独善と極悪のフィクションを求めて思案中
さて・・・しぼりきれませんでした。
つまり・・・谷間だな。
本来・・・山二つくらいしか・・・スケジュール的に無理なのだ。
それにしても・・・今回、ドラマ内容かぶりすぎだろう。
たとえば「三毛猫ホームズ」、「鍵のかかった部屋」・・・帝国の嵐で、原作ありで、密室である。三次元と四次元の差しかないぞ。戸田恵梨香と大政絢で選択する身になってもらいたい。なれるかっ。
しかも、すでに確定している「都市伝説の女」「鍵のかかった部屋」「リーガル・ハイ」ミステリでミステリでミステリである。
いやあ・・・このままではミステリ・ドラマ・ブログになっちゃうっ。
だから・・・「ATARU」とか「Answer〜警視庁検証捜査官」とか「コドモ警察」とか・・・選択しにくいじゃん。
そんなバランス感覚・・・ないだろっ。
もちろん・・・ここは50才の鈴木福と30才の本田望結でもいいのだが・・・どうでもいいドラマだからなあ・・・。
だからといって・・・オダジョーがひたすらロックな「家族のうた」とか、いつもの天海姉さんの「カエルの王女さま」とかさらにどうでもいいもんなーーーっ。
で、『Answer〜警視庁検証捜査官・第1回』(テレビ朝日20120418PM9~)脚本・池上純哉、演出・猪原達三を見た。ちなみに・・・警視庁捜査一課・検証捜査係は完全なるフィクションである。そんな部署はない。つまり・・・司法警察員の検察官に対する事件送致の間に検証捜査組織を置いてみました・・・なのだな。まあ・・・やってもいいけどものすごく意味不明だーーーーっ。
そして・・・そのありえない係の管理官に就任したのが斉藤さん・・・ではなくて、元あきる野署(フィクション)署長の新海晶警視(観月ありさ)である。誤認逮捕の釈明記者会見で・・・捜査のずさんさを内部告発したために左遷されたのだった。
そして・・・そこでまたもや・・・捜査員の捜査を全否定なのである。
毎週、根底から覆す気満々なのである。
せっかく・・・完全犯罪を完遂した極悪人涙目なのだな。
悪魔としては同情の涙を禁じえない展開である。近所の斉藤さんならやってもいいことでも現職エリート警察官になったならやってはならないと思う・・・なぜだっ。
今回は放火・過失致死事件・・・。
容疑者は・・・会社経営者・河島(波岡一喜)である。妻(小沢真珠)との離婚成立のストレスで廃工場に放火・・・しかし・・・焼死体が発見され・・・過失致死罪で送致されることになったのである。
しかし・・・斉藤さん・・・いや、新海警視はすべてを見抜いてしまう。
焼死体の妻(高岡早紀)が黒幕であることを・・・。
「そうです・・・夫の暴力にさらされ・・・私の自我は崩壊し・・・完全犯罪で夫を死滅させることこそが存在証明となったのです・・・廃工場の不動産業者に保険金詐欺をもちかけ、息子の手術費用の捻出に困窮していた川島を実行犯にしたてたのです・・・そして・・・夫(並木史朗)を廃工場の事務所に監禁し・・・生きながら焼かれる姿を楽しんだのです」
担当した捜査官・永友(田辺誠一)も涙目である。
「そんなことを楽しんだらいけませんよっ」と軽く説教する新海警視である。
これはもはや・・・東映時代劇だな。
そんな極悪や独善は・・・やはり・・・特命係にまかせておいた方がいいかもねーーーっ。
で『ATARU・第1話』(TBSテレビ20120415PM9~)脚本・櫻井武晴、演出・木村ひさしを見た。『リーガル・ハイ』と同様に『相棒』脚本家の流出である。実証性が乏しいサヴァン症候群的な人々は一種のスペック・ホルダーである。コミュニケーション障害でありながら、事件の真相を超能力で解明してしまう・・・アタルあるいはチョコザイ(中居正広)が主人公ということは要するにファンタジーなのである。
物語は・・・チョコザイはコミュニケーション障害なので蛯名舞子巡査部長(栗山千明)に抱きついたり、胸をまさぐったりしてもセクハラにはならないことを中心に・・・いや、ちがうだろう・・・一瞬で事件を解明しているチョコザイから・・・小出しにされるヒントに食いついて「事件の全体像」というパズルを完成させる・・・沢警部補(北村一輝)と蛯名の使い走り捜査で展開していく。
まあ・・・夫を失った悲しみより・・・労災が降りるかどうかだけが気がかりな被害者の妻(板谷由夏)など善悪定かならぬ人々が右往左往するのがなんとなく楽しいのですな。
もはや・・・全人類がコミュニケーション障害時代に突入しているので・・・うまくつたえられない人たちやうまく受け取れない人たちがうんうん頷きながら見るドラマなのかもしれませんな。
なんで千原兄は無理して標準語なのか疑問のあなたはコチラへ→まこお嬢様のレビュー
で、『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜・第2回』も見た。いわば・・・独善的な主人公の独善をどこまで運命が許していくのか・・・という物語。医者がサービス業だとすれば・・・接客の理想を追求していき・・・ついには算術のみが残るという直感に従えば・・・「仁術」を主張する主人公は必ず破綻するわけです。なにしろ・・・リセットしすぎで底が浅いわけですからな。まあ・・・多くの患者にしてみれば自分が医者になったら・・・さぞかし楽だろうという潜在的願望が満たされるわけで・・・そこが蜜の味かもしれませんな。
日々の積み重ねで習得した知見や技術もなく・・・己の分もわきまえず・・・その場その場の思いつきを「理想」と呼ぶならば・・・世界には何の苦労もありませんからねえ。
いやいや・・・そんなこともないでしょうというあなたはコチラへ→エリお嬢様のレビュー
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