無口な人は夏の日のはかなさをうまく言えずに・・・(豊川悦司)
「ひみつの嵐ちゃん」の元ネタが「ひみつのアッコちゃん」だと認識している人はどのくらいいるのか・・・と思いつつ。
「ひみつの菜子ちゃん」である。
菜子(吉田里琴)が大人になったら綾瀬はるかになるラインは「ホタルノヒカリ」で確立したわけだが、実写版「ひみつのアッコちゃん」はこの法則に則っているのだ。
(月)の深夜にはアニメ版「ひみつのアッコちゃん」の第1期~第3期から一話ずつ、プロモーション放映が行われていた。どれもそれぞれに時代というか・・・スタッフの世代を感じさせる展開になっている。第3期はチカちゃんのフィーチャー回でアッコちゃんは「ワニ」に変身するのである。ワニ・・・かよっ・・・と思いつつ・・・小話をひとつ。
菜子「沼津の美雨ちゃんにお父さんと一目あわせてあげたい・・・テクマクマヤコンテクマクマヤコン、美雨ちゃんの父ちゃんになあれ」
美雨「あ、父ちゃん」
圭介「木下圭介アワー・・・」
こうして二人は楽しいひとときを過ごした。
圭介「さあ・・・そろそろ、菜子ちゃんに戻らないと・・・ラミパ・・・ラミパ・・・なんだっけ?」
お後がよろしいようで・・・ちなみに実写版に出演している岡田将生がプロモーション・コメントをしていた。
「背のびをしている女の子ってかわいいんですよ」・・・いいフレーズである。
しかし・・・その後が「自分の知らないことは知らな~いっていうけど・・・知ってることはノリノリで話すみたいな」とかなり意味不明の展開である。ま、編集ミスなのかもしれないが・・・岡田将生ってちょっと惜しいのかもしれない。天は二物を与えないパターンって言うか・・・な。
誰か、うまくネジ巻いてくれるといいな。キレイな顔してちょっとバカじゃなくて・・・知性が滲み出る方向に。
で、『ビューティフルレイン・第9回』(フジテレビ20120826PM0930~)脚本・羽原大介、演出・小林義則を見た。夢にまで見る愛し子である。やがて来る記憶喪失の危機を回避するために苦渋の決断で沼津の義父母に美雨(芦田愛菜)を託した圭介。しかし、美雨が帰宅する夢を見て目覚める。もちろん・・・美雨のいない空虚な朝である。
実際の美雨は沼津で祖父母と朝食をとっている。圭介も饒舌だったが、それを上回る祖父母の朝のおしゃべり。美雨の母の両親の朝食はパンである。パンに抜かれたコメの立場を思いつつ、美雨は「父と納豆と朝ごはん」を連想する。
「バター自分でぬれるおばあちゃんぬってあげましょうか大丈夫あらあら上手ねすごいすごいジャムもあめわよ~」
無口な家族が好きな人間にとって家族内の社交性がこれ以上高まるとうざくて発狂する危険があるのだ。
そして・・・祖父母の家のペットはウサギのうーちゃん。好物は美雨が苦手とするニンジンである。ニンジン・・・煮ると甘いよね。嫌いな人はこの甘さも嫌いなんだよね。人間の感覚や感情って不思議だなあ。人それぞれなんだもんなあ。
中村産業では娘と別居して落ち込んでいる圭介をいかに励ますかで・・・従業員一同が頭を悩ましている。
この図式は・・・「男はつらいよ」でよく見るパターンである。
おいちゃん(寅さんの叔父)が不在の寅さんの悪口を語り尽くす。
「まったく・・・寅のやつは本当にダメな奴だ」
すると・・・押し入れの戸がスーッと開いてフーテンの寅が登場する。
立ちこめる超気まずい空気。観客一同爆笑である。
「おはよう・・・誰かと思ったら圭さんか・・・」
(社長・・・)
「あ・・・美雨ちゃんから電話とかありましたか」
(秋生・・・)
「バカ・・・」
(でんでん・・・)
「あの、俺の事心配してくれんのはありがたいんですけど・・・俺、大丈夫ですから」
健気な圭介だった。
今回は・・・「圭介と美雨の今後について」・・・中村産業は二派に分れるのである。
「圭介の決断を尊重して父娘別居の続行」を主張する社長(蟹江敬三)と宗田(でんでん)、そしてアカネ(中谷美紀)。
「父と娘が生き別れなんて・・・絶対反対」の社長夫人(丘みつ子)と秋生(三浦翔平)である。
秋生は「自分と彼女の関係」に置換して・・・「ちょっとても別れているなんて我慢できない」と思うし・・・社長夫人は孫のように可愛がっていた美雨を他人に奪われた気分濃厚なのである。
そんな感情的な二人に対し、認知症の義母を介護した経験のあるアカネは「もしもの時に責任とれないのに・・・無責任なことを言ってはダメ」と経験論からクギをさすのである。
主治医の古賀(安田顕)からは・・・病状の進行状況と「五年くらいで・・・かなり悪化する」という統計論的予測を聞かされる圭介だった。
そんなある日、圭介は秋生に拉致されて沼津に連れていかれてしまう。
垣根越しに美雨の元気な姿をそっと覗き見る圭介。
「イエ~イ、キャハハハ・・・」
「美雨ちゃん、すご~い」
圭介は無言で立ち去るのだった。
ふたたび・・・圭介が立ち聞きするなか・・・中村産業秘密会議である。
「親子が別れて暮らすなんて・・・絶対だめだよ・・・私は納得できないよ・・・もしもの時は私が美雨ちゃんの面倒見ればいいじゃないか・・・」
「私も・・・お母さんと同じこと言った・・・だけど・・・その結果・・・私までボロボロになって・・・」
「私は大丈夫だよ・・・絶対、美雨ちゃんを守ってみせる」
「そうですよ・・・アカネさんのお姑さんと圭介さんは別人でしょう・・・まるっきり同じようになるとは限らないじゃないですか」
「なるのよ・・・忘れる時はなにもかも忘れちゃうんだから」
決裂である。
圭介は何事かを決意して・・・美雨への手紙をしたためる。
美雨へ。
久しぶりに電話で元気な美雨の声をきいて
父ちゃんはとても安心しました。
初めて美雨とはなれてくらしてみてあらためて思ったんだけど
やっぱり、美雨は父ちゃんのたからものです。
世界で一番、大事なたからものです。
だからたとえはなれてくらしていても父ちゃんはいつも美雨のことを思ってます。
夏休みの最後の日、沼津にむかえに行きます。
その時に美雨に大事なお話があります。
きいてくださいね。
大好きな美雨へ。
父ちゃんより。
そして・・・美雨の転校のための書類を同封する圭介。
ああ時の河を渡る船に
オールはない
流されてく
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コメント
岡田将生くんにはね〜「僕はきれいな顔をしたバカボンです」て言って欲しいな♪
「世紀末の詩21世紀版」は、ぜひ岡田くん主演で(笑)
そういえば吉田里琴ちゃんって、竹野内豊の娘役で映画に出てましたよね?
ああ、話がズレまくりだわ。
だんだん観るのが切なくなてきたので、いつも日曜はリアルで観ていない私です。
昼間気分の良いときに、今だ!って感じで再生するんですよ〜
でもね、観たらやっぱり観てよかったなって思える・・・
なんでかな?なんでだろう??
このまま静かにラストまで見届けられますように。
投稿: あまね | 2012年8月28日 (火) 12時53分
ハーメルンノフエノネ~あまね様、いらっしゃいませ~ハルノココロニヒビキアリ
「バカボン」ですな。
「バカボン」は「バカボン」なのだ・・・ですな。
実はキッドは植木職人の息子なのでマジで「バカボン」なのですぞ。
「あの空をおぼえてる」ですな。
亡き娘・・・亡き妹。
美少女薄命の極みでございますね~。
兄役の広田亮平は江口洋介の子供時代でおなじみですが
もう15歳になってますね~。
最近では「鈴木先生」にでてましたな。
みんな・・・大きくなっていきますな~。
岡田将生はバカでいい・・・という女性の視線・・・
そうやって男の子はちょっとバカに
育って行くのですな。
わかります。
「ビューティフルレイン」は
認知症を身内に持つ者と
持たない者では
かなり印象が変わるドラマだと思います。
しかし・・・長寿社会では
認知症は必然ですからな。
家族を持つ者・・・いつかは
必ず通る道になっていくだろうと
キッドは推測いたします。
その日のためのテキストとしては
かなり有効なのではないかと・・・。
どこまで描くのか・・・
どこまでファンタジーなのか・・・
おそらく・・・残り三話・・・
じっくり楽しみたいと考えます。
投稿: キッド | 2012年8月28日 (火) 17時05分