そそのかし・・・実際殺人未遂犯(山本耕史)ですよね(谷村美月)
「最後から二番目の恋」の視聴者ならば・・・「最後から二番目の恋・番外編」として楽しむことができるだろう。
吉野千明(小泉今日子)の女友達の一人・・・水野祥子(渡辺真起子)の私生活が見えるのである。
祥子は音楽業界ではなく、荒木敬子(森口博子)に代わって出版業界で働いていて、名前も満子であるが・・・キャラクターはほぼ・・・「最後から二番目の恋」の登場人物の延長線上で見ることができるのだ。
まあ、そんな風に見て楽しいかどうか・・・別だが・・・。
40代独身キャリア・ウーマンの物悲しくうらぶれた姿が堪能できるわけである。
女友達の前では見栄をはっていても・・・仕事はバリバリにできても・・・何か一番大切なものが欠落してしまった女の人生の一幕である。
産まない女の生き方を・・・悲惨な末路の暗示として描く・・・そういう流行が萌しているのか。
残酷なことって素敵なことなのだな。
で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第7回』(日本テレビ20120517PM2358~)原作・安田依央、脚本・ブラジリィー・アン・山田、演出・白川士を見た。山之内満子(渡辺真起子)の目から見たら・・・悲惨この上ない結末だが・・・ORコーポレーションは依頼者の利益を重視する方針なので問題ないのである。登場人物たちがとてもスターが演じているとは思えない底辺の一般人みたいで・・・もどかしいほどリアルな一篇である。
優しく、柔らかく、断れない男・不破幹生(石井正則)はなんとなく複数の女と交際している男である。この男が四股かけられるなら俺だって・・・と誰もが希望に萌える展開だが・・・ド・ラ・マですから~。交際中の四人の中から、相原沙耶香(三倉佳奈)との結婚を選択した不破だが・・・残りの女性との絶縁を結婚の条件として提示される。まあ、そうじゃないのが許されるのは「軽井沢シンドローム」くらいだからな。・・・いつのたとえだよっ。
そのために・・・マキ(谷村美月)は沙耶香に代わってその他の女たちと不破の別れに立ち会うことになる。
ビンタ、包丁つきつけられ・・・などの関門を経て二人とは円満に別離した不破。しかし・・・最後の女は・・・沙耶香とも縁があり、不破が十年も交際している腐りきった女だったのである。
しかも・・・不破が一度プロポーズしているのに断り、だが別れる気はないという・・・ものすごく面倒くさい女なのである。
その女は不破の勤める出版社の雑誌編集長で・・・不破の上司であり・・・雑誌ライターをしている沙耶香にとっては大事な顧客であり、育ててくれた恩人なのである。
そういう人間関係の中での性行為がある程度燃えることは充分に妄想できます。
ま・・・一番問題なのは・・・そういう関係がどうなろうが・・・知ったことじゃないと思うお茶の間が圧倒的じゃないか・・・と思うことですなーーーっ。
なんだろう・・・「マンハッタンラブストーリー」の土井垣(松尾スズキ) が思い出されてならない・・・。
さて・・・それはともかくとして・・・依頼人は沙耶香である。
「結婚はしないけど別れない」という理不尽な・・・つまりそれが彼女のスタイルなのですな・・・満子、そういう満子にあくまで従順な不破・・・二人を破局させるために総力をあげて取り組むORコーポレーションである。
しかし、マキが狂言自殺をしようとすればその包丁でマキの手首を切断しかねない凶暴な満子にたじたじなのである。
仕方なく・・・不破を追い込むために・・・水鳥(山本耕史)は満子に変装し、マキもろとも不破を自動車で轢き殺そうとするのだった。
水鳥の女装・・・その不気味さは・・・今回の白眉である。
一部愛好家熱狂の水鳥の揺れる胸だった・・・。
ようやく・・・別離の決意を固める不破。
その態度に・・・追い込まれた満子は・・・初めて不安な心を覗かせて泥酔する。
「別れるなら死ぬ」という満子の電話の呼び出しにふたたび軟化する不破。
マキや沙耶香の静止をふりきって・・・満子の元へ向かってしまうのである。
その頃・・・路上で若者に罵られた満子は逆上し・・・ものすごい凶暴性を発揮して若者に対して殴る蹴るの暴行を働く。その強さは異常である。
駆けつけたマキや不破も振り払われ・・・若者は瀕死である。ようやく、警官が到着し、満子は傷害の現行犯で逮捕である。
その頃・・・沙耶香はお約束でバスルームでリストカットである。
もう・・・ドロドロの極みですな。
結局、若者も沙耶香も一命をとりとめ・・・満子も実刑を免れたらしい。
しかし・・・当然、出版社は解雇である。とにかくスタイリッシュであるためにキャリアもうしなってしまったのだった。もうこれ・・・この後、ホームレスになりかねない転落ぶりだよな。
だって酒乱なんだぜ~。
そして・・・それでも不破とは「絶対に別れない」のである。
最初にもう少し、ストックしておけばいいのにと毎回感じるシャワーシーンを経由して・・・マキは沙耶香になりきるのだった。
不破が沙耶香に渡した婚姻届を満子につきつけるマキ。
「不破さんと結婚してください」
しかし「それはできない」という満子。意味不明だがそれが満子のスタイルだから仕方ない。満子はスタイルだけの女なのである。
「じゃ・・・殺す」とマキは包丁を振りかざす。そこに立ちふさがる・・・不破だった。
もう・・・なんじゃこりゃの展開である。
そこへ沙耶香が登場。勇気を出して「私に彼をください」宣言である。
おそらく・・・「可愛がった後輩に男を譲る」のは彼女のスタイルに反しないのだろう。
満子は・・・うなだれて・・・了承するのだった。
まあ、どこまでも果てしなく、なんのこっちゃだが・・・それが女の道なのである。
こうして・・・沙耶香と不破は晴れて夫婦となるのだった。
お色気不足を察知して・・・マキは最後にイエロー・フィッシュネット・ストッキングスの女ふたたびである。
くりかえすが・・・不破と沙耶香のカップルがどうなろうが・・・本当にどうでもいいのが残念なことだなあ・・・。
脚本家は劇団の人だが・・・こんなんで・・・この人の芝居が見たいと思う人がいるのかどうかは謎である。
関連するキッドのブログ→第6話のレビュー
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コメント
こんにちは~。
最終回まで書かないと気が済まない気だけで書いてます。
>まあ、そんな風に見て楽しいかどうか・・・別だが・・・。
どんな風に見たら楽しいんでしょうかね。今回こそ…
どこが面白かったんですかね?
どうせなら二股騒動をパロっちゃえば良かったのにとさえ思う。
何者なんだモンゾウ?
ぐらいでしょうか。
ん?三倉佳奈ちゃんでした?
と訊いたところでどっちがどっちなのか分からない(笑)
シャワーシーンも、そうですよね~。
そこで入れときゃいい的な流し方。
やる気の無さを感じます。
満子が男であって欲しかった~(ノ゚ο゚)ノ
投稿: mana | 2012年5月18日 (金) 15時27分
|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||
つかこうへい的世界では・・・
陰険で女ったらしでせこくてどうしようもない男に
いい女が惚れてしまう・・・という
ある意味、ギャグが展開するわけですが・・・
でも、まあ、基本的に演じるのは二枚目です。
つまり、性格よりも顔の方が説得力あるわけですな。
今回の配役だとこの最初のポイントが
クリアできていないので・・・
なんのこっちゃ・・・になっていく。
まあ、これは誰のせいでもないですな・・・そんなこたあねえだろっ。
せめて・・・夫婦だったらまだしもなんですな。
単なる複数の女の一人なので
結局、問題なのは別れない女が
男にとっての上司、女にとってのクライアント
・・・ここだけになっている。
もちろん・・・話としては
微妙な女心の話として成立しているのですが
客観的には
別れない女が失職したからゴールなんですな。
あたかも別れない女が自滅したみたいになってますが・・・
女はよってたかって追い詰められて
自暴自棄になっていくわけで・・・
ものすごく、ドス黒い話なわけです。
それをなんだか
ぼんやりと描くものだから
面白がりようがない・・・ということですな。
篠田節子の短編集「天窓のある家」に
「密会」という小説があるのですが
これは中年女が・・・若い男に暴力をふるわないと
感じなくなってしまう・・・という奇談。
渡辺真起子の暴力シーンをみて
ふと思い出したのですが
たとえばそのようなキャラクター付けで
描いていけばもう少しなんとかなったはず・・・。
なんていうか・・・情念を描いているつもりで
ひねりが足りないつまらない話になる
典型を今回は拝見した・・・そんな感じでございます。
まあ・・・深夜でよかったのでございます。
このスタッフがプライムタイムに復帰するのは
相当に困難でしょうなあ・・・。(´・▲・`)
マナカナについては
公式(YTV)で次女・カナになっておりまして
本人ブログ
http://ameblo.jp/kana-mikura/entry-11253510407.html
でもカナかなっと・・・。
シャワーシーンは本当に
もうすこし工夫してくれないとな~。
アングルが一度ずつ下がっていくとか~。
変態かっ・・・変態でございまする。
投稿: キッド | 2012年5月18日 (金) 19時54分