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2012年9月 9日 (日)

霊能力のある空き巣、霊能力のあるたいやき屋のおばあちゃん・・・かよっ。(仲間由紀恵)

ヤングなでしこ・・・できるならタイムマシンに乗せてドイツともう一回やらせてあげたい。

ドラ・・・まあ、いないものに頼ってもしょうがないよな。

不可逆性に支配されたこの世界。

一度罪を犯せば前科者の烙印は一生つきまとうわけである。

それでも「おてんとうさま」は見ているから・・・罪を憎んで人を憎まず的な生き方を求めるものは多い。

フィクションはその間で揺れ動く。

無力なゴーストたちが・・・善意に満ち溢れ、無能な霊能力者が善行を施す。

この・・・予定調和な世界に・・・乾杯である。

まあ・・・身に覚えのあるものは落雷に気をつけた方がいいわけだが。

天罰なんてものはもちろん、ありませんと断言しておきます。

悪魔でございますから~。

で、『ゴーストママ捜査線~僕とママの不思議な100日~・第8回』(日本テレビ20120908PM9~)原作・佐藤智一、脚本・松田裕子、演出・森雅弘を見た。地味なゲストで良心の呵責の話である。そもそも・・・古の心理学的には良心とは上位自我である。自我が形成される段階において・・・模倣状態で行動規範などを真似る対象の存在があり、自我の原型となる上位自我が形成される。たとえば・・・トイレのしつけなどがその基本である。つまり・・・おしめをとりかえてもらう存在ということである。で、それは基本的には両親であり・・・つまり、だじゃれでもなんでもなく、良心とは両親のことなのである。

もちろん・・・片親でも、施設の寮母でも、祖父母でも・・・良心の礎には成りえるのである。

宗教の徳目がこれに影響を与えることも大で・・・時に上位自我は「神」の姿をしている場合もある。

日本のような国家の場合、敗戦国としての特殊な状況もあるが・・・本来、多神教的性格が強いため、神としての上位自我は「お天道さま」に集約される。

このあたりを意識していないとたやすく、新興宗教にはまる場合があるので注意が必要である。

母なる自然は常にそこにあるものであって・・・第三者・・・特に人間がそれを支配したりできないことを理解しておくことが肝心なのである。

航平(沢村一樹)の写真館に二人組の空き巣が侵入する。

日本人の根っからの悪の佐川ユウジ(大口兼悟)とミャンマー人の流れ者・北島亮(森崎ウィン)である・・・おいっ。

ゴーストママの蝶子(仲間由紀恵)とゴースト愛犬家の三船(生瀬勝久)は為す術がない。

しかも・・・空き巣見習いの北島はゴーストを見る目を持つ若者だった。

たまたま・・・航平が帰宅したために事無きを得るのだが・・・二人のゴーストは霊感青年・北島に興味津々なのだった。

「ゴーストが見えるって特技をいかせないものなの・・・」

「霊媒師になればいいじゃないか・・・」

と北島の更生を促す二人のゴーストたち。

「そういうのって霊能力の有無じゃなくて・・・口先のうまさがないとダメでしょう」

と北島は冷静だった。

そんなある日・・・例によって道で転んで自動車に轢かれそうになったところで北島に助けられるとんぼ(君野夢真)だった。

「やはり・・・いい子なんだ」と短絡的に感じるゴーストママである。

ここで東京とは思えない狭い町シンドローム発症である。

蝶子の義理の娘である葵と高校の同級生である淳也(真田佑馬)が北島の幼馴染だったのである。

もう、つっこむ気力もないわっ。

真田から北島が「ガキ大将だったけれど・・・面倒見がよくていい年上の人だった・・・両親が中学生の時に事故死してから・・・ぐれちゃったらしい・・・たしか・・・たいやき屋のおばあちゃんに育てられていたはずの」転落の人生を送っていることを聞きだすゴーストママだった。

さっそく・・・北島のルーツを求めて・・・ゴーストママととんぼは再開発の進む北島の思い出の街を探索するのだった。

そこには「3年B組金八先生」の国井教頭先生ではなくて北島の祖母(茅島成美)が今も「たいやき屋北島」を営んでいたのだった。

そして・・・北島の祖母もまたゴーストが見える人だったのだ。もう、蝶子の出番を簡単に作れるなげやりな展開である。

「高校をやめて・・・家出した・・・あの子の帰りを今も待っている」

そんな老人の希望を受け取り・・・たいやきを北島に届けるゴースト母子である。

改心した北島は・・・自首を決意して兄貴分のユウジに報告する。

ユウジは北島を撲殺して・・・北島もゴーストになるのが普通だが・・・ドラマなのでゴーストママとゴースト愛犬家が火事場のゴースト力を発揮して・・・ユウジを昏倒させるのだった。

「ばあちゃんに伝えてください・・・罪を償って必ず帰ると・・・ばあちゃんの待っててくれるかな」

「刑期にもよるけどな~」

「大丈夫ですよ・・・たとえおばあちゃんが天寿を全うしても・・・彼にはゴーストが見えるんですもの・・・」

「あ、な~るほど」

「・・・」

そして、夏の夜の闇はいろいろなあれやこれやを隠し尽くすのだった・・・。

いよいよ・・・別れの予感高まる・・・最終回へ・・・この低視聴率でも・・・二時間スペシャルかよっ。まあ・・・実質十話の予算なんだな。

関連するキッドのブログ→第7話のレビュー

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