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2012年7月19日 (木)

天空の城ラ・・・じゃなくてサマーレスキュー〜天空の診療所〜なのね(本田望結)

ジブリのアニメだと思った人が間違えてみることを狙ったあざといタイトルである。

そういう、さもしさがにじみ出ているドラマだと言えよう。

どういうドラマだよ・・・。

キッドは槍ヶ岳山頂で結婚式をした過去があるので・・・けして山をなめていないということを最初に申し上げておく。

山頂結婚式は一種の神前婚である。

誓約するのは山の神である。

当然、それは由緒正しい山岳信仰と密着しています。

昔から、人は山に神秘を見出しているのである。

さて・・・話は転じて、「やまい」の話となる。

「やまい」の語源には諸説ある。単純に「死に至る病」を考えれば「息が止む」わけであり、「止む」が「病む」となったというのがわかりやすいだろう。

しかし、一方で「山に居ること」すなわち「山居」が「病」に転じたという考え方もある。

高山病という実際の病があるが、これは標高2400メートル以上の高地における酸欠状態がもたらす症状の総称であり、呼吸器・循環器系の病の一種である。山に入れば病になるのである。

また、憑依の発想から「山の神がとりついた」状態を「やまい」と称したという説もある。

この場合は「山の神」は祟り神なのである。

このように山と病は無関係ではない。

だから・・・山を巡る病の話はけして悪くない題材なのだと思う。

しかし、どんな材料も料理する人によって・・・う、撃たないで~。

で、『サマーレスキュー〜天空の診療所〜・第1~2回』(TBSテレビ20120708PM9~)脚本・秦建日子、演出・日比野朗を見た。脚本家の「ドラゴン桜」以外の駄作の山についてはこれ以上語ることはしないが・・・今回もまた山が高くなっていることは言うまでもないだろう。今のところ、最大の犠牲者は頭のおかしな元看護師・小山遥を演じる尾野真千子であることは言うまでもない。ノイローゼでヒステリックなアラサー女性なんて・・・誰が演じても魅力的なキャラクターになるはずがないのである。

さらに・・・いつもの通り、脚本家の作る現実世界に対する認識の甘さが露呈する虚構世界のグダグダさがすべてのキャラクターを殺していくのだな。

たとえば・・・登山愛好家の医師であり、架空の山である稜ヶ岳の山の上の診療所(標高2514メートルに設置)の主催者である倉木教授(時任三郎)の「患者は医療機器に会いにくるわけではない、医者に会いに来るんだ」と言うセリフ。患者は「治療をしにもらいに来る」に決まっているじゃないか。

基本的にサッカー好きな教授が学生一同を草サッカーチームに所属させ、競技における負傷や病気の治療に専念させるという発想である。誰もついていけないぞ。

元より、研究機関としての大学医学部が「高山における病理の研究」を名目に研究施設として診療所を設置することにはそれなりの大義がある。しかし、基本は「山が好きな人たち」のサークル活動の一環なのである。美辞麗句で語るほどのことはないのである。

無理矢理、「医療における算術と仁術のかねあい」という古典的なテーマにもっていこうとするわけだが、それならば地域経済の活性化を狙った観光資本としての「登山」という問題に触れる必要があるだろう。

「安心で安全な登山というレジャー」のための設備の充実である。

だが・・・きっとそれは「山をなめている態度」と限りなく相似して行くわけなのだな。

「登山」はスポーツの側面も持っている。また、人間修養の側面も持っている。

スポーツとしての登山は本来、人と人が競わないための手段としての山入りを冒涜する競技であることは言うまでもない。また人間修養は苛烈なものであり、生死を賭けて極限を目指すものである。けして娯楽であってはならないものだ。

ある意味、登山は人間の営みに背を向ける行為なのである。そして、そこが何よりも魅力的なのだな。

それなのに・・・「山には医者が必要なんです」・・・ってなんだよ。

「山に医者はいらないんです」の間違いじゃないのか。

ともかく・・・登山とは「準備」「訓練」「計画」「実行」という「挑戦」なのである。

戦争をする以上、犠牲者はつきもので・・・それに余人が介入すること自体が余計なお世話なんだよな。

無謀な登山行為で滑落して瀕死になったり、不健康な身体で登攀して発病したりしたら、放置すればいいじゃないか・・・。それが温情というものじゃないのか・・・。

まあ・・・そういうおバカな死屍累々が登山道に放置されると美観をそこねるので清掃しなければならない・・・という考え方ならまだ同意できるのだが・・・。

狂女(尾野真千子)「山には医者がいるんだから・・・いてよ」

発達障害医師(向井理)「どうしても下山しなければならない」

狂女「ひとでなしっ」

発達障害医師「すまない」

・・・「母が危篤なんだ」の一言で済む話だろう。

まあ・・・ちょっとしたスリルとサスペンスを求めて・・・わけありの看護士の母(小池栄子)に無理矢理、高山生活を強制されている娘・桃花(本田望結)六歳が虐待されている・・・だって同世代のおともだち一人もいない生活なんだぜ・・・と感じない人ならそこそこ楽しめる夏山ドラマと言えるでしょう。

・・・そうか、設定的に冬山遭難がないから・・・お前、敵意満々なのか・・・。

関連するキッドのブログ→外事警察

ホタルノヒカリ2

シナリオに沿ったレビューをお望みの方はこちらへ→mari様のサマーレスキュー

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コメント

キッドさん
お久しぶりですhappy01

夏ドラマは予想どおり 今ひとつのめりこめる作品がなく気持ちは早 秋ドラマにいってますけど 反町GTOを見ていないので夏ドラマではGTOが見ていて1番楽しいですhappy01

なんというか わからないものですね
役者としては日9の2番組が図抜けている気がするのに見ていて楽しくない
とくにサマーレスキューは題材的にも裏番組ほど深刻にならずに雄大な景色 ヘリとお膳立てされてエンターテイメントとして楽しめそうなのに リアリティがなさすぎて ポカン状態です
キッドさんがレビュー予定みたいでしたので2話も見ようと思ったんですが 早々に脱落 結局スパイダーマンを見ちゃいました

登山経験のない私でさえ 初回 向井君が水の用意もなく へばってオノマチに助けを求めるシーンでまず違和感がありました
準備 計画 実行の大前提の上でのトラブルじゃないので感情移入が出来ずありえないんじゃという思いのほうが先にきちゃいます
せっかくヘリを飛ばしたのに医療器具を運ばず手を握っているだけというのもなんだかなーという感じでした
脚本が弱い分、役者の演技で魅せてほしいところですが オノマチの役が本当に変で全国の糸ちゃんファンがっかりだと思います
次期のドラマも発表になりましたが どんなもんでしょうかね?ヒット作品を数多く手掛けたスタッフが集結しているみたいですが 個人的にすごく好きな作品と大味だな~と思う作品があって手放しで喜べない気分です
秋は堺さんも阿部ちゃんも登板で忙しくなりそうです
欲をいえば一作品でいいから夏にまわして欲しかった(笑)
梅雨もあけ暑さも本番
キッドさん ご自愛下さいませheart01

投稿: chiru | 2012年7月19日 (木) 11時10分

cherryblossomシンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファンheart04

今日の東京は酷暑となっていますが
西南の空に黒雲ありなので
一雨くるかもしれません。

夏ドラマもほぼ出そろい、後は
「黒の女教師」を待つばかりでございます。

「GTO」VS「黒女」の高校教師対決・・・。
行方が楽しみですな。

谷間の予定は「GTO」「ドラゴン」「走馬灯」・・・
という流れを考えています。

GTOに関しては「女子高校生」のラインナップは凄いのですが・・・基本的には「甘え」の色が濃すぎて
ちょっと気持ち悪い感じもしますな。
元祖「GTO」よりも「ごくせん」よりになっている気がします。

サマーレスキューは・・・もう出演者一同が
可哀そうで仕方ないですな。
せめて・・・脚本は新人にやらせればいいのに。

本来、「山」は「山男」の世界で
「娘さん、よく聞けよ、山男に惚れるなよ」的な
ベースがあるべきなのですな。

で・・・その裏には「山男に惚れる娘なんていない」が
あるのが前提です。

現代でもっともその世界に近いのが「海猿」でしょうか。

「サマレス」ではまず、男女が逆転しているような
ムードがあります。

標高2400メートルは高山病発症の分岐高度であり
夏山診療所はそこを越えているわけで
記事にも書きましたが
そこに幼女と常駐している平原はすでに異常です。

ERでの受け入れ拒否問題から
傷心の元看護士・遥は明らかに精神を病んでいるのに
治療に参加したりして・・・ゾッとしますな。

その父・雄一(65)は山小屋主人という一種の世捨て人なのに脱サラペンション経営者感覚。

後妻・雪乃(38)を迎えちゃって設定しまくりですな。

なんとなく・・・「夏山レジャー」「冬山登山」と
いったようなわけへだてがあるわけですが
そこは・・・オブラートに包んでいる。

春先に熟年男女の大量遭難者を出したりしている
安易な山遊びに対する警鐘を鳴らすわけでもない。

大学医学部の政治闘争の側面を入れたかと思えば
主人公の卑屈な母親の重篤な病状挿入。
婚約者ありなのに遥との恋愛の兆しを見せる主人公。

脚本家は明らかに頭おかしいですな。

医療ボランティアと
山岳ボランティアの
描かれ方の不徹底・・・。

もう・・・数えきれないグダグダ・ポイントが
雪崩のように襲ってきます。

とりあえず、一回レビューできて
ホッとしてますよ。
できれば関わりたくないドラマでございまする。

まさに「魔の山」でございますーーーっ。

実年齢尾野(30)、小池(31)なのに
尾野(28)、小池(33)の五才差設定も
山だけに「すっぴんメイク」が中心で
痛々しい感じになるのですな。

いい脚本はだめな役者をも花開かせるのですが
だめな脚本はいい役者も殺す・・・の典型でございます。

夏ドラマが始ったばかりなのに
心はもう秋ドラマ。
ドライですなーっ。
クールですなーーーーっ。

まあ・・・とにかく
まずはオリンピックでございますねえ。
その後もつづきが気になる夏ドラマが
はたして・・・何本あるのか・・・。

キッドは半分焦げて
半分溶けかかったような
焼死体なのかスライムなのか
よく分からない妖怪状態の悪魔と化してますが
これから・・・夏なんですよねえ。

できれぱ・・・海辺の街に避暑に行きたいものですな~。
たとえ津波に飲まれるとしても~typhoon

投稿: キッド | 2012年7月19日 (木) 15時50分

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