大阪恐怖症の女のエンドレス・ナイト(松下奈緒)
なでしこジャパンの五輪直前、対仏戦のために「VISION-殺しが見える女」一回休みである。
いいねえ・・・最終調整試合で0-2で敗北のなでしこジャパン・・・ドキドキ感半端なしだな。
はたして、ちびっこ岩渕はワールドカップより一皮剥けたのか、どうか。
いや、一皮剥けたら、ますます、小さくなっちゃうのか~。
丸山もみたかったけどな~。
川澄に代わって岩渕ってある意味、投了って感じがするよね~。
ロンドン・・・テロがないといいなあ。
なでしこジャパン・オリンピック初戦のカナダ戦は7/25水曜深夜、明けて7/26木曜AM0020~テレビ朝日である。
で、『東野圭吾ミステリーズ・第3回・エンドレス・ナイト』(フジテレビ20120719PM10~)脚本・田辺満、演出・河野圭太を見た。「明けない夜はない」に対して「明けない夜」とはつまり、「死」である。もちろん、太陽が爆発して消滅すれば・・・永遠の夜は続くわけだが・・・人類もまた永遠の眠りについているので意味は同じである。つまり、「明けない夜はある」のである。
「明けない夜」・・・その哀しみは結構、胸に堪えるものだが・・・本人はすでに死んでいるので何も感じないと思えば気が楽である。
終りなき夜はむしろ・・・愛しいものを失った残されたものの心の問題だろう。
本編の犯人としての主人公は・・・終りなき夜の闇を抱えている。その闇をそっと照らす探偵としての相手役は・・・暗い光で仄かに闇を照らすのである。
大阪の街でアパレル店を経営する田村洋一(田中幸太朗)が刺殺体となって発見される。
妻の田村厚子(松下奈緒)は別居中で東京在住である。
大阪府警からの連絡を受け、遺体確認に出向いた厚子は捜査中の刑事・番場十三と同行し、夫の生前の足取りを追う。
番場は最初から・・・遺体に残された香水の匂いを厚子から嗅ぎ取っていて重要参考人として接しているが・・・それは犯人の自白まで明かされないというスタイルである。
「なぜ・・・別居されていたのですか・・・」
「大阪が嫌いなんです」
「大阪のどこがお嫌いなんですか」
「なにもかも・・・特にお金に汚いこと」
「商人の街ですからねえ・・・」
「私は・・・夫が大阪で事業を始めるのは反対だったんです」
「・・・」
「大阪ではお金によって人が殺されるから」
「・・・」
遺体を見ても泣かなかった厚子だが・・・夫の部屋で夫の作った肉じゃがを見て泣き崩れる。夫の孤独が・・・胸に沁みたのだろう。
その夜、亡き夫の部屋に泊った厚子は・・・ナイフを持った男に襲われる。人相風体から闇金の取り立て屋が浮かび上がるが・・・その男はすでに死んでいた。
番場刑事の妻は・・・番場の逮捕した前科者のストーカーによって追い詰められ自殺していた。番場は妻と同じ哀しい狂気を厚子に見出していく。
「奥さんは・・・いつまで大阪に住んでいたんですか」
「子供の頃・・・父が事業に失敗して自殺するまでです」
「闇金の取り立て屋に会いましたか?」
「恐ろしい男でした・・・」
「奥さんを襲った男は・・・その男じゃ・・・なかったですか」
「・・・」
「奥さんのアリバイを聞いていませんでしたね・・・まあ・・・奥さんがそれを覚えているのかどうか・・・自信がないんですけどね・・・」
「アリバイはあります・・・その夜は・・・夫と一緒でしたから・・・」
「そうですか・・・」
「夫は東京のマンションを担保に闇金から借金をすると言いました・・・そんなことをしたら・・・もう何もかもおしまいです・・・私は自殺しようとして・・・夫に止められ・・・もみあううちに夫を刺殺していたのです」
「・・・」
「いつから・・・わかっていたのですか」
「御主人から・・・あなたの香水の香りがしました・・・あなたは御主人の遺体を抱きしめていたのでしょう・・・おそらく・・・夜が明けるまで」
「・・・」
「私は逃げていたのです・・・恐ろしい大阪の街から・・・でも・・・逃げ切れませんでした」
「そうですな・・・呪われた町ですからね」
「・・・」
「それでも・・・人は朝を迎えるしかないのです」
「・・・息のあるうちはね」
「大阪の海は・・・」
「・・・悲しい色やね」
そして、通天閣の見えるホテルで妻を殺した刑事と夫を殺した犯人は朝までお互いの孤独を慰め合うのだった。
やがて夜は終る。
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