ドジッ子なので死んじゃった(上間美緒)二人はプリキュア(中西美帆)じゃあねえだろ、愚か者!(榮倉奈々)
昼ドラマの女子大生なら・・・落し穴掘られて・・・「埋め殺されちゃいました」(上野なつひ)なんだけどな。
まあ・・・とにかく・・・なんとなく深夜アニメ的ドラマつくっちゃいました枠となりつつある金10である。
次なんか・・・女将軍の「大奥~誕生~」なんだぜ・・・CXのシリーズだと思ってみると痛い目見るぞ~TBSなんだから~。
だもんで・・・「黒の女教師」もオリジナルでそれ風な実験作なのだ。
もう、途中から・・・何言ってるのか意味不明の連打だが・・・そこは割り引いて考えたい。
もう・・・エモーションだけのドラマなのである。
「教育理念」とか、「理想の教師」とかではなくて「困った」「助かった」「悲しい」「うれしい」みたいな・・・お腹へってる時にコンビニあいててよかった~的ドラマなのだ~。
「投身自殺をした友人の謎」は「GTO」「リップスティック」「わたしたちの教科書」と名作ぞろいである。
立派なひとつのジャンルだな。「トモダチが墜落して死んじゃった」シリーズだ。
まあ・・・本作の場合は一瞬、脱力はするけどね。よろしいんじゃないですか。
で、『黒の女教師・最終回』(TBSテレビ20120921~)脚本・大林利江子、演出・
岡本伸吾を見た。「愚か者」ターゲットは順当に芹沢恵子校長(南果歩)である。しかし、不発に終わる。芹沢校長が愚か者なのかどうか・・・擬似ロボット高性能の高倉(榮倉奈々)にも識別不可能だったからである。なぜなら・・・高倉の原動力は「熱意」なのである。「熱意」なら芹沢校長にも間違いなくあるのだ。
結局・・・方法論ではなくて結果論なのである。
「課外授業」と称して時価で絶体絶命の生徒を救出する。成功すれば「善」であり、失敗すれば「悪」なのだ。
だが、実際の世界はもう少し・・・玉虫色なのである。
東京電力がこれだけ世界中に放射能撒き散らしておいて誰ひとり切腹しないのがその証拠である。
中華人民共和国が突然、領土問題に点火して、暴動を引き起こし、損害賠償については口ごもるのも証拠と言えよう。
だから・・・真相が明らかになった時点で何事もなく「卒業おめでとう」でいいのである。それが大人のドラマというものだ。
正直な話、課外授業組に付和雷同して校長によって「退学宣告」された高木瑞希(坂田梨香子)をはじめとする3年D組のその他の生徒たちなんて基本「ぽか~ん」なんだからな。
にもかかわらず・・・なんらかの痛手を醸し出そうとするところが・・・若気の至りなのですな。
ともかく・・・都立国文館高校の先輩が引き起こした事件に・・・巻き込まれてしまった3年D組である。
その事件とは数年前の水野葵(上間美緒)の転落事件であった。その直前に水野葵いじめ事件があり、事故死として処理されたことに納得がいかなかったのが・・・両親が離婚して戸田と姓が変わった・・・水野葵の弟トシオ(松村北斗)だったのである。
彼は・・・姉の死の真相に迫ろうと・・・当時の担任教師・高倉と・・・葵が所属していた美術部の顧問・藤井彩(小林聡美)、葵の親友でありいじめの首謀者であったらしい長嶋瑞穂(中西美帆)の父親とたまたま不倫している古典教師・内田すみれ(市川実日子)らを調査するうちに黒の女教師の存在を知り、彼女たちが葵の死に関わっているのではないかと邪推したのだった。
まあ、姉思いの弟の復讐萌えである・・・趣味じゃないな。
姉である水野葵を演じる上間美緒は1993年2月生れの19才、高校在学中に転落死しているのでなんちゃって高校生である。その死亡原因はドロドロとした三角関係の果ての・・・人命救助失敗死だった。話は長くなります。
水野葵の高校時代の親友長嶋瑞穂を演じるのは中西美帆で1988年12月生れの23才。回想シーンでは思いっきりなんちゃって高校生である。事の発端は瑞穂の彼氏が葵に心変わりしたことによる。嫉妬に燃え狂った瑞穂は・・・親友に彼氏を寝取られた悲劇の主人公を演じ、葵をおとしめるためにあることないこと様々な噂を流したのである。そのために葵は仲間はずれにされ、精神的にもかなり追いつめられていた。
そんな葵を事情も知らずに励ましていたのが当時、担任だった高倉だったのだ。
しかし・・・親友を辱めたことにより・・・追い詰められていたのは瑞穂だった。葵を孤独な立場に追い込んだことを後悔しつつ、真相を口に出す勇気もなかったために・・・自殺を決意したのである。
雨の夜の屋上。
校庭を見降ろす瑞穂の前に葵がやってきた。
「だめ・・・瑞穂ちゃん・・・私は平気だから死なないで・・・」
「葵・・・」
「私はいつだって・・・瑞穂ちゃんが好きなんだから・・・」
葵のお人よしにもほどがある慈悲の心に思わずよろめき、落ちかかる瑞穂。
それを支えようと手を伸ばし・・・自分が転落してしまった葵だった。
真相を知ったトシオは「それじゃ・・・姉ちゃんは・・・ドジっ子だったのか」と天を仰ぐ。
死体を発見して動顛する高倉や、死体を見降ろして茫然自失の瑞穂に対して、処理したのは芹沢校長だった。瑞穂を家に帰し、緘口令を引き・・・葵の死を単なる事故として処理したのである。
それ以来・・・瑞穂は引き籠ってしまったのだった。
「どうして・・・もっと早く・・・真相を教えてくれなかったのですか」
「今とは違って当時のあなたは青柳先生(木村文乃)レベルの無能教師だった。知ったとして何かできたのかしら・・・」
「・・・」
「あの事件を乗り越えて・・・封じられたあなたの熱意は黒の女教師として有能な工作員の能力を開花したのでしょう・・・」
「でも・・・私は・・・生徒に・・・」
「できないことをしようとする熱意と実際にできることは違うのよ」
「校長はどうして・・・そこまで割り切ることができるのです・・・」
「それは私が説明しよう・・・」と藤井(小林聡美)が現れる。
「校長は・・・有能な教師であると同時に・・・一児の母だったのです・・・そして・・・校長のお子さんは無能な教師のためにいじめから救われず・・・自殺なさったのです・・・校長は母親として無能だった自分を憎み・・・無能な教師を排除しようと決意したのです」
「それは・・・やつあたり・・・」
「じゃ・・・どうすればよかったの・・・いじめによる自殺を阻止できない教師ばかりのこんな世の中じゃポイズンなのよ・・・」
「・・・私にもわかりません」
「その答えはきっと・・・風に吹かれているのです」と意味もなく決める内田だった。
・・・おい。
ま、いいじゃないか・・・。
こうして・・・葵の事件の真相は関係者に共有され・・・ひとつの青春時代の幕は下りるのだった。
トシオ「もう・・・ひきこもりはやめてください・・・姉ちゃんはきっとそんなこと望んじゃいない」
瑞穂「・・・ありがとう・・・帝国の人・・・」
校長「この世に悪がある限り・・・黒の女教師は必要でしょう」
三人「校長・・・」
青柳「ドジっ子の屍拾うものなしなんですね」
都立国文館高校に黒の女教師を讃える裏校歌が鳴り響く。
教室から自分の席が消えていた
そんな時どうする?
お金を持って美術準備室へ
ブラック・ティーチャーズ!
カバンの中から汚いものが
そんな時どうする?
お金を持って美術準備室へ
ブラック・ティーチャーズ!
・・・おいおいっ。
関連するキッドのブログ→第9話のレビュー
ストレートなツッコミをお望みのあなたはコチラへ→くう様の黒の女教師
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コメント
ストレートなツッコミをしてしまいましたわよ…。
もう「ま、よろしいんじゃないでしょうか」とは、とても言えなかったですわ~。
ワケが解らな過ぎて^^;
前半は何かのパクリのように、そして後半は壮大な普通の学園ドラマに…
で、終わってしまいました。
私的には、ずっと水戸黄門のように楽しんでいたドラマだったので、
色々と残念過ぎました…。
次期は堺さま版BL大奥ですから、エンターテイメントとして
気楽に楽しむ予定でございます(#^.^#)
投稿: くう | 2012年9月23日 (日) 02時07分
そうですなあ。
もう・・・とにかく・・・広げすぎた風呂敷を
たたもうにもたためず
あっちこっちからいただきの連続・・・
一体・・・校長の何が悪かったのか
高倉が何を悩んでいるのか
黒の女教師はどうしてできたのかさえ・・・
マゼラン星雲の彼方に消え去った最終回でした。
律義なツッコミに感服した次第でございます。
じいめはもう・・・どこから
ツッコんだらいいのか右往左往でございましたから~。
まあ・・・とにかく・・・「GTO」と
ここで次世代美少女集めまくったわけですが・・・
そしてエピソードをもらえたもの
もらえなかったもの
サバイバルは続いていくわけですが・・・
真のスターは全く別のところから
彗星の如く現れたりして・・・
「彼女」たちの成功を祈るばかりでございます。
まあ・・・じいめは深夜映画の
「ゴーストバスターズ」に影響されすぎでしたが・・・。
ふふふ・・・次回作は腐された女性の方々が
歓喜なのですな。
じいめは・・・お墓参りツアーをしながら
次期の週末のスケジュールに
憂慮しておりますぞ~。
老骨にムチ打ちまくられ決定的ですからな~。
投稿: キッド | 2012年9月23日 (日) 03時06分
いや〜ここまで完全に破綻してしまった連ドラも珍しいと云うか、そこまで何もかもの整合性を問わないままでいいのか?いいんだろうな・・・きっと・・・「ま、よろしいんじゃないでしょうか」だもんな(泣)
これ今クールの中では、結構期待感を持って見始めたドラマだったんですよ、私。
すっごい良い要素がいっぱいあったし。
でも3話ぐらいから、ちょっと雲行き怪しいなあと思っていたら、あれよあれよというまま完全崩壊・・・残念です〜
お気にの坂田梨香子ちゃん、課外授業組に入れなかったし(泣)
やっぱ事務所の力関係とかあるんかな〜
GTOに出てた本田翼ちゃんなんて飛ぶ鳥を落とす勢いで、やっぱ強いっすね〜星くず系(笑)
まあ、これからの若手俳優見本市みたいな役割は十分担えたから、視聴者にはわりと後まで記憶に残るドラマだったのではないかと・・・
だからこそ、返す返すあのようなシリーズ全体を通して全く整合性のとれなくなったストーリー展開はもったいないよな。
だいたいこのドラマの元になったTBSシナリオ大賞の受賞作って、どういう落としどころだったんだろう?
あの最終回がもとのシナリオの通りだったとしたら、途中の話の広げかたが全然あかんやん。
もしくは、ラストが全く別物に変わったのだろうか・・・?
謎だな〜ほんまに。
TBSのドラマ制作班って、本気でドラマ作れる人材が不足してるんじゃないか?と心配になるほどでしたわ・・・
それにしても、今期のドラマには、はえ縄網広げるだけ広げて、まったく回収しないまま平然と漁を終えたようなドラマがいくつかありましたね・・・
あれですよ、あれ、リンゴに執着しすぎの女の子がおっさんと歳の差恋愛に発展しないまま、社会派ドラマにもなれなかった酸欠ドラマ(笑)
キッドさんはレビュー書かないんですか?
ちょっと楽しみにしてたのにな〜
投稿: あまね | 2012年9月23日 (日) 10時50分
基本的な問いかけが必要なのですな。
黒の女教師とは何か?
彼女たちはどこからきたのか?
彼女たちはどこへいくのか?
作り手はまず
これに対して一応の答えを考えた方がいい。
そこからドラマ作りを始めるべきなのです。
で、最終回には少なくともひとつの答えを
受け手に届けたい・・・
届けるべきなんですな。
ところが・・・何一つ届けないとは~・・・。
黒の女教師がなんだったのか・・・
どうやってできたのか・・・
今後どうなるのか・・・
何一つ説明されてない・・・。
仕方なく妄想補完すると・・・
一人の女子高校生が死んで
彼女がなぜ死んだのか
分からなかった
未熟な高倉は
それ以来、盗聴監視による
生徒のプライバシーを完全に把握する
ストーカーとなった。
それによって得た情報で
過保護なまでに生徒を救済する
ストーカーに金がかかるので
生徒の懐具合によって料金徴収・・・。
しかし・・・黒の校長はさらに
子供の仇である教師のストーカーとなり
教師のすべてを把握している・・・
黒の校長と黒の教師は
和解し・・・
次なる完全無欠の収容所を作るために
新たなる計画を始動するのだった。
つまり、黒の都立高校である。
・・・的な・・・。
まあ・・・若いって素晴らしいから・・・
これから頑張ってもらいたいものです。
ふふふ・・・帝国をはじめとする
様々な芸能国家は・・・ビジネスですからな
些少はよこしまでよろしいかと。
「息もできない夏」は初回ですべてを理解しましたので・・・
http://kid-blog.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-3d78.html
最終回はエリお嬢様のレビューが申し分ないかと・・・。
http://eri0309.blog98.fc2.com/blog-entry-1593.html
ほとんどの夏ドラマに言及したキッドですが・・・
『ビギナーズ!』は完全スルーです。
まあ・・・それもまた一種の批評ということでございましょう。
まあ・・・どの局も
自社制作ということを継続しないといけません。
技術というものは継承され発展するものですからな。
精進してもらいたいと願うばかりでございます。
投稿: キッド | 2012年9月23日 (日) 22時38分