すっごい、すごーい、すごいすごいすごい密室?(戸田恵梨香)
・・・そんなに凄かったか?
いや、ただ、戸田恵梨香にこんなにすごいを連発されたらいつ死んでもかまわない・・・と思って。
まあ・・・新人脚本家が絶対にそう思いながら書いただろうことは充分に妄想できるな。
世の中には分類するのが好きな人っているよな。
ああ・・・「物理的要因の密室とか、心理的要因の密室とか」・・・か。
そういう意味では戸田恵梨香は「ギャル的恵梨香か、ブリッコ的恵梨香」に分類できるよな。
「コードブルーの恵梨香」は?
ツッパリだからギャル的だろう。
「ライアー・ゲームの恵梨香」は?
直ちゃんだからブリッコ的だろう。
いや・・・直ちゃんは本当に天真爛漫なんだから・・・ブリッコじゃないんじゃないか。
「ギャルサーの恵梨香」は?
サキは本当はいい子。・・・ギャルじゃないのかよ。
「野ブタ。をプロデュースの恵梨香」は?
普通の美少女。
・・・ギャルもブリッコも不在じゃないか・・・。
・・・分類なんて、便宜上のものなんだよ。
開き直るのか・・・お前は芹沢弁護士(佐藤浩市)かっ。
で、『鍵のかかった部屋・第6回』(フジテレビ20120521PM9~)原作・貴志祐介、脚本・仁志光祐、演出・石井祐介を見た。新人脚本家にやや温い演出家である。・・・まず、ものすごくメリハリのない出来になっているし、犯罪の動機、トリック、人間関係なんかが・・・ものすごくわかりにくい仕上がりである。しかし・・・まあ、主役三人のキャラクターが連続ドラマとしてすでにキッチリ出来上がっているので気にならない程度である。原作の「鍵のかかった部屋」収録の「密室劇場」のアレンジなので興味ある方は比較してみると面白いかもしれない。
基本的には芹沢弁護士の恩師(清水紘治)の娘で芹沢事務所の秘書・水城里奈(能年玲奈)をフィーチャーした回ということである。里奈は父親には内緒で・・・学生時代から追い続ける演劇への夢に情熱を傾けていたのだった。
新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)は芹沢には内緒で里奈が所属する劇団の芝居「密室に囚われた男」を鑑賞しに行くのであるが・・・。
そこで・・・殺人事件が発生。
被害者は劇団の四人のパフォーマーの一人、薬師寺(山中聡)だった。
劇団のパフォーマーで里奈の恋人の井岡(桐山照史)が容疑者リストにあがってしまう。
恩師から預かっている箱入り娘を殺人事件に巻き込ませてしまっては立場がない・・・と芹沢は青砥に事件の早期解決を求めるのだった。
「チーム榎本はどうなるんです・・・」
「アレがアレで・・・ノリがノリなんだよ・・・新人脚本家に余分な負担をかけたくないだろう・・・中年男のセリフまわしとかまだ荷が重いんだよ」
「大人の事情というやつですね」
「君もわかってきたじゃないか・・・」
「キャピキャピヴァージョンでがんばりまーす」
残りの容疑者は二人のパフォーマー。兼任演出家の畑山(堀内敬子)と兼任脚本家の鬼塚(坂本昌行)である。
存在感的に怪しいのは畑山だが・・・帝国的事情で嵐VSV6のリーダー対決だから・・・犯人は鬼塚に決定である。・・・大人の事情すぎるだろう・・・。
そのために「この密室はやぶれないかもしれない・・・」と弱気になる東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)だった。かなり、後輩だからな・・・そういう問題かっ。
今回の密室は・・・。
舞台をはさんだ二つの楽屋によって構成される。
外回りとか内回りとか鍵の問題とか・・・いろいろとミスリード要素はでるが・・・要するに被害者は下手(向かって左)の楽屋で死んでいて・・・舞台しかそこに至る道はなく、三人の容疑者たちは皆、上手(向かって右)の楽屋に戻ったということである。
時系列としては・・・。
①舞台開始。
②舞台のパフォーマンスを終えて被害者が下手楽屋へ。
③舞台のパフォーマンスを終えて里奈の恋人の井岡が上手楽屋へ。そのまま居眠り。
④舞台のパフォーマンスを終えて演出家の畑山が上手楽屋へ。そのまま客席へ。
⑤舞台のパフォーマンスを終えて脚本家の鬼塚が上手楽屋へ。そこで読書。
⑥里奈が舞台で背景の書き割りの切り出しに衝突してしまう。
⑦下手楽屋で被害者が撲殺による死体となって発見される。
密室解錠のポイントはパフォーマーはどちらの楽屋も選択できるが、一度、楽屋に入ると移動は不可能になるように見えるということである。
「つまり・・・一度、楽屋に入ったら透明人間以外は上演中の舞台を横切れないということです」
「当麻の弟の一なら、ものすごく簡単に可能ですが・・・」
「そういうスペックの問題ではありません」
「じゃ・・・完全なる密室ですか・・・」
「いえ・・・パントマイム的なパフォーマーだから可能なトリックがあるのです」
「それは心理的なトリックですか、それとも物理的なトリック」
「観客にとっては心理的ですが・・・演技者にとっては物理的なものです」
「・・・意味わかんない」
「犯人は・・・書き割りの裏に隠れてゆっくりと移動したのです。少しずつ動くと演技者に気を取られている観客には背景の変化なんか、分かりませんから」
「ほとんどスペックじゃないですか」
「まあ・・・トリックとしてはまあまあじゃないかな・・・犯人の動作はケイゾク的ですしね」
「誰が三本まとめろと・・・」
「密室はやぶれました・・・後のことはおまかせします・・・密室オンリーの男ですから」
犯人はやはり・・・彼だった。実は井岡はゴーストライターで、彼とは親密な関係。それを知った被害者が彼を強請り、秘密を守るために彼は計画殺人を実行したのである。演出家はすべてを推測していたが・・・事情を察して黙秘していたのだった。
「ちがう・・・稽古をしていたんだ・・・練習用の木刀だと思って殴ったら本当の木刀だった」
「ち、・・・木刀が本物か偽物かなんて・・・持てば重さで分かるでしょう・・・新人はうかつなセリフを書きすぎなんですよ・・・こわいわっ」
すべての事情を知った芹沢は恩師に先手を打ってとりなしをするのだった。
「お譲さんに好きなことをやらせてあげるのは・・・親の懐の深さを示すには絶好の機会ですよ。お譲さんは絶対パパ大好きって言ってくれますよ~」
勇気を出して演劇を続けていることを打ち明ける里奈。
父親は優しい笑顔で娘を祝福するのだった。
・・・単なる箱入り娘と親バカの話かよっ。
まあ・・・箱入り娘って・・・密室の少女ですからな・・・なんとなく・・・そそりますからな。
変態かっ・・・変態です。
なんとなく榎本のことが気になってきた青砥であるが・・・榎本は密室にしか興味がないことは言うまでもないのである。
「もしもし、聴いてるんですか・・・私の話、ちゃんと聴いてくださいよ・・・もしもし」
最後に目を瞑って耳を傾ければ戸田恵梨香の声が・・・恋人の声のように聞こえるサービスがあります。新人としてはなかなか気がきいてますな。
・・・完全に変態じゃないかっ。
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コメント
どぉ~も nanaです♪
このドラマは最高に面白かったです☆
っていうか戸田恵梨香が出ているドラマは全部面白いのです!
大切なことは何なのか分からなかったいつかの月9以外は…
さて、このようなことはさておき このドラマは
メリハリがついていて、本格的な解説シーンもあれば
クールな榎本くんとめちゃ可愛い純子ちゃんの会話のシーン、
[榎本さん、私 見直しちゃいました]
[はい]
[いざというときに頼りになってくれて…]
[はい]
[本当にスゴいんですね! 犬って!!]
[…]
自分の事だと思っていたのに…
このっ!純子ちゃんめぇがぁっ!! でも可愛いから許すっ!
これにはやはりポーカーフェイスの榎本くんも
少し膨れっ面。
[あれ?なんか怒ってます?]
[知りません]
いやぁこのシーンは笑っちゃいました♪
こんな純子ちゃんもやっぱり女の子。
榎本きゅんとの電話の時は乙女モード全開。
そんな榎本きゅんは電話を早々と切ると一息ついて
…ニヤリ♪
榎本きゅん…可愛いよ…
的な感じで私のなかの鍵のかかった部屋は終了したのでした!
投稿: nana | 2013年4月 3日 (水) 20時30分
恵利香ちゃん~nana様、いらっしゃいませ~真央たん
ふふふ、今をときめく「あまちゃん」の能年玲奈フィーチャー回にいらっしゃるとは
なかなかに乙でございますな。
中高生のようなアホの子モードが萌え~の能年玲奈が
大学を卒業した社会人の役をやっているのだから
なんちゃって感にも程がありました。
そういう意味でも想い出深い回です。
「大切なこと」とは「愛」でございますぞ。
アレは武井咲が美しい体を張っていて見事でしたし
戸田恵梨香は「地味」に徹していて
くのいちのようで素敵でしたぞ~。
ふふふ・・・お約束の
ふってふってふって落すというコントが
楽しいお年頃なのですな。
日常生活で応用するのは
危険なので
控えた方がいいですぞ。
やられた方のモヤモヤ感半端ないですからな。
他人がされているからこそのウッヒッヒでございます。
さらに相手をムッとさせても
戸田恵梨香だから許されることなのですからねーーーっ。
密室でいろいろやってみるというミステリファンには
微笑ましいこの作品。
しかし・・・。
榎本は純子をどう思っているのか。
純子は榎本をどう思っているのか。
人間の心の密室こそがもっとも難解なのでございます。
・・・誰がうまいことを言えと言ったっ。
投稿: キッド | 2013年4月 3日 (水) 21時50分