パパやママより猫が好き(石井萌々果)おまえだっ!(志田未来)
子供は動物が好きだと誰が決めたのだろう。
もちろん・・・神様である。
しかし、その原点はなんだろう・・・肉食系ならやはり食欲か。
撫でるのも好きみたいだから・・・性欲の萌芽であるのかもしけない。
小動物は無力であるから・・・支配欲の発露かもしれない。
え・・・単に可愛いからって・・・それは想定外だったな。
犬や猫・・・そしてすべてのかわいいものに幸あれ。
で、『ゴーストママ捜査線~僕とママの不思議な100日~・第6回』(日本テレビ20120818PM9~)原作・佐藤智一、脚本・梅田みか、演出・西野真貴を見た。狂気の世界では「ゴーストのローストのトースト」などという朝食の風景が浮かぶのだが・・・幽霊が見える話をほのぼのと受け止めることのできるお茶の間ってある意味恐ろしいのである。しかし、それが日本のお茶の間というものだからな。
父と娘と息子の親子三人で怪談大会をして過ごす夏の夕べ・・・これもまた奇異な風景であるが・・・そういう家族関係に憧れる人もいるのがこの世の恐ろしいところだな。
娘の上原葵(志田未来)の語る「学校の怪談」に割り込む、蝶子(仲間由紀恵)ととんぽ(君野夢真)の母子。じっくり葵の怪談を楽しみたいのだが・・・蝶子ととんぼの物語なのでそれは許されない。
「・・・クラスメイトが学校の屋上から飛び降りて一ヶ月くらい経った木曜日の午後の授業中だったのです。たしか、国語の授業だったと思います。突然、睡魔に襲われた私はうつらうつらとしてしまいました。すると、教室の後ろの扉がガラガラと音を立てて開いたのです。私は顔を向けようとしましたが金縛りにあったように身体の自由が効かないのです。頬杖をついたまま机に顔を剥けていた私はなんとか様子を見ようと扉の方に視線を剥けました。ズルッ、ズルッと何かを引きずるような足音が聞こえてきたからです。何故か、教室は静まりかえっています。「ちがう」と声がしたのはその時です。その声には確かに聞き覚えがありました。死んだクラスメイトの声なのです。「ちがう」・・・また声がしました。その声に教室にいるものは誰も反応しないのです。みんな息をひそめるように沈黙していました。「ちがう」・・・声は少しずつ、近づいてきます。空模様が悪くなったのでしょうか。教室がどんどん暗くなっていくようなきがします。叫びだしたい気持ちになりましたがもちろん声を出すことはできません。ついに気配が感じられるようになりました。制服の足元が見えました。私の背後に誰かが立っています。私の肩に誰かが手をのせてきました。ついに教室は夜のような暗さになっています。「ちがう」と言いたかったけど言えませんでした。なにしろ、まちがいないのだから。ふと力が抜けて・・・首がまわるようになりました。しかし、恐ろしくてとてもふりむくことはできません。その時、耳元がひやりとしたのです。そして・・・「おまえだーっ」・・・・・・・・・・」
「お前がいじめをする子だったなんてな」
「いつまでもいじめられてると思ったら大間違いよ」
「・・・僕がはじめてのおつかいに行った時の話です。届け物をした先でお小遣いをもらった僕はうれしくなってホップステップジャンプです。すると帰り道にある病院の植え込みに立っている一人の女の子(石井萌々果)に出会ったのです。白いワンピースを着たかわいい女の子でマイちゃんと名乗ってくれました。ぼくはたちまち恋におちました。マイちゃんは捨て猫のミーコをかわいがっていました。三毛猫なので三味線用に高く売れそうです。しかし、少しやせています。マイちゃんは「私が病気で死んじゃったからエサをあげられなくなっちゃって」と哀しそうな顔をします。そうです。マイちゃんは美少女幽霊なのです。でも僕はゴーストママの息子なのでそんなことでいちいち驚きません。「それじゃ・・・飼い主を見つけてあげる」と僕は猫撫で声でいいました。自分で言うのもなんだけど下心みえみえです。でもマイちゃんが喜んでくれたので僕はホップステップジャンプをしました。家に帰るとクレヨンでチラシを描きました。家にはコピー機があるのでカラーコピーは実費です。一枚一枚手書きしてたんじゃ、夏休みが終わっちゃいますから。やがて飼い主が見つかりました。なんとそれはマイちゃんのパパとママだったんです。入院中の娘からミーコという猫の話を聞いていたんだって。僕は本当はこの猫のことなんだよって言いたかったけど黙っておきました。幽霊が見えるなんて言ったら政府の秘密の組織に監禁されてしまうかもしれないから。ミーコの飼い主が見つかったのでマイちゃんは成仏するみたい。お別れのキスを期待したのに・・・マイちゃんは手をふってサヨナラです。僕はでも、ホップステップジャンプをしたのです」
「誰がいい話をしろと言った」
「じゃ・・・最後はパパが話そう。実はパパも子供の頃、ゴーストが見える体質だった。で、ミヨちゃんというカワイコちゃんゴーストに一目惚れしたんだ。ミヨちゃんは・・・ポチっていう犬を凄く可愛がってたんだ。だから・・・死んじゃって・・・ポチに会えないのが凄く残念だって言ったんだ。だから・・・パパはね。ポチの首を両手で握ってギューッとしめたんだよ。おかげでミヨちゃんとポチはね。一緒に仲好く天国に行けたのさ。もちろん・・・パパは恐ろしい子供として近所で噂になったけどね・・・」
「おいっ」
「おいおいおい」
「お盆だったねえ」
「お盆だったよねえ」
「ママはずーっといるから関係ないよねえ」
「・・・」
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