かりそめ・・・本気なのかと思ったよ(根岸季衣)じょ、女優です(谷村美月)
つかこうへい系から・・・小夏こと根岸季衣がたぶらかしワールドに参戦である。
全員、なぎたおされていましたな。
今回、ゲスト出演者を見ると・・・。
母・根岸(70年代のつか芝居の主演女優)
父・並樹史朗(文学座18期生)
息子・少路勇介(大人計画)
息子の同棲相手・安藤聖(ミュージカル「アニー」デビューのおはガール)
ものすごく濃い目の、異種格闘技戦である。
前述したがレギュラーもおさらいしておく。
ORコーポレーション社長・段田安則(元・劇団夢の遊眠社の間をとる看板俳優)
秘書・白羽ゆり(元・宝塚歌劇団のトップ女優)
社員・山本耕史(劇団若草出身)
「演劇への情熱」・・・ここに極まれりだな。
もう、誰が代行女優なのか・・・見当もつかない方向に・・・。
で、『たぶらかし-代行女優業・マキ-・第5回』(日本テレビ20120503PM2358~)原作・安田依央、脚本・森下直、演出・三島有紀子を見た。今回は「トップランナー」(NHK)などドキュメンタリー畑を経由した演出家である。そのために・・・指しゃぶり以外のセクシー・サービスは控えめである・・・しゃぶってないだろうっ。ちょっと・・・お高くとまってますな・・・風俗産業とその客全否定かっ・・・いや、そこまで言ってないだろう。まあ、三島由紀夫みたいな名前の大阪の女のなさることですから~。
久保まり子(安藤聖)は未婚の母である・・・父親である浅井康平(少路勇介)とは同棲しているが・・・浅井の両親が二人の結婚に反対しているために・・・入籍できないのである。
浅井の母親・富子(根岸季衣)は長野の旧家の山林王の家柄で・・・どこの馬の骨か分からない女は嫁にはできないという高圧的態度なのである。富子の夫・昭夫(並樹史朗)は婿養子であるために発言権がないらしい。
結婚の挨拶に出向いた席で・・・富子から息子の「縁談話」を持ち出されたまり子はそれ以来・・・康平の実家とは絶縁宣言をしている。
入籍しないまま、康平の子供を出産したまり子。しかし、康平は親に孫の存在を認めさせるためにお食い初め儀式をまり子に無断で計画するのだった。
そこで、代行女優のマキ(谷村)は・・・まり子に代わり、康平の同棲相手役を演じることになったのだった。
ところが・・・なんという偶然でしょう。
康平はマキのかっての劇団仲間で・・・昔の恋人だったのです。
・・・まあ、世間は狭いのですな。
康平はマキと別れ、劇団を解散後、すっかり堅気の人になっていたが・・・二人でカップルを演じるうちに昔の情熱的な日々が蘇る。
「ああ、私のとがった鎖骨が朝日が昇るのを感じてますますとがっていく」
「ボクはいくよ・・・アメンボが地平線の彼方を目指してはいけないなんて法律はないんだから」
「アメタローさん」
「アメコ・・・」・・・そんな芝居じゃなかったろうがっ。
とにかく・・・二人は昔の芝居さながらにキスをして・・・それをまり子に目撃されてしまうのだった。
しかし・・・その場から逃げ出すまり子のリアクションに不自然なものを感じるマキ。
「普通・・・怒るところじゃないの・・・」
「・・・」
やがて・・・まり子の過去に恐ろしい事実があったことが判明する。
単身上京した康平の父親と出会ったまり子は恐怖の声をあげ・・・父親は隠していた素顔を明らかにするのである。
「なんで・・・お前が・・・ここにいる」と声を荒げる康平の父親。
マキをバックアップしていたハイエナ・・・じゃなくて水鳥(山本耕史)が調査に乗り出すと・・・恐ろしい事実はたちまち明らかになるのだが・・・マキが指なめサービスをするため・・・なめていませんっ・・・その謎はマキがキャバ嬢になって潜入するまでお預けである。
で、マキがリップサービスで売上を伸ばした後・・・古株のキャバ嬢から・・・まり子の過去が明らかにされるのだった。
まり子は康平と出会う前に売れっ子のキャバクラ嬢だったのである。
そして、常連でマリ子にいれあげた挙句、暴行未遂を犯した客が康平の父親だったのだ。
・・・なんという偶然でしょう。
・・・まあ、世間は狭いのですな。
・・・もう、許してやってくれ。
婿養子のために・・・抑圧された生活を続けた康平の父親は異常人格者になっていたのである。
その男が康平の実の父親だと知ったまり子は狼狽した・・・キャバ嬢時代の経歴を康平には内緒にしていたのである。
まり子の心情をすべて読みとったマキだった。
たとえば男は あほう鳥
たとえば女は 忘れ貝
・・・なのだった。
やがて・・・両親が上京し・・・お食い初めの儀式が始まる。
その席でマキはまり子に代わって告白を始める。
「私は、康平さんに知り合う前に・・・苦界に身を沈めておりました。そこへやってきた不埒な客が誰あろう・・・康平さんの父親だったのです。そしてその男の乱暴狼藉は口にはだせない非道のふるまい・・・しかし、その男がよもや・・・康平さんの父親とは露知らず・・・顔を合わせてただ震えるばかり・・・なぜなら・・・私は過去の徒な暮らしを康平さんに悟られたくなかったのでございます・・・」
「馬鹿な・・・そんなことでボクの気がかわるとでも・・・」
「いえいえ・・・ただただ・・・私はこわかったのです・・・なぜなら、あの男に・・・キャバ嬢は人間じゃない・・・ただの道具だと言われてしまったから・・・でも、これだけは信じてもらいたい・・・私は・・・私は・・・」
物陰に潜んでいたまり子はたまりかね・・・飛び出した。
「康平さんを愛しています」
「まり子・・・」
「はい・・・そこまで・・・話は分かったよ・・・おい、お前・・・出張を口実に上京し・・・浮気三昧の所業・・・私が知らぬと思ったかい。婿養子の身の上でたまには羽根を伸ばしたかろうと今の今まで大目に見たが・・・堪忍袋の緒が切れた・・・出てお行き・・・」
離婚届けをつきつけられ土下座をする婿養子・・・しかし・・・実の妻の威圧感にすごすごと退場である。
やがて・・・親子仲直りの記念撮影。
康平の母「あんた・・・康平を見る目に情があったねえ。まるで、だまされちまったよ・・・」
マキ「マキ・・・幕がおりればはいそれまでよ・・・私は女優でございます」
さすがに・・・大女優に睨まれて、弱冠、早口噛み気味の新進女優でございましたな。
おあとがよろしいようで・・・。
関連するキッドのブログ→第4話のレビュー
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コメント
こんにちは~。
>「演劇への情熱」・・・ここに極まれりだな。
キッドさん目線もそこでしたかぁ。
私はそこしか目を向けるとことなくてヾ(゚∇゚*)オイ
>三島由紀夫みたいな名前
ウケる(≧∇≦)ノ彡バンバン!
『37歳~』での江波杏子さんに続き今回も、
大女優って貫禄を見せつけられたのはお得感ありました(笑)
後はそうねぇ…
ORコーポレーションに
何か仕掛けがあることを期待してます。
投稿: mana | 2012年5月 5日 (土) 11時10分
|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||
なにしろ、つかこうへいの「戦争で死ねなかったお父さんのために」は衝撃でしたからな。
寺山修司も唐十郎も別役実もぶっとんで
目がキラリンとなりました。
一言で言えば「劇団コント55号」という感じで。
「ほら、ギブミーチョコレートっていってみろ」
「南洋の土人をまるで土人のようにあつかった」
「となりのおやじはいいよなあ・・・戦争で死ねて」
「お父さんが生きて帰ってどんなに肩身がせまかったことか」
「敵の金玉、痛快丸かじりの強い父であってほしかった」
そんな・・・つかこうへいの初期ヒロインこそが
誰あろう・・・根岸季衣・岡本麗・・・。
この後に・・・かとうかずこ、松阪慶子、大竹しのぶ、牧瀬里穂、高田万由子、内田有紀、黒谷友香、石原さとみ、黒木メイサ・・・とものすごいつか版ヒロインが続くかと思うと気が遠くなりますな。
ああ、つかこうへいはもういないのか・・・でございます。
本名なのですが親がファンだったらしいですぞ。
江波杏子さんは
ある意味、女賭博師シリーズなどの映画の江波は
つか芝居のモチーフになっている感じがありますからな。
まあ、それも「緋牡丹博徒」(富司純子)を経由したりしているわけですな。
しかし、江波の方が年上というのがまたミソですな。
大滝銀子→緋牡丹お竜で「入ります」でございます。
「演じる」ことについて・・・女優に語られては
若手出演者タジタジです。
段田なんてからみもないのにかんでましたからな。
さすがの女優魂、谷村美月もタジタジでございましよ。
ま、キッドの妄想の心眼的にはですが・・・
そうですねえ・・・謎の組織ですからな。
ORコーポレーションの実態が明らかになるのは
いつでしょうかね。
マキは女優の代行女優をしたら卒業かな・・・。
だってもう・・・女優なんだから・・・。
投稿: キッド | 2012年5月 5日 (土) 14時38分