってデスラーの最後の力は尽きるが、ガミラスミサイルは地球に向かう軌道上にあった。

波動砲を封印された古代に残されたのは・・・ヤマトによる特攻攻撃だけだった。

「それじゃ・・・古代さんが死んじゃう」

「ごめん・・・でも・・・俺は家族を守りたいんだ・・・それはお前だよ」

森をパラライザーで失神させた古代の元へ・・・すべてを飲みこんだ親友の島(緒形直人)がやってくる。オンエアでは「俺も残る」「いやお前には息子がいるじゃないか」「・・・」「そして・・・脱出艇を地球に確実に届けられるのはお前しかいない」という結構、大切な部分がカットされています。

こうして・・・艦長代理を残して総員退艦したヤマト。

ガミラスミサイルを射程距離・・・ゼロ・ポイント・・・にとらえるために猛追する古代である。

そしてその時がやってくる。

「エネルギー充填率120%、対閃光、対ショック防御、波動砲発射」

闘いに全身全霊を傾けた男の歓喜とともに・・・地球に平和がもどった。

そして・・・艦内セックスに励んだおかげで・・・男は女の胎内に種子を残すことに成功したのである。

かくて命は続いていく・・・すべての終焉を迎えるまで・・・。それはおそらく・・・遠い未来の話である。

とにかく・・・これだけは言えるだろう・・・こんなかっこいい男を演じられるのは木村拓哉しかいないということでございます。

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2012年4月11日 (水)

37歳で医者になった僕はもう少し様子を見ましょうと思われています(草彅剛)

キャッチコピーが「新しい“僕”始めます。」なので・・・「僕の生きる道」「 僕と彼女と彼女の生きる道」「 僕の歩く道」僕シリーズ三部作に続く「僕」の新シリーズなのである。僕と言う言葉は草彅剛のためにあったのだな。

関東では「僕と彼女と彼女の生きる道」が再放送中であり・・・ものすごくレビューしたくなるわけだが・・・そんなことをしていたら身がもたないのである。

初回の印象はどちらかと言えば・・・僕シリーズというよりも・・・「任侠ヘルパー」に近いものがあり、脱サラで天職という意味では「踊る大捜査線」の医者版のニュアンスがある。

サラリーマン感覚で医療もサービス業だと主張するあたり・・・青島的でございます。

大手食品メーカーのサラリーマンが30才で脱サラして7年後に研修医・・・夢のような話だが・・・まあ、フィクションでございますから~。

で、『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜・第1回』(フジテレビ20120410PM10~)原作・川渕圭一、脚本・古家和尚、演出・三宅喜重を見た。毎度おなじみの医療系ヒューマン・ドラマである。「DOCTORS」ではダメ病院をスーパードクターが改革したり、「聖なる怪物たち」ではダメ病院を少年ドクターが木端微塵にしていたりしている最近の医療ドラマである。ちょっとなんでもありになってきましたな。今回は・・・「病院とか医療とかを改革したいと思わない・・・僕が人生をやり直したいんです」という超個人主義の医師が主役である。

「体力的にも・・・精神的にも・・・無理があると思っている」と本人・東央医科大学病院の研修医・紺野祐太(草彅剛)37才が言うのだから間違いない。

ドラマの中では詳しく語られないが、大手食品メーカーである帝光食品をわけありで退職した紺野。同僚だった恋人の葛城すず(ミムラ)はなんらかの事故で腹部を損傷し、腎不全で失声症となっている。

その治療に自らがあたりたいと考えたのが転職の動機らしい。

ものすごい自己中心主義であり・・・時代はそこまできたのか・・・と思うしかないのだな。

食品メーカーの上司は「絶対に後悔するぞ、絶対にだ」と断言するし、すずの父親(志賀廣太郎)も「無謀にもほどがある」と非難した。

「しかし、医者になっちまえばこっちのもんさ」というところでドラマが始まるのである。

研修医仲間は・・・帝大医学部出身のエリート候補生・沢村瑞希(水川あさみ)、東央医科大学出身のチャラ男・下田(八乙女光)、地方の大病院の後継者候補・谷口(桐山漣)の三人。「おっさん」の研修医仲間にジェネレーション・ギャップを感じる他はない。

指導医の新見(斎藤工)も七歳年上の研修医に手を焼くのである。

そして、患者の多田(北村総一朗)の治療方針をめぐって激突である。

脳出血の後遺症で「経口摂取は極めて困難」であることから「胃瘻造設」の手術を行うという方針の新見が・・・患者とのコミュニケーション不足であると感じた紺野は「食べられるかどうかテストをしてみるべきだ」と提案する。

「誤嚥による肺炎を起こす危険」を指摘して、紺野の提案を却下する新見。

紺野が指導を仰ぎたいと考えている腎臓内科の権威で准教授の森下(田辺誠一)も「身内のために医者になるという決意なら余計な道草は避けるべきだ・・・年齢的にも」とアドバイスする。

しかし・・・過去に上司の指示通りにしてなにやら失策を犯したらしい紺野は「僕は自分をやり直す為に医者になった」と自分の主張を貫くのである。

カンファレンスに欠席した紺野の行動を推測した沢村は「リスクがあるなら・・・すぐに患者のところへ行くべきです」と新見に忠告する。

事態を悟った総合内科の医師一同が駆け付けた時には多田はゼリーの摂食に成功していたのだった。

多田の妻(岩本多代)に「おかげさまで・・・主人は食べる楽しみを失わずにすみました」と言われ絶句する指導医・新見である。

腰ぎんちゃくである総合内科医局長・中島(鈴木浩介)に「研修医が一人ものすごく反抗的なんですけどどうしましょおぉぉぉぉぉぉ」と相談を受けた「もう少し様子を見ましょう。 お大事に」を得意とする東央医科大学病院総合内科佐伯教授(松平健)は「結果オーライならいいんじゃないの」とプリンを食べるのだった。

こうして・・・なにやら「幸運」にめぐまれた「僕」の研修医時代の幕があがったのである。

沢村は「医者にとって一番必要なのは運がいいってことなのね」と嘆息するばかりなのである。

ま・・・現実逃避のドラマとしては最高水準でございますが・・・「僕」シリーズの橋部敦子脚本ほどの深みとか情感は今のところありません。まあ・・・今回はそういうタイプの脚本家じゃないからな。奇想天外さを楽しむ方向でございますね。

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任侠ヘルパー

僕の歩く道

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2012年4月10日 (火)

ハンチョウ、私一人で餃子二人前いいですか?(比嘉愛未)

さて・・・ハンチョウ(佐々木蔵之介)が新装開店である。

所轄の神南署で4シリーズを地味に築き上げたハンチョウが警視庁捜査一課特捜一係の係長に大抜擢なのである。

なんか・・・本当に出世した感じがありますな。

そして、ラクダのパートナーというか、ヒロインに・・・「やっちゃっていいですかってもうやっちゃってますけど」的じゃじゃ馬キャラの結城沙緒里巡査(比嘉愛未)を配置である。

過去シリーズの水野巡査部長(黒谷友香)や立花巡査(本仮屋ユイカ)よりもキャピキャピしています。

もう・・・それだけでパナソニック的に明るくなった感じがしますが・・・気のせいでしょうかーーーっ。

ま・・・もちろん、キッドのブログでは例によって月9の谷間に咲く花ですけれどもーーーっ。

で、『ハンチョウ〜警視庁安積班〜・第1回』(TBSテレビ20120409PM8~)原作・今野敏、脚本・大川俊道、演出・酒井聖博を見た。「太陽にほえろ」からやってるベテランの脚本にゲロゲロの「ランナウェイ〜愛する君のために」の演出である。もう、凄まじく可も不可もない時代劇みたいな刑事ドラマに仕上がっています。この安定感・・・さすがだな。

警視庁の刑事部長・川口警視監(里見浩太朗)が創設した特捜一係に係長として赴任した安積剛志警部補(佐々木)・・・。どうやら、川口刑事部長かぜ私的に興味のある事件を捜査する特務機関らしい・・・。すでに発想が水戸黄門である。

そして・・・川口刑事部長は「木曜日の子供事件」という謎の事件に関心があるらしいが・・・その解明はシリーズを通じてのことになる模様。

なぜか・・・安曇の部下たちは先に着任し、勝手に捜査を始めているのである。もはや、フィクションの中のフィクションと言っても過言ではない。

拳銃密売現場に乗り込んだ三人の特捜刑事。

暗い男・・・尾崎警部補(小澤征悦)は所轄→捜査一課→所轄という経歴を持つ男。捜査一課時代に触れられたくない過去があるらしい。同じ階級の上司である安曇には何やら含むところがあるらしい。

軽い男・・・小池巡査(福士誠治)は第二機動捜査隊出身で三人の中ではそつないタイプである。

そして猪突猛進な女・・・結城沙緒里巡査(比嘉愛未)である。所轄・阿佐ヶ谷署から抜擢。小池巡査とは警察学校の同期らしい。

リーダー格の尾崎警部補が周辺に一般人の親子連れを視認、待機命令を出すが、結城巡査は銃器の受け渡しが始まったのを見て突入してしまう。

そこへ、少女が現れて人質に。

脅迫されて結城も武装解除されて拘束されてしまうのだった。

「人質立てこもり事件発生」の報に駆け付けた捜査一課長の真山警視正(高島礼子)は遅れて到着した安曇に「着任早々・・・特捜は解散だわ」と皮肉を言われた安曇だが、拳銃一発で犯人を沈黙させ・・・事件を早期解決するのだった。

顔合わせの席で「俺は待てと言っただろう」と言う尾崎に「理由を言わないからいけないのよ」とかみつく結城・・・安曇は呆れつつ「命を粗末にする奴に命を守れるか」といつもの説教を展開するのだった。

つかみの事件解決の後は・・・特捜最初の事件である・・・CNCテレビの敏腕ニュースキャスター西森奈保子(岸本加世子)脅迫メール事件に着手する特捜一係。

実は、十年前の女子大生殺人事件の犯人特定に一役買ったのが西森だった。獄中から無罪を叫んでいた矢口優(池内万作)が出所しており、メールも矢口らしい男が発信したと鑑識課主任の丸岡警部(六平直政)の部下でハッカーの木村千春巡査(加藤夏希)が特定する。

しかし、キャスターの西森もそれなりに怪しい行動を展開する。

十年前の事件の真相と脅迫メールの関係を調べる特捜一係。

重要な手掛かりを持つと思われる矢口の元恋人・石川綾乃(黒坂真美)が矢口を恐れて潜伏していたペンションで殺害されてしまうのである。

しかも・・・安曇と結城は現場方面から立ち去る西森を目撃してしまうのである。

反対車線を走行する車中の西森を一目で視認する結城・・・スペックかっ。

そして、つづくである。水戸黄門で印籠を翌週出す展開なんてありえないと思います。

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ハンマーセッション

コードブルー

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2012年4月 9日 (月)

ふざけるんじゃねえよ、いつかぶっとばしてやる(松山ケンイチ)

しびれるような展開である。

平忠盛の逝去まで残り四年。

藤原家成の逝去まで残り五年。

近衛天皇の崩御まで残り六年。

鳥羽天皇の崩御まで残り七年。

その後に起こる乱の予感がみなぎる久安五年(1149年)である。

平家盛は生年不詳のために実際の年齢は不明なのだが、この頃、20代前半と思われる。

衆道の相手としてはやや年が行っているのだが、藤原頼長は稚児趣味ではなく、なんでもこいの人だったと思われる。

なにしろ、妻の藤原幸子の弟、徳大寺公能も抱いちゃってるのだ。

家盛との関係はあくまでフィクションであるが、源義朝の弟・義賢(木曽義仲の父)との関係は史実である。

ともかく、清盛も義朝も弟を頼長に抱かれちゃっているので間接義兄弟になってしまったのだな。

だから・・・保元の乱とは弟を奪われた兄たちの復讐劇なのだと言えるのだ・・・言えるのかよっ。

ま、実際のところ、頼長は権力者である。源氏も平氏もお尻を差し出さずにはいられない悲しい追従者であったとも言えます。

で、『平清盛・第14回』(NHK総合20120408PM8~)脚本・藤本有紀、演出・中島由貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はお待たせしました何を考えているのか一切読ませない藤原のくのいちにして平忠盛夫人の藤原宗子描き下ろしイラスト、そして伊賀のしのびで平家家来筆頭・平家貞描き下ろしイラストの二大描き下ろし大公開でお得でございます。なんだかんだと平忠盛・清盛親子を影から支える二人ですが・・・二人とも忍者なのでその腹はまったく読めないという共通点がございますな。

Tairakiyomori12 平家盛が鳥羽法皇の熊野参詣に従ったのは久安五年(1149年)春のことである。出発前から病を発していたとも言う。兄・清盛が謹慎中であったために代行の役を務めていたわけであり、実母の藤原宗子にしてみれば・・・清盛に複雑な感情を抱いたことだろう。義理の息子である清盛が失脚したことはうれしいが・・・そのために我が子が病をおして旅立ったくやしさがある。しかし、くのいちなのでポーカーフェイスなのである。さて、平忠盛の息子たちもそろって登場の今回。ご落胤設定の長男・清盛は別として、次男・家盛と五男・頼盛は宗子の子である。三男・経盛(次男説もある)は村上源氏源陸奥守信雅の娘・定子(仮名)の子。四男・教盛は摂関家・藤原忠実の弟・家隆の娘・澄子(仮名)の子となっている。家格というものは父系だけでなく、母系も重視される。経盛と教盛は共に母の母の身分が低く、一門の中では気があったのだろう。壇ノ浦では兄弟仲好く、入水したことで有名なのである。忠盛にはこの他にも無賃乗車で有名な熊野の女に産ませた七男・忠度、生母不詳の六男・忠重などの息子と少なくとも五人の娘がいることが知られている。平忠盛は少なくとも12人の子供の父親なのである。うかつに現代の男性と比較してはならないのだな。

藤原頼長は自分大好き人間である。現在で言えばライフログをやるだろう。なぜ、頼長が様々な男を抱いちゃっているのが現代に伝わっているかといえば、本人の日記に書いてあるからである。「今日は公家の~を抱いちゃった」「今夜は武家の~を抱いちゃった」なのである。「あやわかと呼ばれし幼少のころは母親の身分が低いので父親にもうとんじられたが、九書五音を学びに学び、ついには漢書さえ読み下し、酒も飲まず、博打も打たず、勤勉の甲斐あって父親に藤原家の家宝とまで呼ばれるようになっちゃった」などとせつない胸の内まで書き記している。ここでも、「飲む、打つ、買う」のうち、女色、男色については控えていないことが忍ばれる。

そんな頼長に菊紋を愛でられた平家盛は裂傷から細菌に感染し、臀部が化膿して発熱し、病床に伏していた。

藤原のくのいちである母・宗子は薬法を心得ており、懸命に看病し、なんとか熊野参詣の護衛任務に息子がつけるようにと願ったのである。

出発前に小康状態を得た家盛は尻の痛みをこらえて馬上の人になる。

しかし・・・尻の病が騎乗に適さないことは言うまでもない。

「兄上・・・もはや・・・これまでじゃ・・・」

熱に浮かされて朦朧となりながら・・・家成は清盛の名を呼んで宇治川が淀川と名を変える辺りで馬から堕ちた。

その頃、清盛は謹慎中であるのを吉として統子内親王の密命を果たすために比叡山の西側の山中に入っていた。道案内を勤めるのは元・延暦寺の僧侶・鬼若である。都で暇をもてあましていた義朝も同行している。先行している西行法師こと大伴の服部の忍び半蔵との連絡役であるくのいち波音も加わった四人組である。

四人ともに野獣のような身ごなしである。周辺の堂塔を警護する比叡山の僧兵たちの目を盗むなどわけもないことだった。

道案内をかってでた鬼若は二人の御曹司と、女である波音の山行の見事さに舌を巻いた。

「若君たち・・・そのように急かれますな・・・」

「なんじゃ・・・鬼若だらしないぞ・・・」

「修行が足りぬな」

清盛・義朝に叱咤されて鬼若は鼻白む。くのいちの波音は無言だがその目に嘲笑の色を感じ、鬼若は発奮せざるをえない。

やがて・・・道なき道を進んだ一行は三石岳の南の斜面で西行法師と合流する。

西行法師には疲労の影が宿っていた。

「お待ちしておりました」

「待たせたな・・・なんぞあったか・・・」

「妲己の封印の地の一つがこの先にある古の紀氏の墓地周辺にあることが判明いたしたので・・・郎党ともどもに探索に入りました。清盛殿にお借りした伊賀の郎党、それがしの手下、そして呪術に優れた陰陽家のものども総勢二十四名でございます。それが・・・ことごとく討ち死に・・・問題の若藻の墓という結界には魔物が潜んでいたのでございます。それが・・・鳳のような化け物で・・・」

「ふむ・・・どうやら鵺の一族のようじゃな・・・」

清盛は待賢門院殿で討ち果たした怪異を想起する。

「封印を解くには月光を必要としますが、夜になれば魔物が現れまする」

「承知した。昼のうちに若藻の墓に乗り込み・・・夜を待つとしよう。封印はおぬしにまかせ、魔物は我らがひきうけた」

山中の樹木に覆われた若藻の墓は八世紀の吉備真備の頃から300年ほどを経て苔むしている小さな石碑であった。

五人が都の噂などをするうちに陽がくれる。その夜は十三夜である。早くも月が昇りだす。

西行は統子内親王の指示通りに結界破壊のための真言を唱えだす。

ぐえええーーーーっ。

突然、鵺が啼き、月光の彼方から怪鳥が姿を現す。

「ひえっ・・・」と鬼若は叫んで腰を抜かした。

鵺は一羽ではなかった。

義朝も驚きを隠せなかったが、さすがは源氏の鬼武者頭殿である。源氏伝来の鬼切丸を抜き放つ。

「ひい、ふう、みい・・・三匹じや・・・一人、一匹とは造作もない」

と清盛は鬼若を見下ろしてニヤリとする。

「波音・・・弓じゃ」

「はっ・・・」とくのいちは背負った弓矢を差し出す。

清盛は鏑矢王の矢を降下してくる先頭の鵺に射ちこんだ。

「ぎょえぇぇぇぇぇ」

矢が命中するや鵺は青く燃え上がった。

矢に潜む霊力による幻の炎である。

次の瞬間、舞い降りて義朝を襲った鵺の首が夜空に舞いあがる。義朝も一振りで魔物を仕留めていた。

腰を抜かせて後退りする鬼若を狙った最後の一羽に清盛は腰に吊るした天国の小刀、小烏丸を抜き放ち擲った。羽根に突き刺さった小烏丸に苦悶する鵺に跳躍した義朝の鬼切丸が一閃した。

「さすがじゃ・・・」呪法を続けながら二人の武者ぶりを眺めた西行は舌を巻く。

呪法が終了すると・・・若藻の墓は一瞬、燐光を放ち、比叡山山中に静寂が戻る。

・・・御所の奥では美福門院藤原得子が目を覚ます。

(ほほう・・・結界が一つやぶられたか・・・)

その一瞬の衝撃で飛び出た一本の尾を収納しつつ、古き魔物は闇の中で謎の微笑みを示すのだった。

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2012年4月 8日 (日)

ゲゲゲの黒板~わからないことはおしえます(松下奈緒)

久しぶりの文盲ネタである。

スルーして、椿くんが唾液を甘いと感じる「謎の彼女X」で変態賛歌を三行くらい書きたかったのだが・・・そうもいかなくなってしまった第三夜である。ある意味、これが本編だったな。

「女性教師が中学生と淫行」なんていう三面記事的なスキャンダルを美談に・・・・。

脚本家はさすがである。

それにしても・・・一(神木隆之介)と御前会議の女(戸田恵子)がど底辺母子で共演とは・・・。

サトリンに複雑な性交渉関係を悟られた演出家だけに・・・スペック色濃すぎ・・・。

で、『ブラックボード~時代と戦った教師たち~・第三夜・学級崩壊「夢」』(TBSテレビ20120406PM9~)脚本・井上由美子、演出・今井夏木を見た。前夜から31年の月日が流れた都中学。早とちり教師・横手涼子(貫地谷しほり→賠償美津子)は校長になっている。実年齢(26)→(65)で年齢差39年なのは教育者の仕事はそれほど激務だったと妄想補正をしておく。前回も横手は問題をややこしくするキーマンだが、今回もしっかりやらかしてくれます。すごいのは本人に失策の自覚がないこと・・・あなたの周囲にも必ずいるな。

「学校の先生になることが子供の頃からの夢」だった滝沢桃子(松下)が担任を務める3年2組に問題のある転校生・大宮正樹(神木)がやってくる。反抗的な態度で「わかりません」を連発し、影響を受けたクラスメートたちはたちまち統制を失い、学級崩壊、桃子は自殺を考えるほどのノイローゼである。

未婚の母である実母の恵子(原田美恵子)に「死ぬなら死体を残すな」と喝を入れられ、教室女王に変身した桃子は地獄の教室に舞い戻る。必殺・内申書攻撃で・・・生徒たちをねじ伏せるのだった。

やがて、家庭訪問を強行した桃子は・・・正樹が反抗しているのではなく、単に「わからない」のだったと知る。どうしようもない母親に育てられ、最高水準の「学力格差」の犠牲者だったのである。漢字も読めなければ九々もできないのである。

幼い妹(谷花音)に絵本も満足に読んであげられないのである。

このエピソードに涙を禁じえない。

文盲ほどキッドの心を揺さぶるエピソードがあるだろうか・・・いや、ない。

なにしろ、このブログも読んでもらえないのだ。聴覚障害者なら音声ソフトも無効である。

おいてけぼりにあった正樹のために放課後、補修を行う桃子。

いつか・・・心を許した正樹に「抱っこして・・・」と言われ・・・抱きしめたのが命とりである。

教育に熱心すぎる母親(麻生祐未)にうんざりしていた学級委員の広河まなみ(松井珠理奈)は桃子女王のストーカーとなっていたのだが、そのシーンを目撃、撮影、投稿である。

たちまち・・・大問題に・・・。

正樹の母親は慰謝料目当てに警察に通報するのだった。

ここで・・・校長が正樹に「本当は勉強を教えてもらっていたんでしょ」と問い詰めたために正樹の心はねじ曲がる。

「生活のために万引きしていたことや、学力挽回のための補修は・・・秘密にする」と桃子が約束していたからである。

弁護士(上川隆也)との会見で事情を悟った桃子は教師生命を賭けて黙秘をつらぬく。

やがて・・・法廷でそのことを知った正樹は真実を絶叫する。

「なんで・・・俺のことなんか・・・かばうんだよ。先生は勉強教えてくれただけじゃないか・・・俺が母親の替わりに抱っこしてくれって頼んだんじゃないか・・・先生はただ抱きしめてくれただけじゃないか・・・みんな俺が悪いんじゃないか・・・」

真実を知った広河は失神する。

そして・・・卒業式。娑婆に戻った桃子だが・・・スキャンダルの影響を恐れてPTAは桃子の出席を拒む・・・しかし・・・生徒たちは「最後の授業」を桃子に懇願するのだった。

生徒たちに励まされ・・・涙ぐむ桃子。

最後の授業をプロデュースした広河は黒板に「私の夢」と題した寄せ書きを書き始める。

最後に教壇に立つ正樹。

Mi drem is teachar 大宮正樹

めちゃめちゃイケてる~!かっ。

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2012年4月 7日 (土)

味噌バターラーメンのおいしい店をはじめました「黒板/スケ番」(志田未来)

連夜の「わたしたちの教科書」の二人である。

谷村美月が21才なのに志田未来はまだ18才なのである。

そして・・・今回、志田未来が演じるのは・・・中学生だーーーっ。

( ゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

まあ、流石だ・・・と言うほかはない。なんちゃっての神様連続登場なのである。

「スペック」では谷村美月は女子高校生だしなーーーっ。朝ドラの堀北真希は16才だし。

しかも、今回の志田未来ははダーティー・マ・・・じゃなくてスケ番モードとちょっぴり更生しましたモードの使用前・使用後スタイルがサービスされています。

教育の基本はもちろん恐怖による支配である。

それは有史以前から不変だと思う。

それは愛のある人生と表裏一体のものであることは言うまでもない。

「ぶんなぐることでしか愛を表現できない人」は永遠に不滅です。

少なくとも「今、東電の会長になんかになって何の得があるんだと計算する偉い人たち」よりも美しいと考える。

なにしろ・・・もはや「原子力発電やめますか、それとも人間やめますか」時代になっている模様ですからな。

つまり・・・政府もマスメディアももはや人間ではないのですなーーーっ。

( ゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

もちろん、キッドはあくまで原子力発電を最後まで応援します。

がんばれ、東電、放射能の半減期とともに。

だって、リスクのない世界なんてないのですからなーーーっ。

で、『ブラックボード~時代と戦った教師たち~・第二夜・校内暴力「生きろ」』(TBSテレビ20120406PM9~)脚本・井上由美子、演出・平野俊一を見る。黒板にチョークだと手があれてボロボロになるんだよな~。キッドの場合。でもチョークを投げて学生を昏倒させるのは快感なんだよな。・・・私的回想は慎みなされ。

前夜に続く第二弾である。鎌田第1国民学校は大田区立都中学校(フィクション)となっている。第一夜で東京大空襲により両親を失い戦災孤児となった後藤明(今井悠貴→佐藤浩一)は戦後、教師となっていた。

敗戦から35年、1980年の日本は近づくバブルの足音の中、平和を謳歌しているかに見えた。しかし、東西冷戦たけなわ・・・第三次世界大戦の恐怖は人々の心に重くのしかかり、日本では校内暴力がブームとなっていた。

二年前には「数学できんが、なんで悪いとよ!」とライフルを持った高校生が教室を占拠する事件が起こっていたのである。・・・そりゃ『高校大パニック』だろう。

四年前には教師(松田優作)の妹(山本由香利)を生徒(舘ひろし)が犯すという不祥事が起きていたのである。・・・そりゃ『暴力教室』だろう。

とにかく、男子は盗んだバイクで二人乗り、女子は長めのスカート引きずっていたのである。・・・そりゃ・・・もう、いいか。

校内暴力の嵐は都中学を襲い、野上校長は切り札として体罰専用教師・後藤明を導入したのであった。

やがて、黒板に塗料で「死ネ」と落書きしたスケ番・古沢ゆかり(志田未来)と後藤明は全面戦争に突入する。

しかし、「戦争が終わって・・・何よりも大切なものを・・・手にしているのがわからんのか、このバカチンが」的愛の鉄拳制裁の前に・・・ゆかりたちは鎮圧されてしまう。

しかし・・・出来のいい兄と比較され・・・ねじれてしまったゆかりの心はそれだけでは癒されず・・・シンナー吸引に逃避する日々となる。

後藤は家庭訪問でゆかりの母(伊藤かずえ)がかって不良少女と呼ばれていたことを知り、血筋なら仕方ないと餃子とチャーシューメンを注文する。

一方、家庭でも鉄拳制裁主義を貫く明に明の息子、新一(林遣都)は反発を覚えていた。躾と虐待は紙一重だからである。中には金属バットで逆襲に転じるものもいたのである。

しかし、新一は非力な若者だったのでスケ番・ゆかりに強引に唇を奪われると純潔を奪われたショックで自我崩壊し、警察官を半殺しにするという不祥事を起こす。

「あいつが悪いんだ」と面会に来た母親(木村多江)にもらす新一。

「誰かをかばっているのではないか」と夫に告げるが・・・明にはそれが誰だかわかっていた。

面会にやってきた明にガラスの向こうで新一は「殴りたいなら殴れよ・・・でも無理だろう」と挑発する。

「俺がお前を初めて殴ったのは・・・四歳の時・・・お前が窓から石を投げた時だ。次になぐったのは危ない水遊びをしていた時、その次はおばあさんの財布から金を抜きとった時だ・・・口で言うより手の方が早くてすまなかった・・・あいつって俺なんだろ」

「わかってくれれば・・・いいんだよ・・・親父・・・迷惑かけてごめん」

「暴力教師」から「凶悪少年犯罪者の父親」へとレッテルを張りかえられた明はついに教師を続けることが困難になってしまう。

「なんだよ・・・いい先生をやめさせるのかよ」とツッパリの意地をみせるゆかり。

( ゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ と哄笑である。

すでに明を慕い始めていたゆかりは・・・自分なりにけじめをつけようと・・・夜の学校で黒板の落書きを愛用のシンナーで消そうとする。

しかし、勘違い教師の横手涼子(貫地谷しほり)が「まさか、学校に放火する気なのでは・・・」と大騒ぎし、あれやこれやで火災発生である。

かけつけた明は・・・バケツリレーで消せない火も消火器があれば一発だ・・・と戦災孤児の片鱗を覗かせるのだった。

やがて真相に気がついた明は「俺たちはピエロだな」と自嘲する。

やがて・・・桜の季節・・・中学を卒業したゆかりは少し地味な髪形にした。

そこへ祝いにかけつけた明。

「高校にはいけなかったけど・・・ラーメン屋をチェーン店にするまでがんばろうと思うんだ。やっぱり、世の中、金だもんね」

「うん、良い子だ」

こうしてもはやジョン・レノンが死んだ世界はそれでも続いていく。

可愛いあの娘はくるくるパーマに

長めのスカートひきずって・・・

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2012年4月 6日 (金)

たぶらかし・・・って私たぶらかされていないでしょうね。(谷村美月)

うーん、場合によってはね。

それにしても・・・「生物彗星WoO」(2006年)から・・・ここ。谷村美月も21歳である。

ものすごい美少女の上に巨乳である。しかも・・・いつも際どい役柄をチョイスしているのだな。

一体、それはどのような運命のレールなのだろうか。

やはり・・・美少女すぎる難しさというものがあるのだなあ。

昨日、深夜アニメの「LUPIN the Third -峰不二子という女-」でアニメとはいえ、無修正の峰不二子の乳首を露出して、ええーっと一部愛好家をのけぞらせた日本テレビが・・・今夜は特に必然性もないのに谷村美月のシャワーシーン、乳房へのペッティング、下の方の下着露出、無抵抗でキスのサービスである。

アイドル的に谷村美月を追いかけている青少年には軽いトラウマになったはずだ。

まあ・・・ここまで「親友をいじめ殺した中学生」「覚せい剤中毒の高校生」「幼児虐待のヤンママ」など・・・ものすごい役柄を演じてきている谷村美月なのである。もはや・・・路線というしかないんだな。

ついこの間、双子の花嫁入れ替わりをやっていたと思ったら、つい最近は吸血スペック・ホルダーである。

だから・・・路線なんだなーーーっ

とにかく・・・久しぶりの連続ドラマの主役である。もう、大人だから・・・何をやってもいいのだが・・・体当たりもノイローゼにならない程度にやってもらいたいものでございます。

まあ・・・常盤貴子ぐらいまでのぼりつめてもらいたい。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第1回』(日本テレビ20120405PM2358~)原作・安田依央、脚本・森下直、演出・白川士を見た。映画「誘拐」(1997年)の脚本家に、「永遠の仔」の演出家である。それが・・・この枠の・・・女には変身願望があるはずだという男の妄想的なシリーズ・・・(例1)「秘密諜報員エリカ」(例2)「FACE MAKER」と連動すると・・・女優だから何でも演じるがいい・・・的な話になっていくのである。

原作では主人公のマキ(谷村美月)は39歳の設定なのである。水鳥(山本耕史)は女優としてのマキの追っかけで・・・付き人に志願する設定である。

ほとんど・・・原型とどめていないことがドラマを見れば一目瞭然なのだな。

そこまでギスギスした姿勢でドラマ作らなくてもいいだろうに・・・と思うのだが・・・まあ、そういう作り手がいたっていいかもなあ・・・。

そんな悪い大人たちにいたぶられてものすごい役をやらされてる感じが抑制され・・・私はこの役をものにしてみせる・・・という女優魂を見せるしかないのだ。だが・・・そこまでハードルあげなきゃならんのか・・・マジで。

女優募集に応じて・・・妖しいORコーポレーションの扉を開くマキ。

そこでは社長の松平(段田安則)が・・・謎の女・藤ミネコ(白羽ゆり・・・「最高の人生の終り方」の不倫教師の妻役からここ)を膝の上に乗せていた・・・もう・・・いい意味でも悪い意味でもピンク映画の匂いがします。

ここから・・・「怨み屋本舗」クラスの仕上がりに持っていけるかどうかが・・・真価の問われるところなんだなあ。

さっそく・・・演技指導と称して・・・マキをソファに寝かせ・・・のしかかり、マキの体臭を嗅ぎまわり、「目を閉じて」などと意味不明の言動・・・弱小プロダクションではこのような手法で「役者としての度胸」だとか「順応性」を見るなどといってセクハラをしますので一般の方はご注意くださりますように・・・を展開する松平。

「うん・・・いい顔してる・・・」である。

まあ・・・一応、ツッコミます。

そりゃ・・・見ればわかるだろうっ。

もう・・・これはエロのためのエロを作るドラマだと判明しましたーっ。

「仕事は・・・ドラマですか・・・映画ですか・・・それとも舞台ですか・・・」

「現実だよ・・・」

「え・・・」

「現実という舞台で・・・実在する誰かを演ずる・・・それが代行女優業だ」

「え・・・」

気がつくとマキは棺桶の中にいた。

「え・・・」

練炭自殺した画家・白鳥ゆりえ(内田慈)の葬儀。死体は司法解剖中だが・・・遺族の病死として葬儀を執り行いたいという意向があるのため・・・マキは「ご遺体」の替わりなのである。

(なんだか・・・だまされているみたいだが・・・時給3万円だから・・・ま・・・いいか)

などと・・・マキがのんきに考えていると突然の闖入者が登場。

「幼馴染のものです・・・ああーっ・・・ゆりえーっ・・・きっと悪い継母に殺されたんだねーーーっ」

マキと同様に代行俳優である水島の臭い芝居なのである。

白鳥ゆりえ死亡の裏にはなにやら「事情」があるらしい。

そして・・・そこには白鳥家の莫大な財産と・・・後妻であり継母の桜子(宮崎美子)と内縁の夫・博人(忍成修吾)の確執が絡んでいるらしい。

そして依頼者である博人が「実は・・・後妻の桜子に結婚を反対され・・・入籍できないでいた・・・そして・・・桜子は財産を狙っている桜子に殺されたのだ」と事情を告げる。

もちろん、忍成修吾が・・・いや博人がこの段階でそう言う以上、真犯人は博人なのだが、そういうことは本筋ではないのである。なにしろ、このドラマはミステリではなくてエロなのだから。

「ゆりえの幽霊になって・・・桜子を脅してほしい・・・そうすれば桜子は罪を告白するかも・・・」

資料として渡された生前のゆりえのDVDを見たマキの女優魂に火がつく。

博人の演出で・・・桜子を脅すマキ。

ついに「ゆりえちゃん・・・許して・・・」という罪の許しを請うようにも見える桜子の言動を引き出す。

それを動画におさめた博人がゆりえ殺害の証拠として警察に提出したために桜子は取り調べを受けることになる。まあ・・・そう簡単に警察は動きませんがね。

「なかなか・・・いい演技だった・・・」という事務所の一同。

「こんなの・・・ただのものまねじゃない」とつぶやくマキに・・・妖しく社長は告げる。

「演技の基本は模倣だよ・・・まねてまねて本物以上にそっくりになる・・・それが演じるってことだ」

マキは過去の劇団時代の「空気」を社長たちに感じる。

まあ・・・実は単なるエロ要員に見える峰も・・・実は宝塚のトップ女優である。

そして・・・社長は「劇団夢の遊眠社」の看板俳優。

さらに・・・水鳥は赤ちゃんモデルで老舗の劇団若草出身の年齢=芸歴という役者なのである。

それは・・・それぞれ本人の話だろう・・・だから・・・実に役者の色が濃いのはわざとだろうから・・・かなり凝ったキャスティングだって話だよ・・・なるほど。

これだけ・・・脇を固められると・・・役じゃなくて・・・エロじゃないかと言う疑念を女優が言いだしにくい空気になってるんだな、きっと。

二人きりになるといきなり、マキをくどきはじめ、「プライベートで俺の心の傷をいやしてくれないか」とベッドに押し倒し、愛撫とキスを始める博人に・・・マキは違和感を感じるのだった。

「少し・・・時間をください・・・」

やがて・・・もう一度・・・ゆりえのDVDを見なおしたマキは・・・ゆりえの魂に同化し・・・ゆりえの心をつかんでしまうのだった。スペックかっ。

ゆりえの財産を相続できるのは桜子だけ・・・しかし、彼女が殺人犯になれば・・・博人は特別縁故者として相続権を申請できる(民法951条~958条)ということを調べてみたマキ。

ゆりえが自殺した部屋の鍵を持っていたのは桜子ではなくて・・・博人だった。

ゆりえを殺したのは・・・。

真相をつかんだマキはとりあえずシャワーを浴びるのだった。胸の谷間のアップ。全裸の背中、曇りガラスの向こうの全身とエロいサービスこれでもか・・・である。

やはり・・・たぶらかされています。

「博人さん・・・」

ゆりえになりきったマキの言霊は博人の心を揺さぶるのだった。

「私は・・・あなたに殺されることを恐れていた・・・だから入籍しなかった・・・でも、結局、私は殺された・・・優しい桜子さんは私を守りきれなかったと・・・後悔している・・・でも・・・殺されると知りつつ・・・私はあなたと別れられなかった・・・なぜなら・・・私はあなたを愛していたから・・・」

氷のような博人の心をマキの演技が溶かしたのだった。

「俺が・・・俺がゆりえを殺しました・・・」

かなり、強引な展開だが・・・素のマキ、ゆかりになりきれていないマキ、ゆかりになりきったマキを谷村美月が見事に演じ分けて・・・一応の説得力が生じている。

博人は自首し、桜子は釈放された。

「すみませんでした・・・」と謝罪するマキを桜子は優しく抱きしめる。

やはり・・・谷村美月は凄い美人女優なんだと確認できました。

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それにしても今週は戸田恵梨香→満島ひかり→堀北真希→谷村美月というラインナップ・・・久しぶりに言いたい・・・殺す気かっ。

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2012年4月 5日 (木)

大日本帝国のいちばん短い日(堀北真希)

「戦後の未来を堀北真希・・・かけ言葉かよっ」でもよかったのだが・・・大日本帝国の敗戦の日から始まるドラマに敬意を表したい。

堀北真希の朝の連続テレビ小説であり、じっくりと記述したいところだが・・・スケジュール的に困難なのである。

昨日も同じこと言ってた気がする・・・。言ってたよ。

大日本帝国がいつ消滅して、日本国がいつ誕生したのか・・・異論があるところだが、無条件降伏を発表したということは・・・即ち大日本帝国がすでに死に体だったと言えるだろう。つまり・・・大日本帝国は1945年8月15日正午ごろに終わったのである。つまり、その日は半日しかなかったわけであり、日々一日があった大日本帝国にとって一番短い日・・・12時間ちょっとしかなかった・・・だったことは間違いないだろう。

ちなみに映画「日本のいちばん長い日」(1967年東宝映画・監督・岡本喜八)では1945年8月14日正午から、玉音放送でポツダム宣言の受諾を知らせる8月15日正午までの「24」時間が描かれる。

「日本のいちばん暑い日」ともいえるような熱気の渦巻く「24」である。

そこには「戦争をやめたい人」と「戦争をやめたくない人」の攻防も描かれる。

焼け野原となった東京の鎌田で・・・8月15日が明るく描かれることに・・・絶望を感じた人も多いと思う。

ちなみに日本政府が降伏文書に調印したのは9月2日。悪魔の帝国ソ連とその属国以外の対戦連合国との平和条約が発効したのは1952年4月28日である。

で、『梅ちゃん先生・第1回』(NHK総合20120402AM8~)作・尾崎将也、演出・木村隆文を見た。「結婚できない男」(2006年)や「白い春」(2009年)の脚本家の書き下ろしである。しかし、「まっすぐな男」も書いているので油断はできないのである。

日本一のなんちゃって女子校生女優・堀北真希も23歳であるが・・・まだまだいけるな。

とにかく、傑作「カーネーション」の後である・・・のんびりやるしかないのだな。

米国が本土爆撃用のB-29の大量生産をしている頃、日本では勤労動員された女工の皆さんが手作業で高高度迎撃機を作っていたのである。そりゃ・・・負けるわな。

おっとりした性格の下村梅子(16)は悪夢にうなされる。工作機械のベルトが切れて作業が滞り大日本帝国敗戦の責任をとらされ銃殺される寸前で目が覚めるのである。

すでに気温は上昇している。汗をぬぐった梅子は自分がかなり匂うことに気がつく。

4月15日の鎌田大空襲で焼け出され、焼け残った資材で仮説された住居は未だに焦げ臭い匂いがする。壁は公衆便所のものである。自分が匂うのか家が匂うのか・・・栄養失調で朦朧となりながら・・・梅子は薄汚れた寝巻から薄汚れた制服に着替える。

朝食の匂いがする。幽かに味噌の味がする粥である。

(胡瓜が食べたい)と梅子はふと思う。

すでに家族たち・・・医学部教授の父(高橋克実)、母(南果歩)、祖母(賠償美津子)、女学生の姉・松子(ミムラ)、医大生の兄・竹夫(小出恵介)はひっそりと粥を啜っている。

誰も言葉を発しないので・・・このままではドラマとしては成立しないため・・・梅子はバラック(掘立小屋)の外にでる・・・となりの掘立小屋からは何か言い争う声がするが・・・誰もが空腹のために身動きできないのである。

周囲では千人ほど焼死者がでたために・・・未だに死臭がただよっている。

梅子は井戸で水を組むと洗顔する。死体の浮かんでいた井戸だが・・・医師である父が消毒したので飲んでも大丈夫だろう・・・と梅子はぼんやりと思う。

水を飲んでも空腹感は治まらないが・・・飲まないよりはましだった。

支度を終えた姉がうつむいたまま・・・梅子を待っている。

梅子が歩き出すと姉もまた動員先の工場へと歩き出す。

焼け野原を二人は無言のままとぼとぼと歩いていく。

工場にいってもやることは焼け跡の整理である。

誰もが空腹だ。無言のまま、作業を続ける。

今日はこのまま・・・セリフがないのかと思われた頃・・・玉音放送が始まる。

「・・・耐えがたきを耐え・・・」

雑音の多いラジオから流れる今上天皇の声は聞き取りにくい。

すでに通達により、放送内容を知っている工場長が放送終了と同時に嗚咽をもらす。

「・・・負けた・・・」

「わがくにが・・・まけた」

ざわめきはやがて吐息に変わった。

(茄子が食べたい・・・)と思っていた梅子に姉が耳元で囁く。

「解散よ・・・今日は家に帰るの・・・戦争が終わって・・・許嫁の智司さん(成宮寛貴)が・・・帰ってくるかもしれないの」

「お姉さん・・・そんなことを言ったら・・・銃殺されてしまうよ」

「・・・とにかく・・・帰るのよ」

姉妹はふたたび焼け跡をとぼとぼと歩いた。

妹は姉の身を案じていた。

(姉がおかしくなってしまった・・・)

遠くで怒号が聞こえ、女の泣く声が聞こえた。

(みんなおかしくなってしまった・・・)

梅子は不安に震えながら思った。

(大根が食べたい・・・)

そして・・・戦後が始まった。

主題歌「さかさまの空」についての感想は→アンナお嬢様のレビュー

それにしても・・・シナリオに沿ったレビューの方が・・・誰もいないとは・・・。「カーネーション」と落差ありすぎ~。不安でございます。

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堀北真希の東京大空襲

三丁目の夕日

篤姫

花ざかりの君たちへ

出るトコ出ましょ!

鉄板少女アカネ

クロサギ

怪談新耳袋・劇場版

着信アリ

イノセント・ラヴ

アタシんちの男子

特上カバチ!!

深紅

深紅・・・オンエアしないかな・・・本格妄想レビューしたいな。

それにしてもオンエアで峰不二子のトップバストを見る日がこようとは・・・ツイッターかっ。

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2012年4月 4日 (水)

地の果てるところは国の果てるところ(満島ひかり)

満島ひかりのドラマであり、じっくりと記述したいところだが・・・スケジュール的に困難なのである。

また、「日中国交正常化40周年記念ドキュメンタリードラマ」という妖しいフレームがいろいろと問題ありそうだ。

さらにBSで先行放送された総合テレビのおさがりオンエアであるのもなんとなく・・・気がそがれるのだな。

だから極めて短く触れておくことにする。

で、『開拓者たち・第一回・幸せはいつまでも続くはずだった』(NHK総合20120403PM10~)脚本・坪田文、演出・岸善幸を見た。悲惨な出来事を見せるために悲惨の前の幸福を可能な限り高めておく・・・というフリオチの王道によるフリの部分である。大日本帝国の大陸進出政策の一環として満蒙開拓民が帝国本土から入植し・・・文字通りの植民地化を計画するわけである。しかし・・・実際は植民地計画は時代とあまりにも逆行していたわけである。

張り子の虎と言うべき関東軍は・・・敗色濃厚の帝国の旗色とともに・・・送りだした移民を見捨てる。

そして悪魔の帝国であるソ連やその配下である中国共産党軍がこの世の地獄を生みだす物語である。

こういうドラマが成立することが・・・すでに中国との国交がちっとも正常ではないことを物語るわけだが・・・そんなことを言っていると誤解を招くおそれがあるのでこれ以上の言及はさける。

「モテキ」で共演した満島ひかりと新井浩文が夫婦役で再び共演である。

昭和11年、貧しい農家の口減らしとして移民団の花嫁たちが・・・満州に渡る。

ハツ(満島ひかり)、梅子(芦名星)、チエ(徳永えり)、鶴子(前田愛)はすぐになかよしになる豪華メンバーである。

彼女たちは実在する人々の証言から造形されたキャラクターであり、実話に基づいたフィクションという妖しさを醸し出す。

なぜならそれは嘘を巧妙に本当らしさで覆う仕掛けだからである。

ハツは初対面の男・浅野速男(新井)と夫婦になる。

「まあ・・・いい」が口癖の男に宮城の貧農出身のハツは淡い希望を打ち砕かれてガッカリするわけだが・・・浅野はやがて「それは・・・生きていればなんとかなるということだ」と真意を告げる。

広大な満州の大地にたちまち根付くハツ。

「地平線の向こうまで国境線が見えない」のだった。しかし、地の果てには悪魔が支配するソ連の領土が広がっていたのである。

ハツたちが開拓する千振(ちぶり)は現在の中華人民共和国黒龍江省にある実り豊かな土地であった。最初の一年は幸せのうちに過ぎ・・・翌年から始まる日中戦争、昭和16年から始まる太平洋戦争の泥沼の戦況にもかかわらず・・・ハツたちは幸せな九年の歳月を過ごしていく。

もちろん・・・あくまで生き残った人々の語る言葉である。

死者に口はないということを念頭に置いておきたい。

ドラマ製作にあたり証言した人々は戦後、引き上げて栃木県那須町に再び入植した人々なのである。

そういう証言によって創作された花嫁たちは子供を生み、育て、希望に燃えていたのだ。

しかし・・・敗戦と同時にすべての状況は一変する。ちょうど・・・安全神話に欺かれた福島県民のメルトダウン以前と以後のように。

次回はすべての幸せが消失する「わたしたちは見すてられた」・・・阿鼻叫喚の地獄の開幕なのである。

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仮記事でないモテキ

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2012年4月 3日 (火)

間接キッスはノーノーノー!(戸田恵梨香)

そこかよっ。

・・・まあ、おそらく「SPEC」の当麻紗綾(戸田恵梨香)は「家族八景」の火田七瀬と同じ・・・そして「ケイゾク」の柴田純と同じ・・・乙女の設定だからな。

派生作品としては王道の部分であろう。

だからこそ・・・初めての男候補・瀬文焚流(加瀬亮)には「純情可憐な恋一筋を演歌LOVEで猪突猛進」なのだから。

基本、マヨマヨネーズでメロメロンなのである。

さて・・・キッドのブログはついに・・・東北三県のアナログ停止により・・・完全にレビュー対象を喪失してしまったのだった。

だが、すでに「平清盛」をレビューしちゃったので・・・いろいろアレなのである。

まあ・・・いざとなったら・・・すべての責任は妄想が転嫁しますのでーーーっ。

とにかく、これだけは言っておく。・・・地デジ化のバカヤローッ!

それにしても・・・関東・東北地方ではクライマックスの緊急地震警報はまさに「現実逃避を許さない」ネイチャーの悪意を感じましたな。しかし、知ったことじゃないのですな。人類がたとえ滅びようとも面白いものは面白いのでございます。

で、『SPEC(スペック)翔(承)~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(TBSテレビ20120401PM0930~)脚本・西荻弓絵、演出・堤幸彦を見た。レギュラー・シーズン最終回「スペック癸(起)の回」を受けてのスペシャルドラマである。起承転結の「承」にあたるらしい。で、劇場版が「転」である。

「起」にあたる物語のラスト・シーンでは人間の記憶を操作し、現実の記憶を消去し虚構の記憶を挿入できるスペックを持つスペックホルダー(突然変異的能力保持者)である地居聖(城田優)との絶望的な戦いにおいて・・・何者かのなんらかのスペックが発動し、当麻警部補、瀬文警部補、そして一般人でサイコメトラーの志村美鈴(福田沙紀)のトリオが奇跡的勝利を得る。

今回はその結末の謎解きを展開しながら・・・新たな謎に突入するという・・・サービス満点な構成になっています。

スペックホルダーのキングであった一十一(にのまえじゅういち)・・・人間の数万倍の身体加速能力を持つ・・・実は地居に偽の記憶を移植された当麻の弟・陽太・・・を捕獲するために仕掛けられた毒の雪の罠により視力を一時的に失っていた瀬文は弁財天の真言「オン ソラソバテイエイソワカ」(聖なる音をサラヴァティに捧げ奉る)を唱えまくる修行の日々を送っていた。

彼の脳裏にはある疑念が渦巻いている。

あのピンチを脱することができたのは・・・なぜなのか・・・あのとき・・・地居を倒したのは・・・行方不明の一ではなかったのか。なぜならば・・・地居の放ったマシンガンの弾丸は・・・美鈴の兄・優作(伊藤毅)と同じように・・・射手の元に舞い戻っていったのだから・・・さもなくば・・・一の姉である当麻は重大な秘密を隠しているのではないのか・・・たとえば・・・当麻自身がなんらかのスペックを隠し持っているというような・・・そうなれば・・・俺はあの女に隠しごとをされていることになるのだ・・・それはあってはならないことなのだ。

そんな瀬文の苦悩を知ってか知らずか・・・当麻は祝・全快の矢を瀬文に放ち・・・返り討ちに遭うのである。

当麻死す・・・というわけにもいかないので額に軽傷を負った当麻は体調が回復した瀬文とともに警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係(以後未詳)に復帰するのである。

一方、未詳では野々村未詳元係長(竜雷太)と近藤捜査一課弐係々長(徳井優)が「ケイゾク」シリーズ伝来のはさみかきピーの勝負を展開しているかに乗った少年城みちる。実はかっての部下で今はキャリアとして雲の上の存在である「S」から野々村への秘密指令の伝令役の近藤であるぷすの少女ハイジはGu-Guガンモ。

シンプルプランの導入が決定 阻止に向けて尽力を乞う S

もちろん、Sとは・・・。しばたあーーーっ。

警視庁を退職して司法修習生となった正汽雅(有村架純)・・・以後雅B・・・は正妻・雅Aの目を盗んで糖尿病の野々村に脂肪たっぷりカルビ弁当を届けるついでに新登場人物を案内してくる。「ケイゾク」第2話に登場し天才心臓外科医に殺された水谷社長にそっくりな市柳賢蔵新係長(でんでん)と吉川く~ん(「おれは男だ!」日本テレビ1971年)ではない吉川刑事(北村一輝)である。吉川は組織犯罪対策部出身で「マル暴」魂を持っている。同時にかっての部下であるパンチパーマ刑事軍団を自由に動員できるらしい。

過去の登場人物と同じキャスティングとなっている市柳係長はある事情で顔を変えているのである意味整合性があると言える。まあ、たまたまだという考え方もあります。

こうして勢ぞろいした「翔」の未詳係員は・・・・

市柳係長・・・実は公安部特務専任部長・津田助広Aでゴリさんと呼ばれた頃の野々村の部下。

野々村係長待遇(降格)・・・元はゴリさんと呼ばれた敏腕刑事、かっての弐係長。

吉川と組織犯罪対策部の部下たち・・・死亡した志村とは高校時代ワンダーフォーゲル部(日本独特の山岳部もどきのサークル)の先輩後輩だった。スペックの存在については懐疑的である。

瀬文・・・体力バカ・・・かって特殊能力者対策特務班警視庁公安部公安零課通称・Aggressor(アグレッサー)に引き抜かれたが、直属上司の津田助広Cが死亡したため、なし崩し的に未詳に復帰。実は当麻に惚れている。しかし、絶対に認めない。

当麻・・・未詳の頭脳・・・実は瀬文に惚れている・・・積極的にアピールするが着替えない。

という・・・最強の布陣・・・いわば全員ガンダムである。

これに対し捜査一課管理官のボール馬場(岡田浩暉)、捜査一課係長ジム鹿浜(松澤一之)、広島出身の捜査一課員ジムキャノン猪俣(載寧龍二)の馬鹿猪のザクではないザコトリオが未詳に好意的な支援部隊として控えている。サトリに雅Bへのプロポーズを暴露された猪俣はじめ・・・彼らは過去の事件において凶悪なスペック・ホルダー(以下スペッカー)の恐ろしさを身にしみて認知している。

そして・・・事件の幕が開く。

公安零課に確保されて以来、行方不明だったテレパシスト(人の心を読むスペッカー)で占い師のサトリ(真野恵里菜)はいつの間にか街頭での占い業を再開していた。レーサーの鈴・・・父子と今井夏木の恋多き人生を占ったりしているのである。

そこに全身黒づくめでおそらく髪の毛を回転するスペッカーの黒男がやってきてサトリの暗殺を企てる。

サトリン、サトイモ、スイスイスイ・・・サトポッポの呪文(途中、面倒くさいので省略)とともに黒男の心を読もうとしたサトリだが、おそらくヤッチマイナ公安零課の護衛二名とともにマシンガンの黒男とハサミを持つ謎のスペッカーに挟撃されて死亡する。全国サトリン愛好家絶叫の展開である。

事件の巻き添えで両親(夫婦でX攻撃守備のスペッカー)を殺害された唯一の生存者である女子高校生・久遠望(谷村美月)も脚に流れ弾を受け重傷を負った。

被害者の事情聴取をさせてください」とユニゾンで息のあったところをみせる当麻と瀬文のカップル刑事。

しかし、市柳は「俺はそんな命令を出さない」と上司風を吹かせる。

だが、瀬文は手投げの祝!!!全快鏑矢で市柳のウイッグ(ヅラ)を直撃。

誰の命令に従うかは自分で決める」と豪語するのだった。

東京上空では旅客機にて「シンプルプラン」が5つに分割されて空輸されている。

その謎は「翔」では一切、明らかにされない。

謎の「御前会議」ではマチルダ(戸田恵子)や加持リョウジ(山寺宏一)が意味深な会話を繰り広げる。

「ファティマ第三の予告って・・・このことじゃないのか。法王庁は、第一に米ソ冷戦は神と悪魔の闘い、第二は東側による法王暗殺未遂、第三はソ連崩壊による神の勝利で予言は成就したって言っているけど・・・実のところ・・・ソ連的なものは未だに色濃く存在しているわけだし」

「スペッカーの争奪戦は今や国家存亡の問題となったのだ」

「国家も資本もな・・・」

「それよりもリチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』の発表された1976年から『神は妄想にすぎない』ことをDNA研究者たちが証明しようとしすぎたことに問題があるのよ」

「しかし、自然淘汰の加速は物事をわかりやくすするだろう」

「それが危険というものなのよ」・・・いい加減にしておけよ。

闇の御前会議へ闖入者が出現する。

津田D(椎名桔平)である。イカを食う男であり、スペッカーであり、零課のボスでもある。

「俺はスペッカー・サイドでもあり、あんたたちのサイドでもある・・・ここはひとつとりひきしないか・・・」

「ふふふ・・・敵対組織双方をかきまわすのはハードボイルドの常道だが・・・君に主役の重責が担えるのかね」

「何言ってんだ・・・特別出演だけど・・・SPECの真の主役は津田に決まっているだろう」

論評を避ける御前会議のメンバーたちだった。

その頃・・・瀬文はボール馬場が指摘した「サトリが握りしめていたタロットカードの意味」を反芻していた。

それは「Ⅲ 女帝(The Empress)」である。所持していたのはタロットカード占い師(カルーセル麻紀)だった。

「Ⅲは・・・111・・・一十一を示すサトリのダイイング・メッセージではないか」

しかし、当麻は一犯人説を即座に否定する。

「それは・・・ありえない・・・一は死んでいるから」

「なぜ・・・そう決めつける・・・一はテレポーテーション(瞬間移動)のスペッカーを持つブブゼラリーマンズによって奪取され生死不明だろう・・・捜査に私情を持ち込むな」

なぜだ・・・当麻・・・なにを隠している・・・弟である一をかばっているのか・・・それとも俺に何かを隠しているのか。二人の間に隠しごとは禁物だ。俺は絶対に許さない。絶対にだ。なぜなら俺は心の狭い男だからだ。

瀬文と当麻の対決は入院治療中の久遠の病室でも火花を散らす。

「どうせ・・・信じないでしょうけど・・・黒男はテレポートしたんです。ママンとパパンは私をかばって黒男に殺されたんです」とマヨネーズメロンを食べながら訴える久遠・・・B87である。

「いいえ・・・私たちは犯人を必ずつかまえる・・・だから、あなたも負けないで」とマヨネーズメロンを食べながら応じる当麻・・・B75である。

いや・・・問題はBじゃない・・・と同行した吉川は思う。

舌バカシスターズ・・・マヨラーにも程があるだろう。

瀬文は一の写真を取り出した。

「黒男はこの写真の男ではなかったでしょうか?」

「一瞬だったんで・・・でも似ているような気がする」

瀬文の行動に当麻はとまどいを感じる。

「なぜ・・・一の写真なんか・・・」

「捜査だ」

当麻はあてつけのために吉川に頼る。

「久遠を保護するために人員を配置してください」

そして・・・サトリ殺害現場を検証するもやもやした当麻と瀬文の夜の屋上デートである。

「言いたいことがあるなら言えよ」

「お前こそ・・・」

「女みたいにうじうじしやがって・・・」

「なんだと・・・お前こそ・・・あの時・・・何をした・・・俺たちはどうやって助かった」

「ああ・・・目がみえなかったから」

「お前はスペッカーなのか」

「ああ、そうだよ・・・それがどうした・・・」

「なぜ・・・かくしていた」

「聞かれなかったから」

「お前のスペックはなんだ・・・」

「それは・・・ひ・み・つ」

「なんだと・・・」

「おい・・・私にスペックがあったらなんだっていうんだ・・・それで私がなんか得したか・・・瀬文・・・ずっと一緒にいて・・・あんたは私の何を見ていた・・・あんたの目は節穴か」

「・・・絶対に許さん」

決裂する二人であった。

迷う心を抱えて瀬文は志村の月命日だったので志村の妹の美鈴とかいてみれいの部屋を供養のために訪問した。

美鈴は長い読経に足が痺れたが・・・瀬文には兄も大好きだったビールを進める。

美鈴は地居に改変された記憶を取り戻すためにサイコメトリー能力(遺留物から過去を幻視するスペック)を全開バリバリで使いまくったためにかなりの真相を知っていた。

もちろん・・・当麻のスペックについて。当麻の瀬文を思う気持ちについて。そして瀬文の当麻を思う気持ちについて。

美鈴は当麻の「孤独」を自分を例にあげて瀬文に説明する。

「私、芸大やめました。大河原教授(三浦理恵子)のハンカチ拾って教授がストーカーだと分かっちゃったので警察に通報したら・・・逆に私がストーカーしていたことになって、教授が情報操作して・・・学内で孤立させられて・・・逆に私が訴えられそうになって・・・まあ・・・そうですよね・・・私にだけ特別にわかることがみんなにわかってもらえないのは当然ですもの」

「それは・・・ひどい」

「だあかあらあ・・・瀬文さんは私のことより・・・当麻さんの心配をしなさいよ・・・当麻さんがスペッカーだからってなんですか・・・あなたが不在の間、当麻さんがどんなに・・・あなたのことを待っていたのか・・・分かってるんですか・・・レギュラー・シーズンから時が立ったとはいえ・・・あんなに一つになっていた二人の心がバラバラなんて私は悲しいのです。あの素晴らしい愛をもう一度なのです・・・当麻さんの孤独を救えるのは瀬文さんだけじゃないですか」

それにしてもこれほどのスペッカーをなぜ零課は放置しているのか・・・最大の謎である。

美鈴の滝に撃たれて瀬文は心を入れ替えた。せぶみではなくてせぶんとなったのだ。

七つの大罪がセブンに重くのしかかるのだ。

そうだ・・・俺が当麻を信じなくて・・・誰が当麻を信じるというのだ。

その頃、黒男は目撃者である久遠を抹殺するために病院を襲撃していた。

久遠の替わりに病室に潜んでいた吉川はそのパンチパーマの仲間たちとともに自分の目で「嗚呼!!花の応援団」の親衛隊々長・青田赤道の「ちょんわちょんわくえ~」のポーズで瞬間移動する黒男を目撃し・・・スペックの実在を信じることになる。

久遠の身代わり作戦を発案した市柳は当麻に「よくやったズラ」とほめられる。

しかし、久遠の両親の葬儀に久遠が出席したいと要求し・・・その筋が通った話を吉川は承諾してしまう。

当麻はパンチパーマ軍団の統率ぶりに「かっけえ」「かっけえ」「スーパーかっけえ」と心を奪われ「高まる~」のであった。

「万全の準備をして警護する」という市柳係長ら当麻は「どんな方法で」と質問する。

「それはお前の仕事だろう」と応じる市柳に「上司なら頭を使えよ・・・それじゃただのヅラじゃねえか」と激しくツッコムのだった。

そこに瀬文が帰還する。

「お前だけじゃ・・・頼りにならん・・・俺が(お前を)守る」

当麻の心は揺れるのだった。

あなたは私を本当に信じるの・・・私の何もかもを受け止めるの。

当麻は覚悟を決めて勝負下着を取りに祖母の葉子(大森暁美)の待つ実家に帰宅するのだった。

その頃、野々村の元へ大正琴の稽古を終えた近藤はSからのメッセージ付のバースデーケーキを届けている。

今週金曜日早朝成田空港にシンプルプランが持ち込まれます詳細はこの紙に

・・・具体的指示は別紙参照だった。

六本木(5ch)から渋谷(nhk)までを警戒する裏番(大木凡人)だけが静かに見つめていた。

久遠家葬儀会場。

IPの高い当麻の指示で会場は黒男盗撮のための40台のビデオカメラが設置されている。

そこにタンスに入った久遠が到着する。

非常事態に備えて、となりの斎場からお供物のグレープフルーツを現金調達する当麻。

クソまじめなセブンに咎められると偽巨乳でダイナマイト・ボディーを誇示する当麻だった。

そこへブブゼリーマンズがダブルで瞬間移動してくる。

鳴り響くブブゼラの音。

当麻が発砲し、離脱するブブゼラリーマンズ。

当麻は保護対象・久遠の移送を発令する。

斎場に残された野々村と市柳はぶっちゃけトークを展開。

「津田・・・久遠ちゃんを零課の保護施設・デッド・エンドに移送しろ」

「ゴリさん・・・私も息の根が止まるまで真実に向かって突っ走る刑事ですから」

「お前の部下の不始末はお前がつけろ・・・俺の部下は俺が守る」

市柳もまた・・・津田だったのである。

いつもの地下駐車場には美鈴がダミー車を用意して待っていた。

・・・美鈴・・・なんでもできる女だな。

それぞれの車に乗って別ルートでデッドエンドへ向かう一行。

一人、駐車場に残った当麻はグレープフルーツをひとかじり・・・徐に左手の包帯を外すと外科手術で接合した左手がシャイニングである。

当麻のスペックは死んだスペッカーを召喚できる能力だったのだ。

「冷泉さん・・・お力をお貸しください・・・」

召喚されたのは未来を予言するスペッカー冷泉俊明(田中哲司)だった。間接キッスは禁じられたが「ラミパス ラミパス ルルルルル…」の呪文は健在で・・・この後も呪文の間に敵が動かないという事態がいくつか生じるがそれはヒーローの変身シーンと同様に黙って見守るのが礼儀だからである・・・黒男の出現する未来は予言されてしまう。

ついでに、弟の一=陽太(神木隆之介)を召喚して黒男の出現場所に加速能力で先回りする当麻が基本的に徒歩で移動していることや・・・なぜ加速したままで黒男を確保しないのかは・・・各自で妄想していただくようにお願いします。基本的に主役は見せ場を確保するのが絶対だからですけど。

しかし、冷泉を忘却の彼方(死後の世界)に送り返した当麻はすべてをセプンが見ていたことを知る。

「見ましたね・・・女の秘密の部分を見てましたね」

「見た・・・それがお前のスペックか・・・」

「そうです・・・死んだ両親に会いたい一心で芽生えたスペックです。でも出てきたのは貞子の母親のモデルになった実在の超能力者・御船千鶴子さんでしたけど・・・。私は死んだスペッカーを召喚できるスペッカーなのです」

「では・・・地居を倒したのは・・・一なのか」

「そうです・・・だから・・・私は・・・弟が死んでいることを知っていたのです」

「・・・」

「これ・・・見ますか」

当麻は予言の書かれた紙をセブンに差し出す。

「断る。そんな卑怯な真似はできない」

「卑怯って・・・スペッカーと戦うのにスペックを使うのがなぜ卑怯なんですか」

「なぜ、スペック抜きでベストをつくさない・・・」

「・・・」

「俺は・・・スペックこみのお前など認めん」

「わからずや・・・じゃ・・・どうやって・・・黒男を確保するつもりですか」

セブンは携帯端末を使い、挑発画像をネットにアップした。

「俺はお前を見た。文句があるならかかってこい」

セブンは神戸の海上保安庁の方からようつべにアップする方法を取得したらしい。

二人はふたたび決裂した。

黒男は馬と美鈴の乗ったダミー車を補足。二人は降参するが、当麻が到着、命拾いをする。

次に吉川と久遠を乗せた本命車が多摩クリステル看板傍の神聖な工事現場で黒男に捕捉される。看板上で待ち伏せていた当麻は途中で現金調達した投網で黒男の捕捉に成功する。

しかし、暴力的な市民である現場労働者の神戸明(宅間孝行)の介入により・・・黒男の確保はまたしても失敗する。

看板から飛び降りて着地した当麻は身長が二センチ縮み、サメの軟骨摂食の必要に迫られるのだった。

久遠らをデッド・エンドに送りだした当麻は再び冷泉を召喚するが・・・冷泉の能力は発動しない。

「君が望まないことを・・・私はできない・・・君に迷いが生じているからだ」

瀬文さん・・・あなたに否定された私は・・・どうすればいいのです。

乙女心は揺れるのだった。

加速能力による長い旅路の果てに当麻は未詳に帰着する。

野々村は元中部日本餃子の親父(多田木亮佑)でアラータ(安藤絵美)の保険金殺人の犠牲者で餃子出前ロボとなった中華料理屋を呼び、出来たて餃子で暖かく当麻を迎えるのだった。

餃子で燃料を補給した当麻は「うまかったうしまけた~」とご機嫌になるのだった。

すでに久遠は無事に最終保護施設デッド・エンドに到着していた。

とりあえず安堵する未詳のメンバー。

しかし、同時に収容された神戸は事情聴取中に突然、暴れ始めるのだった。

その頃・・・待ち合わせ場所で黒男を待ち続けたセブンは格闘の末・・・血まみれになりつつ黒男を確保する。

スピードDNA鑑定で当麻が追跡中に黒男に着弾させ現場に残された血痕のDNAとセブンの捕獲した黒男のDNAが一致・・・事件は解決したと思われたが・・・。

セブンの傷口を自動車整備のためのぼろ雑巾(通称・ウエス)で拭っていた当麻は黒男が現場にバイクでやってきたことを知り・・・黒男が瞬間移動のスペックを持っていないことに気がつく。

お約束のお習字式プロファイリング「いただきました」で神戸こそがスペッカーを狙う黒男だと断定する当麻。

しかし、デッドエンドでは念動力スペックのゲッツ(ダンディ板野)や貞子などたくさんのスペッカーが神戸による強制勧誘の危機にさらされていた。

敢然と立ち向かうのは不思議な踊りで音を消すスペッカー・ミュートくんである。

「そんな能力・・・なんの役に立つ・・・」と嘲笑う神戸に気配を消された吉川が奇襲に成功する。

「こんな僕でも役にたった・・・」とミュートくん。ミュートくん、かわいいよミュートくんである。

しかし、吉川を一蹴した神戸はブブゼラリーマンズを召喚し、トランスポート(物品移送)によりスペッカーの大量捕獲転送を試みる。しかし、ふたたびミュートくんである。

「がんばれ、日本」

「うるせーっ」

怒髪天をついた神戸はミュートくんを無慈悲にも射殺するのだった。哀れ・・・ミュートくん。

しかし、セブンが到着。

ここで逃亡をはかる神戸は瞬間移動を何故か発動できない。

ここも謎のまま残る点である。スペック封印スペックが存在するのであろうか。

追い詰められた神戸は手榴弾を投擲する。

しかし、間一髪、一の加速能力を召喚する当麻。

セブンの絶体絶命に迷いはふっきれたのだった。

死者として本来の弟・陽太としてふるまう一。

姉と弟は魂の交流を行う。神戸を確保し、手榴弾の破片を毛布でくるんだ当麻は突然、さらなる敵の存在を直感する。

久遠は音読みでque-enつまりqueenで女王(クイーン)で女帝だったのである。

「そうよ・・・キングなき後のクイーン・・・私が最強のスペッカー」

「あなたは・・・コレクターね」

「そう・・・私はスペッカーのDNAを摂食してスペックを自分のものにできるってわけ」

「食べるだけでいいなら・・・なぜ殺したの」

「だって・・・コピーしたらオリジナルは目ざわりじゃない・・・」

「だから・・・弟も・・・殺したのね」

「そうよ・・・だから・・・私も加速できるってわけ」

「なぜ・・・ママンとお父さん(ママンは許せるがパパンと口にするのは抵抗がある当麻だった)を殺したの」

「だって・・・もはや・・・クイーンとなった私には不必要なものだから」

「それを聞いて安心してあんたをぶっ殺せるわ」

「それは無理・・・だって私にはあなたの心がお見通しだから・・・」

「どうかしら・・・」

当麻はサトリを召喚する。

サトリン踊り祭りである。

サトリンかわいいよサトリン。

当麻かわいいよ当麻。

久遠かわいいよ久遠。

一部愛好家熱狂である。

「おかしい・・・心が読めない」

「コピーはオリジナルより劣化するものなのよ・・・いかにデジタル時代でも」

さらに冷泉を召喚する当麻。

「さあ・・・あなたの未来は見切ったわ」

しかし、久遠にはまだ奥の手があった。当麻は当然、悟ったが遅かったのである。古戸久子(奥貫薫)もまた久遠の毒牙にかかっていた。左耳をひっぱると念動力が発動するスペックで当麻は意識を失う。

召喚者を失い消えるスペッカーたち。

「当麻さんのスペックもらっちゃうよ」

ヒーリング能力で足の傷を治癒させる久遠。EXILE・NAOTO(EXILE・NAOTO)も死んだのか。

だが・・・加速能力が停止したことに久遠は気がつかなかった。

飛翔したセブンと吉川のダブル・チョップで失神する久遠。逆転勝利である。

そして・・・当麻は病を処方する医師・海野亮太(安田顕)を召喚する。

「この子の能力を消すことができますか」

「ああ・・・脳の一部を殺せばいいことだから・・・」

おでことおでこをくっつけてエロく久遠のスペックを抹消する海野。

「それから・・・次は私の左手の感覚を殺してください」

「当麻・・・」

そこまでしなくてもいいじゃないか

だって・・・私はこのままでは怪物になってしまう

「スペックはこの子のような・・・怪物を生んでしまう。私もスペックを獲得して有頂天になっていたことがあるから・・・わかる・・・。地居の陰謀で一になった陽太に左手を奪われて能力を失った時・・・瀬文さんが私に・・・人と人との絆を思い出させてくれた」

「君と死者たちの間にも絆はある・・・それを断ち切ってもいいのかい・・・」

「お願いします」

「わかった・・・」

当麻のスペックは消えて・・・死者たちも消えた。

最後の最後に海野は当麻が巣鴨で買った赤い毛糸の勝負パンツに履き替えていることだけを言い残して・・・。

「何も感じない・・・瀬文さん・・・私の左手・・・何も感じなくなっちゃった」

「大丈夫だ・・・当麻・・・お前の左手は・・・暖かい・・・俺が感じている」

二人に蘇る熱い絆。

その一瞬の隙をついて・・・神戸と久遠は離脱する。

後を追う刑事たち。二手に別れ単独となった吉川は何かを見た。

そして・・・冷凍されてしまうのだった。

現場に到着した当麻と瀬文は立ち去る三人のスペッカーの後ろ姿を為す術もなく見送る。

転章・・・そして「天」へ。

離脱した・・・津田Dを待ち構える津田A。

「状況は失敗・・・ただし、当麻のスペックは封印」

「御前会議はお前を見捨てたよ・・・この津田の黒歴史が・・・」

「撃つな・・・」

銃声の最中・・・久遠は走って逃げだした。

空港で張り込む野々村は・・・マカディミアン・ナッツの缶に封印された「シンプルプラン」の一部(ゴエティアのパーツ)を奪取する。

この続きはまもなく封切の劇場版のオンエアまでお待ちいただきます・・・。

ゴエティアは悪魔召喚の書。魔道奥儀書「ソロモン王の秘密の鍵」の一部である。他に「アルス・ノヴァ(聖なる祈りの書)」「アルス・アルマデル・サロニモス(天空の精霊の書)」「アルス・パウリナ(時間の精霊の書)」「テウルギア・ゴエティア(神通力の書)」がある。

関連するキッドのブログ→SPEC~翔~を待ちながら(戸田恵梨香)

家族八景

魔王

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2012年4月 2日 (月)

監獄もまんざら悪くない、さあ、ロックといこうじゃないか(松山ケンイチ)

もはや・・・神がかり的な作品である。

庶民は誰もついてこれないのではないか。

しかし、もの凄く面白い・・・まあ、庶民もたまには極上のものにふれて目をまわすのも一興なんだよな。

なにしろ・・・何から説明していいのか、わからないほどに複雑な展開である。

そもそも「神輿」を「しんよ」と発音した時点で・・・迷子になる人がいるだろうし、比叡山延暦寺と「祇園さん」こと八坂神社の関係だって知らない人は知らない。

で、それがなぜ都に強訴に来るかもわからない人にはわからない。

で、それを朝廷側が差し止めはするが弾圧しないことも理解が難しいだろう。

そこで鎮圧側が強制力を使うと批判されるのが・・・いや、この辺は分かるかな。警察が犯罪者を射殺したりすると問題になるアレですな。

さらに、「神輿」に矢を放ったことで入獄した清盛に鳥羽院が「私を撃ってみよ」と言うのが不明で、さらにエア・弓矢で射られた鳥羽院が歓喜にあふれて清盛をほめそやすのがなぜだか・・・わからない。

そういう人も多いだろう。

キッドは思わず多重人格一同爆笑の展開だったが・・・それを説明するのはかなり骨が折れるのである。

いや・・・わかってもらえない可能性の方が高いな。

君子、危うきに近寄らずなので明解しないことにしておきます。

で、『平清盛・第13回』(NHK総合20120401PM8~)脚本・藤本有紀、演出・中島由貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はファン待望、待ちに待った悪左府こと後の左大臣・藤原頼長の描き下ろしイラスト大公開。ついにキタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ ! のでございます。そして、なんとも美しいしかし脆い・・・危うさ爆発のシャアーっでございます・・・なんのこっちゃ。寄らば菊門責めでございますからなーーーっ。この手のキャラはロリコンでなければホモ・・・まあ、お約束の展開ですなーーーっ。

Tairakiyomori11世に言う祇園闘乱事件は久安三年(1147年)に起きている。祇園とは祇園神社のことで今の八坂神社である。記録では祇園の社に神に捧げる舞楽である「田楽」を奉納しようとした平清盛に祇園社の神人(下級の使用人)もしくは犬神人(最下級の使用人)が因縁をつけて乱闘事件が発生したのである。祇園社の祭神はスサノオであり、牛頭天王である。そもそも渡来人がなぜ、スサノオを祭るのかという因縁もあるわけだが・・・荒神であるスサノオはその粗暴さゆえに厄除けには逆にふさわしく、疫病を祓う神として信仰を集めたわけである。で、この時代には祇園社は比叡山延暦寺の庇護下にあった。いわば比叡山系祇園組である。で、比叡山延暦寺には組長である天台座主がいる。なにしろ、天台宗の総本山なのである。で、この頃の天台座主は行玄である。行玄は藤原忠実の父、藤原師通の弟なのである。つまり・・・藤原嫡流家の人間なのである。そして・・・名代としてやってくる僧・明雲は村上源氏大納言顕通の子であり、弟の源雅通は藤原家成の姉妹を妻としている。要するに・・・天皇家に仇なす比叡山組のバックには藤原組が糸をひいているということでございます。要するに平家VS比叡山は・・・大王家と藤原家の代理戦争のようなものなのでございます。だから・・・いくら、清盛流罪を藤原摂関家が主張しても、平氏を重宝している鳥羽院が承諾するわけはない・・・ということなのです。ちなみに比叡山の荒法師・鬼若は後の武蔵坊弁慶であると思われます。

清盛と祇園の神人との騒乱を聞いて鳥羽院は御所の階に立ち、曇った空を見上げた。ふと、待賢門院が逝去した夜を思い出す。鵺の啼く恐ろしい夜であった。御殿の屋根に翼を広げた怪異は中宮藤原璋子の命を吸い取った後、枕頭にいた鳥羽院の命も狙ってきたのだった。そこへ、清盛が郎党とともに現れ、平家伝来の鏑矢王(かぶらやおう)の矢で鵺を討ち果たしたのである。怪異の正体は巨大な雉(きじ)であった。愛娘である統子(むねこ)内親王によれば・・・いにしえの大陸の王朝・周の頃にも現れた怪異に似ていると言う。

我が子ながら・・・博識であることよ・・・。

鳥羽院の想念はとりとめなく脱線する。

なんで、あったか・・・そうそう清盛のことであったな。

祇園周辺は祖父である白河院が愛妾を置いていた土地柄である。そもそも・・・清盛の母親は白河院の愛妾の妹だと言う。それゆえに清盛もまた白河院の落胤ではないかと・・・噂されるわけである。

確かに・・・眼のあたり・・・祖父に似ている・・・と鳥羽院は思う。

しかし、そんなことを言えば、自分にも似ていることになる。我が子たちにも似ているし、父である堀河天皇にも似ていることになるだろう。

そもそも・・・平氏でさえも王家の血が流れているのである。

いや・・・祇園のことであったな・・・。荒ぶる神であるスサノオノミコトを祭る祇園社は白河院の崩御後はまたもや比叡山の息のかかる場所となってしまった。

鳥羽院は白河院への反発とは裏腹にその政治手法を模倣してきた。そもそも・・・平氏を頼みとするのは・・・藤原摂関家の横暴に対する王家の対抗手段である。比叡山の背後には藤原摂関家が控えていて・・・何かにつけて王家にゆすりたかりを仕掛けてくるわけである。僧兵という暴力装置を巧みに利用しながら・・・そのことはおくびにも出さない藤原貴族たちの狡賢さに鳥羽院は白河院も感じたであろう忌々しさを覚える。

統子はなんと申して居ったか・・・。

「魔狩り」をしていると統子は言った。王家の忍びたちを使い、都に巣食いだした魔のものを祓うのだという。

確かに・・・あの鵺というばけものなどが跳梁跋扈しはじめたら・・・恐ろしいことだ。

「祇園の社の神輿には・・・魔のものが巣食いだしておりましたゆえ・・・清盛に命じて祓いの矢を射たせたのです」と統子は言った。そもそも、鏑矢王の矢は比叡山延暦寺のご神体のひとつだという。それを白河院が平家に下されたのである。そのことについては比叡山の恨みは深い。

ふふふ・・・その矢を縄張りの祇園社の神輿に射られたのだから・・・叡山の藤原坊主たちもさぞ・・・腸が煮えくりかえっておるじゃろう・・・。

鳥羽院は痛快さに笑みをもらした。

そうか・・・と鳥羽院は次の手を思いついた。

朝義に呼び出された藤原頼長は鳥羽院の提案に眉をひそめる。

「では・・・お上は清盛配流のことは停止なさると・・・しかし、それでは叡山がおさまりませぬ」

「なに・・・どうせ叡山も米櫃がさびしいだけのこと。平氏には財を吐かせるがよかろう・・・それから・・・今後、しばらくは・・・叡山の押さえには平氏ではなく・・・源氏を使うがよかろう」

「・・・それは・・・」

「なにか・・・不都合があるか・・・」

「・・・御意」

叡山の僧兵も藤原摂関家の私兵なら、河内源氏もまた藤原摂関家の私兵。毒をもって毒を制するとはこのことだ・・・と鳥羽院は微笑んだ。

その頃、関東から戻った源義朝は源氏屋敷で居心地の悪さを感じていた。

義朝が京を留守にしている間に次男の義賢がすっかり嫡男きどりなのである。

関東に敵なしの義朝にとって都でのうのうと暮らしていた父親と弟の暮らしぶりはふがいなしの一言に尽きる。

そして・・・転がり込んだのが清盛の屋敷であった。

清盛は清盛で祇園の一件で謹慎中となり、暇をもてあましていた。

「おうりゃ」

清盛に寄り切られた義朝は砂を払いながら叫ぶ。

「兄貴・・・もう一番・・・」

年上の清盛を兄と呼び、義朝は昼は相撲三昧、夜は酒盛り三昧、夜更けには女漁り三昧に双六三昧である。

「まあ・・・待て・・・この間・・・叡山を素行不良で追い出された荒法師がなかなかの剛力でな。おい、鬼若・・・義朝が一丁、揉んでくださるぞ」

名前を呼ばれて顔に幼さが残る以外にはふてぶてしい態度の破戒小僧が控えの場から立ち上がる。

「おう・・・これは面白そうじゃ」

がっぷり四つに組んだ二人。怪力無双の鬼若である。しかし、技巧では義朝に敵しなかった。最後は義朝に呼吸を読まれて投げ飛ばされる。

「まいりました・・・」

鬼若・・・義朝・義経親子二代に渡る降参の歴史の始まりだった。

関連するキッドのブログ→第12話のレビュー

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2012年4月 1日 (日)

2012年春ドラマを待ちながら

・・・などと言っている間に四月である。

今日はエイプリル・フール(四月バカ)なのである。

今回の更新は「SPEC~翔~」のレビュー用にあけておくことも考えたのだが・・・まあ、そんなに急くこともないので・・・(月)「平清盛」(火)「SPEC」というレビュー・スケジュールにしておく。

フランスでは「ポワソン・ダブリル (Poisson d'avril)」であり、映画「四月の魚」(1984年大林宣彦監督)では「ウソから出たマコト」的展開がある。

予測や予定というものは広い意味ではウソ(フィクション)なのであるが・・・時にはそれが実現してしまうのがこの世の恐ろしいところである。

内閣府の検討会は南海トラフの巨大地震について新たな想定を発表した。それによれば・・・M9.1で、高知県に襲来する津波は最大34メートル、浜岡原発で推定・最大21メートル、鎌倉市で9メートル以上と推定されるという。

最後から二番目の恋の鎌倉市役所が・・・。

この推定(フィクション)が恐ろしいほどに迫真性があるのは・・・ついこの間、千年に一度の巨大地震に襲われたばかりの現状があるからなのは言うまでもない。

で、『NHKスペシャル MEGAQUAKE巨大地震 第1回次の巨大地震をつかめ 人類のはてしなき闘い』(NHK総合20100110PM9~)の再放送(20120331AM0145~)を見た。今夜9時からの第2シリーズの番組宣伝再放送である。この番組のもっとも恐ろしいことは番組後半にちょっぴり付け加えられる・・・「最近の研究で東北地方には千年に一度の巨大地震が襲来することがわかってきた・・・」という部分である。「わかって」いたのに・・・「何もしなかった・・・」ということが「わかってしまう」わけなのだな。

南海トラフの地震と「西日本大震災」は被害総額で言えば「東日本大震災」をはるかに上回ることが予想される。だからこそ、番組ではそちらに目をむけているのだが・・・いわば予告編として現実では先に東日本大震災が来襲したわけである。

もはや、一刻の猶予もないのだが・・・国会の最大の関心事は「増税」なのであるな。もはや、一同爆笑、悪魔哄笑の展開でございます。

一方で文部科学省の研究チームは「首都直下型地震の想定見直し」を発表した。東京湾北部を震源とするM7.3の地震が発生した場合、東京の最大震度は7、震度6弱だった地域も軒並み6強に刷新である。

まあ、「首都直下地震は30年以内に70%の確率で起きる」というのも想定(フィクション)であるから・・・本当に何がいつどの程度起きるのかは・・・神や悪魔のみが知っていることなのである。それでも防災に予算がどの程度つくかの瀬戸際なのでみんな必死なのだな。

今日も午前2時13分、茨城県北部ではM4.0の地震が発生し、最大震度は3である。

もはや日常茶飯事と化した東日本大震災の余震も・・・最大余震がまだ来ていない・・・という予測がある以上、予断を許さない状況だ。

そんな時に・・・春ドラマを待ってていいのか・・・という一部愛好家の声もあるのだが・・・まあ、過去の昨日や未来の明日の心配をしても仕方ないのである。

現在の今日を生きるしかないのですな。

そして・・・春ドラマをどうするかで悩んで現実逃避をするのですな。なにしろ、ドラマというのは現実逃避そのものですからなーーーっ。

関連するキッドのブログ→最後から二番目のメルトダウン

(月)戸田恵理香で密室・・・これはまあ。
(火)ガッキー・・・VS僕シリーズ迷います。
(水)ありさVSいずみ・・・脇もなかなかそろってますな。
(木)錦戸亮だけど金子ありさかーーーっ。谷村美月の・・・ですかな。
(金)これはなし崩し的にお嬢様のダーリンしかし長澤まさみ!
(土)相葉雅紀&藤木直人&大政絢強いけど原作的には未来日記
(日)オダジョーVS栗山・・・熱海戦争かっ・・・しかし平清盛は・・・。

これはみのむし様の記事へのコメントの転載でございます。

この時点では

(月)「鍵のかかった部屋」(フジテレビ)

(火)「リーガル・ハイ」(フジテレビ)

(水)「Answer」(テレビ朝日)

(木)「たぶらかし」(日本テレビ)

(金)「もう一度、君にプロポーズ」(TBS)

(土)「都市伝説の女」(テレビ朝日)(金)からスライド

(日)「平清盛」(継続)

・・・となっていますな。

現在・・・もっとも悩むのが・・・(土)の「三毛猫ホームズの推理」と「未来日記」

(日)の「家族のうた」と「ATARU」の処理でございます。

これは始ってみないと・・・わからない部分もありますからねえ。

あるとすれば・・・(水)(木)にスライド・挿入・・・場合によってはVS展開も・・・。

しかし・・・さらにいえば・・・メイン・ディッシュは何かという問題もございますしねえ。

まあ・・・その日、キッドが生きているのか・・・そしてオンエアがあるのか・・・などという様々な問題があるのであくまで予定(フィクション)ですから~。

関連する皆様のブログ→2012春クール ドラマチェック(まこお嬢様のあるがまま)

2012年春ドラマ 何見ましょう?(mari様のまあ、お茶でも)

2012年4月春期ドラマ一覧ラインナップとキャスト表 (くう様のドラマ@見取り八段・実0段 )

何見ます?(くう様の改訂版)

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