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2012年5月31日 (木)

放課後はミステリーとともに懐中電灯を咥えて屋根の上で(川口春奈)

はっきり言って川口春奈の無駄使いなのであるが・・・深夜で17歳で主演なのだからといって何でもいいってわけじゃないよな。

それは「桜蘭高校ホスト部」(TBSテレビ2011年)でもういいじゃないか。

キッドは「パパドル!」はやめて、今からでも「おくさまは18歳」を錦戸亮・川口春奈でやればいいのにと思うな。

フジテレビTWOで西川貴教・夏菜で去年、リメイクしているわけだが、このキャスティングでは最初から失敗しているとしか思えない。

錦戸亮こそが石立鉄男の器であり、川口春奈こそが岡崎友紀の器である。

そして、なによりも・・・老舗のTBSテレビじゃないかっ。

しっかりしてもらいたいねえ。

とにかく・・・川口春奈の幼な妻ぶりが見たいねえ。

みたいのよ、みたいのよ、なんだかとってもみたいのよ!

それが言いたいだけで・・・このレビューを書いてます。

で、『放課後はミステリーとともに・第5~6回』(20120522AM0020~)原作・脚本・東川篤哉、鳴門真規、演出・大澤祐樹を見た。脚本・演出がチェンジして第1~4回までの鼻くそをほじくりながら脚本を書いて耳掃除をしながら演出しているみたいなドラマ以前の状態は少し、改善された気がする。誤解を避けずに言うが、コメディーとか、ユーモアとか、ギャグとかは・・・そんなにお手軽なもんじゃないんだよ・・・。もっとまじめにやれ~。

しかし、脚本家のペンネームがtyphoonこういう感じだ。

とにかく、主人公としてのヒロイン霧ヶ峰涼(川口春奈)で、相棒となるのが石崎教諭(速水もこみち)である。女子高校生探偵に化学教師の助手でそれなりのキャスティングなのである。

この他に烏山千歳警部(入山法子)と祖師谷大蔵巡査部長(高嶋政伸)が脇役として配置されている。

充分なのだ・・・充分なのに・・・この恥ずかしい出来栄えはどうなんだ・・・もう、キャストが可哀そうで可哀そうでならないよっ。

大体、深夜ドラマで前後篇ってなんなんだよ・・・眠たいぞ。

・・・もういいか。はい。

今回、元気があれば誰でも入れる私立鯉ヶ窪学園の探偵部副部長・霧ヶ峰~ニックネームはエアコンである~は親友の奈緒子(広瀬アリス)の祖父で・・・門倉不動産創業者の門倉新之助(黒部進)の遺産相続をめぐる事件の捜査に乗り出すのだった。

お・・・昨日からのしりとりは続いているのだな・・・長澤まさみ→ザシキワラシ→戸田恵梨香→田舎めぐり→ガッキー→遺産相続→川口春奈だ・・・。すごいぞ、器だな。

ハヤタ隊員・・・ますますカーネル・サンダース(ケンタッキーおじさん)に似てきたな。

門倉家にはそれなりの資産があり、こともあろうに長男・俊之(温水洋一)、その妻でスーパー競馬じゃなかったジュエリーデザイン会社経営の典子(斎藤陽子)、さらに二人の息子でアイドルおタクでチャラ男で借金しまくりの照也(堀井新太)がそれぞれに遺産相続に意欲的なのである。

そして・・・屋根瓦が落ちて新之助が骨折するという事件が起こったのである。

その調査のために屋根に昇った霧ヶ峰は黒い懐中電灯を咥えるのだった。

黒くて長いゴムゴムした懐中電灯である。・・・そんなもの咥えさせちゃだめだろうっ。

まあ、静止画でじっくり妄想しましたけれど~。本当に変態じゃないかっ。変態ですともっ。

まあ、このシーンでほぼ、このドラマは存在価値ありになりました。

だから・・・だめなんだよ・・・スターにこんなことさせちゃっ。

そして・・・直後に家政婦のミタもどきの松本(あらいすみれ・・・1990年のミス日本である・・・ちなみに1988年のグランプリは叶美香で1992年のグランプリは藤原紀香である)の入れたモカチーノ(モカ+カプチーノ・・・スタバの裏メニュー)を飲んだ新之助は悶絶してしまうのだった。

しかし、モカチーノからは薬物は発見されず・・・新之助の机の下からは薬包紙が発見され、そこから青酸カリが発見される。

そのために・・・新之助が自殺を図ったと断定する警察。

幸い一命をとりとめた新之助だが・・・意識不明のままである。

親友の奈緒子は心労のあまり倒れてしまう。

なんとか・・・真相をつきとめようとする霧ヶ峰は・・・石崎から再現実験のために手錠をかけられてしまう。

ビーカーに入ったコーヒーを手を使わずに飲むためにはどうすればいいか。

むしゃぶりつく霧ヶ峰・・・またか、またそんなことをしてしまうのか。

そんなに変態を喜ばせてどうするつもりなんだよお。

やがて・・・ストローの使用に思い当たる霧ヶ峰は・・・唯一、ストローを隠せる人物に・・・うっかり推理を放してしまうのだった。

たちまち、サランラップで前進を梱包され、冷凍室に監禁である。

家政婦の松本は・・・実は昔、新之助に財産をだまし取られ自殺に追い込まれた資産家の娘だったのである。

すべては復讐のためだった・・・。

まあ、家政婦の松本のキャラクターはそれなりに完成していました。

絶対絶命・・・しかし、霧ヶ峰には鉄人衣笠の魂が宿っているのだった。

絶体絶命になれば全身拘束衣状態でもキックで冷凍庫のドアをぶち破り、家政婦の松本を粉砕するのである。

・・・もう、そういうものだとして納得するしかない展開である。

それにしても意識の戻った新之助の過去の悪事を知った奈緒子はものすごく複雑な気持ちになるはずだが・・・そこは華麗にスルーなのだな。

しかも・・・変な決めポーズとか変顔連発の霧ヶ峰に・・・川口春奈がものすごくかわいい女だということを忘れてしまいそうな勢いである。

まあ、実際、自分のこと、ボクって言っちゃう美少女は・・・それだけでいじめの対象になるのでご注意ください。

とにかく・・・S設定の烏山警部とか、M設定の祖師谷巡査部長とか、人形愛趣味の石崎教諭とか・・・何もかも残念な感じのするこのドラマ・・・川口春奈の黒歴史になるのはほぼ確定と言えるだろう。

もちろん・・・黒歴史には黒歴史の愛好者があり、ある意味、ものすごく楽しめるドラマでもあります。

関連するキッドのブログ→泣かないと決めた日

ヤンキー君メガネちゃん

東京DOGS

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2012年5月30日 (水)

トリックなき遺産相続犬神家族八景ふたたびの乙女(木南晴夏)は従姉(新垣結衣)

あははははははは。

田舎はやはり異次元空間だよね。

これで長澤まさみ→座敷わらし→戸田恵梨香→田舎行き→ガッキーのトライアングルが完成してしまった・・・。

なんだ・・・ツーといえばカーなのか。みんなでしりとりなのか・・・。

なんていうか・・・もう・・・満足感でいっぱいだな・・・。

そんなに・・・喜ばせてくれなくていいよ・・・キッド、今月から来月はちょっと忙しいんだよお・・・と甘えたい気分である。

ガッキーのいとこがハルハル、そして来週はRICO・・・もう、言うしかないな。

殺す気かっ。

で、『第7回』(フジテレビ20120529PM9~)脚本・古沢良太、演出・石川淳一を見た。ゲストの木南晴夏といえば、舞子神無月で、ベビーエロで、カイラで、かしこで、茜で、カエデで、小泉響子で、ムラサキで・・・キリがないのだが・・・「家族八景」の火田七瀬である。しかし、今回は新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)の父方の従妹の千春(木南晴夏)なのだった。今、あなたの目はあなたの身体を離れ、奇妙な世界へ旅立ちます・・・。田舎ではまだアナログ電波が時々彷徨っているのですな。反地デジ万歳。

田舎道で奇妙な果実を奪い合う三人の子供。彼らは兄・姉・弟であるらしい。それは遠い記憶の光景なのだ。それをじっと見つめる瞳がある。したたかで賢い油断のならない瞳である。

それから時は流れて・・・一人の乙女が老人の枕元で本を読んで聞かせている。

元来鏡というものは気味の悪いものである。深夜蝋燭を立てて、広い部屋のなかで一人鏡を覗き込むにはよほどの勇気がいるそうだ。吾輩などは始めて当家の令嬢から鏡を顔の前へ押し付けられた時に、はっと仰天して屋敷のまわりを三度馳け回ったくらいである。

・・・『吾輩は猫である/夏目漱石』である。

一夜明ければ徳松醤油社長の徳松嘉平(菅登未男)は帰らぬ人となっていた・・・。

長く嘉平に仕えた乙女は醤油蔵を駆ける・・・。「若旦那様~・・・・大旦那様が~」

徳松醤油代表取締役の徳松紀介(丸山智己)は振り返り・・・乙女・・・事務員の千春(木南晴夏)の顔を見て悟るのだった。

「遺産相続」の発生である。

次男であり、嘉平の妾の芸者の子だった紀介であるが・・・嘉平の残した遺言書には「全財産を紀介に残す」と記されている。

ところが・・・放漫経営で放逐された長男・泰平(皆川猿時)も、贅沢三昧で醤油作りには見向きもしなかった長女・清江(宍戸美和公)も全く同じ内容の遺言書を持っていたのである。

知る人ぞ知る蟹頭(かにこべ)村の藤原の血をひく名家徳松醤油のそこそこ莫大な遺産をめぐる相続争いが今、始ったのである。

まさに三つ巴のバトルロワイヤルの開始を告げるゴングが鳴り響いたのだ。

くわあくわあと烏の群れが啼く勢いである。

・・・まあ、この調子で書いていると五月の早い夜明けが来るのである。キッドが死ぬのでほどほどにいたします。

いつもの古美門(堺雅人)事務所では黛が旅の支度に忙しい。

「遺産相続がらみですから・・・お金になりますよ・・・なにしろ・・・あの徳松醤油の社長一族の案件ですから」

「そんな一族、聞いたこともないっ」

「おじいちゃん、今日のおかずはおいしいね。そりゃそうじゃ徳松醤油だからな。♪しょうゆはとくまつ、トオ→♯↗オ↗♭♪オ~ク↗↘↘♭♭♯↗↘↗マアアアツウ↘↗♯♭・・・です」

今週も快調にガッキー、かわいいよガッキーである。

「そんなCM、知らんっ」

「いとこの千春ちゃんに頼られちゃったんですよお」

「田舎は性にあわないから行かない・・・お前は骨を埋める覚悟で行くがいい」

そこで何故か黛贔屓で超有能な事務員の服部(里見浩太朗)が「私も旅情に誘われます・・・私の人生は諸国漫遊だったのです・・・先生、休暇をいただいてもよろしいでしょうか・・・」と口添える。

・・・飛ばすなーっ。

服部なくては日常生活に支障をきたす古美門は仕方なく黛に同行するのだった。

バスを下りるとそこは片田舎である。

地味な事務服で一行を迎える千春。黛は何故かカンヌが似合う服装(普段着)である。

従姉妹同士の二人は和気藹々で再会を喜ぶが・・・ガッキーとハルハルだけにそこはかとなく緊張感が漂うのである。

古美門は田舎のバスに揺られ早くも体調不良・・・しかも服部は休暇中の旅のために歯ブラシ一本の軽装だった。

着替えがないので・・・千春の用意した衣装を着る古美門は・・・古き良き角川映画の・・・横溝正史シリーズの・・・名探偵・金田一耕助のような人にどんどん加工されていくのだった。

「犬神家の一族の世界にようこそ・・・」

ついに自分で言っちゃう古美門。たちまち鳴り響く犬神家の一族・愛のバラード(大野雄二)風のBGM・・・。まったりですな。

おーっとタイトルで黛の蟹股キックは古美門にかわされちゃいましたーーーっ。・・・そう来たかっ。

さて・・・もちろん・・・千春がいかにも純朴な田舎娘である以上・・・犯人は千春である。

しかし・・・徳松家の一族には天寿を全うした嘉平以外・・・誰も死なないのだった。

だから・・・犯人ではなく・・・まあ、しょうゆうことっ。

それにしても・・・木南晴夏は本当にどんな女にもなるな・・・。

結局、かわいいよ、ガッキーかわいいよ。さすがだ、ハルハルさすがだであっという間に一時間なのである。

もう、たまりませんっ。

第一ラウンド。今回はあくまで黛の案件であり、古美門はアドバイザーに徹する。

実質的な後継者・紀介の代理人にたった黛だが・・・兄と姉の持つ遺言書に対して証書認否確認訴訟を起こした紀介に対し、徳松醤油顧問弁護士の田ノ下久作(山谷初男)は叛旗を翻し・・・姉の清江の代理人として立ったという。

結果、遺言書はどれも有効となり、もっとも最後に書かれた清江の遺言書の実効が高まったのである。

このままでは・・・全財産は清江のものになってしまう。

そこで・・・古美門は清江と同盟を結ぶように提案する。2対1の構図を作り、交渉を有利に進める作戦である。

しかし・・・噂を聞きつけて兄の泰平の弁護には・・・矢部警部ではなかった・・・三木長一郎(生瀬勝久)と女スケキヨの顔パック沢地君江(小池栄子)、そして温泉で逆立ち死体と化した・・・死んでないぞ・・・常敗無勝の男・井手孝雄(矢野聖人)の三木事務所トリオが参戦。

三木の入れ知恵により、先手を打った泰平は清江と同盟を組んでしまう。

従業員も三派に分かれ・・・徳松醤油はもはや崩壊寸前であった。

徳松醤油で育った千春の心は痛むのだった。

「だって・・・私の血は徳松醤油でできていますから・・・」

「私も~」

「お前もかっ」

ハルハル、ガッキー、ニヤニヤ、ノリノリである。

黛を「真知子さん」と呼ぶ千春。黛は「千春」と呼び捨てである。

「いつも・・・真知子さんには勉強を教えてもらって・・・真知子さんにアドバイスしてもらった読書感想文・・・金賞をとれた・・・私の唯一の自慢です~」

このものすごい妹ぶりっこ的低姿勢・・・だまされるなっ・・・状態ですな。

しかし・・・それはあくまで無作為で善良なだけかもしれない風に一貫してキャラクターが描かれており・・・脚本が相変わらずトレビアンなのである。

第二ラウンド。「水戸黄門第9部~」の佐々木助三郎(里見浩太朗)・ 渥美格之進(大和田伸也)に続いて、「水戸黄門第14部~」の佐々木助三郎(里見浩太朗)・ 渥美格之進(伊吹吾郎)のコンビネーションである。醤油の醸造を手伝う助さんの手際の良さを格さんが「筋がいいねえ」とほめそやす・・・。

そこかよ・・・。

追い詰められた黛陣営は・・・突破口を模索する。

嘉平の世話をしていた千春に「遺言状乱発」の謎を聞き出そうとした黛との会話から・・・「嘉平の認知症発症説」を導き出した古美門・・・。

「去年から認知症になっていたことにしよう・・・そうなれば二つの遺言書は無効だ」

「そんな・・・死者を鞭打つような・・・」

「認知症患者が劣等者だというその発想が・・・非人間的だとは思わないか」

「・・・」論破される黛だった。

「私・・・徳松醤油の存続のために・・・証言します・・・」決意する千春だった。

到着まで210分かかる地方裁判所で・・・「嘉平の認知症発症」を武器に優位に裁判を勧める黛陣営。古美門事務所の忍者・加賀蘭丸(田口淳之介)は「認知症発症の証言者」を発掘しまくるのだった。

しかし・・・沈黙を守る三木陣営が不気味である。

第三ラウンド。わらび三昧の生活の果てに醤油かけごはんへ・・・。美食家の古美門はワッフルの夢を見るのだった。

だから、そこかよっ。

実は・・・堅実な経営者に見えた紀介は相続の末には会社の身売りを考えていた。その証拠書類を二刀流のくのいち君江につきつけられた黛と千春の心は揺れるのだった・・・。

法廷で千春は「大旦那様は認知症ではなかった・・・」と証言する。

万事休すである。

黛の敗北であった。

しかし・・・本当の勝者は別にいたのだった。第四の遺言書が発見され・・・相続人は千春だった。

かくて・・・徳松醤油は千春のもとで再出発することになったのだった。

「結局・・・東京で出世したいとこをあの子が妬んでいたのではなく・・・勉強はできるけど・・・要領が悪い君が勉強はできないけれど要領よくおいしいところを持って行くいとこを妬んでいたな」

「そんなこと・・・確かに彼女がコンクールで金賞だった時・・・レクチャーした私は銀賞でしたけど・・・」

ガッキー、かわいいよガッキー。ハルハル、さすがだよハルハル。

田舎に爽やかで澱んだ風が舞うのだった。

結局・・・田舎暮らしで食生活に変化をきたした古美門。

米と醤油・・・相性抜群と言う他、ありません。

森進一氏もかって「醤油ごはんばかり食べてた」って言ってたし。

それは単なる苦労話だろうっ。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のリーガル・ハイ

次週・・・かなり成長した吉田里琴登場である。clubRICOの皆さん、お見逃しなくっ。

Clubrico001 CLUBRICO待機中・・・。Clubrico002

シャブリ高まる~

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2012年5月29日 (火)

ちびまる子ちゃん(森迫永依)殺人事件と私(戸田恵梨香)と彼(大野智)

ふと・・・振り返ると・・・戸田恵梨香と長澤まさみという二人のプリンセスは・・・。

遭遇していないような気がする。

二人をつなぐ糸はガッキーなんだな。

「ドラゴン桜」で長澤まさみとガッキー。

「コードブルー」で戸田恵梨香とガッキー。

この組み合わせがあるが・・・長澤まさみと戸田恵梨香のコンビネーションが思いだぜない。

なにか・・・あったかな・・・。ないか・・・。あったら誰か教えてください。他人頼みかよっ。

天海祐希も糸だしてるな・・・「BOSS」で戸田恵梨香と、「GOLD」で長澤まさみと・・・組んでいるわけだ。

長澤まさみの方が一つ年上なわけだが・・・やはり、戸田恵梨香の方が少し格下になるかな。

戸田恵梨香は「野ブタ。をプロデュース」で堀北真希、「たったひとつの恋」で綾瀬はるか、「花より男子」で井上真央のアシストもしている。

そういう意味では長澤まさみのアシストにつくのが順当な流れになるだろう。

マイペースの長澤まさみに翻弄される戸田恵梨香というのが無難な線だな。

今回・・・あきらかに「都市伝説の女」にラブコールをしている模様の戸田恵梨香。

見たい・・・長澤まさみと戸田恵梨香の激突。見たいぞ~。

で、『・第7回』(フジテレビ20120528PM9~)原作・貴志祐介、脚本・相沢友子、演出・加藤裕将を見た。脚本家が戻り、軽い遊びのあるセリフも戻ってきた。今回は「オカルトに踊る女」を戸田恵梨香が軽妙に演じている。クライマックスは旧家のトイレに続く長くて暗い廊下で少女の霊を見てキャ~である。恵梨香、さすがだぞ恵梨香なのだ。失禁している妄想を誘うシチュエーションが抜群だな。変態かっ・・・変態でございます。

今回、原作的には底意地悪い弁護士が登場するのだが、そのポジションを振られるのを察して芹沢弁護士(佐藤浩市)はモナコに弾丸ツアーで退避である。そのために原作は大幅に改造されている。

しかし、芹沢弁護士は新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)の未来を予知する。

①虫に刺される

②ぬかるみに足をとられる

③水洗ではない便所で困っていると狐火をみて座敷わらしに遭遇する

日本の田舎で繰り広げられる都市生活者には嫌なことをすべて体験してしまう青砥だった。

こういうフリオチを軽く流していくところが恵梨香、さすがだよ恵梨香なのだな。

さて・・・残された東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)であるが・・・おっと、青砥、榎本の留守宅に軽く上がりこんでいる・・・。合鍵か・・・いつの間にか・・・そういう仲なのか・・・。

もちろん・・・その点については軽くスルーの大人の物語なのだった。

密室トリックの分類の中には・・・偶発的な密室というものがある。犯人が意図して作った密室ではなく、風でしまったドアに地震で閂がかかるとか・・・というような自然現象よるものや、通りすがりの無関係の第三者がオートロックのドアを閉めたりするわけである。今回はその裏パターンで犯人は「密室にしたくなかったのに・・・密室になってしまった」事件である。

だから榎本は断言する。

この密室は破れません。

まあ・・・そうなれば犯人は今も密室内にいるしかないのである。

で、当然、その場合は監禁されているか、瀕死か・・・死亡しているケースが多いのだな。

今回は殺人犯がその場で殺害される・・・パターンでした。

旧家である西野家。そこで長女・ちびまる子ちゃん・・・じゃなくて愛美(森迫永依)の死体を抱きかかえ茫然自失の父親・真之(吉田鋼太郎)を訪ねてきた近所の友人・遠藤(平田満)が発見する。屋内は物色された気配があり、家宝の時価9000万円相当の金塊がなくなっていることから空き巣狙いの出会いがしらの犯行が疑われる。しかし、唯一、鍵の掛かっていない窓の外には犯人の足跡がなく・・・田舎ならではの衆人環視状況から・・・犯行直後から家に出入りしたものがいないことが判明してしまう。一転、真之に娘殺しの容疑がかかるのである。

しかし・・・事情を知る遠藤は・・・犯人は傷害事件を起こして失踪中の西野家の長男・猛(郭智博)ではないかと推測するのだった。実際に事件の起こる前夜・・・猛の姿を複数の村人が目撃していたのである。

前夜、娘たちを連れて遠藤家を訪れていた真之、長女はそのまま、中学校に登校し、下校・・・その直後に真之は遠藤家に次女を残し・・・帰宅したのである。そして・・・変わり果てた娘の姿を発見したのだった。

さらにその後で次女を送ってきた遠藤が死体を抱く真之を発見・・・通報である。

榎本は家屋を調査したうえで・・・西野家が完全な密室状態であったと結論する。

その間に、青砥は虫に刺され・・・脚立に着いた蜂の死骸から犯人の侵入ルートを特定、ぬかるみに足をとられ・・・窓外に足跡がないから犯人の脱出を否定、そして汲み取り式トイレで狐火=鬼火を目撃したことから・・・糞尿貯蔵部に自然発火により燃えるリン化水素のガス体や、化学変化によって発生する燃えるメタン、あるいは分解される過程でリン酸中のリンが発光させるあるものの存在を予見させる。

つまり・・・青砥の田舎体験=事件解明の糸口だったのである。

「私、お役に立ちましたね」

「はい」

・・・なのである。

手に負えぬ怪物になってしまった長男が・・・長女を殺し・・・その仇を父親が討ったのである。

そうなる前になんとかならなかったのか・・・と登場人物たちは誰も主張しない。

もはや・・・そういう時代である。

原発はメルトダウンし、高速バスは二つに割れ、トンネル工事でガス大爆発なのである。

もう、兄の妹殺しとか父親の息子殺しくらいでは驚いていられないのだな。

女子バレー日本代表が死に物狂いで五輪出場を決めることができてよかったよ。

こんな日本の憂さを晴らす夏の楽しみがひとつ減るところだったんだから。

それにしても青砥と榎本・・・遠藤家に泊らなかったら・・・田舎のラブホにでも泊るつもりだったの・・・かな。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

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2012年5月28日 (月)

鴨川を渡ってから断ち切れ過去を・・・そして歴史から飛び出せ(玉木宏)

源義朝の絶頂はまさに・・・この保元の乱であっただろう。

これを祝してタイトル登場である。

まあ、このドラマでは平清盛と源義朝は革命戦士として一心同体。

いわば光と影のようなものであろう。

まさに義兄弟のようなものであり、常盤御前をめぐっては下世話な意味で兄弟そのものなのである。

歴史時代に入っているとはいえ、未だに陰陽師が幅を利かせ、鵺や鬼が都を跋扈する平安末期である。

本当にあった出来事は闇の彼方に消え去っている。

しかし、平家の御曹司と源氏の御曹司が肩を並べて闘った最初で最後の戦が保元の乱であったことは間違いない。

だから・・・武家の世の始りを告げるこの戦の主題が清盛ではなく義朝に冠されても・・・清盛公はそれほど目くじらをたてて怒らないだろうと考える。

実際、義朝は父や弟を敵に回して・・・下剋上を貫いたのである。

清盛はその苦渋を充分に察する年齢になっているのだ。

で、『平清盛・第21回』(NHK総合20120527PM8~)脚本・藤本有紀、演出・中島由貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は息子兄弟相打つ藤原摂関家のご隠居・元関白太政大臣圓理入道・藤原忠実・・・涙の登場まもなく怨霊となって子孫に祟る勢い・・・、そして、上皇方唯一の頼みの綱・源鎮西八郎為朝武者ガンダム、さらに平家方郎党随一の武勇を誇る侍大将・マスターガンダム東方不敗伊藤忠清の三大イラスト大公開、まさに怒涛の描き下ろしで感激落涙でございます。バタバタ逝っちゃいますからな・・・ハード・スケジュールでございました。ご苦労さまです。あくまでマイペースでお願いします。・・・だから私信はコメント欄でしろと。

Tairakiyomori19 保元元年(1156年)七月十日。崇徳上皇の鎮座する鴨川東方の白河北殿に左大臣藤原頼長が合流する。崇徳上皇には藤原右京太夫教長、勧修寺盛憲(頼長の甥)、信濃平氏右衛門太夫家弘、信濃源氏村上為国などが近侍していた。崇徳上皇は長男・重仁親王の乳母・池禅尼の縁を頼りとして平清盛に使いを出したが返答はなかった。藤原頼長には近侍していた平忠正、源為義が従っていたが、平氏も源氏も主だったものは後白河天皇の御所となっていた高松殿に参集していた。平氏ではすでに清盛が棟梁として忠盛の跡目を継いでおり、その一族郎党は在京の者だけで三百騎を数えている。また、父と袂を分かち、源氏正当の名乗りを上げた源義朝の元には平家と縁深い河内源氏経国の廻旋により、近江源氏・佐々木秀義、下野源氏足利義康、美濃源氏八島重成、摂津源氏兵庫頭頼政など四百騎が参集している。新棟梁となった義朝の元へは乳兄弟・鎌田政清やその舅長田忠致などを中心に一族郎党が集い、直属の旗本だけでも二百騎を越えていたのである。その他傘下の藤原貴族の郎党を含めると後白河天皇の元にはおよそ千騎が集うことになった。一方、崇徳上皇に従うものは百騎に満たなかった。

悪左府・頼長は崇徳上皇の人気の無さに驚きを隠せなかった。郎党である源為義の子に一騎当千の鎮西八郎為朝がいるというものの・・・実際に千騎対百騎という十対一の戦力比は気を萎えさせるに充分なものであった。

すでに夕闇が訪れていた。本陣となった白河北殿には篝火が燃やされている。

西の空にはまだ明るさが残っている。その方角には敵陣となった高松殿がある。

藤原の忍びの一群は未だ頼長の支配下にあり、諜報活動は辛うじて行える。しかし・・・もたらされる報せは背筋を凍らせるものだった。高松殿に集う軍勢は、二倍が五倍に・・・そして今や十倍に膨れ上がっている。

老父・忠実の手のものからは・・・大和源氏の一党百騎が北上しつつあるというが・・・それと合流しても敵は五倍の人数である。

もちろん・・・頼長はすでに大和源氏勢が平氏の宇治防衛線にかかり平基盛によって殲滅されていることを知らない。頼長の諜報網は洛内で手一杯なのである。

「古(いにしえ)の聖徳太子様は・・・劣勢を護法童子の術で覆したという・・・吾にそれが為し得るだろうか・・・」

頼長はすっかり消沈してしまった気をなんとか奮い立たせようとする。

「とにかく・・・大和勢の到着を待つことだ・・・」

実質的に上皇方の主戦力である為義軍団は軍略を練っていた。

鎮西(九州)から馳せ参じた八男為朝は戦況逆転のためには奇襲しかないと意見する。

「多勢に無勢とはいえ・・・戦は機先を制したものが勝つが常道でござりまする」

「夜討ちか・・・そして火攻めじゃな・・・」

為義もかって叔父・源義綱に対して夜討ち・火攻めを行ったことがある。次男の義賢を孫の義平が殺害したのも夜討ち・火攻めによるものである。

源氏にとってというよりは武家にとってその戦術は常道であったと言える。

特に戦力差を覆すにはもっとも有効な手であった。

しかし・・・と為義はためらう。彼我の差があまりにも大きいのであった。源氏の棟梁としては参陣しない郎党たちがすべて敵にまわっていることがありありと分かるのである。為義の旗下には・・・四男頼賢や五男頼仲、六男為宗、七男為成・・・そして八男為朝などが従っている。それぞれの郎党をあわせてもわずか五十騎である。

奇襲に賭けても、待ち伏せされ、逆襲される目の方が大きいのである。

為義の決断は遅れた。心はあてどなく彷徨う。源氏一の弓取りとされた猛者の心には老いが忍び寄っていたのである。

後白河天皇(みかど)は乳父の信西を通じて源平の若き棟梁を軍議に招いた。

「清盛・・・このような日がくるとは・・・よもや思わなんだ」

帝は幼き日、清盛の家で過ごしたことを告げた。

「博打もここまでくれば何やらおそろしいの・・・」

「戦と博打は一味ちがいますぞ・・・」

「そうか・・・」

「博打なら身ぐるみはがされることはあっても命まではとられますまい・・・」

「ふふふ・・・朕の命もとられかねぬと申すか・・・」

「それが戦というもの・・・蘇我氏に弑せまつられた崇峻天皇を思い出されよ」

義朝は平伏しながら・・・まるで親族のように帝と言葉を交わす清盛の豪胆さに驚く。

「ならば・・・わが命・・・長らえるように・・・つとめよ・・・清盛」

「御意にございまする・・・」

「戦のことは信西を司として・・・よきにはからえ」

御所を下がった清盛と義朝は・・・信西と密議をはかる。

「で、どうするのじゃ」

清盛は義朝を見た。義兄弟に発言の機会を譲る阿吽の呼吸であった。

「今夜にも夜討ち・・・そして火攻めつかまつる」

「それでよい」

二人の武家の棟梁は策を練り・・・それぞれの陣営に戻る。

「都路は軍勢の移動には不向きじゃ・・・機を一にして臨まねばならぬ」

中核を為すのは義朝軍団である。およそ二百騎が先鋒として敵陣正面の賀茂川渡河を行う。その両翼を百五十騎ずつ南北二軍に分けた清盛軍団三百騎が進行する。さらに・・・足利義康旗下の百騎が北端の近衛路を抑えとして進むという手筈となった。

残り四百騎は高松殿に円陣を敷いて守護しつつ予備兵力とするのである。

まさに鉄壁の布陣であった。

「いざ、白河へ・・・」

準備を終えた源平の武者たちは闇に包まれたそれぞれの進撃路を駆ける。

崇徳上皇方は消極的な人員配置を終えていた。

北門守護に平忠正、南門守護に鎮西為朝、そして正面の渡河点には源頼賢を配置する。

賀茂川を挟んだ両岸に殺気が漲りつつあった。

わずか四時間で決着する保元の乱の戦が今、始る。

大炊御門大路を進んだ源義朝勢は鴨川渡河点に到着、対岸に源氏武者の姿を見る。

先陣を切ったのは義朝本人である。

「やあやあ、我こそは清和源氏源満仲の子六郎頼信の嫡流源為義が嫡男・源氏棟梁・源下野守義朝なり、帝の命を受け、謀反人の捕縛に参る。天にそむくことを恐るるならば弓矢をおきて降参せよ」

「笑止なり、わが父・為義は汝を嫡男と認めず。汝が息子に汝が弟を討たせる鬼畜の振る舞い、恥を知れば盗みし、友切の太刀を置きて都より立ち去りませい」

「小癪な・・・弟の分際で兄に逆らうか・・・四郎左衛門頼賢よ・・・身の程思い知るがよい」

義朝は源氏の弓で第一矢を放つ。

矢は源頼賢の兜を叩き、頼賢は脳震盪を起こし昏倒する。

郎党が駆けより、主人を助け起こす中、進み出たのは掃部助五郎頼仲である。

兄に向って矢を返す。

義朝はその矢を小手で払いのけた。

「修行が足りぬは・・・。者ども放て」

義朝の郎党が対岸に向けて矢を射る。

軽装の者が射ぬかれ、河原に倒れこむ。上皇方も矢を放つがその数は哀れなほどに少なかった。

水しぶきをあげて帝方の源氏武者が賀茂の流れに馬を入れる。

「義朝様、一の郎党、鎌田政清・・・先駆けつかまつる」

政清に続き、騎馬武者たちは続々と渡河を開始する。

たちまち、対岸は修羅場となる。

二条大路を進むのは清盛長男・重盛を主将とする平氏主軍である。鴨川には守勢の姿はなく、一気に渡河すると、白河南殿に向かう。白河北殿南門から白河南殿にかけては上皇方の伏勢があり、名乗りもなく射かけてくる。

先導する草のものが・・・その矢に胸を射られ即死する。

御曹司重盛をかばって前に出たの平家の侍大将・伊藤忠清であった。

「卑怯者が・・・名乗られい」

「汚い、卑怯は敗者の戯言よ・・・我は為義が八男、九州にその名を轟かし、鎮西竜王と恐れられし最強の武者・源八郎為朝なり、下郎、下がりおれ」

「院の御料を冒せし、痴れ者が・・・大言壮語は片腹痛し。清盛様より賜った稲妻の弓を馳走つかまつる」

忠清は稲妻の弓を急増の櫓の上に立つ為朝目がけて放つ。

電光とともに飛んだ矢は為朝の肩に突き刺さり紫電の雷光を輝かせる。

ぶすぶすと焦げる矢を無造作に引き抜いた為朝は口元を歪めて凄惨な笑みを浮かべる。

「やりおるが・・・まだまだじゃのう」

為朝は鎮西征伐で得た熊襲の大弓を引き絞る。

「兄者、危なし」

殺気を感じて射線に身を投げたのは忠清の弟。六郎忠直である。為朝の矢は忠直の鎧を貫き、身体を貫き、忠清の乗馬に忠直を串刺しにしてようやく止まった。

いなないて脚を折る馬から忠清が落馬する。

重盛はその背後から下知する。

「おのれ・・・あの者を射落とせ」

平氏の忍び射手たちは一斉に為朝目がけて矢を放つ。

その矢が数十本、為朝に突き刺さる。しかし、豪快に笑うと為朝は返し矢を放つ。

たちまち射ぬかれる忍び射手たち・・・。

「おのれ・・・鎮西八郎は化け物か・・・」

その頃、臣下や客将を率いた平清盛勢は中御門大路から渡河し、白河北殿の北門に到着していた。鬼門を守るのは叔父・平忠正である。

「叔父上・・・逆賊に組みするは一門に仇なすこと・・・御引きあれ」

「吾が甥よ・・・兄者の跡を継ぎ、平家を曳きうる器であるや否や、この右馬助忠正が吟味してくれよう・・・いざ、参れ」

忠正は、弓を捨て、刀を捨て、素手で構える。

「相撲を所望じゃ」

「お相手つかまつる・・・」

清盛は馬を下りると、両手を広げた。

ざっと音を立てて地を蹴った二人の武者は空中でがっぷりよつに組む。

「ぬおおお」

「どおりゃあああ」

気迫がぶつかりあい、二人はそのまま、門前の地に激突する。

先に起きあがったのは清盛であったが、忠正はすかさず、脚を腕で払う。

清盛が交わす隙に下から懐に潜り込む忠正。

清盛を抱えあげ、腰を締め上げる。

清盛はそのまま、忠正の顔面に拳を叩きこむ。

たまらず、清盛を放す忠正。

ふたたび二人は地上で両手を合わせ力比べの姿勢となる。

固唾を飲んで一騎打ちを見守る平氏一同である。

その激闘はその後一時間続く。

源氏勢は退却する上皇勢を追撃しつつ、白河北殿の西側の屋敷を打ちこわし、射線を確保する。

河内経国が風を読んで義朝を振りかえる。

「頃あいでござる」

「・・・火矢を放て」

殿内に火矢が撃ち込まれ、屋敷からたちまち火の手があがる。湧き上がる殿上人たちの悲鳴。

燃えあがる炎は天を焦がす。

「なんと・・・上皇のおわす場に火を放つとは・・・」

精魂つき果てて、腰を落とした忠正は背後を振りかえり、つぶやく。

朝日を受けて仁王立ちになった清盛は鎧兜を輝かせる。

「武士の世の夜明けでござる」

逃げ場となった東の道を火矢の直撃を受け火傷を負った悪左府を乗せ藤原の金銀の牛車が走り出す。

「護法童子は・・・どこじゃ・・・見えぬ・・・何も見えぬ・・・ごぼっ」

悪左府は己が血で藤原家伝来の牛車を汚した。

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2012年5月27日 (日)

座敷童子とスラリと伸びた長い脚と桐の花言葉は高尚(長澤まさみ)

小豆の花言葉は「爽やか」でもよかったけどな。

で・・・なんで桐なんだよ・・・なんとなく・・・座敷わらしって桐の箪笥と相性好さそうじゃん。

なんのこっちゃい。

で、なんで小豆はやめたんだ・・・小豆あらいの回があるかもしれないじゃないかっ。・・・ないと思うぞ。

結局、都市伝説ってのはクロスオーバーっていうか、フュージョンっていうか・・・なんでもありなんだよな。

そういうこと・・・なにしろ・・・要するに街の噂なんだから。

座敷わらしは基本的に子供の霊だからな。子供で霊なんだから・・・死んでるわけだ。

うん。

で、桐っていうのは成長が早いから女の子が生まれるとキリを植えてそのキリで嫁入り道具を作ったわけよ。

つまり、桐の箪笥ってのは・・・座敷わらしにとって夢のアイテムなんだよ。

ま・・・女子限定だけどな。

冒頭にシャボン玉がかかるだろ・・・田中れいながメインパートの奴か。

誰がモーニング娘。の19枚目のシングルの話をしろと言った。

じゃ、長・・・長淵剛でもなく・・・大塚愛でもなくな。

野口雨情作詞の「シャボン玉」な・・・。

これが・・・野口の夭折した長女の死を悼んだ歌だっていう話・・・これも都市伝説なんだぜ・・・。

ま、いいじゃないか・・・鎮魂歌でもそうじゃなくても・・・。

今回、意図的に花のインサートが多くあってなかなか乙でしたな。

で、『説の・第7回』(テレビ朝日20120525PM2315~)脚本・後藤法子、演出・秋山純を見た。まあ、話というものはかならずブラック・ユーモアにつながっていくわけだが・・・座敷わらしは福の神の一種で出て行かれると困るわけだな。つまり、少子化問題だ。一方・・・ここで名前を書くのもはばかれる神は大体、老人の姿で描かれる。つまり、高齢化社会問題なのだな。社会的には座敷わらしには去らないでもらいたい・・・もう一方の神はとっとと出て行ってくれ・・・という本音がかくされているんだよな。

妄想はそこまでにしておきなっ。

シャボン玉消えた

飛ばずに消えた

産まれてすぐに

こわれて消えた

夢と現実の境界線で高まった音無月子巡査(長澤まさみ)の霊的世界認識感覚はザシキワラシ(岡部珠奈)の歌声を聴く。

ザシキワラシの指さす窓を全開すると・・・風にのってSOSの声が聞こえるのである。ピンクのサンダルをひっかけてサンダーバード出動である。

「助けて」という女性の悲鳴は近所の石橋家から聞こえてきたのだった。

「警察です!どうしました? 開けてください!」

「だ~れ~?」

「警察です」

「警察じゃないよ~」

「私が警察です」

・・・おい、誰がスネークマンショーをやれと・・・ごめん、ちょっと寝不足なんだ。

月子が室内に入ると・・・そこにはこの家の主婦・石橋祥子(筒井真理子)が倒れていて意識不明である。

室内には義母の文江(佐々木すみ江)と祥子の娘・凜(未来穂香)、そして凜の親友の藤田美夏(相楽樹)がいた。

家族の証言では母親は何者かに襲われて倒れており、犯人は裏口から逃げたという。そして、現場を立ち去るそれらしき男が・・・姉を追いかけて来た月子の妹・都子(秋月成美)によって目撃されていたのだった。

月子の通報で駆け付ける丹内班の皆々様であった。

救急車で搬送された祥子は意識不明の重体である。

美夏の証言で彼女をつけまわしていたストーカー(緒形直哉)が容疑者として浮上する。

しかし、例によって一瞬で真相を見抜いた月子は石橋家にあった小豆ごはんのお供えものに注目するのだった。

「これは・・・」

「ザシキワラシ様へのお供え物です・・・」

「失礼ですが・・・ご出身は・・・」

「岩手県です・・・」

「本場ですねーっ・・・遠野物語ですねーっ」

「なんなんだよ」と憤る丹内主任刑事(竹中直人)だったが・・・柴山刑事(平山浩行)はみてはならないものをみてしまうのだった。

「これは・・・ザシキワラシ伝説をめぐる事件なのです」

「おいっ」

「ザシキワラシが出て行ってしまったから悲劇がおこったのかもしれません」

「おいおいっ、柴山・・・お前もなんとか言えっ・・・」

「・・・」今回、柴山刑事はザシキワラシに愛された男となります。

素早い捜査で美夏のストーカーは逮捕されるが・・・男にはアリバイがあった。

やがて・・・石橋家の家庭の事情が明らかになっていく。

石橋家のザシキワラシは文江の幼い頃死んだ妹の幽霊らしい。

文江の息子で、祥子の夫・学(ルー大柴)は女と駆け落ちしたが最近、祥子に復縁を迫っていた。

祥子と学の娘である凜は父親を憎んでおり、息子を許したがっている祖母との仲もこじれていた。

鑑識の勝浦(溝端淳平)は石橋家の地酒コレクションが数日のうちに空になっていることに不審を抱く。

刑事たちの疑惑は家出中の学に向けられるのだが・・・柴山刑事に憑依したザシキワラシはそうではないことを知らせようといろいろな悪戯を仕掛けるのだった。

まあ・・・霊とはいえ、子供のすることです。

今回は次回の謎の老人・小栗龍太郎(宇津井健)をめぐる占い師連続殺人事件の前フリも行われ・・・いろいろと錯綜するのである。

しかし・・・事件は冒頭のリフレインに戻っていく。

ふたたび、月子の前に現れたザシキワラシ。

謎解きタイムである。自殺しようとした凜を間一髪で止める月子。

犯人は凜だったのだ。

そして・・・夫が出て行ったあとで酒量が増え、スポンサーに酒造メーカーがいないのをいいことに酒乱となった祥子が事件の原因だったのだ。

祥子が暴れるのを止めようとして凜が祥子を負傷させてしまったのである。

その時・・・病院で祥子が意識を取り戻す・・・どさくさにまぎれて「父帰る」を実行する学である。

結局・・・人騒がせな話だったのである。

都市伝説の女を讃え、シャボン玉マジックを披露するザシキワラシだった。

おっと・・・忘れてはいけない。

「金曜日に爪を切ると失恋してしまう」(月子)

・・・っていうか、今回、東映映画「HOME 愛しの座敷わらし」の番宣かよっ。

東宝サイド、ガードが甘いな。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様の都市伝説の女

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2012年5月26日 (土)

(元気を出して)誓います!(竹野内豊)、(さらに元気を出して)誓います!!(和久井映見)

今度はかなり・・・ちぐはぐな回になっています。

なんだろう・・・この脚本体制のちくはぐさ・・・。これだけ微妙な心理を描くドラマで基本的に複数の脚本家はありえないと思うのだが・・・それによって如実におかしな感じを醸し出すパターンも珍しい。

今回は明らかにパートによって登場人物のニュアンスが変わっている。

端的に言えば・・・弟・裕樹(山本裕典)がらみのパートである。前回の食事のシーンから・・・弟はまるで隔離されたように波留(竹野内豊)から切り離されている。それなのにかなり無理矢理な感じで桂(倉科カナ)と邂逅したりするのである。

谷村家では殊勝に振る舞っていたのに・・・一歩外に出るとハリネズミ態勢であらゆるものに牙を剥くわけである。

このキャラクターを作り手側ももてあましているのではないか・・・そういう危惧を感じるほどである。

もちろん・・・弟を正当化することは大切なことである。このドラマはすでに可南子(和久井映見)という充分に異常な心理のキャラクターが存在しているので・・・これ以上に異常な人格は必要ない。ただ・・・今回の波留の行動は明らかに弟の言動の影を宿している。

おそらく・・・敵対者が反転して味方になるという「手」を作ってくるのだと思うが・・・よほど上手にやらないと・・・ものすごくウソ臭くなるような気がしてならない。

ふたたび、脚本的には危機に陥っていると考えます。・・・ま、それも一興ですけれど~。

裕樹はもう少し・・・何を考えているのかわかるポジションでよかったのではないか・・・。

なにしろ・・・お茶の間的にはもう顔を見るだけで不快な感じのキャラクターに仕上がっている気がするわけですが。

で、『もう一度君に、プロポーズ第6回』(TBSテレビ20120525PM1055~)脚本・桐野世樹・武井彩、演出・村上正典を見た。無口な主人公と・・・無口なヒロインである。可南子は記憶障害という心の病を抱えており、無口になっても構わないが、本来、内向的な性格だと考えられる。一方で波留は特に内向的というわけではないだろうが・・・やはり、心の病を持つ妻のために鬱屈せざるを得ないわけである。で・・・その心の動きを読もうとすると・・・いろいろと読み切れない部分が出てくるわけである。

今回の話は単純に言えば・・・波留が弟の悪意あふれる言葉と、可南子の嘘に耐えながら・・・記憶の戻らない可南子のこれからの幸せを願うあまり・・・離婚という決断に漂着するという話である。ヒロイン側からは・・・不透明ながらも・・・波留との関係をもう少し積極的にとらえてみようという態度が見え隠れするわけで・・・典型的なすれちがいということになる。

なのであるが・・・本当にそうだったか・・・自信がないのだなあ。

自信はないが・・・妄想なので、まあ、いいかとふりかえるわけである。

とにかく・・・波留が「地獄の食卓」でどのくらい深い傷を負ったのかも不明なので・・・困っちゃうのである。・・・まあ、そこが面白いドラマなんだからしょうがないのだ。

地獄の食後・・・姿を消していた可南子の弟・裕樹がキッチンで皿洗いをしている。

「罪滅ぼしのつもりなの?」と母親の万里子(真野響子)が裕樹に話しかける。咎めつつ慰めるという母親モードである。「・・・でも、男の子たちがたくさんきて楽しかったな」

裕樹の心は軽くなる。

「姉ちゃん・・・いろいろとごめん」と裕樹は姉のご機嫌も伺う。可南子は「まったく、もう」と言いながら、弟を特に咎めるわけではない。家族のいない場所で泣いた風情はまったく隠蔽しているのである。

この可南子のリアクションに激しく表情を曇らせたのが万里子だった。

これだけ、心優しい母親である。波留が激しく傷付いていることは充分に推測している。その原因を作ったのはわが子の裕樹であるが・・・それを咎めないのもわが子の可南子である。義理の息子の波留があまりにも「かわいそうだ」と母親は感じたはずである。

しかし・・・そのことについて誰も責めることができないのである。

万里子はできれば・・・波留と可南子が元通りの夫婦に戻ってくれることを願っているわけだが・・・それが叶わぬ望みならば・・・自分が責任を果たさなければならないと自分を追い詰めていくのだ。この後、母親は娘の病状を確かめた後で・・・決意を秘めて波留を訪ねるのである。

一方、波留の家には家出中のミズシマオート社長(光石研)はたまたま、外で出会った・・・もちろんたまたまではないわけだが・・・桂を拾って家庭訪問である。

桂は波留への片思いの吐露をするチャンスを挫かれてずっともやもやし続けるのである。

このもやもやを大抵の人はすかさずキャッチするわけだが、社長と波留はまったく察知しない。

「波留と俺は家族同然だ・・・この家だって俺の口利きで知り合いにお安く賃貸してもらってんだもんな」

と社長が・・・宮本家のグレードの高さの不自然さをここでフォローである。誰かにツッコミ入れられたのか・・・。

とにかく、靴下を脱ぐ社長。「今日は波留と一緒に寝るんだもんね」

波留と一緒に寝たいのは桂だった。

桂は無意識に「結婚」というキーワードにこだわる。

「俺たち二人には・・・今、それ禁句だろう」

「・・・」

「このままずっと何十年もこのままだったらどうしよう」

「・・・」

「でもたまにはおちこんでもいいじゃないですか」

「そうだな・・・何もかもうまくいくわけないもんね」

ここで波留は激しく同意なのである。「そうですよ・・・ボロボロになったっていいじゃないですか」

しかし・・・波留の心は夫婦関係の修復に絶望感を抱き始めているために・・・話題を「車の修復」に置き換える。「でも・・・車は治せる」

そしてふと、桂に意識を向ける「お前も何か悩みがあるんだろう・・・」

桂の目は輝くが「わかる・・・独り立ちして・・・仕事に不安を覚えるのは当然だ・・・まだまだ上がいるし・・・下からも追い上げられているし・・・だが・・・お前ならできる」

そっちかよ・・・とガッカリする桂だが間髪いれずに酔いつぶれる波留。

目の前に不用心な獲物が出現したが・・・さすがに寝込みは襲えない桂だった・・・。

このドラマ・・・志乃(市川由衣)以外の主要登場人物は全員奥手で構成されています。

まあ、野獣のような人間から見れば歯がゆさ100%ですな。

キッドなんか抱いてくれたらいいのにと言う前に抱いちゃえと思いますからねえ。

そういう意味で二児の母親である万里子は積極的です。

娘の通院するわかばメンタルクリニックで娘の病状を訪ねるわけだが・・・担当医の説明は歯切れが悪い。そもそも、精神の病と考えれば、保護者に対してもう少し守秘義務のハードルは低くなるはずだが・・・そもそも、記憶喪失については医師自身がまったくお手上げなのである。

しかし・・・ここでもくも膜下出血に起因する脳機能の損傷ではなく・・・心因性の可能性は強調される。

「心因性の記憶障害の場合、幼少時のトラウマや、日々の自覚なきストレスの積み重ねなど何が原因となるのかまったく推測不可能なのです。大切なのは記憶が戻ろうが戻るまいがありのままの娘さんを周囲が受け入れることなのです」

毎回、金返せの展開である。しかし、これが精神医学の限界なのである。そもそも、精神に病などというものはないという考え方もある。そこにはただ風が吹いているだけなのだ。

しかし、万里子の決意を固めさせるには充分な説明だったらしい。・・・娘がずっとこのままで、しかも・・・結婚生活への復帰に消極的な態度を取り続けるなら・・・娘の夫を待たせ続けるのは酷なことではないか・・・そういう気持ちから・・・波留に再出発をもちかける・・・という決断に万里子は踏み切るのだった。もちろん、苦渋の決断である。

一方、人妻としての自覚が不足気味の可南子は・・・「嘘」の「発覚」もそれによって波留が深刻な打撃を受けていることにもそれほど危機感を感じないし、想像が及ばない。それよりも知れば知るほど好ましく思えてくる波留という見知らぬ男性に戸惑いを感じている段階である。言わば・・・ひょっとしたら「好きになりかけているかも・・・」なのである。

そこで・・・ふと思い出すのが・・・ツバメ時計であった。

一体・・・なぜ私宛に修理されたツバメ時計が送られてきたのか・・・。

それさえも全く覚えていない可南子なのである。

その回答の一部は今のところ、善意の第三者である図書館の館長・大橋(杉本哲太)がささやく。

「その時計工房を紹介したのは・・・私ですよ・・・とても大切なものだから直してあげたいとおっしゃるので・・・」

「私が・・・ですか」

「そうです」

「どんなふうに大切だったのでしょう・・・」

「さあ・・・そこまでは・・・ご主人に尋ねてみたらいかがです・・・」

「・・・」

可南子にとって、それはまたしても冒険のようなものだった。

一方、万里子は宮本家をとある決意を秘めて訪ねていた。

不幸にも前夜は社長が飲み散らかした形跡が濃厚である。その散らかった部屋を見て、万里子の心は痛み、ますます決意を強くさせる。

万里子はいたらない娘に代わって波留の部屋を片付ける。

ここからしばらくは親ばかという設定で裕樹の非礼を謝罪しつつ・・・裕樹の行動を肯定化するのであるが・・・今更な感じは否めません。

「裕樹は中学生で父親が死んだ頃から、気負いすぎて、なにもかも全部抱え込むところがあるから・・・」

そういう意味では波留も何もかも一人で抱え込んでいるわけである。裕樹との違いは攻撃と守備の差なのだろう。

「わかりますよ・・・嫁いだ姉だって・・・彼にとってはずっと大切な家族でしょうから」

そこまで波留にフォローさせるのもなんである。

「こんなことを私が言うのはなんなのだけれど・・・このまま・・・可南子の病状がずっと変わらないとしたら・・・波留くんには・・・前向きに人生を考えてもらいたいと思うの。波留君自身の幸せを・・・可南子に縛られないでほしいのよ」

万里子としては波留に対して精一杯の好意を示しているのだが、結果として波留の心に急速に巣食う暗い蟠りの膨張を即してしまうことは言うまでもないのである。

優しければ優しいほど心を打ち砕く威力があったりしますからな。

波留の絶望感は高まるばかりなのであった。

一転、波留と可南子の結婚が暗礁に乗り上げていることを察知した桂は仄かな希望を抱き始める。交際中のタケル(上遠野太洸)を呼び出すと絶縁宣言である。

自分の気持ちに正直にという流れであるが・・・要するに波留の不幸に乗じるわけであり、その心情には暗い輝きが宿っている。

ここで恐ろしい偶然のように見えるが・・・悪魔に魂を売りつつある二人が邂逅するのであるから、もちろん、悪魔の罠なのである。

夫ある姉に異常な執着を見せる裕樹と、妻ある職場の上司に横恋慕する桂はすでに暗黒面に足を踏み入れているのである。

まさに・・・そこは魔界の入り口なのだ・・・それはもう話の次元が違うだろう。

たちまち、意気投合する二人。

「いやだ・・・あなたってシスコン・・・」

「そんな、君だって不倫好きなんだろう」

「そんな・・・私はたまたま好きだった人に奥さんがいただけよ」

「俺だって愛した女性が姉だっただけさ・・・」

「・・・」

「・・・」

不毛な会話である。・・・いや、お前に悪意があるだろう。だって波留さんがかわいそうなんだもん。・・・お前、男だろ。

いや、可南子だってちょっとかわいそうだし・・・ちょっとなのかよっ。

一方、リッキー(三浦力)の店ではリッキーが今回のときめきタイムのために結婚を宣言します。リッキー、重要な使命があったのだな。

それを受けて「結婚式」の写真を見て・・・かってが幸福であればあるほど絶望の淵を深く覗きこむ様子の波留。

その頃、未だに正体を見せない善悪定かならぬ可南子の昔の恋人・一哉(袴田吉彦)は「なつかしい店」を餌に可南子にちょっかいをかけてくる。全く邪気のない風を装って忍びよる不気味さがあり・・・これにやすやすとのっていく可南子がお茶の間の不安感をあおり立てるわけである。

このあたり、時系列が入り乱れていつが夜でいつが昼なのかまったく不明な謎の時間帯に突入しています。とるだけとって編集しているわけですが・・・気にしなければ気になりません。

そして・・・件の食堂でランチをとろうとした可南子は一哉と再会。

ある意味、無自覚な不貞を楽しんでいる構図になっています。

一哉は・・・「ドロドロな関係はいやだ」とか「嘘をついたら男は傷付く」とか「罪悪感があるっていうことは彼を夫として認めている」とか・・・あたかも幼馴染として可南子に善意のアドバイスをする。

しかし、状況としては心さだかでない人妻とそれなりにランチを楽しんでいるわけである。

困ったやつだな・・・。

ところで・・・可南子は結婚前に・・・処女だったのだろうか・・・と言う問題がある。

一哉が最初の男だったとすれば・・・可南子にとって唯一、身体を許した男と食事しているわけである。

一方・・・波留が最初の男だった場合・・・可南子は・・・精神的には処女なのである。

いい年して・・・という話であるが・・・これはある意味・・・恐ろしくも悲しい話なのだなあ。

しかし・・・一哉との再会で気が軽くなった可南子は・・・ようやく・・・ツバメ時計を波留の元へと届ける決心をする。

だが・・・あくまで・・・波留との二人きりの再開を深層心理が拒んでいるらしく・・・可南子が出向いたのは職場のミズシマオートなのである。

この心理を読んでいくと・・・可南子の態度には初夜を恐れる処女の魂が窺がえたりしてしまい・・・己の変態性が恥ずかしいばかりなのである。

もちろん・・・人妻なのに気分はヴァージンというのはある意味、一同爆笑・・・後、哀愁ではある。

そんなわけで・・・可南子は波留と自分の本来のプライベートな愛の巣ではなく・・・夫の職場であるオフィシャルな場に「ツバメ時計」を届けるのだった。

そこに届けられるリッキーからの結婚式の招待状である。

記憶喪失前の可南子も共通の友人としてリストアップされ・・・宮本夫妻として招待状が発せられている。

たちまち・・・とまどう可南子である。他では気遣いを見せる可南子だが、何故か波留との結婚生活になると途端に節度を失ってしまうらしい。その激しい困惑ぶりにますます絶望を感じる波留。

「うちは社長のとこよりもおしどり夫婦でしたから・・・」

「なんです」「なんですって」と声をそろえる夫婦喧嘩中の社長夫婦だった。

おどけてみせる波留だが、一歩また一歩と暗い決意は固まっていく。

可南子を送っての道すがら。

「あの時計は本当のお母様からの贈り物なんですよね・・・」

「あのツバメは偶然なんですか・・・」

「あれはね・・・俺の悪戯・・・小学生の時、初めてツバメが巣を作って、親父たちが妙にはしゃぐんで・・・ふと思いついてツバメ色にぬっちゃったんだ・・・なかなかうまくぬれたでしょ」

「・・・その話・・・私は一度聴いているんですよね・・・」

「・・・うん」

「あの・・・他にもありますか・・・そう言う話・・・」

「・・・」

「私が一度は聞いたのに・・・忘れている話」

「どうしたの・・・」

「なんだか・・・聞いてみたいな・・・って」

なにもかもすべてなんだよ・・・なにもかもわすれられちゃってるんだ・・・。

そういう気持ちで胸がいっぱいになる波留だった。

「わかった・・・何か思いだしたら・・・連絡するよ」

「そうですか・・・」

思い出がありすぎて・・・かいつまんで話せないというのは・・・どうやら可南子の想像外のようだった。

・・・ひとつくらい・・・今、話してくれてもいいのにと不満が残る可南子である。

明らかに夫婦の心はすれ違って行く。

「結婚式は・・・無理して来なくていいよ・・・仕事もあるだろうし・・・」

「はい・・・」

・・・本当は結婚式にお呼ばれしたい可南子だったようである。

だが・・・「姉にはもっとふさわしい人がいる」・・・「このままずっとこのままだったらどうしよう」・・・「それぞれの幸せを捜してもいいのではないか」・・・そういう不適切なアドバイスが波留の心を頑ななものにしていくのである。

負のスパイラルなのである。

いつまでも・・・待つんじゃなかったのか。

心の奥でもう一人の波留が叫ぶが・・・その声は波濤に飲まれてかき消されるのだ。

決意を秘めて去っていく波留に可南子は理由のわからない不安を感じる。

も、もどかしい。

さて・・・波留・可南子夫婦にとっては守護神ともいえる波留の養父・宮本太助(小野寺昭)は病院で検査を受け、その結果、何やら「家族に病状を説明しなければならない」深刻な事態になったらしい。太助は古い手紙を捜索して・・・なにやら古い知人に連絡をとる。可能性が高いのは・・・やはり、波留の生母ということになるだろう。はたして・・・どんな母親なのか・・・最大の救世主となるのか・・・。期待が高まります。

その連絡の結果や・・・病状に含みを残して太助は波留を呼び出すのだった。

昼下がりの晩酌である。

復活したツバメ時計を見て・・・太助は喜ぶ。

「さすがは・・・可南子さんだ、お前にはもったいない(だから大事にするんだぞ)・・・」

「うん・・・俺にはもったいない(もっとふさわしい男がいるみたいだよ)・・・」

いきなり、すれ違う父と子の会話である。

「・・・なんだ、まだ悩んでるのか」

「悩めっていったのはオヤジだろう」

「お前が悩んだままじゃ死んでも死にきれない」

「なんだよ・・・それ」

「まあ、いいから話してみなっせ」

「夫婦ってなんだろう・・・って思って・・・俺たちは戸籍上は夫婦だけど・・・もう夫婦じゃなくなっちゃったみたいなんだ・・・俺が元の夫婦に戻ろうとしても・・・無理なんじゃないかって・・・よくわからないんだけどね・・・」

「猿みたいな顔しやがって・・・」

「なんだって・・・」

「お前が生まれた時のことだよ。猿みたいな顔してた。お前をひきとるって決めた時な・・・いろいろ悩んだし、周りからもいろいろ言われた・・・でもな・・・猿みたいなお前の顔を見たら・・・俺は絶対こいつを幸せにするぞって・・・そういう気持ちがわきあがってきたんだ」

「なんだよ・・・それ」

「だから・・・いい話さ・・・俺とお前の原点だ・・・それから俺はいつだってそういう気持ちでお前と接してきたぞ・・・(だからお前もがんばれ)・・・」

「そうか・・・俺は可南子を幸せにするって・・・思ったもんな・・・(可南子の幸せを考えたら・・・結婚生活にピリオドを打つことも大切なのかもしれない)・・・」

またもすれちがう二人の心。

ちがうんだよ・・・波留・・・パパはそんなこと言ってるんじゃないんだよ。

しかし、お茶の間の悲鳴はもちろん届かないのである。なにしろ、相手は地デジなのである・・・それは関係ないよ。アナログ時代だって同じだよ~。

いや、アナログ時代にはもう少し心と心が通い合っていた気がします。・・・妄想的には。

すぎてゆく まいにちに

だいじなもの わすれそうで

まちのなか ふと ひとり たちどまる

結婚式当日。祝儀用ネクタイを捜す波留。可南子が捜してくれないから。

ネクタイを結びなおす波留。可南子が結んでくれないから。

しかし、そんなことは耐えられる波留だった。

最初から可南子がいなかったと思えばいいことだ。

俺が我慢すればすむ話なのだ。

教会での結婚式。波留の一挙一動を目で追う桂である。

誰か気がついてやってくれというほどのあからさまな示威行動なのだが・・・誰も気がつかない。

波留の心は・・・可南子との結婚式の思い出にとんでいる。セレモニーだけに日記抜きでときめくことができるらしい。

病める時も健やかなる時も共に歩むことを誓いますか?

波留は元気よく大きな声で「誓います」と宣言して軽い笑いをとった。

そして・・・可南子は・・・。

図書館の勤務が設備点検のために早めに終り、結婚式場に駆け付ける。

可南子の中で明らかに波留との関係に一歩踏み出した様子がうかがえる。

「無理しなくていいよ・・・」と波留は言うのだが・・・可南子はもう・・・波留に会いたい気持ちが高まってきている。

平服のまま、式場にかけつけた可南子は教会の入り口で花嫁に花を贈り、波留を見つけるとその傍らによりそう。

二次会に向かう一同を背に教会内に消える波留と可南子を桂は思いっきり悩ましげに見送るのだった。

「この間・・・言ってたでしょう・・・可南子が忘れていること・・・一つ思いだしたことがある」

「え」

「結婚式の誓いの言葉・・・思いっきり元気よく大きな声で叫んで・・・軽く笑いをとっていたよ・・・」

「えーっ・・・ホントですか?」

病める時も健やかなる時も死が二人を分かつまで愛し続けることを誓いますか?

「誓いますっ!」

微笑み合うあの日の波留と可南子。

それは夫唱婦随の行為だった。

二人は一心同体だったのだ。

ステンドグラスの光の中で・・・波留の心は急速に落下していく。

裕樹の恋人志乃が裕樹の母親と仲良くビーフ・シチューを作っていることも、二次会の会場で桂が一人胸騒ぎを感じていることも・・・どうでもいいわけである。

忘れられないけど

忘れようあなたを

めぐり逢う時が

二人遅すぎた

確かに・・・六年前に出会っていればときめき絶頂の頃からやり直せたわけだからな。

「可南子・・・離婚しよう」

・・・一部お茶の間で絶叫がこだまする。

関連するキッドのブログ→第5話のレビュー

Mako006 ごっこガーデン。ツバメハウス・タイムマシンでウエディングへGO!セット。まこはうぅん、ツバメハウスで時計をグルグル逆回転して、波留との結婚式まで戻ってきたのでしゅ~。むふふ・・・これならくるしいせつないかなしい未来はずーっと先のことだから大丈夫デス。夏休みの宿題を一番最後にやる作戦デスーっ。そしていざとなったらタイムストッパーで時間をとめて何度でも巻き戻し~。永遠に新婚あつあつを楽しむのでしゅ~mariなるほど、そうきましたか~。万里子の一言が効きましたねえ・・・まさか・・・万里子・・・波留狙いではないでしようね・・・」

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2012年5月25日 (金)

あまやかし・・・あなたの心をさだめてあげる(谷村美月)

古来、人は適切なアドバイザー(助言者)を求めて来た。

師と名付けられる人はある意味、助言を職業とする者と言ってもいいだろう。

医師は医学的なアドバイスをする者だし、看護師は看護学的なアドバイスをする者である。

美容師は美しい外見についてアドバイスする者である。

教師なんていうものは助言者のふきだまりのようなものだな。

なぜなら、人は自分自身について・・・客観的になりにくい生き物だからである。

しかし、他人に自分を委ねることは恐ろしさも含んでいる。

脳外科医は脳を切り刻むし、看護師は毒薬を点滴できるし、美容師は前髪を切りすぎる・・・かもしれない。

魔道師にいたっては甘言を弄したり、国を危うくしたり、ゾンビ的なものに変化させられたり命がいくらあってもたりない状況である・・・それは現実的ではないがな。

その中で・・・特異なものが・・・親友のアドバイスというものであろう。

だが・・・損得抜きの人間関係などというものが・・・実在するのかどうか・・・悪魔としては微笑むしかないのである。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第8回』(日本テレビ20120412PM2358~)原作・安田依央、脚本・西田直子、演出・白川士を見た。誰が悪いというのではないが、「ものたりなさ」というものはたやすく生じる。今回も物語としては一応、筋が通っているし・・・わからなくはない話なのである。しかし・・・決定的にあるものが不足している。それは・・・「時間」というやつなのである。

たとえば・・・「日食」を説明しようとすれば・・・太陽と月と地球について説明する必要がある。そのためには恒星と衛星と惑星について説明しなければならないかもしれない。さらには軌道とか、宇宙物理学とか、日面通過とか、天照大神とか、天の岩戸とか、直射日光とか、裸眼で盲目とか・・・もういろいろと説明しなければならないのである。

で、論より証拠なのが、「ほら、あれが日食だ」と現実を指差すことなのであるが・・・それでは何の説明にもならないのである。

今回はドラマの中で・・・「医は仁術」と「医は算術」のどちらに比重をかけるべきかという古典的で深遠なテーマが展開される。

このテーマをこの「時間」で語るのはほとんど「無理」だと思う。

そういう場合、脚本は「いつかどこかで見た展開」で説明を省略していくわけである。それは「赤ひげ」から「37歳で医者になった僕」までとあらゆる医療ドラマで語られてきた算と仁の葛藤の歴史の挿入であり・・・結果として「とってつけた感じ」はどうしてもぬぐえない。

こういう場合は何か一つに例を絞るのが得策なのだが・・・日本テレビにはそういう前例が・・・つまり、誰もが知っているたとえとしての医療ドラマが・・・皆無なのだった。

残念なことだな。

で、ものすごく複雑な状況をどんどん説明していって最後まで面白みに到達しないという結果が生じるのだった。・・・以上、分析おわり。

マキが今回、演じるのは小児科医であり、私立病院の跡取り娘でもある加奈(浅見れいな)の架空の親友である。役割は合コンで加奈がターゲットとしている脳外科手術の名手で若きエリート医師・一の瀬(田中幸太朗)との仲を取り持つことなのである。

・・・ねえ、もうすでにこの設定に無理があるでしょう。

仲間の水鳥モンゾウ(山本耕史)のアシストもあり、マキは道化師として泥酔作戦を展開、見事に加奈と一の瀬の気のないキス・シーン到達に導くのだった。

同じ、深夜ドラマである「モテキ」と比べても実に濃密さのかけらもないキス・シーンだったな。

つまり・・・このドラマでは結局、「お色気」は売りにならないのだ。

美少女の香りが残る女優・谷村美月だから許される軽さであることを失念しているのだな。

もちろん、ゲスト女優である浅見れいなにも責任はない。つまり、このスタッフの限界の露呈にすぎない。

で、ここから二人の男女の心の綾が説明されていく。

加奈は父親から引き継いだ病院が経営難に陥り、資金繰りに苦しんでおり、医療ミスによる裁判もかかえて・・・いい婿を捜している。

一の瀬は野心家であり、経営改革によって病院を自分好みのものに改造していくことが加奈との結婚によって可能になると積極的なのである。

この中で、加奈は父親の理想とする・・・良心的な地域医療、そのための病院の存続、患者に献身的な医師、娘の愛する男性との幸せな結婚など・・・いくつもの兎を追いかけて・・・すべてを失いかねない状況に陥るのだった。

本来はそれも人生であるが・・・そもそも、これだけの規模の病院なら経営スタッフは別にいてしかるべきなのである。

加奈の依頼によって、二人の結婚式の準備を仕切る親友を演じ続けたマキは・・・加奈の中に投影した自分の理想を押さえきれなくなっていくのである。・・・もちろん、ドラマはそういう奥深さでは描かれていません。

本来、私立病院を持つほどの資産家なら、専門の業者に依頼します。しかるべく。

まあ、自家製豆腐の跡取り娘が、合理的経営を目指す婿と対立するくらいの話ですからな。

患者よりも金を愛し、妻以外の女も愛す、若き野心家一の瀬との結婚よりも・・・病院なんかつぶしても、目の前の患者の笑顔を大切にして、優しい人と結婚するべきだ・・・。

例によって気のないシャワーシーンを経過して親友に化身したマキは「真心のおためごかし」を語るのであった。

そして・・・加奈は・・・すべての打算を清算して・・・目の前の患者の笑顔を選択するのだった。

「終わりよければすべてよし」と得意満面のマキである。

しかし・・・その後、加奈の病院が経営不振でつぶれることは言うまでもないのである。

そこまで、描いて・・・女優としてなんら恥じることのない悪魔の展開でなければ・・・面白くはならないのが深夜という「時間」でもあると考える。

直前にローカルで再放送中のアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年TBSテレビ)では悪なる魔女と戦う善なる魔法少女が描かれるわけだが・・・その仕掛け人である地球外生命体であるインキュベーターが恐ろしい真実を語る#8「あたしって、ほんとバカ」の回であった。

この国では・・・やがて女となるものを少女と呼ぶのでしょう

この一言のために第1話~8話までを実にゆったりと使ってフリを作っていくのである。

純真無垢な少女たちは「魔法少女として自分たちが闘っている魔女」の正体に気がついた時・・・心が震えるのだった。

「たぶらかし」も一回くらいそういう回があることを期待しています。

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2012年5月24日 (木)

アイドル(指原莉乃)よりかわいいマネージャー(岡本あずさ)的未来日記

「コドモ警察」の記事なのか・・・。

いや、実写版「未来日記」で・・・。

この方向ではやめた方がいいんじゃないか。

忌憚のないご意見ですか。

いや、忌憚のないレビューになるだろう?

自粛要請ですか。

まあ、そうだな。それより「37歳で医者になった僕」が今回、そこそこしっとりしてたからそっちにしたら。

事故にあって寿命を縮めた恋人を7年間もほったらかしにして、突然、プロポーズする男の話のどこが・・・しっとりしてるんですか・・・。

その方向で話をすすめるのか・・・。

人生は常に勝負ですからね。受け入れてどうすんだって話ですよ。

いや、「勝つと思うな、思えば負けよ」って話なんだよ。

それって・・・勝負してるじゃないですか・・・。

まあな。とにかく・・・谷間なんだから、そこそこでいいじゃないか。

そこそこ妥協しておきます。

で、『未来日記-ANOTHER:WORLD-・第1~5回』(フジテレビ20120421PM1110~)原作・えすのサカエ、シリーズ構成・渡辺雄介、脚本・桑村さや香(他)、演出・並木道子(他)を見た。アニメ版(2011年チバテレ他)はそれなりに評価できる内容になっているのだが・・・それに比べるとガッカリの出来であることは異論がないと考える。まあ・・・シリーズ構成の人はある意味、ガッカリドラマの達人であり、予想通りだったな。とにかく、スケールの大きい物語をコンパクトにまとめるなら別の人の起用が望ましかった。メイン・ライターは『輪廻の雨』で第21回フジテレビヤングシナリオ大賞受賞した人だが、まあ、そもそもの構成がアレなのでなんともしがたい気分を味わっていると妄想できる。

ちなみに・・・未来日記(未来の出来事が記されるアプリケーションのある携帯電話)は12名から7名に変更され・・・本来の主人公である天野雪輝、通称・ユッキーがそもそも登場しない。にもかかわらず、主人公を病的に愛する由乃はヒロインとして登場する。

ただし、我妻由乃ではなく古崎由乃(剛力彩芽)である。

アニメ版を見ていると・・・この違和感が半端ないのである。

もちろん、実写版とアニメ版を同列には語れないが、アニメが苦手な人でも・・・ストーリーやキャラクターに関してはアニメの方が10000倍楽しめると思う。

とにかく・・・個性的な顔立ちでたとえば千秋だとかYOUだとか、コントなら美少女キャラをできなくもないタッチの国民的美少女コンテストを二次予選で落ちちゃう剛力彩芽が「ユノ」で主人公を「あっくん」と呼ぶ。

主人公は星野新太(岡田将生)で大学三年生である。

ちなみにアニメ版の主人公ユッキーは中学生でユノはそのクラスメイトである。

アニメ版のユノは優等生の美少女だが家庭に問題がありユッキーをストーカーしているという・・・極上のヤンデレ・キャラクターなのである。

実写版の最大の問題点は・・・この「ユノ→ユッキー」設定をある程度・・・登場人物に反映していることなのである。

中学生なら「子供だから・・・」ですむことが大学生では「もう大人なんだから・・・」と許されないことが多くなると思うのだが・・・実写版はこの「許されないこと」の連打です。

アレンジした人。頭おかしいよ・・・と思う他ない仕上がりになってます。

それにしても・・・岡田将生・・・ドラマにめぐまれないな・・・まあ、ろくでもないドラマばかりだから仕方ないとも言えるが・・・。

とにかく・・・殺して殺して殺しまくる美少女天才中学生ユノではない・・・絶世の美少女でもないヒロイン・・・あえていえばそこそこ可愛いと言えなくもない・・・実写版ユノがうっとおしいストーカーを演じたら・・・本当にただのストーカーなのでございます。

毎回、この展開に気絶しそうになりますな。

その他の登場人物も原作に似て非なるものの連打で・・・刑事(岡田義徳)、女子高校生(二階堂ふみ)、通り魔(平岡祐太)、先端企業オーナー(佐野史郎)、主人公の親友(本郷奏多)、その妹(福田麻由子)、刑事の愛人(中村ゆり)と素晴らしいキャスティングなんだが、文字通りの「宝の持ち腐れ」状態で・・・なんとなく、高校の文化祭の演劇研究会の発表にスターが配役されちゃいました・・・状態なのである。

この時点で・・・未来日記所有者のうち・・・主人公の父親(光石研)、刑事、女子高校生、通り魔の四人と別枠の未来日記仕掛け人であるオーナーが死亡し・・・残るは主人公、ヒロイン、親友の妹の三人である。

未来日記所有者が殺し合い生き残ったものが世界の支配者になるというファンタジーである。

どうやってもある程度面白くなる話なのに・・・ここまで面白くならないのは流石と言う他ないのではないか。

キッドはこの手の話の原点の一つはリチャード・バックマン(実はスティーブン・キング)の「死のロングウォーク」(The Long Walk 1979年)であり、その派生作品である「バトル・ロワイヤル」(高見広春)や原作の「未来日記」は充分にその面白さを発展させていると思う。

その延長線上で・・・この実写版は明らかに死んでいると考えるのだった。

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2012年5月23日 (水)

おりん(青山倫子)の変態プレーの果ての阿吽の呼吸を赤毛のアンは「絶望という名の希望」と名付けるか?(新垣結衣)

名付けません・・・ロマンチックじゃないんですもの。

どこまで傑作街道を突き進むのか・・・ガッキーの蟹股キックの着地点も近づき、折り返したわけだがハズレ回なしどころか、毎回大当たりである。・・・来週なんか・・・黛のいとこの千春(木南晴夏)登場でもはやハートを鷲掴みである。ガッキーと二人で入浴シーンをお願いします。

変態かっ・・・変態ですよーっ。

で、『・第6回』(フジテレビ20120522PM9~)脚本・古沢良太、演出・城宝秀則を見た。『赤毛のアン』とは20世紀初頭のカナダの作家モンゴメリによる長編小説「グリーンゲイブルズのアン」の邦題である。アンは孤児で不思議の国のアリスを上回る萌えを内蔵するビューティフル・ネーミング・マシーンなのだ。・・・嘘ばっかり書くなよ・・・。

赤毛のアンと同様に頭が「ロマンチック(ローマ奴隷的理想)」で満たされている新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)は愚民としてテレビを視聴し「作られた理想の夫婦」に憧憬の表情を浮かべる。

芥川賞受賞作家の神林彬(鈴木一真)と美人キャスターの岡崎安奈(青山倫子)のおしどり夫婦ぶりにうっとりである。

しかし・・・実際の神林夫妻は破綻寸前であり、趣味のキング・タイガー戦車を保守するために夫は鈍器で殴られ、妻は壁に激突して出血するほどの夫婦喧嘩を繰り広げていたのだった。

そして・・・乙女の夢を破る神林からの離婚調停の代理人依頼の電話が古美門研介(堺雅人)事務所に鳴り響くのである。

古美門は離婚沙汰と超媒体創作家には関わらない主義だったが・・・小動物のようにすがる黛に応えて超有能な事務員の服部(里見浩太朗)が「黛先生の借金返済と教育のためにお引き受けになったらいかがでしょう」と唆すのである。

うっかり引き受けた古美門は過去の古傷に甘美な調味料を摩りこむ破目に陥るのだった。

相手となる妻側の弁護士は・・・古美門の元妻で米国在住の無敵の弁護士・圭子・シュナイダー(鈴木京香)だったのだ。

「古美門くん・・・」と名前を呼ばれただけで古美門の繊細な神経は破綻し、消化器系の機能に壊滅的打撃を受ける。まさに・・・シュナイダー夫人は古美門にとって天敵なのである。

神林夫妻の離婚の意志は固く、問題となるのは条件だった。

古美門「共有財産の折半、慰謝料はなし」

シュナイダー夫人「共有財産の折半、慰謝料三億円」

古美門「・・・」

シュナイダー夫人「夫の不貞行為による離婚です・・・ニューヨークではこの額じゃすみませんよ」

古美門「しょ、しょんなーーーっ」

シュナイダー夫人「めっ」

説明しよう・・・シュナイダー夫人に叱られると古美門は自動的にお腹を下してしまうのだ。

第一回の調停でいきなり戦線離脱した古美門・・・仕方なく黛は神林夫妻の新婚当時の出演テレビ番組を一同に披露する。

「出会った頃のお互いを思い合う心を思い出してください・・・」

虚脱する一同だった。

シュナイダー夫人「一度、ミシシッピ河でアメリカアリゲーターの開いた口に頭をつっこんできなさい。少しはマシになると思うから」

黛は古美門の口癖のルーツを思い知るのだった。

しかし、古美門の体調不良を聴き、シュナイダー夫人は複雑な表情を浮かべる。

服部の謎の漢方でようやく危機を脱する古美門。

服部によればかって古美門とシュナイダー夫人は無敵のパートナーであり、ついには結婚に至るがほどなく離婚、原因は古美門の不貞行為と噂されているらしい。

未婚どころか・・・乙女であるかもしれない黛にとっては離婚している古美門も、再婚しているシュナイダー夫人も、離婚しようとしている神林夫妻もすべては想像外の心を持つ怪物なのであった。

基本的に「両親が離婚したら嫌だよ」という子供の心しか持っていないからだ。

一度は愛し合った夫婦がお互いをののしり合い、相手が死ねばいいのに願い、仇よ地獄に落ちろとばかりに激突する状況が理解できないのだった。

「だってそんなの少しも美しくありません」

第二回調停は仕事のため夫不在である。場所は古美門事務所。

古美門は得意の舌鋒で妻を追い込んでいく。

「二十代の頃はお色気キャスターで重宝されたあなただったが・・・三十代に近付くと若手に仕事を奪われ窮地に追いやられていた・・・現在のあなたは神林夫人として売れているだけで離婚したならただの四流タレントでしかない」

黛は古美門の容赦ない言葉に戦々恐々である。

すると突然、神林夫人は逃亡者おりんのごとき凶暴性を発揮するのであった。ナイフをつかんで古美門に斬りかかる。古美門は黛を盾に逃げようとするが、追い詰められて絶体絶命である。

しかし、事務所だったので服部が「御免」と当て身一発でおりん・・・神林夫人を仕留めるのだった。

その場を利用して旧交を温める二人の弁護士。

「離婚沙汰なんて君らしくない」

「私はオールマイティーよ」

「今や、僕は常勝無敗の弁護士だ」

「私が育ててあげたのよ」

「何を言う。君が僕から学んだのだ」

「そう思わせてあげたのよ・・・男は単純だから」

「再婚したのか・・・」

「あなたより数倍素敵な夫よ」

「どうせ・・・君の本性を知れば離婚したくなるさ」

「あなたに言われたくないわ」

「僕と戦って勝ち目があると思うのか」

「こんなぬるま湯で遊んでいるあなたとちがって私は本場で削り合っているのよ・・・負ける気がしないわ」

二人から疎外感を感じつつ・・・古美門と同等に渡りあうシュナイダー夫人に憧れを抱く黛だった。

ついに決戦の舞台は法廷へ・・・。古美門事務所の忍者・加賀蘭丸(田口淳之介)は神林夫人の周辺を洗うが男の気配はなし。一方、神林には馬厭らしい18人の女性関係が明らかになってしまう。口封じを行うが・・・さらに二人の浮気相手が出現し・・・法廷は泥仕合そのものに。しかも裁判長は公明正大なる女性である。砂漠の狐ロンメル将軍率いるティガー戦車の機甲師団を前にパットンは為す術もなく・・・。

「夫はアナウンサーを凌辱するプレーのために私にニュース原稿を読ませて背後から挿入したりしたのです」

「感じてたじゃないかーーーっ」

「演技に決まってるでしょう」

「うそだ・・・ジェット・エクスタシーを感じてた」

「誰が、ゴッドタンのマジウタ選手権のフットボールアワー後藤じゃっ」

「ジェ、ジェッタシー・・・」

別れ際の夫婦ほど砂塵にまみれたものはないのである。

追い詰められた古美門陣営だったが・・・意外なところから助け舟が出される。

黛得意の女子会潜入である。

酔いどれガッキーはシュナイダー夫人から・・・古美門との思い出を聴かされる。

「一つの金貨を二人で分け合って記念にしたことがあったカップルも別れ別れになることがあるのが・・・この世の醍醐味なの・・・あなた・・・ナポリタンもんじゃは食べたのかしら・・・」

不意に投げかけられるキーワード。そこは酔っても聴き逃さない黛である。

やがて・・・かって神林夫人との噂があり、今は神林夫人の親友と結婚している元プロ野球選手がキーマンとして浮かび上がる。親友夫妻の経営するお好み焼屋のメニューに「ナポリタンもんじゃ」があり・・・それは親友の夫の発案ということになっていたが・・・実は神林夫人のオリジナルであることが判明するのである。

親友の夫との不倫疑惑・・・。

古美門は初めて手応えを感じるのだった。

親友夫妻の証人喚問を前に協議を持ちかけた古美門。

「あなたは・・・親友のご主人と不適切な関係にありますね」

「そんな・・・あるはずないじゃないですか」

「あなたはそうシラをきることができるでしょう・・・しかし、相手の男性はどうですかね」

「そんな・・・」

「このままではあなたの親友はひどく傷付くことになりそうだ・・・」

「・・・和解します」

古美門の勝利である。しかし、黛は・・・シュナイダー夫人が勝ちを譲ってくれたように思うのだった。

ついに・・・シュナイダー夫人に弟子入りを志願する黛・・・。

「ふふふ・・・古美門くんに勝てるのは私じゃない・・・きっとあなたかもしれないわ・・・そのためには古美門の下でもまれなさい・・・ちなみに私もつねに浮気してたわよ」

黛には理解不能な言葉だった。服部は優しく解説する。

「和解に持って行くためには古美門先生とシュナイダー先生の阿吽の呼吸が必要だったと・・・申せましょう・・・つまり元夫婦の機微ですな」

離婚がきまった神林夫妻は最後に言葉を交わす。

「いつか離婚したことを後悔する日が来るかもしれないな・・・」

「離婚しなかったことを後悔する日が来るよりましでしょう・・・」

微笑み合う二人。

憎しみはいつか薄れる場合がある。振り返れば別れる必要はなかったと思えるパートナーが思い浮かぶこともあるだろう。

しかし・・・すべては時の流れがなせるわざである。

神林夫妻も古美門夫妻も別れるべくして別れたのだった。

だが・・・古美門夫妻は離婚後も記念の金貨を大切に保持していたりするのだった・・・。

そういう夫婦のあれやこれやは黛にはまだ夢のまた夢なのである。

おお・・・しっとりとおとすのかよっ。

夢見る頃はすぎちゃったけどさ

おぼえていることもあるよ

夢見る頃はすぎちゃったけどさ

たとえば君とのあれやこれや

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2012年5月22日 (火)

すっごい、すごーい、すごいすごいすごい密室?(戸田恵梨香)

・・・そんなに凄かったか?

いや、ただ、戸田恵梨香にこんなにすごいを連発されたらいつ死んでもかまわない・・・と思って。

まあ・・・新人脚本家が絶対にそう思いながら書いただろうことは充分に妄想できるな。

世の中には分類するのが好きな人っているよな。

ああ・・・「物理的要因の密室とか、心理的要因の密室とか」・・・か。

そういう意味では戸田恵梨香は「ギャル的恵梨香か、ブリッコ的恵梨香」に分類できるよな。

「コードブルーの恵梨香」は?

ツッパリだからギャル的だろう。

「ライアー・ゲームの恵梨香」は?

直ちゃんだからブリッコ的だろう。

いや・・・直ちゃんは本当に天真爛漫なんだから・・・ブリッコじゃないんじゃないか。

「ギャルサーの恵梨香」は?

サキは本当はいい子。・・・ギャルじゃないのかよ。

「野ブタ。をプロデュースの恵梨香」は?

普通の美少女。

・・・ギャルもブリッコも不在じゃないか・・・。

・・・分類なんて、便宜上のものなんだよ。

開き直るのか・・・お前は芹沢弁護士(佐藤浩市)かっ。

で、『のかかった部屋・第6回』(フジテレビ20120521PM9~)原作・貴志祐介、脚本・仁志光祐、演出・石井祐介を見た。新人脚本家にやや温い演出家である。・・・まず、ものすごくメリハリのない出来になっているし、犯罪の動機、トリック、人間関係なんかが・・・ものすごくわかりにくい仕上がりである。しかし・・・まあ、主役三人のキャラクターが連続ドラマとしてすでにキッチリ出来上がっているので気にならない程度である。原作の「鍵のかかった部屋」収録の「密室劇場」のアレンジなので興味ある方は比較してみると面白いかもしれない。

基本的には芹沢弁護士の恩師(清水紘治)の娘で芹沢事務所の秘書・水城里奈(能年玲奈)をフィーチャーした回ということである。里奈は父親には内緒で・・・学生時代から追い続ける演劇への夢に情熱を傾けていたのだった。

新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)は芹沢には内緒で里奈が所属する劇団の芝居「密室に囚われた男」を鑑賞しに行くのであるが・・・。

そこで・・・殺人事件が発生。

被害者は劇団の四人のパフォーマーの一人、薬師寺(山中聡)だった。

劇団のパフォーマーで里奈の恋人の井岡(桐山照史)が容疑者リストにあがってしまう。

恩師から預かっている箱入り娘を殺人事件に巻き込ませてしまっては立場がない・・・と芹沢は青砥に事件の早期解決を求めるのだった。

「チーム榎本はどうなるんです・・・」

「アレがアレで・・・ノリがノリなんだよ・・・新人脚本家に余分な負担をかけたくないだろう・・・中年男のセリフまわしとかまだ荷が重いんだよ」

「大人の事情というやつですね」

「君もわかってきたじゃないか・・・」

「キャピキャピヴァージョンでがんばりまーす」

残りの容疑者は二人のパフォーマー。兼任演出家の畑山(堀内敬子)と兼任脚本家の鬼塚(坂本昌行)である。

存在感的に怪しいのは畑山だが・・・帝国的事情で嵐VSV6のリーダー対決だから・・・犯人は鬼塚に決定である。・・・大人の事情すぎるだろう・・・。

そのために「この密室はやぶれないかもしれない・・・」と弱気になる東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)だった。かなり、後輩だからな・・・そういう問題かっ。

今回の密室は・・・。

舞台をはさんだ二つの楽屋によって構成される。

外回りとか内回りとか鍵の問題とか・・・いろいろとミスリード要素はでるが・・・要するに被害者は下手(向かって左)の楽屋で死んでいて・・・舞台しかそこに至る道はなく、三人の容疑者たちは皆、上手(向かって右)の楽屋に戻ったということである。

時系列としては・・・。

①舞台開始。

②舞台のパフォーマンスを終えて被害者が下手楽屋へ。

③舞台のパフォーマンスを終えて里奈の恋人の井岡が上手楽屋へ。そのまま居眠り。

④舞台のパフォーマンスを終えて演出家の畑山が上手楽屋へ。そのまま客席へ。

⑤舞台のパフォーマンスを終えて脚本家の鬼塚が上手楽屋へ。そこで読書。

⑥里奈が舞台で背景の書き割りの切り出しに衝突してしまう。

⑦下手楽屋で被害者が撲殺による死体となって発見される。

密室解錠のポイントはパフォーマーはどちらの楽屋も選択できるが、一度、楽屋に入ると移動は不可能になるように見えるということである。

「つまり・・・一度、楽屋に入ったら透明人間以外は上演中の舞台を横切れないということです」

「当麻の弟の一なら、ものすごく簡単に可能ですが・・・」

「そういうスペックの問題ではありません」

「じゃ・・・完全なる密室ですか・・・」

「いえ・・・パントマイム的なパフォーマーだから可能なトリックがあるのです」

「それは心理的なトリックですか、それとも物理的なトリック」

「観客にとっては心理的ですが・・・演技者にとっては物理的なものです」

「・・・意味わかんない」

「犯人は・・・書き割りの裏に隠れてゆっくりと移動したのです。少しずつ動くと演技者に気を取られている観客には背景の変化なんか、分かりませんから」

「ほとんどスペックじゃないですか」

「まあ・・・トリックとしてはまあまあじゃないかな・・・犯人の動作はケイゾク的ですしね」

「誰が三本まとめろと・・・」

「密室はやぶれました・・・後のことはおまかせします・・・密室オンリーの男ですから」

犯人はやはり・・・彼だった。実は井岡はゴーストライターで、彼とは親密な関係。それを知った被害者が彼を強請り、秘密を守るために彼は計画殺人を実行したのである。演出家はすべてを推測していたが・・・事情を察して黙秘していたのだった。

「ちがう・・・稽古をしていたんだ・・・練習用の木刀だと思って殴ったら本当の木刀だった」

「ち、・・・木刀が本物か偽物かなんて・・・持てば重さで分かるでしょう・・・新人はうかつなセリフを書きすぎなんですよ・・・こわいわっ」

すべての事情を知った芹沢は恩師に先手を打ってとりなしをするのだった。

「お譲さんに好きなことをやらせてあげるのは・・・親の懐の深さを示すには絶好の機会ですよ。お譲さんは絶対パパ大好きって言ってくれますよ~」

勇気を出して演劇を続けていることを打ち明ける里奈。

父親は優しい笑顔で娘を祝福するのだった。

・・・単なる箱入り娘と親バカの話かよっ。

まあ・・・箱入り娘って・・・密室の少女ですからな・・・なんとなく・・・そそりますからな。

変態かっ・・・変態です。

なんとなく榎本のことが気になってきた青砥であるが・・・榎本は密室にしか興味がないことは言うまでもないのである。

「もしもし、聴いてるんですか・・・私の話、ちゃんと聴いてくださいよ・・・もしもし」

最後に目を瞑って耳を傾ければ戸田恵梨香の声が・・・恋人の声のように聞こえるサービスがあります。新人としてはなかなか気がきいてますな。

・・・完全に変態じゃないかっ。

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2012年5月21日 (月)

もう準備はできたかよ、火蓋を切るのはもうすぐだぜ(松山ケンイチ)

平安京は延暦十三年(794年)に桓武天皇によって定められた都である。

その名は「たいらのみやこ」と呼ばれた。

それからおよそ360年の歳月が過ぎ去り・・・桓武天皇の子孫で平の氏を持つ者たちが平安京の終焉に立ち会うことになる。

その間、戦とは地方における叛乱の鎮圧を意味する言葉であり、また、地方における縄張り争いについて語られる言葉であった。

しかし、今、都の中央で・・・政治が武力による決着を待つ時代となったのである。

それを為したのは誰であろう。

治天の君による院政という独裁政権を樹立し・・・北面の武士という親衛隊を組織した白河法皇だったのだろうか。

それともそれを受け継いだ鳥羽法皇だったのか。

あるいは・・・藤原摂関家による理想の政治を追求した左大臣藤原頼長の反動政治が原因だったのか。

それとも玉藻の前こと美福門院得子の傾国の妖気がみやこびとの心を乱したためなのか。

もちろん、歴史の歯車は回るべき時に回るのである。

荘園公領制性と知行国制度・・・この水と油の制度が矛盾を蓄積し・・・ついに引火の時を迎えたのか。

実力で土地を支配するものたちが・・・権威による支配にとまどいを感じるのは必然である。

平清盛も源義朝もその声なき声の代弁者なのである。

しかし、その声は弓矢と太刀と炎を伴っていたのだ。

鳥羽法皇の崩御から十日間で・・・長らく続いた公家の時代は終焉し、武家の時代の幕があがるのだ。

で、『平清盛・第20回』(NHK総合20120520PM8~)脚本・藤本有紀、演出・佐々木善春を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は源為義の郎党にして源義朝の乳父・相模国鎌田権守通清、平清盛の叔父にして新院蔵人平長盛の父平右馬助忠正、そしてついに登場、摂政関白太政大臣藤原忠通の三大イラスト描き下ろしでお得でございます。大量描き下ろしキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 滅びの美学に彩られた悪左府組の・・・為義家臣に平家の裏切り者・・・そして、摂関家正統派の巨頭・関白忠通・・・役者がそろいましたなーーーっ。万歳、万歳、ヽ(´▽`)/バンジャーイ。

Tairakiyomori18 保元元年(1156年)七月二日鳥羽法皇は54年の生涯の幕を閉じた。その日、崇徳上皇は鳥羽殿を訪れたが対面は叶わず空しく田中殿に引き返す。鳥羽法皇の殯(もがり)の儀は鳥羽殿を殯の宮として密やかに行われた。七月五日には後白河天皇による勅命で都に戒厳令が引かれ、清盛次男の平基盛(18)ら検非違使が平安京周辺の警護のため召集される。七月六日には宇治路で警戒中の基盛が崇徳上皇方に味方するため上京を図った大和源氏の源親治と遭遇し、合戦。源親治は平基盛の捕虜となっている。七月八日には摂関家による荘園からの徴兵を禁じる綸旨が後白河天皇により発せられる。この日、摂関家の東三条殿は源義朝により一時接収される。隣接する後白河御所および信西入道屋敷を含め王城を形成するためである。すべては後白河帝の乳父・信西による画策であり、崇徳上皇および左大臣・藤原頼長に対する挑発行動である。頼長は洛北の土御門殿に籠り、形勢を伺う。七月九日、崇徳上皇は田中殿を脱出し、洛東前斎院統子内親王(崇徳の異父妹)御所に入所した。統子と相談の結果、崇徳上皇はより広い白河北殿に移る。七月十日、宇治の摂関家郎党と合流した左大臣頼長は白河北殿に伺候する。集った顔ぶれは崇徳上皇の側近と左大臣の側近のみ。いわば、ひとにぎりの私兵たちが屠殺場に追い込まれたも同然だったのである。一方で・・・後白河天皇陣営には西国武士団を領する平清盛と東国武士団を領する源義朝を始め、摂津の多田源氏、美濃の八島源氏など近隣の有力武士団の長が続々と集結していた。保元の乱とは言わば多勢に無勢の戦だったのである。

「巷では・・・朕が悪左府と心を同じくして帝に仇なすなどと騒がれているそうだ・・・」

崇徳上皇はか細い声でそうつぶやいた。疲れた顔の異父兄のために統子親王は女房に命じて酒を用意していた。

「朕はただ・・・我が子を帝につけたかっただけ・・・帝の子が帝になるになんの障りがあろうか・・・」

数えで三十路となっている統子親王は七歳年上の上皇を見て労しげな表情を浮かべた。

(この兄は・・・歌作りにはあれほどの才を見せるのにまつりごとのことは何一つおわかりではない・・・それにくらべ・・・あの弟は・・・)と統子親王は同母弟の今の帝の顔を思い浮かべる。

(あれは・・・今様狂いをしながら・・・どこか醒めた目を持っていた。今、思えばすべてはかりそめのころものごとき・・・うつけをよそおっていたのだわ・・・)

「上皇様・・・ほどなく・・・お味方がおそばに参りましょう・・・この屋敷ではいかにも手狭でござりますれば・・・白河殿にお移りあそばされませ・・・お子であり妾の甥でもある重仁親王様の乳父は亡き平忠盛公・・・乳母は池禅尼殿・・・その縁を頼って六波羅に使いを出されるがよろしゅうございまする」

統子親王の言葉にすがるような目をしながら耳を傾けた崇徳上皇は幽かに頷いた。何事かを自ら決めるということに慣れていない上皇にとって妹の言葉は優しく響く。

「そうか・・・その方がよいか・・・」

「牛車をご用意いたします」

統子親王は左右のものを連れ、南にある白河殿へ移る上皇の牛車を見送った。

牛は統子親王のお気に入りの一頭をつけている。せめてもの手向けであった。

奥の間から源義朝の正室であり、斎院の女房である藤原由良が現れる。

「お支度が整いましてございます」

「そうか・・・」

斎院の裏手には大伴の忍びの一群が控えていた。先頭にいるのは西行法師である。

「では・・・参ろうか」

新たなる牛車を曳くのは忍牛である。特別の訓練を受けた牛は統子親王が乗車するのを確かめると走り出す。牛車は最初北へ向かい、やがて西に向かった。そして南に進路を変える。その先にあるのは大内裏だった。

今は荒廃して・・・わずかな番人の他は人気の絶えた王宮である。

その番人もここ数日の都の騒動で己が屋敷での合戦支度に忙しく、不在であった。

幼い日々にこの禁裏で遊んだことを統子は想起する。

(結局・・・父上の治世は宮の荒廃を招聘しただけであったのか)

統子は漠然とした寂寥感を覚える。

(しかし・・・このような感傷に浸っている時ではない・・・)

統子と忍びの者たちは大火のために焼失した回廊、荒れ果て生い茂る庭を抜け・・・かっての奥の院に入る。そこは美福門院と鳥羽院の愛の巣であった。

黄昏が近づいていた。樹木に囲まれた奥の院はすでに薄暗い。

統子はかねてより陰陽師として仕込んだ二人の女房、藤原由良と平慈子に神籬(ひもろぎ)の箱を開かせた。携帯用の簡易結界装置である。

統子は神招きの準備を整えると真言を唱え始める。二人の女房も印を切りながら唱和する。西行と大伴忍びのものどもは固唾を飲んで警護にあたっている。

やがて・・・奥の院の破れた扉の向こうの闇に白い人影が現れた。

西行はその姿に胸を突かれる。その顔立ちは待賢門院璋子その人のものであった。

統子もまた予想外の御霊の出現に心を乱していた。

その乱れに応じるようにそっと心に忍びよるものがある。

統子は甘い香の匂いを嗅いだ。

(お母様・・・ここではないと・・・おっしゃるのですか・・・)

白い人影はすっと日の落ちる方角を指差した・・・・。

(最後の結界は・・・西・・・出雲・・・・ですか)

その問いに答えることもなく・・・出現した時と同様に御霊はふと消えた。

「西行・・・ここではなかった・・・美福門院様の骸はすでにうつされている」

「出雲でございますか・・・」

「そうじゃ・・・さて・・・陽が落ちる・・・夜になる前に内裏を出るのじゃ・・・」

「御意・・・」

一行は日没と競うように来た道を戻っていく。すでに暗がりでは怪しのものが蠢きだす気配があった。

六波羅の平家館には煌々と明りが灯っていた。館の南にある池禅尼の隠居所・池殿には武者装束の清盛が渡っていた。

母は清盛に鎮静の茶を立てる。

「御馳走になりまする・・・」

「基盛が手柄立てたそうじゃな・・・」

「大和源氏の一党を討ち果たし、大将はとらえて獄舎につないだとのこと・・・」

「それはよき働きじゃ・・・」為さぬ仲とは言いながら・・・生母を失い幼少より目をかけて育てた孫は池禅尼のお気に入りだった。

「白河北殿より・・・上皇様の使いが参りましてござりまする」

「不憫なこと・・・吾の乳子、重仁王子も気にかかる。しかし・・・応じるわけにはまいらぬぞ・・・」

「心得ておりまする。しかし・・・叔父上は・・・左大臣に殉ずる御覚悟かと・・・」

「・・・さようか・・・」

左大臣の名に池禅尼は法要を終えた亡き愛児家盛を思い出す。

「七年か・・・早いものじゃ・・・」

「・・・」清盛は義母の連想を読み取って間を取る。

「忠正殿は・・・義理固き男・・・平家の義理を示すものがいてもよかろう・・・」

「しかし・・・戦ののちに」

「謀反じゃ・・・死は免れまい・・・しかし・・・誰かが死なずにはすまぬのが戦じゃ・・・」

池禅尼宗子は清盛をそして自分を励ますように言う。血はつながらずとも・・・我が子清盛が情に篤い男であることを育ての母は知っていたのだ。

「左大臣には一族近侍の者の他に・・・為義殿の一党が賛じたのみでございます。後は摂津の源氏も、近江の源氏も、美濃の源氏も・・・・すべて義朝殿の傘下に入ったとのこと・・・すべては武蔵河内の大叔父殿(源経国)の采配かと・・・」

「さすがは甥御殿(経国の母は忠盛の姉)じゃ・・・西国や・・・伊勢や伊賀のものはどうじゃ・・・」

「平氏も続々と上京しておりますが・・・もはや・・・無用の兵数でございましょう」

「いや・・・戦の後のことを考えねばならぬ・・・武者の人手は源氏よりも平氏が上回るように心掛けるのじゃ・・・」

「は・・・」

「清盛殿、常陸介(頼盛)のこと・・・頼みましたぞ」

「なんの・・・母上、お気遣い召されるな・・・頼盛は高松殿の守護役にいたしまする・・・」

「かたじけない・・・」

清盛は微笑んだ。義母の望みを叶えることは・・・彼にとって何よりの喜びだったのである。

血のつながらぬ母子はしばらく・・・乱の後の謀について密言を交わす。

翌日は高松殿にて公家たちを相手に最後の段取りを決めねばならなかった。

清盛は夜の闇にまぎれ、義朝より贈られし騎馬黒夜叉にて平家館を出発する。

明ければ七月十日であった。

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2012年5月20日 (日)

東京タワーの魂と電波で交信中にマミレルとフリージアの花言葉はあこがれ(長澤まさみ)

花言葉は「綺麗なお義姉さん、好きです」にするんじゃなかったのか・・・自粛しました。

なんていうか・・・土曜の夜は脱力なんだよな。

それにしても長澤まさみは・・・あらためて抜群だな。

なんだか・・・レビューすることが空しくなるほどに・・・言葉では語れない魅力に満ちている。

魔性だな。

この素材を使って・・・ものすごい駄作を作り上げた過去のドラマ・スタッフってある意味、格別なんだよな。

・・・それ以上は言わんでもいいぞ。

とにかく・・・「都市伝説の女」はとにかく・・・長澤まさみを見せるということではパーフェクトであると言える。

だって・・・ずーっと長澤まさみを見続けて・・・気がつくと次週予告になってるんだもの。

中学生男子のラブレターかっ。

で、『・第6回』(テレビ朝日20120518PM2315~)脚本・後藤法子、演出・星野和成を見た。特に星野和成演出の時は・・・長澤まさみの美しさが際立つ気がする。なんだろう・・・相性か?・・・それとも寝不足が原因の気のせいなのか・・・。いや・・・やはり、美しい女優というものを知っているんじゃないのかな。都市伝説レベルでっ。

振り返ってみよう。「美しい隣人」の二人。「秘密諜報員エリカ」のエリカ。「BOSS」の志田未来・・・ねえ?

誰に同意を求めてんだ?・・・心あるものにだよ。

警視庁は千代田区霞が関二丁目1番1号にある。東は国道一号線を挟んで法務省。南は裏手に総務省である。マクドナルドをはさんで警察庁はさらに裏手になる。西側は国道20号線だが道路沿いに国土交通省があり、海上保安庁が同居している。まあ、ザ・霞が関なのだな。そして、北には桜田濠があるわけなのだ。

通勤途上で音無月子巡査(長澤まさみ)がつい、いろいろなものに遭遇してしまうのはこの桜田濠周辺である。今回は・・・。

桜田濠では河童が食べ残した胡瓜がみつかることがある

という周知の都市伝説から快調に幕開けするのだった。

胡瓜をみせられた丹内班の刑事の中で岩田刑事(安藤玉恵)は真っ先に「河童の食べ残し」を見抜く・・・すでに月子に感化されているのである。

丹内主任(竹中直人)は笑いながら叱責の芸を披露しようとするが・・・月子は警視庁よりの入電を察知。その気配に気がついた柴山刑事(平山浩行)は第一回着信受話器早取り対決でチャンピオンになるのだった。もはや、丹内班は月子色に染められているのである。

japan tv局員の須貝修一(神保悟志)は局内のモニタールームで東京スカイツリーへの試験電波発信中に死亡し、翌朝、遺体となって発見される。

死体には後頭部に外傷があり・・・死因は脳挫傷。殺人事件として捜査が開始されることになる。

遺体の確認に来たのは・・・同じjapan tvに勤務する修一の弟・博幸(長谷川朝晴)と修一の妻・佐代子(遠藤久美子)だった。

もちろん、一目会ったその日から月子は弟の修一を犯人と断定するのだが、あくまで素知らぬ顔で捜査を開始するのである。

なぜなら、修一の死亡時刻は東京タワーの消灯時間と一致していた。つまり・・・。

東京タワーのライトダウン(東京タワーのライトアップが午前0時ちょうどに消灯されること)の瞬間を一緒に見つめたカップルは永遠の幸せを手に入れる

という都市伝説に抵触していることが明らかだったからなのだ。

今更、説明するまでもないが・・・月子はこの世ならぬものと交信できるある意味、都市伝説的霊能者なのである。

今回、月子が主に交信するのは東京タワー(東京大空襲で焼失した増上寺の境内墓石群自縛霊集合体)の魂である。・・・顔をそむけてはいけません。

「こんな美しい都市伝説を汚すものは許せない・・・そう東京タワーさんが言ってます」

鑑識の勝浦(溝端淳平)は思わず問いただす。

「伝説を汚すもの・・・?」

「このご遺体は・・・東京タワーさんの呪いで・・・」

遺族の心情を察し・・・同僚の刑事たちによって現場から排除される月子だった。

「もう・・・最後まで言いたかったのに・・・」

ふてくされた月子は捜査会議をパスして都市伝説愛好会のオフ会を自宅開催である。

「東京タワーはシャーマン戦車の鉄屑で作られているんだよ」

「つまり、半島での血と汗が呪縛材としての効用をね」

「小林旭さんはヘリコプターから頂上アンテナ部分にスタントなしで飛び移ったことがあるらしい」

「マイトガイですな」

「東京タワーの地下には本物の蝋人形館があるらしい」

「ああ、有名人の死体を人為的に死蝋化したという・・・」

「東京タワーは三段ロケットで月まで飛べる能力がある」

「展望台はもちろんUFO化する」

「勝海舟は紅葉館と鹿鳴館を地下回廊で結び、秘密結社の隠れ家としたうえで坂本竜馬の遺体に秘儀を・・・」

「結局、東京結界はドラゴン・トライアングル(三角形)なのか、それともペンタグラム(五芒星)なのか」

「いや、ダビデの星(六芒星)だろう」

「中国が土地を取得して大衛星の結界を敷こうと目論んでいる」

「それを打ち破るのが東京スカイツリーを起点とした籠目結界なんだよ」

「東京タワーのアンテナが曲がったのはその余波だよな」

何も訊かなかったことにしたい勝浦だった。

宴が終わり・・・謎の人々を送りだした勝浦は・・・ソファに横たわるヴィーナスと二人である。

勝浦が欲望に着火寸前、例によって帰宅する月子の妹・都子(秋月成美)だった。

都子は場合によっては・・・散歩に出るというが・・・いざとなると腰が引ける勝浦である。

この、根性無しがっ・・・。

月子は初めて口裂け女に遭遇する

その点はともかく・・・死んだ修一は「東京タワーライトダウン伝説」を使って多くの女と浮気をしていたらしい。月子以外の刑事たちは女性関係のもつれを怪しむのだった。

捜査線上に浮かんだのは・・・。

第一発見者のアシスタント・ディレクター太宰みゆき(松岡璃奈子)・・・鈴木萌の方デス。のだめかっ。

報道番組「真実は一つだ!」のメインキャスター津村香(遊井亮子)・・・ドクターヘリ・スクランブルである。私は飛べません。ガッキーかっ。

木村カエラ・・・主題歌担当である。容疑者じゃないだろう。

褒められたタレントが売れる坂東英二・・・女じゃねえ。

ソラカラちゃん(声・渡部優衣)・・・東京スカイツリー公式キャラクター。人間でさえないじゃないか。いや中の人がね。中の人などいなーいっ。

もちろん・・・彼女たちに罪はない。

伝説を悪用して邪淫にふけった修一が呪われたのである。

「しかし・・・あの弟さんはおかしいですね・・・月子さんの生足を見ようともしなかった」

「一人の女で事足りる男もいるってことなのよ」

修一を殺害したのは・・・義姉・佐代子に淫らな想いを抱いていたストイック気質の弟・博幸だったのだ。

「だって・・・義姉さんはエンクミだから・・・」

「エンクミじゃな」

「兄貴がエンクミと結婚したら、殺したくなるよな」

納得して遠くを見つめる刑事たちだった。

「ふふふ・・・結局、僕は一度もライトダウン伝説を使えなかった・・・腰ぬけなんだ」

純情な殺人犯を慰める月子と勝浦。

「タイトルとは関係ないけど・・・あなたにダイヤモンドリリーを捧げるわ・・・最終回まで取っておくつもりだったけど・・・」

「花言葉はまた会う日を楽しみに・・・」

「東京タワーはこれからも予備電波塔として存続し続けるから」

義理の姉を見つめる殺人犯。

一途な義理の弟に優しく頷くエンクミだった・・・。

都市伝説の女を讃え、ウインクする東京タワーであった。

おっと・・・忘れてはいけない。

「左手の小指の爪を7ミリ伸ばして爪の先に赤いマニキュアでハートを描き好きな相手のことを思いながら爪を切れば恋は成就する」(月子)

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2012年5月19日 (土)

ハト時計はカッコー時計、そしてツバメ時計(竹野内豊)

小鳥が時刻を告げて鳴く時計を日本では鳩時計と呼ぶが・・・発祥の地・ドイツでは本来カッコー時計なのである。

ポッポーと鳴くのではなく、カッコーと鳴くのである。

だから・・・波留のツバメ時計はカッコーと鳴いているように聞こえる。

「波留が宮本家にやってきた時に一緒に残された時計でメーカーを知っているのは行方知らずの母親だけ」という「過去」が語られるわけだが、ご存じのようにカッコーは「托卵」を行う種族である。

他種の巣に卵を産卵し・・・育児放棄をする奇妙な習性を持っているのだ。

母親が意図的にそれをしたならものすごいブラックユーモアである。・・・まあ、その可能性は低いと思うが。

そして・・・幼い波留が「それ」を知っていたとも思えないので・・・軒下のツバメへの愛着から・・・ハト実はカッコーはツバメに改造されてしまったのである。

今回は・・・「子作りしたかった可南子」と「親になることが恐ろしい波留」の物語は一旦停止したわけだが、ハト時計→カッコー時計→ツバメ時計は「幸福だった波留と可南子の形見」として戻ってくる。

前回、破綻しかかった脚本はなんとか修復されているわけだが、いくつか・・・まだ破損個所があって・・・不安が残ります。

たとえば可南子の弟の「波留よりもっとふさわしい人がいた」発言と可南子の「終った恋の話」発言の矛盾である。このままでは・・・弟は異常人格にならざるを得ない。本来、弟はなんらかの可南子の愚痴を聞き、二人の夫婦仲を「誤解」しているという方向性を残しておきたいものである。

またくりかえされる弟の「可南子の今の状態」が「波留のせいだ」という発言も・・・ややわざとらしく感じる。

ミスリードのつもりが本筋になりかねず・・・危うい感じがする。

ツバメ関係での可南子のリアクションは記憶の修復に望みをつなげるものだが・・・修復されない方が記憶のシステムとしては自然だろう。心因性と物理的な機能障害では作品の重みを変換しすぎると考える。

昔の恋人と夫婦が同席してしまうという修羅場はそれなりに面白いのだが・・・そこに至る過程がやや・・・「偶然」の多用が過ぎている。

偶然同窓会、偶然昔の恋人帰国、「携帯電話」を偶然忘れる・・・返却の場面を偶然第三者が目撃・・・弟と昔の恋人が偶然出会う・・・波留の訪問と昔の恋人が偶然重なる・・・どれか一つはおとしたい。この中なら・・・弟の性格から考えて・・・昔の恋人に積極的に会いに行くぐらいでいいのではないか。そうしないのは・・・まだ弟にも救いの道を残しておきたいと考慮しているのかしら。

しかし、もはや弟はどう考えても異常人格者に仕上がってますが・・・。

すべては前回に蒔かれてしまった種である。

単なるもどかしさのためのもどかしさ、いやがらせのためのいやがらせにならないように着地してもらいたいと祈るばかりである。

この針に糸を通すような物語ではうかつなたったひとつのセリフが命とり。

事情を知っている上で人妻を幼馴染の気安さで夫の面前で名前を呼び捨てにする昔の恋人の無神経さに辟易した人も多いと考える。

どうか・・・弟や昔の恋人も・・・それなりに心のある人でありますように。

で、『もう一度君に、プロポーズ・第5回』(20120518PM10~)脚本・桐野世樹、演出・木下高男を見た。現在、関東では「結婚できない男」が再放送なんどめだ中である。結末が分かっていてなお楽しい物語というものがある。使い捨てで抜群に面白いものもあるが・・・やはり名作は噛めば噛むほど味が出るものだ。この作品の場合、今回のようなどうにもやりきれない回を作ってしまった以上・・・ハッピーエンドにするしか・・・その手の作品にはなれないのである。ただし、不可避の結末で涙を振り絞りまくった「1リットルの涙」の演出陣だけにものすごい幕切れにしてくる可能性はある。そうなればタイトルに偽りありということになるが・・・はたしてどうだろう。今回、後半では可南子が涙を流すわけだが・・・その理由がもはや読み切れなくなっている。一話完結ではないのだから・・・問題ないが・・・ゆっくり前進してきた流れは遮断である。本当にそれで大丈夫なのですかな?

まあ・・・「甘き日々」が失われてしまったという悲哀は格別ですけれどねえ。

というわけで今回は誤読の可能性の高い妄想であることを最初にお断りしておきます。

「少しずつ前に進んでいる・・・」とようやく・・・やりなおしのスタート・ラインにたった波留(竹野内豊)と過去五年間の記憶を失ってしまった可南子(和久井映見)の宮本夫妻である。

そこへ、通り魔のように波留を下層民とみなす可南子の弟・裕樹(山本裕典)がやってくる。

そして、「元通りに戻る必要はない」「姉はあなたと一緒では幸せではない」「姉にはあなたより結婚相手としてふさわしい相手がいる」と言葉の刃物でめった刺しである。

波留は茫然として「それは可南子が決めることだ」と反論するのがやっとである。

少なくとも、可南子が昔の恋人と別れたのは七年前であり、波留と知りあったのが五年前であり、弟がそれを知らないことは考えにくく・・・明らかに裕樹は嘘をついている。

まるで・・・可南子が昔の恋人と波留を天秤にかけていたような発言なのである。

これまで・・・更生を待っていたが・・・もはや、本質的に異常人格者の烙印を押さねばならないようだ。

その頃、可南子はふってわいたような同窓会の知らせを受け・・・会場に向かう。

そして、そこにはふってわいたように米国帰りの昔の恋人・一哉(袴田吉彦)が現れる。

ささやかな余興として「記憶を失った人妻と昔の恋人」の再会を楽しむ軽い悪意に満ちた可南子の女友達たち・・・。もちろん、昔はいじめの常習犯であったというようなそれほどの凄まじい悪意はないらしい。しかし、波留の幸せを祈る一部お茶の間からは死刑判決である。

だが・・・自信満々の男である一哉の指にはキラリと光る結婚指輪。

ほっと胸をなでおろす一部お茶の間だが・・・これは後にホラー映画で「助かった」と思った瞬間に墓場から手が飛び出て足首をつかむ手法であることがわかる。キャーと絶叫するしかないのだ。一哉は見栄を張っているだけで・・・実は離婚していたのだった。堂々たる愛の障害物宣言である。

記憶喪失という過酷な問題に悩む可南子にとっては非日常の昔の友人たちは安らぎの対象となっている。

一哉も七年ぶりにあったのではなく・・・ついこの間別れたばかりの恋人なのである。

その別れの状況はまだ不明だが・・・なんらかの甘い感傷を感じる。

帰る方向が一緒なので一哉とタクシーに同乗した可南子は・・・。

「ご主人はどんな人・・・」と問われ「優しい人かな・・・」と答えるのだが・・・そこには逡巡がある。

ぽっかりとあいた空白が・・・可南子にとっては常に重荷なのだ。見知らぬ夫が・・・自分以上につらい立場に置かれていることさえ・・・可南子の心を苦しめるのである。

その動揺が携帯電話車内置き忘れ事件を生むのだった。

あざといが・・・許容範囲の仕掛けである。

今回、もっとも読めないのは可南子の感じるうしろめたさの正体であろう。

単純に考えれば波留の心痛をよそに安らいでしまっている自分に対してということになるが・・・焼け棒杭に火がついてしまったようにも見える。その場合は不義密通の申し訳なさ百倍である。

「昔の恋人」についてのあれこれを「夫」に隠すのは通常なら当然のことだが・・・この場合は非常に際どいことになってしまうのは言うまでもない。

やはり・・・少し、よろめいていますかな。

ああ・・・読み切れない。

可南子が「思い出を共有する昔の恋人を含む人々」と楽しいひと時を過ごしていた頃。

波留は悶々とした夜を迎えていた。そんな波留の元へ「可南子宛の小包」が届く。相変わらず好奇心旺盛な大家をなんとか撃退した波留。

それは今回の幸せな過去からの贈り物である。しかし・・・もはや・・・幸せな過去の記憶も波留の心を安らがせるものではなくなっている。

波留はどうやら本格的にいばらの森に踏み込んだのである。

そして・・・おとぎ話とは違い、いばらの森はさっと道をあけたりはせず・・・波留の心は血まみれになっていくのである。

可南子はうしろめたさを抱えている・・・そのために弟の「同窓会に誰が来たのか」という問い・・・そういう問い自体が少し異常であることは問わない・・・に対して「昔の恋人との再会」を秘密にしてしまう。弟は姉の態度から敏感に秘密の匂いを嗅ぎ取る。頭の中が姉と義兄の仲を裂くことで99%占められているかのようだ。

その頃・・・波留の勤務先・ミズシマオートでは社長夫妻が夫婦喧嘩の真っ最中であった。娘夫婦の夫婦喧嘩が飛び火したらしい。娘夫婦の夫婦喧嘩は夫の浮気が原因らしく、父親の哲夫(光石研)が婿の肩を持ったことから、母親のさとこ(山野海)は愛する夫への気持ちを抑えて娘の味方になったのだという。

まあ、犬も食わないというやつです。

波留にとってはそうした諍いさえもうらやましい話である。助手の桂(倉科カナ)を呼び出し、無意識に手をとる。もちろん・・・邪気はない。「まだまだ・・・きれいな手だ・・・しかし、もっともっと汚れて爪の奥まで真っ黒くなって・・・それに誇らしさをかんじるようじゃないと・・・一人前とは言えない・・・でも、今日は出張整備は俺抜きで行ってくれ」

「・・・いいんですか」

「もう・・・俺の助手は卒業だ・・・ただし・・・進藤(松下洸平)を連れて行け」

「・・・一人でできますよ」

「バカだな・・・新人を育てるのも大事な仕事だぞ・・・」

喜ぶ桂だが・・・その喜びは波留に認められたことよりも手を握ってもらったことの方が大きいようだ。

もちろん・・・波留は桂の気持ちなど全くわからない。心はレストア中の可南子との思い出にまつわる赤い車に向かっている。

可南子との関係を修復するよりも車を修理する方が波留にとっては楽なことなのである。

その頃・・・可南子は一哉から電話で呼び出されていた。

事情を知らぬ、職場の仲間たちは・・・「新しい彼氏ですか」佐伯美奈(橋本真実)、「そういうのもありですよね」ゆとりん(入江甚儀)とひやかしモードである。

可南子は・・・夫のある身、しかし、その夫は見知らぬ人、私は困惑しているし、その人には迷惑をかけている、申し訳ないという気持ちを抱えながら、気心の知れた昔の恋人と一緒だと気が楽だと感じてしまう。

水は高きから低きに流れるのである。

昼食時に可南子の忘れ物である携帯電話を届けにきて・・・駅前でランチを付き合う一哉である。

結婚生活について問うと口ごもる可南子に一哉は切り込み・・・18年間の付合いの威力で簡単に事情を聞き出す。

「実は・・・俺『も』離婚してるんだ・・・」

自分の夫婦生活が破綻したように可南子の夫婦生活も破綻している宣言である。

そう言いながら「でも・・可南子のご主人が優しい人だというのは本当だろう・・・可南子がそう思っていること・・・俺にはわかるから・・・」

しかし、それもまた「俺はお前のことならなんでもわかる」宣言なのである。

そういう独善的な性格が「別れの原因」だったと推測できるが・・・今、動揺しやすく鬱屈を抱えた可南子にはもちろん好ましく感じられるのだろう。

昔の男に今の夫の事を問われ・・・返答に窮するしかない今の可南子なのである。

この辺りの会話の巧みさは前回・・・かなり不足していた部分でございます。

そんな二人のいこいのひとときを外回り中のミズシマオートの桂と進藤は目撃してしまうのだった。

もちろん・・・桂は一瞬で「不自然な二人の関係」を女の勘でキャッチします。

ミズシマオートの波留はすでに着々と用意されている残酷な仕打ちについては予測不能である。

そこに唯一の味方である・・・王子の忠実な従者・・・養父の宮本太助(小野寺昭)からメールが届く。

可南子さんと一緒にまたツバメを見に来い

仲をとりもってやるぞ

微笑む波留・・・しかし、発信している太助がいるのは・・・病院だった。看護師と軽口をかわしながらなにやら検査の前である。流れからそれが幸せの兆候には見えない。

唯一無二の味方も失ってしまうのか・・・である。

ここで気休めを述べれば・・・何かを失えば何かを得る法則があるということだ。

ついでに予告では「離婚」という言葉が出現するが・・・タイトルを厳密に解釈すれば・・・「もう一度君に、プロポーズ」するためにはお互いが未婚者になるしかなく・・・当然、離婚が前提となる・・・ということである。もちろん・・・別居中という離婚寸前状態のままでそうなってもいいが・・・単なる手続きの問題だからな。

まあ・・・世界が滅んでも波留の幸せを願う一部のお茶の間はあまりやきもきしたくないのである。ほどほどでお願いします・・・なのだ。

しかし、その夜「夫婦喧嘩中の社長を囲む会」開催のリッキー(三浦力)の店では「浮気」が話題になり、じわじわと波留を負いこんでいく。

古参の蓮沼(渡辺哲)が「浮気はいけない・・・だから俺は結婚しない・・・なぜならいつ今よりいい女が目の前に現れるかわからんからだ・・・」と言えば一同爆笑であるが・・・可南子の弟から「姉にはもっとふさわしい相手がいる」と罵られた波留の心はざわめくのである。

「そういえば・・・可南子さん・・・知らない男と一緒にいましたよ・・・」と目撃者・進藤が爆弾発言である。

「そんな・・・あれはなんでもないですよ・・・多分、仕事の関係ですよ」と桂は波留のフォローを装いながら問題を拡大である。

「ドンマイ(きにするな)・・・」とからむ社長だった。

波留は顔で笑って心で泣くしかないのである。異常な状況に置かれているものは・・・通常な世界の何もかもがとげとげしく感じられるものなのである。

なにしろ・・・異常な状況を通常な人々は誰も本質的に理解しないのである。

一人、家路に着く波留。車のヘッドライトが河のように流れて行く道を歩く足取りは重い。

そこに・・・可南子からの着信がある。

「こんばんは・・・」

「あの・・・電話を返せなくて・・・すみません・・・昨日・・・高校の同窓会みたいなのがあって・・・電話を置き忘れてしまって・・・」

「そうだったんだ・・・」

「で、用件は何だったんでしょうか」

「可南子宛の荷物が届いたんだ・・・明日、送っておくよ」

「ありがとうございます」

「でも・・・電話、みつかってよかったね」

「今日、お昼に友達が届けてくれて・・・」

「友達・・・」

「・・・あの・・・美緒(中込佐知子)っていう友達で・・・」

「ああ・・・二、三度会ったことある・・・結婚式にもきてくれたよね」

ああ・・・この人は・・・美緒に会ったことがあるのに私はそれを覚えていない

なぜ・・・届けてくれたのが男ではなく女だって言ったんだろう

私はなぜ嘘をついてしまったの

君は今嘘をついた

激しくすれ違う宮本夫婦だった。いい感じの下ごしらえ終了である。

一方、桂の携帯電話には交際中のタケル(上遠野太洸)から食事を誘うメールが届くが、明らかに気が乗らない様子である。2010年のジュノン・スーパー・ボーイも相手にとって不足らしい。何考えてるかわからない女の何考えてるかわかる表情のヴァリエーション・・・実に持ってます。

一方、EVER GREEN ENTERTAINMENT所属の上遠野太洸の先輩である山本裕典の演ずる異常性格の弟・裕樹は・・・せっかく獲得した仕事を経験不足から先輩社員の長谷川(小久保寿人)に回され、意気消沈する。まあ、姉を義兄から遠ざけることに夢中になってれば・・・そうなるわけである。

そんな・・・裕樹を案ずる恋人の志乃(市川由衣)はなんとか・・・裕樹を支えようとするのだが・・・裕樹は冷酷無比な態度で接する。

「あなたの邪魔にならないようにするわ・・・」

「君に悪いから・・・しばらく距離を置こう」

「え・・・そんな・・・」

「とにかく、君は性欲の捌け口の肉奴隷でしかないわけだし、身分をわきまえてくれ」・・・そんなことは言ってないぞ。

とにかく・・・こんな描写の連続で・・・もはやキャラクター修正は絶望的な気がするわけだが。

そして・・・一人で頭を冷やすために大股で都心を踏みつける裕樹の前に一哉が現れる。

「裕樹」

「一哉さん」

ここだけ・・・胸毛をさらけだすとあるコントを彷彿させるムードになっていると感じるのはキッドだけですか・・・。

都心は狭いよ・・・だな。しかし・・・まあ・・・呪いの成果だと考えれば逃れようもない運命の歯車の音を聴くしかないのでございます。

裕樹はどうやら一哉を男の中の男だと刷り込まれているらしい。

可南子が一哉と再会したことを自分に隠していると知り、なにやら胸が騒ぐのである。

いやあ・・・本当に鬱陶しい奴だな。

そして・・・沢村家に一哉を招待することを画策するのであった。

一哉は一哉でうかうかとそれに乗るのである。

ストレートに考えれば可南子の身体が目当てなのだとしか思えない。

昔の女を抱く状況はそれなりに燃えますからな。

一部お茶の間は非難轟々である。

一方、わかばメンタルクリニックで心療内科を受診する可南子。

例によって心にあることを患者が話すという手法である。

この診療手法にこだわるのは心因性の可能性を示唆しているわけだが・・・たとえ無意識にせよ、可南子が波留との生活に否定的感情を抱いていたというのでは・・・あまりにも波留が哀れであるのでやめてほしい・・・。

どう考えても、手術ミスによる外傷性の機能障害ではないのか。長期記憶貯蔵庫の一部破壊による記憶消去だろう・・・。

ま、どちらにしろ・・・可南子の記憶障害の症状についてはファンタジーの域ですが・・・。

同窓会でともだちとあって楽しかった・・・

昔、交際した人とも話したりして・・・

同じ記憶を共有するものと過ごす時間は気が楽だった・・・

ただ・・・別の感情も湧きあがったのです

・・・うしろめたさのような

可南子は自分の心をもてあましている。そのうしろめたさは・・・波留に対してのものなのか・・・それとも失われている本来の自分に対してなのか・・・謎である。

波留は可南子に届いた小荷物をトラネコ運輸で転送しようとして・・・宛名書きに躊躇する。

宮本可南子・・・と書き換えて谷村可南子と書き換えて・・・暗礁である。

谷村様方宮本可南子殿だろうと・・・思うが・・・そういう問題ではないのだな。

地獄の修羅場を体験するために・・・自らが宅配する気になる波留である。

谷村家に到着すると・・・可南子と母親の谷村万里子(真野響子)が在宅である。

小包を開封すると・・・そこにあったのは・・・「あれ・・・これはうちの時計だ」と波留だけが正体に気がつく。

「去年、壊れて・・・押し入れにしまっていたやつ・・・」なのだが、おそらく時計を修理に出したのであろう可南子にはまったく見覚えのない時計である。

「動くのかな・・・」時計を十二時にあわせてネジを巻いた波留。

扉から出たのは・・・「あ・・・」と可南子が驚くツバメである。

「まあ、かわいい」と万里子。「ねえ、波留くん・・・今日は夕食食べて行って・・・」

「いえ・・・」「食べていきなさい」「・・・はい」

微笑む可南子。

束の間の幸せ。その時間一秒前後。

「ただいま」と突然、帰宅する異常人格者・裕樹・・・「おじゃまします・・・」と一哉を伴っている。

凍りつく・・・可南子。戸惑う波留。呆気にとられる万里子である。

「お久しぶりです・・・」と一哉に挨拶されて笑顔を返す万里子。一哉と可南子の交際は円満に終了したということなのであろう。どんな終了なのか想像もつかないわけだが。

それにしても金縛りにあったように可南子はなぜ・・・言葉を失ってしまうのか・・・。

そして、してやったりと鼻の穴をふくらませる裕樹だった。

あまりの沈黙の長さに耐えきれずCMを挟んで夜景のきれいなシーンを挿入である。

いや・・・いいムードの桂とタケルのデートなのであるが・・・唇を求められた桂は拒絶。

「桂・・・なんでいつも別のことを考えてるの・・・」

「・・・」

「いや・・・別の人のことかな・・・」

図星なので回答を控える桂だった。

仕方なく立ち去るタケル・・・これで出番終了だったらどうしようと後ろ姿が寂しいのだった。脇役のあて馬・・・まあ、これもキャリアですから~。二枚目人生はこれからだっ。しかし、出会い系ゲームサイトのオフ会でかならずタケルが来るとは限らないので一部愛好家の皆様はご注意くだされ。

谷村家のキッチンである。

狂弟「なんで・・・あいつがいるの」

母「だって可南子の旦那さんよ・・・あなたこそ・・・なんで連絡もなしに一哉くんを連れてくるのよ」

狂弟「別に・・・いいだろ」

母「じゃ・・・私も別にいいだろ・・・よ」

狂弟「ムキーッ」

リビングルームでは・・・宮本夫妻と妻の昔の男が硬直中だった。

可南子「一哉くんです・・・」

一哉「はじめまして・・・可南子とは高校の同級生で・・・こういう者です」

と名刺を出すのである。

波留は名刺を持っていない男なので「宮本です・・・可南子の夫です・・・」

一哉「あ・・・事情は伺ってますから・・・」

徐に万里子の泣き夫の仏壇に手を合わせる一哉だった。

リアクションに困る波留だった。

一哉がトイレに行くと・・・万里子が不祥事のおわびである。

「ごめんなさいね・・・変なことになっちゃって・・・」

「いいえ・・・まったく何の問題もないですよ・・・」

いや・・・問題はかなりあるわけだが・・・。とにかく・・・ひたすら可南子は沈黙するのである。

「久しぶりだな・・・お母さんの手料理・・・」と波留としては精一杯の社交辞令である。

波留としては・・・「これが・・・裕樹くん言っていた可南子にふさわしい男なのか」という疑問でいっぱいなのである。

「二人はどのぐらいぶりなんですか・・・」と訊かずにはいられないのである。

「七年ぶりかな・・・」

「七年ぶり・・・」・・・では俺と可南子が出会う前の話ではないか・・・と疑問が膨らむ波留。裕樹は俺と誰かを天秤にかけていたと言っていたのに・・・どういうこと・・・この男ではないべつの男が・・・。

波留の不安な気持ちを見透かしたように・・・波留の入ってこれない話題を振る凶悪婿殺し弟・裕樹だった。

「一哉さんを、姉さんが、家に、初めて、連れて来た、のも春だったよね」

「そうそう・・・」

「えーっ・・・そうだっけ」と思わず釣りだされる可南子だった。

駐輪場でドミノ倒しをして一哉の自転車を壊した高校一年生の可南子は・・・当時は生きていた父親なら直せるはずだと・・・一哉を家に連れ帰ったのである。

「大して仲のよくない同級生の家で・・・そいつの父親を待つ気持ち・・・想像してみてくださいよ・・・」

懐かしい・・・エピソードでほのぼのとする波留以外の一同である。母親は亡き夫が生存していた頃を思わず懐かしむ態勢である。

しかし・・・可南子は気が付いてしまう。波留が全く楽しんでいないことを・・・。

可南子は想像力の豊かな女性である。たちまち波留の心を思い浮かべる。

そりゃ、そうだわ・・・妻は記憶喪失で実家に戻っていて

日常生活にもいろいろ問題をかかえているだろうはずなのに

ただ優しく見守っている人が

妻の実家に来て昔の男に突然引き合わされ

自分の知らない話で自分以外の全員が和やかになっていて

穏やかな気持ちでいられる人がいるだろうか・・・いやいない

可南子の心は「謝罪の気持ち」でいっぱいになるのだった。

「可南子は・・・抜けてるところあるでしょう」

一哉が基本的に礼儀知らずであることが明らかになる場面である。

夫の前で妻を呼び捨てにして妻の短所を並べたてる。世が世なら切り捨て御免だろう。

しかし、平成時代で温和な波留なので・・・。

「そうかな・・・しっかりしていると思いますけど・・・」

ここで狂犬が「いやあ・・・波留さんは姉ちゃんより愚図だから・・・」

「ああ・・・そうか・・・」である。波留は仏様かっ。

「反論してくださいよお」と甘えてみる可南子。しかし・・・一哉には必殺の一撃があったのである。

「昨日だって、携帯電話を忘れて・・・俺が届けたばかりじゃない」

瞬間冷凍される波留と可南子だった。

母の手料理の味も何もあったものではないのである。

なんだって、なんだって、なんだって、なんだって・・・

うそがばれた、なんでうそなんか、うそなんかつく必要もないのに、うそがばれた

なにやら・・・失言したらしいことに気がつく一哉だった。

どうやら・・・本当に悪意はなかったらしい。

この瞬間から弟は何故か・・・存在を消すのである。

まあ、ようやくいたたまれなくなったかな。

っていうか・・・任務終了なんだな。

波留が意識を取り戻すと食後だった。

「それじゃあ・・・これで帰ります。ごちそうさまでした。お義母さんの手料理は最高です。じゃ、また・・・」

精一杯、爽やかに帰り支度をする波留。

そわそわして・・・波留を送りに出る可南子である。

「ごめんなさい・・・うそをついてしまって・・・」

「ケータイのこと・・・いいんだよ・・・そんなこと」

「でも・・・」

「いい人だね・・・元カレだろう・・・すぐにわかったよ・・・」

「でも・・・終ったことですから・・・」

「いいんだ・・・そんなに否定しなくても」

この一言を波留がどういう気持ちで言ったのかも謎だし・・・。

この一言を可南子がどう受け止めたのかも謎だなあ。

「・・・」

「今日はよかったよ・・・俺の知らない可南子のいろいろな面を知ることができて・・・」

一哉につられて思わず呼び捨てになる波留だった。

「おやすみ」

「・・・」

夜の闇へバイクで走り去る波留。

顔を覆い思わずしゃがみこむ可南子。

愛してる? 

そんなこと

いまさら

きけないけど

不器用な笑顔が

愛おしい

主題歌的には可南子は波留に堕ちているのか?

そこへ一哉が現れる。思わず立ち上がる可南子。

ゆっくりと花道の階段を下る一哉。

「じゃあ・・・俺も帰るわ・・・」

「・・・」

「・・・本当に優しい人じゃん・・・」

目を彷徨わせて幽かに頷く可南子だった。やはり、堕ちていたのか。

微妙すぎて読み切れませ~ん。とにかく・・・一哉は一部お茶の間からの死刑宣告は軽くスルーしたようである。

しかし・・・見事に弟の存在を消しきったな・・・演出の親心に感服つかまつる。

だが・・・やはり・・・波留としては相当にストレスたまる展開だったのである。

メットを脱ぎ捨てブーツを脱ぎ捨てすべてを脱ぎ捨てたら洗顔である。

泣いちゃいそうな波留をふと呼び止める記憶は・・・ツバメ時計だった。

もちろん、波留はただちに可南子の日記にすがるのである。

2011年12月24日

波留の大事にしていた時計が壊れてしまったのだ。

この時計には私の知らない波留の時間がつまっている

カッコウをツバメに塗り替えてしまった波留

母親に捨てられてしまった波留

それを乗り越えていった波留の大切な日々

この時計には波留の思い出がつまっているのだ。

直して・・・あげたいなぁ

つい・・・この間のクリスマス・イブ。

まさか・・・あれが・・・最後のクリスマスになってしまうのか・・・。

波留の心にははじめて絶望が忍びよるのである。

思い出が甘ければ甘いほど、現実が苦く感じられる夜の暗闇。

可南子が・・・何を思い泣いているのかも知らぬまま・・・波留の心は揺れる。

私にはどうすることもできないけれど

きっとどこかになおせるひとがいるはずだ

可南子の希望の言葉がまるで別れの言葉のように聞こえてくる波留だった。

可南子は窓をあけ、錆びた手すりに身を預ける。

何かを捜すように風に涙を晒す。

そして・・・宮本家の前庭には桂の佇む後ろ姿があった。

そして・・・宮本家のベルが鳴る。

扉の向こうにいたのは・・・。

1、覚悟を決めた桂

2、家を追い出された社長

3、ごめんなさいしにきた愚弟

4、怪奇ツバメ男

5、通りすがりの生みの母

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

Mako005 ごっこガーデン。ツバメハウスセット。まこうえええええええ~ん。いたたまれなくていたたまれなくて今夜はツバメハウスにひきこもりでしゅ~。とげとげしい世の中のあれやこれやは全部忘れて・・・波留を慰めてあげるのデス~。それにしても可南子も哀れな奥さんじゃ・・・波留の優しさに魅かれはじめている自分がいて・・・でもその優しい人を傷つけちゃう自分がいて・・・元カレになんでもかんでも見透かされて気がやすまる自分がいて・・・もうにっちもさっちもブルドッグ~♪mari今回はすべりこみセ~フですよ。レビューを書いたら乾杯です。果たしてきたのは本当に桂なのか~。一難去ってまた一難ですね~

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2012年5月18日 (金)

そそのかし・・・実際殺人未遂犯(山本耕史)ですよね(谷村美月)

最後から二番目の恋」の視聴者ならば・・・「最後から二番目の恋・番外編」として楽しむことができるだろう。

吉野千明(小泉今日子)の女友達の一人・・・水野祥子(渡辺真起子)の私生活が見えるのである。

祥子は音楽業界ではなく、荒木敬子(森口博子)に代わって出版業界で働いていて、名前も満子であるが・・・キャラクターはほぼ・・・「最後から二番目の恋」の登場人物の延長線上で見ることができるのだ。

まあ、そんな風に見て楽しいかどうか・・・別だが・・・。

40代独身キャリア・ウーマンの物悲しくうらぶれた姿が堪能できるわけである。

女友達の前では見栄をはっていても・・・仕事はバリバリにできても・・・何か一番大切なものが欠落してしまった女の人生の一幕である。

産まない女の生き方を・・・悲惨な末路の暗示として描く・・・そういう流行が萌しているのか。

残酷なことって素敵なことなのだな。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第7回』(日本テレビ20120517PM2358~)原作・安田依央、脚本・ブラジリィー・アン・山田、演出・白川士を見た。山之内満子(渡辺真起子)の目から見たら・・・悲惨この上ない結末だが・・・ORコーポレーションは依頼者の利益を重視する方針なので問題ないのである。登場人物たちがとてもスターが演じているとは思えない底辺の一般人みたいで・・・もどかしいほどリアルな一篇である。

優しく、柔らかく、断れない男・不破幹生(石井正則)はなんとなく複数の女と交際している男である。この男が四股かけられるなら俺だって・・・と誰もが希望に萌える展開だが・・・ド・ラ・マですから~。交際中の四人の中から、相原沙耶香(三倉佳奈)との結婚を選択した不破だが・・・残りの女性との絶縁を結婚の条件として提示される。まあ、そうじゃないのが許されるのは「軽井沢シンドローム」くらいだからな。・・・いつのたとえだよっ。

そのために・・・マキ(谷村美月)は沙耶香に代わってその他の女たちと不破の別れに立ち会うことになる。

ビンタ、包丁つきつけられ・・・などの関門を経て二人とは円満に別離した不破。しかし・・・最後の女は・・・沙耶香とも縁があり、不破が十年も交際している腐りきった女だったのである。

しかも・・・不破が一度プロポーズしているのに断り、だが別れる気はないという・・・ものすごく面倒くさい女なのである。

その女は不破の勤める出版社の雑誌編集長で・・・不破の上司であり・・・雑誌ライターをしている沙耶香にとっては大事な顧客であり、育ててくれた恩人なのである。

そういう人間関係の中での性行為がある程度燃えることは充分に妄想できます。

ま・・・一番問題なのは・・・そういう関係がどうなろうが・・・知ったことじゃないと思うお茶の間が圧倒的じゃないか・・・と思うことですなーーーっ。

なんだろう・・・「マンハッタンラブストーリー」の土井垣(松尾スズキ) が思い出されてならない・・・。

さて・・・それはともかくとして・・・依頼人は沙耶香である。

「結婚はしないけど別れない」という理不尽な・・・つまりそれが彼女のスタイルなのですな・・・満子、そういう満子にあくまで従順な不破・・・二人を破局させるために総力をあげて取り組むORコーポレーションである。

しかし、マキが狂言自殺をしようとすればその包丁でマキの手首を切断しかねない凶暴な満子にたじたじなのである。

仕方なく・・・不破を追い込むために・・・水鳥(山本耕史)は満子に変装し、マキもろとも不破を自動車で轢き殺そうとするのだった。

水鳥の女装・・・その不気味さは・・・今回の白眉である。

一部愛好家熱狂の水鳥の揺れる胸だった・・・。

ようやく・・・別離の決意を固める不破。

その態度に・・・追い込まれた満子は・・・初めて不安な心を覗かせて泥酔する。

「別れるなら死ぬ」という満子の電話の呼び出しにふたたび軟化する不破。

マキや沙耶香の静止をふりきって・・・満子の元へ向かってしまうのである。

その頃・・・路上で若者に罵られた満子は逆上し・・・ものすごい凶暴性を発揮して若者に対して殴る蹴るの暴行を働く。その強さは異常である。

駆けつけたマキや不破も振り払われ・・・若者は瀕死である。ようやく、警官が到着し、満子は傷害の現行犯で逮捕である。

その頃・・・沙耶香はお約束でバスルームでリストカットである。

もう・・・ドロドロの極みですな。

結局、若者も沙耶香も一命をとりとめ・・・満子も実刑を免れたらしい。

しかし・・・当然、出版社は解雇である。とにかくスタイリッシュであるためにキャリアもうしなってしまったのだった。もうこれ・・・この後、ホームレスになりかねない転落ぶりだよな。

だって酒乱なんだぜ~。

そして・・・それでも不破とは「絶対に別れない」のである。

最初にもう少し、ストックしておけばいいのにと毎回感じるシャワーシーンを経由して・・・マキは沙耶香になりきるのだった。

不破が沙耶香に渡した婚姻届を満子につきつけるマキ。

「不破さんと結婚してください」

しかし「それはできない」という満子。意味不明だがそれが満子のスタイルだから仕方ない。満子はスタイルだけの女なのである。

「じゃ・・・殺す」とマキは包丁を振りかざす。そこに立ちふさがる・・・不破だった。

もう・・・なんじゃこりゃの展開である。

そこへ沙耶香が登場。勇気を出して「私に彼をください」宣言である。

おそらく・・・「可愛がった後輩に男を譲る」のは彼女のスタイルに反しないのだろう。

満子は・・・うなだれて・・・了承するのだった。

まあ、どこまでも果てしなく、なんのこっちゃだが・・・それが女の道なのである。

こうして・・・沙耶香と不破は晴れて夫婦となるのだった。

お色気不足を察知して・・・マキは最後にイエロー・フィッシュネット・ストッキングスの女ふたたびである。

くりかえすが・・・不破と沙耶香のカップルがどうなろうが・・・本当にどうでもいいのが残念なことだなあ・・・。

脚本家は劇団の人だが・・・こんなんで・・・この人の芝居が見たいと思う人がいるのかどうかは謎である。

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2012年5月17日 (木)

ATARUも八卦、あたたたたーっは栗山千明(中居正広)

帝国不在の春ドラマである。いや、あふれかえっているという意見もあるが・・・無視する。

たとえば・・・現在におけるプライムタイムの連続ドラマの視聴率トップは・・・

「鍵のかかった部屋」で平均視聴率16.1%(18.3%↘16.5%↘14.4%↗15.5%↗15.6% )である。主演は大野智であるが、実際は戸田恵梨香のドラマであろう。

そして第2位は・・・。

「ATARU」で平均視聴率15.2%(19.9%↘16.9%↘10.9%↗13.8%↗14.5%)である。主演は中居正広であるが、実際は栗山千明のドラマであろう。

この2本は見事にシンクロしていて、存在感抜群のヒロインと、ベテラン二枚目俳優が帝国スターを担ぎあげるシステムである。まさに一同爆笑ものの完成形なのだな。視聴率も↘↘↘↗↗の相似形である。

その下で「37歳で医者になった僕~研修医純情物語~」平均視聴率13.6%と「三毛猫ホームズの推理」平均視聴率13.3%がいい勝負を展開していて、主人公の発達障害ぶりもいい勝負なのである。

「37歳・・・」についてはレビューがあるし、予測した通りに意味不明のドラマになりつつあると想う。「三毛猫ホームズ」は加藤あいゲストの回をレビューしたかったのだが・・・前後篇形式なのでタイミングを逃しちゃうのだな。大政絢とのかぶりあいは素晴らしかったのだが・・・とにかく・・・「こころない人」と「弱虫」の主人公の気持ち悪さについていくのは大変だと思う。

で・・・その後がようやく「リーガル・ハイ」平均視聴率11.7%である。ここでは脇役に帝国アイドルが配置されていてそこそこいい味を出しています。

まさに・・・帝国不在の春ドラマといって過言ではないのであるまいか。

で、『ATARU・第1~5回』(TBSテレビ20120415PM9~)脚本・櫻井武晴、演出・木村ひさし(他)を見た。今季はテレビ朝日の「相棒」シリーズから二人の脚本家が出張している。一人は「リーガル・ハイ」(フジテレビ)で傑作をものにしているが、一人はここでなかなかの怪作をものにしていると言えるだろう。どちらも杉下右京の呪縛を逃れて解放されている感じが麗しいですな。

どちらも小ネタをちりばめつつ、骨太のオリジナル・ミステリ展開である。相棒視聴者にとってはいつか見たプロットの連打でもあるが・・・そこがまた微笑ましい。

こちらでは・・・「SPEC」のあの二人が警視庁でウロチョロしているなんていう「遊び」まで余裕でかましているのである。

こちらが凄いのは主演の中居正広にほとんどしゃべらせないという作戦の見事さであろう。

思わず「うまい」と膝をたたく設定である。

そして、自閉症設定ならば・・・中居正広の独特の表現力が生きるわけである。

「ナニワ金融道」の灰原とか、「砂の器」の和賀とか・・・どちらかといえば一般市民の似合わない俳優である以上・・・「婚カツ!」のようなふつうの人を演じさせたら存在感がまったくなくなってしまうのだ・・・しかし、アタル/チョコザイ(中居正広)の実在ぶりはどうだろう。まさに設定の勝利と言うほかはない。

さて、一瞬で事件の本質を見抜くという意味では・・・チョコザイは「相棒シリーズ」の杉下右京と同様の存在である。実は「都市伝説の女」のヒロインも全く同じタイプである。その神のような直観力をどのように一般人のレベルまで引き下げていくかが・・・物語の見せ場となっていく。

基本的には真相に沿った証拠を積み上げる・・・ある意味、悪名高い検察的手法がとられるのだが・・・捏造したりはしないし・・・時には「私としたことが・・・」とミスを認めたりするところがご愛敬である。

しかし。「ATARU」の場合は神とのコミュニケーションが困難という手法で流れを作っていく。

言いたいことが言えないもどかしさと・・・そこにある答えがつかめないもどかしさ・・・お茶の間はきっとそこに大きく共感することだろう。

さて、チョコザイは米国が開発した生物自動捜査システムである。いわば秘密兵器なのである。

それを偶然手にしたのが・・・美人刑事として警視庁の広告塔となっている自分にあきたらない長期休暇中の蛯名刑事(栗山千明)と退職したがっている蛯名にやめられると管理職としての責を問われる沢主任刑事(北村一輝)なのである。

二人は・・・蛯名刑事の母親の死亡にまつわる密かな因縁もあり・・・それがステヤマ(刑事事件性のない事件)であることがひとつのキーワードになっている。

標準語を話す関西人・野崎刑事(千原せいじ)が「ステヤマか・・・」と断じる事件を拾って刑事事件化していくチョコザイ・蛯名・沢のトリオは見事な廃品回収チームなのであった。

解決する事件も「リストラの怨みで爆殺」とか「捨てられた怨みで飛行機追突」とかかなりスリリングなものになっている・・・まあ、一種のデフォルメでありおふざけとも言えます。

大体失敗する劇中劇も・・・今回の架空の海外ドラマ「シンクロナイズドスイミング刑事」はおふざけを越えてそこそこ見せる完成度であり・・・そういう「おふざけ」部分は鑑識の渥見(田中哲司)の「そうなのねー、これあれなのねー」のキャラクターや、鑑識の石川(光宗薫)の「私に命令することは何人であっても許されない」的キャラクターなど細部にわたって「つくりこまれて」いるのである。

このつくりこみが半端でないところが・・・このドラマの真価だろう。

たとえ、ファンタジーでもとことんやっていけば・・・リアリティーが生じてしまう法則である。

こうなると・・・ゲストで脳外科医の井下田悦四郎(池田鉄洋)が出てきてもまったく違和感がない。

まあ・・・精神科医のゲストの臼田あさ美とか、医学生の岩田さゆりとかとけこみすぎてうっかり見逃すところだけどねえ。

実は毎回レビューはしていないが・・・蛯名のカレーうどん麺だけすすりはそれだけで「リーガル・ハイ」と並ぶ殿堂入りの面白さなのである。

一つのシーズンにこれだけ・・・楽しい作品が並ぶのはもう随分久しぶりなのである。

これ・・・夏にしわ寄せこないだろうな。あるいは消え去る前の蝋燭の炎みたいな・・・。

関連するキッドのブログ→熱海の捜査官

ATARU第1回

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のATARU

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2012年5月16日 (水)

論語、大学、中庸、孟子、臀部、易経、書経、詩経、礼記、春秋、尻穴・・・あれ?(新垣結衣)

現実の妄想世界では・・・不動産収集が趣味の強面政治家が政治資金運用の不正を裁判で問われ、疑わしきものは罰せずの一審無罪判決がくだり、検察側に控訴されるわけだが、虚構のドラマ世界では池の鯉が友達の闇将軍が収賄罪で一審実刑有罪判決を下され・・・控訴をめぐって物語が展開されるのだ。

もちろん、多くのお茶の間の人々はあの男を連想するわけである。

しかし、そう言われてもピンとこない人は確かに存在する。

それが、この世の痛快無比なところなのである。

まあ、このドラマがそこそこの視聴率なのが・・・その証拠なのだな。

だからって・・・どうということはありませんが。

で、『リーガル・ハイ・第5回』(フジテレビ20120515PM9~)脚本・古沢良太、演出・石川淳一を見た。四書五経とは中国大陸で成立した政治家の基本手引書である。基本的には封建社会を維持するための論説が中心であるが、人間社会の基本が利益配分であるためにどのような体制であろうとも通じるシステムを含んでいる。もちろん、臀部とか尻穴などという書物を含む場合は五書六経と呼ぶ・・・呼ぶかっ。

「一番でないとダメですか」の元クラリオン・ガール蓮舫議員や「外務省は伏魔殿なんです」の田中角栄長女・田中眞紀子議員のものまねはこなすが・・・クリントンやスーチーはちょっと無理の新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)は「弁護士業務に支障のある法律を改正するために永田町の実力者にお尻を触ってもらって国会議員になれ」と雇用主であり、借金相手の古美門研介(堺雅人)に叱咤激励され・・・。

第一回臀部接触対ショック防御姿勢を展開する。

防衛成功である。もちろん・・・暇な古美門の冗談だったのである。

その頃・・・持ち前の政治力で検察の追及をかわし、秘書を自殺させて・・・無罪を獲得する寸前だった悪徳政治家・富樫逸雄(江守徹)は何故か・・・弁護士・三木長一郎(生瀬勝久)から特捜部のエース検事・辰巳史郎(津田寛治)へと流された情報により一審で実刑2年5カ月の有罪判決を受けてしまう。限りなく、有力な証拠が自殺した金庫番の秘書・浅井信司(藤井宏之)の家から発見されたのである。

この有力な証拠の前にさしもの富樫弁護団も白旗を掲げたのだった・・・。

そのために・・・法廷闘争無敗の男・古美門に白羽の矢が立ったのである。

タイトルはついにガッキーの蟹股キック炸裂寸前だ。

一体・・・これからどうなるんだっ・・・そこかよっ。

動物たちを前にヒロインが走り高跳びにチャレンジする変なアニメ「こうかな?それともこうかしら~」にニュース速報・・・無駄に面白いことを・・・。困ったもんですな~。・・・おい、その辺でネタ拾いはやめておけ・・・気がつくと全部拾ったりしちゃうからな・・・危険だぞ。

さっそく・・・富樫屋敷に向かう二人。

不安に胸をゆらせながら古美門に従っていた黛は・・・そこが永田町の実力者の屋敷だと知り・・・。

第二回臀部接触対ショック防御姿勢を展開する。

「ケツなんかさわらせませんよーっ」

「弁護依頼だば~か、ばかばか~」

・・・小学生かっ。だが、かわいいよ、ガッキーかわいいよである。

「やめましょうよ・・・富樫の弁護なんか~」と古美門の袖を引く黛だったが・・・屋敷内から匂い立つ高額報酬臭にはや我を失いつつある男には届かない。

有罪判決が出て控訴未定なのに保釈されている富樫に必死の形相で突っ込む黛「そんな治外法権許されませんよ・・・なぜ控訴しないんですか」

そんな黛をものすごく威圧する富樫だが口調はあくまで優しい。「控訴しても勝てる見込みがないとぬかしおったので弁護団は解任した」

「そこで常勝無敗の私をお呼びになったわけですね」

「一億でどうだ・・・」

「・・・」

「じゃ、白紙の小切手で」

「金額の問題ではありません」と黛は少し古美門を見直しかけていたがふりかえればすでに完全に我を失って小切手にゼロを連ねる男がいた。

思わずその手を制止する黛。

一瞬、正気に戻った古美門は「考えさせてください」という戦略の基本中の基本、決断保留を口にするのだった。

「勝てない戦はしないというのは・・・正論だ・・・よかろう」

こうして古美門は限りなく不可能に近い無罪獲得への道を模索し始めるのだった。

事務員・服部(里見浩太朗)の作る骨付き肉に舌鼓を打つ二人。

しかし、黛は一瞥されれば背筋も凍りつく富樫の弁護にはあくまで消極的である。

「証人も証言もそろっていて有罪まちがいなしなのに・・・どうするつもりなんですか」

「その証拠が怪しいのだ・・・証拠隠滅しているのに証拠が出てくるのはおかしいだろう。そのあたりのことをポマードべっちょり野郎(辰巳検事)に問いただしてやる」

「まさか・・・日本の検察が・・・証拠の捏造なんてするわけないでしょう・・・」

「お前・・・新聞、読んでないのか」

「ネットでロムってます」

「じゃ、検察、捏造、局長でぐぐれよ、検察、捏造、小沢でぐぐると小沢親分の子分ばかりならぶから気をつけろ」

「・・・」

いつ喉笛を掻き切られてもおかしくない・・・人間の信頼の証である理髪店で古美門は辰巳と肩を並べて髭を剃る。

「やらかしましたな」

「私が証拠を捏造したとでも」

「既得権益の配分について手をつっこまれたくない官僚にはさぞやほめられたでしょう。そう言う意味では富樫は危険な政治家ですからね」

「私はやってない・・・」

「いいや・・・あなたはやっている」

「なぜ・・・そう思う」

「私とあなたは同じ穴の貉だからです」

「・・・」

「控訴審で会いましょう」

しかし・・・証拠のメモを突き付けられ、勇気ある自白をした元・秘書たちからは捏造の証拠となる証言は得られない。

「確かに富樫先生は不正な金を受け取った・・・事実を事実と認めて・・・何が悪い・・・来る日も来る日も検察に取り調べられ、娘は学校でいじめられ、妻はノイローゼに・・・自白すれば執行猶予がつくと言われれば誰だって自白しますよ・・・罪を犯して罪を認めた・・・それが罪ですか・・・俺は富樫先生より、自分と自分の家族を守りたかった・・・それだけです」

「古美門先生・・・ひょっとしてあてがはずれたんじゃ・・・」

「あはははははは」笑ってごまかす古美門だった。

そこへ富樫から中間報告の呼び出しがかかる。

カニ三昧である。アニソン三昧Zは6/16開催決定である。

黛は秘儀おしぼり割でカニを丸かじりだが節度ある編集でかぶりつきシーンはカットされています。

変態かっ・・・変態ですがなにか。

しかし・・・そんな二人にカニの味も感じさせない・・・フィクサー富樫の圧力が。

「控訴期限まではまだ間があるが・・・まさか、待たせるだけ待たせてやはり無理でした・・・ごめんなさいですむとはよもや思っていないだろうな・・・私は金さえ出せば・・・なんでもやるやつを・・・たくさん知っているのだがね」

「はっはははははは」笑う古美門、ひきつる黛だった。

事務所に戻った黛は顔面蒼白である。

「やばいですよ・・・けされちゃいますよ・・・この世のみおさめですよ」

さらに超絶的に顔面蒼白な古美門だった。

「・・・」

「私だって・・・極悪人は噂で実はいい人パターンを期待してましたよ・・・でも・・・あの人、本当になんでもやらせてますよ・・・右翼も左翼も金欲しさになんでもしますよ、朝から晩まで鶴田浩二の歌聞く羽目になりますよ、明日は山の中、そんでもって海の底ですよ」

ついにゲシュタルト崩壊を起こす古美門。

「じゃ、なんでとめなかったんだよ」

「とめましたよ」

「もっと、つよくつよくつよくとめなきゃだめじゃないかーっ、この役立たず」

「えーっ」挙句の果てにどさくさにまぎれて黛の胸元を駄々っ子殴りする古美門だった。「今度こそ・・・やめる」と唇をかみしめる黛。

しかし・・・事務員・服部は優しく囁くのだった。

「だまされたと思って・・・古美門先生についていけば・・・」

「マジでだまされるだけじゃないですか」さすがにその手にはのらない黛だった。

「いつか・・・古美門先生を倒す誓いはどうなるんです」

「だって今年中に埋められちゃったら・・・倒すどころじゃないじゃないですか」

追い詰められた二人は一心同体化によるシンクロ行動を展開しながら・・・「証拠捏造にかかわった情報提供者の探索」に最後の希望をつなぐのだった。

一方・・・古美門事務所の忍者・加賀蘭丸(田口淳之介)は件の理髪店に潜入・・・三木と辰巳のシェービング・トークで・・・情報源が三木の秘書・沢地君江(小池栄子)であることを探知する。

さっそく、沢地を尾行する蘭丸だったが・・・くのいちである沢地に背後をとられ、正面跳び式腕挫十字固のような間接技で悶絶させられてしまう。夫のプロレスラーから夜のベッドで特訓しているのか・・・定かではない。

しかし・・・その日、飲む相手を捜していた沢地は帝国VS黄色い堀江しのぶおもいでの里で休戦協定である。・・・もうほとんど意味不明な記述じゃないか。クラリオンガールつながりでなにもかも懐かしい人にはわかります・・・ま、いいか。とりあえず黙祷な。

「せめて・・・ヒントを・・・」と粘った蘭丸だったが・・・軽くあしらわれてしまう。

ただし・・・三木が富樫を売った裏に三木のクライアントである反富樫派議員伊勢の存在が浮かび上がるのだった。伊勢の不正献金疑惑もみ消しのための裏取引だったのである。

一方、富樫事務所の女中衆のガールズトークに紛れ込んだ黛は得意の酔いどれ演技に突入でガッキー、かわいいよガッキーである。

黛は富樫の政策秘書・江藤が伊勢派に鞍替えするという情報を入手するが・・・証拠捏造の件とは無関係の空振りに終る。

再び富樫と対面する古美門・黛コンビ。

まだ酔いの残った黛は「先生のようなお金に汚い政治家なんで嫌いです」と暴言をはくが・・・富樫は軽くうけながす・・・。

「先生と呼ばれる職業に人々がへりくだるのは何かをもらう立場にあるからだ・・・教師には教えてもらい、医者にはなおしてもらい、弁護士には守ってもらう・・・そして政治家には分け前をもらうのだ・・・金を集めてばらまく・・・政治とはそれ以上でもそれ以下でもないのだよ」

愚民である黛には理解しがたいこの世の理なのである。

古美門は優しくフォローするのだった。

「金があるから力がある。しかし、この国では金を集めるものは悪しきものなのだ。誰もかれもが金を欲しがるからだ。そういう愚民たちが力ある者を嫌い、力ないものを好むと・・・政治家は無能の集団になる。自分たちでそうしておいて愚民たちは政治家の無能を嘆くのだ」

「・・・」

「うけいれられないのなら・・・それでいい・・・雷に打たれて、シャキッとしてきなさい」

「死んじゃいますよ・・・」

しかし・・・黛の情報と蘭丸の情報が結合した時・・・一人の女性に焦点があたった。

女中の一人・・・吉岡めぐみ(春木みさよ)は・・・自殺した金庫番・浅井の恋人だったのである。

彼女は浅井を死に追いやった富樫を怨んでいたが・・・すべては伊勢議員の策謀だったと古美門に告げられ動揺する。

富樫の浅井への謝罪を条件に証拠捏造への協力を証言する吉岡。

そうなれば証拠の違法収集を根拠に控訴に勝算が出てくるのである。

たやすく・・・謝罪を引き受けた富樫だったが・・・吉岡は浅井の遺書を富樫につきつけるのだった。

その遺書には・・・「政治家・富樫への尊敬の念」が綴られていたのである。

その言葉は政界のフィクサーの冷たい心に突き刺さるのだった。

すべてを飲みこんで・・・得意の寝技に持ち込むために辰巳検事と対峙する古美門。

しかし、「勝利のためには悪もいとわない」辰巳は「自分が滅んでも闘う決意」を披露する。

古美門は好敵手の出現を感じるのである。

控訴のための書類作成を終えた二人の弁護士の元へ・・・マイ・ヘリコプターの夢を打ち砕く一本の電話がある。

「控訴は断念し・・・刑に服す」・・・富樫の決断だった。

再び・・・富樫の屋敷に呼ばれた二人である。

「先生の決断は正しかったと思います」・・・すっかりリラックスした黛である。

「ふふふ・・・証拠捏造という検察のアキレス腱を握ったのだ・・・こういうものは・・・秘密にしてこそ威力があるのだよ」

「え・・・」

「さすがは・・・先生・・・検察を転がすつもりですか・・・」

「ふふふ・・・今度、娑婆に戻ってきたら・・・私は無敵だ」

「えー、そんな・・・」転んでもただでは起きない男たちに呆れる黛。

「それより・・・君、その目はいい・・・私は政治家を見出す力だけは人後に落ちないつもりだ・・・。どうだ・・・立候補して・・・富樫ガールにならんか・・・」

「なるほど・・・さすがは先生お目が高い・・・」

「そんな、それはダメです~、それだけはいやああああああっ」

第三回臀部接触対ショック防御姿勢を展開する黛だった・・・。

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2012年5月15日 (火)

もう、どうでもいいのさ(新井浩文)モテキ終了~ス(戸田恵梨香)怪しいチームメイト(大野智)

「私は神の意志を感じる女」(関めぐみ)でもよかったのだが・・・ジャンルの違うドラマになってしまうからな。

歪みは恐ろしくもあるが、美しくもある。

地球は完全なる球体ではなく、赤道半径がおよそ638万キロ、極半径が636万キロでほんの少しつぶれている。

しかし、おそらく美しい惑星なのである。

けれど・・・人々は時に歪みを醜く感じる。

「顔を醜く歪ませる」などという表現も可能である。

美少女があえて・・・変顔を作るのは近寄りがたい美しさを消して親しみやすさを演出する場合がある。

もちろん・・・自分の美しさに対する衒いの場合もある。

さらに・・・単に悪意を示している場合もある。

しかし、美しいものが醜く歪んでいることに「愛」を感じるものには逆効果なのでご注意ください。

また、美醜が錯覚の一種であると考えた場合、変顔を続けるうちに「変」が定着することもあるので注意が必要である。

ほんの一瞬しか、出番がない水城里奈(能年玲奈)はどちらにもいける顔立ちなので留意したいと考える。

ついでに言えば、深夜ドラマ「放課後はミステリーとともに」(TBSテレビ)で主役を演じる川口春奈もそういう微妙な位置にいると考える。

いつでも近寄りがたい美少女になれることは女優としては大切な武器ですからな。

変なのは掃いて捨てるほどいるわけですから~。

で、『鍵のかかった部屋・第5回』(フジテレビ20120416PM9~)原作・貴志祐介、脚本・相沢友子、演出・松山博昭を見た。ミステリの基本は謎解きである。しかし、場合によってはこの世のシステムへの懐疑に触れることもある。なぜなら、物語の半分は犯罪者で構成されているからである。犯罪が行われる以上、その成否はともかく、ある程度は犯罪を肯定化しなければならない。あるいは犯罪を許容といってもいい。「あってはならないこと」が「ある」ということにしないと話が始らないからである。当然、ミステリ作家は基本的に半分犯罪者であることは言うまでもない。そして、多くの場合、謎解きをする探偵役も半分犯罪者なのである。ただし・・・このドラマの場合はかなり・・・犯罪者への傾斜の匂いがするわけである。

これまでにも・・・チーム榎本は家宅不法侵入を常套手段にしているわけであるが・・・今回は未成年の喫煙者をかなり黙認している気配が濃厚であり・・・捜査官でもないのにプライバシーの侵害は犯しまくるのである。そして・・・今回のラストでは警察の容疑者リストに東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)が記載されていることが明かされるわけだが・・・。

テレビドラマで・・・どこまでグレイな榎本の倫理観が描ききれるのか・・・少し楽しみな今日この頃である。

ここまでのところ・・・未成年の喫煙・・・大目にみる。ちょっとした窃盗・・・大目に見てほしい。殺人・・・絶対に許さないなのである。

まあ、キッドは最後の点も曖昧な悪魔なのでなんだが・・・テレビドラマとしてはすでに境界線に達していることは言うまでもないだろう。

ここで、あえて「嘘をついていけません」という言葉があるがそれでは「フィクションをビジネスにできない」と虚構作業の従事者たちは常に感じていることを述べておきたい。

この世界では「嘘をつくのが日常」なのである。だから・・・フィクションのすることにいちいち感情を左右されるのは・・・実におもしろおかしいことなのである。

だが、そのような発達障害を抱える人口が増加している気配があり、ちょっと気になります。

それはさておき、脚本家は「プリンセストヨトミ」の脚本家である。

この場であえてツッコミをしておきたい。

1、大阪には大阪人しか存在しないのか・・・パラレルワールドなら何をしても許されるのか。

1、大輔(森永悠希)はスカートめくられたら茶子(沢木ルカ)のスカートをなぜめくりかえさないのか。

1、変態か・・・変態です。

自分にツッコンでどうする・・・。

私にとって・・・榎本さんってなんなのだろう・・・?

新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)は親友の美里(小松彩夏)に榎本との関係を問われ、ふと考える。もちろん、そこには月9的な愛が介入してもいいのだが・・・その愛はドラマにおける青砥の分身的存在の上司・芹沢弁護士(佐藤浩市)に託される。

芹沢はもはや・・・榎本を占有したいほどにラブなのである。脚本家は「私を旅館に連れてって」「めだか」「鹿男あをによし」などで唐突だけどほのぼのとした恋愛感情を巧妙に描いてきたので・・・本作もかなりそこに連なってきました。

この味は捨てがたいですな。

ドアに鍵のない密室

・・・という不可解な状況のために・・・警視庁捜査一課の鴻野刑事(宇梶剛士)は専門家として榎本を呼び出す。たまたま一緒にいた青砥同伴である。

震度4の地震で歪んでしまった新築の家。

そこで死体となって発見された明新工務店社長の竹本(田窪一世)は手抜き工事の責任を負って補修作業中だったと言う。

明新工務店の買収に絡んでいた芹沢弁護士は不祥事の発生に困惑顔で事情を調べにきたところで・・・鴻野刑事が榎本を招聘したことを知り、不快感を覚える。

榎本は俺のものだ・・・

・・・嫉妬であった。しかし、芹沢の複雑な気持ちとは無関係に真相究明が始まるのだった。

部屋には不自然な点があります。

窓には鍵がかかっていますが、部屋のドアは枠が歪んでいてしまりにくい状態だったにもかかわらず、内側から強引に閉められている。しかし、そのために必要なソフトハンマーなどの道具が室内にない。また、室内の壁や床には妙なところにガムテープが貼られています。そして、部屋には吸気ダクトという穴が二か所開口しています。犯人があえて密室状態を演出した可能性があり・・・その場合は他殺の可能性があります。

榎本はたちどころに犯罪の可能性を指摘する。

容疑者として浮かび上がったのは恐喝すれすれのクレームで無料補修を勝ち取った家主の東京都立望ヶ丘高校教師で同校野球部顧問の杉崎(新井浩文)である。

欠陥住宅を買わされた杉崎だが・・・被害者は無料補修を承知しており・・・動機が薄い上に被害者の死亡時刻には野球部の練習を指導しているというアリバイがあった。

しかし、野球部の練習メニューには一時間の校外ランニングがあり、アリバイはたちまち崩れてしまう。

やがて・・・杉崎には同校教師の飯倉加奈(関めぐみ)という婚約者がいることが判明する。

青砥が女性的興味から二人のプライベートについて尋ねると飯倉の口からはある意味、病的で恐ろしい事実が語られる。

私は彼の友人に失恋して・・・不安定な気持ちの時に彼に優しくされてなんとなく交際を始めたのですが・・・いざ結婚するとなると本当にこれでいいのか・・・という気持ちになってきました・・・彼よりもっと私にふさわしい人がいるはずだという気持ちが強くなっているときに地震が起きて新居となる予定の家が歪みました。私には神様がこの結婚は不吉だと告げているとはっきり感じられたのです。

まあ、ある意味、境界線上の飯倉加奈である。関めぐみもヤンデレでもないただのビョーキの女が定着してしまう気配である。しかし、それを案じて抑制してしまっているのでさらに中途半端な感じになっちゃってますな。ここが踏ん張りどころですぞ。

愛する女性の心変わりに・・・最初から不安を抱きつつ交際してきた杉崎は心が歪んだのであった。

心の歪みには伝染性があるからである。

この世の理不尽さに杉崎は憤怒し・・・その怒りの矛先は・・・手近なところにいた家の歪みの責任者である竹本社長にむけられてしまったのだ。

激情が過ぎ去れば・・・激情した理由や意味は本人にも不明なことがある。

この家には悪霊が憑いていたのかもしれない。

・・・いや、だからホラーでなくミステリですから。

謎解きである。

杉崎はバックドロップで竹本社長を即死させた後、吸気口からピッチングマシーンでテニスボールを室内に撃ち込み、ドアを閉じた後、家の傾斜によって一ヵ所に集まるテニスボールを回収するために張ったビニールシートを吸気口から手繰り寄せ、テニスボールを掃除機で吸引して排除・・・おいっ・・・手づかみで取り出し・・・おいおい・・・ボールかじり虫を室内に放ち・・・おいおいおい・・・吸気口からビニールシートを引きずり出して、密室を完成させたのだった。

明らかに発狂しています。しかし・・・狂人はとんでもないことを実現させるものですからねえ。

もちろん・・・狭い吸気口からビニールシートを引きずり出す部分は実験されず・・・各人の妄想(イメージ)に委ねられますが・・・

そりゃ・・・かさばるだろうーーーっ

という全国各地のお茶の間からの絶叫が確かに聞こえました。ちり(つぶやき)もつもればやま(さけび)となりますからな。

芹沢はチーム榎本の勝利に快感を覚え・・・。

そうか・・・私たちはチームメイト

と青砥は微笑むのだった。

例によって・・・榎本の心は定かにはされない。

チーム榎本から疎外された鴻野刑事だったが・・・実は榎本に対して疑惑の目を向けているらしい。

彼もまた・・・嫉妬の炎に身を焦がしているのか・・・。

これは歪んだ愛の物語となっていくのだろうか・・・ならないと思うよ。

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2012年5月14日 (月)

弓をとって叫べ!子供だましの伝説にゃもうごまかされやしない(松山ケンイチ)

(波岡一喜)でもよかったのだが、二週連続主役じゃないタイトルになっちゃうからな。

ついに牙を剥く武士たちの魂の叫びである。

どうせ・・・血を流さずにすまぬなら・・・自分のために血を流したい。

どんなバカにも分かる道理なのである。

しかし・・・どんな世にも血の呪縛が存在する。

すめらみこともいぬのこもみな父母があって生まれるもの。

情けがあればこそうらめしく、慈しみがあるからこそ鬼となる。

父が子を裏切れば、兄は弟を討ち、母が子を騙せば、弟は兄を侮る。

運命に操られ・・・天下太平を願えば願う程、天下大乱の道を招く男の宿命の旅が今・・・始りました。

で、『平清盛・第19回』(NHK総合20120513PM8~)脚本・藤本有紀、演出・渡辺一貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は意表をついて藤原道隆流従三位皇后宮権大夫・藤原忠隆の四男にして、従四位下武蔵守信頼のブー頼な描き下ろしイラスト大公開でございます。そうきましたかーーーっ。まあ、家成(佐藤二朗)逝去の後にこの枠を背負って立つは信頼(塚地武雅)しかないかもしれませんなーーーっ。どんな枠なんだ。なにしろ、信西がスマートに見えてきますからなーーーっ。それにしても家成の子・成親はともかくとして後白河天皇の寵愛を受ける信頼を妄想することは阿鼻叫喚の地獄絵図でござりまするねえ。

Tairakiyomori17 近衛天皇の崩御は久寿二年(1155年)七月のことである。その直後、源義朝の命により、長男・義平が義朝の弟で源氏嫡流の旗を掲げる源義賢を殺害する大蔵合戦が発生する。すでに左大臣派に属する父・為義と鳥羽法皇・美福門院・関白派に連なる源義朝は決裂したのである。王家の相続、公家の相続、武家の相続が混然一体となり・・・血で血を洗う時代の幕開けとなった。後白河天皇が即位し、九月には美福門院の養子となっている守仁親王が立太子される。久寿三年(1156年)四月に新帝即位の儀式が行われ、保元に改元され・・・いよいよ・・・保元の乱の開幕である。前の前の天皇である崇徳上皇は皇位継承の政治から締め出され・・・あなにくしの歌を残される。そして、新体制の主導権を握った信西により、左大臣・藤原頼長もまた朝義から遠ざけられてしまう。摂関政治復活の夢は断たれ、後白河天皇の左右には鳥羽法皇の寵臣の子息たちと・・・自由貿易主義の信西が台頭するのだった。崇徳上皇と悪左府藤原頼長・・・二人の巨大な生ける怨霊を残して・・・三人の息子を帝位につけながらも祖父・白河法皇との相克に苦悩し続けた鳥羽法皇は保元元年七月・・・この世を去ってしまう。

鳥羽法皇が辛うじてつなぎとめていた平安の糸はついに切れたのだった。

大火により、大内裏の修復は遅れ、御所はさびれていた。鳥羽法皇は鴨川下流の鳥羽殿で院政を行っていた。所謂、里内裏である。鳥羽法皇と距離を置きつつ、崇徳上皇はその近在の田中殿に居を構えていた。吉報を待ちつつ・・・ついにそれを聴かぬままに時は流れて行った。かって・・・不遇の身を寄せ合っていた同母弟が今や今上天皇である。

系譜上の父の父の父である白河法皇を実の父とする崇徳上皇は系譜上の父である鳥羽法皇とは叔父と甥の関係になる。鳥羽法皇は崇徳上皇を叔父なのに子であるということから叔父子と呼んで忌み嫌った。

そのもつれた関係の果てが今である。父の父の父と父、二人の男に寵愛された待賢門院が世を去って十年。異母弟に譲位し名ばかりの上皇となって十四年・・・。崇徳上皇は重苦しい気持ちで北の空を仰ぐ。

田中殿の北・・・藤原摂関家の屋敷である東三条殿の間近に後白河院は高松殿御所を開いている。その北には美福門院の屋敷があり、西には後白河天皇の乳父・信西入道の館、南側には鴨川をはさんで東に平氏の六波羅館、西側には源氏の堀河館がある。

「みな・・・肩をよせあって・・・睦まじいことだ・・・」

崇徳上皇は胸にせまる寂寥感に唇をそっと噛んだ。

その頃、堀河源氏館では修羅場が繰り広げられていた。

「なんじゃと・・・もう一度申してみよ」

「先ごろ・・・武蔵国比企の地で謀反いたした弟・義賢を我が子・義平が討伐せしおり・・・取り戻した源氏伝来の友切の太刀が届きましたゆえ・・・これより、河内源氏の棟梁をこの義朝が務めまする」

「そんなことは・・・子であるおのれが決めることではないわ」

「父上・・・義賢を失っただけでは気が済まず・・・四郎義頼を信濃の国より上野の国に送り出しましたな・・・鳥羽の法皇様の崩御で義頼が引き返したから事無きで済みましたものの・・・もはや・・・猶予なりませぬ・・・隠居なされよ」

「何を申すか・・・」

「父上の頼みとされる・・・悪左府殿ももはや・・・なんの権限も持たぬただの公家となりはてましたぞ」

「黙れ・・・」

「聞き分けられぬか・・・ならば・・・是非もなし」

義朝は父の身体を抱えあげた。

「八卦よい」

「う・・・」

義朝は為義を釣り上げたまま、有無を言わせず、館の門へと向かっていく。

そして、放り出した。

「いずこなりとも、出ていかれませい」

土煙を上げて背中から着地した為義はうめき声をあげる。

源氏の館の郎党たちは息をひそめていた。

「このようなことが・・・あってよいものか・・・」

しかし・・・為義の声に応じるものはない。

「おのれ・・・おぼえておれ・・・」

為義は唾を吐くと・・・よろよろとたちあがり、とぼとぼと北へ向かって歩き出した。

もはや頼るべきは土御門殿に籠る藤原頼長しかなかった。そこで・・・四郎頼賢をはじめとして各地に散っている郎党を呼び集める他はない。

ぽたり、ぽたりと、子によって家を放逐された男は都路に血の涙を落としている。

その果てにある土御門院では「なにもかもけしからぬ」と独り言をつぶやきながら、左大臣・藤原頼長が唇をかみちぎる。つーっと堕ちる悪しき鮮血。

その頃、武蔵の国での任務を終えた西行と波留は信濃路をたどっていた。

その背後から・・・騎馬武者が一騎、山道を駆けてくる。

咄嗟に忍びの頭領とくのいちは身を消す。

行く手に人影を見た・・・と思った騎乗の武者は殺気を放つ。

しかし・・・道なき道に人の気配はない。

「もののけか・・・」

騎馬武者は背に幼子を背負っていた。源義賢の遺児・駒王丸である。

騎馬武者は義平の郎党である・・・畠山重能が討つに討てなかった駒王丸を預かり・・・信濃国の中原一族に届ける任を引き受けた武蔵の国長井庄の武将・斉藤実盛だった。

甥が叔父を討つ修羅の世界にも・・・人の心は残っていたのである。

後に源義仲となる駒王丸を背に斉藤実盛は昼なお暗き森を駆け去っていく。

樹上から西行と波音はその姿をしばらく見送っていた。

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2012年5月13日 (日)

国会議事堂中央塔最上階よりの展望とエリカの花言葉は孤独(長澤まさみ)

四代目国会議事堂の竣工は昭和十一年(1936年)である。つまり、現在の議事堂は東京大空襲でも焼失しなかったわけである。

民家密集地を焼け野原にしておきながら、国会を焼かなかった米軍の戦略的思考はある意味、都市伝説である。

もちろん、帝国の陰陽師たちが結集し、結界を張っていたためであることは言うまでもない。

B-29搭乗員はついに上空から国会議事堂を発見することはできなかったのだ。

いや、単に占領後に利用しようと想定しただけだろうと夢のないことを言ってはいけません。

で、『都市伝説の女・第5回』(テレビ朝日20120511PM2315~)脚本・後藤法子、演出・塚本連平を見た。国会議事堂中央塔は公式には九階建てであり、九階には展望室、八階には大広間がある。大広間の中央にはらせん階段があり、階上の展望室につながっている。しかし、大広間および展望室は完全に閉鎖されており、選ばれた職員以外には国会議員といえども立ち入りが禁止されている。もちろん、選ばれた職員がゼロゼロナンバーを持っていることは言うまでもないだろう。つまり、シークレットサービスマン関係の人々です。

国会議事堂のピラミッド型の階層内にある八階大広間ではかってダンス・パーティーが夜毎、開催されていた。パーティー参加者の女性が失恋による傷心から投身自殺して以来、チャイコフスキーの「くるみ割り人形より花のワルツ」にのった女の哄笑が聞こえて聞いたものを発狂せしめるために現在は閉鎖されているのである(フィクション)・・・。

・・・そんな都市伝説がらみの事件が発生。

「私・・・見知らぬ男を殺してしまった」・・・警視庁副総監・武(伊武雅刀)に届いた知らせはヤンキー上がりの元・風俗嬢にして参議院議員・大楠桜(山口紗弥加)からのものだった。

武ちゃん、桜ちゃんと呼び合うわけありの関係である副総監はただちに武ちゃん、月ちゃんと呼び合うわけありの関係である音無月子巡査に特命捜査を命じる。

そのために・・・月子の相棒に指名されたのが・・・警視庁捜査一課の丹内主任刑事(竹中直人) だった。

「なんで上司の俺が部下なんだーーーっ」という丹内の叫びも空しく捜査は開始されたのである。

被害者は毎報新聞政治部記者・本間(島津健太郎)でナイフで刺殺され、凶器は死体に残されていた。現場検証中の警視庁鑑識課の勝浦(溝端淳平)は月子と長く付き合ったために霊媒体質となり、たちまち白いドレスの女の霊に憑依されてしまうのだった。

しかし、最後の力をふりしぼり、被害者の手からエリカの花模様の古めかしいリボンを回収する。もちろん、エリカの部分はタイトル用のでっちあげです。・・・でっちあげるなよ。

一方、第一発見者である・・・桜議員は「白いドレスの女に憑依されて殺してしまった」とあいまいな証言を繰り返す。

月子は妖しい結界を張り、悪霊はよせつけないからと桜議員をなだめるのだった。

「昨日、朝まで生テレビ(タイトルちがうだろう)のような番組(そうきたか)見てました。ミニスカートがかわいかったです」

「あなたのミニスカートもかわいいわ」

・・・とミニスカ談義で盛り上がる二人をよそに丹内は桜議員を加害者として追及する。

「なんで殺した・・・」

「わかりません・・・」

不毛な展開である。

もちろん・・・すでに直感で月子は事件の真相を見抜いているのである。

だから・・・早速、朝まで生テレビみたいな番組で桜議員と論争していたベテラン議員にして子育て支援担当大臣・華岡秋代(銀粉蝶)への事情聴取に向かうのだった。

「名門華岡家出身のあなたなら・・・国会議事堂の都市伝説についていろいろご存じなのでは・・・」

「そうねえ・・・くわしいことは・・・秘書に聞いてちょうだい」

華岡議員の第一秘書・池添幹夫(品川徹)は都市伝説については一笑に付すが・・・国会議事堂の秘密にはいかにも精通している様子なのだった。

声が大きい丹内を勝浦の替わりに自宅に連れ込んだ月子。

丹内は月子の上から下からサービスに小声になってしまうのだった。

そして・・・入院中の勝浦を見舞うのだった。

勝浦は_| ̄|○な状態だったが・・・被害者の握っているリボンを数多くの資料から・・・桜議員と華岡議員に共通するアイテムとして割り出すのである。

「やはり・・・二人が・・・事件の鍵を握っている・・・」

華岡議員のアリバイ証言で・・・月子は事件の裏に潜む新たな都市伝説を発掘する。

国会議事堂は脱出用の巨大人型兵器とコアファイターを内蔵している

・・・じゃなくて

国会議事堂地下には議員専用のファッション・マッサージとホスト・クラブがある

・・・いい加減にしておけよ

国会議事堂には核シェルターおよび総理官邸に通じる秘密の抜け穴がある

・・・なのである。

この通路を使えば・・・華岡議員のアリバイは崩れるのだ。

副総監のコネクションで地下通路への侵入を許可される月子と丹内。

お化け屋敷でGO展開である。ここは暗視カメラ映像にするべきだったな。

しかし、月子は井森美幸ではないので泣かないのである。

代わりに脱兎の如く逃走する丹内であった。しかし、そのために通路が確かに首相官邸の中庭に通じていることが確認できたのである。

一方、月子は桜議員の第一秘書・野元(小野了)の死体を発見してしまうのである。

やがて・・・うかつにも監視カメラで秘密の通路を利用するところを撮影されていた秘書の池添・・・という衝撃の事実が明らかにされるのだった。

なにしろ・・・都市伝説なので・・・誰もそれが秘密の通路だとは思わなかったのである。

ついに証拠がそろってしまい・・・月子は都市伝説としての事件の真相を放棄せざるをえないのだった。

「この事件は・・・白いドレスの女の呪いではなくて・・・実は桜さんは捨てられた女の子で・・・捨てたのはなんと華岡議員・・・でも・・・桜さんは実の母を憎んでいなかった・・・そんなところに金に汚い新聞記者がたかりにきたので・・・秘書の池添が刺殺・・・桜さんは母親の犯行を疑い、自首・・・これは捜査妨害になります・・・真相に気がついた桜さんの秘書も池添さんがもみ合いの末、殺害してしまうという・・・なんとも普通の事件だったのです。・・・残念な結果になりました・・・うっかり連続殺人事件になっちゃたしねえ」

「申し訳ありません・・・」土下座する秘書。

しかし・・・華岡議員は

「秘書の罪は私の罪・・・私は議員を辞職します」

と潔いのだった。秘書の監督責任をとる国会議員も都市伝説の一種なんだな。

きっと・・・次回の「リーガル・ハイ」でも小沢悪党面親分への風刺がふんだりけったりで炸裂展開するのでこれは局も枠も越えた予告篇なんだな・・・きっと。みんな落ち目の政治家に容赦ないな。

とにかく・・・都市伝説の女を讃え、エリカの花は孤独・裏切り・幸せの予感を示して風に揺れるのである。

おっと・・・忘れていた。

「好きな人の名前を書いた消しゴムを最後まで一人で使い切ったら恋が叶うよ」(月子)

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2012年5月12日 (土)

時の過ぎゆくままに、たとえ時が流れたとしても(竹野内豊)

さて、天使テンメイ様の指摘している通りにこのドラマにはグリム童話の「いばらひめ」が登場する。

第一回でくも膜下出血によって卒倒する可南子(和久井映見)が子供たちに読み聞かせていたのが「いばらひめ」だったのである。

「いばらひめ」はペロー童話では「眠れる森の美女」である。グリム童話とペロー童話にはいくつか相違点があるが・・・基本的には「呪いによって昏睡した王女が王子によって目覚める」という話である。

呪いは糸車で糸を紡いでいるときに紡錘と呼ばれる一種の針で王女が刺されると発動するのである。

そして、王女はいばらの森に封鎖されて眠り続ける。

糸による連想から・・・呪いをかけたのがくも系の魔女だと考えることもできる。

すると・・・くもの巣とくも膜がシンクロしているわけである。

それはそれとして・・・現代の波留(竹野内豊)と可南子にかかった呪いとは何だったのだろうか。

少なくとも・・・その一つが「DINKS(ディンクス)」という潮流であることが今回、示されたと思う。

脚本的にはやや・・・若書きなので・・・唐突感があるが・・・話の流れ的には澱みなく・・・そういう狙いだったことが分かる。

もっとも単純に言えば「Double Income No Kids(共働き、子供なし)批判」なのである。

賛否はあるかもしれないが・・・現代においてもっとも語られるべき重要なテーマを甘いラブ・ストーリーに包んで出してきたのである。

その志は高いが・・・果たして、それが作品として結実するかどうか・・・興味深く見守っていきたいと考えます。

で、『もう一度君に、プロポーズ・第4回』(20120511PM10~)脚本・山上ちはる、演出・村上正典を見た。脚本家はチェンジしたが、話の方向性や、全体に流れる好ましいムードは維持されていて安堵したというところだろう。若手作家による脚本で一番、気になったのは「母性本能」というものの描き方である。幼子に対する人間の自然な慈しみの感情を肯定的に描くのは現代においてはかなり難しいのである。なにしろ、道で遊んでいる子供があまりにも可愛いので頭をなでたりすれば逮捕されてしまう可能性のある恐ろしい時代なのである。その点、些少ですがギクシャクしましたな。ま、特に問題ない程度でしたが。まあ、妄想補正はやむなしでしたがーーーっ。

さて・・・ここまで明らかになっていることで一番重要なことは・・・「波留が養子であった」ということであろう。

まだ・・・どういう事情で波留がそうなったのかは明らかとされていないが・・・記憶を失う前の可南子はその一点で・・・波留を気遣っていた。今回はそこから・・・可南子に生じたひとつのわだかまりが描かれるのである。

その他に生じるさざ波・・・ミズシマオートの整備士の桂(倉科カナ)の波留への仄かな片思いや、甘えん坊の弟・裕樹(山本裕典)の幻想的な姉・可南子への思慕などはある意味、装飾品に過ぎないのである。

もちろん・・・DINKS批判としてドラマをとらえれば、桂と裕樹の設定もかなり計算高いものであることが見えてくる。

今のところ、桂はストレートに結婚、出産、育児を願う女性の代表として描かれる。ただ、獲物としての相手が妻帯者・波留であるために・・・やや危険な香りがするだけである。

裕樹は性格や年齢から・・・まるで異質なキャラクターと感じられるかもしれないが・・・実はもう一人の波留なのである。

なぜなら、彼はDINKSの予備軍であり、さらに言えば、DINKSの進化系なのである。

今回、裕樹の母親・谷村万里子(真野響子)の秘密の行動が描かれる。

裕樹は家族の一員、しかも働き手として給料を母親に渡し、それを誇りに感じてる。

彼にとって家族とは「谷村家」に属するものだけである。言わば裕樹は最初から谷村家を一歩も出ていない引きこもりなのだ。だからこそ・・・波留に異常な敵対心を持っているし、恋人と言う名のアクセサリーである増山志乃(市川由衣)を同じ心を持った人間だとは思っていないのである。裕樹自身が自覚しているかどうかは別として・・・裕樹は一生を宮本家で過ごしても構わないという精神構造を持っている。

おそらく・・・裕樹は永遠に三人家族で時を過ごしたいと幻想的に願っているのである。

これに対して・・・母親の万里子は裕樹から渡された金を家計から除き全額貯金している。

つまり・・・家計とは無関係の子供の独立資金として貯蓄しているのである。万里子は核家族世代として子供の自立こそ・・・至上命題と考えていることがこれまでの言動から明らかである。

家族への依存を愛と考える息子と、家族からの脱却を愛と考える母親。

その不毛な関係。

この描写だけでもこのドラマにはなかなかの奥行きの深さを感じます。

一方で・・・波留もまた・・・自然な結婚生活を否定的にとらえる・・・歪んだ人格を内包していることが明らかになりつつあるだろう。

それは養子であった「おいたち」に起因するものであることは明らかで・・・可南子にとっての自然な結婚生活に対する障害であったのだ。

波留=裕樹であることがおわかりいただけるであろうか。

二人は・・・女たちが年相応に大人であるのに対して・・・まだまだ子供なのであった。

もちろん、ここで述べているDINKS(ディンクス)とは・・・あくまで、意図的にそうしている夫婦を指している。不妊などによる障害でそうならざるを得ない夫婦とは一線を引いていることをおことわりしておく。

若者がいなくなった社会というものは死の社会である。

なぜなら・・・若者にしかできないことというものがいくらでもあるからだ。

若者にしかできないことをするものが・・・いなくなった社会・・・その恐ろしさを人々はそろそろ感じ始めているわけである。

もちろん、個人の自由を尊重し、刹那的な自己満足にひたり、滅んでいく社会もそれはそれで素晴らしいとキッドは考えます。悪魔ですからな。

・・・自分が記憶を失ったことにより・・・自分以上に苦悩しているかもしれない夫がいる。

可南子の想像はその域に達したのだが・・・それでもまだ夫としての波留を受け入れることはできない。

波留もまた・・・いくら自分が苦しいとしても・・・実際に記憶を失ってしまった可南子の苦しさにはおよばないと想像している。

しかし・・・妻を抱きしめることもできないのはひどくせつないのである。

イバラの森にとらわれた夫婦だった。もっとも物語的にはイバラの森にとらわれているのは可南子で・・・波留は難攻不落の森から眠り姫を救い出そうとする王子様ということになる。

だが・・・前述の通りに・・・呪いをかけられている・・・眠り姫は実は波留なのかもしれないのである。

そのやるせない夫婦の元へ・・・突如として幼子を誘拐したゴブリンが・・・いや、ミズシマオートの古参従業員・蓮沼(渡辺哲)が幼い姪を連れてやってくる。蓮沼は姪を一晩預かることにしたのだが・・・持てあましてしまったのだった。

それどころではない・・・宮本夫妻だったが・・・いたいけない子供の魔力で・・・問題は棚上げされてしまうのである。

そして・・・波留は五年間の交際・同棲・結婚生活をしていたのに全く気がつかなかった可南子の意外な一面に気がつくのである。

可南子は子供が大好きだったのである。

どんだけ・・・観察力ないんだ・・・この男は・・・と場内騒然となるところだが・・・男性にはありがちな現象である。しかも子供と遊ぶのが大好きなんていうと、同性愛者とか、幼児性愛者などと後ろ指をさされかねない・・・恐ろしい時代なのである。

可南子は手早く、子供の大好物であるオムライスを作り、子供を折り紙で遊ばせ、絵本を読んで寝かしつけたのである。

子供がそんなに好きだったのか・・・。

子供とあんなに楽しそうに遊ぶのか・・・。

子供がいないのに・・・子供向けの絵本を持ってたのか・・・。

波留はふと・・・ある日の情景を思い出す。

そろそろ子供が欲しいと言う可南子。

まだまだ二人きりでいいじゃないかと言う波留。

可南子が記憶を失う前の何気ない二人の会話。

気にも留めていなかったそんな会話が重要な意味を持っていたかもしれない・・・波留の心に新たな不安な獣が頭をもたげるのである。

そして・・・そこには波留の知らない可南子が出現したのである。

あの日・・・可南子が映画を見ようと誘った日。

波留は他人の子供の玩具の修理に熱中していた。

そうだ・・・俺は妻の願いよりも自分のやりたいことを優先する男だったのだ。

そのために波留の中でやりきれない後悔の念が生じたのだった。

子供が夜中に目を覚ますと可哀相だからと泊っていくと申し出る可南子。

家に電話すると・・・弟の裕樹は自分の所有物の離反にいらだつのであった。

可南子に感謝しつつ・・・波留は新しく生まれた自分の心の変化に戸惑う。

「あの・・・映画の件だけど・・・無理に行く必要はないからね」

「どうしてですか・・・」

「その・・・無理強いすることじゃないし・・・捨ててくれてもいいし・・・一人で行ってもいいし」

「・・・」

「ひょっとしたら・・・偶然、俺が同じ日に行ったりするかもしれないしね・・・」

「運命的に・・・」

「そう・・・運命的に」

微笑み合う二人・・・しかし寝室は別々である。

可南子は自分が苦しめているかもしれない男のことを思う。

波留はただ耐えているだけで事態が変わるのかと初めて不安を感じるのだった。

翌朝・・・可南子を送りだした波留は蓮沼の姪を連れて職場に向かう。職場でも女たちはややデフォルメした形で幼子をもてはやす。一方でどこをどう勘違いしたのか・・・蓮沼は可南子が妊娠していると・・・職場にデマを飛ばすのだった。

「それでは・・・お祝いをしなくちゃ」と盛り上がるミズシマオートの愉快な仲間達。

しかし・・・事情を知っている桂はそれでは波留にとってあまりに残酷だと感じ・・・ついに宮本家の家庭の事情・・・妻が夫のことを忘却してしまった・・・を話すのである。

あまりの出来事に想像がおよばない・・・ブルーカラーな人々だった。

結局・・・波留を慰めるという趣旨変更をして・・・宮本家になだれ込むのだった。

さらに・・・意味不明の祝杯を重ねると時間帯も考えず・・・可南子の実家に電話をかける始末である。

突然、電話でミズシマオート社員一同に挨拶される可南子。

しかし・・・可南子にとって・・・波留と仲間たちの交流は不快なものではなかったのである。

波留がただ苦しいだけの日々を過ごしているわけではないと知ることは可南子の心を軽くしたのだ。

その様子に谷村家では裕樹が理屈抜きの嫉妬を爆発させる。

「あなたは・・・波留さんを嫌いなの?」

「あんな男・・・姉さんにはもっとふさわしい男がいたじゃないか・・・一哉さん(袴田吉彦)とか・・・」

「あなたは妙になついていたものね・・・でも終った話じゃない」

「・・・」裕樹にとっては「終ったこと」こそが肝心なのだった。終っていない波留は自分の家族=所有物を未だに盗み続けている呪うべき対象なのである。

その弟の歪んだ感情を・・・うかつにも可南子は見過ごすのである。

なぜなら・・・盲目的に姉を慕う弟は可愛い存在でもあるからだ。

疎ましくならない限りにおいてはである。

もちろん・・・弟は姉が自分を疎ましく思う可能性があることには全く思いが及ばないのだった。

とにかく・・・まだしばらくはこの火種はくすぶり続けるらしい。まあ。ほどほどにしてもらいたい。ひとつ間違えると・・・とんでもない方向にいきかねないからである。

いつでも傑作と駄作は紙一重なのである。

可南子の失われた五年間には弟の成長も入っている。

しかし、弟にとってはその五年間は可南子を失っていた五年間なので惜しくはないのだった。

幸運にもあるべきところ・・・谷村家に戻ってきた姉を裕樹はなんとしても拘束しておきたかった。

前向きに人生を考え始める姉に危惧を覚えるのである。

そのことで頭がいっぱいになった弟は仕事にも気が乗らず・・・まして、単なる性欲の捌け口である「恋人」になど構っていられない。

姉の帰還以前と帰還以後の裕樹の豹変に・・・志乃は戸惑うばかりであった。

「私にとってあなたは大切な人だけど・・・あなたにとって私は一体・・・」

裕樹にとっては単なる都合のいい女という「道具的存在」にそんなこと言われても意味不明である。

「そういうことを考える余裕はない」と正直に言う他はないのだった。

一方、水族館の飼育係ではなかった・・・図書館の館長・大橋館長(杉本哲太)は映画「麗しき夜」のチケットを前に考え込んでいる可南子を発見する。

「どうしました・・・?」

「この映画・・・特に観たいと思えないんですよね」

「そうなんですか・・・」

「でも佐伯さん(橋本真実)は私が・・・記憶を失う前に観たがっていたというし・・・橘くん(入江甚儀)は凄く面白くて結末を語りたがるし・・・」

「なるほど・・・謎に満ちているんですね」

「え・・・」

「こう考えたら・・・どうでしょう・・・映画を見に行くのは宝探しと一緒だって・・・ほら・・・今月の推薦図書・・・「宝島」です・・・」

「・・・冒険ですか」

「そうそう・・・宝物が見つかるかどうか・・・じゃなくて・・・宝を捜しに行くことが楽しい時もあるんじゃないかな」

「・・・」

その映画は可南子が波留と一緒に観ようとして結局、すっぽかされた映画だった。

(五年の間に私はこの映画を見たいと思うような女になっていたのだろうか・・・それとも)

可南子は答えを求めて映画を見てみる気になった。

その頃、桂は出会い系ゲームサイトでゲットした年下の男の子とデートらしきものをしていたが・・・なんとなく心ここにあらずなのである・・・失礼な話だが・・・意中の人がいる以上、仕方ないのだな。

意中の人は可南子との思い出がつまった赤い車のレストアに取り組んでいた。

オンボロ車のポンコツ度は深く・・・修理は思うようにならない。

そんな波留にミズシマオートの社長・水嶋(光石研)は声をかける。

「願掛けだったんだな・・・この車が治ったら・・・可南子さんも回復に向かうんじゃないかとか・・・」

「ま・・・そうです」

「頑張れよ・・・壊れたものを治すのが俺たちの仕事だ・・・」

「この間は・・・いつか壊れたものを俺たちは治してるんだな・・・とか言って黄昏てたじゃないですか・・・」

「・・・そうだっけ」

しかし、波留は精一杯の社長の慰めに感謝した。

帰宅した波留は一人、またもやコンビニ弁当である。

脳裏によぎるのは子供をあやしていた可南子の屈託のない笑顔だった。

変形する折り紙で子供を驚嘆させていた可南子・・・。

その可南子の姿に胸を突かれた波留。

こうなれば可南子の日記を盗み読みせずにはいられないのだった。

2009年 2月18日

ケンカしたので・・・ちょっとした叛乱。

思いっきり深夜に帰宅したのに・・・波留は何事もなかったように

コンビニ弁当を食べながら「お帰りなさい」なのだ。

まいってしまうのだ。

2009年 6月21日

梅雨なのだ

今日も雨なのだ

波留はすぶぬれでご帰宅なのだ

バイクが好きなのはわかるけど・・・

雨の日くらいはバスでいけばいいのにね・・・

心配しているこっちのことも少しは考えればいいのだ

2009年 8月16日

お盆の集まりなのだ

家の中は幼稚園状態・・・。

走り回る子供たち。

千津子おばさんは・・・私もそろそろ子作りすれば攻撃である。

遠慮がないからまいっちゃうのだ。

・・・波留の心に情景がよみがえる。

夏のある日・・・ベンチでバスを待つ二人。

「本当のところ・・・そこんとこ・・・どうなの」

「子供かあ・・・俺はもう少し・・・可南子と二人がいいかなあ・・・まだまだバイクで遠出とかしたいし・・・」

そして日記は続く。

・・・なんだかはぐらかされちゃった。

でも・・・波留の気持ちもなんとなくわかる・・・。

特別な過去を持つ波留にとって・・・人の親になるということは

きっと特別な意味があるのだろう・・・

もう少し待ってみることにしよう。

それしかないのだ。

・・・そして・・・可南子を待たせたまま三年の月日が流れていたのだった。

波留は自分のうかつさに気がついてしまったのだった。

可南子のことなんか・・・全部わかっているつもりだった自分。

可南子のわだかまりにちっとも気づかなかった自分。

思い悩みながらソファで眠りこむ波留である・・・風邪ひくぞ。

そんな波留を叩き起すのは・・・養父の宮本太助(小野寺昭)である。

「俺にお前の悩みを話してみないか」

「暇なんだな・・・」

「暇つぶしにはもってこいは広島カープののカープじやないか」

「・・・実は、俺・・・可南子のこと・・・何もわかってなかったんじゃないかって・・・反省してた」

「なんだ・・・そりゃ・・・よし、支度しろーーーっ」

二期連続、バッティングセンターにお出かけである。ただし、父はカープファン、息子は元・高校球児という設定なので違和感がありません。フリがあるってのは大切だよな。

父子でバッティングセンターは父子でキャッチボールの延長線上にあるのだ。

ここで殿下じゃなかった・・・波留の父は自慢の喉を披露するのだった。

「時の過ぎゆくままに/沢田研二」である。

時の過ぎゆくままに

この身をまかせ

堕ちてゆくのも

しあわせだよと

・・・である。

本当は

からだの傷なら なおせるけれど

心のいたでは いやせはしない

とか

あなたはすっかり つかれてしまい

生きてることさえ いやだと泣いた

などと・・・息子夫婦の状況には酷な側面のある歌です。

「うだうだ悩んでいても・・・過ぎ去った過去は変えられないぞ。今あるものでなんとかしろって・・・床屋の親父が言ってたぞ」

「・・・わかった・・・今を悩みに言ってくるよ・・・」

「そうか・・・」

その頃・・・可南子の実家では・・・まるで符牒を合わせたように谷村万里子(真野響子)が亡夫にりんごを供え「結婚生活」について語り始める。

「私にも・・・波留さんと結婚生活を続けていた理由があったのかな」

すかさず・・・割り込んで毒を吐く、裕樹である。

「ただの・・・惰性じゃないの?」

弟の単なる願望には付き合わず、万里子は娘に告げる。

「きっと、あったと思うよ・・・だってあなたたち夫婦はちゃんと夫婦していたもの・・・少なくとも私にはそう見えた」

「そうなのかな・・・」

「捜してみればいいじゃない・・・あなたが結婚生活を続けていた理由を・・・」

「でも・・・」

「今のあなたができる捜し方が・・・きっとあると思うわ」

「そうかな・・・」

こうして・・・二人はそれぞれの道をたどり・・・映画館に向かったのであった。

先に到着したのは可南子で・・・場内が暗くなってから波留が入ってくる。

二人はお互いの存在に気づかず・・・映画を見て・・・そして爆睡した。

なにしろ・・・いろいろあって疲れている二人なので・・・映画「麗しの夜」を責めるのは控えてください。

「その曲は弾くなといっただろう」

「私が頼んだのよ・・・二人の思い出の曲だから」

「本当は『たとえ時がすぎようとも』っていう意味だけど日本では『時の過ぎゆくままに』ってタイトルになるんでさ」

「酒場は星の数ほどあるのになぜこの店に来た」

「イングリッド・バーグマンが相手ならさぞかし麗しき夜だったでしょうな」

「私たち最初の方はどうだったの」

「そんな昔のことは忘れたね」

「私たち二人の結末はどうなるのかしら」

「そんな未来のことはわからないよ」

「1942年にはアメリカ軍は日本軍には押されてましたが、ドイツ軍にはそろそろ勝ちそうでしたよ」

「君の瞳に乾杯」

・・・いつの間にか眠りこんだ可南子が往年の名画「カサブランカ」のような悪夢から目覚めるとすでに場内は明るくなっていた。

ふりかえると・・・そこには爆睡している波留がいたのである。

目覚めた波留は可南子を発見して・・・驚いた。

二人は・・・そこはかとなく・・・運命という魔法を感じたのである。

映画を見て・・・コーヒーを飲みながら感想を語り合ったり・・・デートする。

高校生のような二人だった。

「寝ちゃった・・・」

「・・・俺も」

「チケットもらっておいて・・・なんですけど・・・ちっとも興味がわかなくて・・・」

「退屈だったよね」

「どうして・・・こんな映画を私は見たがったのかしら・・・謎でした」

「そうなんだ」

「でも・・・少し分かった気がします・・・きっとただ二人で映画を見たかったので・・・映画は何でもよかったんだと思います・・・」

「・・・」

「なんだか・・・そう思えただけで・・・少し前に進んだみたいな気がする・・・おかしいですよね」

「そんなことはない・・・きっと前へ進んだんだよ・・・俺も・・・前に進んだから」

「・・・」

微笑む二人だった。

「じゃあ・・・ここで・・・」

波留は可南子の後ろ姿をしばらく見送った。

そして・・・家路に着く。

しばらく・・・歩いた可南子は振り返った。

そして・・・波留の後ろ姿に微笑む。

どこからか・・・歌が聞こえてくる。

愛してる 

そんなこと

いまさら

きけないけど

やがて・・・その歌は翌朝の「梅ちゃん先生」の劇中歌にシンクロしていくのである。

偶然というものは恐ろしいものだ。

だが、別のドラマで完成してしまうというのは・・・今回の脚本はやや甘くて深みが足りなかった証拠にもなってしまうのですな。

とにかく・・・不足していたのは・・・それは「As Time Goes By」(1931年)というスタンダード・ナンバーだった。

これだけは忘れてはいけないのだ

キスはキス

ため息はため息

たとえ時が流れたとしても

変わらないものがあるのだ

男には女

女には男

たとえ時が流れたとしても

ささやく言葉は

愛してるなのだ

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今回の脚本家には微妙な味わいがないとお嘆きの天使テンメイ様のちょっと辛口レビュー

Mako004ごっこガーデン。夏のベンチセット。まこはうぅん・・・おでことおでこがごっつんこなのデス~。この後は月の光の下で甘いラブソングを聴きながら・・・ドラマにはないチュ~をするのでしゅ~。愛は昔からなにひとつかわりゃしないのだ~・・・キスしてボギャ~ンなのだ~ってことなのダー。♪こわれたピアノで思い出の歌、片手でひいてはため息つくので、ピアノぼぎゃ~んしてくだしゃい。まこはその間にラブなオムライスで休憩シテマスから~mariきゃあ~、間に合わず、まだ三話、じいやは予告篇部分カットしてるのね~、まあ蛇足ですものね~、あらあら4話できました~みのむしありゃりゃ~、私もまだ三話・・・弟出して、元カレ出して、ドロッとしないと気が済まない人もいるからね~、我慢がたりないよね~

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2012年5月11日 (金)

めくらまし・・・身悶えするノクターン(緒川たまき)いつまで綺麗なんですかね(谷村美月)

夜のメイド(緒川たまき)である。

いきなり、登場でにょにょにょにょ~であり、苦悩する父と娘とか、ヒロインとかを背景化してしまう・・・圧倒的な存在感。

有頂天ケラの妻ももう40才になったのか・・・衰えないな・・・。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第6回』(日本テレビ20120510PM2358~)原作・安田依央、脚本・森下直、演出・三島有紀子を見た。ショパンのノクターン(夜想曲)9-2はショパンが22才の時、パリの華やかな女性たちのために捧げられた甘美な一曲である。この曲はピアノ工房の主人カミーユの妻マリーに献じられている。マリーはショパンより7才年上のベルリオーズの元・婚約者で・・・ベルリオーズは裏切られたショックで関係者一同を射殺するための拳銃を用意したという。しかし、思いとどまった。それが1931年の出来事。この曲はその翌年に作られている。美しい旋律の彼方に男と女の深くて暗い河が流れています。

「いらっしゃいませ・・・旦那様がお待ちかねでございます」

幻惑されるほど美しいメイドの佐藤さん(緒川たまき)に案内されて・・・神崎の邸宅を訪れたマキ(谷村美月)である。

なにやら資産家・・・あるいは高名な音楽家かもしれない神崎隆一(浅野和之)は浮気三昧の果てに離婚し、幼い娘は母とともに英国に渡った。それから15年・・・失明して老境を迎えた隆一はメイドの佐藤さん・・・にも暮らしに困らないほどの財産を残す決心をしたのであった・・・いや、それは本筋ではない・・・別れた娘にもう一度会いたいと熱望するのである。まあ、変則的な「父帰る」(菊池寛)でございます。

一方、娘の桐嶋美響(松山愛里)は優秀なピアニストとして成長、まもなく世界的コンクールに挑戦するデリケートな時期である。

一時帰国した美響は幼い頃に自分を捨てた父を罵ってやろうと出かけるが・・・老いた父を見て気分が萎え・・・同時にスランプに陥ってしまう。

傷心の母と衰えた憎むべき父の間で葛藤したあげくにピアノ恐怖症になってしまったのである。

「父と決別しなければ心の病が治らない・・・しかし父と会うのは恐ろしい」美響に代わって・・・マキは「父と決別する娘」を演じることになる。しかし・・・おそらくマキにも父とのなんらかの葛藤があり・・・なかなか、その気になれないのだった。

「母を捨てて愛人の元へ走った穢れた父の血が流れている私の音楽は穢れている」などという展開は「ベトナムで人を殺しまくった俺が美しいピアノを奏でられるはずがない」と黒人ピアニストが憂う「海を見ていたジョニー」(五木寛之)を思い出させる甘美な感じですな。

まあ、捨てられたものとか、人を殺めたものの気持ちはなかなかに人それぞれですからなあ。

しかし・・・ピアノなんて・・・弾いたこともないマキは「一曲弾いてください」と妖しくもちかけるメイドの佐藤さんに偽物を喝破されて・・・退散である。

仕方なく・・・音大出の藤ミネコ(白羽ゆり)から特訓を受けるマキ・・・オルガンでピアノの練習って・・・体験したことがあれば結構哀しいぞ。

だが・・・プロを目指す域に達するのは所詮、無理な話である。

「自分の体験を音にのせて表現するのよ」などと「いつもポケットにショパン」(くらもちふさこ)のようなことを言いだしいつもより出番を多く確保したミネコだった。

結局・・・美響の友人という設定で美響本人を父親に会わせることにした二人。

つまり・・・「これは友達のことなんですけど・・・(実は本人)」のヴァリエーションである。

「あなたの・・・おかげで・・・美響はピアノが弾けなくなってしまったのです」

「なんだって・・・」

しかし、そこで割り込むメイドの佐藤さん・・・。

「随分、贅沢な悩みね・・・恵まれてることに気がつかないお嬢様・・・あなたは自分の幼い心にこだわるばかりで他人の痛みを知ろうとしない。あなたがピアノを弾けないのは誰のせいでもない・・・ただあなたに才能がないだけよ」

「や、やめてくれ・・・佐藤さん・・・いや、のぶこ・・・伸子・・・」

メイドの佐藤さんこそは永年の愛人の伸子だったのである。ある意味、盗人猛々しいのである。

大人と子供の間にも暗くて深い河はあるのだった。

シャワータイム復活である。

ついに美響の心をつかんだマキは・・・美響の心を父親に伝える。

「お父様なんか・・・嫌い、嫌い、大嫌い・・・」

「美響・・・」

女心に詳しい美響の父親はその言葉に甘い響きを聴くのだった。

そして・・・マキの言葉に美響も自分の本心を悟る。

嫌い嫌いは好きの内・・・だったのである。

まあ・・・この手の話は放蕩親父に都合がいいようになっています。現実的には財産がなければ口もきいてもらえませんから~。

父親とピアニストだった愛人の前で・・・美響は幼い頃、初めて父に習ったショパンを弾き出すのだった。

そこに流れるのは・・・愛の夜を迎えるための序曲であることは言うまでもない。

こうして、マキは難役を演じ切り・・・美響のピアノ演奏を復活させたのだった。

それは・・・父の罪を葬り去り・・・新たなる旅立ちを暗示する。

美樹とマキが去った後で・・・一人、ピアノの前にすわる男に夜のメイドは囁く。

「きっと・・・また会いにきてくださいます・・・」

うむを言わさずもっていく夜のメイドである。さすがだ。

今週はモデルあがり、レースクイーンあがりだけど存在感抜群の女優ふたりがゲストである。

ヒロインの武者修行は続きます。

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2012年5月10日 (木)

クレオパトラな女たちの悩みは贅沢な悩みさ、されどBurning love (杉本有美)

(北乃きい)あるいは(稲森いずみ)でいいじゃないかっ。

ま、谷間だし、「空中ブランコ」(2009年アニメ)に実写出演のセクシー・ナース・マユミに敬意を払うよ。

長期休眠後、再開した後は、視聴率への言及が少ないのだが、これは分析に時間がかかるためで他意はない。

統計的手法で知名度や、需要度を考えることは基本だからな。

で・・・「クレオパトラな女たち」は*9.9%↘*6.7%→*6.7%と*印の世界で低迷しているわけである。

同じ脚本家の「蜜の味〜A Taste Of Honey〜」平均*9.9%や「セカンド・バージン」平均*8.6%、「ギネ 産婦人科の女たち」平均11.7%と比較してもかなり厳しい数字である。まあ、本来、数字のとれる脚本家じゃないからこれはこれで問題ないのだ。

なにしろ、今季は「家族のうた」が*6.1%↘*3.6%↘*3.4%↘*3.1%を叩き出してるのである。もう、スタッフの懊悩を想像するだけで背筋が凍りつくのだな。まあ、オダジョーは「ぼくの妹」でも平均*7.9%を叩き出しているからな。「時効警察」とか「帰ってきた時効警察」とか「熱海の捜査官」の人になぜ・・・ホーム・ドラマをやらせようとするのか・・・意味不明だよね・・・チャレンジャーということだろう。

とにかく「時効がなくなっちゃった警察」を早くやればいいと思うのさ。

で、『クレオパトラな女たち・第1話~第4話』(日本テレビ20120418PM10~)脚本・大石静、演出・岩本仁志(他)を見た。「蜜の味〜A Taste Of Honey〜」では叔父と姪の近親相姦を描いた脚本家が・・・ドラマ的には三角関係を強調しているが・・・タブー的には圧倒的に近親相姦が浮き上がるからな・・・今度は美容外科の世界にチャレンジである。

ちなみに・・・クレオパトラとは・・・一般的に古代エジプトのプトレマイオス朝最後の女王・クレオパトラ7世を指すのである。で、クレオパトラ7世は弟のプトレマイオス13世とプトレマイオス14世の二人と結婚している。つまり、姉弟結婚を二回しているわけである。

最初の結婚相手であるプトレマイオス13世はクレオパトラの愛人である古代ローマの軍人・カエサル(シーザー)と闘い、ナイル川で溺死させられている。

その後でプトレマイオス14世と結婚したり、アントニウスの愛人になったりしているのである。

このような歴史的事実が・・・クレオパトラを絶世の美人の代表にしているのである。

さて・・・たまに間違っている人がいるのだが・・・フランスの哲学者パスカルの引用である。パスカルは「クレオパトラがもう少しブスだったら歴史は変わった」と述べているのである。それを「もっともっと美人だったら歴史が変わった」と間違って引用している人がいるのである。

このドラマには「美人すぎるので・・・ブスにしてください」という顧客・堤暁子(島村まみ)も来るのだが・・・基本的には「もっと美しくなりたい」人たちがメインである。

そういう人々を・・・クレオパトラな女たち・・・と考えた場合・・・明らかに引用間違いをしていると言える。

クレオパトラ7世は整形の必要のない美人だったわけであり・・・その色香に迷った男たちがいろいろと大戦争を引き起こしたというのが話の正統な流れなのである。

さて・・・一体、どこでこの間違いが起こるのだろうか・・・。

それは・・・クレオパトラのような美人でももっと美しくなりたかったはずだ・・・という一部もっと美しくなりたい人たちの願望というか、思いこみのなせるワザなのだと思う。

ドラマの内容はともかく・・・そこだけは私の愛するクレオパトラ7世のために間違いを訂正しておきたいと思う。

歴史が変わるのは「クレオパトラの鼻がもう少し寸詰まり」だった場合のみなのである。

ちなみにドラマの内容は・・・美容整形というよりも心の病の話で・・・そこそこ面白いということを付け加えておく。

患者の暁子「小さい頃からきれいきれいといわれてました・・・でも会社に入ってから美人で損をすることが多いんです」

医師の峯太郎(佐藤隆太)「・・・はあ」

暁子「美人だねって言われてはいと答えれば思い上がっていると言われるし、謙遜すれば嫌味だって言われるんです・・・ほら、あの看護婦さんもすでに私を美人だから嫌ってるし」

整形手術経験のある看護師・葵(北乃きい)「そんなことないですよ・・・私たちは常に患者さんのことを第一に考えておりますし」

暁子「ね、あの人は心にもないことを言っても美人じゃないから許されるんです」

峰太郎「・・・」

葵「・・・」

受付の綾香(杉本有美)「・・・」

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2012年5月 9日 (水)

太陽の恵みは万人のもの・・・ただし日陰者をのぞく(新垣結衣)

「示談は嫌だと地団太を踏む」(新垣結衣)の他に「陽のあたらない草の者」(田口淳之介)もありましたが・・・さらには「窓の外には坊やがあそび・・・女の子かもしれないけれど」(村井美樹)とか「すれちがう渥美格之進と佐々木助三郎(音楽あり)」とか・・・まあ、ネタを拾いだしたらきりがないドラマである。

戦場カメラマンの口調の速度が好ましい高齢者は・・・古美門には「もっとゆっくりしゃべってくだされ」と願わずにはいられないという長いタイトル案もありましたな。いや、じいや、気持ちは分かるけどね。

ネタの連打の間に浮上する重厚なテーマ。

盲目の国では片目でも万能的なポジションのヒロインである。

タイトルでは釈迦のような大魔神にとびかかるハヌマーンのようなガッキーなのである。

まあ、優秀なゆとり世代をどのように教育指導すればいいか・・・というテキストでもあるな。

最後は手元が狂ったらセクハラになる弁護士バッヂ突きで・・・「彼」がわざと間違えちゃう誘惑に駆られたことは充分に妄想できるのである。

で、『リーガル・ハイ・第4回』(フジテレビ20120508PM9~)脚本・古沢良太、演出・城宝秀則を見た。理想と現実の間を彷徨うヒロインである。現実では新人はもっと苦渋をなめるわけだが、ガッキーなのである程度、優しく扱われていることは言うまでもない。しかし、どのような条件であろうとも人は精一杯やるしかないということは不変のテーマなのである。

正義の女神はジャスティスである。しかし、ジャスティスの母はテミス(不変の法)であり、ジャスティスの別名であるディケー(正義)の姉妹にはエウノミアー(秩序)とエイレーネー(平和)がいる。つまり、正義は法の庇護下で秩序と平和を伴ってこそ実現するものなのである。

そうした局地限定的な正義が万人の心に敵わないことは一目瞭然である。

しかし・・・若者が「正義」を求めて悪戦苦闘することは美しい事柄なのである。

その果てに「冷酷」が生まれることは必然と言えるだろう。

悪魔の手先を倒すために・・・天使がどのような残忍さを身につけるか・・・このドラマはそのような行方を持っているのだ。・・・いやあ、楽しみだなあ。

まもなく生まれてくる子供のために小さな庭の白いブランコを用意する夫の影がまったく感じられない不気味な妊婦・桑田久美子(村井美樹)・・・彼女のささやかな(大それたと言う考え方もあります)願いは建設会社・島津エステートの15階建マンションの建設により打ち砕かれてしまう。

久美子の相談を受けた新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)は「日照権を盾に設計変更」という方針で交渉を開始しようとする。

しかし、雇用主であり、借金相手の古美門研介(堺雅人)は「ゴミ案件」として全くとりあわない。

一方、プロ町内会長(徳井優)は住民運動を展開して勝利するために左翼活動家であり、人権派弁護士として名高い大貫善三(大和田伸也)を招聘してしまう。大企業から常識外の示談金を強奪するその筋の第一人者であり、黛の出る幕はなくなってしまう。

「みなさんのささやかな幸せを守るため・・・小さな声をあわせて太陽をかえせの大合唱を響かせましょう」という大貫のアジテーションに感動を覚える黛だった。

だが、その住民運動を鎮圧するために島津エステートが選んだのは・・・古美門弁護士だったのだ。

大企業(資本主義)を憎悪する大貫と大企業が支払う大金をこよなく愛する古美門はいたいけないカニミソ脳の小鳥を挟んで法的激突を開始するのだった。

第一回 住民説明会(参加住民50人)

古美門見舞金提示額 一世帯あたり5000円。総額25万円。

大貫和解金提示額 一世帯あたり500万円。総額2億5000万円。

古「決裂だな」

大「裁判だっ・・・青二才」

黛「がんばってください」

大「君の立ち位置がよくわからんね」

黛「私にもわかりません」

古「・・・」

弁護士たちのやりとりや・・・住民たちの激昂のなか・・・妊婦の久美子は戸惑うのだった。

(私が欲しいのは・・・お金じゃなくて・・・お陽さまなのに)

黛は思う。(裁判で争えば・・・設計変更の可能性はある)

しかし・・・ただちに示談交渉にやってくる大貫。

クライアントである町内会の目的が和解金の獲得である以上・・・ふんだくるだけふんだくるのが彼のセオリーなのである。

そんな・・・大貫を尊敬の目で見る黛。

「隙間風の吹く雑居ビルでダルマストーブでスルメを肴にカップ酒を飲みながら安月給で働きたいならとっとと大貫配下になるがいい・・・借金返済期間は延長してやるぞ。利息が増えて総額増額だけどな」と古美門は優しく諭す。

「ダルマストーブはあったかいし、スルメはおいしいし、カップ酒だって捨てたもんじゃないんです」と精一杯の口答えをする黛。

しかし、事務員・服部(里見浩太朗)の作る有機栽培野菜のポトフや、買い置きのおせんべいにつられて事務所移転を決行する気はまったくない黛なのである。ガッキーかわいいよガッキーです。

左翼コネクションによるマスメディアシンパを動員して・・・建設中マンションのネガティプ・キャンペーンを展開する大貫である。

企業イメージを損なわれて・・・古美門にクレームをつけるクライアントを無視して・・・すでに暗躍を開始している古美門である。

黛はおせんべいを食べながらサポタージュを展開するのだが・・・服部に「少しは働かないと美味しいものが食べられませんよ」と説得され、不承不承ながら、住民周辺の調査を開始する。根が優秀なのでそれなりの情報収集をしてしまう黛なのである。

一方・・・古美門事務所の忍者・加賀蘭丸(田口淳之介)はすでに・・・町内会への住民登録を終えて・・・建設反対運動の一員となっていたのだった。

もちろん・・・すべては策略なのである。

第二回 住民説明会(参加住民85人)

古美門見舞金提示額 一世帯あたり5万円。総額425万円。

大貫和解金提示額 一世帯あたり400万円。総額3億4000万円。

「若造め・・・住民の被害を少しは考慮しろ」

「被害とおっしゃるがどのような」

「日照権が・・・」

「ここは商業地域です・・・日照権は最初から想定されていない」

「しかし、実際の人権にたいする抑圧の問題がある」

「こちらの方は・・・一日、5%の日蔭増があるだけでどのような被害が・・・」

「夕日の沈む景色が好きなんだ」

「マンションが立つのは東南です・・・東に日が沈むのは赤塚不二夫先生の世界の中だけなんですよ・・・そして・・・加賀蘭丸さん・・・あなたの部屋はもともと日蔭だ・・・不当な詐称行為で企業に不利益を与えた件で訴えます・・・」

「僕・・・反対運動やめます~」

動揺する住民たち・・・。

「小僧・・・俺を怒らせたな」

ここでレギュラー陣投入のための一幕がありますが・・・割愛します。

大貫は事前の調査により・・・別の建設会社によるさらに高層マンションの建設計画を入手していたのである。

計画が実現すれば・・・建設中のマンションが日蔭にはいってしまい・・・これが開示されるとマンションの価値は暴落してしまうのである。

恐怖を感じたクライアントは古美門に妥協するように支持するが無視する古美門だった。

チェスのルールを知らない古美門だが・・・チェックメイトの方法は心得ていたのである。

蘭丸情報により・・・住民たちの経済状況を把握・・・各個撃破できりくずし工作を行う古美門。

ついには町内会の出納帳を抑え・・・町内会長の使い込みもつかんでしまう。

「いいじゃないですか・・・面倒な町会仕事を十年もひきうけてきたんだ・・・当然の報酬ですよ・・・今回は台湾旅行なんていかがですか・・・」

古美門と大貫の「マネーゲーム」に汚い大人の世界を見てしまう黛。

「生まれてくる子供がかわいそうじゃないんですか」

「かわいそうさ・・・日照権も確保できない親から生まれてくることがね」

「そういう人を助けるのが弁護士の仕事じゃないんですか」

「それがクライアントならね・・・お前の言うのは正義じゃない・・・単なる視野の狭い上から目線の同情だ・・・マンション建設で食べている庶民の生活をどう思うんだ・・・可愛い他人の子供に日差しを与えるために餓死しろってか?」

「・・・」言い負かされて心底悔しい黛だった。

だから・・・不良少女になってしまうのだった。

久美子に「このままでは・・・日差しはとりもどせません・・・反対運動から抜けて・・・個人闘争をするべきです」と自分のクライアントの不利になるアドバイスという禁じ手を行うのである。

「お前は最低だ・・・」と古美門は背任行為をした黛の胸に輝く弁護士徽章を突くのだった。

「法の番人が法を破ってどうする・・・」

唇をかみしめる黛だった。そういう黛を古美門が愛してやまないことは言うまでもない。

バカな子ほどかわいいからである。

第三回 住民説明会(参加住民28人)

古美門見舞金提示額 一世帯あたり20万円(プラスアルファ)。総額560万円。

大貫和解金提示額 一世帯あたり300万円。総額8400万円。

「ガキめ・・・」とまだまだ交渉継続の意志がある大貫だったが・・・肝心の住民は妥協を決定してしまう。久美子もその一人である。

大貫も黛も・・・古美門の前には赤子も同然だったのである。

「あなたは根っからの人民権利闘争派なんですね」

「おまえも見事なほどに拝金主義者だよ」

無表情にお互いの健闘を称える大人の勇者たちだった。

仕方なく・・・黛は久美子の家でお茶を恵んでもらう。

「結局・・・お金なのよね・・・臨時収入で・・・美味しいもの食べて・・・すっきりしちゃったわ」

「そうですか・・・」

そこへ・・・新築マンションの下見にくるカップル。

「このあたりどうでしょう」

「とてもいいですよ・・・」

やがて日蔭になるマンションだが・・・と一瞬思う黛だが・・・それを口に出さないほどには大人になったのである。

久美子と黛は若いカップルにただ微笑んだ。

そうだ・・・私は・・・古美門先生のすべてを学び・・・いつか・・・古美門先生を打倒しよう・・・。

黛は固く決意するのである。いつの世にも「正義」は「美味しいものを食べたいという気持ち」には勝てない・・・と相場が決まっています。

その頃・・・古美門事務所の温室前では新しいマンションの建築が突如、始っていた・・・。

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2012年5月 8日 (火)

本場のタランチュラも期待ほどではなかった(白石美帆)やったんすかっ(戸田恵梨香)甘い(大野智)

・・・だから、何の話だよっ。

え、蜘蛛女・陣釜さんのタランチュラ・プレーだろ・・・どんなプレーだよっ・・・第一、陣釜さん(白石美帆)じゃねえよっ。

ち、ちがうのか?

で、『鍵のかかった部屋・第4回』(フジテレビ20120507PM9~)原作・貴志祐介、脚本・相沢友子、演出・加藤裕将を見た。密室殺人事件で犯人が人間ではないのは・・・トリックとしてはひとつのタブーである。だって「犯人はオメガ因子挿入の鉄腕アトムです」じゃ問題だろう。・・・その前にたとえが分からないわけだが。だが・・・密室だったが確かに犯人はトリックを使っていたということで・・・本格ミステリのタブー(禁じ手)の呪縛は免れているのである。ま、トリックに些少瑕疵があっても最後は陣釜さんの毒気がすべてを浄化してしまうのだな。・・・だ・か・ら、陣釜さん(電車男の登場人物)じゃないっつーの。

Gがいたのです。

・・・ということで上司・芹沢弁護士(佐藤浩市)を呼び出す新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)である。つまり、なんだな、戸田恵梨香なら何をしてもいいのかっ・・・ま、概ねいいな。

「リーガル・ハイ」の古美門弁護士にはテレビ取材が入っていたのだが、芹沢には雑誌の取材が入っていたのである。矢口記者(浅見れいな)である。全く事件に関係ないが出番は多いという・・・チョイ役の女王か、チョイ役の女王なのか・・・不思議なキャスティングだ。

で・・・ゴキブリを退治してもらった青砥はゴキブリ男に遭遇する。

青砥の上の階で死亡した者がいて、ペットが放置されたままなので引き取りたいというゴキブリ男・・・いい加減に役名にしてやってくれ・・・古溝(松尾諭)は死んだ男の友人と名乗り、芹沢に遺族との交渉を依頼する。

死んだ男は老舗・和菓子店の社長であり、遺族は実の母(かとうかず子)と嫁の美香(白石美帆)である。

死因はクロドクシボグモに咬まれたことによる中毒死

部屋が密室状態だったために事故死として処理されていたのだった。

ただし・・・妻は合鍵を持っているので・・・出入り自由である。だが、死亡時刻には完ぺきなアリバイがある。

東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)は「明らかに密室殺人とは言えないが・・・ギリギリ密室殺人」ということで相談に乗るのだった。

で・・・死者の部屋は趣味のタランチュラ飼育ルームであった。

容疑者は二人・・・何故かタランチュラを売却しようとしない妻の美香と・・・やたらとタランチュラを欲しがる友人の古溝である。

夫は古溝を嫌っていたという美香。

被害者は妻を嫌っていたという古溝。

二人の証言は食い違う。

厳しい姑の嫌味にも、夫の悪趣味にも耐える健気な美香に例によって感情移入した青砥は芹沢が古溝の弁護を引き受けてしまったために・・・なんとか美香の味方として真実を明らかにしようとする。

まさに余計なお世話である。

しかし・・・どんな趣味にも理解を示す榎本はたちまち・・・タランチュラ飼育にも情熱をそそぎ・・・事件の真相にせまっていくのだった。

被害者はタランチュラの飼育者としてベテランだった。

そんな被害者が猛毒を持つクロドクシボグモに安易に指を咬まれるわけがない。

では・・・どういう状況なら咬まれるのか。

寝室にそっとクロドクシボグモを放つ。

靴下にそっとクロドクシボグモを入れておく。

クロドクシボグモを二酸化炭素で仮死状態にしておき、毒性のないタランチュラであるチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラを薬殺。剥製化の要領でチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの外皮をはぎ取り、チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの原寸大着ぐるみを作成、クロドクシボグモに着せかけておき、チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラのケースに収納しておく。

被害者はチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラだと思ってうかつにもチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの着ぐるみを着たクロドクシボグモに刺されてしまったのである。

一体・・・そんな面倒なことをするのは誰か・・・。

合鍵を持っている美香が疑わしいわけである。

そして・・・何故か・・・美香はペットルームには土足であがる。

交渉が成立し・・・タランチュラを引き取りに来た古溝は

おかしい・・・クロドクシボグモが一匹いない・・・と叫ぶ。

「そのクモは死んだと夫が言っていました」と美香。

おかしい・・・チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラもいない。

すると、なぜか動揺する美香。

ああ・・・ここにいたと古溝が叫ぶと・・・室内から逃走しようとする美香。

すべての真相を見切った榎本は指パッチンのポーズを決めるのだった。指パッチンじゃねーーーっ。

「安心してください。それはチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラですから。チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの衣を着たクロドクシボグモではありませんから・・・」

タランチュラは一ヶ月餌なしでも餓死しない。

しかし、タランチュラの餌のコオロギは一週間で餓死するのです。

「それではなぜ・・・コオロギは一週間後も元気なのか・・・」

古溝がコオロギのケースを探ると・・・そこには人間に狩られたマンモスのようにコオロギに半分食われたチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの毛皮をまとったクロドクシボグモの死体があった。

「クモは餌の昆虫の中身だけを吸い取るといいます。あなたも・・・サイフの中身だけを吸い取っていればよかったのに・・・」

良き妻の衣をかぶった悪女はついに本性を現すのだった。

「慰謝料でハイ、サヨナラってわけにはいかないわ。クモマニアの気持ち悪い男なんてキャッシュディスペンサーにすぎないのに・・・人の戸籍汚しておいて慰謝料ですむなんて虫が良すぎるでしょう。根こそぎもらわなきゃ割に合わないじゃない。お金目当てじゃない結婚なんてあるの? ないでしょ・・・私は女がみんなやっていることをやっただけよ・・・どこに問題があるっていうの。もしも、あるなら教えてちょうだい」

女よりタランチュラが好きなくもマニア。女より金が好きな弁護士。女としての武器の使い方の分からない弁護士。密室マニア・・・一同には難しすぎる質問だった。

エピローグ。

捜査途中でヒントとして餡に苦手なよもぎの入ったもちを食べた青砥だったが・・・榎本には季節はずれのチョコレート菓子を贈るのだった。

「私にも・・・女として・・・ああいうもの(狂気)が潜んでいるのでしょうか」

榎本は青砥の胸元をチラリとみる。

「・・・あなたには・・・そんなもの(巨乳)はありません」

青砥は明らかに勘違いしながら・・・榎本にチョコレートを勧める。

「チョコレートの中身がチョコレートとは限りませんよ」

しかし・・・チョコレートはチョコレート・ビスケットではなかったようだ。

謎めいた・・・榎本の微笑み。

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2012年5月 7日 (月)

俺のまわりは白拍子ばかり俺のまわりは今様(松田翔太)

即位記念タイトルである。

思えば・・・時は過ぎたのである。

清盛が生まれたとされる元永元年(1118年)は第74代鳥羽天皇の御代であった。

以来、崇徳天皇、近衛天皇と代はかわり・・・ついに後白河天皇が誕生したのである。

崩御された前の天皇は異母弟である。崇徳上皇は同母兄、鳥羽法皇は父であった。

思いもよらぬ即位だった。

この年、後白河天皇は29才である。

そして・・・平清盛(松山ケンイチ)は38才である。

子供だ子供だと思っていたらおっさんになっていたというのはよくある話なのである。

これだから歴史は面白いし、そうなればコミック雑誌なんて要らないのである。

で、『平清盛・第18回』(NHK総合20120506PM8~)脚本・藤本有紀、演出・柴田岳志を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は完成した途端に死去の藤原北家末茂流の中御門中納言家成の描き下ろしイラスト大公開でございます。今回・・・待望だっただけに大傑作ですな。なんというか・・・佐藤二朗なんだもん。父方の従妹に美福門院、母方の従姉に池禅尼という空前のいとこ関係を持つ男。かたや・・・鳥羽法皇の愛妾、かたや平忠盛の正室である。言わば、王家と平家を連結していた男なのである。その男が去った時・・・当然のように時代は激動するのである。彼もまた平安末期の「なりあがり」なのであった。子孫には戦国時代に貴重な日記を残す山科言継がおりまする。

Tairakiyomori16 藤原家成が死去したのは仁平四年(1154年)の夏である。その年の秋に久寿に改元されるのだ。この時、近衛天皇は重篤の状態が続いている。清盛の母にあたる藤原宗子は崇徳上皇の御子である重仁親王(15才)の乳母となっている。一方、美福門院は恋仇であった故・中宮・藤原璋子の子である雅仁親王の子・守仁親王(12才)を養子にしている。この辺りの采配は家成によるものであろう。重仁親王と守仁親王のどちらも皇位継承の有力候補なのである。なぜ、父である雅仁親王ではなくて、子の守仁親王が有力なのかと問われれば・・・雅仁親王は扱いにくそうだったから・・・と言うしかないのだな。平家としてはもしも重仁親王になった場合の手は打っているし、元より鳥羽法皇の信任は厚いので・・・どちらに転んでも問題ない態勢にはなっているわけである。一方・・・源氏はものすごい混乱状態になっている。源為義の八男で十六歳になる源鎮西八郎為朝は鎮西総追捕使を偽称して、薩摩平氏を冒し、九州各地を転戦・・・ついに九州を征服してしまうのである。しかし、そのあまりの傍若無人さに・・・香椎宮の神官によって訴えられてしまうのだった。いわば私的占有が過ぎたのである。さらに為義は摂関家の藤原頼長の郎党になっていたのだが、長子・義朝は急速に鳥羽法皇に接近し、頼長の政敵となりつつあった信西とその庇護下にある雅仁親王=守仁親王親子の寵を受けるようになっていた。このため、次男・義賢を関東に下向させ・・・義朝の長男・義平の対抗馬としたのだった。関東では坂東平氏秩父氏を味方とする源義賢と上野源氏新田氏を味方とする源義平が一瞬即発の状態となっていたのである。そして・・・久寿二年七月・・・近衛天皇は崩御するのだった。

平のくのいち波音(はね)は武蔵の国にいた。武蔵は草原(むんざし)の地である。山城の国や伊勢の国に比べたら山は遠く、どこまでも野原が続くように見える別天地である。あまり山から離れては不便なので国府は多摩に置かれている。山から調達する食糧などの物資はまだ人々の生活を支配している。

しかし、朝貢のための水運は必要のため、多摩の南にある品川の津に湊が置かれている。物資はそこから相模の国の鎌倉などを経由して西へと運ばれるのである。今、相模の国は源義朝の領土ともいうべき性格を備えている。相模守は藤原親弘であるがすでに有名無実なものとなっている。関東に土着した武士たちは自主独立の気風が強く、平将門の乱以来、二百年以上続く、地方の反乱、中央の鎮圧を繰り返す中、新しい豪族とも言うべき武士集団が形成され始めている。義朝はその潮流に乗り、いわば関東連合の盟主に祭り上げられたのである。

その義朝が都に戻っている間、相模の国の留守をしているのが義朝と三浦氏の女との間に生まれた源義平である。三浦氏は桓武平氏であり・・・それが名に現れている。

一方、長子・義朝の驚異的な成果が主人・藤原頼長の政治的志向と真っ向から衝突し・・・折り合いがつかなくなったことから・・・義朝の父・為義は次男・義賢を関東に派遣する。相模と下野の間に割り込んで・・・形式的には下野守に任じられている義朝の権威を損なおうとしたのであった。

統子内親王の命を受け、西行とともに御霊社の神域にある妲己の結界の封印を探索しに来た波音たちは騒動に巻き込まれたのである。

すでに・・・波音も・・・西行も・・・若者ではないが・・・男と女の関係になって・・・その夜の営みは深くなっていた。波音はくのいちとして淫行の修行を受けているし、西行も密教の修行の中、精力絶倫の秘儀を得ている。

そんな二人であるから・・・快楽の追及もまた修行のうちなのである。

今、二人は悦楽遠見の術を試している。快楽の極まりによって没我の境地に達し、夢中千里眼を得るのである。・・・要するに性交の間に気持ちがよくなればなるほど・・・遠くが見えるという忍術である。

二人は国府多摩の里の空家を借りて、遥か北に向かう騎馬武者の集団をとらえていた。

集団はおよそ百騎からなり、先頭を行くのは15才の源義平だった。未明に拠点を出発した急襲部隊は・・・武蔵の国比企にある大蔵館を目指している。そこは敵対する叔父・源義賢の根拠地であった。

朝駆けである。

「義平殿の決断力・・・おそるべしだな」

頂点に達しそうになった西行は気をそらすかのようにつぶやく。

脳裏にはすでに大蔵の館を視野にとらえた義平の姿が映っている。

波音も同じ映像を見ていたが・・・無言のまま秘部に力を加え、西行の男根に新たなる刺激を加える。

「むは・・・」

思わず西行が吐息をもらした刹那、義平は名乗りを上げる。

「我こそは源下野守義朝の長子、源太郎義平なり。とおからんものはおとにもきけちかくばよってめにもみよ。院の命により、逆賊・源義賢を討つものなり、ものどもかかれ」

同時に火矢が寝静まった館に降り注ぐ。

「それ・・・」

燃えだした館からざわめきが起こり、下人たちが右往左往しはじめたのを見計らって得意の武器を手にした精鋭たちは突入を開始する。

たちまち・・・阿鼻叫喚の殺戮が始まった。

しかし・・・すでに精果てた西行にはそれは見えない。

波音は快楽の余韻を感じながら・・・幻の血の匂いを嗅ぐ。

「ああ・・・悪源太殿が勝ったわ・・・今、義賢殿の首が・・・」

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2012年5月 6日 (日)

タカオスミレの花言葉は援助交際禁止・・・なわけないだろう(天狗)じゃなくて(長澤まさみ)

ついに・・・音無月子(長澤まさみ)の存在そのものが都市伝説化しつつあるな・・・。

これは・・・「エコエコアザラク」のヒロイン・黒井ミサが・・・ドラマ化の途上で・・・「都市伝説」扱いされていくという作風へのオマージュなのか・・・。

だったら・・・「音無月子・・・あの音無月子か」「伝説の女刑事だろう」「ハイヒールでチョモランマに駆けあがったという・・・」「ガンジス川でバタフライしたという・・・」「電話がかかってくるのを予知できるとか」「烏天狗の黒い羽根募金をしているって」「神隠しにあってカルピスのレシピを手にいれたそうじゃないか」「モスラを呼べるっていうぞ」「セーラー服を着て機関銃を」「結局、東大に入れたのか入れなかったのか」「呪いの宝石のコレクターだとか」「どこでも花嫁衣装を着るそうだ」「ふにゃふにゃってしゃべるらしいぞ」「オダギリジョーの妹らしい」「いや、高校時代は新体操で」「いやみなみちゃんなのにレオタードを着なかったとか」「ピチモだよ、ピチモ」的に囁かれるイントロダクションが必要だろう・・・。

妄想はそこまでだ。

とにかく・・・いよいよ・・・存在そのものがミステリーとなってきた音無月子である。

一体・・・どんな秘密が隠されているまか・・・最終回が今から楽しみなのである。

秘密・・・あるんだろうな。

で、『都市伝説の女・第4回』(テレビ朝日20120505PM2315~)脚本・後藤法子、演出・秋山純を見た。天拘村(フィクション)を舞台にしたにしているところが・・・ちょっときついのだな。ここは高尾山天狗伝説とまっこう勝負を挑むべきではないか。あることないことでっちあげて高尾山薬王院に告訴されるくらいの姿勢で創作してもらいたいものだな・・・どこにそんな必要税があるんだよ。

だって・・・音無月子(フィクション)が幼い頃、天狗(フィクション)に神隠しにあった(フィクション)場所(フィクション)じゃ・・・まことしやかさがこれっぽっちもないじゃないですかーーーっ。

まあ、ドラマ(フィクション)相手に警視庁鑑識課の勝浦(溝端淳平)のようにツッコムのも大人気ないですが~。

さて・・・このドラマで一番のお約束と言えば・・・月子が・・・事件関係者にセクシーさをつっこまれ・・・「女の武器を使うのは警察が男社会だからなんです」と告白すると・・・相手(女)が急に態度を軟化させるという謎のシークエンス(物語の断片)である。

単独脚本なので・・・ここがひとつのこだわりなのだと思うが・・・何にこだわってんだ・・・という気がしないでもない。一話での相手は容疑者の一人(内山理名)だったが、今回は被害者の妻・大久保千明(荻野目慶子)である。

まあ、女優たちにしてみると「女が女の武器を使わんでどうする」と言う言葉は頷くしかないセリフではありますけれど・・・それで本音を引き出すという流れはなんだか・・・違うのでは・・・。ストレートに男をたぶらかさないと・・・女の武器の持ち腐れなのでは~。

で、とにかく・・・このドラマにおける女の武器にたぶらかされている最大のターゲット・勝浦は休日に月子と高尾山にハイキング・デートに来たわけだが・・・月子の目的は当然の如く・・・天狗探訪である。

なにしろ・・・月子は幼い頃、天狗にさらわれて一時的に記憶喪失になった過去を持つ女なのだ。

そこに久しぶりに謎の老人・小栗龍太郎(宇津井健)が現れる。

「ここは・・・パワースポットなのですじゃ・・・」

「なぜ・・・」

「もちろん、天狗様の神域でございますから・・・」

「そんな・・・天狗なんて・・・」

「何・・・するとあなたは音無月子さんをお信じにならないのですか・・・」

「え・・・それは・・・」

常識人と淫らな男の間で苦悩する勝浦だった。

そんな・・・下世話な勝浦とは別に・・・「気配」を感じる月子。

ものすごいスピードで走り出すのである。この後も走り倒す月子。下半身にものすごく乳酸たまりそうなロケだったことは分かります。

そして・・・高尾山付近の山中で・・・月子は記憶喪失の少年と首つり死体を発見するのである。

そして・・・月子は烏天狗の黒羽を発見するが・・・その遺留品は風と共に霧散するのだった。

やがて・・・死体は女子高生・佐々木梢(岡本紗里)ラブホテル絞殺事件の重要参考人だった元・高校教師の大久保光弘(三上市朗)だったことが判明する。一緒にいた少年は大久保の息子の順(平松來馬)だった。

事件の後、教職を追われた大久保は別居中の妻・千明の元から息子を連れ出し・・・山中で自殺したように見えた。

しかし、月子には分かっていた・・・これが「高尾山の天狗がらみの殺人事件」であることが・・・。

もちろん・・・事件の真相を一瞬で月子は見抜いているわけだが・・・いろいろと証拠を収集するために・・・捜査を開始するのである。

その過程で・・・死んだ大久保の同僚である高校教師・国枝(デビット伊東)が浮上する。

もう、荻野目でなければデビットな事件である。

捜査の途中でせっかく、月子と二人きりになったのに・・・「神隠しなんて冗談でしょう」とうっかり口にした勝浦は月子の逆鱗に触れ・・・またもセクシーの恩恵にはあずかれないのだった。男の子は女の子の趣味にもう少し、気を使おうねという教育的指導なのだな。

殺された女子高校生・梢の親友・理沙(平松來馬)の口から・・・二人が援助交際をしていたこと・・・死んだ大久保教師はいい先生で・・・売春していたのが国枝だったことが判明する。・・・っていうか・・・最初の捜査で・・・ま、いいか。

さて・・・高尾山には様々な神が祭られている。神変大菩薩(役行者)とか、不動明王とか、弁財天とか、浅間大菩薩とか、稲荷神とか・・・まあ、よくある見晴らしのいい神仏混合テーマパークなのである。

その中に飯縄智羅天狗こと、聖徳太子に暗殺された日羅の化身の大天狗とその眷属の小天狗(烏天狗)が祭られているわけである。・・・それは「日出処の天子」(山岸凉子)の話だろう。・・・ま、いいじゃないか。

月子はかって・・・このチラチラの霊(大天狗の異称)と接触したことがあり・・・その霊験を授かっているというのが本筋である。

真犯人として告発されそうになった国枝は大久保を呼び出して殺害したのだが・・・そこが善なる大天狗の神域だったために祟られてしまったのである。

目撃者である大久保の息子も口封じのために殺そうとする国枝だったが・・・天狗笑い、天狗倒しなどの怪現象に阻まれ・・・ついに逮捕されてしまう。

現場に残された遺留物と国枝のDNAが一致してしまったのである。だったら・・・最初から・・・ま、いいか。

「へ・・・妻に疑われて・・・奴はさぞや苦しんだろうさ」と嘯く国枝を・・・大久保の妻にかわって離婚調停中の丹内主任(竹中直人)は鉄拳制裁である。

とにかく・・・勝浦はついに天狗の実在を半信半疑するようになるのだった。

都市伝説の女を讃え、白いタカオスミレは誠実で無邪気な恋を示して風に揺れるのである。

おっと・・・忘れていた。

図書館で枕草子を借りると素敵な出会いが訪れる・・・岩田刑事(安藤玉恵)

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2012年5月 5日 (土)

ツバメはうまくビルを縫ってゆく、ペアルックの二人を見る(竹野内豊)

ゆっくりと・・・だが確実に時は流れて行く。

桜の木が青々と茂れば、夏のように暑い日がやってきて、夕暮れはすっかり遅くなっている。

そして、空には燕が翻る。

春はいつしか・・・過ぎ去り、五月雨の季節はすぐそこだ。

それでも・・・今年はゆっくりと春が訪れるような気がするのは・・・このドラマがあるからだろう。

神のちょっとしたきまぐれで愛を失った男がなくした心をとりもどすために・・・冒険の旅に出たのだ。

それは静かな冒険だけれど・・・一瞬も気を許せない緊張の日々。

それは手に余ることだけど・・・単純にそれを思うしかできない男。

変わらない愛をこの先も捧げるしかない男の物語である。

去年もツバメはきたし、今年もツバメはきた。きっと来年もツバメはくるだろうから。

で、『もう一度君に、プロポーズ・第3回』(20120504PM10~)脚本・桐野世樹、演出・木下高男を見た。くりかえしになるが・・・五年間の記憶を失うというのは単純に五年前が現在に連結した記憶を持っているということではない。記憶には連続性や、反復による強化というものがある。早い話が五年前のことなんか・・・多くの人がうっすらとしか覚えていないわけである。つまり・・・五年間の記憶が失われている・・・ということはすべてがぼんやりした世界に生きているということだ。しかも・・・五年間というのは恐ろしい変化を世界にもたらすに足る時間である。2007年には自民党は与党であり、総理大臣は安倍晋三だったのである。そして、ブッシュ大統領は混乱するイラクに米兵を増派する決断を下している。その頃にはダン池田も、植木等も、木原光知子も、長井健司も、山口小夜子も、小田実も、石立鉄男も、坂井泉水も、塩沢ときも、鈴木ヒロミツも・・・まだ存命だったのである。そういう雑多な記憶はもちろんのこと・・・食べたもの、着たもの、喜び、悲しみ、あらゆるものが根こそぎ消えている・・・そういう恐ろしい状態ということでございます。

そういう恐ろしい心を抱えながら・・・周囲の人々の励ましによって職場に復帰した可南子(和久井映見)である。可南子の社会復帰に一役買った勤務先の図書館の大橋館長(杉本哲太)は「おかえりなさい」と可南子を祝福する。

しかし・・・拍手で迎えられた可南子の心は不安で満たされていた。

初日に早速、躓く可南子。おそらく、五年前にはなかったであろう・・・「ネットで予約」という貸出サービスの手順が全く分からない。

ゆとり太郎と呼ばれる新米館員・橘(入江甚儀)に助けを求める始末である。

後輩である佐伯美奈(橋本真実)に「みんな可南子先輩が教えてくれたことですから・・・」と慰められても可南子の心は安まらないのだった。

そういう可南子の戸籍上の夫である波留(武野内豊)は自分のことをまったく忘却してしまった妻との思い出の車のレストア(修復)を開始する。相当な中古品であり、部品入手などで相当な困難が予想される作業である。

「無理目な女だからこそ・・・燃えるってことだよな」と古参の整備士・蓮沼(渡辺哲)は車を女にたとえて話すのだが・・・それは波留の置かれた困難な状況を全く知らないからである。そして・・・まさに波留は「無理目な女」を相手に悪戦苦闘しているのだった。

偶然に事情を知ってしまった赤いツナギの女・桂(倉科カナ)はまだまだ危うい心を抱えつつ・・・波留に探りを入れる。

「奥さん・・・帰ってきたんですか・・・」

「いや・・・まだ実家にいるよ・・・」

桂の心は騒ぐが・・・まだそれは表面には出てこない。

「でも・・・少しずつ・・・前に向かって進んでいるよ」

桂の心はツバメのように翻る。しかし、落胆の方が大きく態度に出てしまう。

「なあんだ・・・私・・・もっと協力しようと思ったのに」

「協力って・・・なんだよ・・・」

「だから・・・恋のキューピッドに・・・」

「そういえば・・・お前、キューピーちゃんに似てるな」

「えーっ・・・」

桂の心は悪のネットの上で善のタイトロープ渡りを続けながらゆらゆらと揺れるのだった。

もちろん・・・波留は自分のことで精一杯で桂のそういう心情にはまったく無頓着なのである。

同僚たちに飲み会に誘われる波留はつい口がすべる。

「俺はトイレットペーパーを買いに・・・」

「トイレット・ペーパー?」

「いや・・・買い物を頼まれて・・・」

家に帰れば・・・再び、男鰥夫に蛆がわく一週間前である。家の事は妻にまかせきりだった波留の失楽園以前の姿を暗示するように公共料金の振り込みの督促状が送付されてくる。さらに・・・大家がやってきて「家賃の振り込み」を催促されてしまう。

「すみません・・・うっかり忘れてしまいました」

大家は好奇心まるだしで宮本家の妻不在の匂いを嗅ぎ取っていた。

職場にも周囲にも波留は妻の状態の説明を怠っている。それは周囲に迷惑をかけまいとする建前と同時に・・・それが心底物憂いことだったからである。

掃除をしてすべって転べば・・・苦笑するしかない悲哀が波留を包む。

可南子はぼんやりとした過去を取り戻すことに必死で・・・手引き書を片手にパソコンのシステムを学習していたが・・・波留はぼんやりとした未来に慄いていたのである。だが・・・とりあえず・・・部屋の掃除を再開する波留だった。

谷村家では甘えん坊の弟・裕樹(山本裕典)が張り切って出かけて行く。一人前の仕事ぶりをアピールするところが子供なのである。

「キッチンの水回りのリフォームどうすることにしたの」

「やめちゃったわ・・・高いから」

「そんな・・・どうせいつかやることになるんだから・・・」

「あなたたちが家を巣立つまではもつわよ・・・」

どうやら・・・可南子の母(真野響子)は・・・子供たちが自主独立することを第一に考えるタイプの人なのであるらしい。核家族世代にありがちな人生観である。そのくせ・・・子供たちは手の届くところにいないと不便とも考える人も多いような気がする。

しかし・・・そういうしっかりとした母であればあるほど、子供は依存体質を深めたりするのが面白いところなんだな。まあ、親の面倒はみなかったけど、子供には面倒をみてもらおうとする自己中心的なタイプも最近はよく見受けますな。

一方・・・波留の職場は休日前ということでで浮き立っていた。男たちは合コンの予定があり、とりあえず・・・波留から撤退した桂は・・・出会い系ネット・ゲームで知り合った相手とオフ会的待ち合わせをしている。

波留に桂はこっそりと可南子とのデートを勧めるのだった。

「奥さんとデートしてみればいいじゃないですか・・・初心に帰って映画とか・・・」

「映画か・・・」

波留の心は疼く。

可南子が記憶を失う直前・・・可南子が楽しみにしていた映画館での待ち合わせを些細な用事ですっぽかしていた波留だったのである。

思えば・・・あれが・・・ひとつの分岐点だったのかもしれない。

・・・と美少女エロゲーマーなら即座に感じるところである。

もちろん・・・波留は美少女エロゲーマーではないが・・・運命の冷たい意志というものをそこはかとなく意識したのだろう。波留は可南子を映画に誘うことを・・・真剣に考え始めるのだった。

館長は「ゆっくりとでいいですよ」と優しく言ってくれたがシステムになれようと必死の可南子。さらに・・・失われた五年間の間に社会では何があったのか・・・新聞のバッグナンバーを読み始める。

「リーマン・ショック・・・」「裁判員制度・・・」「民主党政権・・・」「東日本大震災・・・」「原発大爆発・・・」嘘のような本当の出来事が・・・可南子の心にショックを与える。毎日、新聞を飾るトップニュース、一年で365件である。五年なら1825件以上の大人なら常識として知っている出来事が可南子には欠落しているのである。

残業中の可南子に逢いに来た波留はその後ろ姿に可南子の憂いを感じ取る。

もちろん・・・どちらかといえば社会にそれほどの興味がないと思われる波留には文学的な可南子のショックは想像にやや余ると思われる。

波留に気がついた可南子は・・・帰路を共にする程度にはは波留という存在に慣れてきたらしい。

「仕事はどう・・・」

「なんとか・・・」

「仕事は楽しい・・・」

「はい・・・みんな優しくしてくれて・・・」

「よかった・・・」

「・・・」

「新聞・・・五年分・・・全部読む気なの?」

「自分なりに・・・いろいろなことに向き合っていこうと思ったんです」

「そうか・・・そのなかに・・・俺の事は入ってないんだよね」

「・・・すみません」

「ハハハ・・・いいんだよ・・・」

「じゃ・・・私はここで・・・」

「あの・・・これ・・・あげる」

波留は「麗しき夜」という映画のチケットを可南子に渡す。

「もし、よかったら・・・一緒に観に行かない?」

「・・・」

「考えておいてよ・・・前向きでなくとも・・・横向きくらいで・・・ハハハ」

波留、渾身のギャグだった。

可南子は一瞬、微笑んだ。

「はい・・・」

一歩前進である。

「じゃあ・・・また」と可南子。

「またね」と波留。

次の機会がある・・・波留は可南子の一言一言をかみしめる。

だが・・・二人を包むのは恐ろしさを秘めた夜の闇なのである。

その頃、二人にとってのドラマ的なお荷物小荷物である・・・同僚の桂と・・・弟の裕樹はやや、遠ざかっている。

ハンドルネーム・キャッスルこと桂は出会い系ゲーマーの待ち合わせ相手ハンドルネーム・TKRさんが・・・予想以上にイケメンだったので有頂天である。そんな都合のいいわけがない・・・と誰もが思うのだが本人はけしてそうは思わない。

一方、裕樹は張り切った仕事の契約はとれたものの・・・あくまでそれが上司の力によるものだったことを思い知り・・・焦燥感を覚える。理想の自分と現実の自分との落差に目がくらんでしまうタイプである。さらに自分は他人の心情を思いやらないが他人が自分の心情を思いやってくれないことには怒りを覚えたりする。まあ・・・困ったお人でございます。

そんな・・・裕樹を慕う恋人の増山志乃(市川由衣)・・・腫れものを扱う態度で接する尽くすタイプの女である。もうかなりピリピリしています。

「ねえ・・・飲みに行かない」

「まだ・・・仕事あるから」

「じゃ・・・家に来る?」

「いや・・・」

「じゃ・・・私がそちらの家にお邪魔しちゃおうかしら」

「・・・えっ」

「・・・冗談よ」

いや・・・もはやヒリヒリしてます。

一方、波留は合コンで玉砕した蓮沼たちに呼び出され、愚痴を聞いていた。

「合コンに姪っ娘が来ててさ・・・親戚の集まりみたいになっちゃった・・・何が悲しくて姪とアドレス交換しなきゃなんねーんだよ」

まあ・・・一部愛好家歓喜の展開ではないか・・・という見方もあります。

変態か・・・変態でございます。

そこへ・・・桂も到着。

「森の勇者が大当たりでさ~、年下なんだけど・・・盛り上がりまくりました~」

じゃ・・・なぜ・・・ここに来たのか・・・と誰もつっこまないところが大人なのである。

街を酔ってうろつく・・・整備員四人組とムシャクシャしている裕樹が遭遇である。

裕樹はなんだかむかつくのだった。まあ・・・この手のキャラクターは出来事の90%にむかつきますけどね。

翌朝・・・早速、母親に報告する裕樹である。

「・・・姉さん、今、大変なのに・・・あの人ときたら何やってんだと思うよ」

(お前は、小学生か)と思う母だったが・・・さすがに口には出さないのである。

その頃・・・可南子は昔ながらの友人から飲み会の誘いを受け・・・返事をためらっていた。

その日は可南子が心療内科の診療を受ける日である。図書館の休館日であり、なんとなくゴールデン・ウイークの気配だった。

「仕事に復帰されたんですね」

「・・・はい」

「何か・・・心にかかえこんでいることがありますか・・・ここではためこまなくていいんですよ・・・」

「・・・あの・・・みんなが優しくしてくれるのはありがたいんです・・・ありがたいのはわかっているんですが・・・だけど・・・やさしくされればされるほど・・・気を使われれば使われるほど・・・気が重くなるんです・・・申し訳なくて・・・嫌になってしまうんです・・・高校時代の友人からお誘いのメーメが来ても・・・返信するのを躊躇してしまうのです・・・また気を使われるのはつらいと思ってしまうんです・・・」

可南子はたまっていたものを吐露した。

ただ微笑む心療内科医だった。時にはただ黙っているのも仕事だからな。特にこういう敏感な患者にはねえ。状況的にはいつ鬱になってもおかしくないのである。まあ、金返せと言いたくなる気持ちもあります。

気質的には姉と弟はよく似ている。ただ、姉は上手に甘えられないタイプ。そして弟は自分が甘ったれだと気づかないタイプである。結果として真逆の性格に見えます。

波留も仕事が休みである。

そして・・・バイクで谷村家にやってくる。しばらくためらっていると・・・ちょうど心療内科から可南子が帰ってくる。

運命である。

そこへ・・・パートに出勤するために可南子の母も登場する。

運命なのである。

「可南子を誘いにきてくださったのね・・・可南子いってらっしゃいよ」

ヘルメットを無理矢理かぶせようとしてゴリゴリプレーである。

思わず微笑む波留だった。

ふと・・・黙り込む二人。

そこで波留の携帯電話がなる。普通のドラマならトラブル発生だが・・・このドラマではここからがときめきタイムのはじまりなのだった。

「親父からだよ・・・ほら」

今年もツバメがキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

雛が孵ったゼエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエット!

「まあ・・・」

その時、可南子の心に「ツバメの雛のビジョン」が浮かぶ。

「・・・」

「あの・・・私・・・前も見たのかな」

「え・・・それじゃ・・・見に行こうか」

「・・・え」

「行こう、行こう」

二人は波留の実家にバイクで二人乗りである。胸がキュンキュンしてくるのである。

谷村家と同様に宮本家も波留と可南子の家から日帰り圏内である。

鰥夫暮らしの波留の父(小野寺昭)は全開バリバリのハイテンションで得上寿司の出前を頼む。てっきり・・・可南子の記憶が戻ったと思ったのである。

「なんだ・・・じゃ・・・並でよかったな」

「親父が早とちりなんだよ」

「お前の言葉が足りないんだ」

「・・・すみません」

「いや・・・可南子さんは特上でいいんですよ」

ツバメの巣をうれしそうに見物する舅と嫁である。

波留はなにやら屋根の上のアンテナの修理を依頼されたらしい。

この間の低気圧通過か・・・。

三匹のツバメの雛。

「季節限定ペットです・・・右から衣笠、ギャレット、北別府(いずれもプロ野球広島カープの往年の名選手)です」

「名前までつけているんですか・・・」

「ツバメより鯉が飼いたいんですけど・・・家には池がないからね・・・もっとも鯉を買う金もないけどね、ハハハ」

「・・・」

「愛想笑いはいいですよ・・・気を使って疲れるでしょう。波留は養子なもんで・・・いっつも気を使ってばかりいたからな」

「養子って・・・」

「あ・・・可南子さんは・・・お忘れでしたか・・・まあ、そういうわけで・・・家では何事にも気を使わないのが家訓なんです。まあ、気を使わないってのもなかなかに気を使うんですけどね・・・ハハハ」

そこへ・・・アンテナの修理を終えた波留が合流する。

可南子の波留を見る目が少し和らいでいる。

「アンテナの次は自転車のチェーンな・・・」

「そのくらい自分でなおせよ・・・」

「何言ってんだ・・・親のピンチは子供のチャンスだろう」

「なんだそれ・・・」

「だから親孝行のチャンスだろってことさ」

結局・・・古い自転車のチェーンを修理する波留。

それを可南子が見守っている。

前回、着替えをとりにかえったものだろう・・・可南子はチェックのシャツを着ている。

そして波留もチェックのシャツを着ていた。

色違いのペアルックなのである。それはもの悲しいペアルックでもある。

しかし、気が付いているのかいないのか・・・二人はそのことには触れないのだった。

「ウチの親父・・・テンションが高くてリアクションに困るだろう」

「別に・・・そんなことないよ・・・いいお父さんだもの」

「・・・」

「二人・・・なんだか似ているし」

「え・・・でも俺たちは・・・」

「聞いた・・・でもやっぱり・・・似てると思う」

「そりゃ・・・イケメン親子だけどね・・・へっへっへ」

「私・・・なんとなく・・・分かった」

「?」

「どうして・・・私たちが一緒にいたか・・・想像できるっていうか」

「でも・・・気持まではまだ・・・」

「・・・」

近づけば離れる二人の心である。

だが・・・可南子の心はかなりリフレッシュしたのである。

帰路の交差点。

「駅まででいいよ・・・」

「家まで送るよ」

「ううん・・・友達に誘われてるの・・・迷ってたけど・・・行ってみようと思って」

「そうか・・・」

可南子は三人の女友達に事情を話してみた。

「えー・・・ちょっと老けたとか言わないでよ」

「じゃ・・・私たちと最後に逢ったのはいつになるの・・・」

「六年前かな・・・」

「じゃ、私の子供のこと・・・知らないの?・・・出産祝いくれたのに」

「え・・・子供・・・生まれたの?」

「リアクションが新鮮ーーーっ」

「私なんか、会社作っちゃったし・・・」

「えーっ」

「私・・・あんまり・・・」

「えー、六年もたったのにーーー」

女友達は屈託がなかった。

そこで・・・友達たちは可南子の心を突き刺すのである。

「でも・・・よく旦那・・・耐えているよね~」

「え・・・」

「普通、耐えられないよね~、優しいよね~、愛されてるよね~」

「え・・・」

「ウチなら離婚されちゃうかもな~」

三人女は・・・お茶の間代表かっ。

可南子はようやく・・・波留の自分に対する優しさに気が向くのだった。

その頃・・・一人帰った我が家で・・波留はコンビニ弁当でビールである。

その表情に・・・ようやく・・・しみじみとつらい気持ちが浮かび上がるのだった。

一方・・・可南子は家路につく。友達の言葉が胸に刺さっている。

(あの人に・・・一番、あまえていたのか)

そう思えてならないのである。そして気が重いのである。

再び・・・波留は哀しさに耐えきれず・・・可南子の文学美少女日記に手を出すのだった。

これは一部愛好家には相当な高値で取引されるアイテムです。

2008年 10月12日

今日から二人で暮らすのだ

昨日まではどんなに長く過ごしても

別れの時間がやってきて

口にするのは

じゃあ、またねだったのだ。

ちょっとさびしかったのだ。

でも・・・今日からは同じ家で暮らすのだ。

この家に波留と一緒に帰ってくるのだ。

この家で波留の帰りを待ったりするのだ。

この家で波留が帰りを待っていてくれたりするのだ。

そして・・・いってきますといってらっしゃいを

だだいまとおかえりなさいを言うのだ。

波留と二人で暮らすのだ。

・・・もう何度・・・可南子と波留はそういう挨拶をしただろう・・・。

なんと幸せな日々だったことか・・・。

波留は今更に・・・それを思い知るのだった。

波留の心に雨が降り、空から雨が降ってくる。

涙する波留の指に輝く指輪。雨に濡れる可南子の指にそれはない。

その時、玄関のチャイムが鳴りました。

波留がドアを開けると・・・可南子がいた。

しかし・・・ただいまとは言えない可南子。

おかえりと言えない波留だった。

「ちょっと・・・いいかな」

「とにかく・・・タオルを・・・」

掃除しておいてよかったと波留が思っていると可南子は切り出す。

「私たちもう会わない方がいいんじゃないかって・・・」

「どうして・・・」

「職場の人たちはみんな優しい・・・でも・・・私、それにうまく答えられない」

「・・・」

「記憶がもどらないの・・・」

「・・・待つよ・・・俺はいくらでも」

「文句とかいってください。私はひどいって言ってください・・・あなたはこんなに優しいのに・・・それに気づかないなんて・・・気づいても・・・何にもできないこととか・・・呑気に友達と飲みに行っちゃってることとか・・・何もかも・・・つらいんです」

目と目が合う二人。

思わず可南子を抱きしめる波留。

そして、即座に波留を・・・払いのける可南子。

五月の夜の雨の音はせつないのだ。夏はまだ遠いのだ。波留だから春なのだ~。

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Mako003 ごっこガーデン・ツバメ神社セット。まこぐふふふ・・・ペア・ルックで決めて、メカに強い男の子にちゃっちゃっと自転車直してもらい、しゅごおい~なんてかわいこぶりっこしちゃってカマチンカットで決めたりして~。ツバメの餌付けコーナーできゃあ~かわいい~なんてさらに聖子モードでブリブリの上に最後は一つ屋根の下でムギュ~ッのフルコースを堪能するのデス・・・ぐふふふ・・・おっとよだれたれちゃった~、じいや、冷しぼプリ~ズ~・・・みのむしじれったいけど、まだ第3話なんだものね~。もういいかい、まあただよ~って毎回じらされて・・・泣かされちゃう・・・そういうドラマなんだもんね~くうまたしてもレビューできてませんが・・・とりあえずごっこガーデンレストランにツバメの巣定食があると聞いたので来ましたmariはりきって第3話間に合いました~シナリオに沿ったレビューお待たせです。なんて優しい旦那様・・・そして胸がきゅんとなる恋のあの日をもう一度ですね。贅沢ですね~・・・じいや、ツバメのサイズ、発注ミスですよ~

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2012年5月 4日 (金)

かりそめ・・・本気なのかと思ったよ(根岸季衣)じょ、女優です(谷村美月)

つかこうへい系から・・・小夏こと根岸季衣がたぶらかしワールドに参戦である。

全員、なぎたおされていましたな。

今回、ゲスト出演者を見ると・・・。

母・根岸(70年代のつか芝居の主演女優)

父・並樹史朗(文学座18期生)

息子・少路勇介(大人計画)

息子の同棲相手・安藤聖(ミュージカル「アニー」デビューのおはガール)

ものすごく濃い目の、異種格闘技戦である。

前述したがレギュラーもおさらいしておく。

ORコーポレーション社長・段田安則(元・劇団夢の遊眠社の間をとる看板俳優)

秘書・白羽ゆり(元・宝塚歌劇団のトップ女優)

社員・山本耕史(劇団若草出身)

「演劇への情熱」・・・ここに極まれりだな。

もう、誰が代行女優なのか・・・見当もつかない方向に・・・。

で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第5回』(日本テレビ20120503PM2358~)原作・安田依央、脚本・森下直、演出・三島有紀子を見た。今回は「トップランナー」(NHK)などドキュメンタリー畑を経由した演出家である。そのために・・・指しゃぶり以外のセクシー・サービスは控えめである・・・しゃぶってないだろうっ。ちょっと・・・お高くとまってますな・・・風俗産業とその客全否定かっ・・・いや、そこまで言ってないだろう。まあ、三島由紀夫みたいな名前の大阪の女のなさることですから~。

久保まり子(安藤聖)は未婚の母である・・・父親である浅井康平(少路勇介)とは同棲しているが・・・浅井の両親が二人の結婚に反対しているために・・・入籍できないのである。

浅井の母親・富子(根岸季衣)は長野の旧家の山林王の家柄で・・・どこの馬の骨か分からない女は嫁にはできないという高圧的態度なのである。富子の夫・昭夫(並樹史朗)は婿養子であるために発言権がないらしい。

結婚の挨拶に出向いた席で・・・富子から息子の「縁談話」を持ち出されたまり子はそれ以来・・・康平の実家とは絶縁宣言をしている。

入籍しないまま、康平の子供を出産したまり子。しかし、康平は親に孫の存在を認めさせるためにお食い初め儀式をまり子に無断で計画するのだった。

そこで、代行女優のマキ(谷村)は・・・まり子に代わり、康平の同棲相手役を演じることになったのだった。

ところが・・・なんという偶然でしょう。

康平はマキのかっての劇団仲間で・・・昔の恋人だったのです。

・・・まあ、世間は狭いのですな。

康平はマキと別れ、劇団を解散後、すっかり堅気の人になっていたが・・・二人でカップルを演じるうちに昔の情熱的な日々が蘇る。

「ああ、私のとがった鎖骨が朝日が昇るのを感じてますますとがっていく」

「ボクはいくよ・・・アメンボが地平線の彼方を目指してはいけないなんて法律はないんだから」

「アメタローさん」

「アメコ・・・」・・・そんな芝居じゃなかったろうがっ。

とにかく・・・二人は昔の芝居さながらにキスをして・・・それをまり子に目撃されてしまうのだった。

しかし・・・その場から逃げ出すまり子のリアクションに不自然なものを感じるマキ。

「普通・・・怒るところじゃないの・・・」

「・・・」

やがて・・・まり子の過去に恐ろしい事実があったことが判明する。

単身上京した康平の父親と出会ったまり子は恐怖の声をあげ・・・父親は隠していた素顔を明らかにするのである。

「なんで・・・お前が・・・ここにいる」と声を荒げる康平の父親。

マキをバックアップしていたハイエナ・・・じゃなくて水鳥(山本耕史)が調査に乗り出すと・・・恐ろしい事実はたちまち明らかになるのだが・・・マキが指なめサービスをするため・・・なめていませんっ・・・その謎はマキがキャバ嬢になって潜入するまでお預けである。

で、マキがリップサービスで売上を伸ばした後・・・古株のキャバ嬢から・・・まり子の過去が明らかにされるのだった。

まり子は康平と出会う前に売れっ子のキャバクラ嬢だったのである。

そして、常連でマリ子にいれあげた挙句、暴行未遂を犯した客が康平の父親だったのだ。

・・・なんという偶然でしょう。

・・・まあ、世間は狭いのですな。

・・・もう、許してやってくれ。

婿養子のために・・・抑圧された生活を続けた康平の父親は異常人格者になっていたのである。

その男が康平の実の父親だと知ったまり子は狼狽した・・・キャバ嬢時代の経歴を康平には内緒にしていたのである。

まり子の心情をすべて読みとったマキだった。

たとえば男は あほう鳥

たとえば女は 忘れ貝

・・・なのだった。

やがて・・・両親が上京し・・・お食い初めの儀式が始まる。

その席でマキはまり子に代わって告白を始める。

「私は、康平さんに知り合う前に・・・苦界に身を沈めておりました。そこへやってきた不埒な客が誰あろう・・・康平さんの父親だったのです。そしてその男の乱暴狼藉は口にはだせない非道のふるまい・・・しかし、その男がよもや・・・康平さんの父親とは露知らず・・・顔を合わせてただ震えるばかり・・・なぜなら・・・私は過去の徒な暮らしを康平さんに悟られたくなかったのでございます・・・」

「馬鹿な・・・そんなことでボクの気がかわるとでも・・・」

「いえいえ・・・ただただ・・・私はこわかったのです・・・なぜなら、あの男に・・・キャバ嬢は人間じゃない・・・ただの道具だと言われてしまったから・・・でも、これだけは信じてもらいたい・・・私は・・・私は・・・」

物陰に潜んでいたまり子はたまりかね・・・飛び出した。

「康平さんを愛しています」

「まり子・・・」

「はい・・・そこまで・・・話は分かったよ・・・おい、お前・・・出張を口実に上京し・・・浮気三昧の所業・・・私が知らぬと思ったかい。婿養子の身の上でたまには羽根を伸ばしたかろうと今の今まで大目に見たが・・・堪忍袋の緒が切れた・・・出てお行き・・・」

離婚届けをつきつけられ土下座をする婿養子・・・しかし・・・実の妻の威圧感にすごすごと退場である。

やがて・・・親子仲直りの記念撮影。

康平の母「あんた・・・康平を見る目に情があったねえ。まるで、だまされちまったよ・・・」

マキ「マキ・・・幕がおりればはいそれまでよ・・・私は女優でございます」

さすがに・・・大女優に睨まれて、弱冠、早口噛み気味の新進女優でございましたな。

おあとがよろしいようで・・・。

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2012年5月 3日 (木)

悪女についての愛なのです・・・。(沢尻エリカ)

やはり、ここかっ。

ま、谷間ですからな。

「37歳で医者になった僕」では絶対失敗することのないように丹念に作られた絞首刑用ロープの立場をないがしろにするセリフがあって触手が蠢動したけどな・・・。それは因縁に近いだろう・・・。

主題歌がすっかりなじんできた「梅ちゃん先生」に怨み屋(木下あゆ美)が登場・・・ミムラのハートに火をつけて・・・退場なのか・・・ワンポイント・リリーフか・・・満島ひかり(弟)もさすがの存在感だな。(弟)を脱する日を目指してもらいたい。掘北真希を毎朝見れるっていいよね。

「コドモ警察」の今週のニックネームは・・・「ダクトにはまって尻かくさず」である。

スラスラ言えるのは名子役の証である。

尻と・・・聞いただけで「そうだ、沢尻を書こう」と思うのは母なる自然の呼び声だと思う。

で、『悪女について』(TBSテレビ20120430PM9~)原作・有吉佐和子、脚本・池端俊策、監督・鶴橋康夫を見た。原作・小説は1978年の出版であり、著者は1984年に死去しているが、ドラマのラストは1986年で締められている、。つまり、アレンジがあるということである。ただし、有吉佐和子は「恍惚の人」にも見られるようにかなりの先見性というか、一種の未来幻視能力者だったので・・・原作にはパブル経済の爆発とその後の暗闇が内包されていたと妄想することが可能である。

ちなみに・・・主演の沢尻エリカは1986年の生まれである。あたかも、このドラマの主人公が輪廻転生したような趣向になっている。

とにかく、ドラマ化にあたってのアレンジで戦後の混乱期に対する些少のニュアンスの違いが生じているが21世紀のドラマとしては誤差の範囲内として考えることができる。

また、原作小説は・・・「死んだ悪女についての関係者の証言」という「藪の中」形式で物語られており、「理解と誤解は同義語」という・・・人間の現実認識の限界を主題としているので些細な矛盾点をあれこれ取りざたすのは本質を誤解していることになると思うし、そもそもこのブログは基本的に妄想なのでご注意ください。

また・・・ドラマは船越英一郎演ずる沢山という男が各人からの証言を引き出す形式で作られているので時系列が前後する。もちろん、その方が作為的で面白いのだが・・・面倒なので整理しちゃいました・・・それはレビューとしてどうかな。

昭和二十年(1945年)頃・・・大日本帝国敗戦の年。君子(沢尻エリカ)は八百屋を営む鈴木の家で生まれる。

君子によれば・・・某宮家の不義の子で生後まもなく鈴木家に引き取られたという。

君子が中学生の時、父親が米軍のジープに撥ねられて死亡。君子は母親の鈴木タネ(余貴美子)とともに父親が八百屋として出入りしていた乃木坂の尾藤家に下女として布団部屋に住み込むことになる。

君子によれば・・・某宮家との関係で華族だった尾藤家に引き取られたということになる。

君子は「夢見がちな子供だった」とタネは語るのである。

君子は幼い頃から知っている尾藤家の長男・輝彦(渡辺大)を密かに「おにいちゃま」と呼び、走り高跳びの選手として日本記録を狙う大学生の輝彦を「神様」として慕っていたという。

タネが輝彦の母親の睦子(高畑淳子)の宝石を盗んだことから母子は家を追い出される。

タネは違うというが・・・もちろん、嘘なのである。

その頃、すでに輝彦と君子は恋愛関係になっているが、ファースト・キスで腰を抜かす君子の演技はトレビアンだった。中学生くらいでファースト・キスをすればみんな腰を抜かすものである。・・・それはどうかな。

君子は中学を卒業後、簿記の学校に通い始める。家計は母親が窃盗などの悪事をして稼いでいたと思われる。

そういう生活を君子は「私たちは汚いね」と表現している。

昭和37年(1962年)、君子は17才になった。

この年、薬の行商から露天商となり、ラーメン屋と宝石店を妻・道代(東ちづる)と経営する沢山と簿記の学校で知り合う。

その縁で君子はラーメン屋でアルバイトを始める。

すでに輝彦に処女を捧げた君子は妊娠してしまう。尾藤家は没落し家財を切り売りして凌いでおり、輝彦はケガをして選手生命を断たれ、絶望していたが、これを機に大学を退学し、君子と結婚しようと求めるが・・・君子はこれを拒否する。

「私は・・・神様の子供を産み育てるだけで幸せなのです」

君子は沢山を誘惑し、その愛人となる。もちろん、最初は処女を演じたのである。

そして・・・「あなたの子供を妊娠しました・・・でも家庭を壊すつもりはありません」と沢山にもちかける。

一ヶ月後、君子は沢山の宝石店でも働き始め、そこでアルバイトしていた渡瀬義雄(上地雄輔)と知り合う。渡瀬は学生運動で逮捕歴のある休学中の大学生だが、実家は静岡県でも指折りの資産家だった。

君子は渡瀬を誘惑し、同棲生活を始める。

そして・・・「あなたの子供を妊娠しました・・・結婚してください」ともちかける。

渡瀬は君子に溺れていたが・・・君子と輝彦が仲睦まじく会話しているところを目撃し、実家に逃亡してしまう。

一年後、君子は出産し、長男を義彦と名付ける。義彦の義の字は義雄の義であったが、彦は輝彦の彦だった。

DNA鑑定のない時代の話である。いい時代だった。

しかも、君子は渡瀬には無断で入籍していたのである。

義雄には親の決めた縁談が進んでおり、義雄の父親(中原丈雄)は腰を抜かしてしまう。

君子は我が子を抱いたまま、自殺未遂をはかり、世間体を憚る渡瀬家は手切れ金として五千万円を払うことに同意する。可愛い息子のためなら山を一つくらい手放せる親だったのである。

その後、渡瀬とは何度か関係するが疎遠になる。この時、同時並行で、尾藤と沢村とも関係していたわけだ。

その結果、翌年、次男・義輝が生まれる。義輝の義は・・・以下省略。

君子は宝石に深い興味を抱いていた。

「地底の暗闇から地上に現れて輝く・・・ダイヤモンドは素敵だと思う」のだった。

君子は某宮家の落胤で私生児というふれこみで、沢村と接していたため。金の出所を問われることもなく、五千万円で沢村のラーメン屋を買い取り、宝石商を開始する。

沢村はそれを資金に事業を不動産業に拡大させ、ある程度の成功を収める。

しかし・・・美貌と才覚を武器に君子はそれを上回る成功を収める。

君子の世界では高度成長とバブル経済は隙間なく連結されており、富裕層を狙ったビジネスは次々にあたりまくるのである。

25才になった君子は政財界の大物や、実際の資産家である烏丸(鈴木砂羽)とも交際するようになる。そして富小路家の御曹司と二度目の結婚をし、二年で離婚するが、慰謝料として田園調布の土地を取得するのである。

君子に宝石業のノウハウを仕込んだジュエリー加工職人の友保(西田敏行)はそんな君子を危ぶみ・・・一つの宝石を見せる。

「ルビーだよ・・・いくらだと思う」

「素晴らしい・・・鳩の血の色・・・ビルマ産のピジョン・ブラッドね・・・二億円で売れるわ」

「これは・・・人工宝石だ・・・五千円てとこだよ。科学の進歩は凄まじく・・・ニセモノが本物以上の輝きを持つようになった・・・気を付けた方がいい」

「でも・・・奇麗じゃん」

君子には真偽などは問題ではない。ただ・・・懸命に生きていくだけなのだ。

美しく・・・そして楽しく。

やがて、ホテルや宝石店のオーナーとしてモリハナエ・・・ではなくて一流デザイナーの林梨江(床嶋佳子)のドレスで着飾る・・・君子。

二人の子供は成長し・・・一人は社会人、一人は大学生になっている。

沢村は二人の子供の親代わりとなっていた。渡瀬は建設会社の営業課長。尾藤は一流商社のニューヨーク支店で勤務している。

昭和61年(1986年)、40代となった君子はホテルの支配人の小島(浜田学)と三度目の結婚を目前に控えていた。容色にはいささかの衰えもない。

そして・・・自社ビルから転落死するのである。

買い付けのために海外に出張していた沢村は君子の安らかな死に顔にダイヤを巻き散らす。

そして・・・美しくもはかない・・・君子の生涯をめぐる彷徨を始めるのである。

とにかく・・・ただ一つ言えるのは・・・なんだかんだで沢尻エリカを失っていた虚飾の業界の損失は大きかったなあ・・・ということである。

そして・・・あれやこれやで沢尻エリカはゴージャスな美貌とともにお茶の間に帰ってきたのでございます。

悪女になるなら

涙ぽろぽろぽろぽろ流れて涸れてから

・・・なのですな。

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不信のとき~ウーマンズ・ウォーズ~

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2012年5月 2日 (水)

変態の女神は天使の涙を流します(新垣結衣)

愛想笑いは女の罪、それを見抜けないのは男の罪・・・の方向性でございます。

今回は・・・瑛太の弟・永山絢斗が初めてといっていいほど・・・印象に残る演技を見せたわけである。

つまり・・・それほどに脚本・演出が素晴らしいのだな。

いや・・・だって・・・あの永山絢斗が・・・見事な演技を披露しているのである。

「夏の恋は虹色に輝く」の伊良部譲・役とか、「恋愛ニート〜忘れた恋のはじめ方」の槙野駿平・役とかを演じたのが同じ俳優とは思えないほど、今回、一皮剥けちゃいました。

まあ、明らかにストーカーと思わせておいて・・・実は純愛していただけだった男が・・・最後は愛する女のために冤罪に身を落とすという・・・最高に後味の悪い展開なのに・・・まあ、しょうがない・・・そういうことってあるよな・・・という説得力を持たすのはなかなかのことなのである。

なにしろ、表面のキャラクターとしては一貫していながら、内面の悪と善を演じ分けるのですぞ。すごいですな。

もちろん・・・登場人物のすべてがものすごい存在感を醸し出してくるドラマなので・・・作品自体のオーラが残照にわかに荒野を照らし・・・的な相乗効果をあげているわけですがね。

ははは・・・三回目にして・・・このドラマはもう殿堂入りだな。

で、『リーガル・ハイ・第3回』(フジテレビ20120501PM9~)脚本・古沢良太、演出・城宝秀則を見た。赤ペンで花マルつけてあげたいドラマである。・・・パクリながらほめるなよっ。いや、だってリピートしてうふふってドラマって・・・最近、記憶にないぜ。絶賛体制でいいんじゃないか。視聴率も見事にほどほどだしな。まあ、セリフの速度についてこれないお茶の間は予想できるわけだが・・・なんか・・・今季って大豊作じゃないか・・・春なのに。

テレビのドキュメンタリー番組「熱血!夢追い人」の取材が古美門研介(堺雅人)の追っかけ取材を敢行中である。

「僕はお金では仕事はしませんよ・・・無力ゆえに泣かざるをえない人々の涙をそっとぬぐってやることが・・・弁護士の仕事だと確信しています」

インタビューに答えて嘘八百の美辞麗句を並べたてる古美門弁護士。

(心にもないことを・・・金の亡者が・・・)と眉をしかめ、立腹するガッキーがのっけから可愛さ全開ガールである。

その頃、とある結婚式場では・・・映画「卒業」(主演・ダスティン・ホフマン)そのままに榎戸信也(永山絢斗)が花嫁の村瀬美由紀(原田夏希)を略奪、逃走・・・逮捕されてしまう。

国選弁護人として・・・新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)が弁護に立つことになると・・・「いいぞ・・・ストーカー規制法違反で訴えられた男の無罪を勝ち取る・・・これに成功すれば・・・おたまじゃくしを卒業して変態の女神として輝くことができるぞ~。絶対に勝て、勝って変態たちの希望の星となれっ」と叱咤激励する古美門先生である。

「そんなものにはなりません」と宣言しつつ、さっそく、被告である榎戸と接見する黛は・・・。

黙秘されてしまうのである。

状況的にはすでに公安委員会からつきまとい禁止命令を出されている身の上で結婚式場に乱入して花嫁を拉致・監禁している榎戸に無罪の可能性は皆無であり・・・・「罪を認めて情状酌量による減刑を願うしかない」と弁護方針を伝える黛である。

不安を抱えたまま、法廷に出た黛は原告側の検察官が大学時代の恩師であり・・・黛が仄かな恋心を抱いていた相沢秀臣(東根作寿英)であったことに激しく動揺するのであった。

しかも・・・突然、被告の榎戸は「無罪」を主張するのである。

「どうして・・・」と問う黛に榎戸は「だってあなたは・・・最初から僕を犯罪者だと思っているんでしょう」と答える。

「・・・」

「僕はただ・・・通勤途中の彼女に一目ぼれして・・・朝のバスには一緒に乗っておしゃべりをし、退社時間には彼女と一緒に家路についた。大学時代からつきまとっている男がいると言うから意見をしに行って・・・彼女が強引に結婚させられそうになったから・・・それを阻止しただけなんです」

(それを世間ではストーカーと言うんでしょう)と思いつつ・・・黛は自分の過去に赤面するのだった。

ガッキーがひたすらかわいさを大全開させる大学生時代・・・黛は・・・恩師の相沢を待ち伏せして・・・お茶を飲んだりしていたのである。

偶然をよそおい

帰り道で待つわ

好きだったのよ あなた

胸の奥でずっと

なのである。・・・だれが歌えといった。

相思相愛と思い込んだ片思いのなせるわざをすべてストーカー行為と言うのならば・・・黛も立派にそれをした一人なのだった。

しかも、ヴァレンタイン・デーには手作りチョコを渡し・・・実は大人の恋人のいる相沢に影で存在を一笑にふされて木端微塵になった過去まで持っていたのだった。

・・・まあ、ガッキーにそんなことされて抱いちゃわない展開なんてありえませんけどねぇぇぇぇぇっ。

一方、弁護士からの依頼で「こら、しっかり打たんか、六本木でイチモツふりまわしてないで球場でバットを振れ!まったく女子アナばっかり抱きやがって~」などというあまり上品ではない野次をとばし、野球場から強制退去されられた望月ミドリ(阿知波悟美)が訴える・・・彼女自身がファンであったプロ野球団「東京ゲッツ」に対する損害賠償請求を・・・損得抜きのテレビ番組取材用に引き受ける古美門である。

しかし、引き受けたからには必勝体制の古美門だった。

対する球団側の弁護人は・・・古美門の古巣・三木長一郎(生瀬勝久)弁護士事務所の井手孝雄弁護士(矢野聖人)である。

絶対、負けるはずのない裁判で・・・井出は三木から「敗訴したら死をもって償え」と宣言される。

「ゲッツに対して損害賠償として1500万円を請求する」という古美門に裁判長を始め法廷内の一同は呆れ顔だったが・・・「そもそも、ゲッツの行為は憲法第21条の表現を犯す憲法違反なのです」で始まる古美門の魔法のような話術に洗脳されていくのだった。

そして・・・ついには「彼女の野次には・・・母親としての愛があった・・・勉強しなさい、勉強しなさいと激励する母親の声を人はだれもがうるさがる・・・しかし、功成り名を遂げた時、誰もが思う筈です・・・お母さん、ありがとう・・・と」

ものすごく思い当たることがあったのか号泣する裁判長である。

一方・・・黛の法廷では被告の敗色は濃厚なのであった。

そして・・・なぜか・・・古美門はそれを傍聴していた。

「だめだな・・・」

「そんな・・・」

「俺ならすでに十七通りの手を思いついている・・・しかし、絶対に教えない」

「・・・」

「第一・・・おまえは死に物狂いで何が何でも被告を無罪にしようとしてないじゃないか」

「弁護士は適正な法の裁きを・・・」

「負けたら・・・クビだ・・・借金は返してもらう・・・いい風俗を紹介するぞ」

追い詰められる黛だった。

その時、古美門の頭にあるのは・・・法廷にカメラを持ち込めないならコミック「バガボンド」の作者・井上雄彦にイラストを描かせたらいいのではないかと「熱血!夢追い人」のスタッフに提案するタイミングをいつにするかだった。

見かねた万能事務員の服部(里見浩太朗)は・・・。

「素直に教えをこえば・・・きっと教えてくださいます」と助け舟を出す。

勇気をふりしぼり・・・古美門のもとに赴く黛。

「あの・・・」

「ことわる!」

瞬殺され、ふりかえったガッキーの表情は本年度の半べそ大賞受賞決定である。

かわいいよ、ガッキーかわいいよ×100くらいのかわいさだ。

仕方なく服部は自らがヒントを出すのであった。

現場百遍である。本当に・・・榎戸は村瀬にただつきまとっていたのか・・・第三者の証言を捜してみたら・・・というものであった。

黛は榎戸の軌跡を追体験し・・・当時の二人を目撃していた第三者を一発で探り当てるのだった。

「二人は仲がよさそうでしたよ・・・彼が彼女の似顔絵をプレゼントした時なんか・・・すごくうれしそうでしたし・・・」

つまり・・・本人以外にも村瀬が黛に好意を持っていたと感じていた人がいたのである。

黛はついに奥の手である・・・古美門事務所の忍び・・・伊賀の影丸じゃなかった加賀の蘭丸(田口淳之介)を使うところまで追いつめられてしまったのだった。

それを使うと法外な情報料金を給料から天引きされてしまうのである。

そして・・・情報収集の達人・蘭丸は難なく新婚新居に引っ越す村瀬の捨てたゴミの中から・・・榎戸が村瀬にプレゼントした似顔絵を回収するのだった。

去年の夏から・・・今の今まで・・・村瀬は贈られた似顔絵を保管していたのだった。

それは・・・村瀬が榎戸の好意をまんざらではなく感じていたことを示す決定的な証拠だった。

法廷で明らかにされていくのは・・・エリートの新郎と交際しながら・・・榎戸にどこか心のやすらぎを感じていた新婦の村瀬の心情だった。

しかし・・・それを知ることができるのはお茶の間だけで・・・法廷ではあくまで村瀬はその事実を否定していく。

「あなたは・・・榎戸さんからもらった似顔絵をどうしましたか」

「気味が悪いのですぐに捨てました・・・」

「本当ですか・・・」

「本当です・・・」

手元には・・・切り札の似顔絵があった。それを出せば・・・村瀬は虚偽の証言をしていたことになるのである。

その前に・・・本心を語ってもらいたいと・・・黛はギリギリの攻防を繰り返す。

しかし・・・心が変わったのは・・・榎戸だった。

榎戸は・・・愛する村瀬が打算的な女であることを知ってもそれ以上村瀬を追い詰めることができなかったのだ。

「もういい・・・僕がやりました・・・僕はストーカーです・・・僕はきもい男なんです。心から謝罪します。申し訳ありませんでした」

「え・・・そんな・・・あなたは・・・」

「いいんです・・・どうもありがとうございました」

榎戸の自己犠牲とも献身とも言える発言に明らかに心を動かされながら・・・顔色を変えない村瀬だった。

村瀬はただ・・・そういう普通の女性だったからである。

しかしあなたはこの愛を当たり前だと思うのだろう

だからあなたは感謝知らず 感謝知らずの女

・・・歌うと思ったよ。黛は仕方なく天使の涙を流すのだった。

まあ、一種の人種差別的なエモーションのもつれがあるのだな。

踏みにじっている方が踏みにじっているとは気がつかないというような・・・。

つまり、エリート銀行員は派遣社員が自分を恋愛対象にするなんてだいそれたことをするとは夢にも思わなかったのだな。

じゃれついてくる子犬の頭をなでただけだったのだ。

実は恐ろしい時代の話なのである。

・・・敗訴である・・・しかし、古美門は初めて優しい言葉を投げかける。

「クビは免除してやろう・・・依頼人が望んで有罪となったのだ・・・弁護人の責任の範囲を逸脱しているからな・・・無論・・・俺なら依頼人にそんなことは許さないがね」

「・・・」

「残念賞として何か食わせてやる・・・」

「ト、トムヤムクンを・・・」

タイ料理もこなす服部だった。

「お、おいしいです・・・」

黛は辛さに紛らわし・・・珠玉の二度泣き展開である。

それにしても・・・「あいぢわみすぎのまゆずみ」を一瞬で見破る古美門・・・どんなスペックもっているのか・・・っていうか、加賀の蘭丸が黛の過去に対する完全な身上調査しているんだな・・・きっと。

一方、若い芽を完全に摘み取られた井手弁護士はVシネモードになった秘書の沢地君江(小池栄子)によってロシアン・ルーレットの刑に処せられるのだった。なにやってんだ。

「熱血!夢追い人」のオンエアの時間である。

黛と古美門・・・二人はまるで恋人たちのように事務所のソファに並んですわっている。

「ちょっとテレビって太って見えるな」

「そんなことないですよ・・・あれ、ちょっとテレビって太ってみえますね」

「そんなことないな」

画面では黛が古美門に対して全身で「くそくらえ」を表現していたわけだが。

中指の凸の部分にはモザイクがかかっているのである。

フッユァクー

・・・みたいな感じです。しかし、ナレーションが優しく「シャイな方なので尊敬の裏返しの表現です」とフォローするのだった。

「この世から悪はなくなりません・・・しかし・・・こうして人々の心の平穏を取り戻すことができるなら・・・弁護士という仕事にも意味があるのかもしれません」

と古美門が華麗にまとめたかに見えたが・・・。

最後の最後に服部が登場する。

「弁護士は法律の女神に仕える騎士のようなもの。そして私などはその騎士に仕える従者というところですかな。うわっはっはっはっ(エコー)」

「えーっ、服部さんに全部もってかれてるじゃないか」

「いいコメントだったからでしょ」

「申し訳ございません」

「いや・・・服部さんのせいじゃありませんがね」

「出すぎた真似をいたしまして・・・」

「服部さんのせいじゃありませんがねっ」

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2012年5月 1日 (火)

まいりました(相武紗季)桂馬に願いを・・・(戸田恵梨香)・・・彼氏はいますか?(大野智)

2007年の夏を思い出す・・・もう五年もたったのだな。

相武紗季は牧場よりも男性が好きで、戸田恵梨香は男性よりも牧場が好きというキャラクター。

やはり、相武と戸田を並べると・・・相武がちょっとワルになってしまうのである。

そして、戸田はちよっとおバカさんになってしまうのだ。

なんだろう・・・これはキャラ特性なのか・・・。

そして、バカではないからワルになってしまうし、バカだからワルになれない法則である。

しかし、相武もけしてバカをやらないわけではない・・・「家政婦のミタ」だってそういう役回りなのであるし・・・しかし、どっか・・・バカになりきれない・・・ワルな感じがするのだな。

戸田も「花より男子2」の中島海なんて結構、ワルいわけだが・・・基本、バカで結果としてワルというパターンである。

まあ・・・とにかく・・・あれから五年・・・戸田と相武の共演は限りなくゴージャスで・・・可愛いのに演技派という共通点を遺憾なく発揮している今回である。

ある意味、「牛に願いを」が二人を強くしたと言えるわけで・・・金子ありさ脚本は役者を育てるのかもしれないよね~。

で、『鍵のかかった部屋・第3回』(フジテレビ20120430PM9~)原作・貴志祐介、脚本・相沢友子、演出・加藤裕将を見た。現実世界には将棋の女流棋士はいるが、将棋の女性の棋士はいないのである。これは男女差別ではなく、単に新進棋士奨励会に入会して四段になれば誰でも将棋の棋士になれるのであるが・・・未だかって四段に昇級した女性はいないのである。だから・・・将棋の女性の棋士誕生が達成されたらものすごいことなのである。あまりのプレッシャーに失踪したり、ヘアヌードを解禁したり、自己破産したりする場合があるくらいなのである。まあ・・・キッドの妄想では・・・この事件の後、犯人は獄中ヘア・ヌードを解禁していると思う。変態かっ・・・変態だよお。

密室がひとつのダイイング・メッセージです

東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)は「密室にする動機が謎」というミス・リードを展開するが・・・つまり、犯人が意図して作った密室ではなく・・・「密室と犯人の動機には直接、関係がない」・・・ということになるわけだ。

悪評高い将棋の棋士・竹脇五段(ゆうぞう)がホテルの一室で殺害死体として発見される。致命傷の様子から自殺である可能性は低いが・・・部屋は施錠され、チェーンがかけられている密室だった。

死の直前・・・竹脇五段と通話していたのが・・・芹沢弁護士(佐藤浩市)だったために事情聴取を受けることになり、事件が解決しないと貴重な時は金なりが失われると直感した芹沢は新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)に榎本出動を要請するのだった。

密室と聞いて直ちに現場に急行する榎本だった。

外からチェーンをかける方法はいくらでもある

・・・と即答の榎本。しかし・・・そういう手段を使った気配がないために・・・榎本の出した結論は。

チェーンをかけたのは被害者

・・・だった。考えられる可能性は・・・犯人がすごく怖い奴で・・・一度、部屋を出た後に戻ってきたら怖いから・・・である。・・・そうじゃないだろっ。

そこへ・・・被害者の恋人の女流棋士・来栖奈穂子(相武紗季)が被害者の遺品を確認するためにやってきた。犯行時間前に来栖は自宅から電話をしており・・・一応のアリバイは成立していた。

一瞬で来栖に心を奪われる榎本。だからこそ・・・来栖の一挙一動を見逃さない。

そして・・・探偵の心を奪う被害者の恋人は基本的に加害者なのである。

彼女は盤上の桂馬をとりあげ盤外にとりだした

・・・この一点で犯人は来栖なのである。

ここからは・・・なぜ、彼女がそうしなければならなかったか・・・という動機の話になるわけである。

もちろん・・・「犯人が被害者の残したダイイング・メッセージを消しに来る」のヴァリエーションである。

将棋は基本的には対戦相手の王将を殺すゲームである。ゲームとしてはチェスに近いが、将棋においては王将意外の盤上の駒は殺されることがなく、捕虜とされ、裏切り者として使用することができる。つまり、生きて虜囚の辱めを受けた駒は一度、盤外に出され、再び、味方の駒として盤上に戻されるのである。

被害者は犯行時刻に開催されていた竜王戦の対局をポケット将棋盤で再現していたのである。

しかも・・・それを再現するためには室内にインターネット端末が必要だった。

しかし・・・室内にはインターネット端末が存在しなかった。

つまり・・・犯人はインターネット端末を現場から持ち去った可能性があったのだ。

凄い人と知り合えたのでうれしいです・・・お友達になってください

事件とは無関係に女友達募集中の青砥だった。

なぜ・・・犯人はインターネット端末を持ち出す必要があったのか・・・榎本は情報収集にのりだした。

榎本は青砥よりも将棋の知識を持っていた。

なぜなら・・・青砥は弁護士バカなのである。

しかし・・・バカだけど人間になりたい青砥だった。

彼女とかいるんですか

・・・と榎本に問う青砥。

「女の人はどうして恋愛の話をしたがるのでしょうか」

「だって面白いんですもの」

榎本は事件解決にはあまり役に立たない新たなる知識を得た。

来栖は竹脇五段の恋人である以上に、女性として初の棋士になれるかもしれない人間として注目を集めていた。

四段への昇進のためにあと二勝が必要な来栖の対局を見学しに来た榎本と青砥は・・・新たなる登場人物・女流棋士・稲垣真理一級(山下リオ)と来栖とのただならぬ関係を目撃する。

さらに被害者を良く知る中野四段(忍成修吾)から・・・来栖が否定する・・・被害者の携帯電話(インターネット端末)所持を知らされる。

対局は追い込まれながら凌いだ来栖の勝利で終わる。

しかし・・・榎本には事件の真相が解けてしまったのだった。

コンピューターが時には棋士に勝つ

・・・時代である。次の一手を解析するゲーム・ソフト「すごさし」の悪用が事件の鍵だった。

来栖と稲垣・・・二人の女流棋士の棋譜を解析した榎本は二人の「決め手」が「すごさし」の「決め手」と100%一致することを突き止めた。

二人はピンチになるとカンニングをして凌いでいたのである。

そして・・・その秘密を竹脇五段に握られ、肉奴隷と化していたのである。当然、来栖、稲垣、竹脇の3Pも・・・その妄想はそこまでだ。変態にもほどがあるだろう。・・・自主規制かよっ。

私はデリヘル嬢よ

・・・宣言である。春のお色気祭りとどめの一手だな。

そして・・・竹脇五段は証拠品として差し押さえた来栖の携帯電話をインターネット端末として利用していたのだ。

毒島薫竜王の一手・・・はコンピューターにも予測できない奇手であり・・・インターネット実況を視聴していなければ再現不能の可能性が高かった。

だから・・・盤上の桂馬は「何者かが室内からインターネット端末を持ち去った」というダイイング・メッセージなのである。

・・・それはどうかと思うが・・・見逃します。

来栖は観念して・・・自分を追い詰めた榎本と最後の対局をする。

将棋は来栖の圧勝だった。投了する榎本に敗北を認める来栖。

だけど・・・負けたのは毒島竜王の一手によ

勝利への執念から解放された来栖の美しさに榎本はさらに心を奪われるのだった。

「私・・・彼女の弁護しようと思います・・・まあ・・・拒否されちゃうかもですけど」

「彼氏はいるんですか・・・」

「え・・・」

「いや・・・何か・・・面白い話をしようと思って・・・」

ちなみに守秘義務を守った芹沢と竹脇五段の案件は「エロサイト利用の不正請求」だった。

最後におことわりしておきますがキッドのブログにネタバレ禁止とかそういう配慮はありません・・・最後にことわることじゃないだろうがっ。

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