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2012年4月20日 (金)

ばかしあい・・・って愛ですよね・・・イエロー・フィッシュネット・ストッキングスの女(谷村美月)

黄色い網タイツ・・・そそるじゃねえか。

しかし、みんな優しい愛撫である。さすがにもみしだく描写はないのだな。一線か、一線保守か。び、微妙なラインだな。

どちらにしろ・・・谷村美月が女優として身体を張ってることに疑いなしである。

「パパドル」の優香、川島海荷、谷花音や、「カエルの王女さま」の大島優子よりもだ。ただし、大島優子は2011年秋ドラマの「私が恋愛できない理由」で子役あがりのアイドルとして身体を張って春のお色気祭りを呼びこんだ張本人という推測もできるし、まだまだ子供の川島海荷や谷花音には今後に期待できる・・・何を期待してるんだよ。

ついでに・・・どうつながるかは・・・いまのところ謎だが・・・「蛙の王女」といえばロシア民話である。呪いのかかった池のカエル(実は美少女)が王子に求婚され・・・魔物の呪いを解いてもらうと言う話である。まあ・・・日本一の敵役、のっぽのサリーが石田ゆり子に呪いをかけていることはまちがいなく・・・さすれば不死身の悪魔コシチョイの役回りは「彼」なのであろう。まあ・・・主人公はやはり・・・王子様なのか。

ついでのついでに・・・「パパドル!」の錦戸亮の所属グループの・・・メンバー間のオーラの落差はちょっと微笑ましいな。ファンはさておき・・・一般人には「誰?」という人が・・・それ以上は言及をさけろよっ。原型の「ママのアイドル」(1987年)に準じて・・・本人の時は「本人」とテロップいれるくらいが馬鹿馬鹿しくて良いと思うぞ。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第3回』(日本テレビ20120419PM2358~)原作・森下直、脚本・西田直子、演出・白川士を見た。お色気ルーティン・ワークは健在であるし、ドラマとしても深みを帯びてきて・・・深夜ドラマとしては水準以上の作品となってきた。やはり、女優力の・・・素晴らしさというものだな。

さて・・・たぶらかし・・・なりすまし・・・ばかしあいときて・・・このドラマが実に魔術的な要素に満ちていることが明確になったわけである。今回は・・・ヒーリング・ビジネスとして霊石を500万円で売るのと10円の賽銭を集めるのとは原理的には同じであるという全国の神社仏閣を敵に回すさりげない毒が盛り込まれている。フーテンの寅さんなら「それを言ったらおしまいよっ」と言うところであろう。

ゲリー・ジェニングスは著書「黒魔法、白魔法」(1964年)の中で・・・「魔法には二つのスタイルがある」と述べている。それは「模倣」と「感染」である。これをインターネット的情報に置換すると「コピー」と「リンク」と言いかえることができる。

それは「ブラック・マジック」と「ホワイト・マジック」というような利用者の善悪ではなくて、あくまで術式の区別の問題なのである。

たとえば・・・太古の魔法使いは・・・狩猟対象の鹿が減少した時に・・・鹿の毛皮を着て森に入る。これは「鹿」を模倣することによって・・・「鹿」そのものが出現するという魔法形態なのだ。

一方で・・・つい最近・・・400年ほど前まで・・・刃物で傷を負った場合、刃物に傷薬を塗ることは医療行為として充分に有効であると信じられていた。これは傷口と凶器が接触したことにより、二者に関連が生じ、同じ状態が作用しあう感染の魔法が働くのである。

すべての魔法はこの「模倣」と「感染」のバリエーションであると言い切れるのだな。

たとえば「人間の生殖」というものを魔法学的に考察すると・・・男と女が接触することにより、女は男に「感染」して、受胎するわけである。そして女が子を出産することは人間を「模倣」した何かが出現するというこに他ならない。

現代もいたるところで「リンク」され「コピー」される原初的な魔法が繰り広げられているのである。所詮、人間というものは魔術の支配からのがれることはできないのだ。

神もまた人間が自然を模倣し、自然と感染して生みだした魔術の一種なのである。

さて、代行女優・冬堂マキ(谷村美月)は妻の代役として派遣されるのだが、顧客(夏目慎也)にコスプレ宅配売春婦と勘違いされて激怒する。一線は譲れないのである。お茶の間へのエプロン・コスプレ・サービスを兼ねています。

次なる依頼相手は・・・私設・稲荷大明神でヒーリング・ビジネスを展開する斉藤あやめ(高岡早紀)である。連夜の高岡早紀である。もちろん、爆乳対決なら谷村美月も敵ではないのだが・・・そういうサービスはありません。

マキの役はあやめの替わりに神がかり巫女である「おきつねさま」を演ずることであった。

常套手段である「先祖供養の不足」を理由に主婦(柿丸美智恵)に時価(500万円)のありがたい石を売りつけようとするあやめ。

「それはあまりにも暴利をむさぼりすぎ・・・私は女優で・・・詐欺師じゃありません」とマキはあやめに無断で主婦に返金してしまうのだった。

しかし・・・あやめはマキをきつくとがめることはせず・・・野菜入りのラーメンを作って食べさせ・・・古い写真を見せてあやめの親友の身の上話を聞かせる。

色あせた幼い娘と母親の写真である。

「この子はね・・・下町の豆腐屋の娘なんだ。とてもきだての良い子だったんだよ。でもね、悪い男に嫁いだのが運のつきさ。飲む打つ買うの悪行三昧、女房を殴るのだけが一人前さ。ついに耐えかねて・・・幼い娘を残して・・・男と一緒に駆け落ちさ。幼い娘を捨てた報いは覿面さ。結局、男にも捨てられて重い病にかかって入院しちまった・・・すくすくのびていく東京スカイツリーのおひざ元の病室で明日をも知れない身の上だ・・・その治療費が500万円・・・あたしゃ・・・その金を工面してやりたいのさ・・・」

美味しいラーメンにほだされて・・・うっかり化かされそうになるマキだが・・・そこは女優である・・・あやめの言葉にウソの気配を嗅ぎつけるのだった。

「あたしをだまそうなんて・・・甘いわよ」

そして・・・それを裏付ける水鳥(山本耕史)情報である。

「あやめはやばい筋の人間に命を狙われているらしい・・・お前はその身代わりかもな」

今回は幼児相手に電車ごっこをする水鳥だった。

しかし、半裸の藤ミネコ(白羽ゆり)といちゃつきながら・・・松平社長(段田安則)はそう簡単に舞台の幕を閉じさせないのだった。

「ウソの裏にはまたウソがある・・・ウソのウソならマコトもあるぞ」なのであった。

そして・・・社長はマキにとある病院名を教えるのである。

東京スカイツリーがよく見える城東記念病院にはあやめをよく知る看護婦の「まき」(朝倉えりか)が存在したのだった・・・「着信アリFinal」で五番目に殺された犠牲者みのりである。最近ではゲゲゲの女房の妹いずみだった・・・「まき」はあやめが捨てた娘だった。死病にとりつかれたあやめは・・・病院を訪れ娘と再会したが・・・名乗りを上げられずにいたのである。

そして・・・死んだ父親の借金のために「まき」は闇金の取り立て屋・金田(米村亮太朗)に無法な取り立てを受けていたのである。

ルーティン・ワーク消化のために金田に色仕掛けを仕掛けるマキ。

「あやめは生命保険で借金を肩代わりしてるんだ・・・俺の運気が高まる満月の夜に・・・あやめを殺して・・・借金返済を完了させるのさ・・・」

薬物使用の上でマキに酔いつぶされた金田は殺人のスケジュールを語ってしまうのだった。

マキはくもりガラスがだんだん透明度が高くなっていくような気がする・・・気のせいだろう・・・シャワー・シーンを経て・・・満月の夜に「おきつねさま」に化けるのである。

おそらく、舞台装置の流用で特殊効果を仕掛けたマキ。ドラマでは説明されないが・・・マキはそこそこただものではない女なのである。

現在、舞台上の奇術師がマジシャンと名乗るように舞台芸術と魔法もまた縁深いものである。舞台の上には偽物の陽光がふりそそぎ、偽物の夜の帳が下りる。それらはすべて模倣の魔法であるが、それを見た観客は感染の魔法によって日差しや夜更けの暗闇を感じるわけである。

マキは恐ろしい妖怪変化と化し、あやめを殺しに来た金田は恐慌に襲われる。薬物乱用によってフラッシュバックしやすい体質になっているのだ。

凶器を持ったまま、あやめの家を飛び出した金田はパトロール中の警官に緊急逮捕されるのだった。

「私のことは・・・ほっといて・・・殺されて本望なんだから・・・」

「知ってますよ・・・保険金で娘さんの借金を返すつもりなんでしょう・・・」

「・・・」

「娘さん・・・お母さんの写真を肌身離さず持っていました・・・」そういうとマキは「まき」が落とした写真の断片を見せる。そこに写っているのは若かりし頃のあやめだった。

それは・・・あやめの持っていた写真の断片だったのである。

「だから・・・娘さんは・・・あなたのことを母親だと分かっています・・・」

「そんな・・・」

気が動転したあやめは病状が急変するのだった。

城東記念病院のベッドに横たわるあやめ・・・。マキが付き添っている。

そして廊下には「まき」が佇んでいた。

「娘さんは・・・名乗りを上げられないでいるんですよ・・・それはあなたが名乗らないから・・・捨てられた方が名乗るなんて・・・こわいじゃないですか・・・だってまた捨てられたらどうしようって思うから・・・」

「・・・」

「・・・本当の娘じゃなくて・・・ごめんなさい」

マキはあやめの手をとった・・・。

「・・・お母さん、お母さん・・・逢いたかったよ・・・」

マキの手を握り返すあやめ。

「ごめんよ・・・まき・・・お母さんを許しておくれ・・・」

マキがそっと手を振りほどくと・・・「まき」の手が母親の手をとった。

「おかあさん・・・」

「まき・・・」

偽物の娘を模倣して実の娘は母親の胸に帰って行ったのである。

夜の街を素顔に戻ったマキが歩み去る。女優はまさしく魔女なのだ。

関連するキッドのブログ→第2話のレビュー

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コメント

美月ちゃんの女優力、素晴らしいですね~。
キッドさんは、やはりマキのコスプレの方ですか。
私はモンゾウのエプロン姿の方が萌え~だったりして♪
ハイエナですからーっ(笑)

遠慮がちな愛撫を見てはドキドキしてます(/∀\*)
大人な体とロリータの違和感は何?
こんな成長大成功(ノ∇≦*)キャハッッッ♪

先祖供養の不足もそうですけど、
占い全般、何かしら当てはまりますもんね。
当てはまるまで仕掛けて来るのも、第三者で見てると面白いけど…
「疲れが溜まってますねぇ」とか、
「人間関係でストレスあるでしょ」とか、
「そのうち胃の調子が悪くなりますよ」なんて。
心が弱ってる人こそ見て貰いたいんですもんねぇ。
世の中上手く出来ているヾ(゚∇゚*)オイ

さて今夜の竹野内くんはどうかなぁ。
その前に『ぴったんこ・カンカン』見なきゃo(≧∇≦)o

今期は毎日飽きさせませんわぁ。見るだけでも忙しいです。
どれを書こうかと思案してる間に書けずに、
たぶらかされて1本になりそう(笑)

投稿: mana | 2012年4月20日 (金) 17時56分

|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||

マキは女優(志望)であること以外、
ほとんどプロフィールが明らかではない謎の女。
その中で、正義感だったり・・・
涙もろかったり・・・
そういう内面性を匂わす演技が結構、要求されています。
これは結構、ハードル高いのですが
さすがは谷村美月・・・なんなくこなしておりますな。

今回は化けキツネが萌えでしたな。
モンゾウは「ドアしまってまーす」が
隠微でしたな。
なにしろ・・・権力をかさにきて
男を犯しまくる悪左府様ですからな~。
原作ではマキの付き人なんですが
今回はストーカーのように見えるので
やはりハイエナの似合う男なんですな~。

そうですな・・・これ以上
エスカレートすると
危険な領域に突入しますからな。
あくまでお茶の間モードを
感じてほしいところでございます。
谷村美月は基本、日本人には
近寄りがたい顔つきで・・・
馴染めない人も多いのですが・・・
ある意味、絶世の美女ですからねえ。
カーマ・スートラが似合いすぎるのですな。

オカルト詐欺に関しては
やはり・・・唯物論でもなく
唯心論でもない
曖昧な教育が・・・問題なのですな。
神などいないと教えるか。
唯一神だけが神と教えるか・・・。
二つに一つなのでございます。
命を大切にとか。
すべてのものに魂があるとか。
そういうたわごとが
オカルト詐欺の温床ですからねえ。

まあ・・・基本的にしんじるものはすくわれないのが
この世の理でございます。
前にも申し上げた通り
信じる者と書いて儲けでございますから~。

マーケティング・リサーチかけて
需要に供給で答えるのも
ビジネスの基本でございますよね。

そして料金先払い返品お断りの鉄則ですな。

竹野内ドラマはものすごく
はずしそうなスタッフですが
そこがまた楽しみでございます。

バカな子ほどかわいいですからな~。
夜のアニメもたまっているので
なかなかバラエティー・ショーまで
手が出ない今日この頃でございます。

まったくフィクションが多すぎるのですな。

今はミステリの洪水をどうするかが
問題なのですな。
今、水曜日がペンディングなんですが・・・
帝国全滅の予感なので・・・ザ・クサナギかなあ・・・。

たぶらかしはそういう意味では一番、書きやすいドラマになっておりまする。

投稿: キッド | 2012年4月20日 (金) 20時43分

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