本場のタランチュラも期待ほどではなかった(白石美帆)やったんすかっ(戸田恵梨香)甘い(大野智)
・・・だから、何の話だよっ。
え、蜘蛛女・陣釜さんのタランチュラ・プレーだろ・・・どんなプレーだよっ・・・第一、陣釜さん(白石美帆)じゃねえよっ。
ち、ちがうのか?
で、『鍵のかかった部屋・第4回』(フジテレビ20120507PM9~)原作・貴志祐介、脚本・相沢友子、演出・加藤裕将を見た。密室殺人事件で犯人が人間ではないのは・・・トリックとしてはひとつのタブーである。だって「犯人はオメガ因子挿入の鉄腕アトムです」じゃ問題だろう。・・・その前にたとえが分からないわけだが。だが・・・密室だったが確かに犯人はトリックを使っていたということで・・・本格ミステリのタブー(禁じ手)の呪縛は免れているのである。ま、トリックに些少瑕疵があっても最後は陣釜さんの毒気がすべてを浄化してしまうのだな。・・・だ・か・ら、陣釜さん(電車男の登場人物)じゃないっつーの。
Gがいたのです。
・・・ということで上司・芹沢弁護士(佐藤浩市)を呼び出す新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)である。つまり、なんだな、戸田恵梨香なら何をしてもいいのかっ・・・ま、概ねいいな。
「リーガル・ハイ」の古美門弁護士にはテレビ取材が入っていたのだが、芹沢には雑誌の取材が入っていたのである。矢口記者(浅見れいな)である。全く事件に関係ないが出番は多いという・・・チョイ役の女王か、チョイ役の女王なのか・・・不思議なキャスティングだ。
で・・・ゴキブリを退治してもらった青砥はゴキブリ男に遭遇する。
青砥の上の階で死亡した者がいて、ペットが放置されたままなので引き取りたいというゴキブリ男・・・いい加減に役名にしてやってくれ・・・古溝(松尾諭)は死んだ男の友人と名乗り、芹沢に遺族との交渉を依頼する。
死んだ男は老舗・和菓子店の社長であり、遺族は実の母(かとうかず子)と嫁の美香(白石美帆)である。
死因はクロドクシボグモに咬まれたことによる中毒死
部屋が密室状態だったために事故死として処理されていたのだった。
ただし・・・妻は合鍵を持っているので・・・出入り自由である。だが、死亡時刻には完ぺきなアリバイがある。
東京総合セキュリティの解錠職人にして密室トリック解明おタク・・・榎本径(大野智)は「明らかに密室殺人とは言えないが・・・ギリギリ密室殺人」ということで相談に乗るのだった。
で・・・死者の部屋は趣味のタランチュラ飼育ルームであった。
容疑者は二人・・・何故かタランチュラを売却しようとしない妻の美香と・・・やたらとタランチュラを欲しがる友人の古溝である。
夫は古溝を嫌っていたという美香。
被害者は妻を嫌っていたという古溝。
二人の証言は食い違う。
厳しい姑の嫌味にも、夫の悪趣味にも耐える健気な美香に例によって感情移入した青砥は芹沢が古溝の弁護を引き受けてしまったために・・・なんとか美香の味方として真実を明らかにしようとする。
まさに余計なお世話である。
しかし・・・どんな趣味にも理解を示す榎本はたちまち・・・タランチュラ飼育にも情熱をそそぎ・・・事件の真相にせまっていくのだった。
被害者はタランチュラの飼育者としてベテランだった。
そんな被害者が猛毒を持つクロドクシボグモに安易に指を咬まれるわけがない。
では・・・どういう状況なら咬まれるのか。
寝室にそっとクロドクシボグモを放つ。
靴下にそっとクロドクシボグモを入れておく。
クロドクシボグモを二酸化炭素で仮死状態にしておき、毒性のないタランチュラであるチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラを薬殺。剥製化の要領でチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの外皮をはぎ取り、チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの原寸大着ぐるみを作成、クロドクシボグモに着せかけておき、チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラのケースに収納しておく。
被害者はチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラだと思ってうかつにもチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの着ぐるみを着たクロドクシボグモに刺されてしまったのである。
一体・・・そんな面倒なことをするのは誰か・・・。
合鍵を持っている美香が疑わしいわけである。
そして・・・何故か・・・美香はペットルームには土足であがる。
交渉が成立し・・・タランチュラを引き取りに来た古溝は
おかしい・・・クロドクシボグモが一匹いない・・・と叫ぶ。
「そのクモは死んだと夫が言っていました」と美香。
おかしい・・・チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラもいない。
すると、なぜか動揺する美香。
ああ・・・ここにいたと古溝が叫ぶと・・・室内から逃走しようとする美香。
すべての真相を見切った榎本は指パッチンのポーズを決めるのだった。指パッチンじゃねーーーっ。
「安心してください。それはチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラですから。チャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの衣を着たクロドクシボグモではありませんから・・・」
タランチュラは一ヶ月餌なしでも餓死しない。
しかし、タランチュラの餌のコオロギは一週間で餓死するのです。
「それではなぜ・・・コオロギは一週間後も元気なのか・・・」
古溝がコオロギのケースを探ると・・・そこには人間に狩られたマンモスのようにコオロギに半分食われたチャコジャイアントゴールデンストライプニータランチュラの毛皮をまとったクロドクシボグモの死体があった。
「クモは餌の昆虫の中身だけを吸い取るといいます。あなたも・・・サイフの中身だけを吸い取っていればよかったのに・・・」
良き妻の衣をかぶった悪女はついに本性を現すのだった。
「慰謝料でハイ、サヨナラってわけにはいかないわ。クモマニアの気持ち悪い男なんてキャッシュディスペンサーにすぎないのに・・・人の戸籍汚しておいて慰謝料ですむなんて虫が良すぎるでしょう。根こそぎもらわなきゃ割に合わないじゃない。お金目当てじゃない結婚なんてあるの? ないでしょ・・・私は女がみんなやっていることをやっただけよ・・・どこに問題があるっていうの。もしも、あるなら教えてちょうだい」
女よりタランチュラが好きなくもマニア。女より金が好きな弁護士。女としての武器の使い方の分からない弁護士。密室マニア・・・一同には難しすぎる質問だった。
エピローグ。
捜査途中でヒントとして餡に苦手なよもぎの入ったもちを食べた青砥だったが・・・榎本には季節はずれのチョコレート菓子を贈るのだった。
「私にも・・・女として・・・ああいうもの(狂気)が潜んでいるのでしょうか」
榎本は青砥の胸元をチラリとみる。
「・・・あなたには・・・そんなもの(巨乳)はありません」
青砥は明らかに勘違いしながら・・・榎本にチョコレートを勧める。
「チョコレートの中身がチョコレートとは限りませんよ」
しかし・・・チョコレートはチョコレート・ビスケットではなかったようだ。
謎めいた・・・榎本の微笑み。
関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→mari様の鍵のかかった部屋
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コメント
はじめまして。
なんだこの最後(笑)。
めっちゃおもしろいです。
他の記事もまた読みにきます。
投稿: みつば | 2013年2月 9日 (土) 06時06分
おもしろがってくださってありがとうございます。
また、遊びにいらっしゃってくださいね。
基本的に妄想ベースですので
記事内容はあまり信用なさりませんように。
投稿: キッド | 2013年2月 9日 (土) 11時46分
嬉しくなったあまり、いきなり失礼な書き込みをしてしまったかなあ
と思っていました。
ご返事いただきありがとうございます。
今やってる再放送を観て(初見)いるものですから・・
ここを読んだあと録画を観て「胸を見てる、見てる」
と楽しんでました(笑)。
>女よりタランチュラが好きなくもマニア。女より金が好きな弁護士。
>女としての武器の使い方の分からない弁護士。密室マニア・・・
>一同には難しすぎる質問だった。
これも好きです。
昔の記事にコメントしてしまって、すみませんでした。
最近はバラエティばかり観ていてで観ているドラマが少ないのですが
昔の物も含めて、時々記事を読んで遊ばせていただこうと思います。
投稿: みつば | 2013年2月 9日 (土) 19時13分
いえいえ、ちゃんとあいさつなされて
ハンドルネームを名乗られた方に
おもしろがられるのは喜ばしいことです。
全く失礼ではこざいません。
素晴らしいインターネットの世界は
無礼者であふれかえっておりますからな。
ふふふ・・・妄想の中では
視線の先がどこにあるかは
視るものの自由でございますからねえ。
このブログは基本的にテレビを見た後に
感じる妄想でできています。
作る人が一方的に送り届けるものでも
受け取り方は千差万別ですからねえ。
キッドの妄想に共感していただければ
それもまた真なりだというところ・・・かと。
様々なものが記録される時代。
オンエアでも再放送でもセル・メディアでも
同じコンテンツを共有できるのは素晴らしいことなのです。
それではまたのお運びを楽しみにしています。
投稿: キッド | 2013年2月 9日 (土) 22時15分