ある情事の事情から発生した息もできない夏さっ(原幹恵)
・・・おいっ。誰が愛の戦士キューティー・ハニーの話をしろと・・・。
だってさ・・・今世紀最高の特撮ヒロインを演じた原幹恵にお菓子屋さんでヒロインにこれみよがしに嫉妬する脇役は似合わないじゃないか。
臥薪嘗胆だよ。下積みも女優の稼業だよ。そのうち・・・お菓子屋さんの社員旅行で温泉に行くかもしれないじゃないか。そしたらさ・・・悩殺攻撃される機会も・・・。
そんな戯言にごまかされるかっ。
まあ・・・子供が生まれるからには愛(情事)があったわけで・・・そこにはなんらかの愛(事情)があるわけで・・・。
いや・・・この脚本家のことだから・・・ものすごくしょうもない理由だと思うぞ。
まあ・・・玲ちゃん(武井咲)ママ(木村佳乃)がお茶の間から総後ろ指差されるダメ人間であることは明らかだよな。
そして、この脚本家はそれをかなり開き直って正当化してくるよな。
そこまで・・・わかっていながら・・・事情を知りたい心理・・・人間ってバカだよな。
で・・・それに最後まで付き合うのかよ・・・いや・・・ここはあくまで谷間で・・・。
で、『息もできない夏・第一回』(フジテレビ20120710PM9~)脚本・渡辺千穂、演出・河野圭太を見た。「最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜」で真冬の幽霊譚をやりきった脚本家が古巣に戻って釣り師としての絶好調ぶりを披露である。もう・・・玲ちゃんママの理不尽ぶりにお茶の間釣られまくりの阿鼻叫喚である。しかし、元新聞記者で自分の記事が原因で一家の主を失った家庭に入り込み・・・墓場で主を歯がみさせているにちがいない主人公・樹山(江口洋介)で釣り、玲ちゃんと樹山の怪しい関係で釣り、正体不明の草野(中村蒼)、夏目(北大路欣也)、鮎川(要潤)で釣りまくるのである。容赦なく釣るよね。
さて・・・まず、国籍と戸籍の問題から軽く述べておこう。
たとえば・・・某国から日本に亡命してきた避難民がいる。夫婦である。この二人には某国に国籍がある。そして二人に子供が生まれる。日本の国籍を取得することが可能であるが・・・某国民としてプライドがある夫婦はそれをしない。しかし・・・母国に戻って出生届をだせないから・・・当然の結果として・・・子供は無国籍になる。無国籍であるからパスポートを取得できず・・・日本人でもないのに日本から一歩も出られない正体不明の人間が誕生してしまう。理不尽であるが・・・夫婦には夫婦の譲れない事情があるわけである。しかし、客観的に見れば最初から様々な可能性を奪われた子供は非常に憐れである。その喪失部分を埋めるのは親子の絆だが・・・そんなもの・・・ある意味、なくたって生きていけるもの。
一方、たとえば米国には戸籍というものはない。国籍があるばかりで・・・それは出生届けと住民登録で処理される。つまり・・・国籍を持つ個人の集合体が国民となる。
で、実は戸籍というものは中国に端を発するアジア的国籍処理のシステムなのである。
つまり・・・血族集団の一員と認められ・・・戸籍に入れば・・・戸籍の所属する国家の国民になるというシステムなのである。
戸籍があるために・・・相続の問題がかなり簡略化されることは明解なのである。
そうでない国家で弁護士の仕事が増えるのは明らかだろう。
だから日本では・・・無戸籍者は限りなく無国籍者であるとも言えるのだ。
そうなってしまうには様々なケースがあるわけだが・・・ここでは民法772条「「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定することを規定する。また妊娠中の期間を想定して婚姻の成立の日から200日を経過した後、婚姻の解消もしくは取消しの日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定する」が要因となるらしい。つまり・・・離婚後の再婚で二人の男性と情事を持った可能性のある女性が離婚後300日で出生した子供は前夫の子供として認定されるわけである。ふたまたはいろいろと法的にさしさわりがあるという一つの実例である。どんな事情があろうともそういうことをしないでいる理性がなかったと糾弾される可能性があるのですな・・・当の本人はーーーっ。
ま、情事の事情だからな・・・昔から女はそれを我慢できないと言われているわけです。
・・・それは違うんじゃないか。
まあ・・・そういうわけで・・・玲ちゃんママは困ったちゃんで間違いないと思う。そして問題は困ったちゃんの何の罪もない子供がものすごく困ることになる現実があるということなのである。
なんだかんだで・・・このドラマの本質はそういう話だと考えます。
パティシエールを目指す玲は洋菓子店でアルバイトをする18歳の女の子である。生れてから一度も健康保険のお世話になったことがなく・・・とにかく義務教育を終えてすぐに洋菓子店で働きだしたらしい。その働きぶりに洋菓子店「パティスリー・シャルロット」の店長・安倍川(橋本麗香)は注目し・・・ついに玲を本採用することにする。さらにパティシエールとしてのパリ留学制度へのエントリーも推奨するのである。
こうした店長の玲に対する高評価に・・・社員である井川さつき(原幹恵)は激しい嫉妬を感じるのだった。そして想像を絶するいじめを開始するのである。愛の戦士キューティーハニーがそんな邪悪なふるまいをするとは・・・想像するだけでおぞましいのだった。・・・想像しすぎだろう・・・。
正社員になるために住民票があるという 証明書である「住民票記載事項証明書」が必要となる玲だった。
そして謎の23区である南区役所の出張所を訪ねる。
そこには・・・わけありで南区役所臨時職員となっている樹山(江口洋介)がいて・・・どうやら二人は運命的に出会ったらしい。
こっそりと生活保護費受給申請にきていた草野も同時に運命的な出会いをします。
簡単な行政サービスを実行しようとする樹山だったが・・・できないのだった。
なぜなら・・・玲には住民登録そのものがなかったのである。
その住所には玲の母である介護士の葉子(木村佳乃)と玲の妹であり、武井咲の妹を決める「ガールズオーディション2011」でグランプリを受賞した小芝風花が演じる麻央しか住民登録されていなかったのである。
それどころか・・・玲には戸籍そのものがないのであった。
戸籍がなければ・・・住民票もなく、住民票がなければ住民票記載事項証明書は発行できない。だから・・・玲は正社員になるための書類を完備することができないのである。
「それだけじゃない・・・君は健康保険証もないし・・・結婚もできない・・・子供を産んでも出生届けが出せない・・・つまり・・・君はこの世に存在していないんだ」
と断言する樹山。
同僚一同・・・何もそんな言い方しなくても状態だった。
あまりのことに呼吸が止まる玲。それからずっと酸欠状態に陥るのだった。
「でも・・・戸籍を作る方法はある・・・一度、母親と相談してください・・・」
玲は・・・とにかく・・・母親に相談するのだが・・・。
母親は「戸籍なんてなくたって・・・今まで幸せだったじゃない」という態度をとるのだった。
なんじゃそりゃあああああっと玲とお茶の間一同が呼吸困難になるのだった。
そして・・・ついに・・・酸欠で道に倒れる玲。
「おい・・・女の子がたおれてる」
「たいへん」
「だいじょうぶ」
「救急車を呼べ」
薄れゆく意識の中で玲はつぶやく。
「だめよ・・・わたし・・・健康保険証がないの・・・」
つづく・・・である。
それではみなさん、気分を出してもう一度・・・。
なんじゃそりゃああああああああああああああああああっ。
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→Wの悲劇
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コメント
なんじゃそりゃああああああああああああああああああっ。
いやほんと、今期一番の突っ込みどころ満載ドラマでしたwwww
キッドさんのレビューをめっちゃ楽しみにしていたのですが、期待以上の記事で大満足です♪
こんだけの釣り要素が全部どこかでつながったら、いかにドラマと言えどちょっと怖いですね・・・
おっさんと少女のロリ恋愛ものかと思ってたら、社会派もどきサスペンスもどき往年のいじめネタ少女漫画もどきの「もどきドキドキドラマ」だったんですね。
キッドさんが最後までレビュー書かれるなら、がんばってついていきます(笑)
投稿: あまね | 2012年7月12日 (木) 12時26分
キッド様、「もう一度君に、プロポーズ」では、丁寧なお返事ありがとうございました。とても嬉しくて、ただ読解力のない私は何度も読み返し読み返し…、なんとかわかったような気になっております。
このドラマ、前クールのもう1つのお気に入り「リーガルハイ」の後で、宣伝だけは何度も見てました。ただ…全く見てみたいと思えず、キッド様のレビューで第1話のあらすじを知りました。いやいや、凄いですね。ガッキーも叫んでいるかもしれません。まさかとは思いますが、最後の「健康保険証」のセリフは実際にあったんでしょうか…。それなら、怖いもの見たさで一回くらい見てしまうかも。…うーん、やっぱり見ないかな。でも、キッド様のレビューは楽しみにしてます。谷間でお疲れがたまってなければ、また笑わせて下さい。
今回、全く見たいドラマがなく、ちょっと前まであんなに楽しかったのになあ、と寂しい思いをしています。「ビューティフルレイン」はなんだか手が出ず、「サマーレスキュー」「トッカン」は一回見たらもう十分です。やはり筋書のないドラマに期待でしょうか。
投稿: ギボウシ | 2012年7月12日 (木) 13時40分
なんじゃそりゃああああああああああああああああああっ。
・・・御唱和ありがとうございました。
この世には希少価値というものがございます。
たとえばありがとうと言う言葉。
漢字をあてますと
有り難い・・・ということになります。
つまり実在する可能性が少ないということなのですな。
その可能性の少ないものが実現したことに感謝するわけです。
たとえば希望ですな。
稀な望みです。
実現しないであろう可能性の高い望みだからこそ
希望なのですな。
宝くじが当たる希望です。
そういう意味ではたぐいまれなるこの脚本家の
釣り師としての能力は抜群で・・・そのことに人々は
感謝すべきなのです。
もう、ありがたやありがたや~でございます。
似て非なるものにう、撃たないで~の脚本家の
絶対的にクズという能力があります。
まあ、キッドは「エンプラ」で
この脚本家を絶賛するという
人間離れした展開を実行して
精も根もつき果てた過去がありますから
自信を持って言えます。
餌を見たら釣られると思えということですな。
人はみんなお魚ちゃんなのですなーーーっ。
ちなみにサスペンダー・・・つまりズボンつりと
サスペンスは語源同じです。
良質のサスペンスとは
釣って釣って釣りまくるものなのですな。
だから・・・断言しておきましょう。
この夏、最高のサスペンスは・・・
「息もできない夏」であると・・・。
レビューするかどうか別として・・・
世界のどこかで
キッドは毎週、
なんじゃこりゃああああああああっと叫んでいる。
これも間違いありませんぞ。
投稿: キッド | 2012年7月12日 (木) 15時44分
どうぞお気遣いなく・・・単なるおしゃべり好きな悪魔のすることですから。
口下手ですので真意が伝わらなければすべてキッドの不徳のいたすことでございます。
そうですか・・・ごらんになっていないのですか。
まあ・・・ごらんにならなくても損はないと考えますが
どうせなら一回くらいは見ると
釣られる喜びに目覚めるかもしれませんぞ~。
些少の誇張や省略はありますが
健康保険証の件はそのまんまでございますぞ~。
あれほどせつない救急車出動を
キッドはかって見たことがありません。
大相撲中継中に力士のまわしが外れるくらいの
悲惨なシーンでございましたな。
レビューしたいのは山々なのですが・・・
もはや・・・曜日が足りないのてす。
水曜日は谷間の日になったので
ひとあたり他のドラマにさわって・・・
それから・・・という感じになる予定です。
次はドラマとして最初から抜群に悲惨で
この夏最大のクズドラマになるだろう「サマレス」を
予定しています。
なんとか・・・五輪までにはおさわり終了したいと思っています。
特になでしこは全試合堪能したいですからなーーーっ。
投稿: キッド | 2012年7月12日 (木) 16時10分
こんばんわん
>・事情を知りたい心理・・・人間ってバカだよな。
わん!その一人です(笑)
そっかぁ 最後に倒れたのは
ずっと息を止めてたんですね~
なんじゃこりゃあああああww
しかし 咲ちゃんは可愛いですね
投稿: ルル | 2012年7月12日 (木) 23時31分
こんばんにゃん
ご主人様が言うことには
好奇心は猫をも殺すそうですにゃ。
物騒なことですにょ。
人はパニックに襲われると
いろいろな症状を示しますが
空気が薄くなる感じというのは
わかりやすいのですにゃあ。
プールで潜水していると
比較的安心ですが
海に潜っていると
より酸欠が恐ろしく感じるのは
想像力の産物なのですにゃ~。
金魚がパクパクしていると
猫としては助けてあげたくて
にゃっ!と救いあげるのですが
なぜかご主人様にお目玉を食らうのですにょ~。
不条理ですにゃあ。
咲ちゃんは時々、中越典子にそっくりな時がありますにぇ。
これはもちろん・・・美人だっということですにょ。
年齢差14歳あってよかったと思いますにゃ。
役柄かぶらないですからにゃ~。
にゃんじゃそにゃああああああああっ。
投稿: キッド | 2012年7月13日 (金) 02時34分