何事もなかったみたいだ、あれほど深かった傷跡も消して(松山ケンイチ)
「浮気な時間はいつだって勝手に流れを変えちまう」(武井咲) でも良かったのだが・・・言わば・・・「平清盛」前篇の終りとも言える回なのでここは主役で・・・。
ここからは・・・2005年の大河ドラマ「義経」に重複していく世界である。
たとえば・・・牛若こと源義経の正室である郷御前は仁安三年(1168年)に生まれる。「義経」では今をときめく尾野真千子が演じていたのだった。
平清盛は渡哲也が演じ、常盤御前は稲盛いずみである。
この時、幼少の義経を演じた神木隆之介が今回は成長した義経を演じるらしい。現実世界に七年の歳月が流れたのである。秋からの登場が楽しみだなあ。
源頼朝は中井貴一だったのである。
清盛と常盤の子とされる伝説の廊御方は後藤真希だったなあ。
後白河院は平幹二朗で平時子は松坂慶子である。
いわば、今回はヤング版なのである。フレッシュだが似ているという気もするよね。
源頼政の丹波哲郎→宇梶剛士なんてかなり・・・わかる感じである。
そう言えば藤原経子は森口瑤子→高橋愛で・・・モー娘。枠が健在なのか・・・。
とにかく、滋子(中江有里→成海璃子)いよいよ、次回、本格参入なのだな。
そして、後半の開始・・・誰が現れ、誰が現れないのか・・・実に楽しみである。
で、『平清盛・第28回』(NHK総合20120715PM8~)脚本・藤本有紀、演出・柴田岳志を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は・・・源頼朝捕縛の大功を得た伊勢平氏貞季系の平宗清、宗清を家人とする平忠盛が五男・後の池大納言平頼盛、その母にして退場間近い池禅尼、源義朝の一の郎党にして生死を共にする鎌田正清、そしてついに完成の源平をまたにかけた愛妾・常盤御前・・・怒涛のイラスト描き下ろし一挙大公開・・・ノリノリでございますなーーーっ。お疲れ様でございました・・・あくまでマイペースでお願いします。
さて、改元である。平治は二年(1160年)一月十日に永暦元年となる。平治の乱が改元の理由であることは言うまでもない。尾張国で自害した源義朝と鎌田正清の首が京にて晒されたのは一月九日のことであったから・・・これを持って乱の終了と考えたのであろう。義朝の長男・義平は永暦元年一月二十一日に六条河原で斬首となる。頼朝は美濃国まで逃亡するが二月九日に捕縛される。八百年以上も前のことである頼朝助命の理由については諸説あるが、由良御前の後ろ盾となった上西門院に頼朝自身が仕えていた関係からなんらかの政治的取引があったと推察できる。三月十一日、頼朝は伊豆に配流となる。常盤御前は大和国に身を隠していたが、おそらく頼朝配流の噂を聞き、都に戻ったのであろう。頼朝を助命した以上、その弟たちを処刑する理由はなく・・・常盤御前は平清盛の庇護下に入るのである。牛若丸の生年月日は明らかではないが、この時、数え年二歳の乳飲み子であったことは間違いない。常盤はまもなく一条家の継室となり、一条長成の嫡男・能成を生んでいる。元号は永暦二年(1161年)九月四日に応保に改元。応保三年(1163年)三月二十九日に長寛に改元されるが、常盤が一条能成を出産するのは長寛二年のこととされている。一方で戦後のどさくさにまぎれて清盛と常盤の子と認知される廊御方は応保元年に生まれたのである。清盛が素早く常盤を抱いたとされるのはこのようなスケジュールの問題があるからなのだ。いや、確実にぐぐいっと挿入してましたな。凄いな、この大河。そもそも常盤は身分低き美貌の女である。そこには哀しい女の一生があったことは想像に難くない。
大内裏の奥の祠に出現した異界門の前で清盛は立ちすくんでいた。
「案ずるな・・・清盛、妾も同道いたす」
少女の面影を残す上西門院はそう告げると先に闇の中へ進んだ。
清盛はあわてて後を追う。闇の中には坂があった。
「黄泉平坂(よもつひらさか)じゃ・・・」
闇の中に上西門院の白衣だけが浮かんでいる。
覚悟を決めた清盛は上西門院に追いすがるとその御前に出る。
奇妙なことにどこからか琵琶の音が聞こえる気がした。
すると目の前に突然、女の姿が現れた。
「・・・明子」
それは死別した前の妻の在りし日の姿であった。
「殿・・・よもや・・・黄泉路を参られるか・・・」
「いや・・・我は死んではおらぬ・・・」
突然、上西門院の声がする。
「清盛、亡者の声を聞いてはならぬ・・・」
「しかし・・・妻がそこにいるのです」
「それは・・・お前の妻ではない・・・いや・・・そうかも知れぬが亡者なのじゃ・・・」
「あ・・・父上・・・あ・・・叔父上・・・おお・・・信西殿・・・」
「清盛・・・気をしっかりもて・・・すべてはまぼろしじゃ・・・」
「き・・・よ・・・も・・り・・・」
その時、一人の落ち武者が現れた。源義朝である。
「義朝・・・」
「・・・用心・・・せよ・・・犬がおるぞ・・・」
「犬・・・」
「お・・・そろし・・・や」
熱気が渦巻いた。眼前に巨大な獣がいた。内裏の門ほどの高さのところに巨大な頭部がある。犬のような首が二つ並んでいた。巨大な双頭の犬であった。
「かしこみかしこみ・・・」
背後で上西門院が真言を唱える。
清盛は無意識に剣を抜いていた。
巨大な犬は真っ赤な口を開く。その口から炎が噴き出した。
清盛は咄嗟に剣で炎を切り裂く。つぎの瞬間、清盛は虚空を飛んでいた。
目の前に巨大な犬の目玉がある。その目を清盛は愛剣で突いた。
「殿・・・なりませぬ・・・」
「明子」
犬は剣先を交わして後ずさる。
清盛が坂に降りると再び琵琶の音が響く。
その音色に魅かれるように・・・犬は遠のいていく。
義朝が闇の中の一点を指差していた。
そこに白く輝く宝玉があった。
清盛はその宝玉を無造作に掴む。
「でかしたぞ・・・清盛・・・それをはなすな・・・」
清盛の手に・・・上西門院のたおやかな手が重なる。
その手がぐいと引かれる・・・。
はっと気がつくと・・・清盛は内裏の奥に佇んでいた。
「痛いぞ・・・清盛・・・もう・・・手を放してもよい」
清盛は上西門院の小柄な体を抱いていることに気がつき狼狽しつつ畏まる。
ふと見ると清盛の右手には宝玉が握られていた。
「ねのくにのそこつねのくにのたまやたまやねのかたすくにのたまや」
真言を唱えているのは八条院だった。
「熱っ」
清盛は強烈な熱気を感じ、本能的に宝玉を手放す。
宝玉は青白い光を発し、霧散した。
「解けたぞ・・・すべての結界が解けた」
「一体・・・これは・・・」
「あのあやかしは・・・黄泉の国に封印の印を隠して居ったのじゃ・・・」
「・・・」
「お前の縁者たちは・・・皆・・・王家の血を引くもの・・・力を貸してくれたのだろう・・・」
「するとあれは・・・本当に・・・」
「幻じゃが・・・御魂じゃ・・・皆・・・お前を慕っておったな・・・」
上西門院は何事もなかったようにつぶやいた・・・。
「さあ・・・これからが本当の戦じゃ・・・」
「・・・」
「もののふたちをよびあつめ・・・大陸渡来のもののけを退治するのじゃ・・・」
しかし・・・清盛は夢見心地で身体を揺らせていた。
「ふふふ・・・無理もないの・・・黄泉道を遡上したのじゃからのう・・・」
上西門院も身体を揺らした。その背を八条院はそっと支えた。
平安京に夜明けが訪れていた。
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コメント
おお、義経
懐かしいですねぇ
義経で常盤の夫を演じた蛭子さんが
この大河では平時子の父を演じてますけどねw
オノマチさんの萌
描いてみたいなと思いつつ
今は中村吉右衛門と松平健の弁慶を描いてますけど(; ̄∇ ̄)ゞ
ホントはあんなにイラスト投入するつもりは
なかったんですが、もう出番がなさそうな人達ばかりでしたからねぇ
此度の清盛の仕置きはどうみても
源氏に再興をしてほしいような感じがしてならんですね
後々を考えるとそう思えて仕方がないですね
それにしても源平の御曹司の絡みが好きなこの大河
ガンダムAGEのようになってきましたぞw
投稿: ikasama4 | 2012年7月17日 (火) 00時00分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ・・・さすがは画伯。
ツッコミ処が乙でございますな。
加藤雅也→渡哲也→蛭子能収
と抱かれた稲盛いずみ・・・。
なんとなく・・・
武井咲の方が痛々しい感じがしていましたが・・・
稲森いずみも悲惨といえば悲惨だし
面白いと思えば面白いのでございます。
木村功→仲代達矢の若尾文子はワイルドな感じ。
とにかく、牛若(1160)→廊御方(1161)→一条能成(1163)
ですからな・・・落花狼藉でございまする。
ふふふ・・・歴代弁慶ですな。
遊び心が誘われる大河でございますよね。
今回、宗清描き下ろしは意表をつかれました。
西光、最高でしたよねえ。
あんなに剃髪が似合うとは・・・。
冒頭の頼朝のナレーションが
象徴する通りに
清盛をスケール大きな男としてとらえている
本大河。
これは「義経」の延長線上にありますな。
「源氏は滅びぬ」という遺言を
意識的に叶えるマブダチ清盛。
明らかに父の無念を頼朝に伝言してましたからなあ。
もちろん・・・東国管理の駒として
源氏を使おうとする意図もあったのでございましょうね。
伊豆という流刑地の選択が物語りますな。
フフフ・・・ガンダムAGEはちょっと
絵柄がポケモンみたいで
どうしても馴染めないのですが
まさしくガンダム大河ですからねえ。
ストレートにシャアとアムロの二世対決でも
よかったのになあ・・・。
とにかく・・・後半戦も
登場人物続々登場の気配・・・。
あくまでマイペースでお願いします。
公式ポスターの草々弁慶はなかなかに笑えますな。
投稿: キッド | 2012年7月17日 (火) 03時03分