赤い車と青い空、潮騒と流木と初夏の海風と過ぎ去っていく時間の歌(竹野内豊)
美しいドラマなのである。
神も愛するほどの美しいドラマ。
今は初夏。三人以外は誰もいない海。
そして・・・おそろしいほどに青くすんだ空。
言葉がいらないのである。
息子を慈しんだ父はただ見守る。
問題を抱えた夫婦は微笑み合う。
親孝行したい時には親はなし・・・だったらよかったのになあ・・・。
などというブラックジョークは一瞬で消去される抜群のロケーションなのだ。
いい日に、ロケができて・・・スケジュールにも愛されているのだ。
充分だ・・・充分報われている・・・誰も彼もが・・・なにもかもが・・・いついかなる時も・・・。
で、『もう一度君に、プロポーズ・第9回』(TBSテレビ20120615PM10~)脚本・桐野世樹、演出・木下高男を見た。失われてしまった記憶は戻らない。・・・というより、記憶は誰もが失っていくものなのだ。昨日のことすら・・・鮮明には思い出せない。確かに覚えていると思っていることが錯覚に過ぎなかったなんてことはよくあることだ。愛の記憶も、憎しみの記憶も・・・穏やかにそっと歩み去る時間と言う奴がすべて攫っていくのである。誰よりも素敵な思い出を持っていたとしても・・・あっという間に消えて行くのである。そういう人が本来持っているもの哀しさを淡々と描いていくこのドラマ。大傑作である。
善人とか悪人とかも関係ない。幸福な人とか不幸な人とかも関係ない。愛されている人も憎まれている人も関係ない。
ただただ、時が何もかもを押し流していく。
それがこのドラマの本質にあります。
つまり、「ブレードランナー」でレプリカントが言うあのセリフですな。
「私はお前が見たこともない宇宙の果ての光景を見た。しかし、その記憶もいつか消えてしまう・・・路上を濡らす雨も・・・頬を流れる涙も・・・いつか乾いてしまう如くに・・・」
そのことをたまに思い出すことは・・・生きる上で大切なことだとキッドは思います。
消えてしまうからこそ・・・宝石のような束の間が・・・人生にはあるからです。
行かないで、どんなに叫んでも
優しい手にすがる子供の心を
燃えさかる車輪は振り払い進む
思い出を焼き尽くして進む大地に
車輪は廻るよ
・・・なのである。
もう、抱きしめてやれよ・・・とお茶の間絶叫だが、抱きしめない・・・それがこのドラマなのだ。
それにしてもたたみかけるのではなくて・・・たたみまくるな・・・何って・・・邪悪な弟・裕樹(山本裕典)のぬらぬらした触覚を・・・である。
なんだ・・・突然、雷に打たれて正気に返ったのか・・・というぐらい人格チェンジしちゃってます。まあ、尊敬する一哉(袴田吉彦)に諭され、同じことを波留(竹野内豊)に言われて・・・青天の霹靂だったのでしょうね・・・なんて、ごまかされるかってーの。
まあ・・・これまでの姉に対する支配欲が・・・父の代行をしようとする背伸びに過ぎなかったと悟ったということなのでしょう。和久井映見(41)で山本裕典(24)という実年齢。17歳の年の差姉弟というのが・・・かなり無理目だったんですよねえ。
交尾するタイヤキは神社に堕ちた。
不吉な前兆である。
もちろん・・・生者にとって死者は不吉そのものであろう。しかし、死にゆくものにとってそうではない。
自我が肥大した世界では・・・なかなか理解しがたいことなのだが親は子のために生きるのである。
親である以上、人は何のために生きるのか・・・という不毛の問いかけは必要ない。
子のために生きるのである。
そうではないと自明の理を拒否すれば生き地獄なのである。
それはたとえば子に依存するのとは違う。子がいなければ生きていけないというのであればそれは子のために生きているとは言えない。
自分よりも子供の幸せを優先してこそ・・・子のために生きていると信じることができる。
病室のベッドで・・・波留の心配を察して養父の太助(小野寺昭)は告げる。
「俺のことよりお前が心配だ・・・」
「そんな・・・自分の心配しろよ・・・」
「だから・・・お前が心配なんだろう・・・」
「・・・」
「それに・・・俺が心配しているのはお前の事だけじゃないぞ・・・お前と可南子さんのことも心配だ・・・」
そう言われてようやく・・・波留は可南子を自宅で待たせていることを思い出す。
その頃・・・可南子は・・・「失われた可南子」の日記と対面し・・・「変な男のこと」を発見する。
そして・・・恐怖を感じるのだった。
そこには・・・もう一人の波留を幸せにしていた可南子(和久井映見)が存在するのである。
可南子は可南子'から逃げるように宮本家を退出する。
そこに波留からの電話が届くのである。
「ごめん・・・おやじがなかなか・・・帰してくれなくて・・・」
「いえ・・・私ももう帰り道ですから・・・」
「そうか・・・今度・・・あらためて時間をつくるから・・・」
「はい・・・」
その頃、可南子の弟の裕樹はようやく・・・自分の立ち位置を社内で発見する。
どんなに優秀でも・・・経験には勝てないこともあるという事実を認知したのである。
そうなれば・・・先輩の意見にも素直に耳を傾けることができるのだ。
たたむなあ・・・。
ふと、気がつけば・・・一体、自分はなぜ・・・あんなにも恋人の志乃(市川由衣)を邪険にしたのだろうか。本気で姉と結ばれると妄想していたのか・・・今、思えば悪い夢を見ていたような気分である。
そうか・・・俺は悪夢の中にいたんだなあ・・・。
そこまでたたむかっ。
太助は退院した。
「残された日々を・・・日常的にすごしたい・・・」
太助の望みに波留は逆らえない。
そこで・・・ミズシマオートに事情を話し、休暇をとろうとする波留。
「馬鹿だなあ・・・昼間から・・・お前がいたら俺の日常にはならないんだよ・・・」
この世の天国のようなミズシマオートでは社員一同、波留の仕事を肩代わりする覚悟なのだが・・・波留は太助の命ずるままに・・・職場へ向かうのだった。
親に心配させないように努力するのが子の務めだからである。
そういう波留を育てた太助は満足だった。
もちろん・・・その満たされた気持ちの中にはこみあげてくる寂寥感がある。
だから・・・それは美しい物語なのである。
話を聴くだけ内科で可南子は「失われた過去について他人から話を聴くことには慣れたのですが・・・日記を読むのはこわいんです。だって・・・自分じゃない自分の存在を認めることになるから・・・」
用もないのに電話をしてくる一哉は「本当に向き合う必要があるのなら・・・向き合うべきじゃないのかな・・・こわくてしかたないなら・・・誰かと一緒に・・・あ、俺はダメだよ・・・可南子のことなんか・・・基本的にはどうでもいいんだから・・・」
可南子に失われた可南子と向き合うことを推奨するのだった。
なぜ・・・可南子はそれほどに過去の可南子が恐ろしいのだろうかとお茶の間は思うかもしれない。
可南子にとって失われた可南子は・・・いわば死んだ女なのである。
可南子にとって失われた可南子は幽霊のようなものなのである。
自分自身の幽霊だってこわいものはこわいのです。
可南子は自分の日記にチャレンジしてみることにした。
可南子の記憶にある日記。
1989年1月1日・・・今日から日記を書いてみる。とりあえず、あけましておめでとうございます。
十代だった自分。その幼さに可南子はなつかしくもうれしはずかし気分になる。
やがて・・・可南子は成人し・・・十年は一昔の歳月が流れ・・・。
2000年7月12日・・・入院中の父のお見舞い。持って行った花束のユリの花粉がお気に入りの服についてしまう・・・。
父親の死とともに・・・日記は途絶えていた。
記録することがつらい出来事があったからなのだ。
日記を再開したのは幽霊の可南子であり・・・だから・・・可南子は日記の存在すら知らなかったのだ。
可南子は想像する。
日記を・・・再開したのは・・・きっと・・・変な男に会ったからなのだ。
可南子の中で想像上の失われた可南子と今の可南子が鬩ぎ合う。
「私はあなたなのよ」
「そんなこと言われましてもね~」
「本当に私って面倒くさい女だわ~」
「あなたに言われたくないわ~」
「ふふふ」
「へへへ」
波留は父親に薬を飲ませる。
「おまえ・・・毎晩、泊るのか」
「そのつもりだけど・・・」
「俺が死ぬまでか・・・」
「奇跡的に治るかもしれないじゃないか・・・」
「俺にそんなこと期待するなよ」
「・・・」
「俺は助からない病気から助かっちゃうようなミラクル・ガールじゃないんだから」
「おやじ・・・男だろ・・・」
たわいのない会話がたまらなく愛おしくせつないドラマだった。
・・・じゃ、せめてありのままを書けよ。緒方孝市の1997年9月11日対阪神戦の9回裏2死からの漫画みたいな逆点サヨナラ満塁ホームランの話はどうした。
阪神ファンの気持ちに配慮しました。緒方は現在、プロ野球の広島東洋カープの守備・走塁コーチです。
その頃、ツバメの霊が憑依した裕樹の上司は裕樹に現場リサーチの仕事を命じていた。
「女性と一緒に店舗を利用して感想レポート」である。
志乃(市川由衣)は耳をそばだてているが・・・裕樹は社外の人間ということで桂(倉科カナ)を誘うのである。
すべては裕樹を伝令に仕立てるための神の計画であったかのように話はスムーズに進んでいく。
ついでに桂と裕樹の邪悪コンビを志乃が目撃しちゃったりします。
もう・・・このグルーブはある意味、別の誰かの夢の残滓のようですな。
「波留さんのことはもういいのかよ」
「色恋じゃなくて・・・波留さんは職場で一番弟子って認めてくれたの・・・私、それで充分なのよ。女としてじゃなくて・・・人として認められたんだから・・・」
「そういうものなのか・・・俺も姉さんに男として認められようとする前に・・・いい弟にならなくちゃどうしようもないな・・・って悟ったんだよ」
「変態は変態で大変ね~」
「なんだよ・・・それ・・・」
「とにかく・・・波留さんは・・・今、大変な時だし・・・
「なんだよ・・・姉さんのことかい」
「違うわよ・・・お父さんのこと・・聞いてないの・・・」
急速に・・・いい弟化した裕樹はダッシュで帰宅するのだった。
「姉ちゃん・・・大変だよお、波留さんのお父さん、具合悪いんだって・・・お見舞いに行った方がいいよ・・・」
母・万里子(真野響子)は息子の変容を微笑ましく感じるのだった。
可南子は右脳と左脳を激しく働かせ目をキョロキョロさせながら決断するのだった。
いかなくちゃ・・・
波留さんのお父さんのお見舞いに行かなくちゃ
行けば波留さんに会えるから
いかなくちゃ
お見舞いに行かなくちゃ
波留さんに会いにいかなくちゃ・・・
その頃、職場では桂が波留と可南子の思い出の赤い車の修理にチャレンジしていた。
すると波留の先輩も後輩も・・・社長までもが参戦する。みんな波留のためなら死ねる男たちなのだった。波留はこの世界の早乙女愛なのか・・・そのたとえはどうかな。
1970年代にシフトしすぎ~・・・ちょっと修羅場の影響残ってるな。
そして・・・陽の長くなった季節の夕暮れ。
可南子は波留の実家に夕飯を作りにやってきた。
「なんか手伝うよ・・・」
「じゃ、ニンジンお願いします」
「えーと、ピーラーはどこかなあ」
「包丁じゃできないんですかあ」
「できますよ」
「あ、やっぱりいいです」
「できますってば・・・あ・・・痛・・・」
「ほらあ・・・」
新婚夫婦のような波留と可南子の仲睦まじさを太助はむさぼるように見聞きするのだった。
ああ・・・もう・・・そんなことしたら・・・太助が死んじゃいます。
つまみ食いの父子共演だった。
食後、可南子を送る波留。
「来てくれてありがとう・・・親父・・・すごくうれしかったと思う」
「おしかけてしまって・・・すみません」
「そんなことないよ」
「ありがとうございます」
「あの・・・離婚のことだけど・・・まだ離婚届け書いてないんだ・・・」
「あの・・・このままじゃダメですか・・・」
「・・・」
「お父さんのこともあるし・・・今はこのままで・・・」
「うん・・・このままで・・・」
もはや、いちやいちゃ状態に突入である。
本当に美しい物語なのだが・・・今回はもちろん、この程度ではすみません。
さて、人格が変わってしまった裕樹はどうやら志乃に対する態度を改めようと思った。
もちろん、桂が好きになってしまった気配がないではないが・・・そんなことをしたらもうすべてが台無しである。
ここは・・・志乃に謝罪してやり直すという展開が望ましい。ところが・・・志乃は別れ話をされると思って警戒するというのがお約束である。
志乃の態度の変化に怪訝な感じがする裕樹だが・・・それが分かるようになっただけでも儲けものではないだろうか。
まあ・・・志乃が覚悟を決めて裕樹を嫌いになってしまうのもひとつの結末ではあるよな。
女心ってそういうところありますよね。
だが・・・まあ・・・それはこのドラマにとって・・・どうでもいいこと・・・ではないでしょうか。
ミズシマオート一同の奮励努力によって・・・ついに赤い車の修理は終了。
オーナーの不味い蕎麦屋の主人は・・・「せっかくだから・・・奥さんと久しぶりにドライブに行ってくれば・・・」と波留の背中を押すのである。
もちろん・・・それだけでは不十分なので天使・太助がダメ押しである。
「退屈だな~」「可南子さんに会いたいな~」「今度いつ来るのかなあ~」である。
すでに・・・死後の段取りについての手配も終り・・・波留の実の母親と波留が再会できるシステムも整えた。
太助の望みは・・・ただ波留の幸せあるのみ。
「お前が生きていれば・・・それが一番の親孝行だ」
などと泣かせるセリフの連打である。
さすがの波留も可南子に電話するのだった。
「あの・・・明日・・・仕事休みだったら・・・ドライブしませんか・・・」
六月である。梅雨直前の先取りの夏。
赤い車を運転するのは波留。助手席には可南子。そして・・・リアシートには太助が笑っている。
「どこへ行こうか」
「決めてないんですか」
「そういう時のために・・・海があるんだろう」
「ふふ・・・今、思いついたんですか~」
「ふふふ」
突然、晴れ渡る青い空。
神が与えたもうた三人のための海である。
波留が上着を取りに行っている間に流木のベンチで可南子に遺言を告げる太助。
「誤解しないで聞いてくださいよ・・・離婚をやめてほしいとか・・・そういうことじゃあないんです。ただ・・・いってきたいことがあるんです」
「・・・」
「波留と家族になってくれて・・・ありがとう・・・」
「そんな・・・私は・・・」
「いいんです・・・その時の可南子さんが今はいなくても・・・だって可南子さんは可南子さんなんだから・・・」
「・・・」
そこへ戻ってくる波留。
「何の話をしてるんだい」
「お前が神社で立ちションしたから・・・御利益がなくなっちゃったって言う話」
「さすがに・・・もう時効じゃないか」
さりげなく車に戻る太助である。
「私・・・日記を書いていたんですね・・・」
「・・・ごめん・・・俺・・・可南子の日記・・・読んでしまいました・・・」
「まあ・・・変なこと書いてなかったですか・・・私・・・こわくてまだ読んでないんです」
「昔・・・父から勧められて書きはじめたんです。私・・・口が重いので・・・」
「・・・」
「だから言いたいことを書いてみろって・・・」
「・・・」
「でも・・・父が死んで・・・書くのをやめてたんです・・・だけど・・・あなたと出会ってまた書きはじめたんですね」
「よほど・・・不満があったのかな」
「そんなこと・・・書いてありました・・・?」
「いや・・・」
「いつか・・・あなたとの五年間の積み重ねを読んでみたいと思います」
「・・・」
「でも・・・今はまだ・・・勇気がでなくて・・・」
「・・・」
微笑み合う二人。そんな二人を太助も微笑んで眺めていた。
陽はのぼり、風は吹き、そして寄せては返す潮騒。
太助は永遠というやつを感じていたにちがいない。
翌日・・・波留はミズシマオートの社長に呼ばれる。
「この店・・・お前に継いでほしいんだ・・・俺の代で閉めるつもりだったけど・・・最近のお前たちを見ていたら・・・残したいと思えてきてな」
「俺で・・・いいんですか」
「お前じゃなきゃダメだろ」
その日、可南子は宣伝に力をいれた朗読会の本番を迎えていた。
努力の成果で・・・たくさんの子供たちが集まっていた。
図書館は活気にあふれている。
「ハーメルンの笛吹き男」
いまから七百年も昔のこと。魔法使いがハーメルンの街にやってきました。
ハーメルンの街で害を為すネズミを駆除してみせるというのです。
ハーメルンの街の人々は魔法使いに報酬を約束しました。
すると魔法使いは一本の笛を取り出しました。
たちまち怪しい笛の音が街に響きます。
やがて街中のネズミが笛の音に魅かれて集まってきました。
魔法使いは笛を吹きながらヴェーザー川に向かって歩き出します。
するとネズミたちもぞろぞろと後をついていくのです。
やがて、魔法使いはするすると川の水面を歩きはじめました。
後を追うネズミたちは次々と川の流れに沈み、溺れてしまいます。
こうして・・・ハーメルンの街からネズミが一匹もいなくなってしまいました。
魔法使いは「さあ、報酬をいただきたい」と告げましたが、街の人々は魔法使いを悪魔に違いないと決めつけて、武器をとって悪魔払いをしようとしたのです。
村一番の力持ちが斧で魔法使いを真っ二つにしようとしましたが・・・残されたのは衣装だけで魔法使いの姿は消えてしまいました。
すると・・・どこからともなく声がします。
「善行に悪行で応えるものに災いあれ」
それは魔法使いの恐ろしい呪いの声でした。
その夜、人々が寝静まった頃。
ハーメルンの街に笛の音が響きました。
するとハーメルンの子供たちは一斉に立ちあがり、闇の中を歩き出しました。
朝になり・・・ハーメルンの大人たちが目を覚ますと・・・街には一人の子供も残っていませんでした。
人々は後悔しましたが・・・後の祭りです。
それ以来・・・今にいたるまで子供たちがどうなったのか・・・誰一人として知りません。
朗読会に参加した子供たちはみな・・・恐怖で顔を歪めていた。
館長「可南子さん・・・これは物語の選択ミスですね」
可南子「甘い結末は子供たちのためにならないと思いまして・・・」
・・・おいっ。まあ、この話には・・・人々が魔法使いに謝罪して子供たちが無事に帰ってくるヴァージョンもございます。しかし、キッドの知るところによれば笛吹き魔に連れ去られた子供たちは・・・いや、それは言わぬが花というものですな。悪魔にも悪魔の儀礼というものがございますしね。
皆さんも契約不履行には充分に注意なされませ。
ともかく、朗読会は大成功して・・・その話を夫とその父に聞かせようと可南子は花を買って波留の実家に向かう。
波留は社長の申し出を父に伝える。
「お前なんかに会社を譲るなんて、社長さんも怖いもの知らずだな」
「見る目があるのさ・・・」
「それじゃ・・・お前を野球選手にしようとした俺には見る目がなかったのかよ」
「・・・」
「昔はいつも俺の後ろにお前がいたのに・・・今じゃ、お前は一人で歩いていくんだなあ」
「・・・」
「久しぶりにキャッチボールでもするか」
「それじゃ、グローブとボール捜してこなくちゃ・・・」
だめ~、捜しに行っちゃだめ~というお茶の間の絶叫も虚しく・・・。
残照が一人きりの太助を照らすと・・・。
時の過ぎゆくままにこの身をまかせ
窓の景色もかわってゆく
関連するキッドのブログ→第8話レビュー
ごっこガーデン。誰もいない海セット。まこ「たしゅけ~~~。たしゅけはどこでしゅか~~~。かくれんぼしてないででてきてくだしゃあぁぁぁいっ。ツバメと一緒にサヨナラでしゅか~~~。誰か、太助を助けて~。この期に及んでだじゃれとはまこは根っからのギャグ体質~~~」mari「惜しい人を亡くしましたね~。誰も知らない無名のでも素晴らしい人がどこかで生きて・・・そして去ってゆく・・・それが人生かもしれませんが・・・ちょっとさみしいですね」じいや「お嬢様~ピンクのツバメ号は一人乗りですぞ~、ロイドと二人乗りは危険が危のうございます~」
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コメント
深いですね文章が・・・。私がうまく言えないことを書いてくださっている気がして、毎週飛んできています。いえ、私が思っていることなどは、ここまで深くないのですけれどね。ただただ、「うんうん」と、いいながら読ませていただいています。有難うございます。
来週で終わってしますことが、寂しいです。でも、また、おじゃまします。
投稿: riko | 2012年6月16日 (土) 09時17分
モウイチドキミニ~ riko 様、いらっしゃいませ~プロポーズ
浅学非才の身に有り難きお言葉、ありがとうございます。
今回、野暮用で更新が滞っており申し訳ありませぬ。
このドラマはものすごい傑作でありながら
いろいろと心配させられる部分もあり
はらはらしながら視聴していましたが
どうやら・・・もう安心でございますねえ。
ここまでくれば
最後は・・・可南子が心配した通りに
波留がバイクで事故死なんていう
とんでもエンドでもそれなりに
楽しめる水準になっていますな・・・。
いやーーーっ、それはなしーーーっ。
・・・でございますか。
来週開始前までには更新を完了する予定です。
また、おでかけくださりませ。
投稿: キッド | 2012年6月18日 (月) 20時52分
キッド様、こんばんわ~
修羅修羅修羅修羅修羅修羅場~の合間を縫ってのレビュウ有り難うございます。
キッド様のレビュウには、この物語に対する愛情が溢れていますね!!
しかし、可南子のキョロキョロは右脳と左脳のせめぎあいだったのですね・・・なんだか波留のバイク事故より、脳の酷使による再出血のリスクの方が高そうな気が~
今回は陽水も登場して、ますます続きが楽しみです。更新待っています^^
投稿: はなとめ | 2012年6月19日 (火) 20時35分
山ちゃんも竹ちゃんも~はなとめ様、いらっしゃい~まじめでシャイ
激励のお言葉ありがとうございます。
修羅場も終了して
満身創痍ながら正常スケジュールに移行しつつあります。
・・・と思ったら台風襲来ですなーっ。
屋上庭園の植木の退避作業が・・・。
この物語は大好きでございまする。
可南子のキョロキョロは
今回のラストシーンでも炸裂していましたな。
この場合は
ファザゴンの可南子が大好きな波留父の遺体と
すでにときめきを感じている父を亡くした波留の背中。
この往復のキョロキョロでしたねえ。
そして・・・最後に定まった視線は・・・
やはり波留でございました。
現在60年代~2012年まで
記憶がカオス化しているので
傘がないとか愛と誠とかとんでも情報炸裂レビューでしたな~。
なんとか、金曜日までには平常心に戻りたいと考えておりまする。(*゚ー゚*)
投稿: キッド | 2012年6月19日 (火) 22時55分
キッドさん、初めまして♪
もうプロの記事だけ読ませてもらってます。
脳内変換された表記が、もうおかしくておかしくて(爆)
結構めちゃくちゃな時もありますが、なぜか嫌な気がしないのは、なんというか作品自体に対するキッドさんの愛が垣間見えるからかも〜
このドラマとともに、ここを読むのもちょっと中毒になってます(笑)
今回のツボは、ハーメルンの笛吹き男の選択ミスですね。
のこすところあと1回・・・
寂しいですが、心して最終回を見たいと思います。
もちろんキッドさんの記事もね♪
投稿: あまね | 2012年6月20日 (水) 13時52分
今日の懐メロ大会は、ガンダムにジュリーに南沙織と
思いきや・・・トワ・エ・モアの方だったのかな???
どっちにしろ、まこ☆ミキには古過ぎてわかんないので
ママに聞いてみた
んで、ここに来て急に波留にとっての敵役はみな良い人化し、
そしてミズシマオート全員、波留に対して岩清水化!
愛は平和ではない、愛とは戦いである・・・
きっと波留は視聴者の見えないところで、裕樹や一哉と
戦い、これ以上可南子との仲を妨害せぬようにと
ふるぼっこにしてやったのですねーーーっ!
はっ!バイク乗りで自動車の整備工・・・
昔の漫画にありがちな不良・・・元ヤンの進路の定番!
波留ってはるか昔はそっち系だったとか???
うほっ!ピンクのツバメ号もいいけれど、
ますます波留とまこ☆ミキでのバイク2ケツの
ハイブギ妄想が・・・・・・
じいやっ、カラオケ行くよ~~~!
海辺にバイクをとめて~
投稿: まこ | 2012年6月20日 (水) 17時27分
修羅場から無事帰還☆おめでとうございます(o^-^o)
9話よかったですね!
覚えていなくても加奈子さんは可南子さんだから
この言葉を聞いたとき 最終回はきっと期待どおりになるに違いないと思いました。
男女の恋物語というより まじめに生きている人への応援歌のような 愛に満ち溢れたストーリーですね
広島の緒方の満塁ホームラン ジャイアンツファンの私ですが 緒方のことをカッコイイと思って注目していたのであの時のことは よく覚えています
まさか このドラマで緒方の名前を聞くとは!笑。
何はともあれ最終回が楽しみです!
投稿: chiru | 2012年6月20日 (水) 21時43分
ハーメルンノフエノネ~あまね様、いらっしゃいませ~ハルノココロニヒビキアリ
お読みいただきありがとうございます。
世界から子供を奪う呪縛の音色は
今もまた可聴域外で鳴り響いているのですねえ。
まあ、ホラーの世界ではそうに違いありませぬ。
基本的にこのブログは妄想で構成されていますが
あまね様のご指摘通り、
悪魔としては精一杯の愛で
お届けしているつもりです。
まあ、愛してるってことだけで
すべてが許されるなら
ストーカー殺人犯は全員無罪になっちゃいますけれど~。
ハーメルンの笛吹き男については
「本当にあった話」の古典なのですね。
本当にあった話だが
事実関係は定かでなく
いつだれがどこでどのようにどうしたが
まったく判然としない・・・。
という都市伝説のような実態があります。
当然のように物語の結末も
語り手によって全く違うという困った話なのですな。
キッドは根底には「悪魔との契約不履行」という
恐ろしい魔術的真相が隠蔽されていると
確信していますが
それを強く主張するつもりはまったくありません。
ただし・・・「結婚」という「契約」が
悪魔とのそれに準じるものだということは
指摘したいと存じます。
契約の本質を理解しないで契約書にサインしてしまえば
望んだ果実は得られないという教訓がございますでしょう。
いよいよ・・・最終回。
素晴らしいハッピーエンドを期待しております。
・・・またおでかけくださいませ。
投稿: キッド | 2012年6月21日 (木) 01時32分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
少年マンガなのでアレですが・・・
野球でバイクで不良少年といえば
「バツ&テリー」がございますからな。
実は波留には「ヤツの幸せを邪魔する奴は俺が許さねえ」という影の大親友がいるのかもしれません。
そして・・・一哉や裕樹は
フルボッコでクンロクかまされ説教で調教されてしまったのですな~。
とにかく・・・ミズシマオートのみんなも
「波留さんに命あずけます」的ラブを抱いていますからな・・・。
やはり、波留さんは愛されるために生れてきた早乙女愛なのでございます。
男ですけれど~。
今はもう秋 誰もいない海
二人の愛を 確かめたくて
トワ・エ・モアからシンシアの合体攻撃ですな~。
そして、波留は可南子に出会って・・・
「お前が望むなら ツッパリも止めていいぜ」宣言ですな。
いよいよ「ハイティーン・ブギ、明日こそお前を幸せにしてやる」最終回でございますな~。
まあ、「アラフォー・ブギ」ですけれども~。
最終回用、絶対安全二人乗りバイクを
ごっこガーデンスタッフ一同、鋭意開発中でございまする~。
まこ様、カラオケの前に追試のためのお勉強ですぞ~。
全科目赤点って
どんだけ突っ走るおサボリにブレーキなしですか~。
投稿: キッド | 2012年6月21日 (木) 02時28分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
おがたこういちと言えば
読売巨人軍のマイクを持った盗塁王「緒方耕一」が
メジャーですよねえ。
しかし、ほぼ同時期に
二人の「おがたこういち」が実在したというのは・・・
このドラマの
可南子-可南子'に通じるものがありますな。
まさにおがた-おがた'でございまする。
盗塁王としては
1990年耕一
1993年耕一
1995年孝市
1996年孝市
1997年孝市
と広島の緒方が一回多いのですね~。
二人とも佐賀県出身というのもツボでございますな。
すっかり下火となったプロ野球人気も含めて
この物語の根底に流れる
「なつかしい優しさ」
みたいなものの歯車の一つなのですねえ。
しかし、それは「幸せ」のためには
けしてなくしてはいけないもの・・・
そういう主張もそこはかとなく漂いますなあ。
ついに第9話は視聴率10.0%に到達。
みんな・・・気がつくの遅すぎ・・・と思いつつ・・・
素晴らしい最終回を心安らかに待ちたいと考えまする・・・。
投稿: キッド | 2012年6月21日 (木) 02時53分