黒衣の花嫁とドッペルゲンガーと黄薔薇の花言葉は不実(長澤まさみ)
長澤まさみVS釈由美子ウエディングドレス共演である。いわゆる一つのモスラ対ゴジラだな。もはや、それ自体が都市伝説であります。・・・東宝宣伝部かっ。
いよいよ・・・都市伝説はすべての戯言を包み込み、真偽の境界線は地平線の彼方に消えていく。
好事家にとって垂涎の的のドラマとなってきた。
ようするに・・・これ以上なくなんでもありということです。
特に、今回は鎖骨フェチ、脇の下フェチ、ソファでうたたねフェチ、ふたごフェチなど一部愛好家多数悩殺ですな。
変態かぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・変態でございますとも。
黄色い薔薇なんて登場したのかよ・・・登場していませんともっ。
つまり、もはやレビューもなんでもありということです。
で、『都市伝説の女・第3回』(テレビ朝日20120427PM2315~)脚本・後藤法子、演出・星野和成を見た。「クローバー」(テレビ東京)では有村架純が「ケンカをしてね、私のために争って~」と河合奈保子と真逆の非道の志を貫いているわけだが・・・音無月子巡査(長澤まさみ)も負けじと我が道を行き、警視庁男子は翻弄されまくるのである。しかし・・・月子は恋を成就したいのか、都市伝説を実感したいのか全く定かではない女です。
まつ毛を右手の人差指に乗せて一息で吹き飛ばせば恋の願いは叶う
という初歩の恋の呪術を勤務中に試す月子だった。
おそらく・・・月子は由緒正しい魔女っ子なのだな。そろそろ魔女になるのだな。
出たい相手からの電話しか受けない・・・のは現代では非通知でなければ可能である。
しかし・・・おそらく・・・月子はたとえ・・・非通知でもそれができると思えます。
結婚式場で・・・自分とそっくりな黒衣の花嫁(釈由美子)を見た花嫁・鮫島美紀(釈由美子)が失踪するという事件発生である。
世の中には自分とそっくりな人が三人存在する
つまり、あれか、新垣結衣と長澤まさみと比嘉愛未みたいなことか・・・そりゃ、あんたが若い女の子の顔の区別がつかないだけでしょうがぁぁぁぁっ。
とにかくテヘ笑いをからめたセリフまわしという新境地を開拓しつつ「都市伝説的事件宣言」をする月子だった。一同唖然である。
しかし・・・花嫁の親友で美容師仲間だった西浦幸恵(黒坂真美)の話では・・・鮫島は確かに自分そっくりな女を見ておびえていたことがあるという。
そして・・・西浦自身もまた鮫島そっくりな女が新郎の丸山(金子貴俊)と一緒にいるところを目撃したというのだ。
さらに・・・あるスナップ写真では本当に鮫島の背後に鮫島そっくりの女が写っていたのだった。
だが・・・新郎の丸山は西浦の話を全否定するのだった。そして・・・鮫島と西浦の仲がうわべは親友同士のように見えて裏では美容師としても女としても張りあっていたと証言する。
「自分は花嫁に逃げられた哀れな男である」と強調する丸山にすでに月子は直感的にロック・オンである。
なにしろ・・・丸山の証言には都市伝説らしさがないのである。
一方・・・西浦の証言には都市伝説的信憑性があるのだった。
ドッペルゲンガー(彷徨う分身)に出会った者は死ぬ
まさに王道の都市伝説である。
芥川龍之介もドッペルゲンガーに出会い死んだ
実にまことしやかな都市伝説なのだった。
丸山が公務員と訊くと・・・月子の興味はただ一点。
中国軍が尖閣諸島占領の暴挙に出た場合、都庁舎が全長243メートルの巨大人型変形合体ロボとなって飛翔、人民軍を殲滅する
かどうかに絞られるのだった。おい・・・ほどほどにしておけよ。消されるぞ。
しかし、この点に関しては完全否定する丸山だった。
鮫島の失踪後・・・親戚などに「捜さないで」のメールが届き、捜査は暗礁に乗り上げる。
しかし、失踪現場に残された血痕など・・・謎は解明されないのである。
そんな、ある日、警視庁鑑識課の勝浦(溝端淳平)は街中で鮫島にほぼそっくりの女を発見する。しかし、視覚情報超記憶のスペックを持つ勝浦には一目でそれが別人と判別できるのだった。擬似ロボット高性能である。
派遣事務員の牧原瞳(釈由美子)には鮫島にはない口元のほくろがあったのである。
結婚式当日は新郎は新婦にあってはいけない
というジンクス・・・都市伝説のために花嫁には会っていないと主張してきた丸山だったが・・・それは偽証だった。
LOVEのオブジェのVとEを構造物に接触せずにすり抜けられたカップルは幸せになる
などという都市伝説を検証しようとした勝浦は月子にそれだけは拒絶されるが、ウェディングドレスで現場検証には同意してくれたので満足する。
やがて都市伝説愛好家の宴では重要なヒントが噂される。
地下鉄には脇線がある
地下には帝都防衛弾丸特急が走っている
地下には秘密の道が通じている
・・・のである。
いい女といいムードになると必ず邪魔が入る
いや・・・それはお前の個人的経験則だろう。
丸山と牧原を呼び出した月子は・・・「三角関係のもつれで・・・二人が共謀して鮫島を殺害して死体は衣装袋に詰め錘の天使の彫像とともに池に沈めた」と断言するのだった。
しかし・・・勝浦の捜索も空しく死体は発見されないのである。
上司である丹内主任(竹中直人)に叱責され・・・「おふたかたにあやまれ」と言われる月子。
舌打ちしながら・・・「ごめんなさい」である。
その直後・・・死体は近隣の湖から発見されたのだった。
凶器はサムシング・フォー(Something Four)の一つ、幸せな結婚生活をしているものから何か借りたもの(Something Borrowed)である親友の鋏だった。
なにかひとつ古いもの
なにかひとつ新しいもの
なにかひとつ借りたもの
なにかひとつ青いもの
四つのものを身に付けた
花嫁きっと幸せに
欧米かっ・・・なのである。ここは日本なので花嫁は不幸になったのですな。・・・おい、全国の結婚式場を敵に回す気か。
「地下でつながっている水系か・・・」
山岳部出身の柴山俊也刑事 (平山浩行)はふとつぶやいて出番を確保したのであった。
「じゃあ・・・第三の女は・・・」
「脳になんらかの障害が発生すると自己像を幻視すると言うけれど・・・自己像は写真には写らない・・・おそらく・・・精神の物質化現象ね」
「オカルトですか・・・」
「いいえ、都市伝説よ」とキッパリと言い切る月子だった。
帝都には月子を称える怪鳥の声が響く・・・。
不実な男により死に追いやられた哀れな女(釈由美子・一人三役)に合掌する月子と勝浦である。
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