この世が二人を愛さない・・・子犬のように追われて逃げても(岡田将生)
そこかよっ・・・。・・・っていうか、ネタバレじゃないか・・・まあ、いいか。
案の定な・・・女子マラソンだったな。
高橋尚子の持つ五輪記録も破られ・・・木端微塵の日本陣営である。
アテネ五輪(2004年)の金メダル・野口みずき、五位・土佐礼子、七位・坂本直子の栄光から一転。
北京五輪(2008年)には野口みずき・出場辞退、土佐礼子・途中棄権、中村友梨香13位の大失態である。
当然、ロンドン五輪はリベンジの場であったのだが・・・。
やはり・・・名古屋国際女子マラソン前々日に発生した東日本大震災の影響が一番深刻だったのかもしれない。
大会は中止となり、少なくとも重友梨佐(24)はこれで調整に失敗したのである。
そのあげく大阪国際女子マラソンに出場した重友は福士加代子を撃破してしまう。
調整に失敗した選手に撃破されてしまう福士も福士なのである。
その後、横浜国際女子マラソンでは木崎良子(27)が優勝。
木崎に敗れ、世界陸上で18位だった尾崎好美(31)が名古屋ウィメンズマラソンで2位となり・・・選出されてしまう。このレースで渋井陽子は4位だった。
その結果・・・木崎16位、尾崎19位、重友79位である。
見た眼で分かるほど明らかにウエイトコントロールに失敗したような重友はともかく木崎にも尾崎にも明らかにメダルの匂いはない・・・渋井や・・・福士をきちんと五輪に出場できるように調教できない・・・コーチ陣が悪いのじゃないかと悪魔は考える。
もう・・・銀メダルや銅メダルはお腹いっぱいだな。
所詮、敗者じゃないか・・・と思ってしまうわけで。
で、『平清盛・第31回』(NHK総合20120212PM8~)脚本・藤本有紀、演出・柴田岳志を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は漁師・鱸丸から武士・平盛国に出世した平家筆頭家老、そしてついにきた平家を滅ぼす平安の護法童子・源義経こと牛若丸の二大描き下ろしイラスト展開でお得でございます。我が子を「青臭い」とけなす清盛に苦笑する平家宰相・・・このドラマがゆるりと描いてきた人間・平清盛の結実する瞬間でしたな~。正盛、忠盛、清盛と親子3代親バカ祭りでござりまする~。
池禅尼は長寛二年(1164年)頃、死去したと伝わる。平清盛は永万元年(1165年)八月に大納言となったので・・・ドラマではやや長生きしたのだろう。長寛三年は六月に二条天皇が発病し、永万に改元されている。二条天皇は重病のまま回復せず、弟・憲仁への皇位継承を嫌い、実子・順仁(二歳)への歴代最年少即位を決行する。二条天皇はその直後、永万元年七月に崩御した。永万二年(1166年)八月六条天皇が即位したことによって仁安元年に改元されることになる。父・後白河上皇と子・二条天皇の歪な関係は・・・祖父・後白河上皇と孫・六条天皇に持ち越されるのである。二条天皇の親政の夢を・・・乳幼児が継承できるわけもないのだが・・・後白河上皇が政権を握るのだけはなんとしても避けたい・・・と保元・平治の乱を体験した都人たちは結束するわけである。なにしろ・・・遊びが過ぎるので亡国の主になることは明白だったのだ。それほどまでに衆目が一致する後白河院はある意味、抜群なのである。こうして・・・幼帝を支持する貴族たちと・・・とにかくこの世を乱したい後白河院との危うい綱引きが開始されるのだった。その頃、流刑の地である伊豆国で源頼朝は目付(監視役)である伊東祐親の娘・八重姫と念頃な関係になってしまうのだった。そして・・・長男・千鶴丸が誕生するわけだが・・・。その悲劇の日まではまだ間があるのだった。
今は亡き信西の造営した内裏には斎宮が隠されている。信西は後白河院の乳父であり、同母姉である上西門院とも親交が深い。こと霊的分野にかけては信西も上西門院には及ばない。何よりも陰陽道では遺伝子的な霊力の差異が実力を決定する。天竺の言語である真言とは違い、アマテラスに発するふるきマコトノリを行使するためには霊的な血脈を要するのである。
陰の斎宮には三人の姫巫女が集っていた。
鳥羽院の血を引く、母・待賢門院の上西門院、母・美福門院の八条院と高松院の三姉妹である。
神鏡を中央にすえ勾玉を捧げる三姉妹はそれぞれが日月、陰陽、神魔を封じて、観相の呪術を実施しているのだ。
三姉妹は精神官能によって意識を融合させ、没我の境地に入っている。
夜空には満月が浮かんでいた。
満月こそは天空の瞳であり、今、大和の大地は隈なく見渡せる刻限である。
殺生石(せっしょうせき)と化した妖狐・玉藻前だったものは平将門怨霊圏の北端でその尻尾を平氏一族の三浦氏、上総氏、千葉氏が退魔の矢で封印されている。
「む・・・」と八条院が息を乱す。
「いかがした」と上西門院が意識を八条院に向ける。
「妖気が散じてります」
「・・・うむ」と上西門院が応ずる。
「妖狐の怨念が玉として散じたようだ・・・」
「呪いでございますな・・・」
「八玉ございました・・・」
「妖狐は一と八に分かれたからな・・・妖気を擬して玉としたのであろう・・・」
「消えまする」と高松院がつぶやいた。
「生あるものに身を隠したのだ・・・」
「名が・・・見えました」
「・・・申してみよ・・・」
「那須の与一・・・」
「・・・東国に生じる赤子であろう・・・」
「八人のあやかしが生まれたのですね・・・」
「いかがいたします・・・」
「どうにもならぬ・・・すべての仇なすものの理はさだめなのじゃ・・・」
「因果応報でございますな」
「そうじゃ・・・妾たちにできることは・・・安泰を祈るばかりじゃ・・・」
「かしこみ」
「かしこみ」
「かしこみかしこみかしこみ」
やがて月は雲間に隠れた。
三姉妹の意識は闇に溶ける・・・。
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