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2012年6月 9日 (土)

まごころをきみに、愛と言う名の終着駅で(竹野内豊)

今回、言えるのはダミーというかミスリード・パートの回収と修正である。

一哉(袴田吉彦)はともかく、裕樹(山本裕典)はかなり遠くまでいっちゃったからなあ・・・連れ戻すのはかなり荒業だな。布石としては志乃(市川由衣)の妊娠かあ。可南子が妊娠しないまま終わるとなるとこちらがその手にくるかな。

とにかく、今回、明確にされたのは・・・波留(竹野内豊)が過去の心の傷から「父親になることをためらう男」であることと裕樹が「父親になりたかった男」であるということ。

そして、二人が似ているということだ。

なぜなら、裕樹は自分自身の父親になりたかっただけで、つまり、母親を妻とし、姉を娘とするという倒錯した願望のために・・・人の子の親になるつもりがないということだし、波留は自分と同じように他人を傷つけることを恐怖して・・・人の親になることに躊躇するということなのである。

情報化社会によって、人間の意識は明らかに改造されている。

たとえば、我が国における少子化という事態は・・・ある意味、精神汚染が進行していると言っても過言ではない。

それは・・・自分の親の存在を根本的に否定する場合もあるし、親と比較して自分が不完全であると自己否定する場合もあるが・・・ようするに「自分が親になるべきではない」という発想に到達する点で同じなのである。

もちろん、汚染は局所的なもので・・・人類百万年の流れにのって、生れ、愛し合い、子をなし、死ぬ人々はまだまだ多数派である。

問題は少数派が自分たちがそうだと自覚できないほど増殖していることにあるのだな・・・。

これは自分の子供を持てなかった男・太助(小野寺昭)が自分の子供を持とうとしない男・波留に伝えたい「愛の話」なのである。

そして・・・可南子(和久井映見)は・・・もう一人の自分と暗闘しながら・・・波留の目覚めを待っているのである。

で、『もう一度君に、プロポーズ ・第8回』(TBSテレビ20120608PM1055~)脚本・桐野世樹、演出・村上正典を見た。本題に入る前に・・・ついに我慢できず・・・前回のボーリングで反応してしまったわけだが・・・のじましんじくんじゃ・・・ないのか?・・・なぜ覆面を・・・まあ、いいか。まあ、少なくとも、リスペクトは入ってるよね。童話の挿入、近親相姦的キャラ、そこはかとないホワイトカラーブルーカラー対立、 よどみない会話力、結構アイディアのあるエピソード、赤い傘ではないが赤い車、竹野内に和久井。ものすごく・・・さししめしているな・・・。しんじくんなら・・・わらえばいいと思うよ。

さて・・・前回、あそこまでやっておいて・・・波留と桂(倉科カナ)のアヴァンチュール(恋の火遊び)は消化器噴霧でスルーである。ま、当然と言えば当然だが・・・これはそんな話じゃないもんな。そういうことでドラマが面白かった時代はもう去ったような気がします。いや、そういうことの方が大切だという意見もありますけどね。このドラマの場合は・・・微妙な心の動きが面白いのであって・・・それはやはり、主人公とヒロインで充分なのですな。

で、今回は・・・やはり死すべき運命にあった波留の養父・太助の・・・真心の物語でございます。その波留への純朴で可憐で献身的な愛情・・・心に沁みますな・・・。

もちろん・・・特別に死ぬのではありません。親たるもの・・・いつか必ず死ぬのですからねえ。

遅いか、早いかの違いがあるだけです。

ここで、小話を思いついたのでひとつ・・・。

親孝行したいときには親はなし・・・なんて申しますな。・・・ああ、よかったあ。

おあとがよろしいようで・・・おいっ・・・まあ、どうして人は親にならなければ幸せになれないのでしょうねえ。そんなことはない・・・と言う人は・・・本当の幸せを知らないってことになるんでしょうか。親になれなかったものには永遠の謎でございますな。もちろん、親になったからって答えが分かるとは限りませんがね。

人を殺めちゃいけねえよ・・・と同じくらい、所帯を持って子供を儲けないと幸せにはなれない・・・は当たり前のことなのですが・・・この当たり前が当たり前でなくなっているところに・・・豊かな国家というものの限界が見えてくるのですねえ。

さて・・・本題に入りますか。

今回は、終盤にむけて・・・人間関係を整理したものと言える。

可南子にとっての最大の恋仇が記憶を失う前の可南子だったことが明らかになった以上、桂の片思いをこれ以上、描いてしまうと違うドラマになってしまうため・・・桂の一人相撲は逆あすなろ抱きの一夜をいい思い出にして終了である。本人は気まずい思いを抱えているわけだが、波留はまったくのポーカーフェイスだし、ミズシマオートの従業員一同は知っているのに知らぬふりなのか、最初から最後までまったく気付かない態である。桂も・・・どうやら・・・心を沈めたらしい。

「応援はできないけど・・・一緒んがんばりたい」は意味深な言葉だが・・・まあ、恋の敗北宣言でもあるのだろう。表情がそれまでとは違い、晴れ晴れとしているからである。表情の陰翳で語れるのが倉科カナの凄いところ。

さて、問題は・・・裕樹であるな。

一哉との密会は・・・もちろん、何の発展もなく・・・一哉は「可南子と別れたことは後悔してないけど、元嫁との結婚についてはいろいろ後悔がある・・・恋人同士と夫婦の違いは別れてみないとわからない・・・」と意味不明のことを言うが・・・可南子と縁りを戻す気がまったくないことを宣言しているともとれる。

で、その一哉を使って「お前は優しすぎる・・・視野を広げるともっといい」と「波留さんは優しい人だ・・・可南子さんには彼がついている」と裕樹の棘を抜きにかかるわけである。

それでも、意地を張る裕樹に波留自身が食事に誘ってフォロー。

「君は僕に似ている・・・不器用なところが・・・」そして「ひとつのことしかできなくてもひとつずつ問題にとりくめばなんとかなるもんだ・・・」とアニキとしてアドバイスである。

もちろん・・・裕樹はそう簡単に「ふつうの義理の弟」には戻れないわけだが・・・「ようするに家族を思うあまりにいきすぎたのであって・・・けして変態ではない」ことを波留が説明したわけである。御苦労さまでした。

裕樹に引きずられる形でやや、難解だった谷村万里子には太助が謝罪に赴く形で、フォローに入る。「波留と万里子の離婚」に心から賛成しているわけではなく・・・「離婚した後も波留を息子だと思っていいですか・・・」と波留の味方宣言である。

ここですでに・・・老い先短い太助が過剰に喜ぶことと・・・その太助の様子に不審を感じるところまで細やかな演出があります。

そして、これまで・・・どこか、抜けたところのあったミズシマオート社長が・・・「修理は死者の復活ではなく、新しい生命の誕生だ」とこのドラマのテーマを語りだすのである。

死にゆくものである太助は精一杯のまごころを養子である波留に注ぎ続ける。

病院に担ぎ込まれても・・・即座に退院。

波留と一夜を共にすると・・・「本当のお母さんに会いたいか・・・」と問う。

「今更・・・」と実の母と同じ答えをする波留に・・・「もう遅いということはないぞ・・・生きている間は・・・」と「希望」について言及するのである。

その言葉を受け止めた波留は明らかに「離婚」を思いとどまろうとするのである。

可南子は館長とともに朗読会のポスターを幼稚園に張りに行き、幼い子供たちの魅力を告げられる。

「成長していくものを見るのは・・・つまり、生きているということなのです」

可南子が五年間でたどり着きつつあった答え・・・それは今、失われている・・・を可南子は学びなおしている。

弟は明らかに死んだ父親なら、波留と可南子の結婚には反対しただろうと思い込んでいるのだが、万里子は可南子に「きっと・・・お父さんは喜んだと思う・・・波留さんは結婚する前に・・・お父さんのお墓参りに行ってくれたの・・・そういうまじめな人が・・・お父さんは好きだから・・・」

可南子が思い立って墓参りに行くと・・・そこには波留がやってきた気配があったのである。

万里子は「思い出だけで生きて行くことはできない・・・思い出を糧にして生きて行く」と二人の臆病な姉弟を諭す。

「波留さんと・・・このまま・・・一生会わずにいられるの・・・」

「・・・逢いたいよ・・・」

ついに可南子の思いが言葉になってあふれるのである。

そして・・・波留に自ら連絡を取る可南子。

午後に会う約束をする波留と可南子。

その日・・・波留はまごころのたいやきを父からもらい・・・そして。

父との別れの日が近いことを知らされるのだった。

その頃・・・可南子は・・・もう一人の可南子の記録と遭遇していた・・・。

もう、解説不要の面白さ・・・。

今日まで二人は 親子という名の

旅をしていたと 言えるあなたは

年上の男 優し過ぎる

何気無さそうに 別れましょうと

あなたは言うけど

僕には出来ない まだ愛してる

関連するキッドのブログ→第7話のレビュー

Mako008 ごっこガーデン。煩悩の自動車整備場セット。まこむふふ・・・今日のツナギはボヨヨン機能内蔵なのでしゅが・・・なにやらギャラリーが多すぎて、スイッチ・オンができましぇ~ん。まこは恥ずかしがり屋さんだ~か~ら~。こっぱずかしいんだもんっ。上司と不倫で愛人コースなのに・・・なぜか、純情可憐な桂しゃん。小悪魔的な持ち味があるだけに・・・どっちなのかさっぱりじゃけん、困っちゃうの~。波留は記憶が戻らなくても新しくなった可南子を愛することができるのかな~。赤い車が生まれ変わるように・・・宮本家も新生しますように・・・mariおやおや、じいやは出張ですか~。可南子ママと波留パパが本当に親の鑑ですね~。でも、いい親からいい子が育つとは限らないかもですよ

 

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コメント

キッド様、こんにちわ~!!
のじましんじ・・・ゴールデンボウル、好きでした。あの頃は竹ちゃんならぬ武ちゃんに、はまっていましたから~
あの作品も可愛らしく、なんとなく象徴的なドラマでしたね。
今回はジュリーの「危険なふたり」、しかもドラマにあわせ、詞の絶妙なアレンジが施してあり・・素敵です。
いい感じの終盤に期待したいですね!!

投稿: はなとめ | 2012年6月10日 (日) 16時55分

sandclock山ちゃんも竹ちゃんも~はなとめ様、いらっしゃい~まじめでシャイsandclock

ふふふ・・・あくまで修羅場における妄想の
発露でございます。
もう、しんじくんのドラマみたい・・・。

サービス、サービスゥ!・・・という感じです。

しんじくんはボーリング大好きですからねえ。

「A-A'」は少女マンガですから・・・
ちゅらさんも捨てがたいんですけどね。

ゴールデンボウルは何しろ・・・金た・・・ですし。

男は女を妊娠させたいと思っている・・・
女は男に妊娠させられたいと思っている・・・
そういう自然な流れがなぜか澱む現代・・・
まあ・・・できちゃった結婚は
あるわけですが・・・
その裏にはそれぞれの理由があるわけですが
今回はそのへんを
甘いたいやきでくるでいるところが
スイーツなのですな。

おしゃれさんです。

思わず掟破りの替え歌にしちゃいました・・・。
そのままでわかるくらいの
記事のボリュームがなかったので
苦肉の策でございます。

ここまでくれば
あとはクライマックスでハッピーエンドと
安心して見ることができると考えまする。

投稿: キッド | 2012年6月10日 (日) 21時19分

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