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2012年7月 8日 (日)

義理の娘(志田未来)には憑依しないゴーストママ捜査線(仲間由紀恵)

幽霊体質の家族である。夫の沢村一樹は「雨と夢のあとに」で幽霊になっているし、義理の娘の志田未来は死んだ母親に憑依されてとんでもない「秘密」の夜をすごしたりしているわけである。そして妻なんかリングの貞子である。

というわけで・・・誰が死んでゴースト化してもおかしくないのだが・・・今回は仲間由紀恵が主演なので「ゴーストママ」なのである。

とにかく・・・相変わらず・・・脚本家が・・・ものすごく上達していないことだけはわかったな・・・。

原作コミックがあって・・・このセリフまわしのたどたどしさ・・・なんだか・・・かわいそうになってくるなあ。

「CAとお呼びっ!」で観月ありさが、「美丘」で吉高由里子で、「美咲ナンバーワン」で香里奈がこの脚本家のセリフ回しでつぶされているわけだが・・・流石は仲間由紀恵と志田未来である。苦しいところをスルーしてムードでなんとかこなしている・・・。

それにしても・・・プロデューサーがそういう読解力がないのが・・・残念なことなんだよな。少し、指導して手直ししてやれよ・・・。

で、『ゴーストママ捜査線〜僕とママの不思議な100日〜・第1回』(日本テレビ20120707PM9~)原作・佐藤智一、脚本・梅田みか、演出・佐藤東弥を見た。原作ありきなのだが・・・個人的にはなじめない点がいくつもある・・・設定である。たとえば小学生にもなっておねしょしちゃう子供とか・・・子供にとんぼって名付けちゃう母親とか・・・主人公が幼い子供がいるのに火事場で死地に飛び込む無責任さも気になるところだし・・・なにしろ最後は無思慮に子供を死地に追いやるわけである。本当はこのあたりの「葛藤」やら「親子そろって遺伝的におっちょこちょい」とかをもう少し丁寧に構成してから台本書くといいのだが・・・この脚本家にはそれは期待できないのだな。いや・・・入学式の「息子の名前」をめぐるとんぼ(君野夢真)と蝶子(仲間由紀恵)の件なんか・・・よくできてるじゃないか・・・しかし、名前がそもそも「あくま」とほとんどかわらない「とんぼ」だからな・・・それのフォローにはなってないんだよお。・・・まあな。

で・・・まあ・・・さまざまなポイントで「うーっ」となっちゃう脚本なのであるが・・・そこは仲間由紀恵と志田未来なのである。もう・・・強引にエンターティメントの領域まで引っ張り上げました~。

世の中にはさまざまな名前の子供がいるが「パンダ」とか「満子」とか・・・親の趣味でいきなりハンデを背負わせられる子供には同情したい。まあ・・・世の中がどんどん白痴化していけば「ばとる」でも「えきべん」でも「ぱいおつひめ」でも「なんでもありこ」でもどうってことのない時代がくるかもしれませんがーーーっ。

で・・・とにかく・・・とんぼは入学式で「虫」とか「メガヌロン」とか「羽根をとったらあぶらむし」とか・・・いつの時代だよ・・・からかいの対象となることが宿命づけられたのである。

母親の蝶子は婦人警官で逃走中のひったくり犯人を一撃で撃破するほどの豪快な性格である。息子のそういう傷心などにはまったく思いがおよばない。

当然、息子としては「ママなんか嫌い」と言うしかないのである。

そして・・・その日、火事場に遭遇した蝶子は消防士でもないのに炎上中の家屋に浸入、人命救助の果てに焼死するのだった。

つまり・・・これは「正義」の物語なのである。なにしろ・・・職務とはいえ・・・幼い息子のいる母親の責任ある態度とは言えないのだからな。

そういう個人的事情よりも「正義」を尊重するのは・・・つまり・・・超人ヒーローの世界なのだな。

遺体に対面する・・・夫の航平(沢村)、航平の連れ子で・・・実の母親の消息は不明・・・高校生の葵・・・演ずるのは志田未来(19)・・・志田未来がついになんちゃって高校生か・・・春にはなんちゃって中学生やってたのに・・・っていうか今でも小学生もいけそうだな・・・葵の説明長すぎ・・・そしてとんぼ。

愕然とする夫。義理の娘の葵は・・・実の息子のとんぼを気遣う・・・表情を見せる。そして・・・それを霊体となった蝶子は見ていた。お茶の間は神の目を与えられて・・・天上世界に吸収されかかる蝶子だったものの逡巡を観測する。

蝶子は遺した児への執着から残留思念集合体と化すのである。所謂一つのゴーストである。

さあ・・・皆さん・・・おわかりですね・・・ファンタジーです。

そこについこの間までクローバーの好きな不良だったような幽霊(賀来賢人)が現れる。

どこか・・・暗くてクールな表情を見せながら・・・仲間に先輩としてアドバイスをする役まわりなのである。

「私・・・幽霊になっちゃったのかな・・・」

「まあ・・・自分でそう思うんならそうなんじゃねえの」

「あなたも・・・幽霊なのかな・・・」

「・・・」

自分が死んだことを自覚する幽霊はそれなりに珍しい存在らしい。

まして、かって蝶子だったことを認識し続ける霊体はそれがすでに奇跡に近いとも言える。

結局、蝶子はとんぼという生者にとりついた死者であると言える。

生者も霊体であるゆえ・・・死者の霊体が衝突・流入すれば「気配」を感じることがある。繊細な霊体であればそれが障害となることもあるだろう。このような話をしていると娘の身体から悪霊を除去すると称して水攻めプレイで虐待死させてしまうような親を生む可能性もあるわけだが、原爆も原子炉も同じ原理であるように悪魔としては知ったことじゃない姿勢で記述しています。

知らず知らずに息子の精神を変調させているわけだが・・・怨霊と化した母の霊に何を言っても無駄なのである。

ひょっとしたら・・・おねしょとか算数の赤点とかも・・・それが理由なのかもしれない・・・なんでも霊のせいにするなよ。

やがて・・・霊障害で視力が低下するとんぼ・・・。

そこで・・・ついに蝶子の霊は・・・とんぼとのコンタクトに成功する。魔法のメガネ化した遺品をとんぼが装着すると・・・蝶子の霊が見えるのである。

いわば・・・とんぼの霊体と蝶子の霊が「遺品」によって接続するわけである。

「私・・・いつでも・・・とんぼと一緒だよ・・・」

「いつもはやめてください・・・ぼくにもプライベートがあるので」

すでにとんぼは個人主義の壁を築いているのだった。

蝶子の霊は衝撃を受ける。息子は母親を全肯定するべきだと思っていたからである。

そのために・・・しばらく霊体として拡散せざるを得ないのだった。

そこへクールな霊がやってくる。

「私・・・息子に触れない」

「そもそも・・・死者が生者に触れることは・・・有害なんだが・・・どうしても必要であれば・・・その気になればなんでもできるんだ・・・」

クールな霊は転がってきたボールを成層圏の彼方にまで蹴りあげるのだった。

「どうやるの・・・」

「・・・」

やがて・・・蝶子は自分を死に追いやったともいえる放火犯(袴田吉彦)の存在を感知する。

生前の人格に基づいた盲目的な「正義感」が燃えあがる。

それは思慮や配慮の欠如した純然たる意志である。

そのために息子に危険が及ぶことなどには一切頓着しないのだ。

かっての上司三船課長(生瀬勝久)に息子の口を通じてタレコミをさせる蝶子の霊。

しかし・・・そんなことが通用するはずはない。

だが・・・とんぼは犯人の情報を入手したのである。そして・・・母の仇討ちにのりだすのだった。

そして・・・犯人のことに執着する蝶子の霊は息子のことは一瞬で忘却するのである。

やがて・・・制服以外でもそれなりに可愛いことをアピールするための葵の弟を捜すシーン挿入があって・・・ようやく・・・婦人警官から母親に戻る蝶子の霊。

すでに・・・とんぼは犯人との接触を果たしていた。

母親ゆずりというよりは子供だから後先は考えないのである。

「かわいそうだが・・・死んでもらうよ・・・」

絶体絶命である。もはや・・・お約束に頼るしか手はないのである。

「霊は犬に吠えられる」という手である。

三船課長の愛犬メリーと生前から交流のあった蝶子の霊は・・・メリーを使い魔として操ることが可能だったのである。

メリーで三船を誘導して・・・絞殺されかかるとんぼを発見させるのだった。

三船課長は武闘派だった。

こうして・・・とんぼは正義感の強い悪霊に憑依された小学生というダーク・ヒーローと化したのである。

いろいろと・・・問題はのこっているがこの脚本家にはそういうものを整理する力量はない。

だから・・・「このことはあなたとママの秘密よ」ととんぼに断言してつづくである。

ま・・・まあまあかな。

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コメント

サブタイトルに「100日」とあるから、おそらく100日後には幽霊の仲間由紀恵は成仏するんだろうね。
「パパとムスメの7日間」とか「もう一度君に、プロポーズ」とか、もうラストが読める展開のものは、細かいディテール含め脚本命なんですけどね。
まあ今回はある意味、期限付きだとネタバレする事で、トンボ少年が母親の怨霊にとり殺される心配はないんだよと無理矢理霊感の強い視聴者を納得させたかったのか?
1回目はそんなに悪くないって思いましたけど、キッドさんレビュー見たら最後まで完走できるか心配になって来ました(笑)

投稿: あまね | 2012年7月 9日 (月) 02時20分

ハーメルンノフエノネ~あまね様、いらっしゃいませ~ハルノココロニヒビキアリ

まあ、どちらかといえば・・・原作は
男性視点なので・・・
脚本家が女性としての視点変換をするのが
一つの狙い目なんですよねえ。

しかし・・・そういう変換能力が
あるのか、ないのか・・・微妙な脚本家です。

まあ・・・少女マンガそっくりの
脚本を書いてしまったことがある人なので
そういう能力はあるんだと思いますねえ。

ただ・・・どちらかというと
ヤンキー系で・・・
文学的ではないんですよね。

この手のものは「大島弓子」の要素が
少し入らないと・・・不思議にならないんですよね。

今のところ・・・「不思議な」ではなくて
「あぶない」とか「いかれた」とかが
似合いそうな展開に思えます。

もう無理矢理オチに持ってってますからね。

犬がたまたまいる。
犬はたまたま霊が見える。
犬はたまたま霊の言うことを聞く。
たまたま犬恐怖症の犯人・・・。

このあたりをスルーしていくために
お茶の間は見て見ぬふりしないとならないんです~。
それってどうなの~。

と思わず変な人格登場する勢いでございます。

まあ・・・夏ドラマでゴーストものですからねえ。
キッドもできれば最後までレビューしたいなあ・・・
と思っている今日この頃です。

投稿: キッド | 2012年7月 9日 (月) 06時05分

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