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2012年5月17日 (木)

ATARUも八卦、あたたたたーっは栗山千明(中居正広)

帝国不在の春ドラマである。いや、あふれかえっているという意見もあるが・・・無視する。

たとえば・・・現在におけるプライムタイムの連続ドラマの視聴率トップは・・・

「鍵のかかった部屋」で平均視聴率16.1%(18.3%↘16.5%↘14.4%↗15.5%↗15.6% )である。主演は大野智であるが、実際は戸田恵梨香のドラマであろう。

そして第2位は・・・。

「ATARU」で平均視聴率15.2%(19.9%↘16.9%↘10.9%↗13.8%↗14.5%)である。主演は中居正広であるが、実際は栗山千明のドラマであろう。

この2本は見事にシンクロしていて、存在感抜群のヒロインと、ベテラン二枚目俳優が帝国スターを担ぎあげるシステムである。まさに一同爆笑ものの完成形なのだな。視聴率も↘↘↘↗↗の相似形である。

その下で「37歳で医者になった僕~研修医純情物語~」平均視聴率13.6%と「三毛猫ホームズの推理」平均視聴率13.3%がいい勝負を展開していて、主人公の発達障害ぶりもいい勝負なのである。

「37歳・・・」についてはレビューがあるし、予測した通りに意味不明のドラマになりつつあると想う。「三毛猫ホームズ」は加藤あいゲストの回をレビューしたかったのだが・・・前後篇形式なのでタイミングを逃しちゃうのだな。大政絢とのかぶりあいは素晴らしかったのだが・・・とにかく・・・「こころない人」と「弱虫」の主人公の気持ち悪さについていくのは大変だと思う。

で・・・その後がようやく「リーガル・ハイ」平均視聴率11.7%である。ここでは脇役に帝国アイドルが配置されていてそこそこいい味を出しています。

まさに・・・帝国不在の春ドラマといって過言ではないのであるまいか。

で、『ATARU・第1~5回』(TBSテレビ20120415PM9~)脚本・櫻井武晴、演出・木村ひさし(他)を見た。今季はテレビ朝日の「相棒」シリーズから二人の脚本家が出張している。一人は「リーガル・ハイ」(フジテレビ)で傑作をものにしているが、一人はここでなかなかの怪作をものにしていると言えるだろう。どちらも杉下右京の呪縛を逃れて解放されている感じが麗しいですな。

どちらも小ネタをちりばめつつ、骨太のオリジナル・ミステリ展開である。相棒視聴者にとってはいつか見たプロットの連打でもあるが・・・そこがまた微笑ましい。

こちらでは・・・「SPEC」のあの二人が警視庁でウロチョロしているなんていう「遊び」まで余裕でかましているのである。

こちらが凄いのは主演の中居正広にほとんどしゃべらせないという作戦の見事さであろう。

思わず「うまい」と膝をたたく設定である。

そして、自閉症設定ならば・・・中居正広の独特の表現力が生きるわけである。

「ナニワ金融道」の灰原とか、「砂の器」の和賀とか・・・どちらかといえば一般市民の似合わない俳優である以上・・・「婚カツ!」のようなふつうの人を演じさせたら存在感がまったくなくなってしまうのだ・・・しかし、アタル/チョコザイ(中居正広)の実在ぶりはどうだろう。まさに設定の勝利と言うほかはない。

さて、一瞬で事件の本質を見抜くという意味では・・・チョコザイは「相棒シリーズ」の杉下右京と同様の存在である。実は「都市伝説の女」のヒロインも全く同じタイプである。その神のような直観力をどのように一般人のレベルまで引き下げていくかが・・・物語の見せ場となっていく。

基本的には真相に沿った証拠を積み上げる・・・ある意味、悪名高い検察的手法がとられるのだが・・・捏造したりはしないし・・・時には「私としたことが・・・」とミスを認めたりするところがご愛敬である。

しかし。「ATARU」の場合は神とのコミュニケーションが困難という手法で流れを作っていく。

言いたいことが言えないもどかしさと・・・そこにある答えがつかめないもどかしさ・・・お茶の間はきっとそこに大きく共感することだろう。

さて、チョコザイは米国が開発した生物自動捜査システムである。いわば秘密兵器なのである。

それを偶然手にしたのが・・・美人刑事として警視庁の広告塔となっている自分にあきたらない長期休暇中の蛯名刑事(栗山千明)と退職したがっている蛯名にやめられると管理職としての責を問われる沢主任刑事(北村一輝)なのである。

二人は・・・蛯名刑事の母親の死亡にまつわる密かな因縁もあり・・・それがステヤマ(刑事事件性のない事件)であることがひとつのキーワードになっている。

標準語を話す関西人・野崎刑事(千原せいじ)が「ステヤマか・・・」と断じる事件を拾って刑事事件化していくチョコザイ・蛯名・沢のトリオは見事な廃品回収チームなのであった。

解決する事件も「リストラの怨みで爆殺」とか「捨てられた怨みで飛行機追突」とかかなりスリリングなものになっている・・・まあ、一種のデフォルメでありおふざけとも言えます。

大体失敗する劇中劇も・・・今回の架空の海外ドラマ「シンクロナイズドスイミング刑事」はおふざけを越えてそこそこ見せる完成度であり・・・そういう「おふざけ」部分は鑑識の渥見(田中哲司)の「そうなのねー、これあれなのねー」のキャラクターや、鑑識の石川(光宗薫)の「私に命令することは何人であっても許されない」的キャラクターなど細部にわたって「つくりこまれて」いるのである。

このつくりこみが半端でないところが・・・このドラマの真価だろう。

たとえ、ファンタジーでもとことんやっていけば・・・リアリティーが生じてしまう法則である。

こうなると・・・ゲストで脳外科医の井下田悦四郎(池田鉄洋)が出てきてもまったく違和感がない。

まあ・・・精神科医のゲストの臼田あさ美とか、医学生の岩田さゆりとかとけこみすぎてうっかり見逃すところだけどねえ。

実は毎回レビューはしていないが・・・蛯名のカレーうどん麺だけすすりはそれだけで「リーガル・ハイ」と並ぶ殿堂入りの面白さなのである。

一つのシーズンにこれだけ・・・楽しい作品が並ぶのはもう随分久しぶりなのである。

これ・・・夏にしわ寄せこないだろうな。あるいは消え去る前の蝋燭の炎みたいな・・・。

関連するキッドのブログ→熱海の捜査官

ATARU第1回

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のATARU

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コメント

ATARUキター(*^o^*)渥美の喋り方は気にならないけれど 鑑識の女の子にはイラッとする(笑)

私の1番のお気に入りは「カレースープ下さい」 もうこの台詞だけは毎回入れて欲しいです☆
知名度抜群で毎日のようにバラエティーで見ている中居君に普通の人は似合わない
まさに企画の勝利ですね!ドラマの発表があった時 題材が面白そうでワクワクしました
中居君は目が魅力的だからこの役にピッタリな気がします

でも思ったよりチョコザイ(この名前も可愛い)の出番が少なくって コメディー色も強くって ちょっと万人受けしない気もしますが(^^;
今回のお話は後味もよく 精神科医の話にしたのも 良い感じ(^^)わかりやすくってゲストも豪華で私は気にいってますが小ネタが多すぎたでしょうか?

ATARUが浮きすぎないように全編コメディータッチで統一しているのか 私には理由はよくわかりませんが 攻めている感じがして好感が持てます

ジャニーズの同じグループでの主演、相棒の脚本家の競演
どちらも 成功していますね(^^)

投稿: chiru | 2012年5月17日 (木) 08時02分

さすが、じいや。いつもの事ながら的確な読み^^

そ~なんですよね。
主人公(らしい)人は、あまり普通にしゃべらないで周りからかまってもらうことで
不思議な存在感を醸し出している。

>たとえ、ファンタジーでもとことんやっていけば・・・リアリティーが生じてしまう法則である。

そうなんですよね。
何となく気持ちよく有りえない世界を現実のように見ていくことが出来るのでした。
「リーガル・ハイ」といい、「相棒」の脚本家恐るべしなのです。

豊作ながらも、だんだんとアラが見えてきている今期…
ドラマブロガーの皆さまもそろそろ脱落する物も出てきたようで^^;
しかし、この2本だけは見続けたいのでした。

それにしても、今期がこんなだと本当に来期が不安ですな。
脚本もそうだけど、キャスト…
今期、各局こんなに豪華に使っちゃって来期どうするんだろ^^;

投稿: くう | 2012年5月17日 (木) 11時01分

cherryblossomシンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファンheart04

ふふふ・・・鑑識の女の子がキッとなるポイントが
どこなのか・・・探すのが楽しみでしたぞ。
どうやら「~しろ」と言われるとキッとなり、
「~してください」と言うとニコッとするのですな。
このこだわりがキッドは面白いと思うのですな。

「カレースープください」と「ホットドックじゃありません」
そして「ネット、ネット」も楽しいですな。
この譲れない一線というのが
このドラマの隠し味なのですな。

同じグループではかって
「カレーはやっぱりチキンカレー」(草彅剛)
の名文句もありましたけど
今回は「彼」の方はちょっと混乱しているのですな。
「37歳」は実は「いいひと」に見えるが「こころないひと」のストーリー。
しかし・・・おそらく・・・現場ではかなりの混乱があるのですな。
「こころないひと」が最後まで「いいひと」でいいじゃないかという演出と・・・。
「ひと」のどす黒さを描きたい脚本が明らかに乖離してますからな。

帝国スター・ヒロイン・ベテランスターのトリオは
変則で「37歳」にもあってここでは
帝国スター・ヒロイン・ヒロイン・ベテラン・ベテランと厚みをもたせていて混乱に拍車をかけております・

「三毛猫」も同様に
帝国スター・ヒロイン・マツコ・ベテランスターで
ゲテモノ・ドラマと化しつつあますな。

まあ・・・帝国がいろいろと試行錯誤している感じはただよってます。

一方で、「ATARU」と「鍵」は
ミステリとしての骨格とトリオでシンプルに勝負しているところが分かりやすい感じです。

特にATARUの場合はヒロインが盲目的に
チョコザイを可愛がってしまうという変人ぶりが
効いていますな。
野良猫の汚さを感じない「かわいいもの至上主義」の乙女というのは存在しますからねえ。

今回の「精神科医たち」もそうでしたが
「たりないものをもつ人たち」に対する「優しさ」が
根底に流れているのですな。
基本的には『偽善』ですが
「偽善」も貫徹すれば「善」ですからな。
医療関係者の志はかくありたいですな。

ATARUはちょこざいな笑いでくすぐり続けるドラマと申せましょう。
もう仕方なく笑ってしまうわけでございます。

今回は「ATARU」と「リーガル・ハイ」の
相棒脚本家が目立っていますが
キッドは
「鍵」と「都市伝説の女」の女流二人も高評価でございます。

素晴らしいシーズンと言えますねえ。(* ̄ー ̄*)

投稿: キッド | 2012年5月17日 (木) 16時15分

rouge❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀rouge

おほめにあずかり恐悦至極でござりまする。

まあ・・・谷間の記事でございますから言いたい放題は
お目こぼしくださりませ。

「赤軍派キヨモリくん」がなければ
確実にレビューしているATARUですからな。
中居正広の正しい使い方だけでも
毎回書けそうですし
ヒロインのチャーミング・ポイントも爆発してますしね。
一輝もある意味、原作ガリレオポジションと言う感じで
いい味だしてますな・・・。

サヴァン症候群という「病気」そのものが
ファンタジーですからな・・・
それがリアルに感じてくれば
大勝利と言えましょう。

本当に・・・職人たちのいぶし銀爆発に
圧倒される今シーズンでございます。

レビューしている女流二人に加えて
「パトラ」のベテラン女流もマイペースで
いい感じですし
深夜では「たぶらかし」「コドモ」「未来日記」が
そこそこがんばっている。

どうしたんだい・・・この秀逸さは・・・
と心配性なので不安を感じる今日この頃ですねえ。

まあ・・・夏には夏の風が吹くと思うしかございません。

キッドはお嬢様のダーリンドラマの覆面作家が
誰なのか・・・ものすごく気になってます。
なにしろ・・・意外にも今季一番の問題作に
なりつつありますからなーーーっ。ヽ(´▽`)/

投稿: キッド | 2012年5月17日 (木) 16時29分

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