転げ落ちていくよ・・・何処までも・・・何も変わらない・・・それなのに(松山ケンイチ)
平成日本では・・・たとえば選挙である。
もう・・・どれほど・・・くりかえしただろう。
それなのに何も変わらない気がしてしまう。
リーダーをチェンジして・・・またチェンジして。
失言をして、失敗をして、失墜してやりなおし。
かわったふりをして・・・同じあやまちをくりかえす。
そして・・・かわらないどころじゃなくなっていく。
転げ落ちて行く。どこまでも。どこまでも。
それでも信念を持って生きて行く人々はいる。
新しい何かを見つけるために。
そして、また悲劇の幕はあく・・・。
それでいいのだ。それが世界なのだ。それが人間なのである。
なにしろ万物は流転するのだから。
で、『平清盛・第25回』(NHK総合20120624PM8~)脚本・藤本有紀、演出・柴田岳志を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はイラスト描き下ろしはお休みですが・・・源氏の女として気概をみせつけて儚い一生を閉じた由良御前の再登場・・・そして次なる波乱の主役・藤原のブー頼ふたたびでお得でございます。そろそろ常盤御前が来るかな~とか、平滋子はまだかな~とか贅沢は申しませんのでマイペースでお願いします・・・だからおねだりはコメント欄でしろと・・・。
時は流れて行く。保元の改革ともいうべき信西入道の日本再生計画は着々と実を結んでいく。当然、既得権益者の不平不満はエスカレートしていくのである。結局、内政は税制改革であるし、外交は貿易振興である。私的財産(荘園)を没収し、公的所有物(国有化)として再分配していくとなれば「もてるもの」はたまったものではない。また国家が貿易に介入すれば密貿易者のうまみはなくなってしまう。さらに実力主義を展開すれば、非力なものは怨むのである。信西は藤原頼長よりも国力を高めたが・・・権力者たちの怨嗟の声はさらに高まっていく。それを鎮めているのはただ圧倒的な軍事力を持つ平家一族がバックについている・・・それだけである。二条天皇誕生によって・・・王家には再び、上皇派と天皇派の派閥争いが生じて行く。恐ろしいことに・・・信西は両方の派閥から標的となっていくのである。一方、平清盛は血縁関係でより安定を図ろうと試みる。天皇派の黒幕である美福門院と縁の深い藤原成親の娘を長男・平重盛の妻とし、信西の子息や藤原信頼の子息には娘を嫁がせる。いわば・・・全方位外交である。もちろん、平家としては安泰を求めて当然の行動であるが・・・結局、そのことが信西入道の危機を深めることになるのである。つまり・・・平家が信西を守るとは限らないということを他の勢力に暗示しているのも同然だからだ。一方、源義朝は王家との唯一のパイプとも言える正妻・藤原由良を保元四年(1159年)二月に失い・・・追い詰められていく。そして・・・運命は・・・信西を強く憎む藤原信頼を後白河院厩別当につけ・・・源義朝が左馬頭だったことから・・・馬を通じて陰謀を芽吹かせることになるのである。
信西暗殺の機運は・・・二条帝即位によって改元された平治元年(1959年)の末には充分盛り上がっていた。
出雲国には天皇の忍びである大伴半蔵こと西行と波音の指揮する平家伊賀忍びが潜入してはや・・・四年の歳月が過ぎようとしている。
その後、時代は大きく動いたが上西門院と名を変えた統子内親王から命じられた「最後の妲己の封印」探索は難航し・・・忍びたちはこの国に足止めされていた。
波音の配下には刑死した平忠正の一族に縁深いものもあり、一時は激しい動揺もあったのである。
また、信西の改革により、地方豪族と官人との間の摩擦も高まっていた。古くより大国であった出雲には八百万の神々があり、権力構造も複雑化している。何より、ヤマトノオオキミになびかぬアマテラス直系を自称するアマコノタミさえ現存するのである。
妲己の封印は古き神々の伝承に埋もれ、なかなかその正体を明かさなかった。
都より源出雲守光保(みつやす)が出雲国府に出張してきたのは秋風が吹く季節だった。
光保はすでに正四位下という清盛と同じ位まで昇った摂津源氏の棟梁であるが、北面武士であり、かって佐藤宗清と呼ばれた頃の西行の後輩であり・・・そして天皇の忍びであった。
「大伴半蔵様・・・上西門院様よりの伝言がございます」
「なに・・・」
国府の館で密会した西行は思わず言葉を乱した。
「すると・・・やはり・・・斐の川の上流に封印があるのだな」
「はい。おそらく・・・八岐大蛇の塚に二重になっているだろうと申しておられました・・・」
「そうか・・・八岐大蛇の封印を一度解き、その下に封印を忍ばせて・・・また八岐大蛇を封印したのか・・・」
「妲己の封印を解くためには八岐大蛇の封印を解かねばならず・・・それでは手不足であろうと摂津源氏、美濃源氏、近江源氏の忍び武者どもを引き連れて参ったのでございます」
「さもありなん・・・」
西行は行く手に待ち構える妖しの戦に暗澹とした気持を感じる。
そこから気をそらせるために・・・口調は軽くなる。
「光保殿は大層な出世でおめでとうござる」
「いや・・・影の棟梁にそう言われてはお恥ずかしい限りでございます・・・」
「都の趨勢はいかがか・・・」
「なんとも・・・信西様は辣腕をふるっておいでですが・・・都雀の怨嗟の声は高まるばかりですな」
「ピーチクパーチクうるさかろう・・・」
「信西様暗殺の気配もございまする・・・」
「清盛殿がおる限り・・・それはあるまいて・・・」
「しかし・・・源氏の中では・・・あらぬ噂が飛び交っておりまする。源義朝に後白河院より密命が下ったなどと言うものもあり・・・」
「義朝か・・・しかし・・・上西門院様が由良御前を通じておいさめするだろう」
「・・・由良御前は亡くなりました・・・」
「何・・・」
「おそらく・・・妲己のあやかしの力が働いている・・・と統子女将・・・上西門院様は申されておりました」
「またも都は乱れるか・・・」
「一刻も早く任を成し遂げねばなりませぬ・・・」
「・・・」
翌朝、忍びの一群は根の国に通じるとされる斐の川を遡上し・・・ヤマタノオロチとの決戦に踏み切った。
すべての戦いが終わった時・・・生き残ったのは西行と波音そして源出雲の三人だけであったという。
それでも・・・封印は完全には解けなかったのである。
最後の封印から取り出されたのは最後の最後の封印の解呪の鍵であった。
波音は傷ついた顔から流れる血をぬぐいながらその鍵を茫然と眺めた。
「きりがないではないですか・・・」
西行も源出雲も精魂尽き果て・・・無言だった。
関連するキッドのブログ→第24話のレビュー
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コメント
どうもです
体調はぼちぼちといったところです
大分普通の生活ができてます
イラストはですねぇ
平清盛
源義朝
平盛国(ヒゲなし)
平頼盛
美福門院(出家バージョン)
平家貞(老年期バージョン)
とまぁこんな感じですね
成親はどうしようかなとか
妹さんはどうしようかなとか
師光は西光になってから描こうかなとか
池禅尼は早く描かないと死んじゃうかなとか
頼盛や盛国に今更ヒゲなんか描きたくないなとか
そんなことばっかりの日々です
滋子、承知しました(ミタ風)
最後の最後の最後の最後にならないよう描いてみます
投稿: ikasama4 | 2012年6月25日 (月) 18時16分
わざわざのお運びありがとう存じます。
ともかく、病状安定のご様子、安堵いたしましたぞ。
キッドめも名所見物としゃれこめるほどに
元気でございます。
まあ、バカは高いところが好きなもので・・・。
最後の義朝・・・楽しみでございますねえ。
平一族もさることながら・・・
いよいよ・・・美福門院との決戦の
時が迫ってまいりましたからねえ。
妖異との戦は結構くたびれるので
これまではふるだけふってスルーしましたが
ここは書かねばならんと決意しております。
とにかく・・・登場人物多いですからねえ。
マップもいつも・・・誰をカットするかで
頭を悩ましておりますぞ。
本編未登場の方も・・・かかせませんしなあ・・・。
成親はなんとなくぶっさんが似ているので・・・。
経子ははるか嬢の眉をとったら高橋愛に・・・。
まあ・・・キッドの単なる思いこみですけど~。
う~ん。四草は西光待ちですかーーーっ。
いや、あくまでマイペースでお願いします。
きいのお願いきいてくれて・・・画伯しゃん、ありがとう(本田望結風)
本当に本当に本当にマイペースでお願いいたします。
投稿: キッド | 2012年6月25日 (月) 20時42分