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2012年9月26日 (水)

旭日昇天の相(谷花音)雲外蒼天の相(小林星蘭)みをつくし料理帖・・・的なもげっ!(北川景子)

神風(台風)17号が台湾直撃コースに乗って、思い知ったかっと思っていると、18号は関東直撃コースを迷走中である。

人を呪わば穴二つだな。

さて・・・季節の谷間に入って・・・面白い映画やスペシャルドラマが目白押しなのだが・・・。

文句なしに面白かったのが・・・コレである。

原作の力も凄いのだが、脚本、演出、そしてキャスティングとよどみない展開である。

谷花音が北川景子に成長してもよかったのだが・・・ここは・・・まあ、小林星蘭→北川、谷→貫地谷しほりでいいのかな・・・。

おそるべし2004年組なのだが・・・谷花音はすでに大柄なのである。

「名前をなくした女神たち」の時はそうでもなかったのだが・・・「24時間テレビ35」での史上最年少ガールズユニットのすたーふらわーで「アンパンマンマーチ」を歌ってた時には谷にくらべて小林小柄でいいコンビネーションだったからな。

ちなみに星蘭の星と花音の花ですたーふらわーである・・・誰がそんなミニ知識を求めているのか・・・。

で、『みをつくし料理帖』(テレビ朝日20120922PM9~)原作・高田郁、脚本・吉田紀子、演出・片山修を見た。演出・主演は名作「モップガール」のコンビである。いい味だしています。そして、北川景子と貫地谷しほりは名作「ブザービート」の親友コンビである。これでベストセラー小説をドラマ化・・・ある意味、反則である。しかし、絶対に失敗できない戦いに勝ったというのは素晴らしいことだ。

Edo001 ikasama4時代劇の秋・・・ですな

シャブリ日本橋「登龍楼」が新しい店を出した神田須田町はどこですか~

じいや「神田川を挟んで神田旅籠町などのあった外神田の対岸・・・つまり南側ですな。南側の方が都心に近いので一等地と申せましょう

ikasama4「湯豆腐でも食べますか

じいや「こんぶダシで温めて、かつおだしのポン酢醤油で召し上がりませ。お好みで刻みネギを添えますと風味がありますぞ~

シャブリ「食欲の秋ですか~

享和(きょうわ)二年(1802年)のことである。

大坂の大店「淡路屋」の娘・野江(谷花音)としがない漆塗師の娘・(小林星蘭)は幼馴染であった。

天気を占って下駄を飛ばした澪が・・・それを井戸に落せば、野江もまた片方の下駄を落とし共に罰を受けることも厭わぬ仲なのである。

二人は八歳であった。「淡路屋」を訪れた易者が二人の顔相を占うと・・・。

野江には豊臣秀吉にも勝る天下取りの相である「旭日昇天の相」という吉相が・・・。

澪には「雲外蒼天の相」が顕れていた。

「雲外蒼天の相」とは・・・頭上に雲が垂れ込めて真っ暗になり、艱難辛苦が降り注ぐが、苦労に耐えて精進を重ねれば真っ青な空を望む事が出来るという・・・あまり有り難くない凶相である。

まあ・・・おべっかの一種ですな。

しかし・・・占いが具現化し、雷鳴轟き、水無月から文月にかけて降った大雨は淀川を氾濫させ・・・洪水ですべてが押し流されてしまう。

澪の両親も行方不明となり、野江の一家も消息不明になってしまったのだ。

ただ一人生き残り、飲まず食わずで惨禍の跡の街を彷徨う澪。

盗み食いで捕まった澪を救ったのは上方で名高い料理屋「天満一兆庵」の女将・「ご寮(りょん)さん」こと(原田美枝子)だった。亭主の嘉兵衛(笹野高史)は澪の料理の天分を見抜き、女料理人として育て上げる。

そして・・・十年の歳月が流れた。

幸せをつかみかけた澪だが・・・「天満一兆庵」は大火に襲われ、嘉兵衛は死亡。店は焼失である。澪・・・自分だけでなく周囲を不幸にする星の元に生れてるんじゃないのか・・・。

「天満一兆庵」の江戸店をまかされていた嘉兵衛と芳の息子・佐兵衛を頼って江戸にやってきた澪と芳だが・・・店はつぶれ、佐兵衛は行方不明である。

どこまでも・・・。

しかし、捨てる神あれば拾う神あり・・・なのである。

澪が「化け物稲荷」と噂され、さびれた稲荷明神を掃き清めていると・・・妻と娘を亡くした蕎麦屋「つる家」の店主・種市(大杉漣)が通りかかり・・・「娘の生まれ変わり」として澪を慈しむのだった。

文化九年(1812年)の江戸は人口百万を越える世界一の大都市である。江戸幕府将軍は十一代・徳川家斉、文化・文政年間は合わせて化政文化と言われ、町人が多分野で文化の華を開かせた時代だった。喜多川歌麿はすでに世を去ったが、山東京伝、杉田玄白はまだ存命だった。

こうして、澪は神田台所町の「つる家」で料理人として腕をふるうことになったのだ。

しかし、上方で修行を積んだ澪は江戸っ子の味覚に戸惑うのである。

「なんでえ・・・こりゃ、味がしねえぜ・・・せっかくの深川牡蠣が台無しじゃねえか」

上方風に 白味噌で煮た牡蠣は江戸っ子の口にまったくあわないのである。

それなりに料理の腕には自信のある澪は「もげっ」となるのだ。

そこへ・・・あらわれた謎の男・・・小松原(松岡昌宏)・・・。

後に明らかになるが実は将軍の御膳奉行を勤める若年寄・小野寺数馬である。城中では土圭の間に詰める役料200俵の身分の男なのである。

浪人を装ってふらりとあらわれては・・・「面白いな・・・」などと言って澪の料理の指南役を務めることになるのだった。

しかし・・・「お待ちください・・・教えてください」と澪が頼れば「上方じゃ、奉公人が客をつかまえて教えを請うのかい?」などと冷たいことも言うのである。

途方に暮れる澪・・・そんな澪に娘の面影を見出す種市は殻のまま焼いた牡蠣に醤油をつけてみせる。

「江戸じゃあ・・・こんな野卑な食い方をするのよ・・・」

澪には牡蠣の味よりも種市の優しさが沁みるのだった。

「え・・・えっ・・・え・・・」

思わず涙の泣き虫澪だった。

仮住まいの長屋で澪の母親代わりの芳は針仕事で食いぶちを稼ぐ。

「何をめそめそしてるんや」

「せやかて・・・ご寮さんにこないな暮らしをさせてしもて…」

「悪いのはあんたやない・・・あれもこれも運命や・・・」

「え・・・えっ・・・え」

「あんたの泣き虫は子どもの頃からいっこも直らへんな」

「・・・もげっ」

「モップガール」以来だな・・・こんな可愛い北川景子を堪能できたのは。長い歳月辛抱してきたもんだ。

・・・ところで・・・この調子で全編書く気か・・・うん・・・もうちょっとだけ。

芳は亡くなった亭主の口癖を澪に伝える。

才のないもんには恥かかんように盛大に手を貸したり。

才のあるもんには手を貸さんと盛大に恥かかしたり

「亭主はあんたには手を貸さんかったろう・・・あんたは自分で江戸のお人の口に合うものを考えださな・・・」

「でも・・・どうしたらいいか」

思い悩む澪を励まそうとした芳は急に苦悶する。

「ご寮さん・・・」

そこに通りがかりの医師・永田源斉(平岡祐太)が顕れる。

神田旅籠町に住む源斉は御典医・永田陶斉の次男坊であった。

「血虚(けっきょ・・・貧血などの血行障害)の軽い症状ですから・・・命に関わるものではありません。大丈夫ですよ」

貧しい澪はせめてものお礼にと手料理をふるまう。

「上方のしぐれ煮は薄味ですねえ」

「江戸は塩辛い料理が多おますなあ」

「江戸は職人が多いですからな。大工などは年中汗をかくので塩分不足になるのです」

源斉の言葉は何故か・・・素直に澪の心に届くのだった。

鰹の濃いだしに醤油たっぷりの里芋煮を作ってみた澪。

「こいつはうまい」

味見をした種市も舌を巻く出来栄えである。

つる屋の里芋は澪の最初のヒット商品となった。

上方ものと言うことで色眼鏡でみていた近所のおりょう(室井滋)にも里芋をおすそ分けしてよしみを通じる。おりょうは大工の伊佐三 (浜田学)の女房で火事でみなしごになった聾唖の太一を育てている気のいい女なのである。

洪水で両親を失い見ず知らずの芳に育てられた澪はシンパシーを感じるのだった。

やがて夏がめぐってくる。

葉月一日は八朔と呼ばれ、吉原の遊女が白無垢姿で客を迎える慣わしがあった。

その日は花魁のお披露目もあり、吉原遊郭とは縁のない街の女たちも切符を買えば出入りが許され、艶やかな花魁を見物できるとあって吉原は見物客であふれかえるのである。ちなみにナレーションは吹越満である。

Yoshiwara001 ちなみにこの頃の吉原は、明暦の大火後に日本橋人形町から浅草寺裏に移転した新吉原である。澪は種市に連れられて源斉とともに吉原見物にやってきていた。

「俺はどうしてもお澪坊に吉原名物の俄(にわか・・・即興芝居)をみせてやりてえと思ってよ」

「こりゃ・・・すごい人手だ・・・」

「お澪坊、はぐれねえようにしろよ・・・」

「はい・・・」

「先生・・・源斉先生・・・」

「・・・・・・・・・・」

源斉ははぐれた。

大門奥の櫓の上の舞台では狐面をかぶった花魁たちの俄がにわかに始った。

「よっ・・・待ってました・・・お澪坊よ、あれが花魁だ」

「はい・・・」

かわいいよ、北川景子かわいいよである。

吉原の遊女の中でも最高位にあたる花魁。庶民はその姿を浮世絵などの姿絵でしか見ることができなかったのである。

狐面をとった花魁のきらきらしさにどよめく・・・見物客たち。

幇間(たいこもち)が「お狐さん、こ~んこん」と掛け声をかけるたびに一さし舞っては面をとる生花魁である。

「松葉屋の染路だ」

「大文字屋の胡蝶だ」

絵姿で顔を覚えた通の男たちが花魁の名を呼べば拍手喝采である。

源斉までが・・・「最後の狐はまさか・・・翁屋のあさひ太夫(貫地谷しほり)じゃあ」

「お狐さん、こ~んこん」

「よ・・・あさひ太夫!」

「待ってました!日本一!」

澪は気がつかなかったがあさひ太夫こそは野江の変わり果てた姿だった。野江は吉原で天下をとっていたのだった。

しかし、その妖艶な笑みに澪は胸をときめかせるのだ。

帰りに寄った茶屋で関東の心太(ところてん)を奢られた澪は驚く。

「これは何ですか・・・」

「一本箸で酢醤油をかけてたべるのさ・・・上方ではちがうのか・・・」

「とろりと煮詰めたお砂糖を冷たい心太にかけて食べるのが夏の一番のごちそうでした。お箸はもちろん二本です」

「えーっ・・・心太に砂糖・・・箸が二本とは驚いた」

その頃、吉原では翁屋の料理番・又次(高橋一生)があさひ太夫の求めに応じて甘い心太をしつらえていた。

「真っ白くてさらさらで雪のようでありんすね。 ほんに八朔の雪・・・」

白砂糖を眺めてつぶやく・・・あさひ太夫である。その美しさはただならず牡丹の花も恥じてしおれるほどという・・・。貫地谷しほりは時代劇になると魅力倍増なのだ。

こうして・・・澪の江戸の暮らしは本格的にスタートをきるが・・・なにしろ雲外蒼天の相である。

種市は腰を痛めて蕎麦を打てなくなるわ・・・せっかくの江戸では猫マタギとよばれて蔑まれる戻りガツオで鰹飯をつくってヒットさせれば隣近所で類似商品が出るわ、精進してかつおとこんぶの合わせだしを開発すれば老舗の料理屋にレシピを盗まれるわ、頭に来たご寮さんが味盗人の料理屋「登龍楼(とりゅうろう)」に怒鳴り込めば、逆襲され「つる屋」は放火で全焼するわ・・・である。

波乱万丈である。しかし・・・澪に心を寄せる優しい人々・・・下心のあるものもいます・・・に支えられ、たくましく「もげっ」と生きていく澪なのである。

原作も大量に残っているので次回作が待ち遠しい。頼むぞ、テレビ朝日。

関連するキッドのブログ→謎解きはディナーのあとで 

ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~

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コメント

おひさ~~!
まさか、殴り書きのTwitterログにTBいただけるなんて~感激ですわ!

そうそう!
「モップガール」つながりなんですよね。

私も親友コンビ出演だったし、すたーふらわーコンビだったし、
アゲアゲ状態で楽しみました。

原作ではまだ続きがあるから、
続編に期待しておりまする。


投稿: シャブリ | 2012年9月26日 (水) 23時59分

▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯

まったくつぶやけないキッドとしましては
シャブリ様のつぶやきに
いつも感嘆しておりますぞ~。

料理が科学であり芸術でありエンターティメントで
あるように
ドラマもまた然りのお手本のような時代劇でしたな~。

素材の味を最大限にいかした演出。
だしのきいた脚本。
そして・・・おいしい出演者。

うまい、うまいぞ、みをつくし料理帖でございまする。

キッドは最近、谷花音が一番萌えなのですな。
ウエイトコントロールなどを考えると
今が旬なのかもしれませんが。

「ぼくの妹」(2009年)で谷花音→鎗田千裕→長澤まさみ

の実力がありますからねえ。

春ドラマが「パパドル!」だったのが残念だったなあ。

おかげで夏季は宇宙人ジョーンズ・シリーズでしか見れなかったし。

キッドの頭の中では
おそらく演技力がほとんどないだろう板野友美が
不治の病に冒されたヤンママと言う設定で
谷花音が娘を演じるヒロインが演技力を爆発させる
「グッドバイ・ヤングママ」
という妄想ドラマが進行してました。

・・・どんなドラマじゃっ。

ともかく・・・久しぶりに
北川景子のかわいさが堪能できてよかったのです。

続きが見たいですな~。

それでは秋ドラマもよろしくおつきあいください。

投稿: キッド | 2012年9月27日 (木) 03時57分

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