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2012年5月23日 (水)

おりん(青山倫子)の変態プレーの果ての阿吽の呼吸を赤毛のアンは「絶望という名の希望」と名付けるか?(新垣結衣)

名付けません・・・ロマンチックじゃないんですもの。

どこまで傑作街道を突き進むのか・・・ガッキーの蟹股キックの着地点も近づき、折り返したわけだがハズレ回なしどころか、毎回大当たりである。・・・来週なんか・・・黛のいとこの千春(木南晴夏)登場でもはやハートを鷲掴みである。ガッキーと二人で入浴シーンをお願いします。

変態かっ・・・変態ですよーっ。

で、『・第6回』(フジテレビ20120522PM9~)脚本・古沢良太、演出・城宝秀則を見た。『赤毛のアン』とは20世紀初頭のカナダの作家モンゴメリによる長編小説「グリーンゲイブルズのアン」の邦題である。アンは孤児で不思議の国のアリスを上回る萌えを内蔵するビューティフル・ネーミング・マシーンなのだ。・・・嘘ばっかり書くなよ・・・。

赤毛のアンと同様に頭が「ロマンチック(ローマ奴隷的理想)」で満たされている新人弁護士・黛真知子(新垣結衣)は愚民としてテレビを視聴し「作られた理想の夫婦」に憧憬の表情を浮かべる。

芥川賞受賞作家の神林彬(鈴木一真)と美人キャスターの岡崎安奈(青山倫子)のおしどり夫婦ぶりにうっとりである。

しかし・・・実際の神林夫妻は破綻寸前であり、趣味のキング・タイガー戦車を保守するために夫は鈍器で殴られ、妻は壁に激突して出血するほどの夫婦喧嘩を繰り広げていたのだった。

そして・・・乙女の夢を破る神林からの離婚調停の代理人依頼の電話が古美門研介(堺雅人)事務所に鳴り響くのである。

古美門は離婚沙汰と超媒体創作家には関わらない主義だったが・・・小動物のようにすがる黛に応えて超有能な事務員の服部(里見浩太朗)が「黛先生の借金返済と教育のためにお引き受けになったらいかがでしょう」と唆すのである。

うっかり引き受けた古美門は過去の古傷に甘美な調味料を摩りこむ破目に陥るのだった。

相手となる妻側の弁護士は・・・古美門の元妻で米国在住の無敵の弁護士・圭子・シュナイダー(鈴木京香)だったのだ。

「古美門くん・・・」と名前を呼ばれただけで古美門の繊細な神経は破綻し、消化器系の機能に壊滅的打撃を受ける。まさに・・・シュナイダー夫人は古美門にとって天敵なのである。

神林夫妻の離婚の意志は固く、問題となるのは条件だった。

古美門「共有財産の折半、慰謝料はなし」

シュナイダー夫人「共有財産の折半、慰謝料三億円」

古美門「・・・」

シュナイダー夫人「夫の不貞行為による離婚です・・・ニューヨークではこの額じゃすみませんよ」

古美門「しょ、しょんなーーーっ」

シュナイダー夫人「めっ」

説明しよう・・・シュナイダー夫人に叱られると古美門は自動的にお腹を下してしまうのだ。

第一回の調停でいきなり戦線離脱した古美門・・・仕方なく黛は神林夫妻の新婚当時の出演テレビ番組を一同に披露する。

「出会った頃のお互いを思い合う心を思い出してください・・・」

虚脱する一同だった。

シュナイダー夫人「一度、ミシシッピ河でアメリカアリゲーターの開いた口に頭をつっこんできなさい。少しはマシになると思うから」

黛は古美門の口癖のルーツを思い知るのだった。

しかし、古美門の体調不良を聴き、シュナイダー夫人は複雑な表情を浮かべる。

服部の謎の漢方でようやく危機を脱する古美門。

服部によればかって古美門とシュナイダー夫人は無敵のパートナーであり、ついには結婚に至るがほどなく離婚、原因は古美門の不貞行為と噂されているらしい。

未婚どころか・・・乙女であるかもしれない黛にとっては離婚している古美門も、再婚しているシュナイダー夫人も、離婚しようとしている神林夫妻もすべては想像外の心を持つ怪物なのであった。

基本的に「両親が離婚したら嫌だよ」という子供の心しか持っていないからだ。

一度は愛し合った夫婦がお互いをののしり合い、相手が死ねばいいのに願い、仇よ地獄に落ちろとばかりに激突する状況が理解できないのだった。

「だってそんなの少しも美しくありません」

第二回調停は仕事のため夫不在である。場所は古美門事務所。

古美門は得意の舌鋒で妻を追い込んでいく。

「二十代の頃はお色気キャスターで重宝されたあなただったが・・・三十代に近付くと若手に仕事を奪われ窮地に追いやられていた・・・現在のあなたは神林夫人として売れているだけで離婚したならただの四流タレントでしかない」

黛は古美門の容赦ない言葉に戦々恐々である。

すると突然、神林夫人は逃亡者おりんのごとき凶暴性を発揮するのであった。ナイフをつかんで古美門に斬りかかる。古美門は黛を盾に逃げようとするが、追い詰められて絶体絶命である。

しかし、事務所だったので服部が「御免」と当て身一発でおりん・・・神林夫人を仕留めるのだった。

その場を利用して旧交を温める二人の弁護士。

「離婚沙汰なんて君らしくない」

「私はオールマイティーよ」

「今や、僕は常勝無敗の弁護士だ」

「私が育ててあげたのよ」

「何を言う。君が僕から学んだのだ」

「そう思わせてあげたのよ・・・男は単純だから」

「再婚したのか・・・」

「あなたより数倍素敵な夫よ」

「どうせ・・・君の本性を知れば離婚したくなるさ」

「あなたに言われたくないわ」

「僕と戦って勝ち目があると思うのか」

「こんなぬるま湯で遊んでいるあなたとちがって私は本場で削り合っているのよ・・・負ける気がしないわ」

二人から疎外感を感じつつ・・・古美門と同等に渡りあうシュナイダー夫人に憧れを抱く黛だった。

ついに決戦の舞台は法廷へ・・・。古美門事務所の忍者・加賀蘭丸(田口淳之介)は神林夫人の周辺を洗うが男の気配はなし。一方、神林には馬厭らしい18人の女性関係が明らかになってしまう。口封じを行うが・・・さらに二人の浮気相手が出現し・・・法廷は泥仕合そのものに。しかも裁判長は公明正大なる女性である。砂漠の狐ロンメル将軍率いるティガー戦車の機甲師団を前にパットンは為す術もなく・・・。

「夫はアナウンサーを凌辱するプレーのために私にニュース原稿を読ませて背後から挿入したりしたのです」

「感じてたじゃないかーーーっ」

「演技に決まってるでしょう」

「うそだ・・・ジェット・エクスタシーを感じてた」

「誰が、ゴッドタンのマジウタ選手権のフットボールアワー後藤じゃっ」

「ジェ、ジェッタシー・・・」

別れ際の夫婦ほど砂塵にまみれたものはないのである。

追い詰められた古美門陣営だったが・・・意外なところから助け舟が出される。

黛得意の女子会潜入である。

酔いどれガッキーはシュナイダー夫人から・・・古美門との思い出を聴かされる。

「一つの金貨を二人で分け合って記念にしたことがあったカップルも別れ別れになることがあるのが・・・この世の醍醐味なの・・・あなた・・・ナポリタンもんじゃは食べたのかしら・・・」

不意に投げかけられるキーワード。そこは酔っても聴き逃さない黛である。

やがて・・・かって神林夫人との噂があり、今は神林夫人の親友と結婚している元プロ野球選手がキーマンとして浮かび上がる。親友夫妻の経営するお好み焼屋のメニューに「ナポリタンもんじゃ」があり・・・それは親友の夫の発案ということになっていたが・・・実は神林夫人のオリジナルであることが判明するのである。

親友の夫との不倫疑惑・・・。

古美門は初めて手応えを感じるのだった。

親友夫妻の証人喚問を前に協議を持ちかけた古美門。

「あなたは・・・親友のご主人と不適切な関係にありますね」

「そんな・・・あるはずないじゃないですか」

「あなたはそうシラをきることができるでしょう・・・しかし、相手の男性はどうですかね」

「そんな・・・」

「このままではあなたの親友はひどく傷付くことになりそうだ・・・」

「・・・和解します」

古美門の勝利である。しかし、黛は・・・シュナイダー夫人が勝ちを譲ってくれたように思うのだった。

ついに・・・シュナイダー夫人に弟子入りを志願する黛・・・。

「ふふふ・・・古美門くんに勝てるのは私じゃない・・・きっとあなたかもしれないわ・・・そのためには古美門の下でもまれなさい・・・ちなみに私もつねに浮気してたわよ」

黛には理解不能な言葉だった。服部は優しく解説する。

「和解に持って行くためには古美門先生とシュナイダー先生の阿吽の呼吸が必要だったと・・・申せましょう・・・つまり元夫婦の機微ですな」

離婚がきまった神林夫妻は最後に言葉を交わす。

「いつか離婚したことを後悔する日が来るかもしれないな・・・」

「離婚しなかったことを後悔する日が来るよりましでしょう・・・」

微笑み合う二人。

憎しみはいつか薄れる場合がある。振り返れば別れる必要はなかったと思えるパートナーが思い浮かぶこともあるだろう。

しかし・・・すべては時の流れがなせるわざである。

神林夫妻も古美門夫妻も別れるべくして別れたのだった。

だが・・・古美門夫妻は離婚後も記念の金貨を大切に保持していたりするのだった・・・。

そういう夫婦のあれやこれやは黛にはまだ夢のまた夢なのである。

おお・・・しっとりとおとすのかよっ。

夢見る頃はすぎちゃったけどさ

おぼえていることもあるよ

夢見る頃はすぎちゃったけどさ

たとえば君とのあれやこれや

関連するキッドのブログ→第5話のレビュー

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のリーガル・ハイ

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コメント

ふふふ 入浴シーンは黄門様に出演の噂があった小池栄子で決まりでございます
前 何作かが ちょっと考えさせられる社会派っぽい作品だったのに今回はエンターテイメントに徹して 黛のまだ知らない男女の機微のお話。脚本というより演出、元夫婦の表情に酔った回でした
音楽で無理矢理、盛り上げる作品が多い中、本当このドラマの音の入り方はさりげなくって作品の奥行きを感じます
オチはあの長い長い予告でしょうか?
もう 今から待ち切れません

投稿: chiru | 2012年5月23日 (水) 07時45分

シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン

ふふふ・・・キッドの妄想を打ち砕く小池・生瀬の
ヅラパイ入浴挿入ですな。

今回は三組の夫婦が登場しますな。
別れる夫婦。
別れつつある夫婦。
まだ別れていない夫婦。

「赤信号みんなで渡ればこわくない」とビートたけしが
宣言した1980年代から増加する一方の離婚率。

母の胸に抱かれる幼子の心が痛まないことを祈るばかり。

だからこそ神林夫人は
「お金では買えない真実の愛」を選択したという
爽やかな幕切れでしたな。
ま、明日は明日の離婚の危機がありそうですがな。
浮気な心は治りませんからねえ。

そんな時、キッドが思いだすのは
「夢見る頃は過ぎても/ナット・キング・コール」
別れた人、別れそうな人、別れるかもしれない人
どのカップルの胸にも沁みるスタンダードナンバーです。

ふとした偶然で再会。旧交を温める男女。

「なんで私たち別れたのかしらね」
「お前が男を作って駆け落ちしたからだろう」
・・・というような甘酸っぱい話・・・甘酸っぱいかよ。
に似合う・・・オールディーズですな。

まあ、歳月というものは恐ろしいものですから。

まあ、修羅場の最中には憎しみで
目の前真っ赤の場合もありますけどねえ。

一瞬見た資料の文言を即座に想起できる若い黛が
窺い知れぬ中年男女のあれやこれや・・・
今回の話は年齢によってかなり奥行きの替わる話と言えましょう。

シュナイダー夫人は徹頭徹尾
「昔のかわいい男」を見る目でしたからねえ。

そして・・・古美門にとっては「いつまでも忘れられない人」なのでしょうな。

まあ、そういう関係もなかなかうらやましい関係なのかもしれません。

来週のことを考えると・・・それだけでニヤニヤしてしまいますぞ。

投稿: キッド | 2012年5月23日 (水) 14時59分

はじめまして、いつも楽しく読ませてもらっています。

>「昔のかわいい男」を見る目
>「いつまでも忘れられない人」
それです! 言いえて妙です!
今回は愛と優しさに満ちあふれていてウルウルしてしまいました。

知り合いに嵐が大好きな中1のかわいい女の子2人がいるのですが、このドラマをすすめていいものかどうか迷っています

投稿: mi-im | 2012年5月24日 (木) 16時45分

aDayinOurLife~ mi-im 様、いらっしゃいませ~アタラシイナニカヲミツケルネェ

ふふふ、いきなりコメントへの横レスありがとうございます。

自分で書いておきながら
どこに書いたフレーズなのか忘れて
記事の中で迷子になったキッドでございます。

まさか、すぐ上のコメントとは・・・。

それはさておき、楽しんでいただけて幸いです。

御覧の通りに「じじい」ですので
中1のかわいい女の子のリアクションの予想はつきかねますが
キッドの周囲のティーンズは
ほぼ10人に1人の割合で高評価ですな。
サンプル数少ないのでなんともいえませんが
ほぼ100%男子です。
まあ、基本的に「ガッキーかわいいよガッキー」ですからな。

まあ、どちらかといえば大人のドラマで
ある程度の偏差値の高さが求向けめられるドラマと言えるのではないでしょうか。

もちろん、ドラマ・フリーク(狂)であれば
年齢性別を問わず
確実にニヤリとする出来栄えと申せましょう。

また、遊びにいらっしゃってくださいね。

投稿: キッド | 2012年5月25日 (金) 01時28分

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